説明

電子辞書およびプログラム

【課題】電子辞書の操作者がスペルチェック機能の実行指示の操作を行うことなく、スペルチェック機能を実行することができる。
【解決手段】入力部12は、検索文字列を構成する文字の入力を受け付ける。CPU11は、入力部12が文字の入力を受け付けた場合、検索文字列と前方一致した見出し語を検索する。また、CPU11は、入力部12が文字の入力を受け付けた場合、検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索する。出力部13は、CPU11が検索した、検索文字列と前方一致した見出し語と、検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語とを同時に1つの画面上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子辞書およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書の操作者が入力した検索文字列の綴りが正しいかどうかを判定し、綴りに誤りがある場合には、当該綴りに近似した綴りの見出し語の候補を表示させるスペルチェック機能を有する電子辞書が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−134564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、電子辞書が有するスペルチェック機能を動作させるためには、操作者はスペルチェック機能の実行を指示する操作を行う必要がある。そのため、電子辞書は、スペルチェック機能によるスペルチェックを、スペルチェック機能の実行を指示する操作を受け付けたときのみ行う。また、電子辞書は、スペルチェック機能を実行しない場合、操作者が入力した文字列の綴りに一致した見出し語の候補を表示する。そのため、操作者が入力した単語の文字列の綴りに一致した見出し語が偶然存在した場合、電子辞書は偶然一致した見出し語を表示する。よって、操作者は表示された見出し語が正しい単語であると誤認識してしまう可能性があった。
【0005】
例えば、操作者は「beer」を入力するつもりであったが間違えて「bear」と入力した場合、見出し語に「bear」が存在するため、電子辞書は「bear」を表示する。そのため、操作者は、間違った入力を行ったにも関わらず電子辞書に見出し語が表示されたため、「bear」を本来入力するつもりであった「beer」であると誤認識する可能性がある。図13は、このときに電子辞書が表示する表示画面を示した概略図である。
【0006】
図示する例では、表示画面は、操作者が入力した検索文字列を表示する画面上部の領域1301と、操作者が入力した検索文字と前方一致した見出し語を表示する画面中央の領域1302と、領域1302に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を表示する画面下部の領域1303とを含んでいる。
【0007】
領域1301には、操作者が入力した検索文字列「bear」が表示されている。領域1302には、検索文字列「bear」と前方一致した見出し語「1bear」、「2bear」、「beard」などが表示されている。領域1302に表示されている他の見出し語については図示するとおりである。また、領域1302に表示されている見出し語のうち、「1bear」が選択されているため、「1bear」の文字と背景との色が反転された状態で表示されている。また、領域1303には、領域1302に文字と背景との色が反転された状態で表示されている見出し語「1bear」を説明する見出し語説明情報が表示されている。
【0008】
なお、図13の画面が表示されているときに操作者がスペルチェック機能の実行を指示する操作を行った場合、電子辞書は「bear」に近似した綴りの見出し語の候補として「beer」などを表示する。図14は、このときに電子辞書が表示する表示画面を示した概略図である。
【0009】
図示する例では、表示画面は、操作者が入力した検索文字と一致した見出し語と、検索文字列に近似した文字列を含む見出し語とを表示する画面上部の領域1401と、領域1401に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を表示する画面下部の領域1402とを含んでいる。
【0010】
領域1401には、操作者が入力した検索文字列「bear」と一致した見出し語「1bear」、「2bear」と、検索文字列「bear」に近似した文字列を含む見出し語「beer」、「1bell」、「2bell」などが表示されている。領域1401に表示されている他の見出し語については図示するとおりである。また、領域1401に表示されている見出し語のうち、「1bear」が選択されているため、「1bear」の文字と背景との色が反転された状態で表示されている。また、領域1402には、領域1401に文字と背景との色が反転された状態で表示されている見出し語「1bear」を説明する見出し語説明情報が表示されている。
【0011】
次に、図を参照して、スペルチェック処理の手順について説明する。図15は、従来のスペルチェック処理の手順を示したフローチャートである。
【0012】
(ステップS401)操作者は、電子辞書の入力部が備えるキーボードを用いて、調べたい語句である検索文字列を電子辞書に入力する。電子辞書の出力部が備える液晶ディスプレイは、キーボードが入力を受け付けた検索文字列を表示する。その後、ステップS402の処理に進む。
【0013】
(ステップS402)電子辞書のCPUは、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を検索する。その後、ステップS403の処理に進む。
【0014】
(ステップS403)CPUは、ステップS402で見出し語を検索した結果、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったか否かを判定する。CPUは、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったと判定した場合はステップS404の処理に進み、それ以外の場合はステップS405の処理に進む。
【0015】
(ステップS404)CPUは、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語と、検索文字列と前方一致する見出し語とを液晶ディスプレイに表示させる。その後、ステップS406の処理に進む。ステップS404で液晶ディスプレイが表示する画面は、例えば図13に示した表示画面である。
【0016】
(ステップS405)CPUは、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を液晶ディスプレイに表示させる。その後、ステップS406の処理に進む。
【0017】
(ステップS406)操作者は、スペルチェック機能を実行させる場合、スペルチェック機能の実行を指示する操作として、電子辞書の入力部が備えるスペルチェック実行ボタンを押下する。CPUは、スペルチェック実行ボタンが押下されたか否かを判定する。CPUは、スペルチェック実行ボタンが押下されたと判定した場合はステップS407の処理に進み、それ以外の場合は処理を終了する。
【0018】
(ステップS407)CPUは、スペルチェック機能を実行し、ステップS401でキーボードが入力を受け付けた検索文字列と近似する文字列を含んだ見出し語を検索し、液晶ディスプレイに表示させる。その後、処理を終了する。ステップS407で液晶ディスプレイが表示する画面は、例えば図14に示した表示画面である。
【0019】
このように、上述の電子辞書においてスペルチェックを行う場合、電子辞書の操作者は、スペルチェック機能の実行を指示する操作を行う必要があった。また、スペルチェック機能の実行指示の操作が行われない場合、図13に示したとおり、電子辞書は、検索文字列と完全一致した見出し語と前方一致した見出し語とを表示し、スペルチェック結果である、検索文字列と近似した文字列を含む見出し語の表示を行わない。
【0020】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電子辞書の操作者がスペルチェック機能の実行指示の操作を行うことなく、スペルチェック機能を実行することができる電子辞書およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、検索文字列を構成する文字の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と前方一致した見出し語を検索する見出し語検索部と、前記入力部が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索するスペルチェック部と、前記見出し語検索部が検索した見出し語と、前記スペルチェック部が検索した見出し語とを同時に1つの画面上に表示する表示部と、を備えたことを特徴とする電子辞書である。
【0022】
また、本発明の電子辞書において、前記スペルチェック部は、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索中に、前記入力部が文字の入力を受け付けた場合、当該文字を含んだ検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の電子辞書において、前記スペルチェック部は、前記入力部が文字の入力を受け付けた後、一定時間の間前記入力部から文字の入力がない場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の電子辞書において、前記一定時間は、前記操作者によって指定された時間であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、前記入力部によって文字の入力が受け付けされる時間間隔の平均値を算出する時間間隔算出部を備え、当該時間間隔の平均値を前記一定時間とすることを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、検索文字列を構成する文字の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と前方一致した見出し語を検索する見出し語検索手段と、前記入力手段が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索するスペルチェック手段と、前記見出し語検索手段が検索した見出し語と、前記スペルチェック手段が検索した見出し語とを同時に1つの画面上に表示する表示手段と、して電子辞書を動作させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、電子辞書の操作者がスペルチェック機能の実行指示を行うことなく、スペルチェック機能を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一の実施形態における電子辞書の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における電子辞書の外観を示した概略図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における見出し語一覧データのデータ構造を示した概略図である。
【図4】本発明の第一の実施形態におけるスペルチェック候補データのデータ構造を示した概略図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における検索画面を示した概略図である。
【図6】本発明の第一の実施形態における入力文字検索・スペルチェック結果画面を示した概略図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における入力文字検索・スペルチェック結果画面を示した概略図である。
【図8】本発明の第一の実施形態における入力文字検索・スペルチェック結果画面を示した概略図である。
【図9】本発明の第一の実施形態における電子辞書の画面表示動作の手順を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第一の実施形態におけるスペルチェックプログラムの処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の第二の実施形態における電子辞書の画面表示動作の手順を示したフローチャートである。
【図12】本発明の第二の実施形態におけるCPUが、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出する手順を示したフローチャートである。
【図13】電子辞書が表示する表示画面を示した概略図である。
【図14】電子辞書が表示する表示画面を示した概略図である。
【図15】スペルチェック処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第一の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の電子辞書の構成を示したブロック図である。図示する例では、電子辞書1は、CPU11(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と、入力部12と、出力部13と、ROM14(Read Only Memory、リードオンリーメモリ)と、RAM15(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)とを備えている。
【0030】
CPU11(見出し語検索部、スペルチェック部)は、電子辞書1が備える各部の制御を行う。入力部12は、キーボードや各種ボタンを備え、操作者からの入力を受け付ける。出力部13(表示部)は、液晶ディスプレイなどを備え、各種情報を表示する。
【0031】
ROM14は、電子辞書1が使用するデータを記憶する。本実施形態では、ROM14は、辞書本体データ記憶部141と、見出し語一覧データ記憶部142と、スペルチェック用データ記憶部143と、見出し語検索プログラム記憶部144と、スペルチェックプログラム記憶部145と、表示制御プログラム記憶部146と、時間計測プログラム記憶部147と、計測時間記憶部148とを備える。
【0032】
辞書本体データ記憶部141は、見出し語を説明する見出し語情報を記憶する。見出し語一覧データ記憶部142は、後述する見出し語一覧データを記憶する。スペルチェック用データ記憶部143は、スペルチェック処理に用いるデータを記憶する。見出し語検索プログラム記憶部144は、CPU11に見出し語を検索させるためのプログラムを記憶する。スペルチェックプログラム記憶部145は、CPU11にスペルチェックを実行させるためのプログラムを記憶する。表示制御プログラム記憶部146は、CPU11に出力部13の制御を実行させるためのプログラムを記憶する。時間計測プログラム記憶部147は、CPU11に、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出させるためのプログラムを記憶する。計測時間記憶部148は、タイマカウントを開始した時点から経過した時間であるカウント時間を記憶する。なお、電子辞書1は、第二の実施形態で説明する、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出しない場合は、時間計測プログラム記憶部147と計測時間記憶部148とを備えていなくてもよい。
【0033】
RAM15は、電子辞書1が備える各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。例えば、後述するスペルチェック候補データを記憶する。
【0034】
次に、電子辞書1の外観について説明する。図2は、本実施形態における電子辞書1の外観を示した概略図である。図示する例では、入力部12が備える「入/切」キー121と、キーボード122と、ファンクションキー123と、決定キー124と、カーソルキー125と、リスト切替キー126と、出力部13が備える液晶ディスプレイ131とが示されている。
【0035】
「入/切」キー121は、電子辞書1の電源入力/切断の指示を受け付ける。キーボード122は、文字の入力を受け付ける。ファンクションキー123は、予め定められた機能の呼び出しの指示を受け付ける。決定キー124は、決定指示を受け付ける。カーソルキー125は、カーソルの移動指示を受け付ける。リスト切替キー126は、後述する「入力文字検索・スペルチェック結果画面」に含まれている「入力文字検索画面」と、「スペルチェック結果画面」とのうち、操作を行う画面の切り替え指示を受け付ける。液晶ディスプレイ131は、文字や画像を表示する。表示例については後述する。
【0036】
次に、見出し語一覧データ記憶部142が記憶する見出し語一覧データについて説明する。図3は、本実施形態における見出し語一覧データ記憶部142が記憶する見出し語一覧データのデータ構造を示した概略図である。見出し語一覧データは、予め見出し語一覧データ記憶部142に記憶されているデータである。
【0037】
図示する例では、見出し語一覧データは表形式のデータ構造を有しており、「ID」と、「見出し語」と、「検索用キーワード」と、「訳」とのデータ項目を有する。「ID」は、見出し語を一意に特定する識別子である。「見出し語」は、検索対象の言葉である。「検索用キーワード」は、見出し語を検索するための文字列である。「訳」は、見出し語の日本語訳である。
【0038】
例えば、行301は、ID「EJ0000」が一意に特定する見出し語は「@」であり、この見出し語の検索用キーワードは「atmark」であることを示している。なお、見出し語「@」に対応する日本語訳は無いため、行301のデータ項目「訳」にはNull値が記憶されている。
【0039】
また、行302は、ID「EJ0001」が一意に特定する見出し語は「and」であり、この見出し語の検索用キーワードは「and」であり、この見出し語の訳は「そして」であることを示している。他のIDで特定することができる情報については図示するとおりである。なお、見出し語一覧データ記憶部142が記憶しているデータ数は図3に示すデータ数よりもはるかに多いが、図3は見出し語一覧データの一例を示した図であるためデータ数を割愛している。
【0040】
次に、RAM15が記憶するスペルチェック候補データについて説明する。図4は、本実施形態におけるRAM15が記憶するスペルチェック候補データのデータ構造を示した概略図である。
【0041】
図示する例では、スペルチェック候補データは表形式のデータ構造を有しており、「No.」と、「文字サイズ」と、「見出し語ID」と、「見出し語位置」と、「スペルチェック候補」と、「スペルチェック候補位置」とのデータ項目を有する。
【0042】
「No.」は、スペルチェック候補データに含まれるデータの行を特定する識別子である。「文字サイズ」は、液晶ディスプレイ131が表示する文字の大きさに応じて、スペルチェック候補データに含まれるデータのうち、液晶ディスプレイ131が表示するデータを特定する情報である。図示する例では、No.が「0006」である行406の文字サイズは「L」である。これは、液晶ディスプレイ131が表示する文字の大きさがLサイズ(大型,Largeサイズ)である場合、液晶ディスプレイ131は、No.が「0001」〜「0006」である行401〜行406のデータを表示することを示す。また、図示する例では、No.が「0008」である行408の文字サイズは「M」である。これは、液晶ディスプレイ131が表示する文字の大きさがMサイズ(中型,Mediumサイズ)である場合、液晶ディスプレイ131は、No.が「0001」〜「0008」である行401〜行408のデータを表示することを示す。他の文字サイズ「S」、「SS」についても同様である。
【0043】
「見出し語ID」は、操作者が入力した検索文字列と前方一致する見出し語を特定する識別子である。なお、「見出し語ID」は、図3に示した見出し語一覧データのデータ項目「ID」と同一の識別子である。例えば、行401の見出し語ID「EJ0004」が一意に特定する見出し語は、図3に示した見出し語一覧データより、「bear」である。他の見出し語IDについても同様である。
【0044】
「見出し語位置」は、選択されている見出し語を示す情報である。見出し語位置「H」は、見出し語位置が「H」である行の「見出し語ID」で特定される見出し語が選択されていることを示す。また、見出し語位置「L」は、見出し語位置が「L」である行の「見出し語ID」で特定される見出し語は選択されていないことを示す。図示する例では、行411の見出し語位置が「H」であり、他の行の見出し語位置が「L」であるため、行411の見出し語ID「EJ0004」で特定される見出し語「bear」が選択されていることを示している。
【0045】
「スペルチェック候補」は、ユーザによって入力された検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を特定する識別子である。なお、「スペルチェック候補」は、図3に示した見出し語一覧データのデータ項目「ID」と同一の識別子である。例えば、行401のスペルチェック候補「EJ0005」が一意に特定する見出し語は、図3に示した見出し語一覧データより、「beer」である。他のスペルチェック候補についても同様である。
【0046】
なお、近似とは、検索文字列に対応付けされた見出し語であり、検索文字列の先頭文字と見出し語の先頭文字とが一致し、それ以外の文字については、一定の割合(個数)で一致することをいう。先頭文字以外の一致とは、先頭からの文字の位置が異なる場合も含む。
【0047】
また、スペルチェック候補データは、「使用状態」のデータ項目を有する。「使用状態」は、後述する「入力文字検索・スペルチェック結果画面」に含まれている「入力文字検索画面」と、「スペルチェック結果画面」とのうち、使用されている画面を示す情報である。具体的には、使用状態「H」は使用状態であることを示し、使用状態「L」は使用状態ではないことを示す。図示する例では、見出し語IDの使用状態は「H」であり、スペルチェック候補の使用状態は「L」であるため、見出し語IDで特定される見出し語を表示する「入力文字検索画面」は使用状態であることを示し、スペルチェック候補で特定される見出し語を表示する「スペルチェック結果画面」は使用状態では無いことを示している。
【0048】
なお、スペルチェック候補データは、操作者のキー操作に基づいて、CPU11が生成するデータである。
【0049】
例えば、CPU11は、操作者が入力した検索文字列に基づいて、検索文字列と前方一致する見出し語を検索し、該当する見出し語を特定するIDを「見出し語ID」に含める。また、CPU11は、操作者が入力した検索文字列に基づいて、検索文字列に近似した文字列を含んだ見出し語を検索し、該当する見出し語を特定するIDを「スペルチェック候補」に含める。
【0050】
次に、液晶ディスプレイ131が表示する画面例について図5〜図8に基づいて説明する。なお、各画面の遷移については後述する。
【0051】
図5は、本実施形態における液晶ディスプレイ131が表示する、検索画面を示した概略図である。検索画面は、操作者が入力した検索文字列を表示する画面上部の領域501と、操作者が入力した検索文字と前方一致した見出し語の一覧を表示する画面中央の領域502と、領域502に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を表示する画面下部の領域503とを含んでいる。
【0052】
液晶ディスプレイ131は、操作者が入力した検索文字列を領域501に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データの見出し語IDで特定される見出し語の一覧を領域502に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、選択されている見出し語の文字と背景との色を反転して領域502に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を領域503に表示する。
【0053】
図示する例では、液晶ディスプレイ131は、操作者が入力した検索文字列「bear」を領域501に表示している。また、液晶ディスプレイ131は、検索文字列「bear」と前方一致した見出し語の一覧として、「1bear」、「2bear」、「beard」などを領域502に表示している。液晶ディスプレイ131が領域502に表示する他の見出し語については図示するとおりである。また、液晶ディスプレイ131は、領域502に表示する見出し語のうち、「1bear」が選択されていることを示すように、「1bear」の文字と背景との色を反転して表示している。また、液晶ディスプレイ131は、選択されている見出し語「1bear」を説明する見出し語説明情報を領域503に表示している。
【0054】
図6は、本実施形態における液晶ディスプレイ131が表示する、「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を示した概略図である。「入力文字検索・スペルチェック結果画面」は、操作者が入力した検索文字列と前方一致した見出し語の一覧を表示する画面である入力文字検索画面と、操作者が入力した検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語の一覧を表示する画面であるスペルチェック結果画面とを含んでいる。
【0055】
入力文字検索・スペルチェック結果画面は、操作者が入力した検索文字列を表示する画面上部の領域601と、タイトル「入力文字検索」の表示と、操作者が入力した検索文字と前方一致した見出し語の一覧とを表示する画面左中央の領域602と、領域602に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を表示する画面左下部の領域603と、タイトル「スペルチェック結果」の表示と、操作者が入力した検索文字と近似した文字列を含む見出し語の一覧とを表示する画面右中央の領域604と、領域604に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を表示する画面左下部の領域605とを含んでいる。
【0056】
なお、図示する例では、入力文字検索画面は領域602と領域603とから構成されている。また、スペルチェック結果画面は領域604と領域605とから構成されている。
【0057】
液晶ディスプレイ131は、操作者が入力した検索文字列を領域601に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、タイトル「入力文字検索」と、RAM15が記憶するスペルチェック候補データの見出し語IDで特定される見出し語の一覧とを領域602に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、領域602に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を領域603に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、タイトル「スペルチェック結果」と、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補で特定される見出し語の一覧とを領域604に表示する。また、液晶ディスプレイ131は、領域604に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を説明する見出し語説明情報を領域605に表示する。
【0058】
図示する例では、液晶ディスプレイ131は、操作者が入力した検索文字列「bear」を領域601に表示している。また、液晶ディスプレイ131は、タイトル「入力文字検索」の表示と、検索文字列「bear」と前方一致した見出し語の一覧である「1bear」、「2bear」、「beard」などを領域602に表示している。液晶ディスプレイ131が領域602に表示する他の見出し語については図示するとおりである。また、液晶ディスプレイ131は、領域602に表示する見出し語のうち、「1bear」が選択されていることを示すように、「1bear」の文字と背景との色を反転して表示している。また、液晶ディスプレイ131は、領域602に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語「1bear」を説明する見出し語説明情報を領域603に表示している。
【0059】
また、液晶ディスプレイ131は、タイトル「スペルチェック結果」の表示と、検索文字列「bear」と近似した文字列を含む見出し語の一覧である「beer」、「1bell」、「2beel」、「bearer」などを領域604に表示している。液晶ディスプレイ131が領域604に表示する他の見出し語については図示するとおりである。また、液晶ディスプレイ131は、領域604に表示する見出し語のうち、「beer」が選択されていることを示すように、「beer」の文字と背景との色を反転して表示している。また、液晶ディスプレイ131は、領域604に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語「beer」を説明する見出し語説明情報を領域605に表示している。
【0060】
また、液晶ディスプレイ131は、「入力文字検索画面」と「スペルチェック結果画面」とのうち、「入力文字検索画面」が選択されていることを示すように、タイトル「入力文字検索」の文字と背景との色を反転して表示している。
【0061】
図7は、液晶ディスプレイ131が図6に示した「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を表示した状態で、操作者がカーソルキー125の「下矢印キー」を押下した場合、液晶ディスプレイ131が表示する「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を示した図である。
【0062】
図6と図7とで異なる点は、液晶ディスプレイ131は、領域602に表示する見出し語のうち、「2bear」が選択されていることを示すように、「2bear」の文字と背景との色を反転して表示している点と、領域603に見出し語「2bear」を説明する見出し語説明情報を表示している点である。
【0063】
これは、「入力文字検索画面」が選択されている状態で、操作者がカーソルキー125の「下矢印キー」を押下する毎に、CPU11が、領域602に表示されている見出し語のうち選択されている見出し語を1つ下に表示されている見出し語とするためである。これにより、操作者は、液晶ディスプレイ131が領域603に表示する見出し語説明情報を任意に変更することができる。
【0064】
図8は、液晶ディスプレイ131が図7に示した「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を表示した状態で、操作者がリスト切替キー126を押下した場合、液晶ディスプレイ131が表示する「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を示した図である。
【0065】
図7と図8とで異なる点は、液晶ディスプレイ131が、「入力文字検索画面」と「スペルチェック結果画面」とのうち、「スペルチェック結果画面」が選択されていることを示すように、タイトル「スペルチェック結果」の文字と背景との色を反転して領域604に表示している点である。
【0066】
これは、「入力文字検索画面」が選択されている状態で、操作者がリスト切替キー126を押下すると、CPU11は「スペルチェック結果画面」が選択されている状態とするためである。これにより、操作者は、操作を行うことができる画面を、「入力文字検索画面」から「スペルチェック結果画面」に変更することができる。なお、本実施形態では、液晶ディスプレイ131は、選択された画面のタイトルの文字を白色で表示し、背景を黒色で表示し、選択されていない画面のタイトルの文字を黒色で表示し、背景を白色で表示する。
【0067】
なお、「スペルチェック結果画面」が選択されている状態で、操作者がリスト切替キー126を押下すると、CPU11は「入力文字検索画面」が選択されている状態とする。これにより、操作者は、操作を行うことができる画面を任意に変更することができる。
【0068】
次に、本実施形態における電子辞書1の表示動作について説明する。図9は、本実施形態における電子辞書1の画面表示動作の手順を示したフローチャートである。
【0069】
(ステップS101)操作者は、電子辞書1の入力部12が備えるキーボード122を用いて、調べたい語句を示す検索文字列を電子辞書1に入力する。電子辞書1の出力部13が備える液晶ディスプレイ131は、キーボード122が入力を受け付けた検索文字列を表示する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0070】
(ステップS102)CPU11は、見出し語検索プログラム記憶部145が記憶する見出し語検索プログラムを実行し、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する文字列を含む見出し語を検索する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0071】
(ステップS103)CPU11は、ステップS102で見出し語を検索した結果、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったか否かを判定する。CPU11が、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったと判定した場合はステップS104の処理に進み、それ以外の場合はステップS105の処理に進む。
【0072】
(ステップS104)CPU11は、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語と、検索文字列と前方一致する見出し語とを液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS106の処理に進む。ステップS104で液晶ディスプレイ131が表示する画面は、例えば図5に示した表示画面である。
【0073】
(ステップS105)CPU11は、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS106の処理に進む。
【0074】
(ステップS106)CPU11は、スペルチェックプログラム記憶部145が記憶するスペルチェックプログラムを実行し、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と近似する文字列を含んだ見出し語を検索する。その後、ステップS107の処理に進む。スペルチェックプログラムによるスペルチェック処理の手順については後述する。
【0075】
(ステップS107)操作者は、ステップS101で入力した検索文字列の追加・修正を行う場合、キーボード122を用いて検索文字列の入力および削除を行う。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたと判定した場合はステップS102の処理に戻り、それ以外の場合はステップS108の処理に進む。
【0076】
ステップS107の処理により、スペルチェックプログラムの実行中にキーボード22が文字の入力を受け付けた場合ステップS102の処理に戻るため、スペルチェックプログラムの実行中に入力された文字を含んだ検索文字列と近似する文字列を含んだ見出し語を再度ステップS106で検索することができる。
【0077】
(ステップS108)CPU11は、表示制御プログラム記憶部146が記憶する表示制御プログラムを実行し、「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS109の処理に進む。ステップS108で液晶ディスプレイ131が表示する画面は、例えば図6に示した表示画面である。
【0078】
(ステップS109)操作者は、ステップS101またはステップS107で入力した検索文字列の追加・修正を行う場合、キーボード122を用いて検索文字列の入力および削除を行う。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたと判定した場合にステップS102の処理に戻り、それ以外の場合に処理を終了する。
【0079】
次に、本実施形態における電子辞書1のCPU11が実行するスペルチェックプログラムの処理手順について説明する。図10は、本実施形態におけるCPU11が実行するスペルチェックプログラムの処理手順を示したフローチャートである。なお、CPU11は、図9に示したステップS106の処理を行う際にスペルチェックプログラムを実行する。
【0080】
(ステップS1061)CPU11は、スペルチェックプログラム記憶部145が記憶するスペルチェックプログラムを実行し、スペルチェックの処理を開始する。その後、ステップS1062の処理に進む。
【0081】
(ステップS1062)CPU11は、図9に示したステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語が存在する場合、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を取得する。CPU11が検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を取得した場合はステップS1063の処理に進み、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を取得していない場合はステップS1068の処理に進む。
【0082】
(ステップS1063)CPU11は、ステップS1062で取得した見出し語が、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補に含まれている「ID」で特定される見出し語と一致するか否かを判定する。CPU11は、ステップS1062で取得した見出し語が、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補に含まれている「ID」で特定される見出し語と一致すると判定した場合はステップS1064の処理に進み、それ以外の場合はステップS1065の処理に進む。
【0083】
(ステップS1064)CPU11は、ステップS1062で取得した見出し語を破棄する。その後、ステップS1062の処理に戻る。
【0084】
(ステップS1065)CPU11は、ステップS1062で取得した見出し語を特定する「ID」をRAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補に含める。その後、ステップS1066の処理に進む。
【0085】
(ステップS1066)CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が、一覧表示可能数と等しいか否かを判定する。CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が、一覧表示可能数と等しいと判定した場合はステップS1067に進み、それ以外の場合はステップS1062の処理に戻る。
【0086】
具体的には、一覧表示可能数は、スペルチェック候補データの「文字サイズ」に基づいている。図4に示した例では、出力部13は、文字サイズがLの場合NO.0001〜0006までの行のスペルチェック候補を表示することができるため、一覧表示可能数は「6」である。そのため、文字サイズがLの際は、スペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が6個である場合は、ステップS1067の処理に進み、それ以外の場合はステップS1062の処理に戻る。
【0087】
(ステップS1067)CPU11は、表示制御プログラム記憶部146が記憶する表示制御プログラムに基づいて、スペルチェック候補データの「スペルチェック候補」のIDで特定される見出し語を出力部13が備える液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS1062の処理に戻る。例えば、ステップS1067において液晶ディスプレイ131が表示する画面は図6に示した画面である。
【0088】
(ステップS1068)CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補にデータが含まれているか否かを判定する。CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補にデータが含まれていると判定した場合はステップS1070の処理に進み、それ以外の場合はステップS1069の処理に進む。
【0089】
(ステップS1069)CPU11は、表示制御プログラム記憶部146が記憶する表示制御プログラムに基づいて、スペルチェック候補データが存在しないことを示すメッセージである「候補無し」メッセージを出力部13が備える液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、処理を終了する。
【0090】
(ステップS1070)CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が、一覧表示可能数より少ないか否かを判定する。CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が、一覧表示可能数より少ないと判定した場合はステップS1071の処理に進み、それ以外の場合はステップS1072の処理に進む。なお、一覧表示可能数は、ステップS1066の処理で説明したとおりの数である。
【0091】
(ステップS1071)CPU11は、表示制御プログラム記憶部146が記憶する表示制御プログラムに基づいて、スペルチェック候補データの「スペルチェック候補」のIDで特定される見出し語を出力部13が備える液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、処理を終了する。
【0092】
なお、ステップS1071の処理時では、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が一覧表示可能数より少ないため、液晶ディスプレイ131が表示する画面は図6に示した例とは異なり、スペルチェック結果を表示する領域604の下部は空欄となる。
【0093】
(ステップS1072)CPU11は、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補を保持する。その後、処理を終了する。なお、ステップS1072の処理時では、RAM15が記憶するスペルチェック候補データのスペルチェック候補の数が一覧表示可能数以上であるため必ずステップS1067の処理を行っており、ステップS1067の処理を行った時点で、液晶ディスプレイ131は図6に示したような画面を表示している。
【0094】
なお、図10に示した例では、使用者の待機時間を短縮するために、ステップS1066やステップS1070の処理を設け、全ての候補見出しを取得する前に、候補データ数が一覧表示可能数となった時点で候補データを画面に出力しているが、これに限らず、全ての候補見出しを取得した後に候補データを画面に出力するようにしてもよい。すなわち、ステップS10660やステップS1070の処理を行うことなく、候補データを画面に表示するようにしてもよい。
【0095】
上述したとおり、本実施形態によれば、CPU11は、見出し語検索プログラムに基づいて、入力部が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を検索し、スペルチェックプログラムに基づいて、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を検索し、表示制御プログラムに基づいて、検索文字列と前方一致する見出し語と、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語とをそれぞれ表示する。これにより、電子辞書の操作者がスペルチェック機能の実行指示を行うことなく、電子辞書はスペルチェックを実行することができる。よって、電子辞書の操作者は、電子辞書の表示部に検索文字列と前方一致する見出し語と、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語とが表示されているため、偶然一致した見出し語を正しい単語であると誤認識する可能性をより低減することができる。
【0096】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、第一の実施形態とは異なり、入力部が検索文字列の入力を受け付けた後、一定時間入力部が検索文字列の入力を受け付けなかった場合にスペルチェック処理を実行する。なお、第二の実施形態の電子辞書1の構成は、第一の電子辞書1の構成と同様の構成である。
【0097】
次に、本実施形態における電子辞書1の表示動作について説明する。図11は、本実施形態における電子辞書1の画面表示動作の手順を示したフローチャートである。
【0098】
(ステップS201)操作者は、電子辞書1の入力部12が備えるキーボード122を用いて、調べたい語句である検索文字列を電子辞書1に入力する。電子辞書1の出力部13が備える液晶ディスプレイ131は、キーボード122が入力を受け付けた検索文字列を表示する。その後、ステップS202の処理に進む。
【0099】
(ステップS202)CPU11は、見出し語検索プログラム記憶部145が記憶する見出し語検索プログラムを実行し、ステップS101でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する文字列を含む見出し語を検索する。その後、ステップS203の処理に進む。
【0100】
(ステップS203)CPU11は、ステップS202で見出し語を検索した結果、ステップS201でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったか否かを判定する。CPU11が、ステップS201でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語が見つかったと判定した場合はステップS204の処理に進み、それ以外の場合はステップS205の処理に進む。
【0101】
(ステップS204)CPU11は、ステップS201でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と完全一致する見出し語と、検索文字列と前方一致する見出し語とを液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS206の処理に進む。ステップS204で液晶ディスプレイ131が表示する画面は、例えば図5に示した表示画面である。
【0102】
(ステップS205)CPU11は、ステップS201でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS206の処理に進む。ステップS105で液晶ディスプレイ131が表示する画面は、例えば図5に示した表示画面である。
【0103】
(ステップS206)CPU11は、計測時間記憶部148が記憶する文字入力間隔時間T0を読み出す。その後、ステップS207の処理に進む。文字入力間隔時間は、操作者がキーボード122を用いて文字を入力した後、CPU11がスペルチェックプログラムの実行を開始するまでの時間を示す。例えば、文字入力間隔時間T0が30秒である場合、操作者がキーボード122を用いて文字を入力した後、30秒間キーボード122が文字の入力を受け付けない場合、CPU11はスペルチェックプログラムを実行する。
【0104】
なお、文字入力間隔時間T0は、操作者が任意に設定することができるようにしてもよく、予め定めた値としてもよく、後述する操作者の文字入力間の平均時間間隔を算出するプログラムに基づいて算出する時間間隔としてもよい。
【0105】
(ステップS207)CPU11は、タイマカウントを開始し、タイマカウントを開始した時点から経過した時間であるカウント時間の計測を開始する。その後、ステップS208の処理に進む。
【0106】
(ステップS208)CPU11は、ステップS207で開始したタイマカウントによるカウント時間が文字入力間隔時間T0に達する前に、キーボード122が文字入力を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、ステップS207で開始したタイマカウントによるカウント時間が文字入力間隔時間T0に達する前に、キーボード122が文字入力を受け付けたと判定した場合はステップS202の処理に戻り、それ以外の場合はステップS209の処理に進む。この処理により、CPU11は、キーボード122が文字入力を受け付けた後、文字入力間隔時間T0が経過する前にキーボード122が再度文字入力を受け付けた場合、スペルチェックプログラムを実行せず、再度見出し検出プログラムを実行する。
【0107】
(ステップS209)CPU11は、スペルチェックプログラム記憶部145が記憶するスペルチェックプログラムを実行し、ステップS201またはステップS208でキーボード122が入力を受け付けた検索文字列と近似する文字列を含んだ見出し語を検索する。その後、ステップS210の処理に進む。スペルチェックプログラムによる処理手順は、第一の実施形態の図10を用いて説明した手順と同様の手順である。
【0108】
(ステップS210)操作者は、ステップS201またはステップS208で入力した検索文字列の追加・修正を行う場合、キーボード122を用いて検索文字列の入力および削除を行う。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたと判定した場合はステップS202の処理に戻り、それ以外の場合はステップS211の処理に進む。
【0109】
(ステップS211)CPU11は、表示制御プログラム記憶部146が記憶する表示制御プログラムを実行し、「入力文字検索・スペルチェック結果画面」を液晶ディスプレイ131に表示させる。その後、ステップS212の処理に進む。ステップS211で液晶ディスプレイ131が表示する画面は、例えば図6に示した表示画面である。
【0110】
(ステップS212)操作者は、ステップS201、ステップS208、またはステップS210で入力した検索文字列の追加・修正を行う場合、キーボード122を用いて検索文字列の入力および削除を行う。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、キーボード122が検索文字列の入力および削除を受け付けたと判定した場合はステップS202の処理に戻り、それ以外の場合は処理を終了する。
【0111】
上述したとおり、本実施形態によれば、入力部12が検索文字列の入力を受け付けた後、一定時間入力部12が検索文字列の入力を受け付けなかった場合に、CPU11はスペルチェック処理を実行する。スペルチェック処理は完了するまでに時間がかかるため、頻繁にスペルチェック処理が実行された場合、操作者はスペルチェック処理が完了するまで待機していなければならない。しかしながら、本実施形態では、入力部12が検索文字列の入力を受け付けた後、一定時間入力部12が検索文字列の入力を受け付けなかった場合に、CPU11はスペルチェック処理を実行するため、操作者が待機しなければならない回数を少なくすることができるという効果をさらに得ることができる。
【0112】
次に、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出する手順について説明する。図12は、本実施形態におけるCPU(時間間隔算出部)が、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出する手順を示したフローチャートである。
【0113】
(ステップS301)操作者は、電子辞書1の入力部12が備えるキーボード122を用いて、調べたい語句である検索文字列を電子辞書1に入力する。CPU11は、キーボード122が1文字の入力を受け付けた場合、ステップS302の処理に進む。
【0114】
(ステップS302)CPU11は、タイマカウントを開始し、タイマカウントを開始した時点から経過した時間であるカウント時間の計測を開始する。その後、ステップS303の処理に進む。
【0115】
(ステップS303)CPU11は、ステップS301の処理を行った後、キーボード122が文字の入力を受け付けたか否かを判定する。CPU11は、ステップS301の処理を行った後にキーボード122が文字の入力を受け付けたと判定した場合はステップS304の処理に進み、それ以外の場合はステップS304の処理に進む。
【0116】
(ステップS304)CPU11は、ステップS302でタイマカウントを開始した時点から経過した時間であるカウント時間を計測時間記憶部148に記憶させる。その後、ステップS302の処理に戻る。
【0117】
(ステップS305)CPU11は、入力部12が備えるキーボード122以外のキーの入力を受け付けた場合、ステップS306の処理に進む。
【0118】
(ステップS306)CPU11は、ステップS302でタイマカウントを開始した時点から経過した時間であるカウント時間(直前のカウント時間)を破棄する。その後、ステップS307の処理に進む。
【0119】
(ステップS307)CPU11は、ステップS304で計測時間記憶部148に記憶させたカウント時間の平均値T1と、カウント時間の個数N1とを算出する。その後、ステップS308の処理に進む。
【0120】
(ステップS308)CPU11は、計測時間記憶部148が累積のカウント時間の平均値T0と、累積のカウント時間の個数N0とを記憶しているか否かを判定する。CPU11は、計測時間記憶部148が累積のカウント時間の平均値T0と、累積のカウント時間の個数N0とを記憶していると判定した場合はステップS309の処理に進み、それ以外の場合はステップS311の処理に進む。
【0121】
(ステップS309)CPU11は、計測時間記憶部148が記憶する累積のカウント時間の平均値T0と、累積のカウント時間の個数N0とを読み出す。その後、ステップS310の処理に進む。
【0122】
(ステップS310)CPU11は、累積のカウント時間の平均値T=(T0×N0+T1×N1)/(N0+N1)を算出する。また、CPU11は、累積のカウント時間の個数N=N0+N1を算出する。その後、ステップS311の処理に進む。
【0123】
(ステップS311)CPU11は、ステップS308の処理の後にステップS311の処理を実行する場合、ステップS307で算出したカウント時間の平均値T1を累積のカウント時間の平均置T0として計測時間記憶部148に記憶させ、カウント時間の個数N1を累積のカウント時間の個数N0として計測時間記憶部148に記憶させる。その後、処理を終了する。また、CPU11は、ステップS311の処理の後にステップS311の処理を実行する場合、ステップS310で算出した累積のカウント時間の平均置TをT0として計測時間記憶部148に記憶させ、累積のカウント時間の個数NをN0として計測時間記憶部148に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0124】
上述したとおり、CPUが、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出することができる。そして、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を、前述した文字入力間隔時間T0とすることで、操作者の文字入力の速度に応じて、スペルチェック処理を実行するタイミングを変更することができる。
【0125】
例えば、スペルチェック処理は完了するまでに時間がかかるため、頻繁にスペルチェック処理が実行された場合、操作者はスペルチェック処理が完了するまで待機していなければならない。また、新たに文字の入力が行われた場合、再度入力された文字を含んでスペルチェック処理を行う必要がある。そのため、操作者による検索文字列の文字入力が全て完了した後にスペルチェック処理を実行するのが望ましい。
【0126】
そこで、CPU11は、操作者が文字を入力してから次の文字を入力するまでの時間間隔の平均値を算出し、この時間間隔の平均値を経過しても文字が入力されなかった場合、操作者による検索文字列の文字入力が全て完了したとみなしてスペルチェック処理を実行するようにすることで、操作者が待機しなければならない回数を少なくすることができる。
【0127】
上述したとおり、本発明によれば、電子辞書1のCPU11は、見出し語検索プログラムに基づいて、入力部が入力を受け付けた検索文字列と前方一致する見出し語を検索し、スペルチェックプログラムに基づいて、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語を検索し、表示制御プログラムに基づいて、検索文字列と前方一致する見出し語と、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語とをそれぞれ表示する。これにより、電子辞書1の操作者がスペルチェック機能の実行指示を行うことなく、電子辞書1はスペルチェックを実行することができる。よって、電子辞書1の操作者は、電子辞書1の出力部13が備える液晶ディスプレイ131に検索文字列と前方一致する見出し語と、検索文字列に近似する文字列を含んだ見出し語とが表示されているため、偶然一致した見出し語を正しい単語であると誤認識する可能性をより低減することができる。
【0128】
なお、上述した実施形態の電子辞書の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0129】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0130】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0131】
例えば、本発明の実施形態では、辞書の対象言語が英語である場合の例について説明したが、これに限らず、本発明は、ドイツ語や、フランス語や、スペイン語など、他の言語を対象とすることができる。
【符号の説明】
【0132】
1・・・電子辞書、11・・・CPU、12・・・入力部、13・・・出力部、14・・・ROM、15・・・RAM、121・・・「入/切」キー、122・・・キーボード、123・・・ファンクションキー、124・・・決定キー、125・・・カーソルキー、126・・・リスト切替キー、131・・・液晶ディスプレイ、141・・・辞書本体データ記憶部、142・・・見出し語一覧データ記憶部、143・・・スペルチェック用データ記憶部、144・・・見出し語検索プログラム記憶部、145・・・スペルチェックプログラム記憶部、146・・・表示制御プログラム記憶部、147・・・時間計測プログラム記憶部、148・・・計測時間記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索文字列を構成する文字の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と前方一致した見出し語を検索する見出し語検索部と、
前記入力部が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索するスペルチェック部と、
前記見出し語検索部が検索した見出し語と、前記スペルチェック部が検索した見出し語とを同時に1つの画面上に表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
前記スペルチェック部は、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索中に、前記入力部が文字の入力を受け付けた場合、当該文字を含んだ検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子辞書。
【請求項3】
前記スペルチェック部は、前記入力部が文字の入力を受け付けた後、一定時間の間前記入力部から文字の入力がない場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索する
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の電子辞書。
【請求項4】
前記一定時間は、前記操作者によって指定された時間である
ことを特徴とする請求項3に記載の電子辞書。
【請求項5】
前記入力部によって文字の入力が受け付けされる時間間隔の平均値を算出する時間間隔算出部
を備え、
当該時間間隔の平均値を前記一定時間とする
ことを特徴とする請求項3に記載の電子辞書。
【請求項6】
検索文字列を構成する文字の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と前方一致した見出し語を検索する見出し語検索手段と、
前記入力手段が前記文字の入力を受け付けた場合、前記検索文字列と近似した文字列を含んだ見出し語を検索するスペルチェック手段と、
前記見出し語検索手段が検索した見出し語と、前記スペルチェック手段が検索した見出し語とを同時に1つの画面上に表示する表示手段と、
して電子辞書を動作させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−22709(P2011−22709A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165836(P2009−165836)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】