説明

電子針治療デバイスおよびシステム、並びに患者の経路エネルギーバランスデータの管理方法

電子針治療システムは、遠隔計算装置と通信する携帯型電子針治療デバイスを含み得る。この電子デバイスは、患者の身体を通って第1の診断電圧を印加するために、患者によって保持される把持プローブと、患者の皮膚に圧力を加え、測定可能な診断データを患者から受け取る探索プローブとを含み得る。受信した診断データは、電子針治療デバイス上で表示するため、および/または遠隔計算装置で処理および表示するために、デジタル信号に変換される。この診断データに基づいて、患者は、第2の治療電圧で治療され得る。

【発明の詳細な説明】
【優先権の陳述】
【0001】
本願は、米国特許法第119条第(e)項に基づき、以下の米国特許仮出願、すなわち2005年3月17日付で出願された、John R. Hindinger等に対する、発明の名称が「電子針治療デバイスおよびシステム」の米国特許仮出願第60/662,547号、および、2005年6月16日付で出願された、John R. Hindinger等に対する、発明の名称が「電子針治療デバイスおよびシステム」の米国特許仮出願第60/690,890号に対する利益を主張する。これらの仮出願のそれぞれの全内容を参照により本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、患者に非侵襲的針治療診断および治療を施すための、電子針治療デバイスおよびシステム、並びに、患者に非侵襲的針治療を施すために、患者の経路エネルギーレベルを測定、分析およびバランスを取る方法に関する。
【背景技術】
【0003】
西半球においては、ほとんど針治療について理解されていないが、西洋医学は、針治療の利益に気付きつつある。概して、針治療は、経路と呼ばれる線を形成する身体上の一連の点を介して、身体のエネルギーを異なる方向に向けることによって、身体の気を管理することとして説明され得る。経路は臓器へと緩やかに位置して、針治療の利益を考察する別の観点を与える。身体が経路全域にどのように気を伝達するかについて理論は一致していないが、その効率性に対する実証データは圧倒的である。
【0004】
漢方医学が大部分を占める何千年間を研究することによって、鍼師は、気の流れを制御するために、経穴の位置および、エネルギー経穴として知られるこれらの経穴に針をどのように挿入するかを知っている。西洋医学は、これらの点で高い電気導電度を測定することによって、多くのエネルギー経穴の存在を検証してきた。
【0005】
1950年代初期、日本人医師が、良導絡プロトコル、すなわち、針治療の数多くの利益を電気で得るという素早くて簡単な方法を考案する際に、この導電度の原理を適用した。
中谷義男医博は、種々の疾患を有する患者の皮膚上に、電気導電度が変化した領域があることに気付いた。これらの領域は、約1cmの直径の点で、概して、古典的な中国の針治療経路に続いて一列になって、存在していることが分かった。これらの点は、電気コンダクタンスの増加を与えるので、彼はこれらの点を「良導絡」と名づけた(良=良い、導=導電性、絡=線)。
【0006】
中谷医博は、診断と治療の両方を網羅するために、自分の手法を磨いた。診断は、皮膚の電気導電度を測定する電気器具で行われた、各エネルギー経路の導電度を測定することによって、エネルギー過剰および不足の場所を見つけることができた。治療は、不十分な経路を「正常な状態にする」かまたは、過剰な経路を「落ち着かせる」ために、特定の経穴を刺激することからなっていた。身体の右側と左側で大きなエネルギー差を示す経路のバランスを取るために、別の一連の経穴が用いられた。したがって、概して、良導絡技術の簡単な形態では、身体の12箇所の主要な、または主なエネルギー経路、すなわち、心臓、心包、肺、三焦、大腸、小腸、腎臓、膀胱、胆嚢、脾臓、胃および肝臓にわたって身体の気のバランスを取ることによって、多数の状態を治療する。
【0007】
従来技術の電子針治療ユニットは、典型的には、かさ高く、ほとんどまたは全く自動化されておらず、何の電圧制御も示していない。従来技術の電子針治療デバイスは、電圧が診断の正確性を犠牲にしてゼロまで徐々に減るか、または良導絡が推進する電圧を下回る電源、および、典型的には、不正確な導電度の読取値を記憶するメモリと大差ない。ユーザは、主として、何らかの種類の治療を施す前に、手で診断法を描かなければならない。
【0008】
AcuGraph(登録商標)として知られるMiridia Technologiesによる従来技術の針治療デバイスは、ユーザ個人のコンピュータ(PC)で動くソフトウェアパッケージを組み込み、PCに装備され、取り付けられた電子ハードウェアを用いている。しかし、AcuGraph(登録商標)に取り付けられた電子ハードウェアは、コンピュータのユニバーサルシリアルバス(USB)ポートから約5ボルトで電力を引き込むが、その電圧を良導絡診断に必要12ボルトまで上げるための回路を組み込んでいないので、正確な良導絡診断のための電圧を供給することができない。AcuGraph(登録商標)は、あたかも正確な電圧で読み取られたかのようにその読取値を正規化するためにアルゴリズムを用いるが、AcuGraph(登録商標)は、ユーザに適切な診断電圧を与えることができず、良導絡プロトコルからずれた電位を導入する。さらに、AcuGraph(登録商標)は、無針治療時に必要なより高い電圧用に設計されておらず、それを生成することができず、それゆえに、診断ツールとしてしか機能しない。
【0009】
さらに、針治療経路を診断することは、一般に、多くの施術者にとって難しい。これは、例えば脈診断など、それを行う伝統的な方法が複雑で、典型的には、習得するのに何十年も要するからである。
【発明の概要】
【0010】
本発明の例示的な一実施形態は、患者に非侵襲針治療を提供するように適合された電子針治療システムに関する。このシステムは、遠隔計算装置と通信する携帯型電子針治療デバイスを含み得る。電子針治療デバイスは、患者の診断または治療のために、測定可能な患者のデータを遠隔計算装置へと通信するように構成され得る。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態は、携帯型電子針治療デバイスに関する。このデバイスは、主要な電子装置を含む延長部材に操作可能に接続された取っ手領域を含み得る。この主要な電子装置は、測定可能な患者データに基づいて、患者を診断および/または治療の一方を提供するために、電子装置上にディスプレイを含み、電子装置内にインテリジェンス装置を含み得る。この装置は、主要装置に操作可能に接続された探索プローブと、電気コネクタを介して主要装置に操作可能に接続された把持プローブとを含み得る。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態は、主要な電子装置と、それに操作可能に取り付けられた探査プローブとを備えた電子針治療デバイスに関する。このデバイスは、患者に診断電圧を印加し、患者のエネルギー経路データを表す、患者からの電流を測定し、そのエネルギー経路データの分析に基づいて患者に異なった治療電圧を印加するように構成され得る。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態は、患者を治療するために、患者の経路エネルギーデータを管理する方法に関する。この方法においては、診断電圧が、患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれで患者に印加され得る。患者の主要なエネルギー経穴に対応するデータが、印加された診断電圧に基づいて測定され、分析され得る。患者の主要なエネルギー経穴にわたる相対エネルギーバランスが、その分析に基づいて決定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の例示的な実施形態は、本明細書における以下の詳細な説明と、同様の構成要素は同様の参照符号で示された添付の図面から、より十分に理解されるようになるであろう。例示的な実施形態は、単に説明のために与えられるのであって、本発明の例示的な実施形態を限定するものではない。
【0015】
図1は、本発明の例示的な一実施形態にかかる携帯型電子針治療デバイスおよびシステムの図である。
【0016】
図2は、本発明の例示的な一実施形態にかかる針治療デバイス用の例示的な探索プローブの図である。
【0017】
図3は、本発明の例示的な一実施形態にかかる探索の別の例である。
【0018】
図4A〜4Cは、本発明の例示的な一実施形態にかかる電子針治療デバイス用の例示的な把持プローブ構成を示している。
【0019】
図5Aおよび5Bは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、患者の刺激(STIMまたは興奮)点と鎮静(SEDまたは阻害)点の例示的な良導絡チャートを示している。
【0020】
図6Aは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイス100の主要装置組立体115の拡大図を示している。
【0021】
図6Bは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイス100における主電子回路の一部の回路ブロック図である。
【0022】
図6Cは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、送信回路と診断データ表示回路とを含む、携帯型電子針治療デバイス100の主電子回路の一部の回路ブロック図である。
【0023】
図6Dは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、遠隔計算装置200の受信機回路の一部の回路ブロック図である。
【0024】
図7Aは、本発明の別の例示的な実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイスの主要装置組立体の拡大図を示している。
【0025】
図7B−1および7B−2は、本発明の別の例示的な実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイスに含まれる電子回路の回路図を示している。
【0026】
図8は、本発明の例示的な一実施形態にかかる、患者を治療するために、患者の経路エネルギーデータを管理する方法を説明するためのフロー図である。
【0027】
図9Aおよび9Bは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、システム1000のユーザに表示された例示的なデータを示したスクリーンショットである。
【例示的な実施形態の詳細な説明】
【0028】
針治療経路を診断することができるデバイスは、貴重な医療機器であり得る。本発明の例示的な実施形態は、従来技術のデバイスと比較して、診断の正確さを促進し、簡略化し、および/または向上させる特徴について説明している。さらに、以降により詳細に説明するように、本発明の例示的な実施形態は、従来の針治療または経路治療の技術を有していないユーザが、良導絡プロトコルに基づいて経路治療を行うことを可能にし得る。
【0029】
図1は、本発明の例示的な一実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイスおよびシステムの図である。図1を参照すると、システム1000は、例えば、無線リンク150や適切なユーザインターフェースを介して、遠隔計算装置200と作動通信する電子針治療デバイス100を含み得る。遠隔計算装置200は、パソコン、ワークステーションまたは携帯情報端末(PDA)、および/または、例えば、Blackberry(登録商標)、Treo(登録商標)またはPalm Pilot(登録商標)などの一体型PDA/携帯電話として具体化され得て、これらは、遠隔計算装置200として構成可能であり得る、ごくわずかの例示的なインテリジェンス装置であることが理解されている。
【0030】
電子針治療デバイス(電子デバイス100)は、主要装置組立体115に操作可能に接続されるハンドル110の一部として電源ケース105を含み得る。電源は、ニッケル金属水素(NiMH)、ニッケルカドミウム(NiCd)またはリチウムイオン(Liイオン)電池化学のいずれかを有する、複数のアルカリ電池または複数の充電電池として具体化され得る。電源はまた、標準サイズまたは電子針治療デバイス用にカスタマイズされた内蔵充電電池として具体化され得て、電子針治療デバイスは、例えば、アダプタfx=を介してそのUSBポートから電力を取るなど、標準的なACコンセント差込口または計算装置から操作可能であり得る。延長部120が、主要装置組立体115から延び、探索プローブ125を収容している。電気コネクタ130によって、把持プローブ135が電子デバイス100の主要装置組立体115へ電気的に接続され得る。
【0031】
概して、患者は、手で把持プローブ135を握る。介護人は、一例では患者であり得るのだが、探索プローブ125が患者の皮膚に押し付けられるように電子デバイス100のハンドル110を握る。介護人は、電子デバイス100に、例えば、所望の診断電圧または所望の治療電圧を付加するために、主要装置組立体115上の適切なスイッチ132を作動し得る。
【0032】
以下にさらに詳細に説明するように、一旦作動すると、電子デバイス100の電源ケース105内の電池(図示せず)は、コネクタ130と把持プローブ135とを介して患者の身体への出力電圧を生成し、その結果、患者を通り抜ける電流(すなわち、印加電圧による「診断」電流または「治療」電流)を生成する。電流は、患者の身体を通り抜け、探索プローブ125で受けられ、デバイス100内の電子回路(図示せず)内へ流れる。測定電流が、例えば、電子デバイス100の適切なディスプレイ142で、コンダクタンス値として読まれ得て、および/または、遠隔計算装置200で受けられる、RFリンクといった適切な無線リンク150上の(概して140で示されている)トランシーバのアンテナを介して通信され得る。
【0033】
一実施例においては、ディスプレイ142は、カラーの液晶表示(LCD)パネルまたは白黒表示のLCDとして具体化され得る。しかし、ディスプレイ142はLCDに限定されず、代わりに、例えば、プラズマ表示パネル(PDP)、陰極線管(CRT)表示装置、有機発光ダイオード(OLED)表示装置またはその他の公知の等価表示装置として具体化され得る。
【0034】
概して、電子デバイス100は、USBプロトコル、ワイヤレスまたは配線プロトコルまたは他の通信もしくはデータプロトコルを介して、および/または遠隔計算装置200で稼動するソフトウェアインターフェースおよび/またはデータ管理システムを用いて、集積され得る。USBプロトコルは、12Mbpsのデータ伝送速度をサポートする外部バス規格に基づいている。単一のUSBポートが、マウス、モデムおよびキーボードなど最大127個の周辺機器に接続するために用いられることができる。USBはまた、プラグアンドプレイのインストールおよびホットプラグをサポートする。
【0035】
上述のように、電子デバイス100と計算装置200との間の通信スキームが、配線またはワイヤレスのいずれかのUSBポートを介して、RS−232などの別の配線プロトコルまたはBluetoothなどの別のワイヤレルプロトコルを介して、および/またはユーザからの音声コマンドを介して、容易化され得る。他の代替実施例のワイヤレス通信プロトコルは、CDMA(IS95、cdma2000および種々の技術変形例)、UMTS(Release 99、R4、R5、R6およびそれ以上)、GSM、802.11および/または関連スペクトラム拡散を基にしたワイヤレス技術のうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0036】
上記以外の技術に基づいたシステム1000によってアクセス可能な通信システムまたはネットワークに適用するために、種々の改変が当業者には明らかであろう。種々の改変は、開発の種々の段階にあり得て、将来、上述の通信ネットワークまたはシステムと置き換えるか、またはそれと併せて用いるように意図されている。
【0037】
図1で示されているように、遠隔計算装置200は、データを受信し、例えば、Intel(登録商標)によるマイクロプロセッサのPentium(登録商標)ラインのいずれかなどの適切なプロセッサ210において、患者の電流データを処理するための(概して、205で示されている)対応のトランシーバ回路を含み得る。例示的なトランシーバ140/205は、OTEK(商標登録)社によるモデルTR105の小型ワイヤレストランシーバ、または同様の埋め込み型トランシーバであり得る。一実施例においては、プロセッサ210は、メモリ215とディスプレイ220に操作可能に接続され得る。
【0038】
したがって、測定可能なデータ(例えば、患者の電流またはその電流を反映したコンダクタンス値など)が、トランシーバ140でパケット化され、1つまたは複数のデータのパケットの一部として、無線リンク150で無線で、遠隔計算装置200に操作可能に接続されたトランシーバ205のアンテナへ送信され得る。あるいは、測定可能なデータは、配線プロトコルで送信されてもよい。受信されたデータは、公知のように、低域変換され、復調され得て、プロセッサ210内の下流処理回路へと送られ得る。
【0039】
電子デバイス100および、その中の関連電子回路は、複数のアルカリ電池(すなわち、4つの単三電池)などのケース105における適切な電源から、または、複数の充電可能で取り外し可能な電池もしくは、1つまたは複数の電池を有する充電可能なバッテリパックによって、電力を供給され得る。携帯可能な電子デバイスに電力を供給するための充電可能な二次電池は周知であり、携帯電話、携帯情報端末(PDA)および/またはラップトップ型コンピュータなどの低電圧デバイスに電力を供給するために用いられるバッテリパックによって証明されている。したがって、適切な電力供給器は、ニッケル金属水素(NiMH)、ニッケルカドミウム(NiCd)および/またはリチウムイオン電池化学のいずれかを、関連した電解質とともに有する、1つまたは複数の電池またはバッテリからなるバッテリパックであり得る。電池は、例えば、電源ケース105およびハンドル110の形状および/または幅によって、円筒形または角柱体の構造のいずれかであり得る。
【0040】
NiMH、NiCDもしくはLiイオンのバッテリまたは電池からできた電源は、バッテリ充電器を介して充電可能であり得る。バッテリ充電器は、典型的には、電流を充電する交流電源を提供するための充電スタンドまたは受け台を含んでいる。交流電源は、壁コンセントの1つから(すなわちプラグを介して)、または計算装置から供給され得る。
【0041】
例示的な充電器は、例えば、MAHA Energy Corp.(商標登録)によるMH−C2000(商標登録)の一般的な充電器などの搭載電子装置またはインテリジェンス装置を有する充電器であり得るが、複数の化学的性質を支持しない充電器もまた適用可能である。MH−C2000(商標登録)は、4つの単三または単四NiMHおよびNiCD電池など、幅広いバッテリパックを一度に充電することができる。MH−C2000(商標登録)などの例示的な充電器は、Liイオン、NiMHおよびNiCD充電可能なバッテリパックの化学的性質用の内蔵支持体を含み得て、バッテリパックの種類とバッテリ電圧を自動的に検出するように構成され得る。埋め込まれたマイクロプロセッサは、バッテリの寿命を延ばそうと充電プロセスを絶えず監視するために、および/または外部の電子デバイスと通信するために、充電器に含まれ得る。
【0042】
電子デバイス100は、ケース105内でバッテリパック端子(例えば、当業界で知られているように、レール型またはタワー型端子構成)を有するように構成され得る。電子デバイス100は、バッテリ充電器の受け台またはスタンドに充電端子を嵌め合わせて係合するために、その端部で露出し得る。電力端子に加え、デバイス100における例示的なバッテリパックは、充電器において対応する端子と通信するための検出および/または通信端子を有し得る。したがって、一実施例におけるバッテリ充電器は、例えば、遠隔計算装置200などの外部計算装置へ送信または通信するために、充電器への通信端子を介して、電子デバイス内に記憶されたデータをアップロードするように構成され得る。
【0043】
一実施例においては、遠隔計算装置200は、無線ハブ並びに関連トランシーバ構成部品および回路を含む適切なパソコン内で、デジタルマイクロプロセッサを含むよう、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて具体化され得る。しかし、デジタルマイクロプロセッサの代わりに、アナログプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、1つまたは複数のプログラム可能な集積回路および/または適切なマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサによって制御される1つまたは複数の特定用途集積回路(ASIC)が、遠隔計算装置200内のデジタルマイクロプロセッサの代わりに用いられ得る。遠隔計算装置200への電力は、適切な交流電源(線源)によって、または上述のように充電可能なバッテリパックによって供給され得る。
【0044】
図1に示されるように、電子デバイス100は、所望の電圧を患者に生成するために、概して、デバイス100内に印加される所定電圧を示す、複数のLEDを含んでいる。以下にさらに詳細に説明するように、専用LEDが、電子デバイスにおける電子回路内での診断電圧の生成を表し得て、別の専用LEDがデバイス100の電子回路によって生成される治療電圧を表し得る。電源によって把持プローブ135を介して患者に出力される診断または治療電圧は、所定スイッチ132、134をユーザが操作することによって、選択され得る。スイッチ132、134は、一実施例においては、双極双投(DPDT)スイッチであり得る。
【0045】
図2は、本発明の例示的な一実施形態にかかる針治療デバイスの探索プローブ125の詳細図である。図2を参照すると、探索プローブ125は、外殻としてプラスチック製のシリンダ230を含み得て、探索プローブ125のハンマーヘッド261に機械的な支持を与え得る。プラスチック製のシリンダ230は、適切な厚みででき得て、例えば、金属床に成形され得る。
【0046】
探索プローブ125は、適切なプラスチック材料から形成され得る複数の内側シリンダ240を含み得る。シリンダ240は、金属製のハンマベース250に接続され得る。ばね232が、ハンマベース250をハンマヘッド先端部262に接続し得る。プラスチック製のシリンダ230における溝235によって、可動シリンダ225を動かすことができ得る。プラスチック製のシリンダ230の先端部237は、ハンマヘッド先端部262の長手方向の動きに機械的な境界線を設けるリングであり得る。図2で示されているように、可動シリンダ225は、ハンマヘッド先端部262に機械的な支持を与え、シリンダ230の長手方向軸に沿ってシリンダ230内で摺動し得る。
【0047】
図2に示されているように、電気接続するために、金属製のブラシリング245が設けられ得て、ブラシリング245とハンマベース250との間の電気接続が適切なプラスチック内で封止される。金属製のプランジャヘッド255が、ブラシリング245と電気接続するよう構成され、ハンマヘッド先端部262が押し出されないようにも作用する。
【0048】
プラスチック製の環状部258が、図2に示されているように、プランジャロッド260の動きを可能にし、プランジャヘッド255の長手方向の動きに機械的な境界を与える。プラスチック製の環状部258はまた、プランジャヘッド255の動きを減衰するために、油などの流体に境界線を与える。プランジャロッド260は、導電金属であり得て、機械的支持を与え得て、プランジャヘッド255との電気接続性を与える。
【0049】
ハンマヘッド261は、導電性金属から構成され得るが、患者から電子デバイス100の電子回路へ電流を移動させやすくするために適切な流体を保持するように構成された貯蔵部265を備えた、中空の内部を有してもよい。したがって、探索プローブ125は、自己湿潤の特徴を表し得る。図2で示されているように、流体の流れを貯蔵部265へ、またはそこから出るのを可能にするため(または防ぐため)に、ネジ270が除去および/または挿入され得る。ハンマヘッド261は、先端部262で流体フィルタとして機能する、かなり小さいかまたは微細な孔を有する半透水性材料275または他の材料を含み得る。これによって、例えば、先端部262で一定水分を可能にし得る。一定水分の発生源は、例えば、貯蔵部265内に拘束された流体であり得るか、または電子針治療デバイス100(図示せず)上の他の場所に位置付けられたより大きな貯蔵部への適切なパイプまたは可撓性ホース接続部を含み得る。
【0050】
一実施例においては、探索プローブ125が主要装置115に取り付けられるインターフェースは防水加工され得る。別の実施例では、探索プローブ125は回転することができ、特定の位置または配向の定位置で固定するために適合され得る。さらなる実施例においては、探索プローブ125は、先端部262(図示せず)用の圧力感度機構を含み得る。
【0051】
別の態様においては、先端部262に、処理中の電流を制限するための、絶縁カバー(図示せず)を設けることができる。例えば、多数の異なるカバーが、患者の快適さによって、患者が感じる電流を減衰または低下させるために設けられることができる。図1および図2では示されていないが、電子デバイス100に、可能性のある穿刺針治療用途で、患者を通る電流を生成する電圧を供給するために、鰐口クリップを設けることができる。
【0052】
図3は、本発明の例示的な一実施形態にかかる探索の別の例である。図3は、探索プローブ125'の側断面図を示している。図3では、探索プローブ125'は、2つの部品、すなわち遠位プローブ端部125aと、例えば、ピン、ネジなどの適切な固定手段によって回転点307を介して延長部120(図示せず)に接続可能な近位端125bとで構成されている。遠位プローブ端部125aは、適切な固定手段を介して回転点305で近位端125bに取り付けることができる。
【0053】
プローブ125'は、遠位端および近位端125a、125bの間で位置付けられる非導電性のシリンダ315内でばね310を用いることによって圧力を制御する。逆向きのばね力が、患者に対して、プローブ先端部362の圧力方向に抗して加えられる。これによって、ばねは圧縮され、端部125a、125b間の隙間320が狭くなる。一旦、両端部125a、125bの金属表面が係合または接触して、電気経路が確立され、適切な電流測定が行われることができるようになると、介護人または患者は、適切な圧力表示を有する。したがって、図3における配置によって、電流は、最小限の圧力が加えられると電流が流れることができ、それによって、ユーザが圧力をかけすぎるのを防ぎつつ、ユーザが正確な圧力をかけることを助け得る。
【0054】
図4A〜4Cは、本発明の例示的な一実施形態にかかる電子針治療デバイス100についての例示的な把持プローブ構成の図である。
【0055】
図4Aは、概して、円筒形形状の物体として具体化され得る例示的な把持プローブ135を示している。把持プローブ135は、重量を低減するために、実質的に中空であり得る。把持プローブ135は、適切な導電性金属または非導電性の材料から構成され得る。把持プローブ135に対する例示的な導電性金属として、これらに限定されないが、例えば、銅、銀、黄銅、鉛入黄銅、青銅、銅ニッケル合金、ニッケル銀、特殊青銅、およびこれらの金属の1つまたは複数の合金、並びに導電性のプラスチック化合物が挙げられ得る。これらの図には示されていないが、患者の手を濡らし、患者の身体を通る電流の電気伝導をさらに促進するために、水分または水透過性で着脱可能なスリップカバーが、把持プローブ135上に配置され得る。あるいは、患者が、周期的に自分の手を濡らしてもよい。
【0056】
図4Bを参照すると、別の変形例において、把持プローブ135は、掌握力を高めるために、指用の溝または凹み137を含み得る。図4Aまたは図4Bにおける把持プローブ135は、一実施例において、患者が握りやすくするために、所望の把持プローブ幅を設定するための可変幅手段(図示せず)を有し得る。したがって、図4Bで示されているように、溝が付いた指の握り面または凹み137によって、患者の手で、把持プローブ135を握りやすくなり得る。
【0057】
図1において、患者を通る回路を完全なものにするために、探索プローブ125と把持プローブ135とが、患者/介護人によって用いられている。しかし、本明細書の例示的な実施形態は、一人の人間が使用するための(例えば、介護人が患者である)代替配置を想定している。図4Cを参照すると、この代替構成では、把持プローブ135(例えば接地電極)は、片手で操作することができるように、主要装置のハンドル110に統合され得る。したがって、接地電極は、主要装置組立体115に操作可能に接続されるハンドル110の一部となるであろう。これによって、把持プローブ135を、電子デバイス100の主要装置組立体115に電気的に接続するために、電気コネクタ130は必要でなくなるであろう。したがって、ハンドル110は、2つの目的を果たすであろう。すなわち、構造上の支持と、片手操作用の電気回路を完全なものとするために接地を設けることである。
【0058】
あるいは、これ以降に説明する搭載インテリジェンス装置を有する電子デバイスの別の例示的な実施形態においては、インテリジェント装置は、手袋、靴下および/または紐、接着剤または、電子導電体を含むファイバを患者の皮膚に固定するための他の手段とともに用いるよう適合され得る。これは、診断電圧を診断点に自動的に印加し、患者(図示せず)内で生成された診断電流を自動的に測定し得る。
【0059】
図5Aおよび5Bは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、患者の刺激(STIM)点および鎮静(SED)点の例示的な良導絡チャート500を示している。上述のように、遠隔計算装置200でのソフトウェアは、患者からの受信した電流測定値と対応する複数のデータ点をグラフで表すための所望のプロトコルを実行し得る。例示的なプロトコルは、良導絡プロトコルであるが、この例示的な実施形態では、他の針治療および/または経路の種類の分析のプロトコルを利用してもよい。良導絡プロトコルについてのより詳細な考察は、1977年7月9日に出版されたNakataniら著の「良導絡針治療」(Ryodoraku Research Institute, Ltd.、日本国東京)による本文を参照し得る。良導絡プロトコルを説明しているNakataniらの本分の関連箇所を、その全体において、本明細書に参照により援用する。
【0060】
本発明の例示的な実施形態は、良導絡プロトコルに対して正確に診断計算することができるために、Nakataniらによって生み出された複雑な診断グラフをソフトウェアアルゴリズムにデジタル転写する。診断データの視覚表現は、表示データを理解しやすくするために、簡略化され、および/または、例えば、棒グラフに正規化され得る。診断データは、診断測定が行われるとリアルタイムでこのようなチャートに表示され得る。別の実施例においては、Nakataniらの「Hand1(H1)、Hand2...Foot1、Foot2...Foot6」という省略表記が、各経路で測定される点をより説明する「Lung9(Lu9)」などの表示記号と置き換えられ得る。これによって、Nakataniらの本文で説明されているように、複数の治療点を勧める代わりに、最も可能性のある治療点を勧めることによって、ある経路を鎮静または興奮させるように、勧められた治療点を簡単に選択し得る。
【0061】
図5Aで示されるように、例示的な良導絡チャート500は、12個の内側の列それぞれでの患者の電流(コンダクタンス値)の図を示している。チャート500のうち一番左と一番右の列505、510は、患者の平均電流を表すためのものである。(コンダクタンス値として表されている)電流点が、12個の内側の列それぞれの左右両側で、患者の身体の左右両側に対応して、全部で24個の点で表されている。
【0062】
図5Aのチャートの下側部分で示されているように、STIM行520は、患者を刺激するために用いられる点であり、SED行530は、患者を鎮静させるために用いられる点である。STIM点およびSED点は、電子針治療デバイス100を用いた、患者の治療部分の一部を表している。図5Bで示されているように、人間の両手両足の12個の主要なエネルギー経穴のおおよその位置のグラフ表示(540)が、チャート500の一番下で示されている。これは、介護人または患者が参照するために用いられ得る。
【0063】
一実施例においては、電子針治療デバイス100は、患者の皮膚に所望または最適な圧力を加えるために、より簡単な機械システムを提供するように構成されている。例えば、図2で示されているように、ブラシリングやハンマベースサブアセンブリを用いると、遠隔計算装置200で良導絡プロトコルを評価するためのより正確な電流データを生成するために、所望の圧力を加えることに対して、より効果的で、簡単で、費用のかからない機械的解決法が提供される。図2の配置によって、患者の皮膚に印加された圧力が、ばね232の収縮によって決定されるように、所定範囲内にある場合のみ、電流は、探索プローブ125を通って流れることができる。あるいは、図3の配置によって、最小限の圧力が加わると、電流が流れることができ得て、それによって、ユーザが圧力をかけすぎるのを防ぎつつ、ユーザがより正確な読取値を得るために適切な圧力をかけるのを助け得る。
【0064】
したがって、例示的なシステムは、携帯型電子針治療デバイス100が内蔵型電源によって電力を供給され、電流計(すなわちスマートプローブ)を含む、非侵襲な針治療を提供し得る。したがって、デバイス100は、柔軟性があり、患者および/または介護人のニーズにより役立ち得る。探索プローブ125は、回転可能であり、および/または使用しやすくする旋回特徴物を含み得る。図2では、探索プローブ125は、電子デバイス100への患者の体内電流の電気導電度を確実に適切にするために、自己湿潤先端部262を含んでいる。これによって、測定された患者の電流をより本物に、より正確に表示され得て、患者または介護人が読み取り可能な方法で、電子デバイス100の適切なディスプレイ142上、または遠隔計算装置200のディスプレイ220上のいずれかで、患者内の刺激または鎮静電流の流れがより正確に表示され得る。
【0065】
したがって、電子針治療デバイス100と遠隔計算装置200との間の無線接続によって、柔軟性の高いシステム1000が提供され得る。このシステムは、適切な診断および以後の治療のために、病院内の患者の部屋、および/または世界中の他の地点で遠く離れて読まれ得るデータを提供することができる。遠隔計算装置200上のソフトウェアを通じた操作およびナビゲーションは、電子針治療デバイス100で無線で達成されるように設計され得る。それによって、ユーザは、例えば、デバイス100上の「記録/次」ボタンなど1つのボタンを用いて、診断を行い、患者の現在および履歴診断データを保存および考察し、ソフトウェアを用いて治療を行うことができる。したがって、ユーザは、遠隔計算装置200の制御を用いる必要がない。
【0066】
別の態様においては、腕および/または足の回りの24個の点に12Vの直流で低レベル電流を流し測定することによって、患者を適切に診断するために、遠隔計算装置200で実行されるソフトウェアによって、良導絡プロトコルが実施され得る。印加された診断電圧は、0〜200μAの範囲で患者を通る電流(「診断電流」)を生成し得て、24個の点がグラフの良導絡プロトコルを利用して測定され得る。図5Aで示されているように、24個の点を比較し、患者のエネルギー経路を刺激または鎮静するための推奨値を生成するために、そのデータは、正規化されたグラフ500への入力値として働き得る。その後、介護人は、グラフの推奨点に対応する患者の身体上の点を刺激し得る。必要ならば、エネルギー経路がバランスを取っていることを確かめるために、1つまたは複数の治療後の読取値が取られてもよい。さらに、図5で示されたグラフ表示が、ディスプレイ142/220のうちの1つで表示および分析するために、ソフトウェアで実施され得る。
【0067】
図6Aは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイス100の主要装置組立体115の拡大図を示している。図6Aでは、明確にすべく、電子デバイス100のうち、主要装置115、探索プローブ125および把持プローブ135のみが示されている。
【0068】
主要装置115は、主要装置115上のLED162、164、166で示されているように、オフ、治療および診断の間で動くことができるDPDTスイッチなどの、ユーザ操作によるオン/オフスイッチ132を含んでいる。さらに、可変治療電圧を患者に与えるために、印加する治療電圧の量を、通常(24ボルト)、半分(12ボルト)および最小(5または6ボルト)の電圧レベル間で変動または変化するために、スイッチ134が設けられ得る。これらの電圧レベルは、対応するLED172、174、176によって主要装置115に表示され得る。他の例の電圧レベルとして、6ボルトを超える電圧、または、ユーザが、例えば、約5〜30ボルトの範囲の選択で診断および/または治療電圧を選択する能力を超える電圧が挙げられ得る。
【0069】
本実施例においては、主要装置115は、埋め込み型のマイクロプロセッサなど搭載インテリジェンス装置を含んでいないが、適切な通信手段を介して、遠隔計算装置200にデータを送信する。図6Aに示されているように、把持プローブ135は、コネクタ130を介し主要装置115に取り付けられ得る。コネクタ130は、患者が把持プローブ135を握り、診断および/または治療のために、それを主要装置115から引き離すことができる拡張可能なばね131の一部であり得る。図6Aに示されているように、通常の24ボルトの治療電圧が患者に印加されていることを示すために、治療用のLEDと通常電圧(24V)が図示されている。さらに、主要装置115は、患者または介護人が、遠隔計算装置200に送信され得る測定可能なデータを記録することができる記録ボタン155を含み得る。
【0070】
図6Bは、携帯型電子針治療デバイス100における主電子回路600の一部の回路ブロック図であり、図6Cは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、伝送回路を含んだ主電子回路600の別の部分の回路ブロック図である。
【0071】
図6Bおよび6Cを参照すると、スイッチ位置である、診断、オフおよび治療が、電源ケース105内の電源602に関連して示されている。(例えば、LED162または166で示されているように)どれを選択するかによって、24ボルト、12ボルトまたは5/6ボルト電圧のうちの1つが印加される。診断状態またはモードでは、12ボルトの電圧が、制御器614、(スイッチ132からの論理信号点線に基づいて閉じられた)高速アナログスイッチ622、および電流制限器623を介して加えられて、把持プローブ135を介して患者へ電圧(例えば、Vdiag=12V)を生成し、探索プローブ125で測定可能な(isense)診断電流を生成する。治療状態またはモードでは、スイッチ132、134の作動によって、論理信号(点線)が送られ、アナログスイッチ622を閉じ、LED166とLED172、174または176のうちの1つを照射する。
【0072】
概して、患者から受信したアナログ信号は、LCD142上で表示するための適切なデジタル信号に変換するために、ADC636への入力値(Vsignal)として働く。さらに、デジタル信号は、無線インターフェース150(図1)または、遠隔計算装置200のディスプレイ220上で受信、処理/分析および/または表示される他のインターフェース(配線されている場合は、USBへの配線接続を介して)上のアンテナ140を介して送信機/トランスレシーバ642によって送信するためのプログラム可能なIC640によってフォーマット化される。一実施例として、記録ボタン155の作動でこの処理を行うことができる。
【0073】
高速アナログスイッチ610、624は、既存する既製の構成部品であり得る。主回路600で使用可能な例示的な高速アナログスイッチは、Maxim dual、Dallas Semiconductor(登録商標)からの5Ωのアナログスイッチ、部品番号MAX4622およびMAX4623などのスイッチであり得る。高速アナログスイッチ610、624は、機械的リレーと比べて、電流の切り替えが必要な低歪み用途(複数可)に対してより強い。高速アナログスイッチは、概して、所要電力が低く、より小さい基板空間を使用し、概して、機械的リレーよりも信頼性があり、CMOS論理入力の互換性を保持しながら、単一の正電源(すなわち、電源602)から、または双方向電源を用いて、操作可能であり得る。
【0074】
主回路600は、制御器614、616、618を含み得る。制御器614は、24ボルトのブースト回路620から出力された24ボルトのバス電圧を、患者に印加される12ボルトの診断電圧、または、スイッチ134が半分を選択している場合には「半分の治療」電圧まで、下げるよう制御する。制御器616は、制御器614から出力された12Vから、スイッチ用のVcc(5V_out)、すなわち、DPDTスイッチ132、プログラム可能な集積回路(IC)626、640、オペアンプ632、634、および送信機642用の5Vの電力を生成するために設けられ得る。制御器618は、制御器616から出力された5Vの電圧から、ADC636用の2Vの基準電圧を生成する。
【0075】
それらに入力されたVbattおよびVddに基づいて、24Vのブースト回路620は、24Vの出力を生成する。24Vの出力は、(スイッチ134が通常に設定されている場合に)患者にitreatを生成するために用いられる通常の治療電圧(Vtreat)として、スイッチ622に入力され得る。または、24Vの出力は、制御器614または616によって、低い治療電圧(12V(半分)、5/6ボルト(最小))へ制御され得る。図6Bおよび6Cで示されているように、所定のLED162、164、166、172、174、176が、スイッチ132、134の位置に基づいて図示されている。抵抗器612が、LEDへの電圧分圧器として設けられている。
【0076】
主回路600は、一実施例ではプログラム可能なICであり得る、電圧検出器608を含み得る。電圧検出器608は、電源602における高電圧状態(正しくない電源が挿入されていることを示す6Vの直流)または低電圧状態(〜3Vの直流)を検出するためにプログラム可能であり得て、その結果、適切な論理信号(図6Bの点線参照のこと)を送ることによって保護作用して、アナログスイッチ610を閉じ、LED164に電圧を付加し、24Vのブースト回路620を遮断する。LED164が、ユーザに高/低電圧状態を警告するために可聴警告と併せて照射され得る。例えば、PIC626が、オペアンプ632へ入力されるデジタルVaudio信号を生成する。オペアンプ632からの出力は、電位差計631によって変動し、それによって、ユーザに警告を与えるチャイム630で可変ピッチを生成する。したがって、low_batt論理信号がスイッチ610を閉じ、24Vのブースト回路620を切断し、LED164を照射する。コンデンサ613が、24Vのブースト回路620に入力されたlow_battに設けられる。コンデンサ613は、遅延として作用して、low_batt入力信号が24Vのブースト回路620を切断する前に、アナログスイッチ610をトグル状態にし、遮断することができるように電荷を蓄積する。
【0077】
図6Cを参照すると、把持プローブ135から印加した診断または治療電圧に応答して、患者から(探索プローブ125を介して)受け取った電流(isense)が、公知のように、抵抗器Rsenseを介してアナログ電圧信号Vsenseへと変換され、基準電圧と比較するために演算増幅器632、634へ入力されて、増幅信号(Vsignal)を生成する。
【0078】
Vsignalは、プログラム可能なIC626およびADC636へ入力され、それによって、読取値を、ディスプレイ142上のコンダクタンス値として表示され得るデジタル信号へ変換する。プログラム可能なIC626(および640)は、Microchip Technology,Inc.(登録商標)によって、部品番号PIC12F509で製造されている8/14pin、8−bitフラッシュマイクロコントローラなどの既製の構成部品であり得るが、当業者には明らかなように、不揮発性メモリを有する他のICが用いられてもよい。
【0079】
先に記載したように、プログラム可能なIC(またはPIC)626は、Vsignalの値に基づいて、点地点の(視覚的な)表示器であるLED628と、可変周波数チャイム630(音声表示器)を制御するように機能する。例えば、介護人が、図5で示されているように、所定の経路エネルギー点の周りで探索プローブを動かしている場合、ディスプレイ142(LCD)は、高速に変化する電流を表示するであろう。PIC626は、患者の身体上で測定された経路エネルギー点の近くで、最も高い局所電流でLED628を照射する。チャイム630の周波数は、(高/低測定瞬間電流ゆえにVsignalが増加/減少するにつれて)(電位差計631を介した)低周波ピッチから高周波ピッチへと(またその逆も)徐々に変化して、介護人がデータを記録するために正しい経穴に位置付けるのを助ける。
【0080】
一旦その点に到達すると、ユーザは、フラッシュメモリ内のデータを一時的に記録するために、作動ボタン155を押す。記録データに対応するVsignalがまた、ADC636で、LCD142で表示されるデジタル信号に変換され、PIC640で、無線リンク150上を(あるいは、USBケーブルなどの有線インターフェースを介してであって、その場合は、電子デバイス100と遠隔計算装置200との間に接続されている)、アンテナ140を介して遠隔計算装置200へ、(送信機/トランシーバ642での適切な変調およびコード化の後の)RF信号として伝送するのに適切なフォーマットに変換される。2つのPIC626/640が図6Cに示されているが、LED625、チャイム630およびトランシーバ642の機能は、単一のPIC626または640から制御され得る。
【0081】
図6Dは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、遠隔計算装置200の受信回路の一部の回路ブロック図である。受信回路650は、遠隔計算装置200のUSBポートから電力を受ける昇降圧回路652からの5Vの信号を介して電力を供給され得る。この5Vの信号は、受信機/トランシーバ215(図1)、PIC656およびUART/USBインターフェース658に電力を供給するために用いられ得る。
【0082】
トランシーバ/受信機215は、そのアンテナで受けたRF信号を、PIC656に入力されるデジタル信号へ変調および復号化する。PIC656は、デジタル信号のフォーマットをUART/USBインターフェース658に適したフォーマットへと変換する。汎用非同期式受信送信(UART)制御器は、非同期のシリアル通信を扱うコンピュータ部品である。すべての計算装置は、そのシリアルポートを管理するためにUARTを含み、いくつかの内部モデムはそれ自体のUARTを有している。例えば、16550UARTは、16バイトのバッファを含み、それによって、旧式の8250UARTよりも速い伝送速度を支持することができる。
【0083】
UART/USBインターフェース658は、例えば、Silicon Laboratories(登録商標)による、CP2102(UARTブリッジへの単一チップUSB)などの既製の構成部品であり得る。UART/USBインターフェース658は、バイトを個々のビットに分割するためにUSBフォーマットおよびUARTフォーマット間でデータトラフィックを変換する。個々のビットは、例えば、適切なメモリ215で記憶するために、介護人による分析のためディスプレイ220上に表示するために、および/または特定のソフトウェアルーチンまたはアルゴリズムを実行するプロセッサ210によって処理/分析するために、例えば、適切なシリアルデータポート(USB)を介して、プロセッサ210などの非ネットワークエンティティへ連続して送信される。
【0084】
図7Aは、本発明の別の例示的な実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイスの主要装置組立体の拡大図を示している。図7Aは図6Aとやや似ているが、図7Aの主要装置715には、これ以降で論じられるように、搭載電子機器/インテリジェンス装置が設けられている。図7Aを参照すると、主要装置715は、LCDパネル(または等価のディスプレイ媒体)などのディスプレイ742を含み得て、把持プローブ735と探索プローブ725とに操作可能に接続され得る。主要装置715は、オン/オフボタン732(あるいは、これはスイッチであってもよい)と、通常、半分および最小治療電圧の間で選択するためのボタン/スイッチ734を含み得る。
【0085】
さらに、主要装置715には、多機能作動ボタン750が設けられ得る。この多機能作動ボタン750は、stim/sedate752、no/skip選択位置754、yes/next選択位置756、record位置758およびshow pic(「画像を表示」の略)選択ボタン759を含む、多数のボタン位置を含み得る。一実施例においては、多機能作動ボタンは、4方向センタープッシュ多機能のSKRHシリーズのTACTスイッチであり得る。図7Aにも示されているように、LED772、774、776には、通常、半分および最小治療電圧のそれぞれを供給することができる。主要装置715は、作動LED764と治療・診断用LED762、766とを含み得る。
【0086】
図7B−1および7B−2は、本発明の別の例示的な実施形態にかかる、携帯型電子針治療デバイスに含まれる電子回路の回路図を示している。図7B−1および7B−2に示されているように、回路図は、インテリジェンス装置を備えた電子針治療デバイスのものである。この実施例では、インテリジェンス装置は、マイクロチップ760などの集積半導体デバイスによって具体化され得る。マイクロチップ760は、例えば、RAMおよびROMまたはその組み合わせから構成されるメモリユニットと、プロセッサ(マイクロコントローラ)とADCとLCDドライバとを含み得る。図7B−1で「A−1」と付けられた個々の入力装置および出力装置が、チップ760と、主要装置715の電子機器を備え得る種々の他の半導体デバイスとの間で示されている。以下の表1は、ある例示的な機能処理ステップを示し、ユーザの対話、結果およびユーザへのフィードバックについて説明している。表1は、図7Aおよび図7B−1、7B−2のそれぞれを時々参照して読まれるべきである。
【表1】




【0087】
図8は、本発明の例示的な一実施形態にかかる、患者を治療するために、患者の経路エネルギーデータを管理する方法を説明するためのフロー図である。以下の説明に対しては、図1、6Aおよび7Aをときどき参照し得る。
【0088】
概して、患者を治療するために患者の経路エネルギーデータを管理する例示的な方法800は、患者の主要なエネルギー経穴それぞれで、患者に診断電圧を印加すること(810)を含み得る。先に説明したように、電源602または702は、把持プローブ135/735を介して患者の身体に印加される12Vの出力電圧に調整されたVbattを生成し得る。これによって、患者を流れる電流(「診断電流」)が生成される。患者の主要なエネルギー経穴に対応するデータは、印加された診断電圧に基づいて測定され(820)、分析するために記憶され得る(830)。
【0089】
上述したように、経路導電度の値は、次に分析および/または表示するために、患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれに対して決定、記憶され得る。一実施例においては、良導絡プロトコルについての手入力のグラフが規定の治療を決定するために用いられ得る。別の実施例においては、治療するために刺激または鎮静すべき点を自動的に規定するために、ソフトウェアアルゴリズムが繰り返し適用され得る。
【0090】
この測定されたエネルギー経穴データは、上述のように、患者からの電流の電圧信号表示である。電圧信号表示は、例えば、適切なディスプレイ142/220上で表示されたコンダクタンス値によって反映されているように、記憶および/または表示するための電流のデジタル信号表示に変換される。
【0091】
次に、測定された患者のエネルギー経穴データは、介護人によって分析され得る(840)。一実施例においては、図5Aのグラフ500を用いて、コンダクタンス値が介護人によって12個の内側の列それぞれで描かれ得て、電子針治療デバイス100を用いて患者を治療するためのSTIM点およびSED点を決定する。次に、プロットは、患者の主要なエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを決定する(850)ために評価され得る。一実施例においては、良導絡プロトコルに基づいてグラフ500と比較しやすくするために、記録されたコンダクタンスデータが(ディスプレイ142/220上に)表示され得る。
【0092】
別の実施例においては、遠隔計算装置200のプロセッサ210またはマイクロチップ760内のマイクロコントローラによって実行されるソフトウェアアルゴリズムが、良導絡チャートに対する各コンダクタンス値を比較して、相対エネルギーバランスデータ、例えば、全経穴にわたってバランスの取れた身体エネルギーを達成するために、患者の身体上の各経路エネルギー点にどの電流(STIM/SED)が加えられるかを決定し得る。
【0093】
算出された相対エネルギーバランスデータに基づいて、患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれで、治療電圧が患者に印加され(それによって患者内に「治療」電流が生成され)て、刺激しすぎた経穴から刺激の足りない経穴へ、またはその逆にも、エネルギーを移動させ、その結果、患者の主要なエネルギー経穴にわたって所望の相対エネルギーバランスを達成する。先に記載したように、電源602/702からのVbattは、患者の身体に印加される12Vよりも大きい電圧(例えば12〜24ボルトの範囲内)を出力するよう調整され得る。さらに、患者が、12V以上で生成された電流に極端に敏感である場合、5〜6ボルトという低い治療電圧が印加されてもよい。
【0094】
任意で、この方法800は、患者のデータを入力すること(805)を含み得る。例えば、患者の関連個人データ(身長、体重、血液型、誕生日など)が、例えば、適切な照会ウィンドウまたはスクリーンを介して入力され得て、遠隔計算装置200内のデータベースに対して照合確認され、主要装置715内のROMに記憶されるか、または別のアクセス可能な外部メモリに記憶され得る。この記憶された患者のデータは、履歴傾向を分析するために、介護人によって用いられ得て、時間とともに明らかになる医療状態を介護人が理解するのを助ける。したがって、介護人は、治療を繰り返すことで、患者の進行を追跡することができ、複数の患者および介護人から、例えば、インターネットによるダウンロードを介して、大量のデータを集め分析することによって、例えば、有効な診断または治療を評価し、改善することができる。
【0095】
図9Aおよび9Bは、本発明の例示的な一実施形態にかかる、システム1000のユーザに表示された例示的なデータを示すスクリーンショットである。図9Aを参照すると、例示的なディスプレイスクリーン900が、診断および/または治療のために患者を分析するのに用いられ得る記録されたデータを示している。ディスプレイスクリーン900は、測定された24個の点のそれぞれを表示するためのデータセル907を含む診断データウィンドウ905を含み得て、その結果、患者の腕および/または足の回りの24個の点で12Vの診断電流を流し、測定することによって、患者を適切に診断する。24個の点は、良導絡プロトコルを利用して、手で、またはソフトウェアの実行を介して、評価され得る。
【0096】
介護人を補助するために、ディスプレイスクリーンは、これまでの診断点ウィンドウ910と次の診断点ウィンドウ915とを含んでいる。介護人/患者が一旦、電子針治療デバイスの主要装置上の記録ボタン150/758を押すと、これらのウィンドウが移動する。スクリーン900は、選択可能なクリアフィールドウィンドウ925と出口ウィンドウ930とを含んでいる。スクリーン900は、任意で、電子デバイス100と遠隔計算装置200との間のシステム1000における通信が、接続または切断されているかどうかを介護人に知らせるための表示器940を含み得る。
【0097】
図9Bは、セル907で示されているように、一連のコンダクタンス値が、ある患者に対して記録された後のディスプレイを示している。図9Bで示されているように、スクリーン900は、心理的範囲のウィンドウ920をさらに含み得る。心理的範囲のウィンドウ920は、もしあるならば、どの経路が範囲を上回り(興奮しすぎで、鎮静の必要あり)または範囲を下回って(興奮が足りず、刺激の必要あり)いるかを決定するために設けられ、高域セル922と平均セル924と低域セル926とを含んでいる。心理的範囲を有する24個の診断読取値が、例えば、興奮しすぎた読取値と心理的範囲内にある読取値と興奮が足りない読取値とを示すために異なった色を付けたバーを用いて、色付きの棒グラフによって、グラフ形式で表示され得る。
【0098】
上記は主にハードウェアの観点で説明してきたが、上述の例示的なシステムの1つまたは複数の構成部品によって実行される例示的な方法は、コンピュータプログラムとしてソフトウェアで具体化されてもよい。例えば、本発明の例示的な一実施形態にかかるプログラムは、例えば、図8で説明した機能を実現することによって、コンピュータまたはマイクロプロセッサに、患者の経路エネルギーデータを管理する方法を実行させる、コンピュータプログラム製品であり得る。
【0099】
このコンピュータプログラム製品は、例示的な一実施形態にかかるシステムのプロセッサが、上述の例示的な方法にかかる1つまたは複数の機能を行うことを可能にするために、具体化されたコンピュータプログラム論理またはコード部分を有するコンピュータ読取可能媒体を含み得る。例えば、コンピュータプログラム論理は、遠隔計算ユニット200のうちの1つにおけるプロセッサ(プロセッサ210)またはデバイス100の主要装置組立体115/715(例えばチップ760)を、12個のエネルギー経穴のそれぞれで、患者へ診断電圧を印加させるよう方向付け、探索プローブ125/725を介して患者から読まれる電流に基づいてコンダクタンス値を測定させる。コンピュータプログラム論理は、プロセッサに、測定されたエネルギー経穴データを分析し、良導絡プロトコルに基づいたグラフと比較するためにそのデータを表示するためにソフトウェアベースの機能を繰り返させ、または、そのデータを良導絡プロトコルと比較し、その比較に基づいて患者の主要なエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを決定または算出するように構成された、ソフトウェアベースの機能を繰り返させる。
【0100】
コンピュータ読取可能な記憶媒体は、例えば、遠隔計算装置などのコンピュータ本体の内部に設置された内蔵式媒体、または、コンピュータ本体から分離することができるように、および/または電子針治療デバイスの主要装置内に構成可能であり得るように配置された取り外し可能な媒体であり得る。内蔵式媒体の例として、これらに限定されないが、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクなどの再書き込み可能な不揮発性メモリが挙げられる。取り外し可能な媒体の例として、これらに限定されないが、例えば、CD−ROMやDVDなどの光学式記憶媒体;例えば、MOなどの磁気光学式記憶媒体;例えば、フロッピーディスク(商標)、カセットテープ、取り外し可能なハードディスクなどの磁気記憶媒体;例えば、メモリカードなどの内蔵式再書き込み可能な不揮発性メモリを備えた媒体;例えば、ROMカセットなどの内蔵式ROMを備えた媒体が挙げられ得る。
【0101】
これらのプログラムは、外部に供給された伝播信号および/または搬送波(例えば、インターネットを通じて伝送)で具体化されたコンピュータデータ信号の形態で与えられてもよい。図8で説明した例示的な方法の1つまたは複数の指示または機能を具体化するコンピュータデータ信号が、例示的な方法の指示または機能を実行するエンティティ(例えば、電子針治療デバイス100または遠隔計算装置200)によって、伝送および/または受信するために、搬送波上で運搬され得る。
【0102】
例えば、例示的な方法の機能または指示は、図1、6A、6B、7Aまたは7B−1/2のいずれかで示されているように、例示的なシステムの1つまたは複数の構成部品(主要装置115、遠隔PC200など)を制御するコンピュータ内の搬送波の1つまたは複数のコードセグメントを処理することによって実行され得る。これらの図では、指示または機能は、患者の経路エネルギーデータを管理するための1つまたは複数の機能を実行するために行われ得る。一実施例における搬送波のコードセグメントは、12個のエネルギー経穴のそれぞれで患者に診断電流を印加するよう方向づけ、探索プローブ125を介して患者から読まれる電流に基づいてコンダクタンス値を測定するための指示を運び得る。搬送波のコードセグメントは、測定されたエネルギー経穴データを分析し、良導絡プロトコルに基づいてグラフと比較するためのデータを表示するために、プロセッサに、ソフトウェアベースの機能を繰り返させる指示を運び得る。別の実施例においては、搬送波のコードセグメントは、データを良導絡プロトコルと比較し、その比較に基づいて患者の主要なエネルギー経穴にわたる相対エネルギーバランスを決定または算出するよう構成されたソフトウェアベースの機能を機能的に繰り返すために、プロセッサに指示を運び得る。搬送波のコードセグメントは、さらに、患者の主要なエネルギー経穴にわたる相対エネルギーバランスを達成するために、患者に治療電流を印加するよう方向付けるための指示を運び得る。
【0103】
さらに、このようなプログラムは、コンピュータ読取可能な記憶媒体で記録されると、容易に記憶、分散され得る。記憶媒体はコンピュータによって読まれるので、本明細書で説明した例示的な方法に基づいて、患者の経路エネルギーデータを管理することができ得る。
【0104】
このように説明されてきた本発明の例示的な実施形態が、多くの方法で変更され得ることは明らかであろう。例えば、例示的なシステム、デバイスおよび/または方法を説明した図4、6B〜6D、7B−1/2および8の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせで実行されてもよい。ハードウェア/ソフトウェアによる実施には、プロセッサ(複数可)と製品(複数可)の組み合わせが含まれ得る。製品(複数可)はさらに、記憶媒体と実行可能なコンピュータプログラム(複数可)を含み得る。実行可能なコンピュータプログラム(複数可)は、説明した操作または機能を行うための指示を含み得る。コンピュータ実行可能プログラム(複数可)はまた、外部供給伝播信号(複数可)の一部として提供されてもよい。
【0105】
このような変形例は、本発明の例示的な実施形態の精神および範囲から逸脱すると見なされるべきではなく、当業者に明らかであるように、このような改変の全ては、以下の特許請求項の範囲内に含まれるよう意図されている。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図5A】

【図5B】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図6D】

【図7A】

【図7B−1】

【図7B−2】

【図8】

【図9A】

【図9B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子針治療デバイスと、
遠隔計算装置と、
を備えた、患者に非侵襲針治療を提供するための電子針治療システムであって、
前記電子針治療デバイスは、前記患者を診断または治療するために、測定可能な患者データを前記遠隔計算装置に伝送するように構成されている、電子針治療システム。
【請求項2】
前記遠隔計算装置は、全体論的に分析するために、前記測定可能な患者データに収容された多数の経路エネルギー点データを記憶および分析するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遠隔計算装置は、全身を診断するために、前記測定可能な患者データを記憶および分析するように構成され、前記患者の介護人または前記患者のうちの一方によって、全体論的に評価するために、経路エネルギーデータの多数の点を示すためのディスプレイを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電子デバイスは、無線インターフェース上で、前記遠隔計算装置と通信するためのトランシーバ回路を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子デバイスは、前記遠隔計算装置へとデータを送信し、そこからデータを受信するために、通信ケーブルを介して前記遠隔計算装置と接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子デバイスは、前記患者に変動可能な電圧を印加するように構成されたプロセッサを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子デバイスは、1つまたは複数の論理回路を有するメモリを含み、前記メモリは前記プロセッサに操作可能に接続されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記電子デバイスは、診断状態と治療状態との間で前記デバイスを移動させるよう作動可能なスイッチを含んでいる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子デバイスは、前記診断状態と前記治療状態とを示す発光ダイオード(LED)を含んでいる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子デバイスは、前記患者内に所定電流を生成する前記プロセッサの制御の下に、所定の出力電圧を生成するように構成された電源を含んでいる、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記電源は、アルカリ、ニッケル金属水素(NiMH)、ニッケルカドミウム(NiCd)およびリチウムイオン(Liイオン)電池化学のうちの1つを有する複数の電池として具体化される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記電源は、壁コンセントおよび計算装置のうちの1つから電流を充電する交流電源を与えるバッテリ充電器の充電スタンドまたは受け台によって充電可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記バッテリ充電器は、前記電子デバイスに記憶されたデータを、前記充電スタンドまたは受け台を介して前記遠隔計算装置へアップロードするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記電子デバイスは、診断状態と治療状態との間で前記デバイスを移動させるように作動可能なスイッチを含み、
前記電源は、前記電子デバイスが前記診断状態にある場合に第1の定電圧を、前記電子デバイスが前記治療状態にある場合には、第2の異なった定電圧を、前記スイッチの位置に基づいて、出力するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記電子デバイスは、前記患者に印加される診断および治療電圧を制御するための作動ボタンを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記電子デバイスは、ディスプレイとカウンターとを含み、
治療電圧が前記患者に流れると、前記ディスプレイは、前記治療の持続時間を示すカウンター表示を提供する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記患者との電気接続が終了または中断されている場合、前記カウンターは自動的にゼロに置かれ、
前記カウンターは、所定カウントまでカウントを付加的に増加させ、ゼロまでカウントを付加的に減少させるために適合されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記電子デバイスに接続され、電圧を患者に印加するためにユーザによって保持されるよう適合された把持プローブをさらに備え、
前記ユーザは、前記患者、または前記患者の介護人である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記把持プローブは、前記ユーザの手によって前記把持プローブを握りやすくするために、溝がついた指用の握り面を含んでいる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記電子デバイスは、患者の皮膚に圧力を加え、前記患者から電流を受けるように適合された、感圧性の自己湿潤探索プローブを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記電子デバイスはディスプレイを含み、
前記探索プローブによって受けられる前記患者からの前記電流は、前記電子デバイス上で表示するため、および/または前記遠隔計算装置で処理するために、デジタル信号に変換可能なアナログ値である、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記患者からの前記電流を表すデータは、前記遠隔計算装置に伝送され、
前記遠隔計算装置は、前記ディスプレイ上で前記患者からの前記受信データに対応する複数の経路エネルギーデータ点をグラフで表示するために、所定のプロトコルを実施するように構成されたディスプレイを含んでいる、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子デバイスは、所定の診断電圧と、所定の異なる治療電圧のうちの一方を前記患者に印加するように構成可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
主要電子装置を含む延長部材に操作可能に接続された取っ手領域であって、前記主要装置は、測定可能な患者データに基づいて患者の診断および/または治療の一方を提供するために、主要装置の上でディスプレイを、主要装置の中でインテリジェンス装置を含み得る、取っ手領域と、
前記主要装置に操作可能に接続された探索プローブと、
電気コネクタを介して前記主要装置に操作可能に接続された把持プローブと、
を備えた、携帯型電子針治療デバイス。
【請求項25】
患者は、前記把持プローブを握り、前記探索プローブは、電気回路を完全なものにするために前記患者の皮膚に適用されている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記把持プローブに対する出力電圧を前記患者の身体に与え、前記探索プローブで検出され、前記デバイスで分析および/または表示するために、前記主要装置内で処理される電流を生成するための電源をさらに備えた、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記把持プローブは、前記患者の手で前記把持プローブを握りやすくするために、溝がついた指用の把持面を含んでいる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
前記主要装置は、前記患者に電圧を変動させて印加するように構成されたプロセッサを含んでいる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
前記主要装置は、前記主要装置上で表示するために、前記患者から前記探索プローブによって受けられた測定可能な電流を表すアナログ電圧を、適切なデジタル信号へ変換するために、前記プロセッサに操作可能に接続され、および/またはそれと通信するアナログデジタル変換器を含んでいる、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記ディスプレイは、前記プロセッサに操作可能に接続され、および/またはそれと通信するLCDドライバによって駆動される液晶表示装置(LCD)である、請求項28に記載のデバイス。
【請求項31】
前記プロセッサに操作可能に接続され、および/またはそれと通信し、1つまたは複数の論理回路を含んでいるメモリユニットをさらに備えた、請求項24に記載のデバイス。
【請求項32】
前記メモリユニットは、読み取り専用メモリ(ROM)またはランダムアクセスメモリ(RAM)またはそれらの組み合わせから構成されている、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記主要装置は、
前記患者への電圧の変動印加を制御するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに操作可能に接続され、および/またはそれと通信するメモリユニットと、
前記プロセッサと操作可能に接続され、および/またはそれと通信するアナログデジタル変換器(ADC)と、
前記プロセッサと操作可能に接続され、および/またはそれと通信するLCDドライバによって駆動されるLCDと、
をさらに含み、
前記ADCは、前記LCDで表示するために、前記患者から前記探索プローブを介して受けられた測定可能な電流を表すアナログ電圧を、適切なデジタル信号へ変換するように構成されている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項34】
前記プロセッサ、メモリユニット、ADCおよびLCDドライバはそれぞれ、単一の半導体デバイスに集積されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記主要装置は、その上で、前記患者を診断および治療するために1つのボタン制御として構成された作動ボタンを含んでいる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項36】
前記作動ボタンは、治療電圧の管理を可変的に制御するように構成されている、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記治療電圧は前記患者内に流れ、前記ディスプレイは、前記治療の持続時間を示すカウンターからのカウンター表示を表示する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記患者との電気接続が終了または中断されている場合、前記カウンターは自動的にゼロに置かれ、
前記カウンターは、所定カウントまでカウントを付加的に増加させ、ゼロまでカウントを付加的に減少させるために適合されている、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記主要装置は、診断状態と治療状態との間で前記デバイスを移動させるよう作動可能なスイッチを含んでいる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項40】
前記把持プローブへ前記患者の身体を通って流れ、分析および/または表示するために前記探索プローブで電流値として受けられ、前記主要装置によって処理される、出力電圧電流を供給するために、1つまたは複数のアルカリ電池、または、充電可能なNiMH、NiCdまたはリチウムイオン電池として構成された電源をさらに備え、
前記主要装置は、前記電源からの電圧源を提供するためのオン/オフスイッチをさらに含んでいる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項41】
主要電子装置と、
それに操作可能に取り付けられた探索プローブと、
を備えた、患者に非侵襲針治療を提供するための電子針治療デバイスであって、
前記デバイスは、患者に診断電圧を印加し、前記患者のエネルギー経路データを表す、前記患者からの電流を測定し、前記エネルギー経路データの分析に基づいて、前記患者に異なる治療電圧を印加するように構成されている、電子針治療デバイス。
【請求項42】
前記主要装置は、前記デバイスを前記患者からのエネルギー経路データを記録可能にするために、前記探索プローブが前記患者の皮膚に対して定圧力を維持しやすい機械的手段を含んでいる、請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
治療電圧または診断電圧の自己投与を目的として、前記患者を介して前記回路を完成させるために、前記主要装置に取り付けられた導電性のハンドルをさらに備えた、請求項41に記載のデバイス。
【請求項44】
患者を治療するために、前記患者の経路エネルギーデータを管理する方法であって、
前記患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれで前記患者に診断電圧を印加することと、
前記印加された診断電圧に基づいて、前記患者の主要なエネルギー経穴に対応するデータを測定することと、
前記患者の前記測定されたエネルギー経穴データを分析することと、
前記分析に基づいて、前記主要なエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを決定することと、
を含む方法。
【請求項45】
分析は、
良導絡プロトコルに基づいたグラフと比較するために、前記データを表示することと、
前記比較に基づいて、前記患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれに対して相対エネルギーバランスを決定することと、
を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
決定された相対エネルギーバランスデータに基づいて、興奮しすぎた経穴から興奮が足りない経穴へ、またはその逆に、エネルギーを移動させるために、前記患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれで、治療電圧を前記患者に印加して、前記患者の主要なエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを達成する、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
分析および/または表示するために、前記測定されたデータを記憶することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
測定は、分析および/または表示するために、前記患者の主要なエネルギー経穴のそれぞれで、経路導電度を記録することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記診断電圧の印加は、前記患者の身体にわたって送られる12Vの出力電圧を生成することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記治療電圧の印加は、前記患者の身体にわたって送られる12Vより大きい出力電圧を生成することをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記出力電圧は、約12〜24ボルトの範囲である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記出力電圧は24ボルトである、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
患者データを入力することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
電子針治療システム内のプロセッサが、患者を治療するために、前記患者の経路エネルギーデータを管理するための機能を実行可能にさせるために、コンピュータ読取可能な媒体上に記憶されたコンピュータプログラム論理を有するコンピュータ読取可能な媒体を備えたコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム論理は、前記プロセッサに、
前記患者に印加された診断電圧に基づいて前記患者の主要なエネルギー経穴に対応するデータを測定する機能と、
前記患者の前記測定されたエネルギー経穴データを分析する機能と、
前記分析に基づいて、前記患者のエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを決定して、前記患者の主要なエネルギー経穴にわたって前記相対エネルギーバランスを達成するために、前記患者に治療電圧を印加する機能と、
を行わせる、コンピュータプログラム製品。
【請求項55】
コンピュータに請求項44の方法を実行させるよう適合されたプログラム。
【請求項56】
コンピュータに請求項44の方法を実行させるよう適合されたプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項57】
搬送波において具体化されたコンピュータデータ信号であって、前記コンピュータデータ信号は、患者を治療するために、前記患者の経路エネルギーデータを管理するための指示を運ぶコードセグメントを含み、前記コンピュータデータ信号は、
前記患者に印加された診断電圧に基づいて前記患者の主要なエネルギー経穴に対応するデータを測定するための指示と、
前記患者の前記測定されたエネルギー経穴データを分析するための指示と、
前記分析に基づいて、前記患者の主要なエネルギー経穴にわたって相対エネルギーバランスを決定して、前記患者の主要なエネルギー経穴にわたって前記相対エネルギーバランスを達成するために、前記患者に治療電圧を印加する指示と、
を含む、コンピュータデータ信号。

【公表番号】特表2008−538188(P2008−538188A)
【公表日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502104(P2008−502104)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/009762
【国際公開番号】WO2006/102105
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507310189)ジェイド バイオメディカル, インク. (1)
【Fターム(参考)】