説明

電子部品実装装置

【課題】電子部品と補強板の搭載を同一位置で行なうことにより、基板の移動を不要とし、電子部品と補強板との相対的な位置精度を良好に維持する。
【解決手段】基板1上及びLSI15上への接着剤17,19の塗布を所定位置で行なう塗布機構11と、LSI15及び補強板18の搭載を所定位置で行なう単一の搭載機構8と、この搭載機構8によってLSI15及び補強板18が搭載された基板1を加熱位置に搬送する搬送機構32と、この搬送機構32によって加熱位置に搬送された基板1上のLSI15、及び補強板18を加熱して接着する加熱ユニット12とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フリップチップボンデンィングによりLSIを基板に実装する電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品実装装置では、基板上の複数個所に接着剤を塗布し、これら接着剤上にLISを搭載し、これらLSIを加熱して基板に接着固定するようにしている。
【0003】
また、完成後の製品の機械的強度を向上させる場合に、LSIの上に補強板を重ねて接合することも行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−28381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、基板に対する接着剤の塗布位置と、LSIの搭載位置とが異なっていたため、基板の移動工程が特別に必要とされ、処理効率が低下するという問題があった。
【0005】
また、基板上にLSIを一個搭載する毎に加熱して接着していたため、LSIの加熱処理効率が悪いという問題があった。
【0006】
さらに、補強板をLSIの上に接合する場合には、LSIの搭載位置と補強板の搭載位置とが異なっていたため、基板の移動工程が特別に必要とされ、処理効率が低下するとともに、LSIと補強板との相互間の位置ずれが発生し易くなるという問題があった。
【0007】
また、LSIの搭載機構と補強板の搭載機構を個別に必要としていたため、装置が大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、基板に対する接着剤の塗布位置と、電子部品の搭載位置とを同じ位置とすることにより、接着剤の塗布位置から電子部品の搭載位置への基板の移動工程を不要とし、また、基板に搭載された複数の電子部品及び補強板を同時に加熱することにより、加熱工程を短くでき、さらに、電子部品の搭載位置と補強板の搭載位置とを同一位置とすることにより、基板の移動工程を不要とし、また、電子部品の搭載と補強板の搭載を単一の搭載手段で行なうことにより、構成的に簡略化できるようにした電子部品搭載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、基板上に接着剤を塗布してこの接着剤上に電子部品を搭載し、この電子部品上に接着剤を塗布してこの接着剤上に補強板を搭載する電子部品実装装置において、前記基板上及び前記電子部品上への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、前記電子部品及び前記補強板の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、この搭載手段によって前記電子部品及び補強板が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の前記電子部品、及び前記補強板を加熱して接着する接着手段とを具備する。
【0010】
請求項2に記載のものは、基板上の複数個所に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に電子部品を順次搭載し、これら電子部品上に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に補強板を順次搭載する電子部品実装装置において、前記基板上の複数個所、及び前記複数の電子部品上への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、前記複数の電子部品及び前記複数の補強板の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、この搭載手段によって前記複数の電子部品及び前記複数の補強板が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の前記複数の電子部品、及び前記複数の補強板を加熱して接着する接着手段とを具備する。
【0011】
請求項4に記載のものは、基板上の複数個所に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に電子部品を順次搭載する電子部品実装装置において、前記基板上の複数個所への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、前記複数の電子部品の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、この搭載手段によって前記複数の電子部品が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の複数の前記電子部品を加熱して接着する接着手段とを具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、接着剤の塗布と電子部品の搭載を同一位置で行なうため、基板の移動が不要となり、処理効率を向上できる。
【0013】
また、基板に搭載された複数の電子部品と複数の補強板とを同時に加熱するため、加熱処理効率を向上できるとともに、全体的な厚さも均一化できる。
【0014】
さらに、電子部品の搭載と補強板の搭載を同一位置で行なうため、基板の移動が不要となり、搭載処理効率を向上できるとともに、電子部品と補強板との相対的な位置精度も良好に維持することができる。
【0015】
また、電子部品の搭載と補強板の搭載を単一の搭載手段で行なうため、構成的に簡略化でき、装置の小型化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態である部品実装装置としてのLSI実装装置を示す平面図である。
【0018】
図1中1は基板で、この基板1は連続フープ形状をなし、その送り方向及び幅方向に複数の製品個品部分を有している。基板1の幅方向には7個の製品個品部分が配置されている。基板1の各製品個品部分には配線パタンが形成され、電子部品としてのLSIの実装部2が構成されている。基板1はLSIなどの部品の実装を完了したのち、各製品個品部分に分割されて個別に製品に組み込まれるようになっている。
【0019】
この実装装置は基盤Kを備え、この基盤Kの上面には、LSIウェハ3、およびLSIの補強板18を順次供給するための供給ホッパ4が配設されている。また、基盤K上には、基板1の送り方向に亘って搭載ユニットJ、及び接着手段としての加熱ユニット12が配設されている。
【0020】
搭載ユニットJは基板1の送り方向に対して直交する方向にリニアモータ方式のロボット軸6を備えている。ロボット軸6は基板1の上面側に離間対向されている。ロボット軸6には搭載手段としての搭載機構8、及び塗布手段としての塗布機構11が配設されている。
【0021】
搭載機構8は矢印で示すようにロボット軸6の軸方向に沿って移動するスライダ8aを有し、このスライダ8aには搭載ヘッド7が設けられている。搭載ヘッド7は矢印で示すようにスライダ8aの移動方向に対し直交する方向、及び、回転方向に移動自在となっている。搭載ヘッド7はLSIウェハ3からLSI15、また、供給ホッパ4から補強板18をそれぞれ吸着して搬送し、基板1上に搭載するものである。なお、LSI15はその回路面を下向きにして吸着搬送されるようになっている。
【0022】
搭載ヘッド7は平面方向の微細な位置決め、また、回転が可能となっており、LSI15および補強板18を正確な位置に補正を行いながら搭載できるようになっている。
【0023】
塗布機構11は、矢印で示すようにロボット軸6の軸方向に沿って移動するスライダ11aを有し、このスライダ11aには、認識カメラ10および接着剤のディスペンサ9が配設されている。認識カメラ10は基板1の位置を精密に認識し、ディスペンス後の接着剤の形状の確認、及びLSI15、補強板18の搭載後の位置、さらに、接着剤の広がり状態の確認などに用いられる。
【0024】
ディスペンサ9は、ペースト状の接着剤を塗布するが、このペーストとしては異方性導電接着剤、あるいは通常のエポキシ系等の接着剤が用いられる。
【0025】
上記加熱ユニット12は、複数(7個)の加熱ヘッド13を備えている。これら加熱ヘッド13は、基板1の送り方向に対して直交する方向に配設され、基板1の複数個の製品個品部分に対しそれぞれ離間対向されている。
【0026】
図2は、上記したLSI実装装置の駆動制御系を示すブロック図である。
【0027】
図2中30は操作部で、この操作部30には送信回路を介して制御部31が接続されている。制御部31には制御回路を介して基板1の搬送手段としての搬送機構32、搭載ユニットJ、加熱ユニット12が接続され、その動作が制御されるようになっている。
【0028】
図3は、上記したLSI実装装置により製作される補強板付きLSIフリップ実装製品を示す断面図である。
【0029】
基板1の両面には配線パタン14が形成されている。基板1上のLSI15を搭載すべき部位上にLSI用の接着剤17が塗布され、この接着剤17上にLSI15が搭載される。LSI5の上面(背面)上に補強板用の接着剤19が塗布され、この接着剤19上に補強板18が搭載される。このように基板1上に積層された接着剤17、LSI15、接着剤19及び補強板18は、後で詳しく述べるように、基板1ごと上下から全体的に加熱加圧される。これにより、接着剤17,19が反応硬化し、かつ、LSI5の回路面上にあるバンプ16が配線パタン14に接触導通して回路が形成され、フリップチップボンディングが完了する。このように構成される製品は、補強板18によってLSI15が機械的外力から保護され、クラックなどの破損が生じる可能性を減じることが可能となる。
【0030】
なお、補強板18としてはタングステン、ステンレス等の金属、セラミック、ガラスエポキシ板、カーボン複合材料板などが用いられる。
【0031】
次に、上記したように構成されるLSI実装装置の部品実装動作について図4及び図5に基づいて説明する。
【0032】
操作部30から動作指令が与えられると、搬送機構32により基板1が図4に矢印で示すように搬送され搭載ユニットJに至ると、検知センサ(図示しない)によって検知されて搬送が停止される。この停止後、搭載機構8のスライダ8aが、LSIウェハ3側に退避される。ついで、塗布機構11のスライダ11aがLSIウェハ3に近接する基板1の1行目の製品個品部分側に移動し、認識カメラ10で基板1の製品個品部分を認識したのちディスペンサ9により製品個品部分に接着剤17を塗布する。この塗布後、必要に応じて認識カメラ10により接着剤17の塗布形状を検査する。
【0033】
基板1の1行目の製品個品部分への接着剤17の塗布が終了したら、塗布機構11はディスペンサ9をディスペンサ移動線20に沿って移動させて2行目の製品個品部分へ上記したと同様にして接着剤17を塗布する。以後順次同様にして3行目、4行目…の製品個品部分へ接着剤17を塗布する。
【0034】
この接着剤17の塗布動作の途中から、例えば、3行目の製品個品部分まで接着剤17の塗布が進んだ段階で、搭載機構8を動作させて基板1の1行目の製品個品部分から順次その接着剤17上にLSI15を搭載していく。即ち、搭載機構8のスライダ8aがLSIウェハ3と基板1の製品個品部分との間を往復移動しながら搭載ヘッド7により製品個品部分の接着剤17上にLSI15を搭載していく。搭載ヘッド7は搭載ヘッド移動線(7本)21に沿って往復移動される。
【0035】
このように基板1の7個の製品個品部分にLSI15が全て搭載されたのちは、図5に示すように、搭載機構8のスライダ8aが補強板の供給ホッパ4の近傍に移動される。また、塗布機構11のスライダ11aがLSIウェハ3に近接する基板1の1行目の製品個品部分側に移動し、1行目の製品個品部分に搭載されたLSI15上にディスペンサ9により接着剤19を塗布する。この塗布後、必要に応じて認識カメラ10により接着剤19の塗布形状を検査する。
【0036】
基板1の1行目の製品個品部分のLSI15上への接着剤19の塗布が終了したら、塗布機構11はディスペンサ9をディスペンサ移動線20に沿って移動させて2行目の製品個品部分のLSI15上へ上記したと同様にして接着剤19を塗布する。以後順次同様にして3行目、4行目…の製品個品部分に搭載されたLSI15上へと接着剤19を塗布する。
【0037】
この接着剤19の塗布動作の途中から、例えば、3行目の製品個品部分のLSI15まで接着剤19の塗布が進んだ段階で、搭載機構8を動作させて基板の1行目の製品個品部分のLSI15上の接着剤19上に順次補強板18を搭載していく。即ち、搭載機構8のスライダ8aが供給ホッパ4と基板1の製品個品部分との間を往復移動しながら搭載ヘッド7により補強板18を吸着保持してLSI15上の接着剤19上に補強板18を搭載していく。搭載ヘッド7は搭載ヘッド移動線(7本)21に沿って往復移動される。
【0038】
このようにして7個のLSI15上の接着剤17上への補強板18の搭載が完了したら、基板1は搬送機構32によりピッチ送りされて加熱ユニット12に至る。加熱ユニット12に至ると、図6に示すように、基板1とともにこの基板1上に積層されたLSI15補強板18が加熱テーブル23と加熱ヘッド13とにより挟圧保持されて加熱される。これにより、接着剤17,19が反応してLSI15と補強板18の接着が完了する。
【0039】
なお、この加熱時には、加熱ヘッド13の温度を加熱テーブル23の温度より高くすることで一般に耐熱性の低い基板1の損傷劣化を減じることが出来る。また、加熱ヘッド13と加熱テーブル23の温度差を独立して調整することにより、接着剤17,19の硬化後の製品の反りを減じることも出来る。
【0040】
上記したように、この実施の形態によれば、接着剤17の塗布と、LSI15の搭載を一部同時並行して行うため、処理速度を向上させることが可能となる。
【0041】
また、接着剤19の塗布と、補強板18の搭載を一部同時並行して行うため、処理速度を向上させることが可能となる。
【0042】
また、LSI3の実装と、補強板18の実装を基板1を移動させることなく完了するため、基板1上の搭載位置の認識は1回で済み処理時間を短縮できるとともに、LSI3と補強板18の位置ずれを生じる可能性も減じることが出来る。
【0043】
また、搭載ユニットJと加熱ユニット12との間隔は狭くされているため、基板1の搬送の際にLSI15や補強板18の位置ずれが発生する可能性を減じることが出来る。
【0044】
また、LSI15の接着剤17と補強板18の接着剤19の加熱加圧硬化を同時に行うため、それぞれの加熱加圧硬化を別々に合計2回で行う方式に比べてLSIの表裏面間で熱および硬化収縮に伴う残留応力が生じにくい。
【0045】
また、加熱加圧硬化が1度で済むので部品の損傷が生じにくく、さらにLSI15の外周で接するLSI接着剤17と補強板接着剤19が融合一体化して同時に硬化するため、LS115の保護強度が高まるという利点がある。
【0046】
さらに、基板1のLSI15の搭載位置と反対側の面にも補強板を設けるようにしても良い。これによれば、LSI15の両面に補強板を有する構造となり、より機械的な外力に対するLSI15の保護効果を高めることが出来る。
【0047】
この補強板の追加は、加熱ヘッド部の手前側に補強板搭載ユニットを付加するか、或いは、LSI15とその補強板18を搭載した後、基板1を反転させて再度、搭載ユニットJに通して補強板を搭載することにより実現することが出来る。
【0048】
なお、上記実施の形態では、LSI15をLSIウェハ3の形で供給したが、チップトレイに個別に収納して供給するようにしても良い。
【0049】
また、上記実施の形態では、LSI15をその回路面側を下向きにして吸着保持したが、これに限られることなく、LSI15を回路面側を上向きにして供給するようにしても良い。ただし、この場合には、LSI15を反転ユニットなどを用いて反転させる必要がある。
【0050】
また、本発明は、LSIウェハ3、および補強板の供給ホッパ4の出口部分に視覚認識カメラを付加するようにしても良い。これにより、LSI15、補強板18の供給時における僅かな位置ずれを補正することができ、部品搭載精度を向上できる。
【0051】
さらに、搭載機構8の搭載ヘッド7の横に視覚認識カメラを付加して、供給されるLSI15、補強板18の位置認識、および基板1上にLSI15、補強板18を搭載した後の位置等を認識するようにしても良い。これにより、部品搭載精度を向上でき、かつ、より処理速度を向上させることが可能となる。
【0052】
また、搭載ユニットJのロボット軸6上に、基板1の位置を認識するためのカメラを搭載したスライダを追加するようにしても良い。これにより、接着剤のディスペンサ9に先行独立して基板1の位置を認識でき、装置処理速度の向上を図ることが出来る。
【0053】
また、ディスペンサ9を複数設け、LSI接着用の接着剤と、補強板接着用の接着剤の種類を異ならせるようにしても良い。
【0054】
また、ディスペンサ9と、異方性導電膜の供給ユニットを搭載して、LSI15については異方性導電膜で接合し、補強板18についてはペースト接着剤によって接合するようにしても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、搭載ヘッド7、ディスペンサ9を1個ずつ設けているが、これに限られることなく、搭載ヘッド7、ディスペンサ9を基板1の搬送方向、もしくは基板1の幅方向に複数配設するようにしても良い。これによれば、より一層処理速度を向上させることが出来る。
【0056】
また、上記実施の形態では、搭載ヘッド7をLSIおよび補強板の両方の搭載に兼用したが、搭載ヘッド7のスライダ8a上にLSI用と補強板用の搭載ヘッドを個別に設けるようにしても良い。これによれば、LSI15と補強板18の搬送の確実性を向上させることができる。
【0057】
また、本発明は、LSIウェハ3および補強板の供給ホッパ4と、基板1との間に位置補正機構を有する中間仮置きテーブルを設け、さらにこれに対応する予備搬送ユニットを設けるようにしても良い。これにより、搭載動作中のLSI15と補強板18の中間集積および位置決めが可能となり、搭載精度の向上、および装置処理速度の向上が図れる。
【0058】
また、上記実施の形態では、加熱ヘッド13を1列に配置したが、これに限られず、加熱ヘッド13を複数列に配置するようにしても良い。これにより、接着加熱時間を長くして接着強度を向上させたり、あるいは本来必要な接着加熱時間を分割することにより装置処理速度の向上を図ることが出来る。
【0059】
また、本発明は、搭載ヘッド7もしくは搭載部の基板受けテーブルにヒーターを組み込み加熱するようにしても良い。これにより、接着剤の反応を促進し、加熱ヘッド13での加熱必要時間を短縮して装置処理速度の向上を図ることが出来る。
【0060】
図7は本発明の第2の実施の形態であるLSI実装装置を示すものである。
【0061】
なお、上記した第1の実施の形態で説明した部分と同一部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0062】
この第2の実施の形態では、LSIウェハ3と、補強板の供給ホッパ4とがターンテーブル40上にその回転軸40aを中心にして対称的に配置され、ターンテーブル40の回転により、その位置を図7或いは図8に示すように選択に可変できるようになっている。
【0063】
即ち、LSI15を取り出す場合には、図7に示すようにLSIウェハ3が基板1側に近接するようにターンテーブル40が回転され、補強板18を取り出す場合には図8に示すように供給ホッパ4が基板1側に近接するようにターンテーブル40が回転されるようになっている。
【0064】
この第2の実施の形態によれば、補強板18の供給時には供給ホッパ4を基板1に近接させることができ、基板1の製品個品部分までの補強板18の搬送距離が短くなり、処理効率を向上することができる。
【0065】
図9は本発明の第3の実施の形態であるLSI実装装置を示すものである。
【0066】
なお、上記した第1の実施の形態で説明した部分と同一部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第3の実施の形態では、LSIウェハ3と、補強板の供給ホッパ4とが矢印に沿って移動するスライダ45上に配置され、スライダ45の移動により、その位置を選択に可変できるようになっている。
【0068】
即ち、LSI15を取り出す場合には、スライダ45が図9に示すように移動されてLSIウェハ3がLSIを搭載しようとする基板1の製品個品部分に近接され、補強板18を取り出す場合には、スライダ45が図10に示すように移動されて供給ホッパ4が補強板を搭載しようとする基板1の製品個品部分に近接される。
【0069】
この第3の実施の形態によっても、補強板18の供給時には、供給ホッパ4から補強板18を供給しようとする基板1の製品個品部分までの搬送距離を短くでき、処理効率を向上することができる。
【0070】
図11は本発明の第4の実施の形態であるLSI実装装置を示すものである。
【0071】
なお、上記した第1の実施の形態で説明した部分と同一部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0072】
この第4の実施の形態では、供給ホッパ4、搭載ヘッド7、ディスペンサ9、認識カメラ10、加熱ヘッド13をそれぞれ2個備え、さらに、基板位置を認識する認識カメラ51,51を備えている。認識カメラ51,51は、ロボット軸6の軸方向に沿って移動するスライダ50に配設されている。
【0073】
部品の実装動作時には、まず、スライダ50がLISウエハ3に近接する側から離れる方向に移動してその認識カメラ51,51で基板の部品搭載位置の認識を行なう。この認識を行なっている途中で、機構的な干渉がなくなる時点からディスペンサ9による接着剤塗布が一部平行して行なわれる。さらに、ディスペンス9が進んで機構的な干渉がなくなる時点から搭載ヘッド7による部品搭載が開始される。このように基板の認識、接着剤の塗布、部品の搭載を一部平行して行なうため、処理効率が向上する。
【0074】
この第4の実施の形態は、上記した第1の実施の形態と基本的な動作は同一であるが、基板位置の認識カメラ51,51を別途設けるため、処理の高速化が図れる。また、基板の認識、接着剤の塗布、部品の搭載を二列同時平行して行なうことができ、第1の実施の形態と比較して処理能力が時間当たり略2倍になる。
【0075】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態であるLSI実装装置を示す平面図。
【図2】図1のLSI実装装置の駆動制御系を示すブロック図。
【図3】図1のLSI実装装置によって製作された補強板付きLSIフリップ実装製品を示す断面図。
【図4】図1のLSI実装装置によるLSIの実装動作を示す図。
【図5】図1のLSI実装装置による補強板の実装動作を示す図。
【図6】図1のLSI実装装置によって基板に実装されたLSI及び補強板を加熱する状態を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態であるLSI実装装置を示す平面図。
【図8】図7のLSI実装装置のLSIウェハと供給ホッパの位置が入れ替えられた状態を示す平面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態であるLSI実装装置を示す平面図。
【図10】図9のLSI実装装置のLSIウェハと供給ホッパの位置が入れ替えられた状態を示す平面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態であるLSI実装装置を示す平面図。
【符号の説明】
【0077】
1…基板、8…搭載機構(搭載手段)、11…塗布機構(塗布手段)、12…加熱ユニット(接着手段)、15…LSI(電子部品)、17,19…接着剤、18…補強板、32…搬送機構(搬送手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に接着剤を塗布してこの接着剤上に電子部品を搭載し、この電子部品上に接着剤を塗布してこの接着剤上に補強板を搭載する電子部品実装装置において、
前記基板上及び前記電子部品上への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、
前記電子部品及び前記補強板の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、
この搭載手段によって前記電子部品及び補強板が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、
この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の前記電子部品、及び前記補強板を加熱して接着する接着手段と
を具備することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
基板上の複数個所に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に電子部品を順次搭載し、これら電子部品上に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に補強板を順次搭載する電子部品実装装置において、
前記基板上の複数個所、及び前記複数の電子部品上への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、
前記複数の電子部品及び前記複数の補強板の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、
この搭載手段によって前記複数の電子部品及び前記複数の補強板が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、
この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の前記複数の電子部品、及び前記複数の補強板を加熱して接着する接着手段と
を具備することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項3】
前記基板上の複数個所への接着剤の塗布が全て終了する前に前記搭載手段による前記電子部品の搭載を開始し、前記複数の電子部品への接着剤の塗布が全て終了する前に前記搭載手段による前記補強板の搭載を開始することを特徴とする請求項2記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
基板上の複数個所に順次接着剤を塗布してこれら接着剤上に電子部品を順次搭載する電子部品実装装置において、
前記基板上の複数個所への接着剤の塗布を所定位置で行なう塗布手段と、
前記複数の電子部品の搭載を所定位置で行なう搭載手段と、
この搭載手段によって前記複数の電子部品が搭載された前記基板を加熱位置に搬送する搬送手段と、
この搬送手段によって加熱位置に搬送された前記基板上の複数の前記電子部品を加熱して接着する接着手段と
を具備することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項5】
前記基板上の複数個所への接着剤の塗布が全て終了する前に前記搭載手段による前記電子部品の搭載を開始することを特徴とする請求項4記載の電子部品実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−184485(P2007−184485A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2671(P2006−2671)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】