説明

電気光学装置のシフトレジスタ制御装置及び電気光学装置

【課題】電気光学装置において、1つの外部切換信号線によって、パネルの垂直方向及び水平方向の走査方向を切り換えることである。
【解決手段】液晶表示装置10には、表示領域14の周囲に、シフトレジスタ制御装置20が配置される。シフトレジスタ制御装置20は、垂直側シフトレジスタ22、水平側シフトレジスタ24、切換回路26を含んで構成される。切換回路26は、既に存在している垂直側シフトレジスタ22のクロック信号CKVの2つの状態を利用し、1つの外部切換信号線から供給される制御信号CSVHに基づいて、垂直方向走査切換信号CSVと水平方向走査切換信号CSHを生成する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気光学装置のシフトレジスタ制御装置及び電気光学装置に係り、特に垂直方向走査切換信号によって走査方向が切り換わる垂直側シフトレジスタと、水平方向走査切換信号によって走査方向が切り換わる水平側シフトレジスタとを有する電気光学装置のシフトレジスタ制御装置及び電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置等の電気光学装置では、複数の走査信号線と複数のデータ信号線とを用いてマトリクス状に配置された各表示領域に所望の表示を行う。そして、複数の走査信号線について順次選択を行い、また、映像信号を複数のデータ信号線へ順次供給するために、シフトレジスタ回路技術が用いられる。
【0003】
そして、用途に応じて画像反転表示が可能なように、例えば、走査信号線の走査方向をパネルの上側から下側へ走査することも、パネルの下側から上側へ走査することも可能なように工夫がされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、画像の反転を行うために液晶表示装置を構成する信号回路及び走査回路に双方向シフトレジスタを用いることが述べられている。ここでは、走査回路が双方向シフトレジスタを用いた回路で構成され、外部からの信号である走査切換え信号VDRによってパネルの上側から下にまたは下側から上に走査パルスのタイミングを順にずらすこと、信号回路が双方向シフトレジスタとサンプル回路から構成され、外部からの信号である走査切換え信号HDRによってパネルの左側から右にまたは右側から左にドレイン信号のサンプルパルスのタイミングを順にずらすことが述べられている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−176186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法によれば、VDRによってパネルの上下方向の走査方向を切り換えることができ、HDRによってパネルの左右方向の走査方向を切り換えることができる。ここでは、2種類の外部切換信号を用いているため、2本の外部切換信号線を要しているが、これを1つの外部切換信号線でパネルの上下及び左右を切り換えることができれば、外部からの信号配線等を少なくでき便利である。
【0007】
本発明の目的は、1つの外部切換信号線によって、パネルの垂直方向及び水平方向の走査方向を切り換えることを可能にする電気光学装置のシフトレジスタ制御装置及び電気光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置のシフトレジスタ制御装置は、複数の走査信号線とデータ信号線の各交点にマトリクス状に画素が配置された表示領域を備えた電気光学装置のシフトレジスタ制御装置であって、前記シフトレジスタ制御装置は、前記走査信号線を所望の方向に走査する垂直側シフトレジスタと、前記データ信号線を所望の方向に走査する水平側シフトレジスタと、前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向の切り換えを制御する切換回路とを備え、前記切換回路は、前記垂直側シフトレジスタまたは前記水平側シフトレジスタに用いられるクロック信号が供給されるクロック信号線と前記クロック信号の2つの状態に同期して前記走査方向を制御するための制御信号データが供給される1本の外部切換信号線とが接続され、前記クロック信号と制御信号データに基づいて、前記垂直側シフトレジスタと水平側シフトレジスタの走査方向を切り換える垂直方向走査切換信号と水平方向走査切換信号とを生成して出力し、前記垂直側シフトレジスタは、前記垂直方向走査切換信号により走査方向を切り換え、前記水平側シフトレジスタは、前記水平方向走査切換信号により走査方向を切り換えること、を特徴とする。
【0009】
上記構成により、電気光学装置のシフトレジスタ制御装置は、クロック信号における2つの状態に同期させて外部から入力される制御信号データに基づいて前記垂直方向走査切換信号と前記水平方向走査切換信号を生成する。したがって、1つの外部切換信号線で制御信号データを入力して、パネルの垂直方向及び水平方向の走査方向を切り換えることが可能になり、走査方向を切り換えるための制御信号線の数を減らすことができるので、周辺回路に要する回路面積を減らすことができ、電気光学装置の基板サイズの小型に貢献することができる。
【0010】
また、本発明に係る電気光学装置は、複数の走査信号線とデータ信号線の各交点にマトリクス状に画素が配置された表示領域と、前記走査信号線を所望の方向に走査する垂直側シフトレジスタと、前記データ信号線を所望の方向に走査する水平側シフトレジスタと、前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向の切り換えを制御する切換回路とを備えた電気光学装置であって、前記切換回路は、前記垂直側シフトレジスタまたは前記水平側シフトレジスタに用いられるクロック信号が供給されるクロック信号線と前記クロック信号における2つの状態に同期して前記走査方向を制御するための制御信号データが供給される1本の外部切換信号線とが接続され、前記クロック信号と制御信号データに基づいて、前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向を切り換える垂直方向走査切換信号と水平方向走査切換信号とを生成して出力し、前記垂直側シフトレジスタは、前記垂直方向走査切換信号により走査方向を切り換え、前記水平側シフトレジスタは、前記水平方向走査切換信号により走査方向を切り換えること、を特徴とする。
【0011】
したがって、1つの外部切換信号線によって、パネルの垂直方向及び水平方向の走査方向を切り換えることができ、走査方向を切り換えるための制御信号線の数を減らすことができるので、周辺回路に要する回路面積を減らすことができ、電気光学装置の基板サイズの小型に貢献することができる。
【0012】
また、前記切換回路は、前記クロック信号の第1の状態で取得した前記制御信号データと、前記クロック信号の第2の状態で取得した前記制御信号データとに基づいて、前記垂直方向走査切換信号と前記水平方向走査切換信号を生成して出力することが好ましい。これにより、第1の状態で取得した制御信号データと第2の状態で取得した制御信号データを区別できるので、例えば、この区別によって入力された制御信号データを2種類の指示として用いることができる。したがって、簡単な構成で、1つの外部信号線の入力を2種類の指示内容のものとできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、シフトレジスタ制御装置として、液晶表示装置の走査信号線の順次走査に用いる垂直側シフトレジスタ及びデータ信号線に映像信号を順次供給するために用いる水平側シフトレジスタを含むものとして説明するが、液晶表示装置以外の電気光学装置に用いられるシフトレジスタ制御装置であってもよい。例えば、エレクトロルミネセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いて装置に用いられるシフトレジスタ制御装置であってもよい。また、電気光学装置以外の回路装置等に用いられるシフトレジスタ制御装置でもよい。
【0014】
また、以下では、液晶表示装置として、ガラス基板上に低温ポリシリコン技術を用いて垂直側シフトレジスタ、水平側シフトレジスタ、切換回路を含むシフトレジスタ制御装置を形成するものとして説明するが、これ以外の方法で、絶縁基板上にシフトレジスタ制御装置を搭載するものであればよい。例えば、高温ポリシリコン技術を用いて絶縁基板上にシフトレジスタ制御装置の各要素を形成するものであってもよい。ポリシリコン技術に代えてアモルファスシリコン技術を用いてシフトレジスタ制御装置の各要素を形成するものであってもよい。シフトレジスタ制御装置の全部でなく一部をポリシリコン技術あるいはアモルファスシリコン技術等で絶縁基板上に形成するものであってもよい。また、シフトレジスタ回路システムの全部または一部を別チップに形成し、これを液晶表示装置の絶縁基板上に搭載するものであってもよい。
【0015】
また、以下では、外部からの制御信号データを区別するために用いられる所定の周期信号として、垂直側シフトレジスタに用いられるクロック信号を説明するが、これに代えて水平側シフトレジスタに用いられるクロック信号を用いるものとしてもよい。また、これらのクロック信号以外の信号であっても、適当な周期によって2つの状態を有する周期信号であれば、これを用いることができる。要は、シフトレジスタの走査方向の切換のために特別に生成される信号でなく、既に他の目的に使用されている周期信号であればよい。
【0016】
図1は、アクティブマトリクス型のフルカラー表示用の液晶表示装置10の模式的平面図である。液晶表示装置10は、ガラス基板12の上にTFT(Thin Film Transistor)等の半導体素子が低温ポリシリコン技術で形成されたものを用い、カラーフィルタ等が形成されたもう1枚のガラス基板との間に液晶分子が挟持されて構成される。
【0017】
図1において、液晶表示装置10には、表示領域14の周囲に、シフトレジスタ制御装置20が配置される。シフトレジスタ制御装置20は、垂直側シフトレジスタ22、水平側シフトレジスタ24、切換回路26を含んで構成される。
【0018】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置10は、図1の紙面上の左右方向である水平方向に延びる複数の走査信号線と、紙面上の上下方向である垂直方向に延びる複数のデータ信号線とによってマトリクス状に区画された各領域を画素領域として、走査信号線の本数とデータ信号線の本数の積に応じた複数の画素領域等によって表示領域14が構成される。そして、表示領域14を構成する各画素領域に順次映像信号を供給して所望の表示を行わせるために、複数の走査信号線を垂直方向に順次選択し、複数のデータ信号線について水平方向に順次映像信号を供給することが行われる。この垂直方向の順次走査に垂直側シフトレジスタ22と、水平方向の順次走査に水平側シフトレジスタ24が用いられる。
【0019】
垂直側シフトレジスタ22は、適当な入力信号を入力し、クロック信号の変化に同期させて、入力信号と同様な信号を、時間を順次ずらして出力する機能を有する回路で、例えば、10段のシフトレジスタの場合、入力信号と同様な信号を、クロック信号の変化ごとに、順次10個出力する。この順次シフトして出力される信号を、表示領域14の走査線選択信号として用いることで、クロック信号の変化に同期して、複数の走査線を順次選択することができる。なお、図1では、垂直側シフトレジスタ22に用いられるクロック信号がCKVとして示されている。
【0020】
同様に水平側シフトレジスタも、クロック信号の変化に同期させて、入力信号と同様な信号を、時間を順次ずらして出力する機能を有する回路である。この順次シフトして出力される信号を、表示領域14のデータ信号線に映像信号を供給する切換スイッチの制御信号として用いることで、クロック信号の変化に同期して、複数のデータ信号線に順次映像信号を供給することができる。
【0021】
なお、図1では、垂直側シフトレジスタ22に用いられるクロック信号がCKVとして示されている。クロック信号CKVは、図1に示されるように、液晶表示装置10の外部制御部から供給されることができるほか、液晶表示装置10のガラス基板12上に適当な発振回路等を搭載することで液晶表示装置10の内部で生成することもできる。図1では図示が省略されているが、水平側シフトレジスタ24にも、同期用のクロック信号が供給される。垂直側シフトレジスタ22に用いられるクロック信号と水平側シフトレジスタ24に用いられるクロック信号とは、同じ信号としてもよく、異なる信号としてもよい。
【0022】
かかる垂直側シフトレジスタ22、水平側シフトレジスタ24としては、例えば複数のデータフリップフロップ等を直列に接続し、これをクロック信号で駆動し、データを前段から後段に順次転送する方式が知られている。また、抵抗負荷型のインバータ回路を用いる方式、抵抗負荷に代えてMISトランジスタを用いた方式等も知られている。MISトランジスタは、絶縁膜をゲート膜として用いる電界効果型トランジスタで、絶縁膜としては酸化膜、窒化膜、酸化膜と窒化膜との複合絶縁膜等を用いることができる。MISトランジスタは、スイッチング素子として用いることができ、またそのドレイン端子とゲート端子を接続して2端子素子とすることで、ダイオード特性の抵抗素子として用いることもできる。
【0023】
そして、垂直側シフトレジスタ22は、垂直方向走査切換信号CSVによって、その走査方向を切り換えることができる機能を有する。例えば、CSVがHレベルの電位であるかLレベルの電位であるかによって、走査方向を互いに逆のものとできる。一例を上げると、CSVがHレベルの電位であるときに、図1の紙面において、上側方向から下側方向に、シフト信号である走査線選択信号が順次出力し、CSVがLレベルの電位であるときに、図1の紙面において、下側方向から上側方向に、シフト信号である走査線選択信号が順次出力するものとできる。勿論逆の関係とすることもできる。
【0024】
同様に、水平側シフトレジスタ24は、水平方向走査切換信号CSHによって、その走査方向を切り換えることができる機能を有する。例えば、CSHがHレベルの電位であるかLレベルの電位であるかによって、走査方向を互いに逆のものとできる。一例を上げると、CSHがHレベルの電位であるときに、図1の紙面において、左側方向から右側方向に、シフト信号が順次出力してデータ信号線に映像信号を順次供給し、CSHがLレベルの電位であるときに、図1の紙面において、右側方向から左側方向に、シフト信号が順次出力してデータ信号線に映像信号を順次供給するものとできる。勿論逆の関係とすることもできる。
【0025】
切換回路26は、1つの外部切換信号線から供給される制御信号CSVHに基づいて、垂直方向走査切換信号CSVと水平方向走査切換信号CSHを生成する機能を有する回路である。ここでは、上記の例で、垂直方向走査方向が上側から下側へか、下側から上側へか、水平方向走査方向が左側から右側へか、右側から左側へか、の4つの選択指示を、CSVHのデータから区別する必要がある。一般的には、4つの状態を区別するには、最低限で2ビットの情報を用いればよい。1つの方法は、単純に2ビットのシリアルデータまたはパラレルデータをCSVHとすればよい。前者の場合は1本の信号線ですむが、後者は2本の信号線を要し、最初からCSVとCSHを外部信号とすることと変わらない。前者の場合には、シリアルデータの区別の技術が必要となる。
【0026】
切換回路26は、既に存在している垂直側シフトレジスタ22のクロック信号CKVの2つの状態を利用して、簡単な構成で、1本の信号線からのシリアルデータの区別を行い、上記の4つの選択を区別する機能を有する回路である。図2に切換回路26の構成を示す。
【0027】
切換回路26は、制御信号CSVHとクロック信号CKVとを入力信号とし、垂直方向走査切換信号CSVと水平方向走査切換信号CSHとを出力信号とする回路である。ここで、制御信号CSVHは、1本の外部切換信号線によって、図1における液晶表示装置10の外部制御部から供給される信号である。クロック信号CKVは、図1における液晶表示装置10において、走査方向の切換とは無関係に、垂直側シフトレジスタ22の動作用に既に供給されている内部信号である。すなわち、切換回路26のために特別に外部信号線を用いて供給される信号ではなく、既に他の目的に用いられている周期信号である。
【0028】
切換回路26は、図2に示されるように、ほぼ同様の構成の2つの回路ブロックからなる。図2において上部の回路ブロックは、CSVHとCKVからCSVを生成する回路ブロックで、下部の回路ブロックは、CSVHとCKVからCSHを生成する回路ブロックである。後者は、前者に対し、CKVの反転信号を作り出すインバータが付加されているところが相違する。切換回路26は、2入力ANDと、Dとして示されている遅延回路と、2つのトランジスタ記号で示されているトランスミッションゲートと、インバータとで構成される。図3は、遅延回路Dを示す図で、このように遅延回路Dは、抵抗素子と容量素子とで構成することができる。
【0029】
図4から図7は、CSVHの状態によってCSV、CSHが生成される様子を示すタイムチャートである。これらの図において、横軸は時間、縦軸は電圧レベルを示す。なお、電圧レベルは、HレベルとLレベルとで規格化して示した。これらの図において、aからfは、図2において対応する要素の出力端の状態を示すが、図4、図5におけるaからfは、図2におけるCSV生成のための回路ブロック、すなわち図2の上部の回路ブロックにおいて示されたaからfに対応する。同様に、図6、図7におけるaからfは、図2におけるCSH生成のための回路ブロック、すなわち図2の下部の回路ブロックにおいて示されたaからfに対応する。
【0030】
図4、図5においては、CKVの立上りの期間におけるCSVHの値によって、CSVがLレベルかHレベルかを決定する様子が示されている。すなわち、CKVの立上りの2つの隣接する期間のCSVHの値は、図4においては「1」と「0」であり、図5においては「1」と「1」である。この相違に応じて、その次のCKVの立ち上りの期間におけるCSVは「0」か「1」となる。
【0031】
同様に図6、図7においては、CKVの立下りの期間におけるCSVHの値によって、CSHがLレベルかHレベルかを決定する様子が示されている。すなわち、CKVの立下りの2つの隣接する期間のCSVHの値は、図6においては「1」と「0」であり、図7においては「1」と「1」である。この相違に応じて、その次のCKVの立ち下りの期間におけるCSHは「0」か「1」となる。
【0032】
この様子をまとめたのが図8である。すなわち、CKVの立上りの2つの隣接する期間におけるCSVHの2ビットの値の相違によってCSVが「L」か「H」かが決定され、CKVの立下りの2つの隣接する期間におけるCSVHの2ビットの値の相違によってCSHが「L」か「H」かが決定される。
【0033】
このように、切換回路26は、所定の周期信号であるCKVにおける2つの状態に同期させて、外部から入力される制御信号CSVHのデータに基づいて、垂直方向走査切換信号CSVと水平方向走査切換信号CSHとを生成して出力する。
【0034】
上記の例では、CKVの立上りを第1の状態とし、立下りを第2の状態とし、第1の状態におけるCSVHのデータを垂直側シフトレジスタの走査方向切換指示データとし、第2の状態におけるCSVHのデータを水平側シフトレジスタの走査方向切換指示データとする。勿論、逆の関係とすることもできる。
【0035】
また、上記では、CKVの立上った後の「H」期間を第1状態とし、CKVの立下った後の「L」期間を第2状態としたが、CKVの立上りタイミングを第1状態とし、立下りタイミングを第2状態として、CKVの立上りと立下りとでCSVHのデータを読み込むものとしてもよい。
【0036】
そして、CSVHのデータが同一であっても、CKVの第1状態におけるデータか、第2状態におけるデータかによって、垂直側シフトレジスタに関する指示か、水平シフトレジスタに関する指示かを区別する。例えば、上記の場合において、CSVHのデータが「1」「0」のとき、これがCKVの第1状態におけるデータであるときは、垂直側シフトレジスタの下側から上側への走査方向の指示として、CSVを「L」として出力するが、これがCKVの第2状態におけるデータであるときは、水平側シフトレジスタの右側から左側への走査方向の指示として、CSHを「L」として出力する。
【0037】
そして、上記の例では、CSVが「H」のとき、図1において上側から下側へと走査が行われ、「L」のとき、下側から上側へと走査が行われる。また、CSHが「H」のとき、図1において左側から右側へと走査が行われ、「L」のとき、右側から左側へと走査が行われる。勿論「H」と「L」の意味づけをこれと逆のものとすることもできる。
【0038】
なお、図8に示されるように、CSVHの2ビットのデータのうち、最初のビットはいずれも「1」である。したがって、CSVHを1ビットのデータとし、「H」か「L」かの区別と、CKVの立上りか立下りかの区別の組合せでも、4つの状態を区別して、CSVの「H」か「L」、またはCSHの「H」か「L」を出力することは可能である。
【0039】
ここで、図8において、最初のビットを「1」としているのは、CSVHを「L」から「H」に立ち上げて、まずCKVの2つの状態の区別によってCSVに対する指示かCSHに対する指示かを明らかにし、次のビットにおいて、走査方向の区別を明らかにする2段階の判断とするものである。このように2段階の判断とすることで、データの信頼性を向上させ、誤判断を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る実施の形態における液晶表示装置の模式的平面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において、切換回路の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態において、遅延回路の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態において、CSVHの状態によってCSVのLレベルが生成される様子を示すタイムチャートである。
【図5】本発明に係る実施の形態において、CSVHの状態によってCSVのHレベルが生成される様子を示すタイムチャートである。
【図6】本発明に係る実施の形態において、CSVHの状態によってCSHのLレベルが生成される様子を示すタイムチャートである。
【図7】本発明に係る実施の形態において、CSVHの状態によってCSHのHレベルが生成される様子を示すタイムチャートである。
【図8】本発明に係る実施の形態において、切換回路の作用をまとめて示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10 液晶表示装置、12 ガラス基板、14 表示領域、20 シフトレジスタ制御装置、22 垂直側シフトレジスタ、24 水平側シフトレジスタ、26 切換回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号線とデータ信号線の各交点にマトリクス状に画素が配置された表示領域を備えた電気光学装置のシフトレジスタ制御装置であって、
前記シフトレジスタ制御装置は、
前記走査信号線を所望の方向に走査する垂直側シフトレジスタと、
前記データ信号線を所望の方向に走査する水平側シフトレジスタと、
前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向の切り換えを制御する切換回路とを備え、
前記切換回路は、前記垂直側シフトレジスタまたは前記水平側シフトレジスタに用いられるクロック信号が供給されるクロック信号線と前記クロック信号の2つの状態に同期して前記走査方向を制御するための制御信号データが供給される1本の外部切換信号線とが接続され、前記クロック信号と制御信号データに基づいて、前記垂直側シフトレジスタと水平側シフトレジスタの走査方向を切り換える垂直方向走査切換信号と水平方向走査切換信号とを生成して出力し、
前記垂直側シフトレジスタは、前記垂直方向走査切換信号により走査方向を切り換え、
前記水平側シフトレジスタは、前記水平方向走査切換信号により走査方向を切り換えること、
を特徴とする電気光学装置のシフトレジスタ制御装置。
【請求項2】
複数の走査信号線とデータ信号線の各交点にマトリクス状に画素が配置された表示領域と、
前記走査信号線を所望の方向に走査する垂直側シフトレジスタと、
前記データ信号線を所望の方向に走査する水平側シフトレジスタと、
前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向の切り換えを制御する切換回路とを備えた電気光学装置であって、
前記切換回路は、前記垂直側シフトレジスタまたは前記水平側シフトレジスタに用いられるクロック信号が供給されるクロック信号線と前記クロック信号における2つの状態に同期して前記走査方向を制御するための制御信号データが供給される1本の外部切換信号線とが接続され、前記クロック信号と制御信号データに基づいて、前記垂直側シフトレジスタと前記水平側シフトレジスタの走査方向を切り換える垂直方向走査切換信号と水平方向走査切換信号とを生成して出力し、
前記垂直側シフトレジスタは、前記垂直方向走査切換信号により走査方向を切り換え、
前記水平側シフトレジスタは、前記水平方向走査切換信号により走査方向を切り換えること、
を特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気光学装置において、
前記切換回路は、
前記クロック信号の第1の状態で取得した前記制御信号データと、前記クロック信号の第2の状態で取得した前記制御信号データとに基づいて、前記垂直方向走査切換信号と前記水平方向走査切換信号を生成して出力することを特徴とする電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−224886(P2008−224886A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60697(P2007−60697)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】