説明

電気光学装置の製造方法および電気光学装置

【課題】端縁に傾斜端面が形成されている電気光学装置用基板を用いた場合でも、電気光学装置用基板の所定領域にフォトリソグラフィ技術により感光性樹脂層を確実に形成することのできる電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を提供すること。
【解決手段】液晶装置において、透光膜8、反射防止膜90および感光性樹脂層80をこの順に形成した後、電気光学装置用基板10sの一方面10gの第1傾斜端面10iを含む樹脂層除去予定領域に露光を行い、その後、現像して、透光膜8に対するレジストマスクを形成する。露光の際、露光光は、第1傾斜端面10iを通って電気光学装置用基板10sの内部に進入した後、第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80のうち、露光すべきでない部分に向かって進行しようとするが、かかる露光光については反射防止膜90により吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性の電気光学装置用基板に塗布された感光性樹脂層を露光、現像する工程を有する電気光学装置の製造方法、および当該方法により製造された電気光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置の製造工程において、ガラス基板や石英基板等の透光性の電気光学装置用基板上の所定領域にレジストマスクを形成するには、電気光学装置用基板に塗布された感光性樹脂層を露光、現像するフォトリソグラフィ技術が用いられる。
【0003】
例えば、図9(a)に示す透光膜8をパターニングするためのレジストマスクを形成する場合には、まず、電気光学装置用基板10sの一方面10g側にポジタイプの感光性樹脂層80を塗布する。次に、図9(b)、(c)に示す露光工程において、感光性樹脂層80のうち、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の傾斜端面に形成された感光性樹脂層80eを含む樹脂層除去予定領域を露光させる露光工程を行い、しかる後に、図9(d)に示す現像工程を行い、感光性樹脂層80の露光部分を除去する一方、未露光部分を残してレジストマスク81を形成する。ここで、電気光学装置用基板10sは、面取り加工によって、一方面10g側の端縁および他方面10h側の端縁に第1傾斜端面10iおよび第2傾斜端面10jが形成されている場合があり、このような場合、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80eについては露光されにくい。このため、図9(b)に示すように、遮光部材87等を介して第1傾斜端面10i上に形成された感光性樹脂層80を予め、露光する周辺露光を行い、その後、図9(c)に示すように、パターニング用露光マスク88を介して感光性樹脂層80を露光するパターニング用露光を行うことが多い。
【0004】
しかしながら、図9(b)、(c)に示す露光の際、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射して、矢印L3で示すように、第2傾斜端面10jで反射すると、感光性樹脂層80において露光する予定でない余計な部分80sまでが露光してしまう。その結果、図9(d)に示すように、現像後、レジストマスク81に欠落部分81tが発生してしまい、図9(e)に示すように、パターニング後の透光膜8aには、レジストマスク81の欠落部分81tと重なる位置に透光膜8aの欠落部分8tが発生するという問題点がある。特に、電気光学装置の製造工程では、上記の工程を複数サイクル行うことが多い。このような場合、電気光学装置用基板10sの同じ領域に欠落部分が発生する結果、かかる欠落部分に起因する凹部がミリメートルオーダーのサイズで発生してしまう。
【0005】
そこで、第1傾斜端面10iを光散乱面とし、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射する際、散乱させることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−38984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の構成のように、第1傾斜端面10iを光散乱面とした場合でも、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sに入射する以上、第2傾斜端面10jでの反射が起こり、感光性樹脂層80において余計な部分が露光されてしまい、電気光学装置用基板10sの所定領域に感光性樹脂層80を残すことができないという問題点がある。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、端縁に傾斜端面が形成されている電気光学装置用基板を用いた場合でも、電気光学装置用基板の所定領域にフォトリソグラフィ技術により感光性樹脂層を確実に形成することのできる電気光学装置の製造方法、および当該方法により製造された電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、一方面側の端縁に第1傾斜端面を備え、他方面側の端縁に第2傾斜端面が形成された透光性の電気光学装置用基板の前記一方面側に透光膜を形成する透光膜形成工程と、前記透光膜の上層に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程と、前記反射防止膜の上層側にポジタイプの感光性樹脂層を塗布する感光性樹脂層塗布工程と、前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面を含む樹脂層除去予定領域に形成されている感光性樹脂層を露光させる露光工程と、前記感光性樹脂層を現像して当該感光性樹脂層の未露光部分を残す現像工程と、前記現像工程によって残された前記感光性樹脂層をレジストマスクとして前記反射防止膜および前記透光膜をエッチングするエッチング工程と、を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明では、透光性の電気光学装置用基板に形成された透光膜をパターニングするためのレジストマスクを形成するにあたって、透光膜、反射防止膜およびポジタイプの感光性樹脂層をこの順に形成した後、露光工程および現像工程を行い、感光性樹脂層をパターニングするとともに、第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を除去する。その際、電気光学装置用基板の端部に入射した露光光は、第2傾斜端面で反射して感光性樹脂層のうち、露光すべきでない部分に向かって進行する。しかるに本発明では、感光性樹脂層の下層側に反射防止膜が形成されており、かかる反射防止膜は露光光を吸収する。このため、電気光学装置用基板の端部から入射しようとする露光光の光量を低減することができる。また、電気光学装置用基板に入射した露光光が第2傾斜端面で反射して、感光性樹脂層のうち、露光すべきでない部分に向かって進行しても、かかる反射光(露光光)は反射防止膜によって吸収される。従って、感光性樹脂層において余計な部分が露光されるのを防止することができるので、電気光学装置用基板の所定領域に感光性樹脂層を確実に形成することができる。また、反射防止膜については、感光性樹脂層と同様、電気光学装置用基板の一方面全体に形成すればよいので、電気光学装置用基板の一部を光散乱面とする構成等と違って生産性が大幅に低下することもない。また、反射防止膜は、感光性樹脂層を露光する際、感光性樹脂層の下地側での反射を防止するので、露光精度が向上するという利点もある。
【0011】
本発明は特に、前記露光工程において、前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を露光させる周辺露光と、パターニング用露光マスクによって前記感光性樹脂層を部分的に露光させるパターニング用露光と、を行う場合に適用すると効果的である。かかる構成によれば、第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を露光しにくい場合でも、第1傾斜端面上の感光性樹脂層を確実に露光することができる。従って、現像の際、第1傾斜端面上から感光性樹脂層を確実に除去することができるので、その後の工程で周辺部分に残った感光性樹脂層が剥がれて塵芥となる等の問題が発生しない。ここで、周辺露光の際には、電気光学装置用基板の端部に集中して露光するため、その分、電気光学装置用基板の端部から入射しようとする光量が大である。しかるに本発明によれば、感光性樹脂層の下層側に反射防止膜が形成されているので、周辺露光を行っても、感光性樹脂層において余計な部分が露光されてしまうことを確実に防止することができる。
【0012】
本発明は特に、前記反射防止膜形成工程、前記感光性樹脂層塗布工程、前記露光工程、前記現像工程および前記エッチング工程をこの順に、複数サイクル行う場合に適用すると効果的である。感光性樹脂層塗布工程、露光工程、現像工程およびエッチング工程を複数サイクル行うと、感光性樹脂層の同一箇所が余計に露光されてしまい、大きな凹部が発生することになるが、本発明では、各サイクル毎に反射防止膜形成工程を行うため、感光性樹脂層において余計な部分が露光されてしまうことを確実に防止することができ、余計な凹部の発生を防止することができる。
【0013】
本発明は特に、前記電気光学装置用基板は、分割により単品サイズの電気光学装置用基板が複数、得られる大型基板である場合に適用すると効果的である。すなわち、本発明によれば、大型の電気光学装置用基板の端部近くであっても露光異常が発生しないので、端部近くまで単品サイズの電気光学装置用基板の切り出し領域として利用することができる。
【0014】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、液晶装置の製造方法や有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法等、各種電気光学装置の製造方法に適用することができる。これらの電気光学装置のうち、液晶装置の製造方法に本発明を適用する場合、前記電気光学装置用基板を、液晶装置において液晶層を介して対向する一対の液晶装置用基板の少なくとも一方として用いる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶装置に用いた液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液晶装置の画素の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶装置の製造工程を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る液晶装置の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図である。
【図6】本発明を適用した液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に透光膜を形成する工程を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に透光膜を形成する工程を示す説明図である。
【図8】本発明を適用した液晶装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【図9】従来の液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に透光膜を形成する工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、各種の電気光学装置のうち、液晶装置およびその製造方法に本発明を適用した場合を中心に説明する。また、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明で参照する図面においては、図9を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0017】
[電気光学装置およびその製造方法]
(電気光学装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図1において、液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10a(画像表示領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画素領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0018】
素子基板10において、画素領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0019】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55(容量素子)が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線5bが形成されており、かかる容量線5bは、共通電位Vcomが印加された共通電位線5cに導通している。
【0020】
(液晶パネル100pの構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る液晶装置100に用いた液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置100の液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0021】
図2(a)、(b)に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10(電気光学装置用基板/液晶装置用基板)と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0022】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画素領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と画素領域10aの外周縁との間には、略四角形の周辺領域10bが額縁状に設けられている。素子基板10において、画素領域10aの外側では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0023】
詳しくは後述するが、素子基板10の一方側の基板面において、画素領域10aには、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0024】
また、素子基板10の一方面側において、周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9b(図2(b)参照)が形成されている。ダミー画素電極9bについては、ダミーの画素トランジスターと電気的に接続された構成、ダミーの画素トランジスターが設けられずに配線に直接、電気的に接続された構成、あるいは電位が印加されていないフロート状態にある構成が採用される。かかるダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画素領域10aと周辺領域10bとの高さ位置を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。また、ダミー画素電極9bを所定の電位に設定すれば、画素領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止することができる。
【0025】
対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜26が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。また、対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には、共通電極21の下層側に遮光層108が形成されている。本形態において、遮光層108は、画素領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状に形成されており、見切りとして機能する。ここで、遮光層108の外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にあり、遮光層108とシール材107とは重なっていない。なお、対向基板20において、遮光層108は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と重なる領域等にも形成されることがある。
【0026】
このように構成した液晶パネル100pにおいて、素子基板10には、シール材107より外側において対向基板20の角部分と重なる領域に、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。かかる基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。
【0027】
シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極109を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0028】
かかる構成の液晶装置100において、本形態のように、画素電極9aおよび共通電極21を透光性導電膜により形成すると、透過型の液晶装置を構成することができる。これに対して、共通電極21を透光性導電膜により形成し、画素電極9aを反射性電極として構成すると、反射型の液晶装置を構成することができる。液晶装置100が反射型である場合、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。液晶装置100が透過型である場合、素子基板10および対向基板20のうち、一方側の基板から入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0029】
液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0030】
本形態において、液晶装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる透過型の液晶装置であって、対向基板20から入射した光が素子基板10を透過して出射される場合を中心に説明する。また、本形態において、液晶装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0031】
(画素の具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態に係る液晶装置100の画素の説明図であり、図3(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置100に用いた素子基板10において隣り合う画素の平面図、および図3(a)のF−F′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)では、半導体層1aは細くて短い点線で示し、走査線3aは太い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は一点鎖線で示し、容量線5b(保持容量55の第2電極)は二点鎖線で示し、画素電極9aは太くて長い破線で示してある。また、図3(a)では、下電極層4a(保持容量55の第1電極)およびエッチングストッパー層40aの開口部40bについては二重の細い実線で示してあり、かかる二重の細い実線のうち、外側の実線は下電極層4aの形成領域に相当し、内側の実線はエッチングストッパー層40aの開口部40bに相当する。また、二点鎖線で示す容量線5bと重なる領域には誘電体層42aが形成されている。
【0032】
図3(a)に示すように、素子基板10上には、複数の画素100aの各々に矩形状の画素電極9aが形成されており、各画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。データ線6aおよび走査線3aは各々、直線的に延びており、データ線6aと走査線3aとが交差する領域に画素トランジスター30が形成されている。素子基板10上には、走査線3aと重なるように容量線5bが形成されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0033】
図3(a)、(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の表面(一方面側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されており、対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面側)に形成された共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0034】
素子基板10において、複数の画素100aの各々には、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。半導体層1aは、走査線3aの一部からなるゲート電極3cに対して透光性のゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gと、ソース領域1bと、ドレイン領域1cとを備えており、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、低濃度領域および高濃度領域を備えている。半導体層1aは、例えば、基板本体10w上に、シリコン酸化膜等からなる透光性の下地絶縁膜12上に形成された多結晶シリコン膜等によって構成され、ゲート絶縁層2は、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる。また、ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化してなるシリコン酸化膜と、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜との2層構造を有する場合もある。走査線3aには、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜が用いられる。
【0035】
走査線3aの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の第1層間絶縁膜41が形成されており、第1層間絶縁膜41の上層には下電極層4a(第1電極)が形成されている。下電極層4aは、走査線3aとデータ線6aとの交差する位置を基点として走査線3aおよびデータ線6aに沿って延出する略L字型に形成されている。
【0036】
本形態において、下電極層4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなり、コンタクトホール7cを介してドレイン領域1cに電気的に接続されている。
【0037】
下電極層4aの上層側には誘電体層42aが形成されている。また、誘電体層42aの上層側には、誘電体層42aを介して下電極層4aと対向するように容量線5b(第2電極)が形成され、かかる容量線5b、誘電体層42aおよび下電極層4aによって、保持容量55が形成されている。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなる。本形態において、容量線5bは、アルミニウム層とチタン窒化膜との2層構造や、銅含有アルミニウム層からなる。ここで、下電極層4a、誘電体層42aおよび容量線5bは、画素トランジスター30の上層側に形成され、画素トランジスター30に対して平面視で重なっている。このため、保持容量55は、画素トランジスター30の上層側に形成され、少なくとも画素トランジスター30に対して平面視で重なっている。
【0038】
誘電体層42aは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等からなる。また、誘電体層42aをアルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率絶縁膜により形成すれば、保持容量55の単位面積当たりの静電容量を増大させることができる。なお、誘電体層42aは上記の高誘電率絶縁膜が複数層、積層された積層膜や、上記の金属酸化物が混在した多成分系の高誘電率絶縁膜が用いられることもある。本形態において、誘電体層42aは、容量線5bと略同一形状をもって同一の領域に形成されている。また、誘電体層42aの端縁42eおよび容量線5bの端縁5eは、下電極層4aと重なる位置にある。
【0039】
また、本形態では、下電極層4aと誘電体層42aとの層間にはシリコン酸化膜等からなるエッチングストッパー層40aが形成されており、かかるエッチングストッパー層40aには、下電極層4aの一部と重なる領域に開口部40bが形成されている。このため、下電極層4aと容量線5bとは、開口部40bにおいて誘電体層42aを介して対向し、保持容量55を構成している。また、エッチングストッパー層40aは、誘電体層42aの端縁42eおよび容量線5bの端縁5eと重なる領域に形成されている。なお、本形態では、エッチングストッパー層40aについては、誘電体層42aの端縁42eや容量線5bの端縁5eと重なる領域に加えて、その他の広い範囲にわたって形成されているが、誘電体層42aの端縁42eや容量線5bの端縁5eと重なる領域に沿ってエッチングストッパー層40aを限定的に形成してもよい。また、誘電体層42aや容量線5bが下電極層4aの端縁から外側に部分的に張り出しているような場合、誘電体層42aの端縁42eや容量線5bの端縁5eと重なる領域であっても、下層側に下電極層4aがない領域については、エッチングストッパー層40aの形成を省いてもよい。さらに、エッチングストッパー層40aについては、下電極層4aと誘電体層42aとの層間に限らず、誘電体層42aと容量線5bとの層間に形成してもよい。
【0040】
容量線5bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の第2層間絶縁膜43が形成され、第2層間絶縁膜43の上層にはデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成されている。データ線6aはコンタクトホール7aを介してソース領域1bに電気的に接続している。ドレイン電極6bはコンタクトホール7bを介して下電極層4aに電気的に接続し、下電極層4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。データ線6aおよびドレイン電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなる。
【0041】
データ線6aおよびドレイン電極6bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の第3層間絶縁膜44が形成されている。第3層間絶縁膜44には、ドレイン電極6bへ通じるコンタクトホール7dが形成されている。第3層間絶縁膜44の上層には、ITO(Indium Tin Oxide)膜、IZO(Indium Zinc Oxide)膜、その他の透光性の金属酸化膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されており、画素電極9aは、画素電極9aとドレイン電極6bとの層間に位置する第3層間絶縁膜44のコンタクトホール7dの底部でドレイン電極6bに接し、ドレイン電極6bに導通している。本形態において、第3層間絶縁膜44の表面は平坦面になっている。本形態において、画素電極9aはITO膜からなる。
【0042】
ここで、第3層間絶縁膜44の表面には、図2(b)を参照して説明したダミー画素電極9b(図3には図示せず)が形成されており、かかるダミー画素電極9bは、画素電極9aと同時形成された透光性導電膜からなる。
【0043】
画素電極9aの表面には配向膜16が形成されている。配向膜16は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、配向膜16と画素電極9aとの層間にはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の透光性の保護膜17が形成されている。保護膜17は、表面が平坦面になっており、隣り合う画素電極9aの間に形成された凹部を埋めている。従って、配向膜16は、保護膜17の平坦な表面に形成されている。
【0044】
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20wの液晶層50側の表面(素子基板10に対向する側の面)に、ITO膜、IZO膜、その他の透光性の金属酸化膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。配向膜26は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、配向膜26と共通電極21との層間にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の保護膜27が形成されている。保護膜27は、表面が平坦面になっており、かかる平坦面上に配向膜26が形成されている。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。
【0045】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、Nチャネル型の駆動用トランジスターとPチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0046】
(液晶装置100の製造方法)
図4は、本発明の実施の形態に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態に係る液晶装置100の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は、単品サイズの電気光学装置用基板の説明図、半導体ウェーハ状の大型の電気光学装置用基板の説明図、および四角形の大型の電気光学装置用基板の説明図である。
【0047】
本形態の液晶装置100を製造するには、図2および図4に示すように、素子基板10に対して画素電極9a等の形成工程S1を行った後、斜方蒸着法、印刷法、スピンコート法等により配向膜16を形成する配向膜形成工程S2を行う。なお、配向膜16がポリイミド膜からなる場合には、配向膜形成工程S2の後、配向膜16に対するラビング工程S3を行う。次に、シール材107を塗布するシール印刷工程S4を行う。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材を突出しながら、ノズルと素子基板10とを相対移動させて、シール材107を矩形枠状に描画する。
【0048】
一方、対向基板20に対しては、共通電極21等の形成工程S11を行った後、斜方蒸着法、印刷法、スピンコート法等により配向膜26を形成する配向膜形成工程S12を行う。なお、配向膜26がポリイミド膜からなる場合には、配向膜形成工程S12の後、配向膜26に対するラビング工程S13を行う。
【0049】
次に、重ね合わせ工程S21においては、シール材107を間に挟んで素子基板10と対向基板20とを重ね合わせる。次に、シール硬化工程S22においてシール材107を硬化させる。かかるシール硬化工程では、対向基板20側からUV光等を照射してシール材107を硬化させる。
【0050】
次に、液晶封入工程S23では、シール材107の途切れ部分からシール材107の内側に液晶を注入した後、途切れ部分を封止材105で封止する。なお、素子基板10にシール材107を形成した後、シール材107の内側に液晶を滴下し、その後、シール材107を間に挟んで素子基板10と対向基板20とを重ね合わせた後、シール材107を硬化させることもある。かかる方法の場合、シール材107に対しては、途切れ部分や封止材105を設ける必要がない。
【0051】
かかる方法により、液晶装置100を製造する場合、図5(a)に示すように、素子基板10および対向基板20の一方あるいは双方として、単品サイズの電気光学装置用基板10s(液晶装置用基板)を用い、かかる単品サイズの電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って液晶パネル100pを形成する場合がある。また、図5(b)、(c)に示すように、素子基板10および対向基板20の一方あるいは双方として、それらを多数取りできる大型の電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って大型のパネル構造体を形成した後、大型のパネル構造体から単品サイズの液晶パネル100pを複数、切り出すこともある。この場合、大型の電気光学装置用基板10sのうち、素子基板10または対向基板20が切り出される領域(図5(b)、(c)に一点鎖線で示す領域)が有効領域10yであり、その周りの部分は、電気光学装置用基板10sを切断する際に除去される除材領域10zである。なお、図5(b)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、半導体ウェーハと同様、円盤状の基板にオリエンテーションフラットが形成された形状を有し、図5(c)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、四角形状を有している。
【0052】
このように構成した電気光学装置用基板10sの両面は、その全周にわたってC面取りが施されており、外周端部には、図6を参照して後述する第1傾斜端面10i、外周端面10kおよび第2傾斜端面10jが形成されている。以下の説明では、サイズや、得られる基板が素子基板10であるか対向基板20であるかにかかわらず、電気光学装置用基板10sとして説明する。
【0053】
(工程S1、S11の説明)
図6および図7は、本発明を適用した液晶装置100の製造方法において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に透光膜を形成する工程を示す説明図である。なお、図6および図7には、透光膜より下層側について図示を省略してある。また、図6および図7において、未露光の感光性樹脂層について1本の斜線と1本の点線とによって示し、露光した感光性樹脂層について2本の斜線と1本の点線とによって示してある。
【0054】
以下に説明する工程は、素子基板10においてコンタクトホールを備えた透光性の層間絶縁膜(透光膜)を形成する工程、エッチングストッパー層40aや誘電体層42a等の絶縁膜(透光膜)を形成する工程、素子基板10において透光性の画素電極9a(透光膜)を島状に形成する工程等において、透光膜の表面に感光性樹脂層からなるレジストマスクを形成するのに利用される。また、対向基板20において透光性の共通電極21(透光膜)を部分的に形成する場合の工程において、透光膜の表面に感光性樹脂層からなるレジストマスクを形成するのに利用される。より具体的には、以下に説明する工程は、本形態の液晶装置100を製造する際、図4に示す各工程のうち、画素電極9a等の形成工程S1や共通電極21等の形成工程S11において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層を形成した後、かかる感光性樹脂層を露光、現像する工程として利用される。
【0055】
ここで、電気光学装置用基板10sは、図6(a)に示すように、端縁に面取り加工が施されており、一方面10g側の端縁に第1傾斜端面10iを備え、他方面10h側の端縁に第2傾斜端面10jを備えている。このため、電気光学装置用基板10sの端部は、第1傾斜端面10iと、第2傾斜端面10jと、第1傾斜端面10iと第2傾斜端面10jとの間において一方面10gおよび他方面10hに直交する外周端面10kとを備えている。
【0056】
かかる構成の電気光学装置用基板10sの所定領域に透光膜8aを形成するにあたって、まず、図6(a)に示す透光膜形成工程では、スパッタ法、蒸着法、CVD法、スピンコート法等により、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の全体に透光膜8を形成する。
【0057】
次に、図6(b)に示す反射防止膜形成工程では、透光膜8の上層に電気光学装置用基板10sの一方面10g側の全体にわたって反射防止膜90を形成する。反射防止膜90は、光吸収性を有しており、露光光の一次反射を防止する。かかる反射防止膜90としては、いわゆるBARC(Bottom Anti-Reflective Coating)と称せられている材料を用いることができる。より具体的には、反射防止膜90としては、CVD法により成膜されたアモルファスカーボン層や、スピンコート法により形成された有機系材料を挙げることができ、有機系材料としては、色素を含む樹脂系材料やシリコンを含む樹脂系材料を例示することができる。
【0058】
次に、図6(c)に示す感光性樹脂層塗布工程では、スピンコート法等により、反射防止膜90の上層に電気光学装置用基板10sの一方面10g側の全体にわたってポジタイプの感光性樹脂層80を塗布する。
【0059】
次に、図6(d)、(e)に示す露光工程では、感光性樹脂層80のうち、第1傾斜端面10iを含む樹脂層除去予定領域に形成されている感光性樹脂層80を露光させる。かかる露光工程として、本形態では、まず、図6(d)に示すように、遮光部材87等を用いて第1傾斜端面10i上に形成された感光性樹脂層80を予め、選択的に露光する周辺露光を行う。次に、図6(e)に示すように、所定のマスクパターンを備えたパターニング用露光マスク88を介して、感光性樹脂層80のうち、除去したい部分に対して選択的に露光するパターニング用露光を行う。なお、周辺露光とパターニング用露光とについては、その順序を入れ換えて、パターニング用露光の後、周辺露光を行ってもよい。
【0060】
次に、図7(a)に示す現像工程において、感光性樹脂層80を現像すると、感光性樹脂層80のうち、露光部分が除去されるので、残った感光性樹脂層80によってレジストマスク81が形成されることになる。
【0061】
次に、図7(b)、(c)に示すエッチング工程において、レジストマスク81から露出している部分にエッチングを行い、反射防止膜90および透光膜8をエッチングする。かかるエッチング工程では、図7(b)に示すように、反射防止膜90においてレジストマスク81から露出している部分をエッチングする反射防止膜エッチング工程と、図7(c)に示すように、透光膜8においてレジストマスク81から露出している部分をエッチングする透光膜エッチング工程とを各々、別の条件で行う。なお、反射防止膜90および透光膜8を同一のエッチング条件で連続してエッチングしてもよく、この場合には、図7(b)に示すように、反射防止膜90がエッチングされた後、図7(c)に示すように、透光膜8が連続的にエッチングされることになる。
【0062】
しかる後には、図7(d)に示すマスク除去工程で、レジストマスク81を除去するとともに、レジストマスク81と重なる反射防止膜90を除去する。その結果、レジストマスク81と重なっていた領域のみに透光膜8aが残ることになる。
【0063】
なお、上記の構成は、素子基板10においてコンタクトホールを備えた透光性の層間絶縁膜(透光膜)を形成する工程、エッチングストッパー層40aや誘電体層42a等の絶縁膜(透光膜)を形成する工程、素子基板10において透光性の画素電極9a(透光膜)を島状に形成する工程等において、透光膜の表面に感光性樹脂層80からなるレジストマスク81を形成するのに利用される。従って、上記の反射防止膜形成工程、感光性樹脂層塗布工程、露光工程、現像工程およびエッチング工程はこの順に、複数サイクル行われることになる。
【0064】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の液晶装置100においては、透光膜8をパターニングするためのレジストマスク81を形成するにあたって、透光膜8、反射防止膜90およびポジタイプの感光性樹脂層80をこの順に形成した後、露光工程および現像工程を行い、感光性樹脂層80をパターニングするとともに、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を除去する。その際、電気光学装置用基板10sの端部に向かう露光光は、矢印L1で示すように、第1傾斜端面10iを通って電気光学装置用基板10sの内部に進入した後、矢印L3で示すように、第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80のうち、露光すべきでない部分に向かって進行する。ここに本形態では、感光性樹脂層80の下層側に反射防止膜90が形成されており、かかる反射防止膜90は露光光を吸収する。このため、露光光は、電気光学装置用基板10sの端部から入射する際、反射防止膜90によって一部が吸収されるので、電気光学装置用基板10sの内部への露光光の入射量を低減することができる。また、電気光学装置用基板10sに入射した露光光が第2傾斜端面10jで反射して、感光性樹脂層80のうち、露光すべきでない部分に向かって進行しても、かかる反射光(露光光)は反射防止膜90によって吸収される。従って、感光性樹脂層80において余計な部分が露光されるのを防止することができるので、電気光学装置用基板10sの所定領域に感光性樹脂層80を確実に形成することができる。
【0065】
また、反射防止膜90については、感光性樹脂層80と同様、電気光学装置用基板10sの一方面側全体に形成すればよいので、電気光学装置用基板10sの一部を光散乱面とする構成等と違って生産性が大幅に低下することもない。
【0066】
また、反射防止膜90は、感光性樹脂層80を露光する際、感光性樹脂層80の下地側での反射を防止するので、露光精度が向上するという利点もある。
【0067】
特に本形態では、露光工程において、感光性樹脂層80のうち、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を露光させる周辺露光と、パターニング用露光マスク88によって感光性樹脂層80を部分的に露光させるパターニング用露光とを行う。かかる構成によれば、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を露光しにくい場合でも、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を確実に露光することができる。従って、現像後、第1傾斜端面10i上から感光性樹脂層80を確実に除去することができるので、その後の工程で周辺部分に残った感光性樹脂層80が剥がれて塵芥となる等の問題が発生しない。また、配向膜16としてポリイミドを利用した場合にはラビング工程を行うが、かかるラビング工程の際、電気光学装置用基板10sの端部に余分な感光性樹脂層80がないので、ラビングムラが発生しにくい。ここで、周辺露光の際には、電気光学装置用基板10sの端部に集中して露光するため、その分、電気光学装置用基板10sの端部から入射しようとする光量が大である。従って、電気光学装置用基板10sの端部に入射して第2傾斜端面10jでの反射が強く起こるが、本形態によれば、感光性樹脂層80の下層側に反射防止膜90が形成されているので、周辺露光を行っても、感光性樹脂層80において余計な部分が露光されてしまうことを確実に防止することができる。
【0068】
さらに、本形態において、電気光学装置用基板10sは、図5を参照して説明したように、分割により単品サイズの電気光学装置用基板(素子基板10)が複数、得られる大型基板であるため、本発明を適用した場合の効果が大である。すなわち、本形態によれば、大型の電気光学装置用基板10sの端部近くであっても、第2傾斜端面10jでの露光光の反射に起因する露光異常が発生しないので、端部近くまで単品サイズの電気光学装置用基板(素子基板10)の切り出し領域(有効領域10y)として利用することができる。それ故、1枚の大型の電気光学装置用基板10sから単品サイズの電気光学装置用基板(素子基板10)を効率よく切り出すことができる。
【0069】
[本発明の変形例]
本発明によれば、露光工程において、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光するという問題点が発生しないため、パターニング用露光の際の露光量を増やしてもよい。それ故、上記実施の形態では、周辺露光とパターニング用露光とを行ったが、周辺露光を行わずにパターニング用露光の際に、第1傾斜端面10iに形成された厚い感光性樹脂層80を露光し、現像によって除去してもよい。
【0070】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を適用した電子機器について説明する。図8は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図8(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0071】
(投射型表示装置の第1例)
図8(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
【0072】
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0073】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0074】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0075】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
【0076】
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0077】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
【0078】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0079】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0080】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0081】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて射出するように構成されている。
【0082】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0083】
(投射型表示装置の第2例)
図8(b)に示す投射型表示装置1000において、光源部890は、システム光軸Lに沿って光源810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830が配置された偏光照明装置800を有している。また、光源部890は、システム光軸Lに沿って、偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。
【0084】
また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3つの反射型の液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)を備えており、光源部890は、3つの液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)に所定の色光を供給する。
【0085】
かかる投射型表示装置1000においては、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によってスクリーン860等の被投射部材に投射する。
【0086】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0087】
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【0088】
[他の電気装置]
上記実施の形態では、電気光学装置として液晶装置を例示したが、透光性を有する基板(電気光学装置用基板)を備えていれば、液晶装置に限らず、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出を用いた装置(Field Emission Display)、DLP(Digital Light Processing)等の電気光学装置の製造方法に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0089】
8・・透光膜、9a・・画素電極、10・・素子基板、10i・・第1傾斜端面、10j・・第2傾斜端面、10s・・電気光学装置用基板、20・・対向基板、21・・共通電極、50・・液晶層、80・・感光性樹脂層、81・・レジストマスク、90・・反射防止膜、88・・露光マスク、110、1000・・投射型表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面側の端縁に第1傾斜端面を備え、他方面側の端縁に第2傾斜端面が形成された透光性の電気光学装置用基板の前記一方面側に透光膜を形成する透光膜形成工程と、
前記透光膜の上層に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程と、
前記反射防止膜の上層側にポジタイプの感光性樹脂層を塗布する感光性樹脂層塗布工程と、
前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面を含む樹脂層除去予定領域に形成されている感光性樹脂層を露光させる露光工程と、
前記感光性樹脂層を現像して当該感光性樹脂層の未露光部分を残す現像工程と、
前記現像工程によって残された前記感光性樹脂層をレジストマスクとして前記反射防止膜および前記透光膜をエッチングするエッチング工程と、
を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記露光工程では、前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を露光させる周辺露光と、パターニング用露光マスクによって前記感光性樹脂層を部分的に露光させるパターニング用露光と、を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記反射防止膜形成工程、前記感光性樹脂層塗布工程、前記露光工程、前記現像工程および前記エッチング工程をこの順に、複数サイクル行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記電気光学装置用基板は、分割により単品サイズの電気光学装置用基板が複数、得られる大型基板であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
前記電気光学装置用基板を、液晶装置において液晶層を介して対向する一対の液晶装置用基板の少なくとも一方として用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法により製造されたことを特徴とする電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−123143(P2012−123143A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273260(P2010−273260)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】