説明

電導性対象物の構造を分析する方法

導電性対象物の構造を分析する方法。(i)ある周波数範囲にわたって前記対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階、(ii)得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階、(iii)決定された複数の電気インピーダンス特性の中から選択した特性を互いに構成的に組み合わせ、前記対象物に関する少なくとも1つのパラメータインピーダンス値を定める段階、(iv)決定したパラメータインピーダンス値の1以上を画像化する段階、を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電導性対象物の構造を分析する方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
電気インピーダンストモグラフィ(Electric impedance tomography; EIT)は、特に内部の形態を調べるために医療やその他の用途に使用される断層撮影法として知られている。典型的な場合においては、複数の電極が撮像される対象物に取り付けられる。入力電圧が組になった入力電極間に加えられ、出力電流が出力電極で測定されるか、または入力電流が組になった入力電極間に加えられ、出力電圧が出力電極、あるいは対になった出力電極間で測定される。例えば、非常に小さな交流電流を、組になった入力電極間に加え、出力電極間あるいは対になった出力電極間の電位差を測定する。続いて、別の組の入力電極間に電流を流し、出力電極間あるいは対になった出力電極間の電位差を測定する。すると、電気インピーダンスの変化に基づく電気インピーダンス画像を、適切な画像再構成技術を用いて構成することができる。
しかし、異なる形態領域の間における電気インピーダンスの変化が非常に小さく、識別できないことがある。
【0003】
この問題の解決策の1つは、広い周波数範囲にわたってEITを行うことであった。ある周波数において電気インピーダンスの差が有意に現れない種々の形態が、別の周波数では有意な差を呈することがある。しかし、依然として、様々な周波数を用いても、異なる形態部分の間での電気インピーダンスの変化が小さすぎて識別できないこともある。
【0004】
従って、EITを用いて異なる形態をより区別化できることが望まれる。
【発明の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施形態によると、導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) 対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 決定された電気インピーダンス特性の1つ以上を画像化する段階;
を含む、方法が提供される。
【0006】
測定した電気インピーダンスのデータから、当該電気インピーダンスに関する電気インピーダンス特性を導くことができ、これらの電気インピーダンス特性は、対象物の構造を分析するため使用できる。しかし、個々の電気インピーダンス特性の変化量は正確な分析を可能にするには不十分である場合もある。
【0007】
本発明の別の実施形態によると、導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) ある周波数範囲にわたって対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 決定された複数の電気インピーダンス特性の中から選択した特性を互いに構成的に組み合わせることにより、前記対象物に関する少なくとも1つのパラメータインピーダンス値を定める段階;
(iv) 前記決定されたパラメータインピーダンス値の1つ以上を画像化する段階;
を含む、方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態によると、導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) ある周波数範囲にわたって対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 前記複数の電気インピーダンス特性の中から選択した電気インピーダンス特性を構成的に組み合わせて前記対象物のパラメータインピーダンス値を定める段階;
を含む、方法が提供される。
【0009】
対象物の電気インピーダンスデータは、生物学的な材料に関しては0ないし100MHz間の、また非生物学的な導電性材料に関しては100GHz以下の周波数帯域幅で収集してもよい。
【0010】
上記方法は、
(iv) 関心領域(Region of Interest)から、画像の一部としてパラメータインピーダンス値を表示する段階を、
さらに含んでもよい。
【0011】
段階(iii)は、決定された電気インピーダンス特性をインピーダンス強調アルゴリズムに従って組み合わせることを含んでもよい。
【0012】
段階(i)は、対象物(生物あるいは非生物材料)に依存する複数の周波数において、対象物に関する電気インピーダンスデータを得ることを含んでもよい。生物学的材料について、伝達関数は、0ないし100MHzの周波数範囲で、コール‐コールの式(Cole‐Cole formula)[コール(Cole)、1920年;コール(Cole)、1924年]により与えられるべきである。
【0013】
上記方法は、細胞構造または細胞状構造を有する電導性対象物を分析するために使用してもよく、段階(ii)はコール‐コールのモデル(Cole‐Cole model)(コール、1920年;コール、1924年)のように、構造をモデル化するための等価の電気インピーダンス回路を使用することを含んでもよい。
【0014】
ある限定的な場合において、等価電気インピーダンス回路は、細胞膜キャパシタンス(C)、細胞内抵抗(Ri)および細胞外抵抗(Re)を含んでもよい。
【0015】
上記電気インピーダンス特性は、Ri(細胞内抵抗、グループ内抵抗)、Re(細胞外抵抗、グル−プ外抵抗)、C(細胞キャパシタンス、グループキャパシタンス)、fr(細胞緩和周波数、グル−プ緩和周波数)およびα(細胞緩和因子、グル−プ緩和因子)からなる群から選択されてもよい。
【0016】
上記段階(iii)は、fr(Relaxation Frequency; 緩和周波数)とC(細胞キャパシタンス、グループキャパシタンス)を掛け算により組み合わせることを含んでもよい。この掛け算によりパラメータインピーダンス値が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明をより十分に理解するため、例のためにのみ次の添付図面を参照する。
【図1】電気インピーダンス断層撮像装置の線図である。
【図2A】測定された電気インピーダンスを周波数の関数として示すグラフである。1つの分散(dispersion)を有する。
【図2B】測定された電気インピーダンスを周波数の関数として示すグラフである。複数の分散(dispersion)を有する。
【図3】ミクロのスケール(micro−scale)での細胞構造あるいは細胞状構造を有する、対象物の電気インピーダンス回路モデルの例を示す。
【図4】マクロのスケール(macro−scale)での細胞構造あるいは細胞状構造を有する、対象物の一般的な電気インピーダンス回路モデルを示す。
【発明の実施形態の詳細な説明】
【0018】
図1は、電気インピーダンス測定、あるいは負荷12の電気インピーダンスデータを測定するための電気インピーダンス断層撮像(EIT)装置10を示す線図である。負荷12は、複数の電極が取り付けられた導電性対象物からなる。"導電性"という用語は、対象物が電流を導通させうることを意味するが、必ずしも十分な量の電流を導通させることまでは要しないことに留意すべきである。装置10は、さらに信号源14、信号検出器16およびコンピュータ18を含む。ある実施形態では、信号源が入力信号としての電流を供給し、信号検出器が出力信号としての電圧を検出する。別の実施形態では、信号源が入力信号として電圧を供給し、信号検出器が出力信号として電流を検出する。
【0019】
コンピュータは、典型的にはプロセッサと記憶装置を含む。記憶装置がコンピュータプログラムを記憶し、このプログラムはプロセッサにロードされるとコンピュータを制御する。
【0020】
信号源14を用いて入力信号が電極を介して対象物に加えられ、同じあるいは他の電極に存在する生じた出力信号が、信号検出器16を用いて測定される。この処理は、周波数を変えて繰り返される。例えば、対象物に関する周波数に依存する電気インピーダンスデータが得られるように、0Hz(直流)ないし100MHzの間の多数の周波数で信号源14により電気信号を供給してもよい。
【0021】
電気インピーダンスの測定に使用する電極を分離することにより、対象物が分析される解像度(resolution)あるいはスケール(scale)が決定される。電気インピーダンスの測定は、予想される関心スケール(例えば、マイクロメートルあるいはミリメートルの範囲)でなされる。関心のあるスケールの例として、生物学的対象物の場合、単細胞あるいは群細胞のレベル、または胸部組織の小葉、管のような組織あるいは組織学的レベルで関心がもたれるかもしれない。得られた電気インピーダンスデータは、仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析され、対象物に関する複数の電気インピーダンス特性が決定される。使用される電気モデルは、電気インピーダンス測定の解像度および/またはスケールに依存してもよい。
【0022】
図2A、2Bを参照する。上記の方法を用いて得られた電気インピーダンスデータが、周波数の関数として座標で示されている。プロット22は対象物に関する電気インピーダンスの変化対周波数または伝達関数を表す。コンピュータ18は、得られたインピーダンス伝達関数あるいは周波数依存インピーダンス特性を分析するための適切なアルゴリズムを実行し、これにより対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定するよう動作できる。電気インピーダンス特性は、典型的には以下の1以上を含む。
a) 限界値ω->0(下限値)でのインピーダンス
b) 限界値ω->∞(上限値)でのインピーダンス
c) (i) インピーダンスに変化が存在する緩和周波数(relaxation frequency)
(ii) この変化周波数での電気インピーダンス
(iii) 特に緩和周波数におけるインピーダンスの変化の勾配
【0023】
例えば、生物学的材料に関し、使用される周波数範囲内でα、β、γ分散を含むN個の分散(dispersion)(N>1)が存在する場合(コール KS(Cole KS)による"イオンに対する細胞膜の浸透と不浸透(Permeability and impermeability of cell membranes for ions)"、Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.8,110〜22頁,1940年))、分散周波数(dispersion frequency)ω1、ω、...ωN−1、ωNを識別することができ、特定の分散mに関する電気インピーダンス特性は、以下の1つ以上を含む。
a) m=1の場合、下限値(全域の)ω->0でのインピーダンス、
m>1の場合、下限値(局部的)ω->ωm-a(式中、a<(ωmm-1)であり、また1/2(ωmm-1)であってよい)での電気インピーダンス。
(b) m=Nの場合、上限値(全域の)ω->∞での電気インピーダンス、
m<Nの場合、上限値(局部的)ω->ωm+b(式中、b<(ωm+1m)であり、b〜1/2(ωm+1m)であってよい)での電気インピーダンス。
(c) (i) インピーダンスに変化が存在する緩和周波数ωm(fm)
(ii) 変化周波数での電気インピーダンス
(iii) 変化の勾配
【0024】
細胞内外での関係する変化、あるいは細胞状物の内外での関係する変化により対象物の構造を分析するため、これら1以上の電気インピーダンス特性の変動量を使用することができる。
【0025】
幾つかの実施形態において、分析中の対象物が等価電気インピーダンス回路を用いてモデル化される。図3に示す等価電気インピーダンス回路20を用いて対象物がモデル化されてもよい。等価電気インピーダンス回路20を用いてモデル化される対象物は、非限定的な例の場合、ヒトまたは動物の組織、多孔性または他の細胞もしくは細胞状材料を含んでもよい。
【0026】
図示の実施形態において、等価電気インピーダンス回路20は、細胞外部分23に並列となる細胞部分21を含む。細胞部分21は、直列接続されたキャパシタンスCと抵抗Riを有する。キャパシタンスCは細胞膜、細胞境界に関連し、抵抗Riは細胞の内部に関連する。細胞外部分23は抵抗Reを有する。抵抗Reは細胞の外部の構造に関連する。抵抗Reは、直列接続されたキャパシタンスCと抵抗Riに並列接続されている。
【0027】
この回路に関する単分散インピーダンス伝達関数の非限定的な例は次の通りである。

Z(ω)=[Re (1+j.ω.C.Ri)]/[1+j.ω.C (Re+Ri)]

ただし、

限界値ω->0では、Z->Re
限界ω->∞では、Z->Ri//Re、即ち、RiRe/(Ri+Re)

である。
【0028】
周波数frとインピーダンスZrにおいて、勾配αを有する変化(分散,dispersion)が存在する。
【0029】
生物学的組織における、分散が複数の場合の伝達モデルは、次のコール‐コールの方程式(Cole‐Cole equation)(コール ケーエス(Cole KS) 1940年、コール ケーエス(Cole KS) 1941年、マックアダムス イーティー(McAdams ET)他、1995年)によりモデル化することができる。

Z=R∝+(R0-R∝)/(1+(jf/fr))(1-α)
【0030】
大抵の場合、上の方程式は、細胞の懸濁液または組織を単純にモデル化するため3要素等価回路を使用すれば、次の方程式に書き直すことができる(フリッケ(Fricke)とモース(Morse)、1925年)。

Z=Re・Ri/(Re+Ri)+(Re-Re・Ri/(Re+Ri))/(1+(jf/fr))(1-α)

式中、R∝はReとRを並列接続した結果である。
【0031】
周波数friおよびインピーダンスZriにおいて勾配αiを有する変化(分散,dispersion)が存在する。
【0032】
前述のように、コンピュータ18は、測定された電気インピーダンスデータを分析するための適切なアルゴリズムを実行し、分析中の対象物に関する複数の電気インピーダンス特性を抽出するよう動作できる。例えば、測定された電気インピーダンスデータに基づき、周波数の関数として電気インピーダンスデータの点をプロットし、モデルを用いて最も適切な線22を作成して、図2に示す伝達関数を生成するようにアルゴリズムが動作しうる。この伝達関数から、コンピュータ18が対象物の複数のインピーダンス特性それぞれを決定できる。これらのインピーダンス特性は以下を含んでもよい。
a) Reを与える限界値ω->0での電気インピーダンス
b) RiRe/(Ri+Re)を与える限界値ω->∞での電気インピーダンス
c) (i) インピーダンスに変化が存在する緩和周波数fr
(ii) この変化周波数での伝達関数のインピーダンスZr
(iii) 緩和因子(relaxation factor)を与える変化の勾配α
【0033】
インピーダンス特性は、モデルを用いて更なるインピーダンス特性を決定するため使用できる。
【0034】
例えば、ReとRiRe/(Ri+Re)の両方を知ることができれば、Riも決定することができる。
【0035】
変化(分散)周波数frでの伝達関数のインピーダンスZrに関し、伝達特性はコンデンサの影響を大きく受ける。コンデンサは、周波数の僅かの増大に対してインピーダンスを顕著に減少させる。変化(分散)周波数frでの伝達関数のインピーンスZrは、1/(j.2πfr.C)としてモデル化することができる。従って、Cは1/(j.2πfr.Zr)として決定することができる。
【0036】
個々のインピーダンス特性(Re、Ri、fr、Zr、α、C)の変化は、対象物の構造を分析するために使用できる。例えば、ヒトの組織の場合、通常の健康な組織と異常な組織とでは、示される電気的特性の変化が異なるため、個々のインピーダンス特性の変化は、異常の存在を示す指標となりうる。
【0037】
しかし、個々のインピーダンス特性の変化量は、構造を正確に分析できるには不十分であろう。例えば、細胞膜キャパシタンス(C)または緩和周波数(fr)の変化量は、個々のインピーダンス特性に基づき形成された対象物の画像から検出することを可能とするには不十分であろう。
【0038】
本発明の実施形態においては、選択した(または予め定められた)インピーダンス特性を"構成的に(constructively)"組み合せて、対象物のパラメータインピーダンス値を定める。インピーダンス特性を構成的に組み合わせてパラメータインピーダンス値を定めることにより、個々のインピーダンス特性の変化が強調される。これにより、対象物の構造をより正確に分析することが可能になる。特定の場所におけるパラメータインピーダンス値を、対象物の画像の対応する位置での画素値として表してもよい。
【0039】
簡単な例をあげると、細胞膜キャパシタンス(C)が初期値C1から1.1C1に増大するなど、ある電気インピーダンス特性において10%の増加があり、また、緩和周波数(fr)が初期値fr1から1.1fr1に増大するなど、別の電気インピーダンス特性に10%の増加があると仮定する。これら10%の増加は、それぞれ単独では、容易に検出すること、例えば、これらの電気インピーダンス特性に基づくそれぞれの画像で識別するには不十分であろう。しかし、これらそれぞれの電気インピーダンス特性を掛け算により組み合わせてパラメータインピーダンス値を定めると、21%(1.21fr1C1)の大きな増加が生じる。この増加を検出することは、単独での増加を検出することに比べて容易であり、例えば、パラメータインピーダンス値に基づく画像で容易に識別可能である。
【0040】
インピーダンス特性は、特定の形態(morphology)と正、中立または負の相関関係もつであろう。正の相関関係というのは、その形態が存在する場合、電気インピーダンス特性が増大することを意味する。その増大は顕著なものでなくてもよい。負の相関関係というのは、その形態が存在する場合、たとえ顕著な変化ではなくとも、電気インピーダンス特性が減少することを意味する。中立の相関関係というのは、その形態が存在しても、電気インピーダンス特性が変化しないことを意味する。正の相関関係を有する電気インピーダンス特性は、反転することにより負の相関関係を有する電気インピーダンス特性に変えられる(その逆も同様である)。
【0041】
特定な形態を検出するためにインピーダンス特性を構成的に組み合わせるということは、その形態に対して、同じ向き(sense)で相関関係のある電気インピーダンス特性を掛け算(あるいは重み付け足し算)により組み合わせてパラメータインピーダンス値を生成することであり、また、その形態に対して反対の方向(sense)で相関関係のある電気インピーダンス特性を割り算(または重み付け引き算)により組み合わされることを意味する。
【0042】
決定されたインピーダンス特性のいずれについても、形態的な変化に対してより大きな感度を有するパラメータインピーダンス値を与えるように、所望の方法で構成的に(constructively)組み合わせてよい。そのパラメータインピーダンス値を構成するインピーダンス特性を構成する特性のいずれに比較しても大きな感度を有するように、組み合わせてよい。例えば、このパラメータインピーダンス値は、EITに邪魔されることなく(non−invasively)、画像化することができる。
【0043】
図3に説明されるレベルでの電気インピーダンス特性の組み合せの非限定的な例を以下に示す。
【0044】
組み合せパラメータ測定、2Dあるいは3D画像形成
(細胞膜内外のインピーダンスまたは導電率の組み合せ)
【0045】
a) 細胞膜インピーダンス(membrane impedance)、細胞膜導電率(membrane conductivity)、および関連する量

細胞膜インピーダンス:Zm=1/2π*fr*C
細胞膜導電率:σm=2π*fr*C
【0046】
b) 組み合わされた細胞内インピーダンス(combined intracellular impedance)、組み合わされた細胞内導電率(combined intracellular conductivity)

積: Ri*Zm または
σi*σm

差、あるいは正規化された差:
a*Ri-b*Zm または
c*σi-d*σm

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Ri-b*Zm)/Zm または
(a*Ri-b*Zm)/Ri
あるいは
(c*σi-d*σm)/σm または
(c*σi-d*σm)/σi

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞内時定数(intra-cellular time constant): Ri*C または
細胞内周波数定数(intra-cellular frequency constant): 1/Ri*C
【0047】
c) 細胞外の電気インピーダンスの組み合せ、細胞外の導電率の組み合せ

積: Re*Zm または
σx*σm

差、あるいは正規化された差:
a*Re-b*Zm または
c*σx-d*σm

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Re-b*Zm)/Zm または
(a*Re-b*Zm)/Re
あるいは
(c*σx-d*σm)/σm または
(c*σx-d*σm)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞内時定数: Re*C または
細胞内周波数定数: 1/Re*C
【0048】
d) 細胞内外のインピーダンスの組み合せ、細胞内外の導電率の組み合せ

積:Re*Ri または
σx*σi

差、あるいは正規化された差:
a*Re-b*Ri または
c*σx-d*σi

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Re-b*Ri)/Ri または
(a*Re-b*Ri)/Re
あるいは
(c*σx-d*σi)/σi または
(c*σx-d*σi)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。
【0049】
逸脱分散特性(deviant dispersion characteristic)(α)による、組み合わせ統合細胞パラメータ測定(combinationla integrated cellular parametric measurement)と2Dあるいは3D画像形成
異常な、あるいは他の細胞が混じった不均一な細胞グループにおいて、そのインピーダンスは、分散周波数点(dispersion frequency point)において、"平坦な(flatter)"勾配、すなわち小さなアルファ値を示す。従って、アルファは、細胞の組織またはグループの"逸脱(deviant)"または"不均一な(heterogeneous)特性"を示す。
【0050】
a) "逸脱"細胞膜インピーダンス、"逸脱"細胞膜導電率、および関連する量

"逸脱"細胞膜インピーダンス:
α*Zm または
α/Zm

"逸脱"細胞膜導電率:
α*σm または
α/σm
【0051】
b) 組み合わせ"逸脱"細胞内インピーダンスと組み合せ"逸脱"細胞内導電率

積: α*Ri*Zm または
σi*σm

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Ri-b*Zm) または
α*(c*σi-d*σm)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Ri-b*Zm)/Zm または
α*(a*Ri-b*Zm)/Ri
あるいは
α*(c*σi-d*σm)/σm または
α*(c*σi-d*σm)/σi

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞内時定数: α*(Ri*C) または
細胞内周波数定数: α*(1/Ri*C)
【0052】
c) 組み合わされた細胞外インピーダンスと組み合わされた細胞外導電率

積:α*Re*Zm または
α*σx*σm

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Re-b*Zm) または
α*(c*σx-d*σm)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Re-b*Zm)/Zm または
α*(a*Re-b*Zm)/Re
あるいは
α*(c*σx-d*σm)/σm または
α*(c*σx-d*σm)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞内時定数: α*Re*C または
細胞内周波数定数: α*(1/Ri*C)
【0053】
d) 細胞内外のインピーダンの組み合せと細胞内外の導電率の組み合せ

積:α*Re*Ri または
α*σx*σi

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Re-b*Ri) または
α*(c*σx-d*σi)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Re-b*Ri)/Ri または
α*(a*Re-b*Ri)/Re
あるいは
α*(c*σx-d*σi)/σi または
α*(c*σx-d*σi)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。
【0054】
組み合せのために最適な電気インピーダンス特性を選択し、さらに生じるパラメータインピーダンス値の変化を最大にする組み合せの仕方を選択すべく、適切なインピーダンス強調アルゴリズムをコンピュータ18が実行してもよい。
【0055】
対象物のパラメータインピーダンス値が得られた後、実施形態によっては、パラメータインピーダンス値が対象物構造のパラメータ画像の一部として表示される。それによって、対象物構造の異常が強調され、画像で容易に識別することが可能となる。従って、対象物構造が画像の分析に容易に決定することができる。
【0056】
図4は分析対象物のより一般的なモデルを示す。図示される実施形態では、等価電気インピーダンス回路30は、細胞間含有物(inter-inclusion)部分33に並列接続する細胞含有物(inclusion)部分31を有する。細胞含有物部分31は、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2を直列に有する。インピーダンスZ1は細胞含有物境界に関連するものでありうる(一群の細胞の細胞膜に関連する成分を表すものでありうる)。インピーダンスZ2は細胞含有物の内部に関連するものでありうる(一群の細胞の細胞内の関連する成分を表すものでありうる)。細胞間含有物部分33は電気インピーダンス33を有する。インピーダンスZ3は細胞含有物の外部の構造に関連するものでありうる(一群の細胞の細胞外成分を表すものでありうる)。インピーダンスZ3は、直列に接続されているインピーダンスZ1およびZ2に並列に接続されている。
【0057】
この回路のインピーダンス伝達関数は、

Z(ω)=[Z1.Z2.Z3]/[Z1.Z2+Z1.Z3+Z2.Z3]

である。
【0058】
図4で説明したレベルにおける電気インピーダンス特性の組み合せの、非限定的な例
【0059】
組み合せパラメータ測定と2Dまたは3D画像形成
【0060】
a) 細胞含有物境界インピーダンス、細胞含有物境界導電率および関連する量

細胞含有物境界インピーダンス:Zm=1/2π*fr*Z2
細胞含有物境界導電率:σm=2π*Fr*Z2
【0061】
b) 組み合わせ細胞含有物内インピーダンスと組み合わされた細胞含有物内導電率

積 :Zi*Zm または
σi*σm

差、あるいは正規化された差:
a*Zi-b*Zm または
c*σi-d*σm

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Zi-b*Zm)/Zm または
(a*Zi-b*Zm)/Z1
あるいは
(c*σi-d*σm)/σm または
(c*σi-d*σm)/σ1

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞含有物内時定数: Z1*Z2 または
細胞含有物内周波数定数: 1/Z1*Z2
【0062】
c) 組み合わされた細胞間含有物インピーダンスと組み合わされた細胞間含有物導電率

積: Z3*Zm または
σ3*σm

差、あるいは正規化された差:
a*Z3-b*Zm または
c*σx-d*σm

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。
【0063】
d) 細胞間含有物と細胞含有物内の組み合せ電気インピーダンスおよび組み合せ導電率

積: Re*Ri または
σx*σi

差、あるいは正規化された差:
a*Re-b*Ri または
c*σx-d*σi

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Re-b*Ri)/Ri または
(a*Re-b*Ri)/Re
あるいは
(c*σx-d*σi)/σi または
(c*σx-d*σi)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
(a*Z3-b*Zm)/Zm または
(a*Z3-b*Zm)/Z3
あるいは
(c*σ3-d*σm)/σm または
(c*σ3-d*σm)/σ3

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞間含有物時定数: Z3*Z2 または
細胞間含有物周波数定数: 1/Z3*Z2

【0064】
逸脱分散特性(α)による、組み合わせ統合パラメータ測定と2Dあるいは3D画像形成

複数の細胞含有物が混じった不均一なグループに関して、その電気インピーダンスは、分散周波数における"より平坦な"勾配、すなわちより小さいα値を示す。従って、αはマクロのスケールの対象物の"逸脱"または"不均一な特性"を示めす。
【0065】
a) "逸脱"細胞含有物境界インピーダンス、"逸脱"細胞含有物境界導電率および関連する量

"逸脱" 細胞含有物境界インピーダンス
α*Zm または
α/Zm

"逸脱"細胞含有物境界導電率
α*σm または
α/σm
【0066】
b) 組み合わせ"逸脱"細胞含有物内インピーダンスと組み合せ"逸脱"細胞含有物内導電率

積: α*Z1*Zm または
σ1*σm

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Z1-b*Zm) または
α*(c*σi-d*σm)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Z1-b*Zm)/Zm または
α*(a*Z1-b*Zm)/Z1
あるいは
α*(c*σ1-d*σm)/σm または
α*(c*σ1-d*σm)/σ1

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞含有物内時定数: α*(Zi*Z2) または
細胞含有物内周波数定数: α*(1/Zi*Z2)
【0067】
c) 組み合わされた細胞間含有物インピーダンスと組み合わされた細胞間含有物導電率

積: α*Z3*Zm または
σ3*σm

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Z3-b*Zm) または
α*(c*σ3-d*σm)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Z3-b*Zm)/Zm または
α*(a*Z3-b*Zm)/Z3
あるいは
α*(c*σ3-d*σm)/σm または
α*(c*σ3-d*σm)/σ3

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

細胞間含有物時定数: α*Z3*Z2 または
細胞間含有物周波数定数: α*(1/Z3*Z2)
【0068】
d) 細胞間と細胞内の組み合せ電気インピーダンスと組み合せ導電率

積: α*Re*Ri または
α*σx*σi

差、あるいは正規化された差:
α*(a*Re-b*Ri) または
α*(c*σx-d*σi)

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。

微分、あるいは正規化された微分:
α*(a*Re-b*Ri)/Ri または
α*(a*Re-b*Ri)/Re
あるいは
α*(c*σx-d*σi)/σi または
α*(c*σx-d*σi)/σx

式中、係数a、b、c、dは、使用される量に合わせるために
用いる定数(-∞ 〜 +∞)である。
【0069】
このモデルは、以前にUS6856824に記載されたフラクタルモデルである。インピーダンスZ1、Z2、Z3のそれぞれは、回路30を用いて、またはZ1がRiに等価であり、Z2がCに等価であり、またZ3がReに等価である限界レベルにおいて表されよう。"フラクタル"という用語は、構造を見るどの寸法レベルでもモデルが同じであるという事実を表現するために使用される。
【0070】
本発明の実施形態を、非限定的な多様な例を参照しつつ上の段落に記載してきたが、特許請求された本発明の範囲から逸脱することなく、与えられた例を変化させうることを認識すべきである。例えば、この方法は、食品、特に肉の品質を検査するため食品産業において使用できる。
【0071】
前述の詳細な説明で、特に重要であると思われる発明の特徴に注意をひくよう努力したが、特に強調されたかどうかにかかわらす、これまでに言及されおよび/または図面に示された特許性のある特徴あるいは特徴の組み合せの全てに関して出願人が保護を請求している理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) ある周波数範囲にわたって対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 決定された複数の電気インピーダンス特性の中から選択した特性を互いに構成的に組み合わせることにより、前記対象物に関する少なくとも1つのパラメータインピーダンス値を定める段階;
(iv) 前記決定されたパラメータインピーダンス値の1つ以上を画像化する段階;
を含む、方法。
【請求項2】
前記電気モデルは、直列に接続された第1および第2のインピーダンスが、第3のインピーダンスに並列接続されることを仮定する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電気モデルが、コンデンサとこれに直列接続された抵抗体とが、別の抵抗体に並列接続されることを仮定する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記電気モデルがフラクタルモデルであり、どの解像度でも使用可能ある、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記電気インピーダンス特性が、
・ 周波数下限値でのインピーダンス;
・ 周波数上限値でのインピーダンス;
・ インピーダンスに変化が存在する緩和周波数fr;
・ 前記緩和周波数frにおけるインピーダンス;
・ 緩和周波数におけるインピーダンス勾配;
からなる群から選択される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記電気モデルが、キャパシタンスとこれに直列接続された抵抗とが、並列抵抗に並列に接続されてモデル回路(緩和周波数を有する)を形成することを仮定し、画像化に使用される前記パラメータインピーダンス値が、前記キャパシタンス、前記緩和周波数、前記直列抵抗、前記並列抵抗の2つ以上の組み合せである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記電気モデルが、"細胞膜"キャパシタンスとこれに直列接続された細胞内抵抗とが、細胞外抵抗と並列接続されることを仮定し、画像形成に使用される前記パラメータインピーダンス値が、
・ 細胞膜インピーダンス;
・ 細胞膜導電率;
・ 細胞内インピーダンスの積;
・ 細胞内インピーダンスの差;
・ 細胞内インピーダンスの正規化された差;
・ 細胞内インピーダンスの微分;
・ 細胞内インピーダンスの正規化された微分;
・ 細胞内導電率の積;
・ 細胞内導電率の差;
・ 細胞内導電率の正規化された差;
・ 細胞内導電率の微分;
・ 細胞内導電率の正規化された微分;
・ 細胞内時定数;
・ 細胞内周波数定数;
・ 細胞外インピーダンスの積;
・ 細胞外インピーダンスの差;
・ 細胞外インピーダンスの正規化された差;
・ 細胞外インピーダンスの微分;
・ 細胞外インピーダンスの正規化された微分;
・ 細胞外導電率の積;
・ 細胞外導電率の差;
・ 細胞外導電率の正規化された差;
・ 細胞外導電率の微分;
・ 細胞外導電率の正規化された微分;
・ 細胞外時定数;
・ 細胞外周波数定数;
・ 細胞内外のインピーダンスの積;
・ 細胞内外のインピーダンスの差;
・ 細胞内外のインピーダンスの正規化された差;
・ 細胞内外の微分;
・ 細胞内外の正規化された微分;
・ 細胞内外の導電率の積;
・ 細胞内外の導電率の差;
・ 細胞内外の導電率の正規化された差;
・ 細胞内外の導電率の微分;
・ 細胞内外の導電率の正規化された微分;
・ 前記パラメータのいずれか1つを分散勾配αで変化させたもの、
のいずれかを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記電気モデルが、第1のインピーダンス及びこれに直列接続された第2のインピーダンスが第3のインピーダンスに並列に接続されたモデル回路(緩和周波数を有する)を形成することを仮定し、画像化に使用される前記パラメータインピーダンス値が、前記第1のインピーダンス、前記緩和周波数、前記第2のインピーダンス、前記第3のインピーダンスの2つ以上の組み合せである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記電気モデルが、細胞含有物境界インピーダンス及びこれに直列接続された細胞含有物内インピーダンスが細胞間含有物インピーダンスに並列に接続されることを仮定し、画像形成に使用される前記パラメータインピーダンス値が、
・ 細胞含有物境界インピーダンス;
・ 細胞含有物境界導電率;
・ 細胞含有物内インピーダンスの積;
・ 細胞含有物内インピーダンスの差;
・ 細胞含有物内インピーダンスの正規化された差;
・ 細胞含有物内インピーダンスの微分;
・ 細胞含有物内インピーダンスの正規化された微分;
・ 細胞含有物内導電率の積;
・ 細胞含有物内導電率の差;
・ 細胞含有物内導電率の正規化された差;
・ 細胞含有物内導電率の微分;
・ 細胞含有物内導電率の正規化された微分;
・ 細胞含有物内時定数;
・ 細胞含有物内周波数定数;
・ 細胞間含有物インピーダンスの積;
・ 細胞間含有物インピーダンスの差;
・ 細胞間含有物インピーダンスの正規化された差;
・ 細胞間含有物インピーダンスの微分;
・ 細胞間含有物インピーダンスの正規化された微分;
・ 細胞間含有物導電率の積;
・ 細胞間含有物導電率の差;
・ 細胞間含有物導電率の正規化された差;
・ 細胞間含有物導電率の微分;
・ 細胞間含有物導電率の正規化された微分;
・ 細胞間含有物時定数;
・ 細胞間含有物周波数定数;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の電気インピーダンスの積;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の電気インピーダンスの差;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の電気インピーダンスの正規化された差;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の微分;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の正規化された微分;
・ 細胞間含有物導電率と細胞含有物内導電率の積;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の導電率の差;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の導電率の正規化された差;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の導電率の微分;
・ 細胞間含有物と細胞含有物内の正規化された微分;
・ 前記パラメータのいずれか1つを分散勾配αで変化させたもの;
のいずれかを含む、請求項1ないし5および8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記周波数範囲が0から100MHzである、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記周波数範囲が0から100GHzである、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
導電性対象物の構造を分析するシステムであって、
ある周波数範囲にわたって対象物に関する電気インピーダンスデータを得る手段;
得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する手段;
決定された複数の電気インピーダンス特性の中から選択した特性を互いに構成的に組み合わせて前記対象物に関する1以上の電気インピーダンス値を定める手段;
前記決定されたパラメータインピーダンス値の1つ以上を画像化する手段;
を備える、システム。
【請求項13】
導電性対象物の構造を分析するためのコンピュータプログラムであって、プロセッサに、
仮定した電気モデルの伝達関数を用いて電気インピーダンスデータを分析することにより、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定すること;
前記決定した複数の電気インピーダンス特性の中から選択した特性を構成的に組み合わせ、前記対象物の1つ以上のパラメータインピーダンス値を決定すること;
をさせるための命令を前記プロセッサに与える、コンピュータプログラム。
【請求項14】
導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) ある周波数範囲にわたって対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 前記複数の電気インピーダンス特性の中から選択した電気インピーダンス特性を構成的に組み合わせて前記対象物のパラメータインピーダンス値を定める段階;
を含む、方法。
【請求項15】
(iv) 画像の一部としてパラメータインピーダンス値を表示する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記段階(iii)が、所定の電気インピーダンス特性をインピーダンス強調アルゴリズムに従い構成的に組み合わせることを含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記段階(i)が、複数の周波数において、前記対象物に関する電気インピーダンスデータを得ることを含む、請求項14から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
細胞構造を有する導電性対象物を分析するため使用され、前記段階(ii)が、細胞構造をモデル化するための等価電気インピーダンス回路を使用することを含む、請求項14から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記等価電気インピーダンス回路が、細胞内抵抗(Ri)に直列接続された細胞膜キャパシタンス(C)を含み、前記細胞膜キャパシタンス(C)および前記細胞内抵抗(Ri)は、細胞外抵抗(Re)または等価電気回路に並列接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電気インピーダンス特性が、Ri(細胞内抵抗)、Re(細胞外抵抗)、C(細胞膜キャパシタンス)、fr(緩和周波数)およびα(緩和時間)からなる群から選択されたものである、請求項14から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記段階(iii)が、fr(緩和周波数)とC(細胞膜キャパシタンス)を掛け算で組み合わせてパラメータインピーダンス値を定めることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
導電性対象物の構造を分析する方法であって、
(i) 対象物に関する電気インピーダンスデータを得る段階;
(ii) 得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する段階;
(iii) 決定された電気インピーダンス特性の1つ以上を画像化する段階;
を含む、方法。
【請求項23】
前記画像化する段階が、前記電気インピーダンス特性の構成的な組み合せを画像化する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
導電性対象物の構造を分析するシステムであって、
前記対象物に関する電気インピーダンスデータを得る手段;
得られた電気インピーダンスデータを仮定した電気モデルの伝達関数を用いて分析し、前記対象物の複数の電気インピーダンス特性を決定する手段;
前記決定した複数の電気インピーダンス特性の1以上を画像化する手段;
を備える、装置。
【請求項25】
実質的に、添付図面を参照して前述されたおよび/または添付図面に示されたように導電性対象物の構造を分析する方法。
【請求項26】
先行の請求項と同じ発明の範囲内にあるかどうか、あるいは先行の請求項と同じ発明に関係するかどうかに拘わらす、ここに開示された新規な対象または新規な対象を含む組み合わせ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−529870(P2010−529870A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510880(P2010−510880)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001982
【国際公開番号】WO2008/149125
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508037603)デ モントフォート ユニバーシティ (2)
【氏名又は名称原語表記】DE MONTFORT UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】The Gateway,Leicester LE1 9BH(GB)
【Fターム(参考)】