説明

電気コネクタ

【課題】リアカバー装着時にコネクタ部品の組み立て不良を未然に検知できるようにした電気コネクタを提供すること。
【解決手段】本発明の電気コネクタ1は、内部に端子2が収容され前方に相手方コネクタ40に差し込まれる差し込み部3を有し、後方に結合部3を有するコネクタハウジング3と、シール部材35と、前方に結合部に固定される嵌入穴6を有し、後方にカバー取付け部を有するリアホルダ6と、カバー取付け部にスライド装着されるリアカバー20と、を備え、カバー取付け部に隣接した箇所には係止部11、11が設けられ、コネクタハウジング3のホルダ装着部には係止部11、11が係合される係合部5が設けられ、係止部11、11はリアホルダ6をコネクタハウジング3に装着する際に、係合部5と非係合状態である場合には、リアカバー20のスライド装着をブロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気コネクタに係り、特に操作レバーの操作により相手コネクタとの結合を容易にした電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
互いに結合される一対の第1、第2コネクタを有し、いずれか一方のコネクタハウジングに操作レバーを装着して、この操作レバーを他方のコネクタハウジングに係合させて回動することにより第1、第2コネクタの結合をスムーズに行えるようにした電気コネクタは多くの特許文献で紹介されている。その代表的なものは、例えば下記特許文献1に開示されている。
【0003】
図18は従来技術の電気コネクタの分解斜視図であり、図19は図18の電気コネクタ組立体の断面図である。下記特許文献1に開示された電気コネクタ50は、図18に示すように、複数本の端子51と、これらの端子51が収容されるコネクタハウジング52と、複数本の端子51が挿通される複数個の貫通孔を有しコネクタハウジング52の後部に取付けられるリアホルダ55と、コネクタハウジング52とリアホルダ55との間に介在されるシール部材54と、コネクタハウジング52の後部に装着される操作レバー53及びリアカバー56とで構成されている。
【0004】
これらの構成部品のうち、コネクタハウジング52には水平方向に延びるレール52が設けられ、またリアカバー56にはこのレール52が差し込まれるガイド溝56が設けられている。なお、このガイド溝56は図18におけるリアカバー56の下方壁面にも設けられている。さらに、これらのガイド溝56、56にはそれぞれリアホルダ押圧部56、56が設けられ、これらのリアホルダ押圧部56、56は、リアホルダ55の後面に接触する平面部57と、リアホルダ55の後面の端部を滑る斜面部58とで構成されている。
【0005】
コネクタハウジング52へのリアカバー56の装着は、コネクタハウジング52の後部側に、水平方向からリアカバー56をスライド移動することによって装着される。すなわち、コネクタハウジング52の上下のレール52、52にリアカバー56のガイド溝56、56を差し込んでリアカバー56をコネクタハウジング52の後部に対しスライドさせて装着させる。このスライド移動により、リアカバー56の各リアホルダ押圧部56、56がリアホルダ55の後部に接触して押圧される。これにより、リアホルダ55はコネクタハウジング52の後部との間でシール部材54を挟圧しながらコネクタハウジング52の固定位置に向けて移動される。リアカバー56のスライド移動に伴いリアホルダ55の後面端部に斜面部58が当接して、斜面部58の傾斜面を滑りリアホルダ55がコネクタハウジング52の後部に向けて移動される。そして、斜面部58が後面端部を乗り越え、リアホルダ55の後面に平面部57が接触すると、この押圧状態が維持されて、先に装着された電線付き端子51の電線部分の外面とシール部材との間が水密に保たれた状態に保持される(図19参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2005−123102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この電気コネクタ50によれば、リアカバー56をスライド移動させることにより、リアホルダ55がコネクタハウジング52に固定されると同時にシール部材54が挟圧されて電線付き端子51の電線部分の外面とシール部材54との間が水密に保たれる。すなわち、リアカバー56にガイド溝56A及びリアホルダ押圧部56Bを設けると共にコネクタハウジング52に水平方向に延びるレール52Aを設け、コネクタハウジング52のレール52Aにリアカバー56のガイド溝56Aを差し込んでリアカバー56をコネクタハウジング52の後部に対しスライド移動させることにより、リアホルダ55はコネクタハウジング52に固定されると同時にシール部材54が挟圧されて電線付端子51の外周面とシール部材との間が水密状態になる。しかしながら、この構成によると、コネクタハウジング52に設けられるレール52Aは、コネクタハウジング52の外壁面から突出した突条部で形成されているので、機械的強度には限界があり、特に、リアカバー56装着時にこのレール52Aに大きな荷重が掛るので、このような荷重がレールに作用すると破損等する恐れがある。また、リアカバー56には、リアホルダ55の後面に接触する平面部57及びリアホルダ55の後面の端部を滑る斜面部58からなる複雑な形状のリアホルダ押圧部56Bを設けなければならないので、リアカバー56の作成が面倒になる。さらに、それらの組み立ても面倒になる。
【0008】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、リアカバー装着時にコネクタ部品の組み立て不良を未然に検知できるようにした電気コネクタを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、リアカバー装着時にシール部材の装着状態及びコネクタハウジングとリアホルダとの結合状態を判別できるようにした電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願の一態様としての電気コネクタの発明は、内部に端子が収容され、前方に相手方コネクタに差し込まれる差し込み部を有し、後方にホルダ装着部を有するコネクタハウジングと、
前記ホルダ装着部の外周囲に嵌入されるシール部材と、
前方端部を前記シール部材に当接する当接面となし、前方に前記ホルダ装着部に固定される嵌入孔を有し、後方にカバー取付け部を有し、前記コネクタハウジングにシール部材を介在して固定されるリアホルダと、
前記カバー取付け部にスライド移動により装着されるリアカバーと、
を備えた電気コネクタにおいて、
前記リアホルダの後方のカバー取付け部に隣接した箇所には係止部が設けられ、前記コネクタハウジングのホルダ装着部には前記係止部が係合される係合部が設けられ、前記係止部は、前記リアホルダを前記コネクタハウジングに装着する際に、前記係合部と非係合状態である場合には、前記リアカバーのスライド移動をブロックすることを特徴とする。
【0011】
また、本願の好ましい態様としては、前記係止部及び係合部は、前記リアホルダと前記ホルダ装着部とが対向する箇所にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本願の好ましい態様としては、前記係止部は前記リアホルダの外壁の一部に形成された弾性を有する係止部材からなり、前記係止部材は係止爪とブロック突起とを有し、前記係合部は前記コネクタハウジングの壁面に形成された係止溝を有し、前記コネクタハウジングとリアホルダとの固定が不完全で前記係止部が前記係合部に係合されないときには、前記係止爪が前記係止溝に係止される手前の前記コネクタハウジングの壁面に乗上げることにより前記係止部材が押し上げられ、これにより前記ブロック突起がカバー取付け部への前記リアカバーのスライド移動による装着をブロックすることを特徴とする。
【0013】
また、本願の好ましい態様としては、前記リアホルダの外壁面の一部が間に隙間が設けられた外壁板及び内壁板からなる2重壁で形成されており、前記係止部は前記内壁板に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本願の好ましい態様としては、前記リアホルダの壁面には相手方コネクタにその一部が係止されて両コネクタの結合を行う操作レバーが装着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、本発明によれば、リアホルダの後方に係止部、ホルダ装着部に係合部をそれぞれ設けて、リアホルダをコネクタハウジングに装着する際に係止部が係合部に係合されず非係合状態となった場合には係止部によりカバー取付け部におけるリアカバーのスライド移動がブロックされる。したがって、シール部材の装着及びコネクタハウジングとリアホルダとの結合が不完全なときには、リアカバーの装着ができなくなるので、このリアカバーの装着時にシール部材及びコネクタハウジングとリアホルダとが完全に装着されたか否かを検知でき、コネクタ組み立てが不完全であることを未然に発見できる。
【0016】
また、本発明によれば、係止部及び係合部をリアホルダとコネクタハウジングとが互いに対向する箇所にそれぞれ設けることにより、対向する係止部及び係合部によりコネクタハウジングにリアホルダを固定できるので、コネクタハウジングへのリアホルダの係合が安定し堅固になる。
【0017】
また、本発明によれば、係止部及び係合部は、リアホルダの外壁及びコネクタハウジングの壁面を加工することにより簡単に形成できる。
【0018】
また、本発明によれば、リアホルダの外壁の一部を外壁板及び内壁板からなる2重壁にすることにより、リアカバーが外壁板と内壁板との隙間にスライド移動により装着されるので、リアカバーが外部に露出することなく安定して装着できる。また、2重壁間の隙間に2つのコネクタの結合を行うための操作レバーを装着することも可能になる。
【0019】
また、本発明によれば、リアホルダに操作レバーを装着することにより、相手方コネクタとの結合が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。先ず、図1〜図6を参照して本発明の実施の形態に係る電気コネクタの全体及びこのコネクタを構成する個々の部品について説明する。なお、図1、図2はこの電気コネクタの全体及び個々の部品を示し、図3〜図6は個々の部品を示している。また、図1B及び図2Bの各部品間の矢印は組み立て方向を示している。
【0021】
この電気コネクタ(以下、コネクタという)1は、図1及び図2に示すように、雌型コネクタからなり、複数本の雌型端子2と、これらの端子2が収容される雌型コネクタハウジング(以下、コネクタハウジングという)3と、このコネクタハウジング3の後部に装着されるリアホルダ6と、このリアホルダ6の外壁に装着されて相手方コネクタとの結合を容易にする操作レバー30と、このリアホルダ6の後部に装着されて端子2の後端部を覆うリアカバー20とを有し、コネクタハウジング3はその外周壁面にリング状のシール部材35が装着され、また、このコネクタハウジング3の一側壁面に端子の装着状態を検知する端子検知部材(以下、TPAという)38が装着される構成を有している。以下、このコネクタを構成する個々の部品を詳述する。
【0022】
雌型の端子2は、図1及び図2に示すように、サイズの異なる2種類の雌型端子、すなわち比較的サイズの大きい大型の雌型端子(以下、大型端子という)2と、小サイズの小型雌型端子(以下、小型端子という)2とからなり、それぞれの雌型端子は、先方に接触部及び後方にリード線固定部を有し、この固定部にリード線が接続されている。大型端子2は、リード線の外周囲にリング状のシール部材2が装着されている。また、小型端子2は、複数本、例えば20本の端子が束ねられて、この端子束の外周囲にリング状のシール部材2が装着されている。
【0023】
コネクタハウジング3は、図3に示すように、前後が略矩形状の前後壁3、3及び外周囲が対向する一対の上下壁3、3及び左右側壁3、3で囲まれ、前方に相手方コネクタへ差込まれる差込み部3及び後方にリアホルダ6へ嵌合される結合部3を有する略長方体の部材からなり、この部材は絶縁性合成樹脂の成型体で形成されている。
このコネクタハウジング3は、後壁3面から前壁3面へ向かって、内部に2種類の雌型端子2、2が挿通される貫通孔4、4が形成されている(図3B参照)。一方の貫通孔4には大型端子2が挿通され、他方の貫通孔4には小型端子2の端子束が挿通される。前壁3面には、後壁3の各貫通孔4、4から挿通された各端子2、2と接続される相手方コネクタ40(図15参照)の雄型端子が差し込まれる差込穴が形成されている(図3A参照)。また、前壁3面のコネクタハウジング3は細溝で分離されている。この細溝で前壁3が分離されることにより、相手方コネクタへの差込み時に細溝の隙間が縮小されてこのコネクタとの結合がスムーズになる。
【0024】
差込み部3には、一方の側壁3面にTPA38が装着される装着穴5が形成されている。また、結合部3には、後方端の上下壁3、3面に後述するリアホルダ6の係止爪11(図9等参照)が係止される凹状の係止溝5が形成されている。この凹状の係止溝5と後壁3との間には、凹状係止溝5の側壁となる側壁部5A'が存在している。なお、この側壁部5A'は上壁3の一部で形成されている。なお、下壁3にも同じ係止溝5及び側壁部5A'が形成されている。さらに、このコネクタハウジング3は、差込み部3とホルダ結合部3との境界の外周囲にシール部材35の移動を規制するリブ3が形成されている。
【0025】
リアホルダ6は、図4に示すように、前方及び後方に略矩形状の前後壁6、6を有し外周囲が対向する一対の外壁、すなわち上下壁6、6及び左右の側壁6、6で囲まれた部材からなり、この部材は絶縁性合成樹脂の成型体で形成されている。このリアホルダ6は、前方の前壁6面にコネクタハウジング3の結合部3が差し込まれる嵌合穴6が形成されている。この嵌合穴6の内部は、仕切り壁6で仕切られ、この仕切り壁6Dに2種類の端子2、2が挿通される貫通孔が形成されている。
【0026】
上下壁6、6には、それぞれリアカバー20及び操作レバー30が装着されるカバー装着部RC及びレバー装着部LB並びにコネクタハウジング3と係合されるハウジング係止部LAが設けられる。これらのカバー及びレバー装着部RC、LB並びにハウジング係止部LAは上下にそれぞれ同じ構造で形成されており、いずれも上下壁6、6を所定の構造に成型することによって形成されている。なお、下壁6も上壁6と同じ構造となっている。そこで、重複する説明を避ける為、一方の上壁6の構造について説明する。
【0027】
上壁6は、図4に示すように、所定の肉厚を有し、その外壁面と内壁面との間に所定の隙間6が形成されて、この隙間6を介して2重壁、すなわち外壁板6と内壁板6とで構成されている。この隙間6は、後述する操作レバー30のフランジ33が差し込まれて回動できる間隔となっている。外壁板6は、前方から後方、すなわち前壁6から後壁6方向に向けて途中で切断されて短尺となっている。すなわち、この外壁板6は、左右側壁6、6面の幅長に比べて短尺になっている。また、この外壁板6を短尺にしたことによって、後壁6も前壁面に比べて短尺になっている。この短尺の外壁板6と後壁6との間には、カバー及びレバー装着部RC、LB並びにハウジング係止部LAが形成されている。
【0028】
外壁板6は、後端から前壁6の直前まで延びた複数本のスリット8、8によって3つのエリア、すなわち第1〜第3エリア6A1〜6A3にそれぞれ区画されて一部で分離されている。第1〜第3エリア6A1〜6A3のうち、第1、第3エリア6A1、6A3は同じ大きさに形成され、第2エリア6A2は第1、第3エリア6A1、6A3より大きく形成されている。この大きい第2エリア6A2には、その略中央部に所定幅長及び深さを有し、後壁6から前壁6に向かって設けられた凹状の切欠き溝9が形成されている。第2エリア6A2は、この切欠き溝9の両端が更に小エリア6A21、6A21に区分されている。この切欠き溝9は、溝底9が平坦に形成されている。溝底9を平坦にすることにより、この平坦面に後述する枢支突起33のフランジ33の切断部33B'を位置合わせすることにより、隙間6から枢支突起33を簡単に取外すことができる。
【0029】
第1、第3エリア6A1、6A3は、その後方が段差部6を経て後壁6へ向けて延設されて、この延設部が所定肉厚及び所定幅長の支持突起7、7となっている。これらの支持突起7、7の肉厚は、リアカバー20の凹状溝22に挿入可能な厚さとなっている。
【0030】
内壁板6は、5つのエリア、すなわち第1エリア6B1〜第5エリア6B5に区画されて一部で分離されている。これらの第1エリア6B1〜第5エリア6B5のうち、両側の第1、第5エリア6B1、6B5は同じ大きさであり、第2、第4エリア6B2、6B4も同じ大きさになっている。また、第1、第5エリア6B1、6B5は支持突起7、7を形成している。第3エリア6B3は、他のエリアより面積が大きくその端部が後方へ延設されている。この第3エリア6B3には、操作レバー30の枢支突起33が装着される収容穴10が形成されている。この収容穴10は外壁板6の切欠き溝9の略真下に形成されている。また、この収容穴10は隙間6に連通している。この第3エリア6B3端部の延設部には傾斜面からなるガイド面10が形成されている。また、この第3エリア6B3の下方は、嵌合穴6の周囲の内壁面6B'を形成しており、この肉厚はリアカバー20の凹状溝22に挿入される厚さとなっている。
すなわち、各支持突起7、7及び第3エリア6B3の内壁板6は、同じ肉厚に形成されて、後述するリアカバー20の凹状溝22へ挿入される。後壁6の左右側壁6、6面には、リアカバー20が差込まれる装着部12、12が形成されている。
【0031】
また、後壁6には、両装着部12、12間にあって、その上下端部を所定高さで突出させたレール突起62Aが形成されている。このレール突起62Aは後壁6の下方にも形成されている。このレール突起62Aを設けることにより、例えば一方の装着部12から差し込まれたリアカバー20は、このレール突起62Aでガイドされることでリアホルダ6に保持されリアホルダ6から離脱しなくなる。このレール突起62Aは、リアカバー20の離脱を防止することから離脱防止突起となっている。
【0032】
第2、第4エリア6B2、6B4には、コネクタハウジング3と係合される係止部11、11が形成されている。これらの係止部11、11は外壁板6の小エリア6A21、6A21の略真下に形成されて、それぞれ同じ構造を有している。
【0033】
この係止部11は、図9Cに示すように、内壁板6に結合された基部11と、この基部から延設されて所定の長さを有する係止アーム11と、この係止アーム11の先端部にあって端部から上方へ突出した上突起、すなわちブロック突起11及び下方へ突出した下突起、すなわち係止爪11とを有し、係止アーム11は内壁板6から切り溝により一部が分離されて弾性を有する弾性アーム片となっている。係止爪11は、コネクタハウジング3の凹状の係止溝5に係合される。このブロック突起11は係止爪11と係止溝5との係合が不完全のときにはリアカバー20のリアホルダ6への装着を阻止する働きをする。また、係止爪11と係止溝5との係合が完全になされたときは、ブロック突起11の頂部がリアカバー20の側壁22に当接して、係止アーム11の移動が制限されて係止爪11と係止溝5との係合が堅固になる。その結果、コネクタハウジング3とリアホルダ6との結合が確実に行われるようになる。
【0034】
カバー及びレバー装着部RC、LB並びにハウジング係止部LAは、図4に示すように、外壁板6及び内壁板6と後壁6との間に形成されている。このうち、カバー装着部RCは、主に各支持突起7、7と、これら支持突起7、7間の第2エリア6B2の内壁板6と、レール突起62Aとで構成され、また、レバー装着部LBは、主に外内壁板6、6間の隙間6と、内壁板6に設けられた収容穴10とで構成されている。更に、ハウジング係止部LAは、内壁板6の第2、第4エリア6B2、6B4に設けられた各係止部11、11からなり、この係止部11は、内壁板6に結合された基部11と、この基部から延設されて所定の長さを有する係止アーム11と、この係止アームの先端部にあって端部から上方へ突出したブロック突起11及び下方へ突出した係止爪11とで構成されている(図9C参照)。したがって、この構成によると、リアホルダ6にハウジング係止部LA、カバー装着部RC及びレバー装着部LBが纏められているので、これらの形成が簡単になると共にカバー装着部RC、レバー装着部LB及びハウジング係止部LAを連係させることが可能になる。すなわち、コネクタハウジング3は、通常、端子及びその付属品等が収容されるのでその構造が複雑になっており、このようなコネクタハウジング3に上記係止部等を設けようとすると、その構造が更に複雑になる。これに対して、リアホルダ6には多くの部品が装着されることがないので、上記ハウジング係止部LA等の形成が簡単にできる。また、リアホルダにハウジング係止部LA、カバー装着部RC及びレバー装着部LBを纏めることにより、これらの連係が容易になり、例えば、先ず、ハウジング係止部LAでコネクタハウジング3にリアホルダ6を係止させた後に、レバー装着部LBで操作レバー30を装着し、その後、リアカバー20をカバー装着部RCで取付けることが可能になり、コネクタの組み立てを連続して簡単に実行できる。
【0035】
リアカバー20は、図5に示すように、リアホルダ6の後壁6面から引き出される複数本のリード線を所定の方向へ導出するための部材であって、所定間隔の隙間25をあけて対向する一対の側壁21、21と、これらの側壁21、21に繋がれた天井壁24とを有し、絶縁性合成樹脂の成型体で形成されている。天井壁24は、それぞれの側壁21、21間及び各側壁21、21間の端部が結合されて一端部に開口26が形成された湾曲した天井面となっている。この開口26の奥部、すなわち各側壁21、21の端部は閉鎖壁24で略閉鎖されている。この天井壁24には、操作レバー30の係止部32が係止される突起24が設けられている。開口26は、リード線を外部へ導出する導出穴となっている。
【0036】
一対の側壁21、21の隙間25は、リアホルダ6の後壁6に差込まれる差込み口となっている。各側壁21、21は、同一構造となっているので、以下には一方の側壁について具体的に説明する。
側壁21は、その端部が肉厚に形成されて、この肉厚部には対向する第1、第2側壁部22、22で囲まれた凹状溝22が形成されている。すなわち、この凹状溝22は、対向する第1、第2側壁部22、22を有し、一方の第1側壁部22は側壁21の外壁の一部となっており、他方の第2側壁部22は内壁の一部となっている。第1側壁部22の外壁面には長手方向の略中央部に上方へ突出した係止突起22が形成されている。この係止突起22は、略四角形状をなした背低の突起で形成されている。この係止突起22は、操作レバー30がリアホルダ6に装着された後に、この操作レバー30との関係でリアカバー20が間違った方向から装着されるのを防止する誤挿入防止機能を有している。また、この係止突起22は、操作レバー30の係止溝36に嵌り込んでこの操作レバー30を所定の位置に固定する固定機能も兼ねている。第1、第2側壁部22、22間の間隔、すなわち凹状溝22の隙間は、リアホルダ6の支持突起7、7の厚さとほぼ同じかわずかに幅広に形成されている。この凹状溝22はリアカバー20をリアホルダ6へ装着する際のガイド溝となり、リアカバー20の取付け溝となっている。また、第2側壁部22にはガイドレール23が設けられている。
【0037】
操作レバー30は、図6に示すように、対向する一対のアームレバー31、31と、これらのアームレバー31、31を連結する連結部32とを有し、全体が絶縁性合成樹脂の成型体で形成されている。各アームレバー31、31は、それぞれ平板状の板体からなり、同じ構成になっている。すなわち、各アームレバー31、31は、外壁面31と内壁面31とを有し、各内壁面31にレバーを支持する枢支突起33及びカム孔34並びに一対の第1、第2カム溝36、37が形成されている。枢支突起33は、支軸33の基部がアームレバー31の内壁面31から立設され、この支軸33の頂部にはフランジ33が一体に形成されている。カム孔34は内外壁面31、31を貫通している。連結部32には、係止部32が設けられている。この係止部32は、相手方コネクタ40と結合されたときに、リアカバー20の突起29に係止させることにより操作レバー30を所定位置に固定させるためのものである。
【0038】
この操作レバー30は、リアホルダ6に回動自在に装着されるが、支軸33にその回動を規制する回動規制部33A'が設けられている。この回動規制部33A'は、図6Cに示すように、アームレバー31から立設された支軸33をこの立設方向と直交する面で切断したときの切断面が平坦面33A1と円弧面33A2とを有する涙粒形状となっている。
【0039】
フランジ33は、端部に切断部33B'を有する円盤状をなし、その大きさは収容穴10に挿入可能な大きさになっている。切断部33B'を設けることにより、収容穴10への取付けが容易になる。
【0040】
一対の第1、第2カム溝36、37は、枢支突起33が差し込まれる方向と反対の側縁部に形成されている。これらのカム溝36、37は段差部31を経てアームレバー31の肉厚を薄くすることによって形成されている。すなわち、第1カム溝36は、リアカバー20の係止突起22がスライド移動されるガイド面36と、係止突起22が当接される第1ストッパー36と、この係止突起22が係止される係止溝36と有し、これらの第1ストッパー36及び係止溝36は段差部31の一部で形成されている。ガイド面36は連結部32からアームレバー31の端部に向かって所定幅長及び所定長さで形成されている。また、第1ストッパー36に近接した箇所には枢支突起33が形成されている。
【0041】
第2カム溝37は、アームレバー31の連結部32が設けられた側とは反対の端部に設けられている。この第2カム溝37は、内壁面31から段差部31C'を経て薄肉にされたガイド面37で形成されている。この段差部31C'を経て形成された第2カム溝37のガイド面37も係止突起22がスライド移動する面となっているが、このガイド面37の大きさは、第1カム溝のガイド面36より小さく形成されている。また、この段差部31C'は第2ストッパーとなっている。
【0042】
カム孔34は、アームレバー31の内外壁面31、31を貫通している。このカム孔34は、後述する相手方コネクタ40の係合突起42(図15参照)をガイドする案内孔34を有し、この案内孔34の周囲に段差部34が形成されている。この段差部34には、相手方コネクタ40の係合突起42のフランジ42が係止される。
【0043】
シール部材35は、図1、図2に示すように、内部に中空穴を有するリング部材からなり、弾性を有するゴム材料で形成されている。また、このリング部材の外周面は、凹凸形状にするのが好ましい。外周面を凹凸形状にすることにより、相手方コネクタ40との防水が良好になる。
【0044】
次に、図1〜図14を参照して、コネクタ1の組み立て工程を説明する。なお、図7、図8はリアホルダへの操作レバーの装着を説明する説明図である。図7、図8では、内部構造の理解を容易にするためにリアホルダ及び操作レバー部材の一部が切除されている。また、図8〜図12はコネクタハウジングへのリアホルダの結合を説明する説明図であり、図13、図14はリアホルダへのリアカバーの取付けを説明する説明図である。
【0045】
このコネクタ1は、(I)シール部材装着工程、(II)ホルダ結合工程、(III)端子装着工程、(IV)TPA装着工程、(V)レバー装着工程、(VI)リアカバー装着工程の各工程を経て組立てられる。
【0046】
(I)シール部材の装着工程では、例えば図1、及び図2に示すコネクタ部品のうち、先ず、コネクタハウジング3の結合部3の外周囲にシール部材35がリブ3に当接するまで挿入される。シール部材35がリブ3に当接する位置まで挿入されると、シール部材35の内周壁面がコネクタハウジング3の外周囲に密着されてリアホルダ6が装着可能な状態となる。なお、このシール部材35の装着により、後述するコネクタハウジング3とリアホルダ6との間が水密にシールされる。(II)ホルダ結合工程では、シール部材35に続いてコネクタハウジング3の結合部3をリアホルダ6に差し込む。この差し込みにより、係止部11の係止爪11が係止溝5に没入して嵌入穴6に係合される。これにより、リアホルダ6がコネクタハウジング3に係止固定される。(III)端子装着工程では、大型端子2及び小型端子2の端子束をリアホルダ6の後方からコネクタハウジング3のそれぞれの貫通孔4、4に挿通することによってリアホルダ6が装着されたコネクタハウジング3内にそれぞれの端子が収容固定される。(IV)TPA装着工程では、TPA38がコネクタハウジング3の装着穴5に挿入されて、コネクタハウジング3内の雌型端子2が固定される。
【0047】
その後、(V)レバー装着工程では、上記工程(I)〜(IV)で組立てられた組立体に操作レバー30を取付ける作業が行われる。この取付け作業は、先ず、図7Aに示すように、操作レバー30をリアホルダ6の後方にセットして、各アームレバー31、31に設けられた枢支突起33、33が各収容穴10、10へ向けて押し込まれる。この押し込みにより、それぞれの枢支突起33、33の各フランジ33、33がガイド面10、10上を摺動すると同時に各アームレバー31、31が外方、すなわち、図7Bの矢印Y、Yに示す上下方向へ押し広げられて、各アームレバー31、31の内壁面31、31とリアホルダの外壁板6、6との間にそれぞれ隙間G、Gが形成される。更に、これらのアームレバー31、31が押し込まれると、図8に示すように、各フランジ33、33がそれぞれの収容穴10、10を通して隙間6、6に挿入される。この挿入と同時に、各アームレバー31、31はその弾性復元力により元の位置に復帰されて、上記の隙間G、Gがなくなり、各アームレバーの内壁面31、31が外壁板6、6に当接される。この状態で操作レバー30を回動させると、各フランジ33、33の端部が各外内壁板6、6間の隙間6、6に入り込んで抜けなくなり、操作レバー30がリアホルダ6に対して回転自在に取付けられる。したがって、操作レバー30を押し込んだ時と逆の外力が働いても、各フランジ33、33が抜け出ることがなく、その結果、リアホルダ6に操作レバー30を装着した後は、操作レバー30に衝撃等の強い外力が加わってもこの操作レバー30がリアホルダ6から抜脱することがなくなる。
【0048】
リアホルダ6に操作レバー30が装着されると、操作レバー30のアームレバー31、31とリアホルダ6の内壁板6、6との間にリアカバー20の第1側壁部が押し込まれる隙間G(図13B参照)が形成される。この隙間Gは、操作レバー30のガイド面36と対向する第1隙間Gと、内壁面31と対向する第2隙間Gとからなり、第1隙間Gが第2隙間Gより広くなっている。
【0049】
最後に、リアカバー20がリアホルダ6に取付けられる。(VI)リアカバー装着工程は、先ず、リアカバー20をコネクタハウジング3の図13Aの矢印Aで示す方向、すなわち、操作レバー30の連結部32がある側にセットして、リアホルダ6と操作レバー30間の第1隙間G方向からリアカバー20が差し込まれる。この差し込みはリアカバー20の凹状溝22、22に一方の支持突起7が挿入されるように、一方の装着部12方向から挿入される。このときリアカバー20のガイドレール23、23は各レール突起62A、62Aに沿って挿入される。これにより、一方の装着部12から差し込まれたリアカバー20は、各支持突起7、7、第3エリア6B3の内壁板6及びレール突起62Aで支持されるのでリアホルダ6から離脱することがなくなる。
【0050】
上記(I)〜(VI)の工程により、コネクタ1の組み立てが終了する。ところが、上記(II)ホルダ結合工程において、コネクタハウジング3にリアホルダ6が完全に結合されない場合がある。このようなケースが発生すると、コネクタハウジング3とリアホルダ6とが不完全結合になると共に、シール部材35の装着も不十分となり所期の防水効果が得られなくなる。この状態ではコネクタ1の組み立て不良となる。そこで、このコネクタ1では、リアホルダ6の各係止部11、11を利用して、このような組み立て不良を検知できるようになっている。
【0051】
以下に、この組み立て不良検知を図11、図12を参照して説明する。なお、図11、図12は、組み立て不良を説明する説明図である。これらの図はそれぞれ図9、図10に対応したものである。
【0052】
先ず、コネクタハウジング3の後方の結合部3にシール部材35を装着しておき、この結合部3にリアホルダ6の前方の嵌合穴6を嵌合させて押し込む。このリアホルダ6の押し込みにより、リアホルダ6の前壁6面がシール部材35の一端に当接される。このとき、リアホルダ6の押し込みが不十分であると、係止部11の係止爪11が係止アーム11の弾性により係止溝5の側壁部5A'の頂部に乗上げ、ブロック突起11が上方へ持ち上げられる(図11C参照)。この状態でリアカバー20をリアホルダ6に装着しようとすると、図12Cに示すように、リアホルダ6をスライド移動させようとしても、リアカバー20の第1側壁部22がブロック突起11に衝突してしまいこのスライド移動ができなくなる。したがって、このリアカバー20が装着できなくなることにより、コネクタハウジング3にシール部材35が適切に押圧されず、しかもコネクタハウジング3とリアホルダ6とが非結合状態にあることが検知できる。
【0053】
一方、図9、図10に示すように、リアホルダ6の押し込みが十分になされ、係止部11の係止爪11が凹状の係止溝5内に没入して係合されると、ブロック突起11が既に下方へ引っ込んでいるので、リアカバー20のスライド移動が阻止されることがなくなる。リアカバー20がリアホルダ6に装着されると、シール部材35は正規の位置に装着されてコネクタハウジング3とリアホルダ6間の防水が確実になされると同時にコネクタハウジング3とリアホルダ6とが完全に結合されていることが補償される。この状態では、ブロック突起11の頂部がリアカバー20の第1側壁部22に接触して、その可動が制限されるので、コネクタハウジング3とリアホルダ6との係合も堅固になる。
【0054】
また、リアカバー20は、図5に示すように、対向する一対の側壁21、21が同一構造となっているので、図14Aの矢印A方向から装着される場合がある。この方向からの差し込みが可能としてしまうと、操作レバー30の操作ができなくなるので、このコネクタ1では矢印A方向からのリアカバー20の装着はできないようになっている。すなわち、リアカバー20が図14Aの矢印方向Aからリアホルダ6へ差込まれると、リアカバー20の第1側壁部22が第2隙間G内へ入り込む。ところが、この第2隙間Gの差込み口には、操作レバー30の第2カム溝37が存在するのでその開口が大きくなっているが、この第2カム溝37の長さが第1カム溝36より狭くなっているので、リアカバー20がさらに押し込まれると、側壁22表面の係止突起22が第2ストッパーである段差部31C'に衝突して、リアカバー20の押し込みがブロックされる。これにより、矢印A方向からのリアカバー20の装着ができなくなっている。
【0055】
このようにして組立てられたコネクタ1は、相手方コネクタ40と結合される。以下、この相手方コネクタとしての雄型コネクタを説明する。なお、図15は雄型コネクタを示し、図15Aは雄型コネクタの全体の斜視図、図15Bは図15Aの分解斜視図である。
相手方コネクタ40は雄型コネクタからなり、図15に示すように、複数本の雄型端子43と、これらの端子が収容される雄型コネクタハウジング41とで構成されている。
【0056】
雄型端子43は、コネクタ1の雌型の大型端子2及び小型端子2にそれぞれ接続される雄型の比較的サイズの大きい大型端子43とサイズの小さい小型端子43からなる。また、雄型コネクタハウジング42は、前後が略矩形状の前後壁41、41及び外周囲が対向する一対の外壁、すなわち上下壁41、41及び左右側壁41、41で囲まれ、前壁41にコネクタ1が差込まれる差込み口を有する空洞穴が形成されており、この空洞穴の奥壁は後壁41に近接しており、全体が絶縁性合成樹脂の成型体で形成されている。
【0057】
この雄型コネクタハウジング41の後壁41には、雄型端子43が装着される装着孔41、41が形成されている。コネクタハウジングの上下壁41、41には、差込み口に近接した箇所に外方に突出した係合突起42、42が形成されている。これらの係合突起42、42は、壁面から立設された支軸42と、この支軸42の頂部に設けたフランジ42とからなり、これらは雄型コネクタハウジング41と一体に形成されている。フランジ42は略円盤状をなしている。この係合突起42はコネクタ1の操作レバー30のカム孔34と係合される大きさとなっている。そして、この相手方コネクタ40の組み立ては、雄型コネクタハウジング41の装着孔41、41にそれぞれ大型端子43及び小型端子43を差込み固定することにより行われる。
【0058】
次にコネクタ1と相手方コネクタ40との結合を説明する。なお、図16、図17は両コネクタの結合を説明する説明図で、図16は結合前、図17は結合後の状態をそれぞれ示している。なお、図16B、図16C及び図17B、図17Cでは相手方コネクタ40が省略されている。
コネクタ1と相手方コネクタ40との結合は、コネクタ1を相手方コネクタ40に接近させて、コネクタ1前方に位置するコネクタハウジング3の差込み部3を相手方コネクタ40のコネクタハウジング41前面の装着孔41に挿入することで行う(図16A参照)。この両コネクタ1、40が結合される前は、図16A〜図16Cに示すように、操作レバー30の各カム孔34、34は相手方コネクタ40の各係合突起42、42に係合されずにリアホルダ6と平行な位置に保持されている。この位置は、図16Dに示すように、リアカバー20の係止突起22の外周面が第1カム溝36内の第1ストッパー36及び回動規制部33A'の円弧面33A2に接触して保持されている。この保持により、操作レバー30は矢印B方向(図16A及び図16C参照)へ揺動することがなくなる。
【0059】
次いで、図17に示すように、操作レバー30の各カム孔34、34の開口部分に相手方コネクタ40の各係合突起42、42を差し込んだ後に、操作レバー30の連結部32を手で摘んでこの操作レバー30をリアカバー20の後方へ回転させる。この操作レバー30の回転により、相手方コネクタ40の各係合突起42、42が各カム孔34、34の案内部分に案内されて両コネクタ1、40が互いに近接する方向に引き寄せられる。さらに操作レバー30が回転されると、連結部32がリアカバー20の後方へ移動して両コネクタ1、40の結合が完了し、両コネクタ1、40の端子2、43間で電気的接続がなされる。この両コネクタ1、40の結合完了により、操作レバー30はその連結部32がリアカバー20の後方へ移動した位置で固定される。この位置での操作レバー30の固定は、図17Dに示すように、リアカバー20の係止突起22が係止溝36内に入り込み、この入り込んだ状態で係止突起22の外周の一面に回動規制部材33A'の平坦面33A1が当接されて枢支突起33の回動、すなわち操作レバー30の回動が制限されて固定される。この保持・固定により、操作レバー30は矢印C方向へ揺動することがなくなる。また、連結部32に設けられた係止部32がリアカバー20の天井壁24の突起24に係止されて操作レバー30の係止がより確実になる。
加えて、両コネクタ1、40の結合がなされると、シール部材35の外周面が相手方コネクタの装着孔41の内壁に液密に当接することにより、両コネクタ1、40間の防水も確実となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る電気コネクタを示し、図1Aはこのコネクタの全体斜視図、図1Bは図1Aのコネクタの分解斜視図である。
【図2】図2は図1の電気コネクタを180度回転させて示したもので、図2Aは全体斜視図、図2Bは図2Aの分解斜視図である。
【図3】図3は図1、及び図2のコネクタハウジングを示し、図3Aは図1Bのコネクタハウジングの拡大斜視図、図3Bは図2Bのコネクタハウジングの拡大斜視図である。
【図4】図4は図1、及び図2のリアホルダを示し、図4Aは図1Bのリアホルダの拡大斜視図、図4Bは図2Bのリアホルダの拡大斜視図である。
【図5】図5は図1、図2のリアカバーを示し、図5Aは図1Bのリアカバーの拡大斜視図、図5Bは図2Bのリアカバーの拡大斜視図である。
【図6】図6は図1、図2の操作レバーを示し、図6Aは図1Bの操作レバーの拡大斜視図、図6Bは図2Bの操作レバーの拡大斜視図である。
【図7】図7はリアホルダへの操作レバーの装着途中の状態を示し、図7Aは要部を切断して示す斜視図、図7Bは図7Aの側面図である。
【図8】図8はリアホルダへの操作レバーの装着後を示し、図8Aは要部を切断して示す斜視図、図8Bは図8Aの側面図である。
【図9】図9はコネクタハウジングとリアホルダとの結合過程を示し、図9Aは結合前の斜視図、図9Bは結合後の斜視図、図9Cは図9BのIXC部分の拡大一部断面図である。
【図10】図10は図9に示すコネクタハウジングにリアホルダを結合した組立体へのリアカバーの装着過程を示し、図10Aは装着前の斜視図、図10Bは装着後の斜視図、図10Cは図10BのXC部分の拡大一部断面図である。
【図11】図11はコネクタハウジングとリアホルダとの結合過程を示し、図11Aは結合前の斜視図、図11Bは結合後の斜視図、図11Cは図11BのXIC部分の拡大図である。
【図12】図12は図11に示すコネクタハウジングにリアホルダを結合した組立体へのリアカバーの装着過程を示し、図12Aは装着前の斜視図、図12Bは装着途中の斜視図、図12Cは図12BのXIIC部分の拡大図である。
【図13】図13はリアホルダへのリアカバーの装着を示し、図13Aは平面図、図13B〜図13Dはリアカバー装着状態を段階的に説明するもので、図13AのXIIIB−XIIIB線の断面図である。
【図14】図14はリアホルダへのリアカバーの装着を示し、図14Aは平面図、図14B及び図14Cはリアカバー装着状態を段階的に説明するもので、図14AのXIVB−XIVB線の断面図である。
【図15】図15は雄型コネクタを示し、図15Aはコネクタ全体の斜視図、図15Bは図15Aの分解斜視図である。
【図16】図16は両コネクタの結合前の状態を示し、図16Aは全体の斜視図、図16Bは図16AのX方向から見た背面図、図16Cは図16BのXVIC−XVIC線で切断したハウジング側の断面図、図16Dは図16BのXVIC−XVIC線で切断した操作レバー側の断面図である。
【図17】図17は両コネクタの結合後の状態を示し、図17Aは全体の斜視図、図17Bは図17AのX方向から見た背面図、図17Cは図17BのXVIIC−XVIIC線で切断したハウジング側の断面図、図17Dは図17BのXVIIC−XVIIC線で切断した操作レバー側の断面図である。
【図18】図18は従来技術の電気コネクタの分解斜視図である。
【図19】図19は図18の電気コネクタ組立体の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 (電気)コネクタ
2 端子
3 コネクタハウジング
差込み部
結合部
6 リアホルダ
外壁板
内壁板
支持突起
9 切欠き溝
10 収容穴
11 係止部
11 係止アーム
11 係止爪
11 ブロック突起
20 リアカバー
22 係止突起
30 操作レバー
31 アームレバー
33 枢支突起
33 支軸
33A' 回動規制部
33 フランジ
35 シール部材
36 第1カム溝
36 係止溝
37 第2カム溝
40 相手方コネクタ
41 雄型コネクタハウジング
42 係合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に端子が収容され、前方に相手方コネクタに差し込まれる差し込み部を有し、後方にホルダ装着部を有するコネクタハウジングと、
前記ホルダ装着部の外周囲に嵌入されるシール部材と、
前方端部を前記シール部材に当接する当接面となし、前方に前記ホルダ装着部に固定される嵌入孔を有し、後方にカバー取付け部を有し、前記コネクタハウジングにシール部材を介在して固定されるリアホルダと、
前記カバー取付け部にスライド移動により装着されるリアカバーと、
を備えた電気コネクタにおいて、
前記リアホルダの後方のカバー取付け部に隣接した箇所には係止部が設けられ、前記コネクタハウジングのホルダ装着部には前記係止部が係合される係合部が設けられ、前記係止部は、前記リアホルダを前記コネクタハウジングに装着する際に、前記係合部と非係合状態である場合には、前記リアカバーのスライド移動をブロックすることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記係止部及び係合部は、前記リアホルダと前記ホルダ装着部とが対向する箇所にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記係止部は前記リアホルダの外壁の一部に形成された弾性を有する係止部材からなり、前記係止部材は係止爪とブロック突起とを有し、前記係合部は前記コネクタハウジングの壁面に形成された係止溝を有し、前記コネクタハウジングとリアホルダとの固定が不完全で前記係止部が前記係合部に係合されないときには、前記係止爪が前記係止溝に係止される手前の前記コネクタハウジングの壁面に乗上げることにより前記係止部材が押し上げられ、これにより前記ブロック突起がカバー取付け部への前記リアカバーのスライド移動による装着をブロックすることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記リアホルダの外壁面の一部が間に隙間が設けられた外壁板及び内壁板からなる2重壁で形成されており、前記係止部は前記内壁板に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記リアホルダの壁面には相手方コネクタにその一部が係止されて両コネクタの結合を行う操作レバーが装着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−226826(P2008−226826A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22464(P2008−22464)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【出願人】(506110586)エムイーエィ テクノロジーズ プライベート リミテッド (19)
【Fターム(参考)】