電気コネクタ、アタッチメント及び電気コネクタユニット
【課題】平形の接続部材を単独で接続する態様と、アタッチメントとともに接続する態様とを択一的に選択することができる電気コネクタを提供する。
【解決手段】ベースコネクタ1のハウジング2が、接続部材107を挿入方向X1に沿って挿入可能な第1挿入凹部8と、第1挿入凹部8の一対の幅方向端部8a,8bに各々連通し互いに離隔した一対の第2挿入凹部9,10とを有する。第1挿入凹部8の幅方向中間部8cは、挿入される接続部材107の表面107a及び裏面107bと直接対向する。接続部材107の一対の幅方向端部を各々支持し幅方向W1に互いに離隔し第1挿入凹部9,10に各々挿入可能な挿入凸部22,23を有するアタッチメント11を用いる。
【解決手段】ベースコネクタ1のハウジング2が、接続部材107を挿入方向X1に沿って挿入可能な第1挿入凹部8と、第1挿入凹部8の一対の幅方向端部8a,8bに各々連通し互いに離隔した一対の第2挿入凹部9,10とを有する。第1挿入凹部8の幅方向中間部8cは、挿入される接続部材107の表面107a及び裏面107bと直接対向する。接続部材107の一対の幅方向端部を各々支持し幅方向W1に互いに離隔し第1挿入凹部9,10に各々挿入可能な挿入凸部22,23を有するアタッチメント11を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ、前記電気コネクタに接続部材を取り付けるためのアタッチメント、並びに、前記電気コネクタおよび前記アタッチメントを含む電気コネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、FPC(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)が取り付けられたホルダをケースに取り付けたり、取り外したりする、ホルダ付コネクタが提案されている。ホルダの係止部がケースの係合部に係止させれことにより、ホルダがケースにロックされる。一方、抜き治具を用いて、ホルダの係止を解除するようにしている。
特許文献2では、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)を載置する平板部材を有するホルダをフラットケーブルとともに、コネクタハウジングの開口部に挿入するフラットケーブル用コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−45529号公報
【特許文献2】特開2002−117923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ホルダは、平板状の基板と両側板とを備え、基板によって、平形の接続部材の表面(または裏面)の全面を受けるようにしている。このようなホルダを用いるタイプの電気コネクタと、平形の接続部材が単独で接続されるタイプの電気コネクタとでは、仕様が全く異なっている。両態様において、電気コネクタの共通化を図ることができないため、全体としての製造コストが高い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、平形の接続部材を単独で接続する態様と平形の接続部材をアタッチメントとともに接続する態様とを択一的に選択することができる電気コネクタ、タッチメントおよび電気コネタクユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、平形の接続部材(7)を所定の挿入方向(X1)に沿って挿入可能な第1挿入凹部(8)が形成されたハウジング(2)と、前記第1挿入凹部に挿入された前記接続部材の導電部に弾性的に接触するように、前記ハウジングに保持されたコタンクト(3)と、を備え、前記第1挿入凹部は、一対の幅方向端部(8a,8b)と、前記一対の幅方向端部間に配置された幅方向中間部(8c)と、を含み、前記ハウジングには、前記一対の幅方向端部にそれぞれ連通し、互いに離隔した一対の第2挿入凹部(9,10)が形成され、前記第1挿入凹部の幅方向中間部は、挿入される接続部材の表面(7a)および裏面(7b)と直接対向するように構成されている電気コネクタを提供する。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、上記挿入方向に沿って見たときに、前記第1挿入凹部および前記一対の第2挿入凹部の全体として、溝形形状をなしていてもよい。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電気コネクタに前記接続部材を取り付けるためのアタッチメント(11)であって、本体(12)と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部(107c,107d)をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部(22,23)と、前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片(13)によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアーム(14)と、を備えたアタッチメントを提供する。
【0009】
請求項4のように、前記一対の挿入凸部のそれぞれは、前記接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部(25)と、前記受け部に設けられ、前記接続部材の対応する幅方向端部に設けられた切欠き(27)に係合する抜け止め突起(28)と、含むものであってもよい。
請求項5の発明は、請求項1または2に記載の電気コネクタと、前記電気コネクタに前記接続部材を装着するためのアタッチメントと、を備えた電気コネクタユニット(U1)であって、前記アタッチメントは、本体と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアームと、を含む電気コネクタユニットを提供する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明の電気コネクタによれば、接続部材を単独で当該電気コネクタに取り付ける第1態様と、接続部材を付加機能(例えばハウジングに対するロック機能)を有する部材(例えばアタッチメント)とともに当該電気コネクタに取り付ける第2態様とを、択一的に使い分けることができる。両態様において、共通の電気コネクタを用いることができるので、量産効果により製造コストを安くすることができる。
【0011】
具体的には、第1態様では、第1挿入凹部に挿入された接続部材の表裏面に、第1挿入凹部の幅方向中間部が直接対向するので、その幅方向中間部において、接続部材の導電部にコンタクトを弾性的に接触させて、接続部材と電気コネクタの接続を達成することができる。一方、第2態様では、例えば、接続部材の一対の幅方向端部をそれぞれ保持した一対の挿入凸部を有するアタッチメントを、接続部材とともにハウジングに取り付けるときに、各挿入凸部を対応する第2挿入凹部に挿入するとともに、アタッチメントに設けられたロックアームをハウジングに係止させて、ハウジングに対するロック機能を達成し、接続部材の確実な抜け止めを実現することができる。
【0012】
請求項2の発明の電気コネクタによれば、挿入方向に沿って見たときに、第1挿入凹部および一対の第2挿入凹部の全体として溝形形状をなしているので、電気コネクタの低背化を図ることができる。
請求項3の発明のアタッチメントによれば、各挿入凸部を対応する第2挿入凹部に挿入しつつ接続部材を第1挿入凹部に挿入することにより、接続部材をアタッチメントとともに電気コネクタに取り付ける。アタッチメントがそのロックアームによってハウジングへのロック機能を有しているので、電気コネクタからの接続部材の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0013】
請求項4の発明のアタッチメントによれば、各挿入凸部が接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部を有し、その受け部に、接続部材の対応する幅方向端部の切欠きに係合する抜け止め突起を有しているので、接続部材の抜け止めを、より確実に達成することができる。
請求項5の発明の電気コネクタユニットによれば、接続部材を当該接続部材を保持したアタッチメントとともに、電気コネクタに取り付けることにより、アタッチメントのロックアームがハウジングに弾性的に係止するので、電気コネクタからの接続部材の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の電気コネタクとしてのベースコネクタを前斜め上方から見た斜視図であり、ベースコネクタが基板上に取り付けられた状態を示している。
【図2】ベースコネクタの斜視図であり、ベースコネクタを後斜め上方から見た状態を示している。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、ベースコネタの前斜め上方からの斜視図およびベースコネクタの前斜め下方からの斜視図であり、ベースコネクタに接続部材が単独で取り付けられた態様を示している。
【図4】接続部材をベースコネクタに取り付けるためのアタッチメントと、ベースコネクタとを含むベースコネクタユニット(電気コネクタユニット)の斜視図であり、アタッチメントにより保持された接続部材がアタッチメントとともにベースコネクタに取り付けられた状態を示している。
【図5】ベースコネクタに単独で装着される場合の接続部材の概略側面図である。
【図6】ベースコネクタの前面図である。
【図7】図6のVII −VII 線に沿う、ベースコネクタの断面図である。
【図8】図4のアタッチメントおよび接続部材の分解斜視図である。
【図9】アタッチメントの別角度からの斜視図である。
【図10】アタッチメントとともにベースコネクタに装着される場合の接続部材の概略側面図である。
【図11】(a)は接続部材を保持したアタッチメントの前斜め上方の斜視図であり、(b)は接続部材を保持したアタッチメントの前斜め下方から見た斜視図である。
【図12】ベースコネクタユニットの分解斜視図であり、接続部材を取り付けたアタッチメントとベースコネクタとを示している。
【図13】ベースコネクタユニットの断面図であり、接続部材を取り付けた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態の電気コネクタとしてのベースコネクタの前斜め上方からの斜視図であり、ベースコネクタが基板上に取り付けられた状態を示している。図2はベースコネクタの後斜め上方からの斜視図である。これらの図を参照して、ベースコネクタ1は、絶縁性の合成樹脂により構成され横長のハウジング2と、ハウジング2によって保持されて横並びに並ぶ複数のコンタクト3とを備えている。
【0016】
本実施形態の特徴とするところは、図3(a),(b)に示すように、FPC等の平形の接続部材7が単独でベースコネクタ1に取り付けられる第1態様と、図4に示すように、接続部材7を保持したアタッチメント11とともに接続部材7がベースコネクタ1に取り付けられる第2態様とを、択一的に使い分けることができるように構成した点にある。 アタッチメント11は、本体12と、本体12の両側部に設けられた弾性変形可能な支持片13に揺動可能に支持され、ベースコネクタ1のハウジング2に取り外し可能に係止可能な一対のロックアーム14とを有している。すなわち、アタッチメント11は、ハウジング2に対するロック機能(付加機能)を有する部材として構成されている。また、ベースコネクタ1とアタッチメント11とで、ベースコネクタユニットU1(電気コネクタユニット)が構成される。
【0017】
図5に示すように、接続部材7は、導体71を絶縁樹脂72によってサンドイッチ状に被覆して構成され、先端部の表面7a側において、絶縁樹脂72を除去して導体71を露出させた導電接触部710を構成している。また、接続部材7の先端部は、裏面7b側に貼り付けられた補強板80により補強されている。
ベースコネクタ1の前面図である図5に示すように、ハウジング2の各側部2a,2bには、金属製の補強タブ4が固定されており、補強タブ4は、図1に示すように、基板Kの表面Kaの導電部に半田付けにより固定されるようになっている。また、図1および図2に示すように、ハウジング2の各側面2c,2dには、段部からなる係合部5がそれぞれ設けられており、各係合部5には、図4に示すように、アタッチメント11のロックアーム14が係止されるようになっている。
【0018】
図1および図6を参照して、ベースコネクタ1の前面2eには、挿入凹部6が開口している。挿入凹部6は、図3(a)および(b)に示すように、FPC等の平形の接続部材7を挿入方向X1に沿って単独で挿入可能な第1挿入凹部8と、第1挿入凹部8の一対の幅方向端部8a,8bに、それぞれ、連通した一対の第2挿入凹部9,10とを含んでいる。
【0019】
一対の第1挿入凹部9,10は、幅方向W1に互いに離隔している。第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10を含む全体として、溝形形状をなしている。第1挿入凹部8は、一対の幅方向端部8a,8b間に、幅方向中間部8cを有している。第1挿入凹部8の幅方向中間部8cは、図6のVII −VII 線に沿う断面図である図7に示すように、第1挿入凹部8に挿入される接続部材7(想像線である一点鎖線で示してある)の表面7aおよび裏面7bと直接対向するように構成されている。
【0020】
各コンタクト3は、図7に示すように、略矩形をなす主体部15と、主体部15から延設され、ハウジング2の固定孔16に後方から圧入固定された固定片部17と、主体部15から延設され、ハウジング2の収容溝18に収容された弾性片部19と、主体部15から延びる略L字形形状をなすリード部20とを備えている。弾性片部19は、ハウジング2の第1挿入凹部8に弾力的に進出する山形の接触部21を有している。リード部20は、図2に示すように、ハウジング2の後面2fから突出し、基板Kの表面Kaに半田付けにより固定されるようになっている。
【0021】
図8に示すように、アタッチメント11は、本体12と、本体12から延設された一対の挿入凸部22,23と、本体12によって支持片13を介して支持された一対のロックアーム14とを備えている。
本体12は、当該本体12を前後に貫通し、接続部材107を挿通させることのできる接続部材挿通孔24を有している。接続部材挿通孔24の一端は、図8に示すように、本体12の前面12aに開口し、接続部材挿通孔24の他端は、図9に示すように、本体12の後面12bに開口している。
【0022】
一対の挿入凸部22,23は、本体12の後面12bにおいて接続部材挿通孔24の一対の幅方向端部の直下から後方(接続部材107の挿入方向X1に相当)へ突出している。一対の挿入凸部22,23は、それぞれ、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dを保持した状態でハウジング2の対応する第2挿入凹部9,10に挿入可能である。
【0023】
図10に示すように、接続部材107は、導体71を絶縁樹脂72によってサンドイッチ状に被覆して構成され、先端部の表面7a側において、絶縁樹脂72を除去して導体71を露出させた導電接触部710を構成している。接続部材7の先端部は、裏面7b側に貼り付けられた補強板80により補強されている。これらの点では、単独でベースコネクタ1に装着される図5の接続部材7と共通している。図10の接続部材107が、図5の接続部材5と異なるのは、切欠き27を設けている点である。
【0024】
各挿入凸部22,23は、接続部材107の一対の幅方向端部107c,107dを受ける受け部25(図9を参照)を有している。また、各挿入凸部22,23の先端には、図9、図11(a)および(b)に示すように、接続部材107の先端を接続部材107の挿入方向X1に位置決めする位置決め突起26が形成されている。また、図9および図11(a)に示すように、各挿入凸部22,23の受け部25には、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dに設けられた切欠き27に係合する抜け止め突起28が設けられている。
【0025】
各ロックアーム14は、本体12の一対の側面12c,12dに設けられた弾性変形可能な支持片13を介して揺動可能に支持されている。各ロックアーム14の前端には、ハウジング2の対応する係合部5に引っ掛け係止可能な係止部としてのフック29が設けられている。また、各ロックアーム14の後端には、ハウジング2の対応する係合部5に対するフック29の係合を解除するときに押圧操作される解除操作部30が設けられている。
【0026】
図12に示すように、アタッチメント11によって保持された接続部材107が、アタッチメント11とともに、ベースコネクタ1に取り付けられる。このとき、アタッチメント11の挿入凸部22,23は、ハウジング2の対応する第2挿入凹部9,10に挿入される。
また、図11(a)および(b)に示すように、挿入凸部22,23間に支持されている、接続部材107の幅方向中間部の表面107aおよび裏面107bには、挿入後の状態を示す図13に示すように、第1挿入凹部8の幅方向中間部8cが直接対向するので、その幅方向中間部8cにおいて、接続部材107の導電部にコンタクト3(接触部21)を弾性的に接触させて、接続部材107とベースコネクタ1の接続を達成することができる。
【0027】
本実施形態によれば、接続部材7を単独でベースコネクタ1に取り付ける第1態様〔図3(a),(b)を参照〕と、接続部材107を付加機能(ハウジング2に対するロック機能)を有する部材としてのアタッチメント11とともにベースコネクタ1に取り付ける第2態様(図4参照)とを、択一的に使い分けることができる。両態様において、共通のベースコネクタ1を用いることができるので、量産効果により製造コストを安くすることができる。
【0028】
具体的には、第1態様では、図7に示すように、第1挿入凹部8に挿入された接続部材7の表面7aおよび裏面7bに、第1挿入凹部8の幅方向中間部8cが直接対向するので、その幅方向中間部8cにおいて、接続部材7の導電部にコンタクト3(接触部21)を弾性的に接触させて、接続部材7とベースコネクタ1の接続を達成することができる。
一方、第2態様では、図12に示すように、接続部材107の一対の幅方向端部107c,107dをそれぞれ保持した一対の挿入凸部22,23を有するアタッチメント11を、接続部材107とともにハウジング2に取り付けるときに、各挿入凸部22,23を対応する第2挿入凹部9,10にそれぞれ挿入するとともに、アタッチメント11に設けられたロックアーム14をハウジング2(係合部5)に係止させて、ハウジング2に対するロック機能を達成し、接続部材7の確実な抜け止めを実現することができる。
【0029】
また、挿入方向X1に沿って見たときに、図1および図6に示すように、第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10の全体として溝形形状をなしているので、ベースコネクタ1の低背化を図ることができる。
また、本実施形態のアタッチメント11によれば、図12に示すように、各挿入凸部22,23を対応する第2挿入凹部9,10に挿入しつつ接続部材107を第1挿入凹部8に挿入することにより、接続部材107をアタッチメント11とともにベースコネクタ1に取り付ける。アタッチメント11が、図4に示すように、そのロックアーム14によってハウジング2へのロック機能を有しているので、ベースコネクタ1からの接続部材107の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0030】
また、前記アタッチメント11は、図9に示すように、各挿入凸部22,23が接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dを受ける受け部25を有し、その受け部25に、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dの切欠き27に係合する抜け止め突起28を有しているので、接続部材107の抜け止めを、より確実に達成することができる。
【0031】
また、本実施形態のベースコネクタユニット1によれば、接続部材107を接続部材107を保持したアタッチメント11とともに、ベースコネクタ1に取り付けることにより、アタッチメント11のロックアーム14がハウジング2に係止(具体的には、ロックアーム14の係止部としてのフック29が係合部5に引っ掛け係止)するので、ベースコネクタ1からの接続部材107の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0032】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10を含む挿入凹部6の全体のなす形状は、図1に示すように、基板K側に開放する溝形形状であったが、これに限らず、基板Kとは反対側に開放する溝形形状(図示せず)であってもよい。また、挿入凹部6が横向きのI形形状(図示せず)をなしていてもよい。その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0033】
1…ベースコネクタ(電気コネクタ)
2…ハウジング
2a,2b…側部
2c,2d…側面
2e…前面
2f…後面
3…コンタクト
5…係合部
6…挿入凹部
7;107…接続部材
7a;107a…表面
7b;107b…裏面
8…第1挿入凹部
8a,8b…幅方向端部
8c…幅方向中間部
9,10…第2挿入凹部
11…アタッチメント
12…本体
13…支持片
14…ロックアーム
19…弾性片部
21…接触部
22,23…挿入凸部
24…接続部材挿通孔
25…受け部
26…位置決め突起
27…切欠き
28…抜け止め突起
29…フック(係止部)
30…解除操作部
71…導体
72…絶縁樹脂
80…補強板
U1…ベースコネクタユニット(電気コネクタユニット)
W1…幅方向
X1…挿入方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ、前記電気コネクタに接続部材を取り付けるためのアタッチメント、並びに、前記電気コネクタおよび前記アタッチメントを含む電気コネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、FPC(フレキシブル・プリンテッド・サーキット)が取り付けられたホルダをケースに取り付けたり、取り外したりする、ホルダ付コネクタが提案されている。ホルダの係止部がケースの係合部に係止させれことにより、ホルダがケースにロックされる。一方、抜き治具を用いて、ホルダの係止を解除するようにしている。
特許文献2では、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)を載置する平板部材を有するホルダをフラットケーブルとともに、コネクタハウジングの開口部に挿入するフラットケーブル用コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−45529号公報
【特許文献2】特開2002−117923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ホルダは、平板状の基板と両側板とを備え、基板によって、平形の接続部材の表面(または裏面)の全面を受けるようにしている。このようなホルダを用いるタイプの電気コネクタと、平形の接続部材が単独で接続されるタイプの電気コネクタとでは、仕様が全く異なっている。両態様において、電気コネクタの共通化を図ることができないため、全体としての製造コストが高い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、平形の接続部材を単独で接続する態様と平形の接続部材をアタッチメントとともに接続する態様とを択一的に選択することができる電気コネクタ、タッチメントおよび電気コネタクユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、平形の接続部材(7)を所定の挿入方向(X1)に沿って挿入可能な第1挿入凹部(8)が形成されたハウジング(2)と、前記第1挿入凹部に挿入された前記接続部材の導電部に弾性的に接触するように、前記ハウジングに保持されたコタンクト(3)と、を備え、前記第1挿入凹部は、一対の幅方向端部(8a,8b)と、前記一対の幅方向端部間に配置された幅方向中間部(8c)と、を含み、前記ハウジングには、前記一対の幅方向端部にそれぞれ連通し、互いに離隔した一対の第2挿入凹部(9,10)が形成され、前記第1挿入凹部の幅方向中間部は、挿入される接続部材の表面(7a)および裏面(7b)と直接対向するように構成されている電気コネクタを提供する。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、上記挿入方向に沿って見たときに、前記第1挿入凹部および前記一対の第2挿入凹部の全体として、溝形形状をなしていてもよい。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電気コネクタに前記接続部材を取り付けるためのアタッチメント(11)であって、本体(12)と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部(107c,107d)をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部(22,23)と、前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片(13)によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアーム(14)と、を備えたアタッチメントを提供する。
【0009】
請求項4のように、前記一対の挿入凸部のそれぞれは、前記接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部(25)と、前記受け部に設けられ、前記接続部材の対応する幅方向端部に設けられた切欠き(27)に係合する抜け止め突起(28)と、含むものであってもよい。
請求項5の発明は、請求項1または2に記載の電気コネクタと、前記電気コネクタに前記接続部材を装着するためのアタッチメントと、を備えた電気コネクタユニット(U1)であって、前記アタッチメントは、本体と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアームと、を含む電気コネクタユニットを提供する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明の電気コネクタによれば、接続部材を単独で当該電気コネクタに取り付ける第1態様と、接続部材を付加機能(例えばハウジングに対するロック機能)を有する部材(例えばアタッチメント)とともに当該電気コネクタに取り付ける第2態様とを、択一的に使い分けることができる。両態様において、共通の電気コネクタを用いることができるので、量産効果により製造コストを安くすることができる。
【0011】
具体的には、第1態様では、第1挿入凹部に挿入された接続部材の表裏面に、第1挿入凹部の幅方向中間部が直接対向するので、その幅方向中間部において、接続部材の導電部にコンタクトを弾性的に接触させて、接続部材と電気コネクタの接続を達成することができる。一方、第2態様では、例えば、接続部材の一対の幅方向端部をそれぞれ保持した一対の挿入凸部を有するアタッチメントを、接続部材とともにハウジングに取り付けるときに、各挿入凸部を対応する第2挿入凹部に挿入するとともに、アタッチメントに設けられたロックアームをハウジングに係止させて、ハウジングに対するロック機能を達成し、接続部材の確実な抜け止めを実現することができる。
【0012】
請求項2の発明の電気コネクタによれば、挿入方向に沿って見たときに、第1挿入凹部および一対の第2挿入凹部の全体として溝形形状をなしているので、電気コネクタの低背化を図ることができる。
請求項3の発明のアタッチメントによれば、各挿入凸部を対応する第2挿入凹部に挿入しつつ接続部材を第1挿入凹部に挿入することにより、接続部材をアタッチメントとともに電気コネクタに取り付ける。アタッチメントがそのロックアームによってハウジングへのロック機能を有しているので、電気コネクタからの接続部材の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0013】
請求項4の発明のアタッチメントによれば、各挿入凸部が接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部を有し、その受け部に、接続部材の対応する幅方向端部の切欠きに係合する抜け止め突起を有しているので、接続部材の抜け止めを、より確実に達成することができる。
請求項5の発明の電気コネクタユニットによれば、接続部材を当該接続部材を保持したアタッチメントとともに、電気コネクタに取り付けることにより、アタッチメントのロックアームがハウジングに弾性的に係止するので、電気コネクタからの接続部材の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の電気コネタクとしてのベースコネクタを前斜め上方から見た斜視図であり、ベースコネクタが基板上に取り付けられた状態を示している。
【図2】ベースコネクタの斜視図であり、ベースコネクタを後斜め上方から見た状態を示している。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、ベースコネタの前斜め上方からの斜視図およびベースコネクタの前斜め下方からの斜視図であり、ベースコネクタに接続部材が単独で取り付けられた態様を示している。
【図4】接続部材をベースコネクタに取り付けるためのアタッチメントと、ベースコネクタとを含むベースコネクタユニット(電気コネクタユニット)の斜視図であり、アタッチメントにより保持された接続部材がアタッチメントとともにベースコネクタに取り付けられた状態を示している。
【図5】ベースコネクタに単独で装着される場合の接続部材の概略側面図である。
【図6】ベースコネクタの前面図である。
【図7】図6のVII −VII 線に沿う、ベースコネクタの断面図である。
【図8】図4のアタッチメントおよび接続部材の分解斜視図である。
【図9】アタッチメントの別角度からの斜視図である。
【図10】アタッチメントとともにベースコネクタに装着される場合の接続部材の概略側面図である。
【図11】(a)は接続部材を保持したアタッチメントの前斜め上方の斜視図であり、(b)は接続部材を保持したアタッチメントの前斜め下方から見た斜視図である。
【図12】ベースコネクタユニットの分解斜視図であり、接続部材を取り付けたアタッチメントとベースコネクタとを示している。
【図13】ベースコネクタユニットの断面図であり、接続部材を取り付けた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態の電気コネクタとしてのベースコネクタの前斜め上方からの斜視図であり、ベースコネクタが基板上に取り付けられた状態を示している。図2はベースコネクタの後斜め上方からの斜視図である。これらの図を参照して、ベースコネクタ1は、絶縁性の合成樹脂により構成され横長のハウジング2と、ハウジング2によって保持されて横並びに並ぶ複数のコンタクト3とを備えている。
【0016】
本実施形態の特徴とするところは、図3(a),(b)に示すように、FPC等の平形の接続部材7が単独でベースコネクタ1に取り付けられる第1態様と、図4に示すように、接続部材7を保持したアタッチメント11とともに接続部材7がベースコネクタ1に取り付けられる第2態様とを、択一的に使い分けることができるように構成した点にある。 アタッチメント11は、本体12と、本体12の両側部に設けられた弾性変形可能な支持片13に揺動可能に支持され、ベースコネクタ1のハウジング2に取り外し可能に係止可能な一対のロックアーム14とを有している。すなわち、アタッチメント11は、ハウジング2に対するロック機能(付加機能)を有する部材として構成されている。また、ベースコネクタ1とアタッチメント11とで、ベースコネクタユニットU1(電気コネクタユニット)が構成される。
【0017】
図5に示すように、接続部材7は、導体71を絶縁樹脂72によってサンドイッチ状に被覆して構成され、先端部の表面7a側において、絶縁樹脂72を除去して導体71を露出させた導電接触部710を構成している。また、接続部材7の先端部は、裏面7b側に貼り付けられた補強板80により補強されている。
ベースコネクタ1の前面図である図5に示すように、ハウジング2の各側部2a,2bには、金属製の補強タブ4が固定されており、補強タブ4は、図1に示すように、基板Kの表面Kaの導電部に半田付けにより固定されるようになっている。また、図1および図2に示すように、ハウジング2の各側面2c,2dには、段部からなる係合部5がそれぞれ設けられており、各係合部5には、図4に示すように、アタッチメント11のロックアーム14が係止されるようになっている。
【0018】
図1および図6を参照して、ベースコネクタ1の前面2eには、挿入凹部6が開口している。挿入凹部6は、図3(a)および(b)に示すように、FPC等の平形の接続部材7を挿入方向X1に沿って単独で挿入可能な第1挿入凹部8と、第1挿入凹部8の一対の幅方向端部8a,8bに、それぞれ、連通した一対の第2挿入凹部9,10とを含んでいる。
【0019】
一対の第1挿入凹部9,10は、幅方向W1に互いに離隔している。第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10を含む全体として、溝形形状をなしている。第1挿入凹部8は、一対の幅方向端部8a,8b間に、幅方向中間部8cを有している。第1挿入凹部8の幅方向中間部8cは、図6のVII −VII 線に沿う断面図である図7に示すように、第1挿入凹部8に挿入される接続部材7(想像線である一点鎖線で示してある)の表面7aおよび裏面7bと直接対向するように構成されている。
【0020】
各コンタクト3は、図7に示すように、略矩形をなす主体部15と、主体部15から延設され、ハウジング2の固定孔16に後方から圧入固定された固定片部17と、主体部15から延設され、ハウジング2の収容溝18に収容された弾性片部19と、主体部15から延びる略L字形形状をなすリード部20とを備えている。弾性片部19は、ハウジング2の第1挿入凹部8に弾力的に進出する山形の接触部21を有している。リード部20は、図2に示すように、ハウジング2の後面2fから突出し、基板Kの表面Kaに半田付けにより固定されるようになっている。
【0021】
図8に示すように、アタッチメント11は、本体12と、本体12から延設された一対の挿入凸部22,23と、本体12によって支持片13を介して支持された一対のロックアーム14とを備えている。
本体12は、当該本体12を前後に貫通し、接続部材107を挿通させることのできる接続部材挿通孔24を有している。接続部材挿通孔24の一端は、図8に示すように、本体12の前面12aに開口し、接続部材挿通孔24の他端は、図9に示すように、本体12の後面12bに開口している。
【0022】
一対の挿入凸部22,23は、本体12の後面12bにおいて接続部材挿通孔24の一対の幅方向端部の直下から後方(接続部材107の挿入方向X1に相当)へ突出している。一対の挿入凸部22,23は、それぞれ、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dを保持した状態でハウジング2の対応する第2挿入凹部9,10に挿入可能である。
【0023】
図10に示すように、接続部材107は、導体71を絶縁樹脂72によってサンドイッチ状に被覆して構成され、先端部の表面7a側において、絶縁樹脂72を除去して導体71を露出させた導電接触部710を構成している。接続部材7の先端部は、裏面7b側に貼り付けられた補強板80により補強されている。これらの点では、単独でベースコネクタ1に装着される図5の接続部材7と共通している。図10の接続部材107が、図5の接続部材5と異なるのは、切欠き27を設けている点である。
【0024】
各挿入凸部22,23は、接続部材107の一対の幅方向端部107c,107dを受ける受け部25(図9を参照)を有している。また、各挿入凸部22,23の先端には、図9、図11(a)および(b)に示すように、接続部材107の先端を接続部材107の挿入方向X1に位置決めする位置決め突起26が形成されている。また、図9および図11(a)に示すように、各挿入凸部22,23の受け部25には、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dに設けられた切欠き27に係合する抜け止め突起28が設けられている。
【0025】
各ロックアーム14は、本体12の一対の側面12c,12dに設けられた弾性変形可能な支持片13を介して揺動可能に支持されている。各ロックアーム14の前端には、ハウジング2の対応する係合部5に引っ掛け係止可能な係止部としてのフック29が設けられている。また、各ロックアーム14の後端には、ハウジング2の対応する係合部5に対するフック29の係合を解除するときに押圧操作される解除操作部30が設けられている。
【0026】
図12に示すように、アタッチメント11によって保持された接続部材107が、アタッチメント11とともに、ベースコネクタ1に取り付けられる。このとき、アタッチメント11の挿入凸部22,23は、ハウジング2の対応する第2挿入凹部9,10に挿入される。
また、図11(a)および(b)に示すように、挿入凸部22,23間に支持されている、接続部材107の幅方向中間部の表面107aおよび裏面107bには、挿入後の状態を示す図13に示すように、第1挿入凹部8の幅方向中間部8cが直接対向するので、その幅方向中間部8cにおいて、接続部材107の導電部にコンタクト3(接触部21)を弾性的に接触させて、接続部材107とベースコネクタ1の接続を達成することができる。
【0027】
本実施形態によれば、接続部材7を単独でベースコネクタ1に取り付ける第1態様〔図3(a),(b)を参照〕と、接続部材107を付加機能(ハウジング2に対するロック機能)を有する部材としてのアタッチメント11とともにベースコネクタ1に取り付ける第2態様(図4参照)とを、択一的に使い分けることができる。両態様において、共通のベースコネクタ1を用いることができるので、量産効果により製造コストを安くすることができる。
【0028】
具体的には、第1態様では、図7に示すように、第1挿入凹部8に挿入された接続部材7の表面7aおよび裏面7bに、第1挿入凹部8の幅方向中間部8cが直接対向するので、その幅方向中間部8cにおいて、接続部材7の導電部にコンタクト3(接触部21)を弾性的に接触させて、接続部材7とベースコネクタ1の接続を達成することができる。
一方、第2態様では、図12に示すように、接続部材107の一対の幅方向端部107c,107dをそれぞれ保持した一対の挿入凸部22,23を有するアタッチメント11を、接続部材107とともにハウジング2に取り付けるときに、各挿入凸部22,23を対応する第2挿入凹部9,10にそれぞれ挿入するとともに、アタッチメント11に設けられたロックアーム14をハウジング2(係合部5)に係止させて、ハウジング2に対するロック機能を達成し、接続部材7の確実な抜け止めを実現することができる。
【0029】
また、挿入方向X1に沿って見たときに、図1および図6に示すように、第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10の全体として溝形形状をなしているので、ベースコネクタ1の低背化を図ることができる。
また、本実施形態のアタッチメント11によれば、図12に示すように、各挿入凸部22,23を対応する第2挿入凹部9,10に挿入しつつ接続部材107を第1挿入凹部8に挿入することにより、接続部材107をアタッチメント11とともにベースコネクタ1に取り付ける。アタッチメント11が、図4に示すように、そのロックアーム14によってハウジング2へのロック機能を有しているので、ベースコネクタ1からの接続部材107の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0030】
また、前記アタッチメント11は、図9に示すように、各挿入凸部22,23が接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dを受ける受け部25を有し、その受け部25に、接続部材107の対応する幅方向端部107c,107dの切欠き27に係合する抜け止め突起28を有しているので、接続部材107の抜け止めを、より確実に達成することができる。
【0031】
また、本実施形態のベースコネクタユニット1によれば、接続部材107を接続部材107を保持したアタッチメント11とともに、ベースコネクタ1に取り付けることにより、アタッチメント11のロックアーム14がハウジング2に係止(具体的には、ロックアーム14の係止部としてのフック29が係合部5に引っ掛け係止)するので、ベースコネクタ1からの接続部材107の確実な抜け止め(いわゆるポジティブロック)を達成することができる。
【0032】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、第1挿入凹部8および一対の第2挿入凹部9,10を含む挿入凹部6の全体のなす形状は、図1に示すように、基板K側に開放する溝形形状であったが、これに限らず、基板Kとは反対側に開放する溝形形状(図示せず)であってもよい。また、挿入凹部6が横向きのI形形状(図示せず)をなしていてもよい。その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0033】
1…ベースコネクタ(電気コネクタ)
2…ハウジング
2a,2b…側部
2c,2d…側面
2e…前面
2f…後面
3…コンタクト
5…係合部
6…挿入凹部
7;107…接続部材
7a;107a…表面
7b;107b…裏面
8…第1挿入凹部
8a,8b…幅方向端部
8c…幅方向中間部
9,10…第2挿入凹部
11…アタッチメント
12…本体
13…支持片
14…ロックアーム
19…弾性片部
21…接触部
22,23…挿入凸部
24…接続部材挿通孔
25…受け部
26…位置決め突起
27…切欠き
28…抜け止め突起
29…フック(係止部)
30…解除操作部
71…導体
72…絶縁樹脂
80…補強板
U1…ベースコネクタユニット(電気コネクタユニット)
W1…幅方向
X1…挿入方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平形の接続部材を所定の挿入方向に沿って挿入可能な第1挿入凹部が形成されたハウジングと、
前記第1挿入凹部に挿入された前記接続部材の導電部に弾性的に接触するように、前記ハウジングに保持されたコタンクトと、を備え、
前記第1挿入凹部は、一対の幅方向端部と、前記一対の幅方向端部間に配置された幅方向中間部と、を含み、
前記ハウジングには、前記一対の幅方向端部にそれぞれ連通し、互いに離隔した一対の第2挿入凹部が形成され、
前記第1挿入凹部の幅方向中間部は、挿入される接続部材の表裏面と直接対向するように構成されている電気コネクタ。
【請求項2】
請求項1において、上記挿入方向に沿って見たときに、前記第1挿入凹部および前記一対の第2挿入凹部の全体として、溝形形状をなしている電気コネクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気コネクタに前記接続部材を取り付けるためのアタッチメントであって、
本体と、
前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、
前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアームと、を備えたアタッチメント。
【請求項4】
請求項3において、前記一対の挿入凸部のそれぞれは、前記接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部と、前記受け部に設けられ、前記接続部材の対応する幅方向端部に設けられた切欠きに係合する抜け止め突起と、含むアタッチメント。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電気コネクタと、
前記電気コネクタに前記接続部材を装着するためのアタッチメントと、を備えた電気コネクタユニットであって、
前記アタッチメントは、本体と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、前記本体から延設され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成された弾性変形可能なロックアームと、を含む電気コネクタユニット。
【請求項1】
平形の接続部材を所定の挿入方向に沿って挿入可能な第1挿入凹部が形成されたハウジングと、
前記第1挿入凹部に挿入された前記接続部材の導電部に弾性的に接触するように、前記ハウジングに保持されたコタンクトと、を備え、
前記第1挿入凹部は、一対の幅方向端部と、前記一対の幅方向端部間に配置された幅方向中間部と、を含み、
前記ハウジングには、前記一対の幅方向端部にそれぞれ連通し、互いに離隔した一対の第2挿入凹部が形成され、
前記第1挿入凹部の幅方向中間部は、挿入される接続部材の表裏面と直接対向するように構成されている電気コネクタ。
【請求項2】
請求項1において、上記挿入方向に沿って見たときに、前記第1挿入凹部および前記一対の第2挿入凹部の全体として、溝形形状をなしている電気コネクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気コネクタに前記接続部材を取り付けるためのアタッチメントであって、
本体と、
前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、
前記本体に設けられた弾性変形可能な支持片によって揺動可能に支持され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成されたロックアームと、を備えたアタッチメント。
【請求項4】
請求項3において、前記一対の挿入凸部のそれぞれは、前記接続部材の対応する幅方向端部を受ける受け部と、前記受け部に設けられ、前記接続部材の対応する幅方向端部に設けられた切欠きに係合する抜け止め突起と、含むアタッチメント。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電気コネクタと、
前記電気コネクタに前記接続部材を装着するためのアタッチメントと、を備えた電気コネクタユニットであって、
前記アタッチメントは、本体と、前記本体から延設され、前記接続部材の対応する幅方向端部をそれぞれ保持し、対応する第2挿入凹部にそれぞれ挿入可能な一対の挿入凸部と、前記本体から延設され、前記ハウジングに取り外し可能に係止するように構成された弾性変形可能なロックアームと、を含む電気コネクタユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−89460(P2013−89460A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229060(P2011−229060)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
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