説明

電気光学装置、及び、電子機器

【課題】部品点数の削減等によって実装・組み立て工程を簡素化し、また、光源の位置精
度を向上させることにより輝度ばらつきを低減できる電気光学装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置100は、第1基板110と、第1基板に対向してな
る第2基板120と、第1基板と第2基板に挟持されてなる電気光学物質と、前記第1基
板の前記第2基板とは反対側の面に対向してなる導光手段140と、前記第1基板の第2
基板側の面に設けられた光源132と、を具備し、光源から出射された光を第1基板を透
過して導光手段に入射し、導光手段を伝播して導光手段から出射され、再び第1基板に入
射して電気光学パネルの表示に寄与することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気光学装置、及び、電子機器に係り、特に、表示を可能にするための光源を
備えた電気光学装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種の電子機器には、表示部として液晶表示体その他の電気光学装置が搭載さ
れる場合が多い。特に、携帯電話機、携帯型コンピュータなどの携帯型電子機器では、一
対の基板間に電気光学物質を配し、この電気光学物質に所定の電界を印加することにより
光の変調状態を制御して表示を実現するものが用いられている。
【0003】
例えば、液晶表示装置においては、一般的に、一対の基板をシール材を介して貼り合わ
せ、この基板間に液晶を封入してなる液晶パネルと、この液晶パネルの背後や前面上に光
源と導光板とを備えたバックライト若しくはフロントライトを配置し、これらのバックラ
イトやフロントライトから照射された照明光を用いて所望の表示が視認されるように構成
している。上記バックライトやフロントライト等の照明装置としては、透明部材からなる
導光板の端面上に有機EL素子等の電界発光素子を配置してなるものが知られている(例
えば、以下の特許文献1参照)。
【0004】
また、上記の導光板の機能のうちの一部が液晶パネルを構成する一方の基板によって実
現されるように構成することにより、液晶表示装置の厚みを低減した装置構造が知られて
いる(例えば、以下の特許文献2参照)。この種の液晶表示装置では、液晶パネルを構成
する一方の基板の外面上に導光体フィルムを貼着し、一方の基板に入射した光を導光体フ
ィルムによって他方の基板側へ出射させるように構成している。
【特許文献1】特開平10−50124号公報
【特許文献2】特開2003−330020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の液晶表示装置では、LED等の光源をFPC基板上に実装して、
導光板に隣接する位置に配置した照明装置を構成し、この照明装置を液晶パネルの背後に
配置するなど、部品点数が多くなり、組み立て作業も煩雑であるため、製造コストが上昇
するという問題点がある。また、光源と導光板との間の相対的位置関係やこれらと液晶パ
ネルとの間の相対的位置関係が微妙にずれることにより、装置毎に輝度分布がばらつき、
安定した品質の製品を製造することが困難であるという問題点もある。
【0006】
また、前述の導光体フィルムを用いた液晶表示装置では、導光体フィルムを用いること
によって液晶パネルよりも厚みが増大するため、充分な薄型化を図ることができず、また
、基板と導光体フィルムとの境界面等において光の損失が生ずるので、光の利用効率も低
下するという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、部品点数の削減等に
よって実装・組み立て工程を簡素化することのできる電気光学装置を提供することにある
。また、別の課題は、光源の位置精度を向上させることにより輝度ばらつきを低減できる
電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本発明の電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板に対向してな
る第2基板と、前記第1基板と前記第2基板に挟持されてなる電気光学物質と、前記第1
基板の前記第2基板とは反対側の面に対向してなる導光手段と、前記第1基板の前記第2
基板側の面に設けられた光源と、を具備し、前記光源から出射された光は、前記第1基板
を透過して前記導光手段に入射し、前記導光手段を伝播して前記導光手段から出射され、
再び前記第1基板に入射して前記電気光学パネルの表示に寄与することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、光源を第1基板の第2基板側の面に設けることにより、FPC基板
等を用いる従来構造よりも部品点数を削減することができ、実装・組み立て工程も簡素化
できるため、製造コストを低減できる。また、装置内の第1基板に対する光源の位置精度
を高めることが可能になるので、光源位置のばらつきに起因する輝度のばらつきを抑制す
ることができる。
【0010】
また、本発明の別の電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板に対向してなる第2基
板と、前記第1基板と前記第2基板に挟持されてなる電気光学物質と、前記第1基板の前
記第2基板側の面に設けられた光源と、を具備し、前記光源から出射された光は、前記第
1基板に入射し、前記第1基板を伝播して前記第1基板の前記第2基板側の面から出射さ
れ、前記電気光学物質に入射して表示に寄与することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前述の効果に加えて、第1基板を導光体として用いることで、部品
点数の削減や薄型化を図ることができる。また、第1基板に向けて光源が光を放出し、導
光手段が第1基板内に入射した光を配置領域に導くようにすることによって、光源の光放
出面を第1基板によって保護することができるため、光放出経路への塵埃の混入や汚染を
防止することができる。
【0012】
本発明において、前記光源は、前記電気光学物質が配置される領域から外れた領域に設
けられていることが好ましい。これによれば、上記電気光学物質が配置される領域から外
れた領域に光源を設けることにより、電気光学物質が配置される領域内の構造に影響を与
えずに光源を構成することができる。
【0013】
本発明において、前記光源は、前記第1基板における前記第2基板の外形よりも外側へ
張り出した基板張出部に設けられていることが好ましい。これによれば、基板張出部に光
源が設けられていることにより、光源を容易に形成したり実装したりすることができる。
【0014】
本発明において、前記第1基板は、薄膜積層構造によって構成されたスイッチング素子
と、前記スイッチング素子に接続されてなり、前記電気光学物質に電圧を印加するための
電極と、を有し、前記光源は、前記スイッチング素子の薄膜積層構造の少なくとも一部と
同じ薄膜積層構造を有することが好ましい。これによれば、スイッチング素子の少なくと
も一部の薄膜構成と同じ構造を光源に用いることができるため、製造工程を簡略化でき、
製造コストを抑制できる。
【0015】
本発明において、前記第1基板は、前記電気光学物質を電気的に制御するための電極を
含む画素構造を有し、前記光源は、前記画素構造の少なくとも一部と同じ構成部分を有す
ることが好ましい。これによれば、光源が画素構造の少なくとも一部と同じ構成部分を有
することによって、製造工程を簡略化でき、製造コストを抑制できる。
【0016】
本発明において、光源は有機エレクトロルミネッセンス素子等の電界発光素子や発光ダ
イオード素子等の各種発光素子で構成することができる。特に、これらを薄膜積層構造に
よって構成することにより、コンパクトに構成することが可能になる。例えば、電界発光
素子や発光ダイオード素子等の発光素子は、1又は複数の発光層、反射層、電極層などを
表面部分上に直接に積層することによって容易に形成することができる。
【0017】
本発明において、前記第1基板は、内部に入射した光を偏向させ、前記第2基板側の面
から出射させる光偏向用斜面が前記第2基板とは反対側の面に設けられてなることが好ま
しい。これによれば、簡易な構造で第1基板内を伝播する光を確実に第2基板側に偏向し
、出射させることができる。
【0018】
本発明において、複数の画素を備え、前記光偏向用斜面が前記画素に対応した位置にそ
れぞれ設けられていることが好ましい。第1基板に設けられた複数の光偏向用斜面が画素
にそれぞれ対応した位置に設けられることにより、光偏向用斜面と画素との平面的な位置
関係を一定に構成することができるので、光偏向用斜面に基づく照明光の照度ムラに起因
するモアレ縞の発生を防止することができるとともに、例えば、光偏向用斜面に基づく照
明光の照度の高い領域を画素内に一致させるなどの方法で照明光を効率的に画素内に導く
ことが可能になるため、光の利用効率を高めることができる。
【0019】
また、複数の画素が周期的に配列され、複数の前記光偏向用斜面が前記画素の配列周期
に一致する周期で形成されていることが好ましい。これによれば、複数の画素の配列周期
と一致する周期で複数の光偏向用斜面が形成されていることにより、光偏向用斜面の形成
周期に起因するモアレ縞の発生を防止することができるとともに、例えば、光偏向用斜面
に基づく照明光の照度の高い領域を画素内に一致させるなどの方法で照明光を効率的に画
素内に導くことが可能になるため、光の利用効率を高めることができる。
【0020】
本発明において、前記第1基板の前記第2基板側の面上に、偏光子又は検光子を構成す
る内面偏光層が形成されていることが好ましい。TN型液晶やSTN型液晶等のように偏
光子や検光子を必要とする電気光学物質を用いる場合においては、第1基板の第2基板側
の面上に内面偏光層を形成することにより、第1基板から出射される照明光に基づく表示
を実現可能とすることができる。
【0021】
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載の電気光学装置を表示部として備え
ていることを特徴とする。電子機器としては特に限定されないが、携帯電話機、携帯型コ
ンピュータ、電子時計等の携帯型電子機器であることが特に望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形
態の電気光学装置100を示す概略縦断面図、図2は同装置100の概略平面図、図3は
同装置100の概略底面図である。なお、各図面中において、配線や素子構造などの細部
については適宜に省略して示してある。
【0023】
電気光学装置100は、ガラスやプラスチック等で構成された透明基板からなる第1基
板110と、同様の透明基板からなる第2基板120とを有し、第1基板110と第2基
板120とがシール材130を介して3〜10μm程度の所定間隔で貼り合わせられ、両
基板間に電気光学物質である液晶131が封入された液晶パネルを構成している。
【0024】
第1基板110及び第2基板120はそれぞれ矩形状の平面形状を有し、第1基板11
0には第2基板120の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部110E、110F
が設けられている。本発明においては特に限定されるものではないが、基板張出部110
Eと110Fは液晶131が配置された液晶配置領域Lの両側に設けられている。
【0025】
本実施形態では、第1基板110の内面(第2基板120に向いた面)上に、絶縁膜等
からなる下地層111、配線、素子、絶縁層等が適宜に形成された配線素子構造112、
絶縁層113、第1電極114などが順次に形成されている。また、第2基板120の内
面(第1基板110に向いた面)上に、絶縁膜等からなる下地層121、カラーフィルタ
122、保護膜123、第2電極124などが順次に形成されている。なお、上記の構造
は特に限定されるものではなく、電気光学物質である液晶131に対して画素ごとにそれ
ぞれ制御された電界を付与できる構造を備えていればよい。
【0026】
第1基板110及び第2基板120の外面上には、必要に応じて偏光板117,127
が配置される。典型的には、偏光板117,127は基板外面上に貼着される。また、上
記の基板張出部110Eには上記第1電極114及び第2電極124に直接若しくは間接
的に接続された入力端子(図示せず)が設けられ、基板張出部110Eに実装された配線
基板135の配線が上記入力端子に導電接続されている。
【0027】
図13及び図14は、本実施形態の上記構成を反射半透過型の液晶表示体に適用してな
る構成例の画素構造を示す拡大平面配置図及び拡大縦断面図である。ここで、上記構成に
対応する部分には同一符合を付してある。上記の第1基板110上に設けられる配線素子
構造112は、多結晶シリコン等で構成された半導体層112aと、この半導体層112
a上に形成されたゲート絶縁膜112bと、ゲート絶縁膜112bを介して半導体層11
2aに対向配置されるゲート電極112cとを備えたスイッチング素子(TFT;薄膜ト
ランジスタ)を含んでいる。半導体層112aは、ゲート電極112cに対向配置される
チャネル領域と、セルフアライメントで不純物が導入されてなるソース領域及びドレイン
領域とを有し、当該ソース領域はデータ線112dに導電接続され、上記ドレイン領域は
接続部112eを介して後述する反射膜115及び画素電極114に導電接続される。ま
た、ゲート電極112cは走査線112gに導電接続されている。
【0028】
この構成例では、各画素Pにおいて反射表示領域Prと透過表示領域Ptとがそれぞれ
設けられ、反射表示領域Prでは上記スイッチング素子にも用いられる層間絶縁膜113
Aが微細な凹凸状(図示例の場合には離散的)に形成され、上記の層間絶縁膜113A上
に層間絶縁膜113Bが積層され、これによって層間絶縁膜113Bの表面は下層の層間
絶縁膜113Aの形状を反映して表面が微細な凹凸状に形成される。この層間絶縁膜11
3B上にはアルミニウム等の金属薄膜で反射膜115が形成され、これにより、反射膜1
15の表面は微細な凹凸構造を備えた散乱性反射面とされている。一方、透過表示領域P
tでは層間絶縁膜113A及び層間絶縁膜113Bが形成されていない。
【0029】
反射膜115上にはITO等の透明導電体によって画素電極(上記の第1電極)114
が形成される。この画素電極114は反射表示領域Pr及び透過表示領域Ptの双方に形
成される。また、画素電極114上にはポリイミド樹脂等からなる配向膜116が形成さ
れる。
【0030】
一方、第2基板上においては、画素Pの境界域に遮光膜126が形成される。図示例の
場合、遮光膜126は上記カラーフィルタ122と同層に形成され、例えば、複数のカラ
ーフィルタ層を積層した構造、黒色樹脂等からなるブラックマトリクスなどで構成される
。また、Cr等の金属層で遮光膜126を構成することも可能である。
【0031】
本実施形態では、上記層間絶縁膜113A、113Bの有無によって設けられた段差に
より、反射表示領域Prでは液晶131の厚みは透過表示領域Ptにおける厚みより小さ
く(例えばほぼ半分程度に)なっている。これによって、反射表示領域Prにおいて往復
2回液晶層を通過する反射光(反射表示を構成する光)と、透過表示領域Ptにおいて1
回のみ液晶層を通過する透過光(透過表示を構成する光)とに対する液晶131のリタデ
ーションの差を低減することができる。なお、図示例では層間絶縁膜の有無によって反射
表示領域Prと透過表示領域Ptの液晶131の厚みを変えているが、層間絶縁膜の厚み
を異ならしめることによって両領域間の液晶131の厚みを変えてもよく、或いは、第2
基板120上に形成された段差によって液晶の厚みを変えても構わない。
【0032】
再び図1に戻って説明を続ける。第1基板110の基板張出部110Fには光源132
が固定されている。この光源132は、LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイ
オード)等の半導体素子、或いは、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に「有
機EL素子」という。)等の電界発光素子などの各種の発光素子で構成することができる

【0033】
図示例の場合には、第1基板110の液晶131側の面である内面上に光源132が形
成されている。すなわち、光源132は基板張出部110Fの上面に直接に被着された薄
膜積層構造によって構成されている。そして、光源132の光放出面132xは第1基板
110の上面に密接した状態となっている。
【0034】
図示例の光源132は有機EL素子であり、基板張出部110Fの上面に、ITO等の
透明導電体で構成された下電極132a、好ましくは遮光材料で構成されるバンク132
b、発光構造132c、好ましくは金属等の反射性材料で構成される上電極132d及び
封止層132eを順次に形成してなる薄膜積層構造を有する。ここで、発光構造132c
は、実際には、有機正孔輸送層、有機発光膜、有機電子輸送層などの複数の層を積層した
構造となっている。下電極132aと上電極132dとの間に所定の電圧を印加すると、
電界が印加されることにより発光構造132cが発光し、光放出面132xから光が放出
される。
【0035】
また、光源132を発光ダイオードとしたときには、第1基板110の表面上に透明導
電体よりなる下電極、np接合構造を備えた半導体構造、上電極を積層し、下電極と上電
極との間に電圧を印加することによって正孔・電子の再結合による発光が生ずるように構
成すればよい。
【0036】
なお、上記の光源132を構成する発光素子としては、チップ状、或いは、パッケージ
状に構成された有機EL素子やLED素子等の発光素子を用いることもできるが、この場
合には、発光素子を直接に第1基板110の表面上に密着させた状態で封止樹脂等により
固定することが好ましい。また、この場合においても、光源132の光放出面132xを
基板表面に直接密着させることが好ましい。
【0037】
光源132は、その構造内に光放出面132x以外の部分からの光漏れを防止する構造
(遮光構造若しくは反射構造)を有することが好ましいが、必要に応じて、図示例のよう
に反射板134を設けることができる。
【0038】
図15は、上記光源132の構成例を示す拡大縦断面図である。第1基板110上には
、上述の下電極132a、バンク132b、発光構造132c、上電極132d、封止層
132eが積層されているが、このようにして設けられた発光部分は、併設されたスイッ
チング素子1322の動作によってオンオフ制御(必要に応じて階調制御)が可能となる
ように構成されている。第1基板110上にはSiO等の絶縁膜で構成される下地層1
321が形成され、この上に、半導体層1322a、ゲート絶縁膜1322b及びゲート
電極1322cよりなる上記スイッチング素子1322が設けられている。半導体層13
22aには上記ゲート電極1322cに対向配置されるチャネル領域の両側にソース領域
及びドレイン領域が設けられ、当該ソース領域にはデータ線1322dが導電接続され、
前記ドレイン領域には接続部1322eを介して下電極132aが導電接続されている。
なお、層間絶縁膜1323A、1323B、1323Cはそれぞれスイッチング素子13
22やEL構造の各導電層間の絶縁を確保している。
【0039】
スイッチング素子1322は、ゲート電極1322cに導電接続された図示しない制御
線の電位によってオンオフ制御され、オン状態ではデータ線1322dに供給された電位
を下電極132aに供給する。すると、当該電位と上記上電極132dの電位の差よりな
る電圧が発光構造132cに印加されることとなるため、当該電圧に応じて発光構造13
2cが発光する。ここで、下電極132aはITO等の透明導電体よりなり、上電極13
2dはアルミニウム等の金属導電体よりなるため、光は下方へ出射して第1基板110内
に入射する。
【0040】
上記のように構成された液晶パネルの背後には、アクリル樹脂等の透明素材によって構
成された導光板140が配置される。この導光板140は、本発明の導光手段を構成する
ものであり、上記液晶パネルの液晶配置領域Lに重なる本体部140Dと、上記第1基板
110の基板張出部110Fと対向配置される延長部140Fとを有し、これらの本体部
140Dと延長部140Fとが一体に構成されている。図示例では、導光板140は本体
部140Dと延長部140Fが連続した一体の板形状となっている。
【0041】
導光板140では、上記光源132から放出された光が第1基板110の基板張出部1
10Fを透過した後に入射するように構成された光取り込み面140aが延長部140F
の上面部分として設けられ、また、この光取り込み面140aに入射した後の内部伝播光
を偏向させる光偏向手段140x及び140yが設けられ、さらに、これらの光偏向手段
140x及び140yによって偏向され、分散された光を出射する光出射面140bが設
けられている。図示例の場合、光取り込み面140aと光出射面140bは導光板140
の連続した上面で構成されている。
【0042】
光偏向手段は、上記延長部140Fにおいて光取り込み面140aの反対側の面(下面
)に設けられた複数の光偏向用斜面140xと、上記本体部140Dにおいて光出射面1
40bの反対側の面(下面)に設けられた複数の光偏向用斜面140yとを有する。光偏
向用斜面140xは、光取り込み面140aに入射した光を本体部140D側へ反射させ
ることにより偏向・分散させる。また、光偏向用斜面140yは、延長部140Fから進
入した内部伝播光を光出射面140bに向けて反射させることにより偏向・分散させる。
光偏向用斜面140xと140yは相互に反対側に向いた面となっている。これらの光偏
向用斜面140x、140yによって、光は光出射面140bから液晶配置領域L内にほ
ぼ均等な照度で出射される。
【0043】
なお、導光板140の本体部140Dの背後には、金属や樹脂等からなる反射板141
を配置することが好ましい。また、必要に応じて、光偏向用斜面140xによる光反射率
を高めるために、光偏向用斜面140xの面上若しくはその先に反射層或いは反射板を配
置してもよい。
【0044】
導光板140の本体部140Dと液晶パネルの第1基板110との間には、集光シート
や光拡散シート等の光学層142,143,144が適宜に配置されることが好ましい。
なお、これらの光学層の代わりに、第1基板110の延長部110Fの下面、光取り込み
面140a、光出射面140b等にプリズム加工、ブラスト加工等を施して光拡散作用を
持たせてもよい。
【0045】
本実施形態では、光源132から放出された光は第1基板110の内部を通過して導光
板140の光取り込み面140aに入射し、光偏向用斜面140x及び140yで偏向・
分散されることにより、光出射面140bから出射し、液晶パネルの液晶配置領域Lを照
明する。この照明光は液晶パネルを通過して第2基板120の外側から視認される所定の
表示を構成する。
【0046】
本実施形態によれば、光源132を、液晶パネルを構成する一方の基板である第1基板
110に固定したことにより、従来構造のように光源を配線基板上に実装したり、配線基
板を固定したりする必要がなくなるので、実装・組み立て工程を簡素化することができ、
製造コストを低減できる。特に、光源132を第1基板上に形成された薄膜積層構造で構
成する場合には、光源132をさらに薄型化することができる。
【0047】
また、本実施形態では、光源132が第1基板110に直接固定されているため、液晶
パネルに対する光源の位置精度が向上し、これによって、装置の輝度のばらつきを低減す
ることができる。特に、第1基板110上に薄膜積層構造を有する光源132を形成する
ことで、第1基板110の電極構造等の内面構造とほぼ同様のパターニング精度で光源1
32を位置決めできるため、光源の位置精度をさらに高めることができる。
【0048】
さらに、光源132の光放出面132xが第1基板110の表面に密接していることに
より、光放出面132xを保護することができ、塵埃等が光路に介在して光の通過を妨げ
たり、光放出面132xが汚染されたりする可能性を低減することができる。
【0049】
光源132の下電極132a、バンク132b、上電極132d、封止層132e等は
、第1基板110の製造プロセスと同時に行っても構わない。例えば、下電極132aを
ITO等の透明導電体で第1電極(画素電極)114と同時に形成したり、バンク132
bを第1基板110上の絶縁層と同時に形成したりといった具合である。このようにする
と、光源132の位置精度を第1基板110のパターニング精度と同等の精度とすること
ができるとともに、製造工程数を削減することができるため、製造コストの低減を図るこ
とが可能になる。
【0050】
図16乃至図26は光源132の製造工程の一例(図15に示す光源132の構成例に
対応する製造工程)を示す概略工程図である。最初に、図16に示すように第1基板11
0上にSiO等の絶縁体よりなる下地層1321をスパッタリング法等により形成する
。この下地層1321は、図13及び図14に示す構成例の下地層111と同工程で形成
できる。その後、下地層1321上に多結晶シリコン等で構成される半導体層1322a
を形成し、これを図17に示すようにエッチング処理等によってパターニングする。ここ
で、半導体層1322aは図13及び図14に示す構成例の半導体層112aと同工程で
形成できる。その後、半導体層1322a上にゲート絶縁膜1322bを形成する。この
ゲート絶縁膜1322bは図13及び図14に示す構成例のゲート絶縁膜112bと同工
程で形成できる。
【0051】
次に、図18に示すように、ゲート電極1322cを好ましくは図示しない制御線とと
もに形成する。このゲート電極1322cは図13及び図14に示す構成例のゲート電極
112c(及び走査線112g)と同工程で形成できる。その後、このゲート電極132
2cをマスクとしてセルフアライメントで半導体層1322a内に不純物をイオン注入法
等で注入し、ソース領域及びドレイン領域を形成する。これらの不純物領域は図13及び
図14に示す構成例の不純物領域の形成工程で形成できる。
【0052】
次に、図19に示すように、SiO等よりなる層間絶縁膜1323AをCVD法等に
よって形成し、さらに、層間絶縁膜1323A及びゲート絶縁膜1322bにコンタクト
ホールを形成することによって、半導体層1322aのソース領域及びドレイン領域が一
部露出するように構成する。これらの処理は、図13及び図14に示す構成例の層間絶縁
膜113A及びそのパターニングを行う工程で実施できる。
【0053】
その後、図20に示すように、データ線1322d及び接続部1322eを金属等の蒸
着やスパッタリング法並びにパターニングによって形成する。これらの処理は、図13及
び図14に示す構成例のデータ線112d及び接続部112eを形成する工程で実施でき
る。さらに、この上には層間絶縁膜1323B(パシベーション膜)を形成する。この層
間絶縁膜1323Bは、例えば、図13及び図14に示す構成例の層間絶縁膜113Bを
形成する工程で形成できる。
【0054】
次に、図21に示すように、層間絶縁膜1323B上にITO等の透明導電体で下電極
132aを形成する。この下電極132aは、上記第1電極114(図13及び図14に
示す構成例の画素電極114)を形成する工程で形成することができる。
【0055】
その後、図22に示すように、CVD法などによってSiOやSiN等からなる層間
絶縁膜1323Cを形成し、パターニングすることによって下電極132aの既定部分を
露出させる。そして、図23に示すように、下電極132aの露出部分を除く領域上に樹
脂材料等からなるバンク132bを形成する。このバンク132bは好ましくは遮光材料
で形成され、光が周囲に漏れないように構成される。バンク132bは例えばポリイミド
樹脂等で構成できる。
【0056】
しかる後に、図24に示すように、バンク132bで囲まれ、底部に下電極132bが
露出した領域に発光構造132cを形成する。この発光構造132cは、例えば、チオフ
ェン系ポリマーとスチレンポリマーによりなるバッファー層(PEDT/PSS)と発光ポリマー
(LEP)からなる積層構造、ポリパラフェニレンビニレン等の有機半導体層などで構成でき
る。また、これら各層は、例えば、それぞれの構成材料を含む未硬化の液滴が上記領域に
インクジェットヘッド等の吐出ヘッドから滴下され、その後、バンク132b内にて乾燥
、硬化されるといった方法でそれぞれ形成することができる。
【0057】
次に、図25に示すように、上記発光構造132c上に蒸着法等によってアルミニウム
等の反射性材料により上電極132dを形成する。この工程は、図13及び図14に示す
構成例の反射膜115を形成する工程などで同時に形成することができる。ただし、上述
のように画素電極114と同時に下電極132aを形成する場合には、工程の前後関係に
より上電極132dを反射膜115の形成工程で形成することはできない。その後、図2
6に示すように、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の封止剤132eを塗布してシールを
行う。
【0058】
以上説明したように、本実施形態では、光源132の構造と、図13及び図14に示す
画素P内の構造(特にスイッチング素子の構造)とを同じ工程で実現することによって、
工程数の増加を抑制して製造コストを低減することができる。なお、以上のような光源1
32の構造や製法は、以下の他の実施形態においても同様に適用することが可能である。
特に、本実施形態では、画素構造内に設けられたスイッチング素子と同じ構造を有する発
光制御用のスイッチング素子1322が光源132内に設けられているため、光源132
の形成工程の多くを画素構造の形成工程と共通化することができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、本発明に係る第2実施形態の電気光学装置について説明する。
この実施形態は、上記第1実施形態と基本的に同様の構成を有するため、同一部分には同
一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0060】
本実施形態では、導光板140′の延長部140F′を研磨加工等により楔状に構成し
、光取り込み面140aに入射した光を本体部140D側へ偏向させるための光偏向用斜
面140x′を形成している。この光偏向用斜面140x′の外面上には反射層140z
を配置し、光取り込み面140aに入射した光が反射層140zによって効率的に本体部
140Dへ導かれるように構成している。これによって、光偏向用斜面140x′及び反
射層140zによる偏向時の光の伝播効率を高めることができる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、図5を参照して、本発明に係る第3実施形態の電気光学装置について説明する。
この実施形態は、上記第1実施形態と基本的に同様の構成を有するため、同一部分には同
一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0062】
本実施形態では、導光板140″の延長部140F″を本体部140Dの光出射面14
0bよりも第1基板110側に突出させ、光取り込み面140a″を光源132に近づけ
た位置に形成している。これによって、光源132から放出された光は、より早い段階で
導光板140″の内部に入射し、その内部を伝播していくため、導光板140″内への光
の取り込み効率を高めることができる。
【0063】
この場合、延長部140F″の突出部分の側面には、適宜に反射層140v等を形成し
て光漏れを防止することが好ましい。また、光取り込み面140a″と第1基板110と
の間には光拡散板140w等を配置してもよい。
【0064】
なお、上記の反射層140vや光拡散板140wは上記第1実施形態や第2実施形態に
も適用することができる。また、第2実施形態の反射層140zを第1実施形態の光偏向
斜面140xや本実施形態の光偏向用斜面140xに適用しても構わない。
【0065】
[第4実施形態]
次に、図6乃至図8を参照して、本発明に係る第3実施形態の電気光学装置について説
明する。図6は本実施形態の概略縦断面図、図7は本実施形態の概略平面図、図8は本実
施形態の概略底面図である。本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成を有す
る同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0066】
本実施形態では、光源132を第1基板110′内に入射させる点では先の各実施形態
と同様であるが、この光を第1基板110′から出射させずに、そのまま第1基板110
′内で光偏向手段110x、110yによって偏向・分散させ、第1基板110′の液晶
配置領域L内の内面110bから照明光を出射させる点で異なる。
【0067】
本実施形態では、第1基板110′の外面上に光偏向手段となる光偏向用斜面110x
、110yが設けられている。光偏向用斜面110xは、光源132が形成された表面部
分である光取り込み面110aの反対側の面(外面)に形成され、光源132から入射し
た光を液晶配置領域L側へ偏向・分散させるものである。また、光偏向用斜面110yは
第1基板110′の液晶配置領域L内の外面上に形成され、内部伝播光を偏向・分散させ
て第1基板110′の内面110bから光を出射させるためのものである。ここで、光偏
向用斜面110xと110yは相互に逆向きの斜面となっている。
【0068】
本実施形態では第1基板110′を導光手段として用いるため、液晶パネルの構造も先
の各実施形態とは若干異ならせてある。例えば、第1基板110′の内面上には、第1基
板110′よりも屈折率の低い透明材料で構成された、例えばフッ化マグネシウム等の低
屈折率層111′が形成される。このように低屈折率層111′を形成すると、第1基板
110′に入射した光はやや大きな入射角の光であっても、第1基板110′と低屈折率
層111′の界面で反射しながら第1基板110′内を進行するので、第1基板110′
から電気光学物質(液晶)131へ向けて出射される照明光の照度を向上させ、或いは、
均一にすることができる。この低屈折率層111′は蒸着法などで形成することができる

【0069】
低屈折率層111′上には内面偏光層117′が形成されている。この内面偏光層11
7′は、水溶性のリオトロピック液晶染料材料、或いは、二色染料を含有するサーモトロ
ピック高分子液晶材料で構成することができる。また、内面偏光層117′としてワイヤ
グリッド構造を採用することもできる。このワイヤグリッド構造は、多数の平行導体線を
光の波長よりも短いピッチで配列したものである。ワイヤグリッドは、入射光に対しては
、平行導体線の方向と一致した偏光面を有する偏光成分を反射し、平行導体線の方向に対
して直交する偏光面を有する偏光成分を透過させる。この構造では、平行導体線の幅をa
、ピッチをdとしたとき、a/dが約0.6であることが好ましい。また、光の波長をλ
としたとき、λ/d≧5であることが好ましい。さらに、導体線の下側の層を反射率の高
い膜で構成し、上側の層を反射率の低い膜で構成してもよい。反射率の高い膜としてはA
g,Au,Alなどで構成されたものが挙げられ、反射率の低い膜としてはCr,Tiで
構成されたものが挙げられる。低コストの観点、或いは、スパッタリング法で成膜できる
という観点では、Alを材料とすることが望ましい。
【0070】
なお、上記低屈折率層111′は、第1基板110′の液晶配置領域Lだけでなく、光
源132が固定されている基板張出部110F上にも形成されていることが好ましい。こ
のようにすると、基板張出部110F′内の光に対しても第1基板110′内への閉じ込
め効果を得ることができる。
【0071】
また、上記第1基板110′の外面上には、上記光偏向用斜面110x、110yを形
成する凹溝内に充填されるとともに、当該外面上に連続する補強層119が形成されるこ
とが好ましい。この補強層119は、凹溝が形成されることによる第1基板110′の剛
性不足を補うものである。この補強層119は、上記光偏向用斜面110x、110yの
全反射特性を阻害しないように、低屈折率素材、例えばフッ化マグネシウム等で構成され
ることが好ましい。この補強膜119は蒸着法などで形成することができる。補強膜11
9の表面は図示例のように平坦に構成することが好ましい。このようにすると、洗浄やふ
き取り等のような表面の清浄化処理が容易になる。
【0072】
一方、図示例では、第2基板120の内面上にも、上記と同様の内面偏光層127′が
形成されている。しかしながら、この第2基板120に関しては、内面偏光層127′を
設ける代わりに、先の実施形態と同様に第2基板120の外面上に偏光板を配置しても構
わない。
【0073】
さらに、第1基板110′の端面には光反射層136が形成されている。すなわち、図
示例の場合、第1基板110′の矩形の平面形状で構成された4辺に各々端面部が設けら
れ、これらの端面部のうちの光源132及び反射板134が配置されている側の一辺の端
面部(光取り込み面110aの設けられている側の端面)を除いた、残りの3辺の端面部
上に全て光反射層136が形成されている。この光反射層136は、具体的には、アルミ
ニウムや白色樹脂などの反射性素材を上記端面部に被着させたものである。なお、反射板
134′が配置されない場合には、第1基板110′の端面全て(すなわち全周)に光反
射層136を形成してもよい。
【0074】
本実施形態では、第1基板110′を導光体として用いることによって、他の導光体を
重ねて配置する必要がなくなるので、全体として大幅な薄型化を図ることができる。また
、光源132から放射されて直接に第1基板110′に取り込まれた光はそのままパネル
内にとどまって表示光として出射されるので、全体として光の利用効率を高めることがで
きる。
【0075】
なお、本実施形態では、光源132から放出された光の第1基板110′内の伝播方向
に沿った画素の配列態様に整合するように、光偏向用斜面110xが形成されていること
が好ましい。特に、上記伝播方向に沿った一つの画素に必ず一つの光偏向用斜面110x
が配置されるように構成されることが望ましい。このようにすると、照明光の照度分布と
画素の配列態様との関係で生ずるモアレ縞の発生を防止することができる。また、画素が
上記伝播方向に一定の配列周期で配列されている場合には、光偏向用斜面110xもまた
、上記伝播方向に同じ周期で形成されることが好ましい。
【0076】
ただし、光偏向用斜面110xによる照明光の照度分布は一般的には第1基板110′
の法線方向にピークを有するとは限らず、例えば、法線方向に対してやや伝播方向へ傾斜
した方向にピークを有することが多いので、光偏向用斜面110xから見て照度分布のピ
ーク方向に画素(の中央部)が存在するように、光偏向用斜面110xと画素との位置関
係を設定することが好ましい。このようにすると、照明光を効率的に表示に寄与する光と
なるように用いることが可能になるので、光の利用効率を高めることができる。
【0077】
なお、光偏向用斜面110x、110yは、レジスト等からなる適宜のパターンのマス
クを設けた上で、フッ化水素酸等を含有するウエットエッチング等を施すことによって容
易に形成することができる。
【0078】
製造工程としては、複数の液晶パネル分を包含するマザー基板(多数個取り基板)を用
いる場合、個々の液晶パネルを分離して完成させてから第1基板110′の外面にエッチ
ング加工等によって光偏向用斜面110x、110yを形成してもよく、或いは、マザー
基板において最初に光偏向用斜面110x、110yを形成してもよいが、外面の損傷や
汚染を防止するためには前者である方が好ましい。また、当然のことながら、マザー基板
を用いずに個々に液晶パネルを形成することもでき、この場合でも工程順については上記
と同様である。
【0079】
また、光源132の形成については、第1実施形態と同様に、第1基板の内面構造と同
じプロセスで光源132の薄膜のうちの一部、例えば、下電極、バンク、上電極、封止層
などを形成してもよい。
【0080】
[第5実施形態]
次に、図9を参照して、本発明に係る第2実施形態の電気光学装置について説明する。
この実施形態は、上記第4実施形態と基本的に同様の構成を有するため、同一部分には同
一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0081】
本実施形態では、第1基板110″の基板張出部110F″を楔状に構成し、光取り込
み面110aに入射した内部伝播光を液晶配置領域L側へ偏向させるための光偏向用斜面
110x″を形成している。この光偏向用斜面110x″の外面上には反射層110zを
配置し、光取り込み面110aに入射した光が反射層110zによって効率的に第1基板
110″の液晶配置領域Lと重なる領域へ導かれるように構成している。これによって、
光偏向用斜面110x″及び反射層110zによる偏向時の光の伝播効率を高めることが
できる。
【0082】
[第6実施形態]
次に、図10を参照して、本発明に係る第6実施形態について説明する。図10は、本
実施形態の電気光学装置の概略平面図である。本実施形態の構造は、上記第1乃至第5実
施形態のいずれの実施形態でも同様の構成を採ることができるものである。ここで、本実
施形態においては第1基板上の構造のみが上記実施形態と異なるので、当該構造について
のみ説明する。
【0083】
本実施形態では、第1基板210と第2基板220との間の液晶配置領域Lに図示しな
い電気光学物質である液晶が配置され、液晶配置領域Lの外側、具体的には、第1基板2
10に設けられた基板張出部210E上に光源232が固定されている。また、この基板
張出部210E上には配線基板235も実装されており、配線基板235の図示しない配
線は、基板張出部210E上に引き出された配線238,239と導電接続されている。
【0084】
基板張出部210E上に形成された配線238は、液晶配置領域L内に形成される図示
しない第1電極及び第2電極に対して直接若しくは間接的に接続されている。また、光源
232は基板張出部210E上に形成された配線239に導電接続され、この配線219
を介して配線基板235から電力を供給されるように構成されている。
【0085】
本実施形態では、基板張出部210Eの幅方向に複数の光源232が間隔を有して配列
されており、配線238は、光源232の配置されていない領域を通過して液晶配置領域
L内に延在している。
【0086】
[第7実施形態]
次に、図11を参照して、本発明に係る第7実施形態について説明する。図11は、本
実施形態の電気光学装置の概略平面図である。本実施形態の構造についても、上記第1乃
至第5実施形態のいずれの実施形態でも同様の構成を採ることができるものである。本実
施形態においても第1基板上の構造のみが上記実施形態と異なるので、当該構造について
のみ説明する。
【0087】
本実施形態では、第1基板210′と第2基板220′との間の液晶配置領域Lに図示
しない電気光学物質である液晶が配置され、液晶配置領域Lの外側、具体的には、第1基
板210′に設けられた基板張出部210E′上に、液晶配置領域L内に形成された第1
電極及び第2電極に直接若しくは間接的に接続された配線238′が引き出され、その先
端に入力端子238x′が設けられている。また、第1基板210′にはもう一つの基板
張出部210F′が設けられ、この基板張出部210F′上に光源232′が固定されて
いる。本実施形態の光源232は、液晶配置領域Lの幅に対応する範囲に亘って延在する
形状に構成された延長形状の光放出面を有する光源(基本的には線状光源)となっている
。なお、このような延長形状の光源は上記のいずれの実施形態でも採用できる。
【0088】
また、基板張出部210E′と210F′の合流部(第1基板210の角部)には光源
232′に接続される配線239′に設けられた入力端子239x′が形成されている。
【0089】
本実施形態の場合、基板張出部210E′は矩形の第1基板210′の一つの辺に沿っ
て設けられ、基板張出部210F′は、当該一つの辺に隣接する他の辺に沿って設けられ
ている。上記入力端子238x′及び239x′は、基板張出部210E′上に実装され
る図示しない配線基板等に導電接続される。
【0090】
[第8実施形態]
最後に、上記各実施形態の電気光学装置100を搭載した電子機器の実施形態について
説明する。図12は、本実施形態の電子機器の一例としての携帯電話機300を示してい
る。ここに示す携帯電話機300は、複数の操作ボタン301a,301b及び送話口な
どを備えた操作部301と、表示画面302aや受話口などを備えた表示部302とを有
し、表示部302の内部に上記の電気光学装置100が組み込まれてなる。
【0091】
そして表示部302の表示画面302aにおいて電気光学装置100により形成された
表示画像を視認することができるようになっている。この場合、携帯電話機300の内部
には、上記電気光学装置100を制御する表示制御回路が設けられる。この表示制御回路
は、電気光学装置100に対して映像信号その他の入力データや所定の制御信号を送り、
その動作態様を決定するように構成されている。
【0092】
尚、本発明の電気光学装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各
実施形態では電気光学装置として液晶を用いた液晶装置を例として説明したが、本発明は
、電気泳動表示装置等の他の電気光学装置にも適用可能である。また、上記実施形態では
図1乃至図11に示す例では透過型液晶装置として、図13及び図13に示す例では半透
過反射型液晶装置として説明したが、フロントライト型の反射型液晶装置等の他の形式の
装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1実施形態の概略縦断面図。
【図2】第1実施形態の概略平面図。
【図3】第1実施形態の概略底面図。
【図4】第2実施形態の概略縦断面図。
【図5】第3実施形態の概略縦断面図。
【図6】第4実施形態の概略縦断面図。
【図7】第4実施形態の概略平面図。
【図8】第4実施形態の概略底面図。
【図9】第5実施形態の概略縦断面図。
【図10】第6実施形態の概略縦断面図。
【図11】第7実施形態の概略縦断面図。
【図12】電子機器の一例(第8実施形態)を示す概略斜視図。
【図13】第1実施形態の他の構成例の画素構造を示す拡大平面図。
【図14】第1実施形態の他の構成例の画素構造を示す拡大縦断面図。
【図15】第1実施形態の光源の構成例を示す拡大縦断面図。
【図16】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図17】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図18】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図19】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図20】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図21】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図22】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図23】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図24】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図25】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【図26】第1実施形態の光源の製造工程を示す概略工程図。
【符号の説明】
【0094】
100…電気光学装置、110…第1基板、122…配線素子構造、122a…半導体層
、122b…ゲート絶縁膜、122c…ゲート電極、122d…データ線、122g…走
査線、123A,123B…層間絶縁膜、120…第2基板、131…液晶、132…光
源、132x…光放出面、132a…下電極、132b…バンク、132c…発光構造、
132d…上電極、1322…スイッチング素子、1322a…半導体層、1322b…
ゲート絶縁膜、1322c…ゲート電極、1322d…データ線、1323A,1323
B、1323C…層間絶縁膜、140…導光板、140a…光取り込み面、140b…光
出射面、140x、140y…光偏向用斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向してなる第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持されてなる電気光学物質と、
前記第1基板の前記第2基板とは反対側の面に対向してなる導光手段と、
前記第1基板の前記第2基板側の面に設けられた光源と、を具備し、
前記光源から出射された光は、前記第1基板を透過して前記導光手段に入射し、前記導
光手段を伝播して前記導光手段から出射され、再び前記第1基板に入射して前記電気光学
パネルの表示に寄与することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
第1基板と、
前記第1基板に対向してなる第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持されてなる電気光学物質と、
前記第1基板の前記第2基板側の面に設けられた光源と、を具備し、
前記光源から出射された光は、前記第1基板に入射し、前記第1基板を伝播して前記第
1基板の前記第2基板側の面から出射され、前記電気光学物質に入射して表示に寄与する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
前記光源は、前記電気光学物質が配置される領域から外れた領域に設けられていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光源は、前記第1基板における前記第2基板の外形よりも外側へ張り出した基板張
出部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1基板は、薄膜積層構造によって構成されたスイッチング素子と、前記スイッチ
ング素子に接続されてなり、前記電気光学物質に電圧を印加するための電極と、を有し、
前記光源は、前記スイッチング素子の薄膜積層構造の少なくとも一部と同じ薄膜積層構
造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1基板は、前記電気光学物質を電気的に制御するための電極を含む画素構造を有
し、前記光源は、前記画素構造の少なくとも一部と同じ構成部分を有することを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記光源は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記光源は、発光ダイオード素子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一
項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第1基板には、内部に入射した光を偏向させ、前記第2基板側の面から出射させる
光偏向用斜面が前記第2基板とは反対側の面に設けられてなることを特徴とする請求項2
に記載の電気光学装置。
【請求項10】
複数の画素を備え、
前記光偏向用斜面は、前記画素に対応した位置にそれぞれ設けられていることを特徴と
する請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
複数の画素が周期的に配列され、
複数の前記光偏向用斜面は、前記画素の配列周期に一致する周期で形成されていること
を特徴とする請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記第1基板の前記第2基板側の面上に、偏光子又は検光子を構成する内面偏光層が形
成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えていること
を特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−121994(P2007−121994A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101621(P2006−101621)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】