説明

電子部品収納用パッケージ

【課題】電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる安価な電子部品収納用パッケージを提供する。
【解決手段】Fe−Ni−Co系合金金属板11の両面にCu板12を貼り合わせるクラッド鋼からなる長方形状の底板体13と、この上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなる長方形窓枠状のリング状枠体14と、この長手方向の対向する1対の上面に接合される入出力用メタライズパターン15を備えるセラミック製側壁体16、及びこの側面に接合されて連接すると共に、リング状枠体14の短手方向の対向する1対の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる金属製側壁体17とで構成される枠体18と、この上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなるシールリング20を有し、枠体18がリング状枠体14とシールリング20で上下から挟み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信用の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに係り、より詳細には励起光源用のレーザー光を高出力で発することができる電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーダイオード等の光通信用の電子部品を収容するための電子部品収納用パッケージには、セラミックと金属を組み合わせて形成されているものがある。例えば、図2(A)、(B)に示すように、従来の電子部品収納用パッケージ50には、金属製からなる底板体51に、熱伝導性が高く放熱性に優れたCu−W(タングステン)や、Cu−Mo(モリブデン)といった材料からなる金属板が用いられている。一方、この電子部品収納用パッケージ50には、底板体51に接合される枠体52に、セラミックと熱膨張係数が近似するFe−Ni−Co系合金や、Fe−Ni系合金からなる筒状金属板が用いられ、この金属板に設ける窓枠状の切り欠き53にAl(アルミナ)等からなるセラミックフィードスルー基板54が接合されるようになっている。また、このセラミックフィードスルー基板54には、外部と電気的導通状態を形成するためのリードフレーム55が接合されるようになっている。更に、上記の電子部品収納用パッケージ50は、枠体52を構成する金属板にレーザー光からなる光信号を通すための貫通孔56を穿孔して有し、この貫通孔56に金属製固定部材57が接合されるようになっている。また、上記の電子部品収納用パッケージ50は、セラミックフィードスルー基板54が接合される枠体52の上面に、セラミックフィードスルー基板54の上面も含めて、シールリング58が接合されるようになっている。そして、電子部品収納用パッケージ50は、底板体51と枠体52で形成されるキャビティ部59に、光通信用の電子部品を収納することができるようになっている。
【0003】
上記の電子部品収納用パッケージ50には、キャビティ部59にペルチェ等の放熱構造体(図示せず)が設けられ、この上面に電子部品の一つである励起光源用のレーザーダイオードが接着されるようになっている。そして、この電子部品収納用パッケージ50は、レーザーダイオードと、セラミックフィードスルー基板54に設けるメタライズパターン(図示せず)の接続用パッドとをボンディングワイヤ等で接続するようになっている。これにより、この電子部品収納用パッケージ50は、リードフレーム55を連結させて支持しているタイバー部60を取り除いた端子部61と、レーザーダイオードが電気的に接続した状態となるようにしている。更に、この電子部品収納用パッケージ50は、金属製固定部材57に光ファイバー部材がAu−Sn等の低温ろう材や、YAG等のレーザーを使用して溶接して接合されるようになっている。そして、電子部品収納用パッケージ50は、シールリング58の上面に、金属製の蓋体(図示せず)がろう材で接合されキャビティ部59が気密に封止されることで、半導体モジュールが形成され、取り付け用孔62を介してボード等にねじ止め固定されるようになっている。
【0004】
従来の電子部品収納用パッケージには、底板体からの放熱性を向上させるために、底板体を厚み方向に配列した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料からなる芯体の上下両面にCr−Fe合金層、Cu層、Fe−Ni合金層もしくはFe−Ni−Co合金層の3層構造を有する金属層が拡散接合により被着されて形成されており、且つCr−Fe合金層、Cu層、Fe−Ni合金層もしくはFe−Ni−Co合金層の各々の厚みが略同一厚みであるとするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、従来の電子部品収納用パッケージには、セラミック製容器の外表面からの放熱性を向上させるために、半導体素子を収納するセラミック製容器の外表面の金属層上にコバール金属板の両主面に銅板を接合させた複合金属体をろう付けしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
更に、従来の電子部品収納用パッケージには、放熱性がよく、高周波特性に優れ、且つ簡便に製造できるために、側面部の入出力用回路パターンを設ける部分をメタライズしたセラミックで形成し、他の側面部と半導体素子を搭載するベース基板を金属で形成し、これらを接合して電子部品収納用パッケージを構成するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−156431号公報
【特許文献2】実開平2−47054号公報
【特許文献3】特開平4−287950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したような従来の電子部品収納用パッケージは、次のような問題がある。
(1)従来の電子部品収納用パッケージは、金属製からなる底板体にCu−Wや、Cu−Moといった材料からなる金属板を用いているので、熱伝導率が170〜240W/mK程度と高く、電子部品からの発熱の放熱性に優れるものの、Cu−Wや、Cu−Moからなる金属板が非常に高価なものであり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。また、従来の電子部品収納用パッケージは、枠体に筒状の金属板が用いられ、しかも切り欠きを切削加工して設けているので、作製に時間と手間がかかり高価なものとなって、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。
(2)特開2000−156431号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、底板体が、炭素繊維を用いた芯体の両面にCr−Fe合金層、Cu層、Fe−Ni合金層もしくはFe−Ni−Co合金層の3層構造を有する金属層が拡散接合により被着されて形成されたものであるので、非常に高価なものであり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。また、この電子部品収納用パッケージは、枠体に筒状の金属板が用いられ、しかも切り欠きを切削加工して設けているので、作製に時間と手間がかかり高価なものとなって、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。
(3)実開平2−47054号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、底板体となる部分が、セラミック製容器の外表面の金属層上にコバール金属板、すなわちFe−Ni−Co系合金金属板の両主面に銅板を接合させた複合金属体をろう付けしたものとしているが、電子部品からの発熱がセラミック製容器を介して放熱させる構造であるので、放熱効率の低いパッケージとなっている。
(4)特開平4−287950号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、底板体と枠体を同一の金属板で形成し、この金属板がCu−Wからなる場合には、金属板が非常に高価なものであり、電子部品収納用パッケージのコストアップとなっている。また、底板体と枠体を同一の金属板で形成し、この金属板がコバール、すなわちFe−Ni−Co系合金からなる場合の電子部品収納用パッケージは、コバール製の金属板が安価であり、パッケージのコストアップを防止することができるものの、コバール、すなわちFe−Ni−Co系合金の熱伝導率が低いので、底板体に用いたコバールが電子部品からの発熱を効率よく放熱させることができなくなっている。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる安価な電子部品収納用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的に沿う本発明に係る電子部品収納用パッケージは、Fe−Ni−Co系合金金属板の両面にCu板を貼り合わせるクラッド鋼からなる長方形状の底板体と、底板体の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなる長方形窓枠状のリング状枠体と、リング状枠体の長手方向の対向する1対の上面に接合される入出力用メタライズパターンを備えるセラミック製側壁体、及びセラミック製側壁体の側面に接合されて連接すると共に、リング状枠体の短手方向の対向する1対の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる金属製側壁体とで構成される枠体と、枠体の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなるシールリングを有し、枠体がリング状枠体とシールリングで上下から挟み込まれている。
【発明の効果】
【0011】
上記の電子部品収納用パッケージは、Fe−Ni−Co系合金金属板の両面にCu板を貼り合わせるクラッド鋼からなる長方形状の底板体と、底板体の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなる長方形窓枠状のリング状枠体と、リング状枠体の長手方向の対向する1対の上面に接合される入出力用メタライズパターンを備えるセラミック製側壁体、及びセラミック製側壁体の側面に接合されて連接すると共に、リング状枠体の短手方向の対向する1対の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる金属製側壁体とで構成される枠体と、枠体の上面に接合されるFe−Ni−Co系合金からなるシールリングを有し、枠体がリング状枠体とシールリングで上下から挟み込まれているので、底板体がFe−Ni−Co系合金金属板の両面にCu板を貼り合わせたクラッド鋼からなり、Cuの高い熱伝導率によって底板体としての熱伝導率が高く、電子部品からの発熱を効率的に放熱させることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、底板体にFe−Ni−Co系合金金属板の両面にCu板を貼り合わせたクラッド鋼からなる安価な底板体を用いているので、パッケージを安価にすることができる。更に、この電子部品収納用パッケージは、枠体の相対向する辺毎にセラミック製側壁体と、金属製側壁体とで構成しているので、パッケージとしての作製が容易で安価にすることができる。また、この電子部品収納用パッケージは、リング状枠体によって、底板体と枠体との熱膨張係数の差を緩和でき、接合時の反りの発生を小さく抑えることができる。また、更に、この電子部品収納用パッケージは、枠体がリング状枠体とシールリングで上下から挟み込まれているので、接合時の変形の少ないパッケージを形成することができ、蓋体を接合して気密信頼性の高いパッケージにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージの斜視図、展開図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ従来の電子部品収納用パッケージの斜視図、展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージ10は、セラミックと金属を組み合わせて形成されている。この電子部品収納用パッケージ10は、Fe−Ni−Co系合金(通称:KV、商品名「Kovar(コバール)」)からなる金属板11の両面のそれぞれにCu板12を圧着して貼り合わせたクラッド鋼からなり、これを所定の大きさの長方形状に加工した底板体13を有している。また、電子部品収納用パッケージ10は、底板体13の上面にAg−Cuろう材等でろう付け接合されるFe−Ni−Co系合金からなり、これを所定の大きさの長方形窓枠状に加工したリング状枠体14を有している。
【0014】
上記の底板体13は、3層構造であるCu板12と、Fe−Ni−Co系合金からなる金属板11と、Cu板12との厚み比率が1:1:1〜1:8:1程度の範囲のものを用いることができる。そして、底板体13は、Cu板12の厚み比率を上げることで、熱伝導率を大きくすることができる。この底板体13の3層構造の厚み比率は、熱伝導率をCu−W(Cu:10%、W:90%)の170W/mKと同等程度以上を達成させるために、1:3:1の比率以上にCu板12の厚み比率を大きくすることが好ましい。また、底板体13の3層構造の厚み比率は、1:1:1の厚み比率よりCu板12の厚み比率を大きくする場合には、熱膨張率が10×10−6/℃を超えるようになり、Cu:10%、W:90%のCu−Wの熱膨張率である、6.5×10−6/℃や、Cu:20%、W:80%のCu−Wの熱膨張率である、8.3×10−6/℃より大きくなる。このような大きな熱膨張率を有する底板体13に、直接後述する枠体18をろう付け接合場合には、Alからなるセラミック製側壁体16の熱膨張率である7.2×10−6/℃ より大きな熱膨張率の底板体13に直接ろう付け接合されるので、接合部に大きな歪みを残すこととなる。しかしながら、上記の電子部品収納用パッケージ10は、底板体13の上面にAg−Cuろう材等でろう付け接合される熱膨張率が5.0×10−6/℃のFe−Ni−Co系合金からなる長方形窓枠状に加工したリング状枠体14を有しているので、底板体13と、セラミック製側壁体16との組み立て時の歪みを緩衝させることができるように作用している。リング状枠体14は、厚みが厚いほど組み立て時の歪みの緩衝効果が大きいが、一般的にプレス打ち抜きが可能な、0.3〜1.0mm厚であれば十分な効果を得ることができる。
【0015】
この電子部品収納用パッケージ10は、長方形窓枠状のリング状枠体14の長手方向の対向する1対の上面に入出力用メタライズパターン15を備えるセラミックフィードスルー基板からなるセラミック製側壁体16がAg−Cuろう材等でろう付け接合されるようになっている。また、この電子部品収納用パッケージ10は、セラミック製側壁体16の側面にAg−Cuろう材等でろう付け接合されて連接すると共に、長方形窓枠状のリング状枠体14の短手方向の対向する1対の上面にFe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる金属製側壁体17がAg−Cuろう材等でろう付け接合されるようになっている。そして、電子部品収納用パッケージ10は、セラミック製側壁体16と、金属製側壁体17とで構成される枠体18を有している。
【0016】
上記のセラミック製側壁体16であるセラミックフィードスルー基板は、Al(アルミナ)等のセラミックからなり、断面視して凸状の段差部分にパッケージの内側と外側を連通するW(タングステン)や、Mo(モリブデン)等の高融点金属からなる入出力用メタライズパターン15がセラミックグリーンシートと同時焼成されて設けられている。そして、パッケージの外側となる部分の入出力用メタライズパターン15の上表面には、一方の端部側を接合して他方の端部側を水平に大気中に延設するバタフライ型にリードフレーム19をろう付け接合するようになっている。また、セラミックフィードスルー基板の入出力用メタライズパターン15は、パッケージの内側となる部分の上表面に延設させて電子部品を搭載させた後に電子部品とボンディングワイヤを介して接続し、電気的に導通状態とするために設けられている。更に、セラミックフィードスルー基板には、リング状枠体14、金属製側壁体17、及び後述するシールリング20と当接する部分にメタライズ膜が設けられている。このメタライズ膜は、通常、リング状枠体14と当接する部分を、セラミックグリーンシートにWや、Mo等の高融点金属ペーストでパターンを形成してからセラミックグリーンシートと同時焼成して設け、金属製側壁体17、及びシールリング20と当接する部分を、焼成済のセラミックにMo−Mn(モリブデン−マンガン)ペーストでパターンを形成して再度焼成して設けている。なお、セラミックフィードスルー基板に形成された入出力用メタライズパターン15や、Mo−Mnメタライズパターンにろう付け接合する場合には、メタライズ膜上にNiや、NiCoからなるNiめっき被膜を形成することが必要となっている。
【0017】
上記の金属製側壁体17の一側壁には、レーザー光からなる光信号を通すための貫通孔21が設けられ、この貫通孔21に筒状に形成された金属製固定部材22がろう付け接合され、光ファイバー部材(図示せず)が接続できるように形成されている。また、底板体13には、長手方向両端部に、光通信用の電子部品を底板体13の上面と、枠体18の内周側壁面とで形成されるキャビティ部23に搭載し、蓋体(図示せず)で気密に封止した後、ボード等に取り付けるための取り付け孔24が設けられている。
【0018】
上記のセラミックフィードスルー基板を形成するためのアルミナ等のセラミックは、例えば、先ず、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練し、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製する。次いで、スラリーからは、ドクターブレード法等によって、例えば、厚み0.25mmのシートを形成し、適当な寸法に切断した矩形状のセラミックグリーンシートを作製する。セラミックフィードスルー基板は、複数枚のセラミックグリーンシートにWや、Mo等の高融点金属ペーストを用いて入出力用メタライズパターン15用等のメタライズ印刷パターンをスクリーン印刷で形成し、各セラミックグリーンシートを積層し、所定の形状に切断形成した後、焼成して焼成体を形成している。更に、焼成体には、Mo−Mnペーストを用いて所定箇所にメタライズ印刷パターンをスクリーン印刷で形成した後、焼成することでセラミックフィードスルー基板を作製している。
【0019】
電子部品収納用パッケージ10は、枠体18の上面にAg−Cuろう材等でろう付け接合されるFe−Ni−Co系合金からなり、これを所定の大きさの長方形窓枠状に加工したシールリング20を有している。このシールリング20は、特に、形状を限定するものではないが、リング状枠体14と同一形状でもよく、形状は略同じで、厚みが異なるものであってもよい。そして、電子部品収納用パッケージ10は、枠体18がリング状枠体14と、シールリング20で上下から挟み込まれるようになっている。この上下からの挟み込みによって、電子部品収納用パッケージ10は、セラミック製側壁体16と、金属製側壁体17が強固に接合する枠体18を得ることができると共に、底板体13と枠体18との熱膨張率差を緩衝させることができ、接合信頼性を向上させることができる。
【実施例】
【0020】
ここで、本発明者は、実施例として、底板体に3層構造であるCu板と、Fe−Ni−Co系合金からなる金属板と、Cu板との厚み比率が1:3:1=0.3mm:0.9mm:0.3mmを用いた本発明の電子部品収納用パッケージを作製し、キャビティ部に試験用のヒーターチップを実装し、放熱性の確認を行った。併せて、比較例として、底板体に1.5mm厚みのCu:10%、W:90%のCu−W板を用いた従来の電子部品収納用パッケージを作製し、キャビティ部に試験用のヒーターチップを実装し、放熱性の確認を行った。測定は、ヒーターチップに同じ電流の付加を掛け、時間と共に変化するヒーターチップの熱抵抗値を測定した。その結果、Cu板と、Fe−Ni−Co系合金からなる金属板と、Cu板の3層構造からなる底板体上のヒーターチップの熱抵抗値は、Cu:10%、W:90%のCu−W板からなる底板体上のヒーターチップの熱抵抗値と同等以上であることが確認できた。また、実施例の電子部品収納用パッケージは、信頼性試験においても、熱衝撃試験の0℃〜100℃の15サイクル試験、温度サイクル試験の−40℃〜85℃の1000サイクル試験を満足し、接合信頼性でも問題がないことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の電子部品収納用パッケージは、内部に光通信用のレーザーダイオード、フォトダイオード等の電子部品を搭載して、励起光源用のレーザー光を高出力で発することができる電子部品収納用パッケージに用いることができる。
【符号の説明】
【0022】
10:電子部品収納用パッケージ、11:Fe−Ni−Co系合金金属板、12:Cu板、13:底板体、14:リング状枠体、15:入出力用メタライズパターン、16:セラミック製側壁体、17:金属製側壁体、18:枠体、19:リードフレーム、20:シールリング、21:貫通孔、22:金属製固定部材、23:キャビティ部、24:取り付け孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fe−Ni−Co系合金金属板の両面にCu板を貼り合わせるクラッド鋼からなる長方形状の底板体と、該底板体の上面に接合される前記Fe−Ni−Co系合金からなる長方形窓枠状のリング状枠体と、該リング状枠体の長手方向の対向する1対の上面に接合される入出力用メタライズパターンを備えるセラミック製側壁体、及び該セラミック製側壁体の側面に接合されて連接すると共に、前記リング状枠体の短手方向の対向する1対の上面に接合される前記Fe−Ni−Co系合金、又はFe−Ni系合金からなる金属製側壁体とで構成される枠体と、該枠体の上面に接合される前記Fe−Ni−Co系合金からなるシールリングを有し、前記枠体が前記リング状枠体と前記シールリングで上下から挟み込まれていることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−138436(P2012−138436A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289078(P2010−289078)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(391039896)株式会社住友金属エレクトロデバイス (276)
【Fターム(参考)】