電気モジュール
【課題】複数のセラミック材料を含み、モノリシックボディとして焼結可能なベースボディを備えた電気モジュールを提供する
【解決手段】セラミックベースボディ(1)は複数のセラミック層(1a,1b)を有しており、ここで、機能層(1a)は複合材料層(1b)に接しており、該複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む。
【解決手段】セラミックベースボディ(1)は複数のセラミック層(1a,1b)を有しており、ここで、機能層(1a)は複合材料層(1b)に接しており、該複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の材料から成るセラミック層を備えた電気モジュール、ならびに、複数の電極セットの配置された唯一のセラミックベースボディを有する電気モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
独国出願第19931056号明細書から、低い容量を有する内部電極を備えた多層コンデンサが公知である。
【0003】
独国出願第10136545号明細書から内部に配置された電極を備えたセラミック多層コンデンサが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国出願第19931056号明細書
【特許文献2】独国出願第10136545号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決すべき課題は、複数のセラミック材料を含み、モノリシックボディとして焼結可能なベースボディを備えた電気モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、電気モジュールが複数のセラミック層を有しており、ここで、機能層が複合材料層に接しており、複合材料層がジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む電気モジュールにより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】a〜dはセラミックベースボディの層構造、eはa〜dの内部電極の集積されたセラミックベースボディを備えた電気モジュールを示す図である。
【図2】バリスタの斜視図である。
【図3】電気モジュールの斜視図である。
【図4】ベースボディのガラス成分に対するバリスタの焼損の度合を表すグラフである。
【図5】ベースボディのガラス成分に対するバリスタの容量の低下の度合を表すグラフである。
【図6】第1の電気モジュールの断面図である。
【図7】第1の電気モジュールの斜視図である。
【図8】第1の電気モジュールの断面図である。
【図9】第1の電気モジュールの断面図である。
【図10】第1の電気モジュールの断面図である。
【図11】第2の電気モジュールの断面図である。
【図12】第2の電気モジュールの斜視図である。
【図13】第2の電気モジュールの断面図である。
【図14】第2の電気モジュールの断面図である。
【図15】第2の電気モジュールの断面図である。
【図16】第3の電気モジュールの断面図である。
【図17】第3の電気モジュールの斜視図である。
【図18】第3の電気モジュールの断面図である。
【図19】第3の電気モジュールの断面図である。
【図20】第3の電気モジュールの断面図である。
【図21】第4の電気モジュールの断面図である。
【図22】第4の電気モジュールの斜視図である。
【図23】第4の電気モジュールの断面図である。
【図24】第4の電気モジュールの断面図である。
【図25】第4の電気モジュールの断面図である。
【図26】第5の電気モジュールの断面図である。
【図27】第5の電気モジュールの斜視図である。
【図28】第5の電気モジュールの断面図である。
【図29】第5の電気モジュールの断面図である。
【図30】第5の電気モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の電気モジュールは、有利には、唯一の信号パラメータを受け取って所定の印加電圧のもとで相応の電流を形成するかまたは所定の電流のもとで相応の電圧を形成することにより受動的に作用する。補助エネルギ、例えば電流供給の形態で供給されるエネルギは必要ない。
【0009】
複合材料層は有利にはパシベーション層、絶縁層および/または電気的分離層として用いられる。このようにすれば機能層は外部影響から保護される。コンタクト手段が複合材料層に含まれる場合、コンタクト手段と複合材料層とのあいだの結合容量は複合材料層の分離特性により低減される。
【0010】
また複合材料層は機能層の寄生容量の低減または調整のための手段として作用する。これにより電気モジュールの実装される配線板への影響が低減されるかまたは調整される。
【0011】
有利には、複合材料層はジルコニウム酸化物を含む。なぜなら、ジルコニウム酸化物は他の材料、例えば機能層の材料とほとんど反応せず、種々の層の焼結後の電気モジュールの電気特性が相互に調整可能となるかまたは明確に予測可能となるからである。これにより電気的な特性曲線の調整が容易となる。ガラス充填物質を含む複合材料層により、機能層の界面の領域における不規則性、例えば亀裂などの形成が低減される。こうして電気モジュールの電気的な特性曲線の調整が簡単化される。
【0012】
複合材料層のガラス充填物質は有利にはホウケイ酸亜鉛(Zn−B−Si)またはケイ酸アルミニウムを含む。
【0013】
機能層は機能層セラミックを含み、有利には複合材料層の誘電定数よりも高い誘電定数を有する。機能層セラミックはバリスタセラミック、コンデンサセラミック、NTCセラミックまたはPTCセラミックを含む。
【0014】
バリスタセラミックの主成分としてZnOを用いると有利である。またSiCを用いることもできる。バリスタとして電気モジュールは有利にはインパルス電圧の安定化、電圧の制限または過電圧保護のために用いられる。
【0015】
コンデンサセラミックは主成分として有利には無機、非金属かつ多結晶の物質、例えばTiO2(COG)または強誘電性のBaTiO3(X7RまたはZ5U)を含む。なおこの場合阻止層は設けても設けなくてもよい。コンデンサ、特にセラミックの多層コンデンサとして、本発明の電気モジュールは、制御技術、データ技術、通信技術、電源部、自動車エレクトロニクスなどに用いられる。
【0016】
NTCセラミックの主成分として、Fe3O4,Fe2O3,NiOまたはCoOなどが適している。NTCセラミックを備えた機能層を含む電気モジュールは有利には温度センサの検出器として使用される。これに代えて、NTCセラミックを、流速を調整するため、ならびに、保護ないし補償のために用いることもできる。
【0017】
PTCセラミックの主成分として、BaTiO3またはSrTiO3などが適している。PTCセラミックを備えた機能層を含む電気モジュールは有利には温度センサ、サーモスタットまたは電流安定化装置の要素として使用される。
【0018】
複合材料層および機能層は有機接着剤と混合されてスラリーが形成され、このスラリーが後に処理されてグリーンシートとなる。それぞれの層の焼結の際に接着剤の気化が生じる。
【0019】
複合材料層は機能層の誘電定数よりも低い誘電定数を有する。これにより複合材料層の領域の散乱容量は最小限に保たれる。
【0020】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層および複合材料層は上下方向に交互に積層される。この場合、複合材料層は電気モジュールの底部および上部を形成し、機能層は複合材料層の上下に被着される。
【0021】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、少なくとも1つの内部電極は機能層の内部または機能層に接して配置される。有利には、内部電極は電気モジュール内に設けられる。なぜなら、このようにすると、電気モジュールの容量値または抵抗値を特に正確にかつ簡単に調整できるからである。
【0022】
複数の内部電極はコンタクト手段を介してベースボディの表面の外部コンタクトに接続されている。コンタクト手段の例としてスルーコンタクトまたは導電性材料から成るワイヤが挙げられる。有利には、コンタクト手段は金属を含む材料によって充填される。この場合、セラミック材料にスルーホールが設けられて金属によって充填されるか、または、ビア構造が形成されて金属によって充填される。
【0023】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、少なくとも2つの内部電極から成る少なくとも1つの電極セットが機能層の内部または機能層に接して配置される。電極セットとは、共通の機能、例えば誘電体内または誘電体に接して電界を形成する機能を有する複数の電極の配列されたものであると理解されたい。また、積層体とは、相互に接続され、同じ電位を印加される複数の電極の積層されたものであると理解されたい。
【0024】
有利には、2つの内部電極は相互に対向しており、2つの内部電極のあいだの空間には機能層の材料が充填されている。こうした複数の内部電極セットは機能層の内部または機能層に接して並んで配置されている。電極のそれぞれのセットはコンタクト手段を介して相互にコンタクト可能である。また電気モジュールの容量値および抵抗値は特に正確に調整することができる。こうした構造により、機能層はバリスタセラミックを含み、電気モジュールはバリスタとなる。
【0025】
さらに、本発明によれば、前述した形式のセラミックの機能層、セラミックの複合材料層および複数の内部電極セットを含むセラミックベースボディを備えた電気モジュールが提供される。内部電極セットは共通の唯一のモノリシックセラミックベースボディ内に並んで配置される。各内部電極セットは有利には対応する外部端子に接続され、対応する外部端子およびセラミックベースボディとともに電気モジュールを形成する。それぞれの電気的な要素を多重に唯一の共通のベースボディに配置することにより、全体として電気モジュールと称されるようになる。
【0026】
有利には、電気モジュールの機能層と複合材料層とは相互に接する。ここでは、各層は上下方向に積層される。
【0027】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物との混合物を含み、これにより特に良好な機能層との焼結を達成可能である。
【0028】
本発明の有利な実施形態によれば、電気モジュールの所定の平面の異なる電位の2つの内部電極のあいだに所定の容量が形成される。内部電極が機能層内部に配置され、この機能層がバリスタセラミックを含む場合、バリスタ区間が内部電極間に形成される。特に、アース電極と内部電極とのあいだのバリスタ区間は外部コンタクトを介して電気モジュールに供給される信号を受け取る。機能層のアース電極は同じ層の他の内部電極に容量結合している。一般に内部電極はそれぞれ信号線路の機能を有する。
【0029】
本発明の有利な実施形態によれば、機能層の内部電極は隣接する内部電極に向かう脚部を有し、これにより所定の領域における2つの内部電極間の距離ひいては内部電極間の容量は最小化される。このことは相応の内部電極にコンタクトする外部コンタクト間の距離が定められている場合に有利である。電気モジュールの外側の構造が同じである場合または配線板とのコンタクトの条件が同じである場合でも、機能層の内部電極間の小さい容量が達成され、その際に外部コンタクト間の距離を変更する必要はない。
【0030】
電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層の内部電極は部分的に電気モジュールの内部へ延在し、その端部のみが外部コンタクトと接続されている。同じ機能層のうち異なる電位を有する内部電極はその大きさに関して有利には相互に調整されている。例えば機能層のアース電極は、隣接する他の電位の内部電極に比べて、電気モジュールの内部へ延在する深さが小さい。
【0031】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、複合材料層は内部電極を有する。これにより有利には内部電極は小さい散乱容量を形成するが、機能層の内部電極からの電流は流れる。これにより結合容量は低減される。
【0032】
複合材料層の少なくとも1つの内部電極は信号線路の機能を有し、アース電極ないしアース線路として、機能層のアース電極と同じ電位に接続されている。複合材料層の少なくとも1つの内部電極は有利には2つの内部電極間の結合容量を低減する。特に、複合材料層の少なくとも1つの内部電極は機能層のアース電極と他の内部電極とのあいだの結合容量を低減する。
【0033】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、各内部電極は複合材料層を完全に横断し、各端部で外部コンタクトに接続されている。
【0034】
電気モジュールの各内部電極は、機能層または複合材料層に接続されている内部電極であるかまたはこれらの層の内部に組み込まれた内部電極であるか否かにかかわらず、正方形、長方形、T字形、L字形、湾曲形またはメアンダ形のいずれの形状を有することもできる。有利には、当該の形状は機能層内部の内部電極の形状に近似するように選択され、これにより内部電極間の容量が低減される。例えば、L字状の内部電極は隣接する内部電極の脚部を介して同じ層に向かっていると有利である。ただし内部電極の他の形状も制限なしに用いることができる。
【0035】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層および/または複合材料層の複数の内部電極は等しい形状を有し、相互に相対的に鏡面対称の装置として配置される。
【0036】
機能層および/または複合材料層がドープされていれば、電気特性の値を正確に調整することができる。
【0037】
前述した電気モジュールは特に電気的フィルタとして使用される。本発明の電気モジュールは、コンピュータケーシングまたは移動電話機に、および/または、インパルス電圧ないし過電圧に対する電子機器の電気的な保護装置に適する。
【実施例】
【0038】
以下に前述した本発明の特徴を図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0039】
亜鉛酸化物を機能層の主成分とし、ジルコニウム酸化物を複合材料層の主成分として、交互に積層したセラミックベースボディについて試験を行った。このとき、ベースボディの焼結の際に2つの層の界面に亀裂や多孔面が生じたりベースボディが非焼結となったりした。
【0040】
焼結温度の大きな差によって、亜鉛酸化物および他の無機かつ非金属のセラミック材料、例えば二酸化ジルコニウムZrO2の焼損が発生し、セラミック材料を共通に焼結することが困難となることがわかった。
【0041】
しかし、ジルコニウム酸化物のうちガラス充填物質の成分がリッチになるにつれて、上述した効果が低減されたり阻止されたりすることも判明した。ここで、ジルコニウム酸化物にガラス充填物質を成分5重量%〜30重量%で添加することにより、2つの層のあいだに接着領域が形成され、2つのセラミック材料を同時に焼結することができた。
【0042】
焼結過程において添加されたガラス充填物質はセラミックの種々の膨脹度を補償するバッファ層として作用する。ここで、次のことがらが判明している。
(a)焼結過程での高温によって液化したガラスが種々の材料のあいだの空隙を充填する。これにより複合材料層と機能層とのあいだにガラス中間層が形成される。こうして中空室の形成は抑圧ないし阻止され、ベースボディの電気特性が損なわれることがなくなる。ガラスは高温のもとでは可塑性を有するので、成形により各層のあいだの応力を低下させることもできる。
(b)中程度の温度であっても、種々の層のあいだに平滑面を形成するガラスの可塑性は充分に得られる。これにより、焼結過程において各層のあいだの応力を低下させるための機械的手段が形成される。
(c)焼結過程後のベースボディの冷却過程における低温のもとでは、ガラスは安定であり、複合材料層に亀裂は生じない。
【0043】
複合材料層は小さな誘電定数を有しており、ベースボディの散乱容量を低下させる。
【0044】
ガラス充填物質とジルコニウム酸化物との混合物である複合材料層が用いられる。ここで、有利には、ガラス成分は5重量%〜30重量%である。残りの成分は主成分としてのジルコニウム酸化物と少量の有機物とに対応する。当該の層には、適用分野および所望の容量ないし導電性に応じて、Mg,Sb,BまたはAlがドープされる。
【0045】
ガラス充填物質は有利にはホウケイ酸亜鉛またはケイ酸アルミニウムを含む。ジルコニウム酸化物および亜鉛酸化物を含むケイ酸塩は良好な調和性ないし安定性を有し、複合材料層および機能層の電気特性は化学反応によってほとんど影響を受けない。次のような組成の材料が考慮される。すなわち、Na2O.Al2O3.B2O3.SiO2,Na2O.BaO.SiO2,ZnO.B2O3.SiO2,SiO2.BaO.B2O3,Bi2O3.B2O3,B2O3.ZnO.Bi2O3,B2O3.ZnO,SiO2.B2O3.ZnO,B2O3.ZnO,SiO2.B2O3.ZnOである。
【0046】
ジルコニウム酸化物を含む組成により、複合材料層は特に高い熱耐性を有する。したがって、こうした複合材料層を用いると、インパルス電流ないし高電圧が印加される場合にもバリスタが急激に加熱されて裂傷することがないという利点が得られる。このことは特に、複合材料層をベースボディのカバー層として実現する場合に良く当てはまる。
【0047】
機能層セラミックはバリスタセラミックを含むことができ、この場合、ベースボディはバリスタのベースボディとなる。バリスタセラミックは有利には亜鉛酸化物を含むが、Bi,Pr,Sbなどのドープ物質をドープしてバリスタセラミックの絶対誘電率を増大または低減することもできる。ただし、機能層セラミックは、セラミックの多層コンデンサまたはNTCモジュールまたはPTCモジュールに適した他の材料を含んでもよい。
【0048】
図1のa〜dには電気モジュールのベースボディ1が示されている。ここで、第1の層1aは機能層であり、機能層セラミックを含む。機能層は、その上下で、機能層よりも小さな誘電定数を有する複合材料層1bに接する。複合材料層は有利にはパシベーション層である。各層は上下方向に交互に配置され、協働してサンドウィッチ構造を形成する。
【0049】
図1のaには機能層1aが小さい誘電定数を有する2つの複合材料層のあいだに配置される様子が示されている。
【0050】
図1のbには2つの機能層1aのそれぞれの上下に小さな誘電定数を有する複合材料層1bが接している形態のベースボディが示されている。
【0051】
図1のcには図1のbのベースボディから最下方の複合材料層1bが外され、機能層1aがベースボディの底部をなしている形態のベースボディが示されている。
【0052】
図1のdには2つの複合材料層1bのそれぞれの上下に機能層1aが接している形態のベースボディが示されている。この場合には2つの機能層がそれぞれベースボディの上部および底部をなしている。
【0053】
図1のeには外部コンタクト4によって側面をカバーされたセラミックベースボディが示されている。こうした外部コンタクト4は図1のa〜dに示されているベースボディに被着することもできる。外部コンタクト4のほか、ベースボディの内部には電極2が配置されている。ここで、有利には、機能層1aに線路ないし電極が埋め込まれる。ただし、線路を少なくとも部分的に複合材料層1b内に配置し、結合容量を複数の線路間の複合材料層の分離特性により小さく保持することもできる。
【0054】
ベースボディの製造過程は有利には次のように進行する。
【0055】
1.複合材料層として、有利にはドープされたジルコニウム酸化物の混合物が用意される。最も有利な実施例ではこの混合物は粉末状物質として用意される。当該の混合物には、ガラス充填物質が5重量%〜70重量%、有利には5重量%〜30重量%の成分で添加される。機能層に対しても同様に、有利にはドープされたセラミック混合物が用意される。この混合物は亜鉛酸化物またはその他の適切な材料から成る。
【0056】
2.粉末状物質は接着剤により結合の緩いグリーンシートとして成形され、続いて乾燥される。接着剤はここでは水および有機材料を含む。
【0057】
3.乾燥されたグリーンシートは必要に応じて上下方向に積層され、多層のグリーンベースボディが形成される。
【0058】
4.必要であれば、電極およびコンタクト手段がセラミック層上に圧着されるか、セラミック層内に挿入される。有利には、電極は、薄膜技術またはプレス技術により、積層体状に被着されるか、櫛状に相互に噛み合った状態で、所望の層上に被着される。適切な電極材料は例えばニッケルまたは銅である。
【0059】
5.ベースボディは低減された雰囲気または低減されていない雰囲気において焼結され、ここで接着剤、特にその有機成分が気化される。ガラス充填成分は焼結過程により種々のセラミック層間のバッファ層を形成し、これにより亀裂を生じることなく焼結を行うことができる。
【0060】
5a.グリーンベースボディを電極ないしコンタクト手段とともにまたはこれらなしで焼結する際には、セラミック層の有機成分を気化させるために次に挙げる第1の特性が用いられる。まずグリーンベースボディを1minごとに5℃刻みで100℃まで加熱し、次に1minごとに0.2℃〜0.5℃刻みで450℃まで加熱し、さらに1minごとに5℃〜10℃刻みで880℃まで加熱する。880℃で15min〜1hにわたって保持し、その後−5℃〜−15℃で冷却して室温まで戻す。
【0061】
5b.続く焼結過程については、ベースボディのセラミック層を共通に焼結するために次に挙げる第2の特性が用いられる。ここでは、まずグリーンベースボディを1minごとに1℃〜4℃刻みで1000℃〜1100℃まで加熱し、1000℃〜1100℃で180min〜240min保持し、その後−1℃〜4℃で冷却して室温まで戻す。
【0062】
5c.焼結特性は場合によりベースボディ内に存在する電極ないしコンタクト手段の溶融温度に基づいて探索される。ここで、有利には、焼結温度は電極ないしコンタクト手段の溶融温度より下方に選定される。
【0063】
6.このようにして得られた焼結されたベースボディには、有利には、金属の外部コンタクト層が全面にわたって設けられる。ただしこのステップはベースボディのダイシング(ステップ7)の後に行ってもよい。
【0064】
7.適用分野に応じて、焼結されたベースボディは外部コンタクト層の設けられる前またはその後に個別化される。例えば、ベースボディは複数の電極積層体のユニットにより定義されるパターンにしたがってダイシングされる。ダイシング後には複数の内部電極セットから成るモジュールが得られ、内部電極のセットは外部コンタクトとともに個々の電気モジュールの機能、例えばバリスタとしての機能を生じる。また、このようなモジュールでは前述したステップにおいて外部コンタクトを設けずに、所望のパターンによって外部コンタクトを形成することもできる。
【0065】
図2のaには外部コンタクト4およびセラミック層1a,1bから成るモノリシックセラミックベースボディ1を備えたバリスタVの斜視図が示されている。バリスタは有利には1pFよりも小さい低容量を有するSMDバリスタである。
【0066】
バリスタVのうち破線で示されている平面を上から見た図が図2のbに示されている。複数の内部電極2、有利には4つの内部電極が機能層1a内に設けられており、コンタクト手段3を介して対応する外部コンタクト4へコンタクトされている。
【0067】
前述した4つの内部電極2は、有利には、一方側では複合材料層1bに面状に接合されており、他方側では機能層1a内に埋め込まれている。このようにして2組の内部電極2がベースボディに配置される。ここで、各対において第1の内部電極は第2の内部電極に対向して配置され、1対の内部電極間の空間は機能層1aによって充填される。
【0068】
機能層内部にさらなる内部電極を配置して、1セット当たり2つより多い内部電極を有する複数の内部電極セットを形成することもできる。1つのセットの内部電極どうしはコンタクト手段3を介して相互に接続される。
【0069】
1つまたは複数の内部電極と外部コンタクトとのコンタクトを行うコンタクト手段の例として、金属のスルーコンタクト3が挙げられる。このスルーコンタクトは銀、銀パラジウム、銀白金または純白金によって充填される。各スルーコンタクトは少なくとも部分的に複合材料層1bを通って延在し、これにより結合容量は電気モジュール内の複数のスルーコンタクトにより著しく低減される。
【0070】
図3のa〜cには電気モジュールを種々の方向から見た斜視図が示されている。電気モジュールはセラミックベースボディを有しており、このセラミックベースボディは種々の材料から成る複数のセラミック層を有する。ここでは機能層が複合材料層に接しており、複数の内部電極が共通のセラミックベースボディ内で並んで配置されている。有利には、複合材料層は機能層よりも低い誘電定数を有し、ジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む。これによりセラミックベースボディは良好にモノリシックボディとして焼結される。
【0071】
機能層としてバリスタセラミックが用いられる場合、電気モジュールはバリスタモジュールと称される。同様のことが冒頭に言及した他のセラミック材料についても当てはまる。
【0072】
図3のaには、ベースボディの表面に正方形状に均等に複数の外部コンタクト4が設けられることが示されている。電気モジュールの実装の際に配線板に向かう表面は有利にはベースボディの下面である。ベースボディの前述の表面のうち外部コンタクトの配置された個所の中央には、共通のアースコンタクトGNDが配置されている。各外部コンタクトにははんだバンプ5が設けられる。
【0073】
図3のbには図3のaの電気モジュールEMの断面図が示されている。ここで、断面は図3のaに示されている破線で切断した面に相応する。各外部コンタクト4またはアースコンタクトGNDには複合材料層1bを通って延在するスルーコンタクト3が接続されており、このスルーコンタクト3は1つまたは複数の内部電極2にコンタクトしている。スルーコンタクトを介してこれらのコンタクトと内部電極とは相互に接続される。複数の内部電極セットは3つの内部電極から成り、個々の内部電極は唯一の機能層1aに埋め込まれている。各内部電極セットの内部電極はスルーコンタクト3を介して外部コンタクト4にコンタクトしており、セラミック層と協働して電気モジュールを形成している。これにより複数の電気モジュールを共通のベースボディに並べて配置することができる。機能層がバリスタセラミックを含む場合、バリスタモジュールが製造される。これに代えて、コンデンサセラミックが機能層として用いられる場合、内部電極セットは個々の内部電極と相互に櫛状に重なり合い、反対の極性でチャージされるように、セラミックの多層コンデンサが製造される。相互に重なり合う内部電極の複数のセットは直接に外部コンタクトに接続されるかまたは間接的にコンタクト手段を介して外部コンタクトへ接続される。内部電極セットは共通のセラミックベースボディと協働して複数のコンデンサから成る装置を形成し、これによりセラミックコンデンサモジュールが製造される。
【0074】
このようにして、バリスタモジュールまたはコンデンサモジュールは全体として5つのバリスタまたはコンデンサと共通の1つのモノリシックベースボディとを有する。ここで、バリスタまたはコンデンサは全てのバリスタまたは全てのコンデンサに対する共通のアースGNDの形態の外部コンタクトを有する。
【0075】
図3のcには上方から電気モジュールEMの表面を通して見たときの透過図が示されている。ここには、電気モジュールの下面に配置されたアースGNDに対する十字形の外部コンタクトが示されている。同じ下面には十字形のアース電極GNDのほかにバリスタまたはコンデンサの外部コンタクト4がはんだバンプ5とともに対称に配置されている。図示されている破線の丸は内部電極2の断面とそこに存在するはんだバンプ5の周を表している。また、小さい中黒の丸はバリスタまたはコンデンサのスルーコンタクト3の断面を表している。外部コンタクト4ははんだバンプと合同の面を有するので、外部コンタクトはこの図には示されていない。
【0076】
図4には2つの複合材料層とそのあいだに存在する機能層とを有する多層のセラミックベースボディの焼損の度合ΔLを複合材料層1b内のガラス充填物質の成分GAに対して表したグラフが示されている。複合材料層にガラス充填物質が添加されない場合、セラミックベースボディの焼結により、ベースボディのラテラル方向の広がりに基づいて測定される焼損は約20%に達する。焼損は複合材料層に添加されるガラス充填物質が増大するにつれてほぼ線形に低下している。ガラス充填物質の分量が40重量%であるとき、セラミックベースボディの焼損は約9%となっている。
【0077】
図5には、ジルコニウム酸化物を含む複合材料層内に種々のガラス充填物質の成分(これをZ−G値とする)を備えたバリスタA〜Dの容量とガラス充填物質成分を含まない基準バリスタRの容量とを比較したグラフが示されている。全てのバリスタのセラミックボディは約1000℃で焼結されている。バリスタはそれぞれ電極の積層体を有する。ここで、それぞれ電極間の距離の異なる種々のバリスタの試験が行われた。電極間の距離は焼結後のセラミックボディにおいて0.4mmまでに低下する。もともとの電極間の距離が例えば0.12mmである場合、焼結後の実際の距離は約0.08mmとなる。
【0078】
基準バリスタRではZ−G値は0%である。この基準バリスタRの容量は電圧約68Vのもとで2.3pFである。
【0079】
バリスタAではZ−G値は60%であり、その容量は約0.6pFである。
【0080】
バリスタBではZ−G値は40%であり、その容量は変更された電圧のもとで約0.6pFである。
【0081】
バリスタCではZ−G値は20%である。バリスタCの容量は電圧約115Vで約0.78pFである。
【0082】
バリスタDではZ−G値は5%である。バリスタDの容量は電圧約116Vで約1pFである。
【0083】
ここから、一般に、ジルコニウムの混合物におけるガラス充填物質の成分が増大するにつれて、容量が小さくなることが見て取れる。
【0084】
当明細書においては、特に電気モジュールの全ての実施例において、機能層に例えばBi,PRまたはSbなどをドープすることができる。ここで、機能層のセラミック、例えばバリスタセラミックにはこれらの材料がドープされる。複合材料層にも同様にMg,Sb,BまたはAlなどをドープすることができる。この場合には特にジルコニウム酸化物とガラスとの混合物にこれらの材料がドープされる。
【0085】
図6には電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図9に位置が示されている。この断面図により、複数の層、特に異なる組成の3つの層が上下に積層されることが示されている。ここには平面II,III,IVが示されている。平面IIは上方の複合材料層1b内の平面であり、平面IIIは中央の機能層1a内の平面であり、平面IVは下方の第2の複合材料層1b内の平面である。ここでは、中央の機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。下方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、中央の機能層1aの中ほどの内部電極の下方に直接に位置する。
【0086】
図7には図6,図8,図9,図10の電気モジュールの斜視図が示されている。ここからは電気モジュールの側面に配置された複数の外部コンタクト4、特に3つの外部コンタクトが見て取れる。これらの外部コンタクトは、特に上下方向に配置された、同じ電位を有する複数の内部電極のそれぞれにコンタクトしている。同じ数の外部コンタクトが電気モジュールの対向する側面にも配置される。また、外部コンタクトを図示の外部コンタクトを有する側面に対して垂直に延在する端面に配置することもできる。
【0087】
図8には図6の内部電極を有さない上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物から成る。
【0088】
図9には図6の機能層1aの平面IIIが示されており、平面IIIに存在する内部電極の平面的な寸法またはジオメトリが表されている。2つのT字形の内部電極は相互に対称に配置されており、ここで第1の対称軸線は端面に沿って内部電極のあいだを通り、第2の対称軸線はそれぞれの内部電極のT字の幹の部分を通っている。内部電極のT字の幹の部分の端部は電気モジュールないしその機能層の表面に通じており、例えば図7に示されている外部コンタクトにコンタクトしている。T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。T字形の内部電極のほか、長方形の内部電極も配置されている。この長方形の内部電極の一方の端部は電気モジュールの表面へ通じており、外部コンタクト4にコンタクトしている。内部電極の他方の端部は電気モジュールの内側へ向かい、そこで終端している。内部電極の長さはT字形電極の長さに相応する。長方形の内部電極は、信号線路として、例えば無線信号を伝送するために構成されており、隣接して配置されているアース電極へ容量結合されている。これは所定の応答電流ないし応答電圧を上回る信号の導出線として動作する。機能層が前述した形態のバリスタセラミックを有する場合、T字形アース電極と隣接する長方形の内部電極の平面とのあいだにバリスタ区間が形成される。バリスタ区間により、例えばインパルス電流、過電圧、所定の周波数領域の内部、下方または上方の信号が制御された状態で橋絡され、アース電極から導出される。
【0089】
T字形の形状により、この内部電極と同じ平面において隣接する長方形の内部電極とのあいだの結合容量が低減される。T字形の形状に代えて他の形状を用いることもできる。特に、他の形状を採用して、同じ平面において異なる電位を有する隣接の内部電極どうしの境界のあいだの距離を低減することができる。この場合、L字形を利用することが考えられる。
【0090】
図10には図6の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。当該の複合材料層は内部電極2を有しており、この内部電極は、信号線路またはアース線路として平面IVを横断し、その端部が外部コンタクト4に接続されている。ここでの外部コンタクトは機能層1aのT字形の内部電極に接続されているのと同じ外部コンタクトである。機能層のT字形の内部電極を通って流れる電流は下方の複合材料層1bのアース線路により小さな散乱容量を有する。
【0091】
図11には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図14に位置が示されている。断面図により、複数の層、特に異なる組成の3つの層が上下に積層されて示されている。ここには平面II,III,IVが示されている。平面IIは上方の複合材料層1b内の平面であり、平面IIIは中央の機能層1a内の平面であり、平面IVは下方の第2の複合材料層1b内の平面である。機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する1つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。上方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、機能層1aの左方の長方形の内部電極の上方に直接に位置する。下方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、機能層1aの右方の長方形の内部電極の下方に直接に位置する。
【0092】
図12には図11,図13,図14,図15の電気モジュールの斜視図が示されている。外部コンタクト4は図7に則して説明したのと同様に構成されている。
【0093】
図13には図11の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。内部電極ないし信号線路2は左方に設けられており、この平面を完全に横断し、その端部は同じ電位の外部コンタクト4にコンタクトしている。複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物から成る。
【0094】
図14には図11の機能層1aの平面IIIが示されている。2つのT字形の内部電極は、図9に則して説明した実施例と同様に、相互に対称に配置されている。この場合にも、T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。それぞれのT字形の内部電極のほか、図9に則して説明した長方形の内部電極も配置されている。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例での信号の導出に相応する。機能層1aの左方の内部電極2は複合材料層の信号線路2と協働する。これにより、小さな散乱容量が生じ、左方の長方形の内部電極を通る電流が機能層1aの信号線路にも流れる。
【0095】
図15には図11の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。当該の複合材料層は内部電極2を有しており、この内部電極は信号線路として平面IVを横断し、その端部が外部コンタクト4に接続されている。ここでの外部コンタクトは機能層1aの右方の内部電極に接続されているのと同じ外部コンタクト2である。機能層1aの右方の長方形の内部電極を通る電流は下方の複合材料層1bの信号線路により小さな散乱容量で流れる。
【0096】
図16には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図19に位置が示されている。中央の機能層1a内の平面IIIに存在する3つの内部電極と上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極2とが示されている。下方の複合材料層1bないしその平面IVは内部電極を有さない。
【0097】
図17には図16,図18,図19,図20の電気モジュールの斜視図が示されている。電気モジュールの外部コンタクト4は図7に則して説明したように構成される。
【0098】
図18には図16の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここでは内部電極ないし信号線路2は左方および右方に配置されている。2つの信号線路は当該の平面を完全に横断しており、その端部は同じ電位の外部コンタクト4にコンタクトしている。
【0099】
図19には図16の機能層1aの平面IIIが示されている。2つのT字形の内部電極は、図9に則して説明した実施例とは異なり、相互に鏡面対称に配置されている。この場合にも、T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。それぞれのT字形の内部電極とならんで、両側に長方形の内部電極が配置されている。この場合、左方に配置された内部電極と右方に配置された内部電極とは相互に鏡面対称に配置されている。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例における信号の導出に相応する。機能層がバリスタセラミックを有する場合、この実施例によれば、2つのバリスタ区間がT字形のアース電極の全ての側に設けられる。これによりインパルス電圧を制御された状態で逃がすことができるだけでなく、唯一の側面を介して複数の信号を電気モジュールへ供給し、同時にこれを処理することができる。したがって双方向の構造が形成される。左方に存在する2つの長方形の内部電極を流れる電流は、長方形の内部電極の上方に少なくとも部分的に直交して延在する複合材料層1bの信号線路を通る。同様のことが電気モジュールの平面IIIの右方の電極にも当てはまる。
【0100】
図20には平面IVに内部電極の設けられていない電気モジュールの下方の複合材料層1bが示されている。電気モジュール1は例えばその複合材料層の下面側が配線板へ実装され、配線板または配線板に基づく電磁場の散乱容量がアクティブとなっている機能層ないしアクティブとなっている上方の複合材料層に達しにくくなっている。このようにして電気モジュールによって処理される信号の障害が小さくなり、配線板がインパルス電圧作用から効果的に保護される。
【0101】
図21には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図24に位置が示されている。ここには、中央の機能層1a内の平面IIIに存在する1つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVの2つの内部電極2とが示されている。
【0102】
図22には図21,図23,図24,図25の電気モジュールの斜視図が示されている。外部コンタクト4は図7に則して説明したのと同様に構成されている。
【0103】
図23には図21の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここでは内部電極ないし信号線路2は左方および右方に配置されている。2つの信号線路は当該の平面を完全に横断しており、その端部は同じ電位の外部コンタクト4およびこれに接続された信号線路にコンタクトしている。
【0104】
図24には図21の機能層1aの平面IIIが示されている。アース電極ないしアース線路の形態の1つのT字形の内部電極2が示されており、T字の幹の部分の端部は外部コンタクト4とコンタクトして、電気モジュールの側面へ通じている。幹の部分およびこれに垂直な梁の部分を有するT字形のアース電極の対向側には、2つの長方形の内部電極が所定の距離を置いて配置されている。長方形の内部電極の端部は外部コンタクトにコンタクトしている。外部コンタクトはアース電極に接続された外部コンタクトに接続され、電気モジュールの対向する側面に配置されている。長方形の内部電極は、少なくとも部分的に正射影により、上方の複合材料層1bの相応の側方に配置された信号線路の下方に配置される。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例の信号の導出に相応する。この場合、アース電極と長方形の内部電極とのあいだに2つの容量性の領域が形成される。
【0105】
図25には図21の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。下方の複合材料層は上方の複合材料層と同様に構成されている。このことは、電気モジュールの3つの層に存在する左方の全ての信号線路が共通の第1の外部コンタクトへ接続され、電気モジュールの3つの層に存在する右方の全ての信号線路が共通の第2の外部コンタクトへ接続されることを意味する。電気モジュールの右方または左方へ供給される信号は唯一のアース線路に接続されたそれぞれ3つの線路を介して流れる。
【0106】
図26には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図29に位置が示されている。中央の機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。
【0107】
図27には図26,図28,図29,図30の電気モジュールの斜視図が示されている。条片状の外部コンタクト4は図7に則して説明したように構成されており、内部電極にコンタクトしている。
【0108】
図28には図26の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここには電気モジュールの右方および左方に配置された2つの内部電極ないし信号線路が示されている。これらの電極は複合材料層をラテラル方向で完全に横断しており、その端部は外部コンタクト4にコンタクトしている。
【0109】
図29には図26の電気モジュールの中央の機能層1aの平面IIIが示されている。内部電極、信号線路ないしT字形のアース電極の構造、配置および機能は図9に即して説明した実施例に相応する。
【0110】
図30には図26の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。内部電極2ないし信号線路は平面IVをラテラル方向に完全に横断しており、機能層1aのT字形のアース電極と同様に外部コンタクト4にコンタクトしている。このことは、下方の複合材料層の唯一の信号線路が、小さな散乱容量のもとで共通の機能層1aのアース電極とともに信号ないし電流を担持して、安全に動作できることを意味する。
【符号の説明】
【0111】
1 セラミックベースボディ、 1a ベースボディの第1の層、 1b ベースボディの第2の層、 2 内部電極、 3 コンタクト手段、 4 外部電極、 5 はんだバンプ、 EM 電気モジュール、 I 電気モジュールの第1の平面、 II 電気モジュールの第2の平面、 III 電気モジュールの第3の平面、 IV 電気モジュールの第4の平面
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の材料から成るセラミック層を備えた電気モジュール、ならびに、複数の電極セットの配置された唯一のセラミックベースボディを有する電気モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
独国出願第19931056号明細書から、低い容量を有する内部電極を備えた多層コンデンサが公知である。
【0003】
独国出願第10136545号明細書から内部に配置された電極を備えたセラミック多層コンデンサが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国出願第19931056号明細書
【特許文献2】独国出願第10136545号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決すべき課題は、複数のセラミック材料を含み、モノリシックボディとして焼結可能なベースボディを備えた電気モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、電気モジュールが複数のセラミック層を有しており、ここで、機能層が複合材料層に接しており、複合材料層がジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む電気モジュールにより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】a〜dはセラミックベースボディの層構造、eはa〜dの内部電極の集積されたセラミックベースボディを備えた電気モジュールを示す図である。
【図2】バリスタの斜視図である。
【図3】電気モジュールの斜視図である。
【図4】ベースボディのガラス成分に対するバリスタの焼損の度合を表すグラフである。
【図5】ベースボディのガラス成分に対するバリスタの容量の低下の度合を表すグラフである。
【図6】第1の電気モジュールの断面図である。
【図7】第1の電気モジュールの斜視図である。
【図8】第1の電気モジュールの断面図である。
【図9】第1の電気モジュールの断面図である。
【図10】第1の電気モジュールの断面図である。
【図11】第2の電気モジュールの断面図である。
【図12】第2の電気モジュールの斜視図である。
【図13】第2の電気モジュールの断面図である。
【図14】第2の電気モジュールの断面図である。
【図15】第2の電気モジュールの断面図である。
【図16】第3の電気モジュールの断面図である。
【図17】第3の電気モジュールの斜視図である。
【図18】第3の電気モジュールの断面図である。
【図19】第3の電気モジュールの断面図である。
【図20】第3の電気モジュールの断面図である。
【図21】第4の電気モジュールの断面図である。
【図22】第4の電気モジュールの斜視図である。
【図23】第4の電気モジュールの断面図である。
【図24】第4の電気モジュールの断面図である。
【図25】第4の電気モジュールの断面図である。
【図26】第5の電気モジュールの断面図である。
【図27】第5の電気モジュールの斜視図である。
【図28】第5の電気モジュールの断面図である。
【図29】第5の電気モジュールの断面図である。
【図30】第5の電気モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の電気モジュールは、有利には、唯一の信号パラメータを受け取って所定の印加電圧のもとで相応の電流を形成するかまたは所定の電流のもとで相応の電圧を形成することにより受動的に作用する。補助エネルギ、例えば電流供給の形態で供給されるエネルギは必要ない。
【0009】
複合材料層は有利にはパシベーション層、絶縁層および/または電気的分離層として用いられる。このようにすれば機能層は外部影響から保護される。コンタクト手段が複合材料層に含まれる場合、コンタクト手段と複合材料層とのあいだの結合容量は複合材料層の分離特性により低減される。
【0010】
また複合材料層は機能層の寄生容量の低減または調整のための手段として作用する。これにより電気モジュールの実装される配線板への影響が低減されるかまたは調整される。
【0011】
有利には、複合材料層はジルコニウム酸化物を含む。なぜなら、ジルコニウム酸化物は他の材料、例えば機能層の材料とほとんど反応せず、種々の層の焼結後の電気モジュールの電気特性が相互に調整可能となるかまたは明確に予測可能となるからである。これにより電気的な特性曲線の調整が容易となる。ガラス充填物質を含む複合材料層により、機能層の界面の領域における不規則性、例えば亀裂などの形成が低減される。こうして電気モジュールの電気的な特性曲線の調整が簡単化される。
【0012】
複合材料層のガラス充填物質は有利にはホウケイ酸亜鉛(Zn−B−Si)またはケイ酸アルミニウムを含む。
【0013】
機能層は機能層セラミックを含み、有利には複合材料層の誘電定数よりも高い誘電定数を有する。機能層セラミックはバリスタセラミック、コンデンサセラミック、NTCセラミックまたはPTCセラミックを含む。
【0014】
バリスタセラミックの主成分としてZnOを用いると有利である。またSiCを用いることもできる。バリスタとして電気モジュールは有利にはインパルス電圧の安定化、電圧の制限または過電圧保護のために用いられる。
【0015】
コンデンサセラミックは主成分として有利には無機、非金属かつ多結晶の物質、例えばTiO2(COG)または強誘電性のBaTiO3(X7RまたはZ5U)を含む。なおこの場合阻止層は設けても設けなくてもよい。コンデンサ、特にセラミックの多層コンデンサとして、本発明の電気モジュールは、制御技術、データ技術、通信技術、電源部、自動車エレクトロニクスなどに用いられる。
【0016】
NTCセラミックの主成分として、Fe3O4,Fe2O3,NiOまたはCoOなどが適している。NTCセラミックを備えた機能層を含む電気モジュールは有利には温度センサの検出器として使用される。これに代えて、NTCセラミックを、流速を調整するため、ならびに、保護ないし補償のために用いることもできる。
【0017】
PTCセラミックの主成分として、BaTiO3またはSrTiO3などが適している。PTCセラミックを備えた機能層を含む電気モジュールは有利には温度センサ、サーモスタットまたは電流安定化装置の要素として使用される。
【0018】
複合材料層および機能層は有機接着剤と混合されてスラリーが形成され、このスラリーが後に処理されてグリーンシートとなる。それぞれの層の焼結の際に接着剤の気化が生じる。
【0019】
複合材料層は機能層の誘電定数よりも低い誘電定数を有する。これにより複合材料層の領域の散乱容量は最小限に保たれる。
【0020】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層および複合材料層は上下方向に交互に積層される。この場合、複合材料層は電気モジュールの底部および上部を形成し、機能層は複合材料層の上下に被着される。
【0021】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、少なくとも1つの内部電極は機能層の内部または機能層に接して配置される。有利には、内部電極は電気モジュール内に設けられる。なぜなら、このようにすると、電気モジュールの容量値または抵抗値を特に正確にかつ簡単に調整できるからである。
【0022】
複数の内部電極はコンタクト手段を介してベースボディの表面の外部コンタクトに接続されている。コンタクト手段の例としてスルーコンタクトまたは導電性材料から成るワイヤが挙げられる。有利には、コンタクト手段は金属を含む材料によって充填される。この場合、セラミック材料にスルーホールが設けられて金属によって充填されるか、または、ビア構造が形成されて金属によって充填される。
【0023】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、少なくとも2つの内部電極から成る少なくとも1つの電極セットが機能層の内部または機能層に接して配置される。電極セットとは、共通の機能、例えば誘電体内または誘電体に接して電界を形成する機能を有する複数の電極の配列されたものであると理解されたい。また、積層体とは、相互に接続され、同じ電位を印加される複数の電極の積層されたものであると理解されたい。
【0024】
有利には、2つの内部電極は相互に対向しており、2つの内部電極のあいだの空間には機能層の材料が充填されている。こうした複数の内部電極セットは機能層の内部または機能層に接して並んで配置されている。電極のそれぞれのセットはコンタクト手段を介して相互にコンタクト可能である。また電気モジュールの容量値および抵抗値は特に正確に調整することができる。こうした構造により、機能層はバリスタセラミックを含み、電気モジュールはバリスタとなる。
【0025】
さらに、本発明によれば、前述した形式のセラミックの機能層、セラミックの複合材料層および複数の内部電極セットを含むセラミックベースボディを備えた電気モジュールが提供される。内部電極セットは共通の唯一のモノリシックセラミックベースボディ内に並んで配置される。各内部電極セットは有利には対応する外部端子に接続され、対応する外部端子およびセラミックベースボディとともに電気モジュールを形成する。それぞれの電気的な要素を多重に唯一の共通のベースボディに配置することにより、全体として電気モジュールと称されるようになる。
【0026】
有利には、電気モジュールの機能層と複合材料層とは相互に接する。ここでは、各層は上下方向に積層される。
【0027】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物との混合物を含み、これにより特に良好な機能層との焼結を達成可能である。
【0028】
本発明の有利な実施形態によれば、電気モジュールの所定の平面の異なる電位の2つの内部電極のあいだに所定の容量が形成される。内部電極が機能層内部に配置され、この機能層がバリスタセラミックを含む場合、バリスタ区間が内部電極間に形成される。特に、アース電極と内部電極とのあいだのバリスタ区間は外部コンタクトを介して電気モジュールに供給される信号を受け取る。機能層のアース電極は同じ層の他の内部電極に容量結合している。一般に内部電極はそれぞれ信号線路の機能を有する。
【0029】
本発明の有利な実施形態によれば、機能層の内部電極は隣接する内部電極に向かう脚部を有し、これにより所定の領域における2つの内部電極間の距離ひいては内部電極間の容量は最小化される。このことは相応の内部電極にコンタクトする外部コンタクト間の距離が定められている場合に有利である。電気モジュールの外側の構造が同じである場合または配線板とのコンタクトの条件が同じである場合でも、機能層の内部電極間の小さい容量が達成され、その際に外部コンタクト間の距離を変更する必要はない。
【0030】
電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層の内部電極は部分的に電気モジュールの内部へ延在し、その端部のみが外部コンタクトと接続されている。同じ機能層のうち異なる電位を有する内部電極はその大きさに関して有利には相互に調整されている。例えば機能層のアース電極は、隣接する他の電位の内部電極に比べて、電気モジュールの内部へ延在する深さが小さい。
【0031】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、複合材料層は内部電極を有する。これにより有利には内部電極は小さい散乱容量を形成するが、機能層の内部電極からの電流は流れる。これにより結合容量は低減される。
【0032】
複合材料層の少なくとも1つの内部電極は信号線路の機能を有し、アース電極ないしアース線路として、機能層のアース電極と同じ電位に接続されている。複合材料層の少なくとも1つの内部電極は有利には2つの内部電極間の結合容量を低減する。特に、複合材料層の少なくとも1つの内部電極は機能層のアース電極と他の内部電極とのあいだの結合容量を低減する。
【0033】
本発明の電気モジュールの別の実施形態によれば、各内部電極は複合材料層を完全に横断し、各端部で外部コンタクトに接続されている。
【0034】
電気モジュールの各内部電極は、機能層または複合材料層に接続されている内部電極であるかまたはこれらの層の内部に組み込まれた内部電極であるか否かにかかわらず、正方形、長方形、T字形、L字形、湾曲形またはメアンダ形のいずれの形状を有することもできる。有利には、当該の形状は機能層内部の内部電極の形状に近似するように選択され、これにより内部電極間の容量が低減される。例えば、L字状の内部電極は隣接する内部電極の脚部を介して同じ層に向かっていると有利である。ただし内部電極の他の形状も制限なしに用いることができる。
【0035】
本発明の電気モジュールの有利な実施形態によれば、機能層および/または複合材料層の複数の内部電極は等しい形状を有し、相互に相対的に鏡面対称の装置として配置される。
【0036】
機能層および/または複合材料層がドープされていれば、電気特性の値を正確に調整することができる。
【0037】
前述した電気モジュールは特に電気的フィルタとして使用される。本発明の電気モジュールは、コンピュータケーシングまたは移動電話機に、および/または、インパルス電圧ないし過電圧に対する電子機器の電気的な保護装置に適する。
【実施例】
【0038】
以下に前述した本発明の特徴を図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0039】
亜鉛酸化物を機能層の主成分とし、ジルコニウム酸化物を複合材料層の主成分として、交互に積層したセラミックベースボディについて試験を行った。このとき、ベースボディの焼結の際に2つの層の界面に亀裂や多孔面が生じたりベースボディが非焼結となったりした。
【0040】
焼結温度の大きな差によって、亜鉛酸化物および他の無機かつ非金属のセラミック材料、例えば二酸化ジルコニウムZrO2の焼損が発生し、セラミック材料を共通に焼結することが困難となることがわかった。
【0041】
しかし、ジルコニウム酸化物のうちガラス充填物質の成分がリッチになるにつれて、上述した効果が低減されたり阻止されたりすることも判明した。ここで、ジルコニウム酸化物にガラス充填物質を成分5重量%〜30重量%で添加することにより、2つの層のあいだに接着領域が形成され、2つのセラミック材料を同時に焼結することができた。
【0042】
焼結過程において添加されたガラス充填物質はセラミックの種々の膨脹度を補償するバッファ層として作用する。ここで、次のことがらが判明している。
(a)焼結過程での高温によって液化したガラスが種々の材料のあいだの空隙を充填する。これにより複合材料層と機能層とのあいだにガラス中間層が形成される。こうして中空室の形成は抑圧ないし阻止され、ベースボディの電気特性が損なわれることがなくなる。ガラスは高温のもとでは可塑性を有するので、成形により各層のあいだの応力を低下させることもできる。
(b)中程度の温度であっても、種々の層のあいだに平滑面を形成するガラスの可塑性は充分に得られる。これにより、焼結過程において各層のあいだの応力を低下させるための機械的手段が形成される。
(c)焼結過程後のベースボディの冷却過程における低温のもとでは、ガラスは安定であり、複合材料層に亀裂は生じない。
【0043】
複合材料層は小さな誘電定数を有しており、ベースボディの散乱容量を低下させる。
【0044】
ガラス充填物質とジルコニウム酸化物との混合物である複合材料層が用いられる。ここで、有利には、ガラス成分は5重量%〜30重量%である。残りの成分は主成分としてのジルコニウム酸化物と少量の有機物とに対応する。当該の層には、適用分野および所望の容量ないし導電性に応じて、Mg,Sb,BまたはAlがドープされる。
【0045】
ガラス充填物質は有利にはホウケイ酸亜鉛またはケイ酸アルミニウムを含む。ジルコニウム酸化物および亜鉛酸化物を含むケイ酸塩は良好な調和性ないし安定性を有し、複合材料層および機能層の電気特性は化学反応によってほとんど影響を受けない。次のような組成の材料が考慮される。すなわち、Na2O.Al2O3.B2O3.SiO2,Na2O.BaO.SiO2,ZnO.B2O3.SiO2,SiO2.BaO.B2O3,Bi2O3.B2O3,B2O3.ZnO.Bi2O3,B2O3.ZnO,SiO2.B2O3.ZnO,B2O3.ZnO,SiO2.B2O3.ZnOである。
【0046】
ジルコニウム酸化物を含む組成により、複合材料層は特に高い熱耐性を有する。したがって、こうした複合材料層を用いると、インパルス電流ないし高電圧が印加される場合にもバリスタが急激に加熱されて裂傷することがないという利点が得られる。このことは特に、複合材料層をベースボディのカバー層として実現する場合に良く当てはまる。
【0047】
機能層セラミックはバリスタセラミックを含むことができ、この場合、ベースボディはバリスタのベースボディとなる。バリスタセラミックは有利には亜鉛酸化物を含むが、Bi,Pr,Sbなどのドープ物質をドープしてバリスタセラミックの絶対誘電率を増大または低減することもできる。ただし、機能層セラミックは、セラミックの多層コンデンサまたはNTCモジュールまたはPTCモジュールに適した他の材料を含んでもよい。
【0048】
図1のa〜dには電気モジュールのベースボディ1が示されている。ここで、第1の層1aは機能層であり、機能層セラミックを含む。機能層は、その上下で、機能層よりも小さな誘電定数を有する複合材料層1bに接する。複合材料層は有利にはパシベーション層である。各層は上下方向に交互に配置され、協働してサンドウィッチ構造を形成する。
【0049】
図1のaには機能層1aが小さい誘電定数を有する2つの複合材料層のあいだに配置される様子が示されている。
【0050】
図1のbには2つの機能層1aのそれぞれの上下に小さな誘電定数を有する複合材料層1bが接している形態のベースボディが示されている。
【0051】
図1のcには図1のbのベースボディから最下方の複合材料層1bが外され、機能層1aがベースボディの底部をなしている形態のベースボディが示されている。
【0052】
図1のdには2つの複合材料層1bのそれぞれの上下に機能層1aが接している形態のベースボディが示されている。この場合には2つの機能層がそれぞれベースボディの上部および底部をなしている。
【0053】
図1のeには外部コンタクト4によって側面をカバーされたセラミックベースボディが示されている。こうした外部コンタクト4は図1のa〜dに示されているベースボディに被着することもできる。外部コンタクト4のほか、ベースボディの内部には電極2が配置されている。ここで、有利には、機能層1aに線路ないし電極が埋め込まれる。ただし、線路を少なくとも部分的に複合材料層1b内に配置し、結合容量を複数の線路間の複合材料層の分離特性により小さく保持することもできる。
【0054】
ベースボディの製造過程は有利には次のように進行する。
【0055】
1.複合材料層として、有利にはドープされたジルコニウム酸化物の混合物が用意される。最も有利な実施例ではこの混合物は粉末状物質として用意される。当該の混合物には、ガラス充填物質が5重量%〜70重量%、有利には5重量%〜30重量%の成分で添加される。機能層に対しても同様に、有利にはドープされたセラミック混合物が用意される。この混合物は亜鉛酸化物またはその他の適切な材料から成る。
【0056】
2.粉末状物質は接着剤により結合の緩いグリーンシートとして成形され、続いて乾燥される。接着剤はここでは水および有機材料を含む。
【0057】
3.乾燥されたグリーンシートは必要に応じて上下方向に積層され、多層のグリーンベースボディが形成される。
【0058】
4.必要であれば、電極およびコンタクト手段がセラミック層上に圧着されるか、セラミック層内に挿入される。有利には、電極は、薄膜技術またはプレス技術により、積層体状に被着されるか、櫛状に相互に噛み合った状態で、所望の層上に被着される。適切な電極材料は例えばニッケルまたは銅である。
【0059】
5.ベースボディは低減された雰囲気または低減されていない雰囲気において焼結され、ここで接着剤、特にその有機成分が気化される。ガラス充填成分は焼結過程により種々のセラミック層間のバッファ層を形成し、これにより亀裂を生じることなく焼結を行うことができる。
【0060】
5a.グリーンベースボディを電極ないしコンタクト手段とともにまたはこれらなしで焼結する際には、セラミック層の有機成分を気化させるために次に挙げる第1の特性が用いられる。まずグリーンベースボディを1minごとに5℃刻みで100℃まで加熱し、次に1minごとに0.2℃〜0.5℃刻みで450℃まで加熱し、さらに1minごとに5℃〜10℃刻みで880℃まで加熱する。880℃で15min〜1hにわたって保持し、その後−5℃〜−15℃で冷却して室温まで戻す。
【0061】
5b.続く焼結過程については、ベースボディのセラミック層を共通に焼結するために次に挙げる第2の特性が用いられる。ここでは、まずグリーンベースボディを1minごとに1℃〜4℃刻みで1000℃〜1100℃まで加熱し、1000℃〜1100℃で180min〜240min保持し、その後−1℃〜4℃で冷却して室温まで戻す。
【0062】
5c.焼結特性は場合によりベースボディ内に存在する電極ないしコンタクト手段の溶融温度に基づいて探索される。ここで、有利には、焼結温度は電極ないしコンタクト手段の溶融温度より下方に選定される。
【0063】
6.このようにして得られた焼結されたベースボディには、有利には、金属の外部コンタクト層が全面にわたって設けられる。ただしこのステップはベースボディのダイシング(ステップ7)の後に行ってもよい。
【0064】
7.適用分野に応じて、焼結されたベースボディは外部コンタクト層の設けられる前またはその後に個別化される。例えば、ベースボディは複数の電極積層体のユニットにより定義されるパターンにしたがってダイシングされる。ダイシング後には複数の内部電極セットから成るモジュールが得られ、内部電極のセットは外部コンタクトとともに個々の電気モジュールの機能、例えばバリスタとしての機能を生じる。また、このようなモジュールでは前述したステップにおいて外部コンタクトを設けずに、所望のパターンによって外部コンタクトを形成することもできる。
【0065】
図2のaには外部コンタクト4およびセラミック層1a,1bから成るモノリシックセラミックベースボディ1を備えたバリスタVの斜視図が示されている。バリスタは有利には1pFよりも小さい低容量を有するSMDバリスタである。
【0066】
バリスタVのうち破線で示されている平面を上から見た図が図2のbに示されている。複数の内部電極2、有利には4つの内部電極が機能層1a内に設けられており、コンタクト手段3を介して対応する外部コンタクト4へコンタクトされている。
【0067】
前述した4つの内部電極2は、有利には、一方側では複合材料層1bに面状に接合されており、他方側では機能層1a内に埋め込まれている。このようにして2組の内部電極2がベースボディに配置される。ここで、各対において第1の内部電極は第2の内部電極に対向して配置され、1対の内部電極間の空間は機能層1aによって充填される。
【0068】
機能層内部にさらなる内部電極を配置して、1セット当たり2つより多い内部電極を有する複数の内部電極セットを形成することもできる。1つのセットの内部電極どうしはコンタクト手段3を介して相互に接続される。
【0069】
1つまたは複数の内部電極と外部コンタクトとのコンタクトを行うコンタクト手段の例として、金属のスルーコンタクト3が挙げられる。このスルーコンタクトは銀、銀パラジウム、銀白金または純白金によって充填される。各スルーコンタクトは少なくとも部分的に複合材料層1bを通って延在し、これにより結合容量は電気モジュール内の複数のスルーコンタクトにより著しく低減される。
【0070】
図3のa〜cには電気モジュールを種々の方向から見た斜視図が示されている。電気モジュールはセラミックベースボディを有しており、このセラミックベースボディは種々の材料から成る複数のセラミック層を有する。ここでは機能層が複合材料層に接しており、複数の内部電極が共通のセラミックベースボディ内で並んで配置されている。有利には、複合材料層は機能層よりも低い誘電定数を有し、ジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む。これによりセラミックベースボディは良好にモノリシックボディとして焼結される。
【0071】
機能層としてバリスタセラミックが用いられる場合、電気モジュールはバリスタモジュールと称される。同様のことが冒頭に言及した他のセラミック材料についても当てはまる。
【0072】
図3のaには、ベースボディの表面に正方形状に均等に複数の外部コンタクト4が設けられることが示されている。電気モジュールの実装の際に配線板に向かう表面は有利にはベースボディの下面である。ベースボディの前述の表面のうち外部コンタクトの配置された個所の中央には、共通のアースコンタクトGNDが配置されている。各外部コンタクトにははんだバンプ5が設けられる。
【0073】
図3のbには図3のaの電気モジュールEMの断面図が示されている。ここで、断面は図3のaに示されている破線で切断した面に相応する。各外部コンタクト4またはアースコンタクトGNDには複合材料層1bを通って延在するスルーコンタクト3が接続されており、このスルーコンタクト3は1つまたは複数の内部電極2にコンタクトしている。スルーコンタクトを介してこれらのコンタクトと内部電極とは相互に接続される。複数の内部電極セットは3つの内部電極から成り、個々の内部電極は唯一の機能層1aに埋め込まれている。各内部電極セットの内部電極はスルーコンタクト3を介して外部コンタクト4にコンタクトしており、セラミック層と協働して電気モジュールを形成している。これにより複数の電気モジュールを共通のベースボディに並べて配置することができる。機能層がバリスタセラミックを含む場合、バリスタモジュールが製造される。これに代えて、コンデンサセラミックが機能層として用いられる場合、内部電極セットは個々の内部電極と相互に櫛状に重なり合い、反対の極性でチャージされるように、セラミックの多層コンデンサが製造される。相互に重なり合う内部電極の複数のセットは直接に外部コンタクトに接続されるかまたは間接的にコンタクト手段を介して外部コンタクトへ接続される。内部電極セットは共通のセラミックベースボディと協働して複数のコンデンサから成る装置を形成し、これによりセラミックコンデンサモジュールが製造される。
【0074】
このようにして、バリスタモジュールまたはコンデンサモジュールは全体として5つのバリスタまたはコンデンサと共通の1つのモノリシックベースボディとを有する。ここで、バリスタまたはコンデンサは全てのバリスタまたは全てのコンデンサに対する共通のアースGNDの形態の外部コンタクトを有する。
【0075】
図3のcには上方から電気モジュールEMの表面を通して見たときの透過図が示されている。ここには、電気モジュールの下面に配置されたアースGNDに対する十字形の外部コンタクトが示されている。同じ下面には十字形のアース電極GNDのほかにバリスタまたはコンデンサの外部コンタクト4がはんだバンプ5とともに対称に配置されている。図示されている破線の丸は内部電極2の断面とそこに存在するはんだバンプ5の周を表している。また、小さい中黒の丸はバリスタまたはコンデンサのスルーコンタクト3の断面を表している。外部コンタクト4ははんだバンプと合同の面を有するので、外部コンタクトはこの図には示されていない。
【0076】
図4には2つの複合材料層とそのあいだに存在する機能層とを有する多層のセラミックベースボディの焼損の度合ΔLを複合材料層1b内のガラス充填物質の成分GAに対して表したグラフが示されている。複合材料層にガラス充填物質が添加されない場合、セラミックベースボディの焼結により、ベースボディのラテラル方向の広がりに基づいて測定される焼損は約20%に達する。焼損は複合材料層に添加されるガラス充填物質が増大するにつれてほぼ線形に低下している。ガラス充填物質の分量が40重量%であるとき、セラミックベースボディの焼損は約9%となっている。
【0077】
図5には、ジルコニウム酸化物を含む複合材料層内に種々のガラス充填物質の成分(これをZ−G値とする)を備えたバリスタA〜Dの容量とガラス充填物質成分を含まない基準バリスタRの容量とを比較したグラフが示されている。全てのバリスタのセラミックボディは約1000℃で焼結されている。バリスタはそれぞれ電極の積層体を有する。ここで、それぞれ電極間の距離の異なる種々のバリスタの試験が行われた。電極間の距離は焼結後のセラミックボディにおいて0.4mmまでに低下する。もともとの電極間の距離が例えば0.12mmである場合、焼結後の実際の距離は約0.08mmとなる。
【0078】
基準バリスタRではZ−G値は0%である。この基準バリスタRの容量は電圧約68Vのもとで2.3pFである。
【0079】
バリスタAではZ−G値は60%であり、その容量は約0.6pFである。
【0080】
バリスタBではZ−G値は40%であり、その容量は変更された電圧のもとで約0.6pFである。
【0081】
バリスタCではZ−G値は20%である。バリスタCの容量は電圧約115Vで約0.78pFである。
【0082】
バリスタDではZ−G値は5%である。バリスタDの容量は電圧約116Vで約1pFである。
【0083】
ここから、一般に、ジルコニウムの混合物におけるガラス充填物質の成分が増大するにつれて、容量が小さくなることが見て取れる。
【0084】
当明細書においては、特に電気モジュールの全ての実施例において、機能層に例えばBi,PRまたはSbなどをドープすることができる。ここで、機能層のセラミック、例えばバリスタセラミックにはこれらの材料がドープされる。複合材料層にも同様にMg,Sb,BまたはAlなどをドープすることができる。この場合には特にジルコニウム酸化物とガラスとの混合物にこれらの材料がドープされる。
【0085】
図6には電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図9に位置が示されている。この断面図により、複数の層、特に異なる組成の3つの層が上下に積層されることが示されている。ここには平面II,III,IVが示されている。平面IIは上方の複合材料層1b内の平面であり、平面IIIは中央の機能層1a内の平面であり、平面IVは下方の第2の複合材料層1b内の平面である。ここでは、中央の機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。下方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、中央の機能層1aの中ほどの内部電極の下方に直接に位置する。
【0086】
図7には図6,図8,図9,図10の電気モジュールの斜視図が示されている。ここからは電気モジュールの側面に配置された複数の外部コンタクト4、特に3つの外部コンタクトが見て取れる。これらの外部コンタクトは、特に上下方向に配置された、同じ電位を有する複数の内部電極のそれぞれにコンタクトしている。同じ数の外部コンタクトが電気モジュールの対向する側面にも配置される。また、外部コンタクトを図示の外部コンタクトを有する側面に対して垂直に延在する端面に配置することもできる。
【0087】
図8には図6の内部電極を有さない上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物から成る。
【0088】
図9には図6の機能層1aの平面IIIが示されており、平面IIIに存在する内部電極の平面的な寸法またはジオメトリが表されている。2つのT字形の内部電極は相互に対称に配置されており、ここで第1の対称軸線は端面に沿って内部電極のあいだを通り、第2の対称軸線はそれぞれの内部電極のT字の幹の部分を通っている。内部電極のT字の幹の部分の端部は電気モジュールないしその機能層の表面に通じており、例えば図7に示されている外部コンタクトにコンタクトしている。T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。T字形の内部電極のほか、長方形の内部電極も配置されている。この長方形の内部電極の一方の端部は電気モジュールの表面へ通じており、外部コンタクト4にコンタクトしている。内部電極の他方の端部は電気モジュールの内側へ向かい、そこで終端している。内部電極の長さはT字形電極の長さに相応する。長方形の内部電極は、信号線路として、例えば無線信号を伝送するために構成されており、隣接して配置されているアース電極へ容量結合されている。これは所定の応答電流ないし応答電圧を上回る信号の導出線として動作する。機能層が前述した形態のバリスタセラミックを有する場合、T字形アース電極と隣接する長方形の内部電極の平面とのあいだにバリスタ区間が形成される。バリスタ区間により、例えばインパルス電流、過電圧、所定の周波数領域の内部、下方または上方の信号が制御された状態で橋絡され、アース電極から導出される。
【0089】
T字形の形状により、この内部電極と同じ平面において隣接する長方形の内部電極とのあいだの結合容量が低減される。T字形の形状に代えて他の形状を用いることもできる。特に、他の形状を採用して、同じ平面において異なる電位を有する隣接の内部電極どうしの境界のあいだの距離を低減することができる。この場合、L字形を利用することが考えられる。
【0090】
図10には図6の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。当該の複合材料層は内部電極2を有しており、この内部電極は、信号線路またはアース線路として平面IVを横断し、その端部が外部コンタクト4に接続されている。ここでの外部コンタクトは機能層1aのT字形の内部電極に接続されているのと同じ外部コンタクトである。機能層のT字形の内部電極を通って流れる電流は下方の複合材料層1bのアース線路により小さな散乱容量を有する。
【0091】
図11には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図14に位置が示されている。断面図により、複数の層、特に異なる組成の3つの層が上下に積層されて示されている。ここには平面II,III,IVが示されている。平面IIは上方の複合材料層1b内の平面であり、平面IIIは中央の機能層1a内の平面であり、平面IVは下方の第2の複合材料層1b内の平面である。機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する1つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。上方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、機能層1aの左方の長方形の内部電極の上方に直接に位置する。下方の複合材料層1bの内部電極の少なくとも一部は、正射影により、機能層1aの右方の長方形の内部電極の下方に直接に位置する。
【0092】
図12には図11,図13,図14,図15の電気モジュールの斜視図が示されている。外部コンタクト4は図7に則して説明したのと同様に構成されている。
【0093】
図13には図11の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。内部電極ないし信号線路2は左方に設けられており、この平面を完全に横断し、その端部は同じ電位の外部コンタクト4にコンタクトしている。複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物から成る。
【0094】
図14には図11の機能層1aの平面IIIが示されている。2つのT字形の内部電極は、図9に則して説明した実施例と同様に、相互に対称に配置されている。この場合にも、T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。それぞれのT字形の内部電極のほか、図9に則して説明した長方形の内部電極も配置されている。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例での信号の導出に相応する。機能層1aの左方の内部電極2は複合材料層の信号線路2と協働する。これにより、小さな散乱容量が生じ、左方の長方形の内部電極を通る電流が機能層1aの信号線路にも流れる。
【0095】
図15には図11の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。当該の複合材料層は内部電極2を有しており、この内部電極は信号線路として平面IVを横断し、その端部が外部コンタクト4に接続されている。ここでの外部コンタクトは機能層1aの右方の内部電極に接続されているのと同じ外部コンタクト2である。機能層1aの右方の長方形の内部電極を通る電流は下方の複合材料層1bの信号線路により小さな散乱容量で流れる。
【0096】
図16には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図19に位置が示されている。中央の機能層1a内の平面IIIに存在する3つの内部電極と上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極2とが示されている。下方の複合材料層1bないしその平面IVは内部電極を有さない。
【0097】
図17には図16,図18,図19,図20の電気モジュールの斜視図が示されている。電気モジュールの外部コンタクト4は図7に則して説明したように構成される。
【0098】
図18には図16の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここでは内部電極ないし信号線路2は左方および右方に配置されている。2つの信号線路は当該の平面を完全に横断しており、その端部は同じ電位の外部コンタクト4にコンタクトしている。
【0099】
図19には図16の機能層1aの平面IIIが示されている。2つのT字形の内部電極は、図9に則して説明した実施例とは異なり、相互に鏡面対称に配置されている。この場合にも、T字形電極はアース電極またはアース線路として構成され、アースに接続されており、所定の周波数の信号を導出することができる。それぞれのT字形の内部電極とならんで、両側に長方形の内部電極が配置されている。この場合、左方に配置された内部電極と右方に配置された内部電極とは相互に鏡面対称に配置されている。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例における信号の導出に相応する。機能層がバリスタセラミックを有する場合、この実施例によれば、2つのバリスタ区間がT字形のアース電極の全ての側に設けられる。これによりインパルス電圧を制御された状態で逃がすことができるだけでなく、唯一の側面を介して複数の信号を電気モジュールへ供給し、同時にこれを処理することができる。したがって双方向の構造が形成される。左方に存在する2つの長方形の内部電極を流れる電流は、長方形の内部電極の上方に少なくとも部分的に直交して延在する複合材料層1bの信号線路を通る。同様のことが電気モジュールの平面IIIの右方の電極にも当てはまる。
【0100】
図20には平面IVに内部電極の設けられていない電気モジュールの下方の複合材料層1bが示されている。電気モジュール1は例えばその複合材料層の下面側が配線板へ実装され、配線板または配線板に基づく電磁場の散乱容量がアクティブとなっている機能層ないしアクティブとなっている上方の複合材料層に達しにくくなっている。このようにして電気モジュールによって処理される信号の障害が小さくなり、配線板がインパルス電圧作用から効果的に保護される。
【0101】
図21には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図24に位置が示されている。ここには、中央の機能層1a内の平面IIIに存在する1つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVの2つの内部電極2とが示されている。
【0102】
図22には図21,図23,図24,図25の電気モジュールの斜視図が示されている。外部コンタクト4は図7に則して説明したのと同様に構成されている。
【0103】
図23には図21の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここでは内部電極ないし信号線路2は左方および右方に配置されている。2つの信号線路は当該の平面を完全に横断しており、その端部は同じ電位の外部コンタクト4およびこれに接続された信号線路にコンタクトしている。
【0104】
図24には図21の機能層1aの平面IIIが示されている。アース電極ないしアース線路の形態の1つのT字形の内部電極2が示されており、T字の幹の部分の端部は外部コンタクト4とコンタクトして、電気モジュールの側面へ通じている。幹の部分およびこれに垂直な梁の部分を有するT字形のアース電極の対向側には、2つの長方形の内部電極が所定の距離を置いて配置されている。長方形の内部電極の端部は外部コンタクトにコンタクトしている。外部コンタクトはアース電極に接続された外部コンタクトに接続され、電気モジュールの対向する側面に配置されている。長方形の内部電極は、少なくとも部分的に正射影により、上方の複合材料層1bの相応の側方に配置された信号線路の下方に配置される。T字形の内部電極の機能、長方形の内部電極の機能およびこれらの相互作用は図9に則して説明した実施例の信号の導出に相応する。この場合、アース電極と長方形の内部電極とのあいだに2つの容量性の領域が形成される。
【0105】
図25には図21の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。下方の複合材料層は上方の複合材料層と同様に構成されている。このことは、電気モジュールの3つの層に存在する左方の全ての信号線路が共通の第1の外部コンタクトへ接続され、電気モジュールの3つの層に存在する右方の全ての信号線路が共通の第2の外部コンタクトへ接続されることを意味する。電気モジュールの右方または左方へ供給される信号は唯一のアース線路に接続されたそれぞれ3つの線路を介して流れる。
【0106】
図26には別の電気モジュール1の平面Iでの断面図が示されている。平面Iについては図29に位置が示されている。中央の機能層1a内の平面IIIに存在する2つの内部電極と、上方の複合材料層1b内の平面IIに存在する2つの内部電極と、下方の複合材料層1b内の平面IVに存在する1つの内部電極とが示されている。
【0107】
図27には図26,図28,図29,図30の電気モジュールの斜視図が示されている。条片状の外部コンタクト4は図7に則して説明したように構成されており、内部電極にコンタクトしている。
【0108】
図28には図26の上方の複合材料層1bの平面IIが示されている。ここには電気モジュールの右方および左方に配置された2つの内部電極ないし信号線路が示されている。これらの電極は複合材料層をラテラル方向で完全に横断しており、その端部は外部コンタクト4にコンタクトしている。
【0109】
図29には図26の電気モジュールの中央の機能層1aの平面IIIが示されている。内部電極、信号線路ないしT字形のアース電極の構造、配置および機能は図9に即して説明した実施例に相応する。
【0110】
図30には図26の下方の複合材料層1bの平面IVが示されている。内部電極2ないし信号線路は平面IVをラテラル方向に完全に横断しており、機能層1aのT字形のアース電極と同様に外部コンタクト4にコンタクトしている。このことは、下方の複合材料層の唯一の信号線路が、小さな散乱容量のもとで共通の機能層1aのアース電極とともに信号ないし電流を担持して、安全に動作できることを意味する。
【符号の説明】
【0111】
1 セラミックベースボディ、 1a ベースボディの第1の層、 1b ベースボディの第2の層、 2 内部電極、 3 コンタクト手段、 4 外部電極、 5 はんだバンプ、 EM 電気モジュール、 I 電気モジュールの第1の平面、 II 電気モジュールの第2の平面、 III 電気モジュールの第3の平面、 IV 電気モジュールの第4の平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックベースボディ(1)を備えた電気モジュールにおいて、
電気モジュールは複数のセラミック層(1a,1b)を有しており、ここで、機能層(1a)は複合材料層(1b)に接しており、該複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む
ことを特徴とする電気モジュール。
【請求項2】
前記複合材料層(1b)の誘電定数は前記機能層(1a)の誘電定数より小さい、請求項1記載の電気モジュール。
【請求項3】
前記複合材料層(1b)はパシベーション機能または電気的分離機能を有する、請求項1または2記載の電気モジュール。
【請求項4】
前記複合材料層(1b)のガラス充填物質はホウケイ酸亜鉛またはケイ酸アルミニウムを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項5】
前記複合材料層(1b)のガラス充填物質の分量は5重量%〜70重量%である、請求項1から4までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項6】
前記機能層(1a)および前記複合材料層(1b)は上下方向に交互に積層されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項7】
前記機能層(1a)は複数の内部電極(2)を有しており、該内部電極はそれぞれ電気モジュールの表面に配置された少なくとも1つの外部コンタクト(4)に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項8】
異なる電位の2つの内部電極(2)のあいだに所定の容量が形成されている、請求項7記載の電気モジュール。
【請求項9】
前記内部電極(2)はそれぞれ信号線路の機能を有する、請求項7または8記載の電気モジュール。
【請求項10】
少なくとも1つの内部電極(2)はアース電極である、請求項7から9までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項11】
前記アース電極(2)は前記機能層(1a)の別の内部電極(2)に容量結合されている、請求項10記載の電気モジュール。
【請求項12】
前記機能層(1a)の前記別の内部電極(2)は隣接する内部電極へ向かう脚部を有し、これにより所定の領域における2つの内部電極間の距離ひいては内部電極間の容量は最小化される、請求項7から11までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項13】
任意の内部電極が電気モジュールの表面に配置された同じ電位の外部コンタクト(4)に接続されている、請求項7から12までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項14】
前記機能層の内部電極(2)は部分的に電気モジュールの内部へ延在しており、その端部のみが外部コンタクト(4)に接続されている、請求項7から13までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項15】
前記複合材料層(1b)は少なくとも1つの内部電極(2)を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項16】
前記複合材料層(1b)の内部電極により形成される散乱容量は低減される、請求項15記載の電気モジュール。
【請求項17】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は信号線路の機能を有する、請求項15または16記載の電気モジュール。
【請求項18】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)はアース電極である、請求項15から17までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項19】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は前記機能層の2つの内部電極のあいだの結合容量を低減する、請求項15から18までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項20】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は前記アース電極と前記機能層の前記別の内部電極とのあいだの結合容量を低減する、請求項19記載の電気モジュール。
【請求項21】
前記複合材料層(1b)の内部電極(2)は前記複合材料層を完全に横断しており、各端部で前記外部コンタクト(4)に接続されている、請求項15から20までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項22】
少なくとも1つの内部電極は、正方形、長方形、T字形、L字形、湾曲形、メアンダ形のいずれかの形状を有する、請求項7から21までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項23】
複数の内部電極(2)は等しく成形されており、1つの平面において対称軸線に対して鏡面対称に配置されている、請求項7から22までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項24】
前記機能層(1a)はドープされている、請求項1から23までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項25】
前記複合材料層(1b)はドープされている、請求項1から24までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項26】
前記機能層(1a)はバリスタセラミックを含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項27】
前記機能層(1a)はバリスタを含む、請求項26記載の電気モジュール。
【請求項28】
前記機能層(1a)はコンデンサセラミックを含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項29】
前記機能層(1a)はセラミックの多層コンデンサを含む、請求項28記載の電気モジュール。
【請求項30】
少なくとも1つの内部電極(2)は前記機能層(1a)に接続されており、コンタクト手段(3)により電気モジュール(1)の表面の外部コンタクト(4)に接続されている、請求項1から29までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項31】
前記コンタクト手段(3)は金属を含む材料によって充填されるスルーコンタクトである、請求項30記載の電気モジュール。
【請求項32】
複数の内部電極(2)は上下方向に配置されており、前記コンタクト手段(3)により相互にコンタクトされている、請求項30または31記載の電気モジュール。
【請求項1】
セラミックベースボディ(1)を備えた電気モジュールにおいて、
電気モジュールは複数のセラミック層(1a,1b)を有しており、ここで、機能層(1a)は複合材料層(1b)に接しており、該複合材料層はジルコニウム酸化物とガラス充填物質との混合物を含む
ことを特徴とする電気モジュール。
【請求項2】
前記複合材料層(1b)の誘電定数は前記機能層(1a)の誘電定数より小さい、請求項1記載の電気モジュール。
【請求項3】
前記複合材料層(1b)はパシベーション機能または電気的分離機能を有する、請求項1または2記載の電気モジュール。
【請求項4】
前記複合材料層(1b)のガラス充填物質はホウケイ酸亜鉛またはケイ酸アルミニウムを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項5】
前記複合材料層(1b)のガラス充填物質の分量は5重量%〜70重量%である、請求項1から4までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項6】
前記機能層(1a)および前記複合材料層(1b)は上下方向に交互に積層されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項7】
前記機能層(1a)は複数の内部電極(2)を有しており、該内部電極はそれぞれ電気モジュールの表面に配置された少なくとも1つの外部コンタクト(4)に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項8】
異なる電位の2つの内部電極(2)のあいだに所定の容量が形成されている、請求項7記載の電気モジュール。
【請求項9】
前記内部電極(2)はそれぞれ信号線路の機能を有する、請求項7または8記載の電気モジュール。
【請求項10】
少なくとも1つの内部電極(2)はアース電極である、請求項7から9までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項11】
前記アース電極(2)は前記機能層(1a)の別の内部電極(2)に容量結合されている、請求項10記載の電気モジュール。
【請求項12】
前記機能層(1a)の前記別の内部電極(2)は隣接する内部電極へ向かう脚部を有し、これにより所定の領域における2つの内部電極間の距離ひいては内部電極間の容量は最小化される、請求項7から11までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項13】
任意の内部電極が電気モジュールの表面に配置された同じ電位の外部コンタクト(4)に接続されている、請求項7から12までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項14】
前記機能層の内部電極(2)は部分的に電気モジュールの内部へ延在しており、その端部のみが外部コンタクト(4)に接続されている、請求項7から13までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項15】
前記複合材料層(1b)は少なくとも1つの内部電極(2)を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項16】
前記複合材料層(1b)の内部電極により形成される散乱容量は低減される、請求項15記載の電気モジュール。
【請求項17】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は信号線路の機能を有する、請求項15または16記載の電気モジュール。
【請求項18】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)はアース電極である、請求項15から17までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項19】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は前記機能層の2つの内部電極のあいだの結合容量を低減する、請求項15から18までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項20】
前記複合材料層(1b)の少なくとも1つの内部電極(2)は前記アース電極と前記機能層の前記別の内部電極とのあいだの結合容量を低減する、請求項19記載の電気モジュール。
【請求項21】
前記複合材料層(1b)の内部電極(2)は前記複合材料層を完全に横断しており、各端部で前記外部コンタクト(4)に接続されている、請求項15から20までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項22】
少なくとも1つの内部電極は、正方形、長方形、T字形、L字形、湾曲形、メアンダ形のいずれかの形状を有する、請求項7から21までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項23】
複数の内部電極(2)は等しく成形されており、1つの平面において対称軸線に対して鏡面対称に配置されている、請求項7から22までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項24】
前記機能層(1a)はドープされている、請求項1から23までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項25】
前記複合材料層(1b)はドープされている、請求項1から24までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項26】
前記機能層(1a)はバリスタセラミックを含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項27】
前記機能層(1a)はバリスタを含む、請求項26記載の電気モジュール。
【請求項28】
前記機能層(1a)はコンデンサセラミックを含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項29】
前記機能層(1a)はセラミックの多層コンデンサを含む、請求項28記載の電気モジュール。
【請求項30】
少なくとも1つの内部電極(2)は前記機能層(1a)に接続されており、コンタクト手段(3)により電気モジュール(1)の表面の外部コンタクト(4)に接続されている、請求項1から29までのいずれか1項記載の電気モジュール。
【請求項31】
前記コンタクト手段(3)は金属を含む材料によって充填されるスルーコンタクトである、請求項30記載の電気モジュール。
【請求項32】
複数の内部電極(2)は上下方向に配置されており、前記コンタクト手段(3)により相互にコンタクトされている、請求項30または31記載の電気モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−199312(P2011−199312A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130193(P2011−130193)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【分割の表示】特願2008−535977(P2008−535977)の分割
【原出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【分割の表示】特願2008−535977(P2008−535977)の分割
【原出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
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