説明

電極およびその製造方法並びに蓄電デバイス

【課題】集電体と電極層との高い密着性が得られる電極およびその製造方法並びに信頼性が高く、内部抵抗が低い蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】電極10は、貫通孔12を有する集電体11と、この集電体の少なくとも一面に形成された、活物質を含有する電極層15とを具え、前記集電体は、前記貫通孔の内側面に、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さが0.1〜30μmで、平均線からの高さが0.1μm以上の凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である粗さを有し、かつ、前記活物質の平均粒径D50が0.15〜9.95μmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極およびその製造方法、並びに蓄電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池および電気二重層キャパシタの蓄電原理が組み合わされたリチウムイオンキャパシタが注目されている。このリチウムイオンキャパシタは、それぞれ集電体上に電極層が形成されてなる正極電極および負極電極を有し、負極電極の電極層が、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法または電気化学的方法によって、リチウムイオンを吸蔵、担持(以下、「ドーピング」ということもある。)させて得られるものである。
このようなリチウムイオンキャパシタにおいては、高性能が期待されるものの、負極電極の電極層に予めリチウムイオンをドーピングさせるときに極めて長い時間を要することや、負極電極の電極層全体にリチウムイオンを均一に担持させることが必要となるため、電極が重なるよう配置されてなる電極ユニット、例えばそれぞれ帯状の正極電極および負極電極が捲回されてなる捲回型の電極ユニットや、複数の正極電極および複数の負極電極が交互に積層されてなる積層型の電極ユニットを有する、大型で高容量の蓄電デバイスとして実用化することが困難であった。
【0003】
この問題を解決するために、それぞれ複数の貫通孔が形成された集電体に電極層が形成されてなる正極電極および負極電極を有する捲回型または積層型の電極ユニットを具えたリチウムイオンキャパシタが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。
このような構成のリチウムイオンキャパシタによれば、正極電極および負極電極を構成する集電体に複数の貫通孔が形成されているため、リチウムイオンが当該集電体に遮断されることなく、正極電極および負極電極の表裏間を移動することが可能であり、そのため、リチウムイオン供給源の近傍に位置する電極層だけでなく当該リチウムイオン供給源から離れた箇所に位置する電極層にもリチウムイオンを電気化学的に担持させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−286919号公報
【特許文献2】特開2008−60477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のリチウムイオンキャパシタにおいては、電極における集電体に多数の貫通孔が形成されていることにより、当該集電体の表面の面積が小さいため、集電体と電極層との密着性が低く、これにより、電極層の一部が集電体から脱落する、という問題がある。
また、集電体と電極層との密着性が低いことにより、当該集電体と当該電極層と間の電気抵抗が高いため、内部抵抗が低いキャパシタが得られない、という問題がある。
【0006】
本発明は、以上の事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、貫通孔を有する集電体上に電極層が形成されてなる電極において、集電体と電極層との高い密着性が得られる電極を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の電極を有利に製造することができる方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、信頼性が高く、内部抵抗が低い電極を有する蓄電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電極は、貫通孔を有する集電体と、この集電体の少なくとも一面に形成された、活物質を含有する電極層とを具えてなる電極であって、
前記集電体は、前記貫通孔の内側面に、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さが0.1〜30μmで、平均線からの高さが0.1μm以上の凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である粗さを有し、かつ、前記活物質の平均粒径D50が0.15〜9.95μmであることを特徴とする。
【0008】
本発明の電極の製造方法は、複数の貫通孔が形成された金属箔を粗面化することにより、前記貫通孔の内側面に粗さを有する複数の貫通孔が形成された集電体を得る工程と、
得られた集電体の少なくとも前記一面に、活物質を含有する電極層を形成する工程と
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の蓄電デバイスは、上記の電極を具えてなることを特徴とする。
このような蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタとして好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電極によれば、集電体の貫通孔の内側面に、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さが0.1〜30μmで、平均線からの高さが0.1〜30μmの凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である粗さを有し、電極層における活物質の平均粒径D50が0.15〜9.95μmであることにより、集電体の貫通孔の内側面において当該集電体による電極層の保持力が向上するため、集電体と電極層との間に高い密着性が得られる。その結果、電極層が集電体から脱落することを防止することができると共に、集電体と電極層と間の低抵抗化を図ることができ、従って、信頼性が高くて内部抵抗が低い蓄電デバイスが得られる。
本発明の製造方法によれば、予め貫通孔が形成された金属箔に粗面化処理することにより、貫通孔の内側面に所要の粗さを有する貫通孔が形成された集電体を容易に形成することができるため、上記の電極を有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の電極の一例における構成を一部を破断して示す平面図である。
【図2】図1に示す電極の説明用断面図である。
【図3】図1に示す電極における集電体の貫通孔を拡大して示す説明用断面図である。
【図4】集電体を得るための金属箔の平面図である。
【図5】本発明に係るリチウムイオンキャパシタの一例を示す平面図である。
【図6】図5に示すリチウムイオンキャパシタの説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の電極の一例における構成を一部を破断して示す平面図、図2は、図1に示す電極の説明用断面図である。
この電極10は、例えばリチウムイオンキャパシタの正極電極および負極電極として用いられるものであって、金属箔よりなる集電体11と、この集電体11の一面に形成された電極層15とにより構成されている。
【0013】
〔集電体〕
電極10において、集電体11は、平面形状が矩形の金属箔に、それぞれ表裏面を貫通する複数の貫通孔12が形成されてなるものである。
集電体11を構成する金属箔の厚みは、20〜50μmであることが好ましく、20〜45μmであることが更に好ましく、20〜40μmであることが特に好ましい。金属箔の厚みが過小である場合には、得られる集電体11の強度が不足し、取扱が困難なものとなるおそれがあり、また、厚みが薄くなることによって抵抗値が高くなってしまうことがある。一方、この厚みが過大である場合には、得られる集電体11は、それ自体の重量が大きくなることに伴って正極電極全体の重量が大きくなり、エネルギー密度が低下する傾向にある。
また、集電体11を構成する金属箔の材質は、正極電極を構成する場合には、例えばアルミニウム、ステンレスなどを用いることができ、負極電極を構成する場合には、例えば銅、ステンレス、ニッケルなどを用いることができる。
【0014】
集電体11の複数の貫通孔12は、千鳥状またはマトリックス状に配列されていることが好ましい。このような貫通孔12を形成することにより、電極10が重畳されるよう配置されて電極ユニットを構成する場合において、電極10の電極層15へのプレドープ性を向上させることができ、これにより、得られるキャパシタの信頼性が向上する。
また、集電体11の貫通孔12の形状は、特に限定されず、例えば円形状、十文字状、多角形状、楕円形状、もしくはこれらの形状が複合化したような不定形状などの種々の形状を採用することができるが、円形状であることが好ましい。
【0015】
本発明において、集電体11の貫通孔12の各々は、図3に示すように、内側面13に粗さを有するものである。
貫通孔12の内側面13の粗さは、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さ(Ra)が0.1〜30μm、好ましくは0.1〜10μmであり、平均線からの高さが0.1μm以上好ましくは0.1〜30μmの凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である。
後述する活物質粒子の粒径との関係で、貫通孔12の内側面13における上記凹凸の数がそれぞれ10未満である場合には、凹凸の数が少なすぎ、活物質粒子が凹部の幅より小さくなり凹凸に追従するように密着しないため、貫通孔12の内側面13の粗面化の効果が薄れ密着性が悪くなり抵抗値が高くなってしまう。一方、貫通孔12の内側面13における上記凹凸の数がそれぞれ200を超える場合には、凹凸の数が多すぎるため、活物質を塗工する際に、凹部に活物質が入り込みにくくなるため、密着性が悪く抵抗値が高くなる可能性がある。
また、平均粗さ(Ra)が0.1μm以上の場合には、集電体と活物質粒子との接触面積が増える事から、低抵抗化が抑制しやすい。更に、電極成型時の活物質の滑落、滑落によるセル内へのコンタミからの外観異常やフロート充電の劣化が発生し難い。
本発明において、集電体の貫通孔の内側面における平均粗さ(Ra)は、接触型の表面粗さ測定装置や、非接触型の表面粗さ測定装置で測定することが可能である。非接触型の表面粗さ測定装置を用いる場合には、3D測定レーザー顕微鏡を用いて貫通孔12の画像を3D画像として取り込み、画像解析によって平均粗さ(Ra)や、凹凸の高さを得ることもできる。
また、集電体の貫通孔の内側面における平均粗さ(Ra)の測定は、オリンパス社製の「3D測定レーザー顕微鏡」、Zygo社製の「非接触3次元表面形状・粗さ測定機」、キーエンス製の「カラー3Dレーザ顕微鏡VKシリーズ」などのレーザ顕微鏡を用いて行うことができる。
【0016】
集電体11の貫通孔12は、その開口面積が4mm2 以下であることが好ましく、更に好ましくは0.001〜2mm2 であり、特に好ましくは0.005〜1mm2 である。貫通孔12の開口面積が過大である場合には、抵抗が大きくなる傾向がある。尚、開口面積は、(1−(集電体重量/集電体真比重)/(集電体見かけ体積))/100で算出される。
また、集電体11の貫通孔12による開口率は、特に限定するものではないが、通常5〜60%、好ましくは10〜50%である。集電体11の開口率が過小である場合には、プレドープ速度性が遅くなり生産性が低下し、逆に過大な場合は孔が大きくなりすぎてしまい集電体として金属部分が減ってしまい抵抗が大きくなってしまうことが懸念される。尚、集電体のサイズは設計により適宜最適化可能なため、貫通孔12も同様に最適化することが可能である。
【0017】
〔電極層〕
本発明の電極10において、電極層15は、活物質およびバインダーを含有してなるものである。また、電極層15には、必要に応じて導電材料が含有されていてもよい。
電極層15の厚みは、0.01〜1mmであることが好ましい。ここで、電極層15の厚みとは、電極層15が集電体12の表裏面の各々に形成されている場合においては、その両面に形成された電極層の合計の厚みである。
以下、電極層15を構成する材料について、電極10をリチウムイオンキャパシタに用いる場合を例に挙げて説明する。
【0018】
(正極活物質)
正極電極を構成する場合において、電極層を構成する正極活物質としては、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持し得る物質が用いられる。
このような正極活物質としては、種々のものを用いることができるが、活性炭、および芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。)などを用いることが好ましい。
【0019】
PASは、アモルファス構造を有することから、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮といった構造変化を伴わず、このため、得られるリチウムイオンキャパシタが優れたサイクル特性を有するものとなる。また、リチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造(高次構造)であるために、得られるリチウムイオンキャパシタは、急速充電および急速放電が可能なものとなる。
PASの前駆体である芳香族系縮合ポリマーは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物であり、芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール類;メチレン・ビスフェノール類;ヒドロキシ・ビフェニル類;ヒドロキシナフタレン類などを挙げることができ、これらのうち、特にフェノール類を好適に用いることができる。
【0020】
本発明における正極活物質としては、平均細孔径が10nm以下のものを用いることが好ましく、比表面積が600〜3000m2 /g、特に1300〜2500m2 /gのものを用いることが好ましい。
また、正極活物質としては、平均粒径D50が0.15μm〜9.95μmであるものを用いることが好ましく、より好ましくは0.15〜9μmである。
【0021】
(負極活物質)
負極電極を構成する場合において、電極層を構成する負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持し得る物質が用いられる。
このような負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化炭素、ハードカーボン、コークスなどの炭素材料や、PASなどを用いることが好ましく、特に、フェノール樹脂などを炭化させ、必要に応じて賦活された後、粉砕したものを用いることができる。
【0022】
負極活物質としては、比表面積が0.1〜2000m2 /gであるものを用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜1000m2 /g、更により好ましくは0.1〜600m2 /gである。
また、負極活物質としては、平均粒径D50が0.15μm〜9.95μmであるものを用いることが好ましく、より好ましくは0.15〜9μmである。
【0023】
(バインダー)
電極層15を形成するためのバインダーとしては、例えば、フッ素アクリル樹脂系バインダー、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)などのゴム系バインダー;ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレートなどの熱可塑性樹脂などを用いることができる。
バインダーの使用量は、活物質の電気伝導度、形成すべき電極層15の形状などによっても異なるが、活物質100質量部に対して1〜20質量部となる量が好ましく、より好ましくは活物質100質量部に対して2〜20質量部となる量である。
【0024】
(導電材料)
電極層15を形成するために必要に応じて用いられる導電材料としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、グラファイト、金属粉末などが挙げられる。
導電材料の使用量は、活物質の電気伝導度、形成すべき電極層の形状などによっても異なるが、活物質100質量部に対して好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜20質量部となる量である。
【0025】
上記の電極10によれば、集電体11の貫通孔12の内側面13に、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さが0.1〜30μmで、平均線からの高さが0.1〜30μmの凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である粗さを有し、電極層15における活物質の平均粒径D50が0.15〜9.95μmであることにより、集電体11の貫通孔12の内側面13において当該集電体11による電極層15の保持力が向上するため、集電体11と電極層15との間に高い密着性が得られる。その結果、電極層15が集電体11から脱落することを防止することができると共に、集電体11と電極層15と間の低抵抗化を図ることができ、従って、信頼性が高くて内部抵抗が低い蓄電デバイスが得られる。
【0026】
〔電極の製造方法〕
上記の電極10は、図4に示すように、複数の貫通孔12が形成された金属箔11Aを用意し、この金属箔11Aを粗面化処理することにより、貫通孔12の各々の内側面13に粗さを有する複数の貫通孔12を有する集電体11を作製し、得られた集電体11の少なくとも前記一面に、活物質を含有する電極層15を形成することによって得られる。
【0027】
(集電体の作製)
金属箔11Aに貫通孔12を形成する手段としては、特に限定するものではないが、レジストやドライマスクを使用する化学的エッチング法やパンチングなどの機械的な方法を用いることができる。
化学的エッチング法に用いられるエッチング液としては、金属箔11Aの材質に応じて適宜選定されるが、例えば塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素の水溶液、フッ化水素の水溶液、塩化第二鉄の水溶液等が挙げられ、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素の水溶液、並びに塩化第二鉄の水溶液が好ましい。
貫通孔12を化学的エッチング法によって形成する場合のエッチング処理時間は、金属箔11Aの材質、厚みによって適宜調整可能であり、例えば1〜10分間であり、1〜5分間が好ましい。
【0028】
(集電体の粗面化処理)
貫通孔12の内側面13の粗面化は上述した貫通孔12を有する集電体11を形成した後に施される。貫通孔12の内側面13の粗面化は、エッチング処理、コロナ処理、プラズマアッシング処理、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法、パンチングプレス金型にノッチ加工を施してパンチングする方法等の方法を用いることができる。
尚、正極集電体および負極集電体は使用する各々の活物質の平均粒径D50のサイズに合わせて、適宜粗面化状態を変えることができる。これにより、より密着性の高い集電体を提供することが可能となる。
【0029】
(電極層の形成)
集電体11上に電極層15を形成する方法としては、特定されず公知の方法を利用することができ、例えば、活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて用いられる導電材料が、水系媒体または有機溶媒中に分散されてなるスラリーを調製し、このスラリーを集電体11の表面に塗布して乾燥することによって、電極層15を形成することができる。
以上において、スラリーを調製するための水系媒体としては、イオン交換水、蒸留水を用いることができる。
また、スラリーを調製するための有機溶媒としては、特に限定するものではないがN−メチルピロリドンなどを用いることができる。
また、スラリーを調製するための水系媒体または有機溶媒の使用量は、例えば活物質粉末100質量部に対して70〜300質量部である。
また、スラリーを集電体11に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば縦型ダイ方式の両面塗工機を用いてスラリーを塗布することができる。
【0030】
このようにして電極層15が形成された集電体12を、例えばスリッターを用いて、所要のサイズに切断することにより、図1に示す電極10が得られる。
このような製造方法によれば、予め貫通孔12が形成された金属箔11Aにエッチング処理することにより、貫通孔12の内側面13に所要の粗さを有する貫通孔12が形成された集電体11を容易に形成することができるため、図1に示す電極10を有利に製造することができる。
【0031】
〔リチウムイオンキャパシタ〕
以下、本発明の蓄電デバイスについて、リチウムイオンキャパシタとして実施した場合を例に挙げて説明する。
図5は、本発明に係るリチウムイオンキャパシタの一例を示す平面図、図6は、図5に示すリチウムイオンキャパシタの説明用断面図である。
このリチウムイオンキャパシタは、互いに重ね合わせた2つの外装フィルム31,32が、それぞれの外周縁部に沿って形成された接合部33によって相互に気密に接合されてなる外装容器30と、この外装容器30内に収納された、複数の正極電極21および複数の負極電極22を有する積層型の電極ユニット20と、外装容器30の一端および他端に設けられた、それぞれ板状の正極電極端子40および負極電極端子45と、外装容器30内に充填された電解液とを有してなるものである。
【0032】
電極ユニット20は、複数の矩形の正極電極21および複数の矩形の負極電極22がシート状のセパレータ23を介して交互に積層されて構成されている。
正極電極21および負極電極22としては、図1に示す構成のものが用いられている。具体的には、正極電極21は、複数の貫通孔を有する金属箔よりなる正極集電体21aと、この正極集電体21aの少なくとも一面に形成された、正極活物質を含有する電極層21bとよりなり、正極集電体21aは、貫通孔の各々の内側面に粗さを有するものである。一方、負極電極22は、複数の貫通孔を有する金属箔よりなる負極集電体22aと、この負極集電体22aの少なくとも一面に形成された、負極活物質を含有する電極層22bとよりなり、負極集電体22aは、貫通孔の各々の内側面に粗さを有するものである。
図示の例では、最上層および最下層に係る電極が負極電極22とされ、最上層および最下層に係る負極電極22においては、負極集電体22aの一面に電極層21bが形成され、その他の負極電極22においては、負極集電体22aの両面に電極層21bが形成されている。一方、正極電極21の各々においては、正極集電体21aの両面に電極層21bが形成されている。そして、 正極集電体21aの各々は、正極電極端子40に電気的に接続され、負極集電体22aの各々は、負極電極端子45に電気的に接続されている。
また、電極ユニット20の上面には、セパレータ23を介して膜状のリチウムイオン供給源25が配置されている。このリチウムイオン供給源25は、リチウム極集電体26に圧着または積重されており、このリチウム極集電体26は、負極電極端子45に電気的に接続されている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
【0033】
(セパレータ)
セパレータ23としては、電解液、正極活物質或いは負極活物質に対して耐久性があり、電解液を含浸可能な連通気孔を有する電気伝導性の小さい多孔体等を用いることができる。
セパレータ23の材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース/レーヨン、エンジニアプラスチック・スーパーエンジニアプラスチック等の熱可塑性樹脂、ガラス繊維、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース/レーヨンが耐久性および経済性の点で好ましい。
また、セパレータ23の厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
【0034】
(リチウムイオン供給源)
リチウムイオン供給源25の体積は、負極電極22の電極層22bおよび正極電極21の電極層21bにドーピングされるリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、正極電極21と負極電極22とを短絡させた後における正極電極21の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定することが好ましい。
また、リチウムイオン供給源25の厚みは、例えば0.1〜0.3mmであり、好ましくは0.12〜0.28mm、より好ましくは0.15〜0.25mmである。
【0035】
リチウム極集電体26としては、リチウムイオン供給源25を構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体26の材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源25と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体26として、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源25を構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体26の孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極電極22に担持された後も、リチウム金属の消失によって正極電極21および負極電極22の間に生じる隙間が少なくなり、得られるリチウムイオンキャパシタの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体26の厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
【0036】
(外装容器)
外装容器30は、それぞれ矩形のラミネートフィルムよりなる2つの外装フィルム31,32が、互いに重ね合わせた状態で、それぞれの外周縁部に沿って相互に気密に接合されることによって接合部33が形成されて構成されている。図示の例では、一方の外装フィルム31における中央部分には、絞り加工が施されており、これにより、外装容器30の内部には、電極ユニット20が収容される収容空間が形成され、当該収容空間内に電極ユニット20が収容されると共に、電解液が充填されている。
外装フィルム31,32としては、例えばポリプロピレン層よりなる内層と、例えばアルミニウム層よりなる中間層と、例えばナイロンよりなる外層との三層構造よりなるものを用いることができる。
外装フィルム31,32の縦横の寸法は、収容される電極ユニット20の寸法に応じて適宜選択されるが、例えば縦方向の寸法が40〜200mm、横方向の寸法が60〜300mmである。
また、接合部33の幅は、5〜15mmであることが好ましい。
【0037】
この外装容器30の一端(図5および図6において左端)には、板状の正極電極端子40が、外装容器30の内部から接合部33を介して外装容器30の外部に突出するよう設けられ、外装容器30の他端(図5および図6において右端)には、板状の負極電極端子45が、外装容器30の内部から接合部33を介して外装容器30の外部に突出するよう設けられている。
正極電極端子40の材質としては、アルミニウム、ステンレスなどが用いられ、一方、負極電極端子45の材質としては、銅、ニッケル、スンテレスなどが用いられている。
【0038】
外装容器30内には、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されている。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiI、LiCIO4 、LiAsF4 、LiBF4 、LiPF6 、LiN(C2 5 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(FSO2 2 などが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1−フルオロエチレンカーボネート、1−(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
【0039】
上記のリチウムイオンキャパシタは、電極ユニット20を外装容器30内に収容すると共に、電極ユニット20における正極集電体21aおよび負極集電体22aを正極電極端子40および負極電極端子45に電気的に接続し、更に、外装容器30内に電解液を充填した後、外装容器30を封止することによって得られる。
そして、このようにして作製されたリチウムイオンキャパシタにおいては、外装容器30内にリチウムイオンを供給し得る電解液が充填されているため、適宜の期間放置されると、負極電極22の電極層22bおよび/または正極電極21の電極層21bとリチウムイオン供給源25との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源25から放出されたリチウムイオンが負極電極22の電極層22bおよび/または正極電極21の電極層21bにドーピングされる。そして、正極集電体21aおよび負極集電体22aの各々には、貫通孔が形成されていることにより、当該貫通孔を介してリチウムイオンが移動するため、電極層21b,22bに均一にリチウムイオンをドーピングすることができる。
【0040】
このようなリチウムイオンキャパシタは、正極電極21および負極電極22が図1に示す構成を有することにより、正極集電体21aおよび負極集電体22aの各々と電極層21b,22bとの間の密着性が高いため、電極層21b,22bの各々が正極集電体21aおよび負極集電体22aの各々から脱落することが防止されると共に、正極集電体21aおよび負極集電体22aの各々と電極層21b,22bとの間の低抵抗化を図ることができるので、信頼性が高くて内部抵抗が低いものである。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば電極ユニットは、積層型以外の構成のもの、例えば正極電極と負極電極とがセパレータを介して積重された状態で捲回されてなる捲回型のものであってもよい。
また、本発明の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタに限定されず、リチウムイオン二次電池として構成することができる。
【実施例】
【0042】
〈実施例1〉
図5および図6の構成に従い、以下のようにしてリチウムイオンキャパシタを製造した。
(1)負極集電体の製造:
開口面積が0.071mm2 の円形の複数の貫通孔が形成された、厚みが20μmの銅箔を作製した。この銅箔の貫通孔の孔径は300μm、貫通孔による開口率は40%であった。次いで、この銅箔に対し、ブラスト処理による粗面化処理を施すことにより、内側面に粗さを有する複数の貫通孔を有する負極集電体を製造した。この負極集電体の貫通孔における内側面の平均粗さ(Ra)を、オリンパス社製の「3D測定レーザー顕微鏡」を用いて、JIS B 0601に準拠して測定したところ、3.5μmであり、また、測定長さ100μm当りの平均線からの高さが0.1〜30μmの凹凸の数を測定したところ、凸部が25、凹部が22であった。
【0043】
(2)負極電極の製造:
平均粒径(D50)が2μmで比表面積が20m2 /gの複合化したハードカーボン系負極活物質88質量部、導電材( アセチレンブラック) 5質量部、分散剤( カルボキシメチルセルロース) 3質量部、SBR系バインダー4質量部を水に添加し分散することにより負極電極用スリラーを調製した。
この負極電極用スラリーを、負極集電体の両面にダイコーターによって塗工し乾燥したものをカットすることにより、縦横の寸法が14.7×10.1cmcmの負極集電体の両面に、縦横の寸法が12.9cm×10.1cmの電極層が形成されてなる負極電極を製造した。
得られた負極電極の厚み(負極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚み)は、70μmであった。
以上のようにして、負極電極を合計で11枚作製した。
【0044】
(3)正極集電体の製造:
開口面積が0.008mm2 の円形の複数の貫通孔が形成された、厚みが30μmのアルミニウム箔を作製した。このアルミニウム箔の貫通孔の孔径は300μm、貫通孔による開口率は35%であった。
次いで、このアルミニウム箔に対し、ブラスト処理による粗面化処理を施すことにより、内側面に粗さを有する複数の貫通孔を有する正極集電体を製造した。この正極集電体の貫通孔における内側面の平均粗さ(Ra)を、3D測定レーザー顕微鏡(オリンパス社製)を用いて、JIS B 0601に準拠して測定したところ、4μmであり、また、測定長さ100μm当りの平均線からの高さが0.1〜30μmの凹凸の数を測定したところ、凸部が30、凹部が25であった。
【0045】
(4)正極電極の製造:
平均粒径(D50)が3μmで比表面積が1950m2 /gの活性炭粉末100質量部と、アセチレンブラック10質量部と、アクリル系バインダー7質量部と、カルボキシメチルセルロース4質量部とを、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
次いで、この正極用スラリーを、正極集電体の両面に、ダイコーターによって塗工して乾燥し、その後、正極集電体をカットすることにより、縦横の寸法が14.8cm×9.7cmの正極集電体の両面に、縦横の寸法が12.6cm×9.7cmの電極層が形成されてなる正極電極を製造した。
得られた正極電極の厚み(正極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚み)は、180μmであった。
以上のようにして、正極電極を合計で10枚作製した。
【0046】
(5)セパレータの作製:
縦横の寸法が13.5cm×10.3cm、厚みが40μmのセルロース/レーヨン混合不織布よりなるセパレータを用意した。
【0047】
(6)電極ユニットの作製:
負極電極11枚、正極電極10枚およびセパレータを、セパレータ、負極電極、セパレータ、正極電極の順で、正極電極の電極層と負極電極の電極層がセパレータを介して互いに対向するよう積重し、得られた積重体の6辺をテープにより固定することにより、電極ユニットを作製した。
次いで、厚みが172μmのリチウム金属箔を用意し、電極ユニットを構成する各負極活物質1g当り548mAh/gになるようにリチウム金属箔を切断することにより、リチウムイオン供給源を作製し、このリチウムイオン供給源を、厚みが40μmのステンレス網よりなるリチウム極集電体に圧着した。そして、リチウム極集電体に圧着されたリチウムイオン供給源を電極ユニットの最上層の負極電極上にセパレータを介して配置した。
【0048】
(7)リチウムイオンキャパシタの作製:
長さが69.5mm、幅が50mm、厚みが0.2mmのアルミニウムよりなる正極電極端子の基端部に、電極ユニットにおける各正極集電体の端部を重ね合わせて溶接した。一方、長さが69.5mm、幅が50mm、厚みが0.2mmのニッケル銅よりなる負極電極端子の基端部に、電極ユニットにおける各負極集電体の端部およびリチウム極集電体の端部を重ね合わせて溶接した。
次いで、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されてなり、寸法が126mm(縦幅)×181mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、中央部分に、106mm(縦幅)×138mm(横幅)の絞り加工が施された一方の外装フィルムと、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されてなり、寸法が126mm(縦幅)×181mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における中央位置に、電極ユニットを、その正極電極端子および負極電極端子の各々の先端部が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置した。その後、電極ユニットに、一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子および負極電極端子が突出する2辺を含む。)に沿って熱融着することにより、幅が10mmの接合部を形成した。
そして、一方の外装フィルムと他方の外装フィルムとの間に、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を注入すると共に、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における未接合の一辺に沿って熱融着することにより、幅が10mmの接合部を形成して外装容器を作製し、以て、リチウムイオンキャパシタを製造した。
得られたリチウムイオンキャパシタの特性を調べたところ、静電容量が1149Fで、1kHzの交流内部抵抗が3.4mΩであった。以上の結果を表1に示す。
【0049】
〈比較例1〉
負極集電体および正極集電体の製造において、銅箔およびアルミニウム箔に対する粗面化処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを製造した。
以上において、正極集電体および負極集電体の貫通孔の内側面の平均粗さ(Ra)を、実施例1と同様にして測定したところ、正極集電体については0.03μm、負極集電体については0.02μmであり、また、測定長さ100μm当りの平均線からの高さが0.1〜30μmの凹凸の数を測定したところ、正極集電体については凸部の数が2で凹部の数が1であり、負極集電体については凸部の数が2で凹部の数が2であった。
得られたリチウムイオンキャパシタの特性を調べたところ、静電容量が32Fで、1kHzの交流内部抵抗が75mΩであり、実施例1に係るリチウムイオンキャパシタと比較して内部抵抗が高いものであった。以上の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】

【符号の説明】
【0051】
10 電極
11 集電体
11A 金属箔
12 貫通孔
13 内側面
15 電極層
20 電極ユニット
21 正極電極
21a 正極集電体
21b 電極層
22 負極電極
22a 負極集電体
22b 電極層
23 セパレータ
25 リチウムイオン供給源
26 リチウム極集電体
30 外装容器
31,32 外装フィルム
33 接合部
40 正極電極端子
45 負極電極端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する集電体と、この集電体の少なくとも一面に形成された、活物質を含有する電極層とを具えてなる電極であって、
前記集電体は、前記貫通孔の内側面に、JIS B 0601に準拠して測定した平均粗さが0.1〜30μmで、平均線からの高さが0.1μm以上の凹凸の数が測定長さ100μm当りそれぞれ10〜200である粗さを有し、かつ、前記活物質の平均粒径D50が0.15〜9.95μmであることを特徴とする電極。
【請求項2】
複数の貫通孔が形成された金属箔を粗面化することにより、前記貫通孔の内側面に粗さを有する複数の貫通孔が形成された集電体を得る工程と、
得られた集電体の少なくとも前記一面に、活物質を含有する電極層を形成する工程と
を有することを特徴とする電極の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の電極を具えてなることを特徴とする蓄電デバイス。
【請求項4】
リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項3に記載の蓄電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−79821(P2012−79821A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221830(P2010−221830)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(307037543)JMエナジー株式会社 (57)
【Fターム(参考)】