説明

電気コネクタ

【課題】低背化を可能とする電気コネクタを提供することを課題とする。
【解決手段】電気絶縁材料のハウジング10と、金属帯状片を板厚方向に屈曲して作られハウジングにより保持される端子20とを有し、端子はハウジングにより保持される被保持部21と、被保持部から延出し延出方向一端側に接触部22Bが形成されていて接触部が相手端子40に圧せられることにより弾性変位可能な弾性腕部22と、他端側に回路基板に接続される接続部24とを有していて、相手コネクタ2が嵌合する際に、弾性腕部22が接触部22Bで相手端子40と干渉し圧せられて嵌合方向に対して少なくとも直角方向に弾性変位し、弾性腕部22は延出方向での端縁に向け相手端子40との接触する方向に傾斜されており、端縁寄り部分で板厚方向に端縁へ向けて板厚を減ずる斜面部22Aを有し、斜面部22Aと非斜面部との境界域を接触部22Bとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属帯状片をその板厚方向に屈曲して作られる端子を有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気コネクタとしては、特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1のコネクタの端子は、U字状部分と逆U字状部分をつなげて略S字状の形態をなし、逆U字状部分がハウジングの周壁へ上方から取り付けられて保持される被保持部をなし、U字状部分が相手コネクタの相手端子と接触する接触部を有している。ハウジングは、周壁により囲まれる範囲内に底壁から立ち上がる中央壁を有していて、該中央壁に端子配列溝が形成されている。端子の上記U字状部分は、周壁の内面から底壁を経て上記中央壁の壁面に沿っていて、弾性を有している。特に、中央壁の壁面に沿って立ち上がる部分は弾性腕部を形成し、その殆んどが上記端子配列溝内に収められている。弾性腕部はその自由端たる上端の近傍に被保持部の方へ向けて突出する接触部が形成されている。該接触部は上記弾性腕部の上端の近傍を「く」字状に屈曲して形成され、その頂部は上記端子配列溝外に位置している。
【0003】
かかるコネクタは、相手コネクタが上方から嵌合される際、上記接触部がその頂部で相手端子と干渉して該相手端子により圧せられて、弾性腕部が上記嵌合方向と直角な方向に弾性変位し、接触部が相手端子と所定の接圧をもって接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−035291
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のコネクタは、ハウジングの底壁が回路基板に接面あるいは対面するように該回路基板に取り付けられる。コネクタを含めた電子部品は回路基板に取り付けられた状態で機器に搭載されるので低背化が求められる。すなわち、上述のコネクタは嵌合方向での高さが小さいことが重要となる。したがって、この高さを決定する最大の要素たる端子は、上記嵌合方向に延びる弾性腕部を、接触部での接圧を確保しつつ、いかに短くするかが重要となる。
【0006】
特許文献1のコネクタの端子にあっては、弾性腕部は、接触部での接圧を確保すべく所定量の弾性変位量を得るように、下端から接触部までの弾性撓み腕長(高さ)を有している。この接触部は「く」字状に屈曲されていて、その頂部が相手端子と接触する。したがって、この頂部よりも上方の部分は、相手端子の誘導を行なうものの、接触にも弾性撓み腕長確保にも寄与しておらず、単に弾性腕部の全長を長くしているだけである。さりとて、頂部より上方部分を切り落としてしまうと、相手端子を良好に誘導できないし、あるいは、上記「く」字状部分を残しておいて接触部の位置を低くすると、弾性腕部の弾性撓み腕長が短くなり撓みにくくなるし、あるいは、板厚を薄くして撓みやすくすると接圧が十分でなくなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、弾性撓み腕長と接圧を確保しつつ弾性腕部の長さを短くしてコネクタの低背化を図ることのできる端子を有する電気コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気コネクタは、電気絶縁材料で作られたハウジングと、金属帯状片をその板厚方向に屈曲して作られ該ハウジングにより保持される端子とを有し、該端子はハウジングにより保持される被保持部と、該被保持部から延出し延出方向一端側に接触部が形成されていて該接触部が相手端子に圧せられることにより弾性変位可能な弾性腕部と、他端側に回路基板へ接続される接続部とを有していて、相手端子が設けられた相手コネクタが嵌合する際に、上記弾性腕部が接触部で相手端子と干渉し圧せられて嵌合方向に対して少なくとも直角方向に弾性変位する。
【0009】
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、弾性腕部は上記延出方向での端縁に向け相手端子と接触する方向に傾斜されており、端縁寄り部分で板厚方向に端縁へ向けて板厚を減ずる斜面部を有し、該斜面部と非斜面部との境界域を接触部としていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の本発明では、斜面部は弾性腕部の端縁近傍に位置しており、斜面部と非斜面部との境界域として形成される接触部は上記端縁に近い。コネクタ嵌合開始時には、相手端子は、上記斜面部と摺接しながら誘導され嵌合方向へ進行し、該斜面部と非斜面部との境界域として形成されている接触部が該嵌合方向に対して直角な方向に突出しているために、上記相手端子は該接触部と干渉して該接触部を圧して弾性変位させ、該接触部との間で所定の接圧のもとで接触し、コネクタの嵌合が完了する。本発明において、上記斜面部は弾性腕部の端縁寄りの短い範囲に形成すれば十分であるため、上述の斜面部での相手端子の誘導を可能にしつつ、弾性腕部の接触部から基部までの長さ、すなわち弾性腕長を所定長だけ確保でき、板厚を薄くすることなく弾性撓みやすさそして必要な接圧を得る。
【0011】
本発明において、弾性腕部は斜面部の端縁が丸味をもって形成されていることが好ましい。こうすることにより、コネクタ嵌合開始時に、相手コネクタが正規位置から嵌合方向に対して直角方向に多少ずれて嵌合させようとした際に、相手端子との衝突があっても、上記斜面部の端縁そして相手端子の両方が損傷を受けない。
【0012】
本発明において、弾性腕部は、ハウジングに形成された端子配列溝内に部分的に収められ、接触部が端子配列溝外に位置していることが好ましい。弾性腕部は、接触部のみが端子配列溝外に位置していれば十分であり、そうすることにより、接触部が相手端子と接触可能状態のもとで、弾性腕部は端子配列溝内で弾性変位可能となり、相手コネクタから好ましくない力を受けず、損傷することがなくなる。さらには、隣接する弾性腕部同士の不用意な接触も防止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように、端子素材たる金属帯状片をその板厚方向に屈曲してその頂部を接触部とする従来の端子に代え、かかる屈曲を行わずに、端縁に向けて板厚を減ずる圧潰により弾性腕部に斜面部を形成して、該斜面部と非圧潰部との境界域が突出することから、ここを接触部とすることとしたので、斜面部は端縁から短い距離の範囲に形成できるため、弾性腕部の板厚を薄くすることなく弾性腕長を長く確保でき、その結果、所定の撓みやすさと接圧を得ることとなり、弾性腕部の全長が短くなる分、コネクタの低背化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態のコネクタ全体を示す斜視図である。
【図2】相手コネクタとの関係を示す断面図である。
【図3】端子の接触部近傍についての変形例であり、(A),(B)にて二例示されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る電気コネクタの実施形態を説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るコネクタの全体外観を示す斜視図である。図2は、図1のコネクタを相手コネクタとともに示す断面図であり、コネクタ嵌合前の状態を示している。図3は、端子の接触部近傍についての変形例であり、(A),(B)にて二列示されている断面図であり、端子の要部を示す断面図である。
【0017】
本実施形態に係るコネクタ1は、回路基板(図示せず)上に取り付けられて、後述の相手コネクタ2が上方から嵌合接続されるコネクタであり、略直方体外形をなす合成樹脂製のハウジング10と、該ハウジング10の長手方向で該ハウジング10に配列保持される複数の金属製の端子20とを有している。
【0018】
図1に示されているように、上記ハウジング10は、取付対象面である回路基板の面に対面し端子配列方向を長手方向として延びる底壁11と、該長手方向に延びるとともに該底壁11から上方へ向け突出する突壁部12と、該底壁11から起立し該突壁部12を囲む周壁13とを有している。該周壁13は、互いに対向して上記長手方向に延びる二つの側壁14と、該二つの側壁14の端部同士を連結し該長手方向に対して直角な短手方向に延びる二つの端壁15とを有している。上記周壁13と突壁部12との間で上方に開口した四角環状の空間は、相手コネクタ2の嵌合部を受け入れるための受入凹部16として形成されている。上記両方の側壁14は、上記長手方向で所定間隔毎に端子20を配列保持している。このハウジング10については、端子20との関連で、後に再度説明する。
【0019】
端子20は、金属板条片を板厚方向で屈曲して作られていてU字状部分と逆U字状部分を連結した略横S字状をなしており、突壁部12に対して対称をなし二列に配列された状態で上記ハウジング10の上記側壁14で保持されている。該端子20は、ハウジング10の上記側壁14で保持される逆U字状の被保持部21と、該ハウジング10の短手方向での突壁部12寄り位置で上下方向に延び自由端を有する弾性腕部22と、ハウジング10の底壁11に面して上記短手方向に延び該被保持部21の一方の脚部(後述する内側脚部21A)と弾性腕部22とをそれらの下端位置で連結する基部23と、被保持部21の他方の脚部(後述する外側脚部21B)からハウジング10外へ延びて回路基板(図示せず)上の対応回路に半田接続される接続部24とを有している。図1および図2によく見られるように、端子20は、上記被保持部21にてハウジング10との一体モールド成形により保持されている。上記接続部24は、半田接続可能な程度に延びていれば良いことは、言うまでもない。又、本実施例においては、端子は、ハウジング10との一体モールド成形としたが、側壁へ圧入することによって、ハウジングへ組み込んでも良い。
【0020】
図2によく見られるように、被保持部21は、上述したように逆U字状をなしており、側壁14の内側面に沿って延びる一方の脚部21A(以下「内側脚部21A」という)と、側壁14の外側面寄りに位置する他方の脚部21B(以下「外側脚部21B」という)とを有している。上記内側脚部21Aは、その上端寄り位置にて後述の接触部22Bと対向するように受入凹部16内に突出するロック部21A−1が形成されている。該ロック部21A−1は、後述する相手コネクタ2の相手端子40に没入形成された被ロック部41B−1に係止することにより、コネクタ嵌合状態を維持するとともに、該被ロック部41B−1との係止時に接触して電気的に導通することにより、上記接触部22Bを補助する役割も果たす。
【0021】
図1および図2によく見られるように、被保持部21は、一部が側壁14に埋没するようにして該側壁14を上方から跨ぐようにして該側壁14で一体モールド成形により保持されている。該被保持部21は、内側脚部21Aの内側板面および側縁が側壁14に接面保持されていている。一方、外側脚部21Bは、上半部が上記側壁14に埋没しており、下半部がその外側板面で露呈している。逆U字状部分の頂部をなし上記内側脚部21Aと外側脚部21Bを連結する部分は、内側部の外面が露呈し外側部が完全に側壁14に埋没している。上記外側脚部21Bの下端からは、屈曲部を経て接続部24が横方向に向けハウジング10外に延出している。該接続部24は、図1および図2に見られるように、底壁11の下面とほぼ同じ高さに位置していて、回路基板の対応回路部との半田接続が可能となっている。
【0022】
上記弾性腕部22は、該弾性腕部22と基部23との間で屈曲された移行部25を経て上記突壁部12に沿って上方へ向けて延びており、その板厚方向での撓みにより、上記短手方向に弾性変位可能となっている。弾性腕部22は、その自由端側たる上端部分に向け側壁14の方へ傾斜している。コネクタ嵌合時には、上記U字状部分には相手コネクタの相手端子が進入してくるので、上記弾性腕部22は、上端部分に向け、相手端子に接触するように、そして相手端子との干渉量を増す方向に傾斜している。上記弾性腕部22は、その上端縁に近い部分が、上端縁に向け板厚を減ずるように加工された斜面部22Aが形成されている。上記弾性腕部22は、上述のごとく傾斜していて上方に向け内側脚部21Aの方へ近づいているので、上記斜面部22Aの形成により、該斜面部22Aとその下端に位置する非斜面部との境界域が突状をなし、この境界域が接触部22Bを形成する。コネクタ嵌合に直角な方向(図2にて横方向)で、上記接触部22Bは相手端子40と干渉量δを有しており、又、上記斜面部22Aに相当する範囲に、上記干渉量δをもつ相手端子40の接触部の面が位置している。上記斜面部22Aの上端縁は、より低背とするために面取り部22Cが形成されている。この面取り部22Cは、丸味をもっていても平坦な面であっても良い。本発明において、上記斜面部22Aは、丸味をもっていても平坦な面であっても良く又、弾性腕部22の上端縁から短い距離の範囲に形成すれば良く、相手端子の誘導が可能な最小限範囲に形成されるのが好ましい。
【0023】
ここで、再度、ハウジング10について説明すると、該ハウジング10の受入凹部16の内面に、上記端子20のU字状部分を収めるための端子配列溝17が形成されている。該端子配列溝17は、底壁に端子20の基部23のために形成された底壁側溝部17Aと、突壁部12に弾性腕部22のために形成された突壁部側溝部17Bとを有し、これらの二つの溝部17A,17Bが連通して形成されている。また、突壁部側溝部17Bの両側には、該突壁部側溝部17Bよりも浅い側方溝部17Cが形成されていて、隣接する側方溝部17C同士間で相手コネクタの対応部を端子配列方向と直交する方向に規制する規制部18を形成している。かくして、弾性腕部22は、側方溝部17C同士間に位置し、相手コネクタとの嵌合状態では、上記突壁部側溝部17Bの内方(溝底方向)へ弾性変位が可能となっている。この弾性腕部22は、上記嵌合状態では、その一部が上記突壁部側溝部17B内に入り込むが、上記接触部22Bとその近傍は、相手端子40との十分な接圧を確保した状態で、側方溝部17C外に位置する。また、本実施形態においては、突壁部側溝部17Bの両側に規制部18が形成されているが、該規制部18は各突壁部側溝部17Bに対して形成せずに、複数の突壁部側溝部のうち、任意の二つ以上の突壁部側溝部に対してのみにそれぞれ形成されていることが好ましい。こうすることで長手方向での距離をもつ二つ以上の位置で突壁部に形成された規制部により、相手コネクタの位置を確実に規制できる。規制部は、突壁部の長手方向両端に形成されていていも良い。
【0024】
かかる端子20の弾性腕部22の上端縁側に形成された斜面部22Aは、適宜工具による局部的な材料の圧潰により形成可能であるが、他の方法により、例えば、研削による局部的な材料の除去によってもよい。
【0025】
次に、相手端子40は、金属板条片を板厚方向に屈曲して作られており、ハウジング30の短手方向(図2での左右方向)で対称をなし二列をなして長手方向に複数配列された状態で上記ハウジング30に保持されている。上記側壁33に保持されるU字状の嵌入部41と、該嵌入部41の二つの脚部のうち受入凹部35側に位置する一方の脚部41A(以下、「内側脚部41A」という)から、屈曲された移行部45を経て該内側脚部41Aの上端から上記短手方向に延びて形成され上記他の回路基板の対応回路部に半田接続されるための接続部44とを有している。図2によく見られるように、相手端子40は、上記嵌入部41および移行部45で、ハウジング30との一体モールド成形により保持されている。
【0026】
上記嵌入部41は、側壁33を下方から跨ぐようにして該側壁33に埋没されている。該嵌入部41は、U字状部分の内側板面および側縁が側壁33に保持されていて、該側壁33から露呈した上記U字状部分の外側板面が、側壁33の外面と同一の面をなすように位置している。ハウジング30の短手方向(図2での左右方向)での上記嵌入部41の寸法は、コネクタ1の端子20の接触部22Bとロック部21A−1との間隔よりも若干大きくなっている。すなわち、既述のように、該接触部22Bが相手端子40との間で干渉量δを有しており、上記嵌入部41の内側脚部41Aの受入凹部35側に位置する、該内側脚部41Aの板面は、底壁31寄り位置(図2での上側位置)の部分で、コネクタ嵌合状態にてコネクタ1の端子20の接触部22Bと接圧をもって接触する対応接触部41A−1を形成している。該対応接触部41A−1は若干没入されており、端子20の接触部22Bと接触時に、該接触部22Bに対するロックの機能をも有している。また、上記嵌入部41の他方の脚部41B(以下、「外側脚部41B」という)の受入凹部35から離れて位置する、該外側脚部41Bの板面は、底壁31寄り位置(図2での上側位置)の部分が没して凹部が形成されていて、該凹部が上記端子20のロック部21A−1と係止する被ロック部41B−1として機能する。
【0027】
接続部44は、図2に見られるように、底壁31の下面(図2での上面)とほぼ同じ高さに位置していて、回路基板の対応回路部との半田接続が可能となっている。
【0028】
以下、コネクタ1と相手コネクタ2との嵌合動作について説明する。まず、コネクタ1および相手コネクタ2をそれぞれ対応する回路基板の対応回路部に半田接続する。次に、図2に見られるように、コネクタ1を受入凹部16が上方へ開口した姿勢とするように配置するとともに、相手コネクタ2を受入凹部35が下方へ開口した姿勢として該コネクタ1の上方位置へもたらす。そして、相手コネクタ2を下方へ移動させ、相手コネクタ2は、突壁部12に形成された規制部18によって規制されながら相手コネクタ2の嵌合部をコネクタ1の受入凹部16内へ嵌入させる。
【0029】
この結果、相手コネクタ2の相手端子40のU字状をなす嵌入部41は、その下端の丸味をもった部分で、コネクタ1の端子20の斜面部22Aに当接し、嵌合方向に案内されつつ、該コネクタ1の端子20の接触部22Bおよびロック部21A−1との間を押し拡げて嵌合方向へ進入する。その結果、上記端子20の接触部22Bが端子配列溝17の突壁部側溝部17B内へ向けて押圧されることにより、弾性腕部22が該突壁部側溝部17B内へ進入するように弾性変位する。上記嵌入部41の進入がさらに進行すると、上記接触部22Bが上記嵌入部41の対応接触部41A−1と接圧をもって接触するとともにロックされ、一方、上記ロック部21A−1が該嵌入部41の被ロック部41B−1と上下方向で係止する。この結果、コネクタの端子同士が電気的に導通するとともに互いにロックされ、コネクタ同士の嵌合接続が完了する。
【0030】
本発明は、図1そして図2に図示し説明した実施形態に限定されず、種々変更が可能である。
【0031】
斜面部を形成することにより、該斜面部と非斜面部との境界域として形成される接触部は、図1そして図2のように端子20の基部23側に向く側で弾性腕部22の上端に形成されていることに限定されず、基部23とは反対側に設けることも可能である。図1そして図2の場合と異なって、相手端子の接触部が上記基部とは反対側で進入してくる相手コネクタの場合、これと接触する端子20も、図3(A),(B)の異形態の端子のごとく、基部23とは反対側(図では左側)で弾性腕部22の上部に斜面部22Aそして接触部22Bを形成できる。
【符号の説明】
【0032】
1 コネクタ 22 弾性腕部
2 相手コネクタ 22A 斜面部
10 ハウジング 22B 接触部
17 端子配列溝 24 接続部
20 端子 40 相手端子
21 被保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁材料で作られたハウジングと、金属帯状片をその板厚方向に屈曲して作られ該ハウジングにより保持される端子とを有し、該端子はハウジングにより保持される被保持部と、該被保持部から延出し延出方向一端側に接触部が形成されていて該接触部が相手端子に圧せられることにより弾性変位可能な弾性腕部と、他端側に回路基板へ接続される接続部とを有していて、相手端子が設けられた相手コネクタが嵌合する際に、上記弾性腕部が接触部で相手端子と干渉し圧せられて嵌合方向に対して少なくとも直角方向に弾性変位する電気コネクタにおいて、弾性腕部は上記延出方向での端縁に向け相手端子と接触する方向に傾斜されており、端縁寄り部分で板厚方向に端縁へ向けて板厚を減ずる斜面部を有し、該斜面部と非斜面部との境界域を接触部としていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
弾性腕部は斜面部の端縁が丸味をもって形成されていることとする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
弾性腕部は、ハウジングに形成された端子配列溝内に部分的に収められ、接触部が端子配列溝外に位置していることとする請求項1に記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−169235(P2012−169235A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31566(P2011−31566)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】