説明

電気光学装置の駆動回路及びその駆動方法

【課題】例えば、プロジェクタが使用される使用環境に応じて、適切な輝度で画像を表示する。
【解決手段】輝度調整期間Fcは、1フィールドFの最初に到来する期間であり、当該1フィールドFの期間に表示部100に表示される画像の輝度を概ね規定するために設けられた期間である。変換回路510によって特定された特定信号Sg1が、輝度調整期間Fcにおいて表示部100に供給されることによって、画素部に黒表示が表示される。輝度調整期間Fcは、特定信号Sg1を表示部100に入力する入力期間Fc1と、特定信号Sg1に応じて画素部に黒表示が維持される維持期間Fc2とから構成されている。このように輝度調整期間Fcに画素部72に黒表示を行わせることによって、1フィールドFにおいて表示部に表示される画像の輝度のバックグラウンドを低輝度側にシフトさせることができ、画像の輝度を低下させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、所謂等分割サブフィールド駆動方式を採用する液晶ライトバルブ等の電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路、及びそのような駆動回路を用いた駆動方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例である液晶装置は、プロジェクタのライトバルブとして用いられる場合がある。このような液晶装置では、その駆動方式として、1フィールドを構成するサブフィールド数によって規定される階調より大きい階調を実現でき、より細かい階調で動画像及び静止画像を表示可能な、所謂、等分割サブフィールド駆動方式が用いられる場合がある(例えば、特許文献1参照。)。また、プロジェクタが使用される使用環境の明るさと、スクリーンに投射される画像の黒画像部分の輝度とを検出し、光源から出射される出射光の光量を調整したり、当該出射光を変調する液晶装置の駆動を制御したりする技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−114661号公報
【特許文献2】特開2004−163809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホームシアターを使用する環境下のように通常の生活環境より暗い環境下では、プロジェクタによってスクリーンに投射されるべき画像が低階調である場合、当該画像のうち黒表示される部分が周囲より浮き上がって見えないように(即ち、黒浮きしないように)したほうが、画像の表示品位を高める観点からみればより好ましい。また、このような環境下で表示される画像の階調値が高すぎると、当該画像を視聴する視聴者の目の疲労が大きくなる問題点が生じる。
【0005】
一方、スクリーンの明るさよりも低い低階調値で当該スクリーンに画像を投射した場合、当該低階調値で表示されるべき画像を視聴者がスクリーンと区別して認識することが困難になる問題点も生じる。また、高階調値で表示されるべき画像及びスクリーンを区別するためには、スクリーンに投射されるべき画像の階調値をより高く設定する必要も生じる。
【0006】
したがって、ライトバルブを用いて光を変調し、スクリーンに画像を投射するプロジェクタでは、その使用環境の明るさ、及び表示されるべき画像の階調値の相対的な高低関係に起因して、上述のような各種問題点等が生じることになる。
【0007】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、プロジェクタが使用される使用環境に応じて、適切な輝度で画像を表示可能な液晶ライトバルブ等の電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路、及びそのような駆動回路を用いた電気光学装置の駆動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する検出手段と、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間に、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記明るさに基づいて特定された特定信号を前記表示部に供給する信号供給手段とを備える。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、基板は、電気光学装置の一部を構成しており、例えば、画素スイッチング用TFT等の各種素子及び配線が形成されたTFTアレイ基板である。複数の画素部は、基板の表示領域にマトリクス状に配列されており、例えば、画素スイッチング用TFTによってその駆動が制御される。
【0010】
検出手段は、電気光学装置の動作時に、当該電気光学装置の周囲の明るさを検出する。明るさは、例えば、光束(ルーメン:lm)、或いは照度(ルクス:lx)等の各種指標を用いて定量化することができる。検出手段としては、これら指標に対応したセンサを用いればよい。
【0011】
信号供給手段は、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間に、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記明るさに基づいて特定された特定信号を前記表示部に供給する。本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、例えば、マトリクス状に配列された複数の画素部の奇数行及び偶数行の夫々の行を構成する画素部の夫々を分けて駆動するインターレース方式、又は行毎に画素部を分けないで駆動するノンインターレース方式を表示方式として採用して当該電気光学装置を駆動する。したがって、単位画像は、当該駆動回路がインターレース方式を採用している場合には、2枚の単位画像で一つのフレームに表示されるフレーム画像を構成する。また、単位画像は、当該駆動回路がノンインターレース方式を採用している場合には、一枚の単位画像が、一つのフレームに表示されるフレーム画像を構成する。
【0012】
輝度調整期間は、1フィールドの最初に到来する期間であり、当該1フィールドの期間に表示部に表示される画像の輝度を概ね規定するために設けられた期間である。信号供給手段が、明るさに基づいて特定された特定信号を表示部に供給することによって、画素部に白表示或いは黒表示が表示される。特定信号は、白表示及び黒表示の夫々を規定するデジタル信号である2値信号であり、白表示或いは黒表示に対応した電位を有する特定信号が表示部に供給される。尚、当該電気光学装置が液晶装置である場合には、輝度調整期間を1フィールドの最初に設定することによって、画像の階調を規定する期間の途中に輝度調整期間を設ける場合に比べて、特定信号が液晶の配向状態に及ぼす影響を低減できるうえ、画像の輝度を精度良く調整できる利点がある。
【0013】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、例えば、当該電気光学装置の周囲が明るい場合には、輝度調整期間に白表示に対応した白画像が表示部に表示され、1フィールドに表示される画像の輝度を高めることができる。よって、例えば、当該電気光学装置を用いて光を変調することによって画像をスクリーンに投射するプロジェクタにおいて、スクリーンの明るさよりも低い低階調値で当該スクリーンに画像を投射した場合でも、画像のバックグラウンドに相当する輝度が高められているため、当該低階調値で表示されるべき画像を視聴者がスクリーンと区別して認識することが可能になり、画像の階調値を周囲の明るさに応じて高く設定する必要がない。
【0014】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、例えば、当該電気光学装置の周囲が暗い場合には、輝度調整期間に黒表示に対応した黒画像が表示部に表示され、1フィールドに表示される画像の輝度を低くすることができる。よって、例えば、当該電気光学装置を用いて光を変調することによって画像をスクリーンに投射するプロジェクタにおいて、ホームシアターが使用される環境下で、プロジェクタによってスクリーンに投射されるべき画像が低階調である場合、当該画像のうち黒表示される部分が周囲より浮き上がって見えないように(即ち、黒浮きしないように)画像の輝度を調整できる。また、画像のバックグラウンドの輝度を低くすることが可能であるため、当該画像を視聴する視聴者の目の疲労が大きくなる問題点も解消できる利点もある。
【0015】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路の一の態様では、前記信号供給手段が前記特定信号を特定する際に前記明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶した記憶手段と、前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する判定手段とを備えていてもよい。
【0016】
この態様によれば、記憶手段は、例えば、前記特定信号を特定する際に、輝度調整を行うか否かの判断基準となる明るさの基準値となる所定の明るさに関するデータを予め記憶している。このような所定の明るさは、複数想定されていてもよい。
【0017】
判定手段は、前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する。より具体的には、例えば、電気光学装置の動作時に、当該電気光学装置の周囲の明るさが一の明るさ以上であると判定された場合には、白表示に対応する特定信号が表示部に供給される。また、当該電気光学装置の周囲の明るさが当該一の明るさより低い他の明るさ未満であると判定された場合には、黒表示に対応する特定信号が表示部に供給される。
【0018】
したがって、この態様によれば、輝度調整期間に画素部に表示される白表示或いは黒表示を、電気光学装置の周囲の明るさと予め設定された所定の明るさとの相対的な高低関係に基づいて特定することが可能である。
【0019】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する検出手段と、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間を構成し、且つ前記表示部に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを前記明るさに基づいて特定する特定手段と、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記黒表示に対応した黒信号を、前記黒表示期間において前記表示部に供給する信号供給手段とを備える。
【0020】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、上述の電気光学装置の駆動回路と同様に、例えば、インターレース方式、又はノンインターレース方式を表示方式として採用して当該電気光学装置を駆動する。
【0021】
検出手段は、上述の電気光学装置の駆動回路と同様に、電気光学装置の動作時において、当該電気光学装置の周囲の明るさを検出する。
【0022】
特定手段は、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間を構成し、且つ前記表示部に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを前記明るさに基づいて特定する。
【0023】
特定手段が電気光学装置の周囲の明るさに基づいてタイミングを特定できるため、当該タイミングが電気光学装置の周囲の明るさに基づいて変更可能である。したがって、輝度調整期間では、タイミングに応じて黒表示期間及び白表示期間の夫々の長さを変更可能である。したがって、画像の輝度は、タイミングを前後させることによって、より具体的には、電気光学装置の周囲の明るさに応じて連続的に調整可能である。尚、輝度調整期間が1フィールドの最初に設けられているのは、上述の電気光学装置の駆動回路と同様の理由による。
【0024】
信号供給手段は、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記黒表示に対応した黒信号を、前記黒表示期間において前記表示部に供給する。
【0025】
したがって、黒表示期間において画素部に黒表示が行われ、表示部に表示される画像の輝度のバックグラウンドを調整することが可能である。言い換えれば、輝度調整期間の後の期間で画像の階調が調整された場合でも、画像のバックグラウンド、即ち階調が制御される画像の前提となる輝度が調整可能になる。
【0026】
よって、本発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、上述の電気光学装置の駆動回路と同様に、低階調値で表示されるべき画像を視聴者がスクリーンと区別して認識することが可能になり、画像の階調値を周囲の明るさに応じて高く設定する必要がない。加えて、例えば、当該電気光学装置の周囲が暗い場合には、輝度調整期間に黒表示に対応した黒画像が表示部に表示され、1フィールドに表示される画像の輝度を低くすることができる。よって、例えば、当該電気光学装置を用いて光を変調することによって画像をスクリーンに投射するプロジェクタにおいて、ホームシアターが使用される環境下で、プロジェクタによってスクリーンに投射されるべき画像が低階調である場合、当該画像のうち黒表示される部分が周囲より浮き上がって見えないように(即ち、黒浮きしないように)画像の輝度を調整できる。また、画像のバックグラウンドの輝度を低くすることが可能であるため、当該画像を視聴する視聴者の目の疲労が大きくなる問題点も解消できる利点もある。
【0027】
さらに加えて、本発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、上述の電気光学装置の駆動回路に比べて、電気光学装置の周囲の明るさに応じて、画像の輝度のバックグラウンドを連続的に変更できる利点がある。
【0028】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路の一の態様では、前記特定手段が前記タイミングを特定する際に前記明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶した記憶手段と、前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する判定手段とを備えていてもよい。
【0029】
この態様によれば、記憶手段は、例えば、前記タイミングを特定する際に、輝度調整を行うか否かの判断基準となる明るさの基準値となる所定の明るさに関するデータを予め記憶している。このような所定の明るさは、複数想定されていてもよい。
【0030】
判定手段は、前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する。より具体的には、例えば、電気光学装置の動作時に、当該電気光学装置の周囲の明るさが一の明るさ以上であると判定された場合には、白表示に対応する特定信号が表示部に供給される。また、当該電気光学装置の周囲の明るさが当該一の明るさより低い他の明るさ未満であると判定された場合には、黒表示に対応する特定信号が表示部に供給される。
【0031】
したがって、この態様によれば、黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを、電気光学装置の周囲の明るさと予め設定された所定の明るさとの相対的な高低関係に基づいて特定することが可能である。
【0032】
本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記黒表示期間において、前記画素部による前記黒表示を維持する維持期間を調整することによって、前記画像の輝度を調整してもよい。
【0033】
この態様によれば、輝度を離散的な輝度の値に調整するだけでなく、連続的にその値を調整できる。
【0034】
本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記1フィールドのうち前記輝度調整期間を除く期間である階調制御期間は、該階調制御期間を時間軸に沿って相互に分割してなる複数のサブフィールド期間から構成されており、前記信号供給手段は、前記画素部が前記複数のサブフィールド期間の夫々における前記画素部の輝度を各々規定するコードパターンから、前記画像に対応する画像信号に基づいて所定のコードパターンを選択する選択手段と、前記画像信号を前記選択されたコードパターンに変換した変換信号を前記表示部に供給する変換信号供給手段とを有していてもよい。
【0035】
この態様によれば、複数のサブフィールド期間は、時間軸に沿って一定周期で、即ち時間的に等間隔に1フィールドを分割する期間である。したがって、複数の画素部の夫々は、複数のサブフィールド期間を単位として黒表示又は白表示が可能である。このような階調制御期間は、画像の輝度のバックグランドを調整するための期間である輝度調整期間に対し、画像の階調、即ち輝度の変化を調整するための期間である。
【0036】
ここで、本発明に係る液晶装置では、各画素部に供給される画像信号は、各サブフィールドにおいて液晶素子に印加される2水準の電圧を規定する“0”又は“1”の2値データが階調制御期間毎に設定されたデジタル信号として供給される。画素部は、これら2値データによって規定される電圧が液晶等の電気光学物質に印加されることによって、黒表示及び白表示が可能になる。
【0037】
より具体的には、液晶等の電気光学物質に電圧が印加されていない状態で表示領域に黒を表示するノーマリーブラックモードが当該電気光学装置に採用されている場合、例えば、画素部に、“1”、言い換えればHighレベルを意味する信号が入力された場合には、電気光学物質は、画素部に白(即ち、光の透過量が多い状態)が表示されるように駆動される。画素部に、“0”、言い換えればLowレベルを意味する信号が入力された場合には、電気光学物質は、画素部に黒(即ち、光の透過量が少ない状態)が表示されるように駆動される。このように、本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路では、各サブフィールドに供給された2値データによって電気光学物質の駆動をサブフィールド期間毎に制御可能である。サブフィールド期間の時間幅は、液晶等の電気光学物質に電圧を印加してから当該電圧に応じた特性に電気光学物質が設定されるまでの応答時間より通常短い。したがって、本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置によれば、複数のサブフィールド期間の夫々における2値データ相互の組み合わせに応じて、1フィールドの分割数、即ち、サブフィールドの数より多い階調を電気光学物質の応答特性に基づいて実現可能である。
【0038】
選択手段は、前記画素部が前記複数のサブフィールドの夫々における前記画素部の輝度を各々規定するコードパターンから、前記画像に対応する画像信号に基づいて所定のコードパターンを選択する。
【0039】
複数のコードパターンは、複数のサブフィールド期間の夫々において画素部が表示可能な黒表示及び白表示を規定する2値データの組み合わせによって構成されており、これらコードパターンのうち画像信号に応じて選択されたコードパターンによって、画素部の輝度が規定される。より具体的には、例えば、1フィールドにおいて、Highレベルの信号である“1”が入力されるサブフィールド期間数が相互に等しいコードパターンであっても、Highレベルの信号である“1”が入力されるサブフレームの順序が時間軸に沿って相互に異なる2つのコードパターンであれば、当該2つのコードパターンの夫々によって規定される画素部の輝度は、印加電圧に対する液晶の応答特性に起因して相互に異なる場合がある。
【0040】
このような複数のコードパターンは、例えばメモリ等の記憶装置で構成される記憶手段に記憶されており、選択手段によって画像信号に基づいて所定のデータパターンが選択される。
【0041】
変換信号供給手段は、前記画像信号を前記選択されたコードパターンに変換した変換信号を前記表示部に供給する。変換された画像信号、即ち2値データの組み合わせで構成されたデジタル信号である画像信号は、変換信号供給手段から表示部に供給され、単位画像が表示領域に表示され、画像の階調が制御される。
【0042】
したがって、この態様によれば、輝度調整期間において画像の輝度のバックグラウンドが調整された後、本来表示されるべき画像の階調に応じて、画像の階調を設定することが可能である。したがって、輝度調整期間において画像の輝度が調整された場合でも、本来表示されるべき画像が視聴者に視認可能なように階調が制御された画像を表示できる。
【0043】
本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路では、前記サブフィールド期間の期間幅を変更可能であってもよい。
【0044】
この態様によれば、例えば、液晶装置等の電気光学装置について、光が画素部を透過する透過率を階調に対して連続的に変更することが可能である。これにより、例えば、暗所において発生する画像の黒浮きを低減できると共に、相対的に輝度を高めることができ、画像のコントラストを向上させることが可能である。
【0045】
本発明の第3の発明に係る電気光学装置の駆動方法は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する第1ステップと、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間に、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記明るさに基づいて特定された特定信号を前記表示部に供給する第2ステップとを備えている。
【0046】
本発明の第3の発明に係る電気光学装置の駆動方法によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路と同様に、低階調値で表示されるべき画像を視聴者がスクリーンと区別して認識することが可能になり、画像の階調値を周囲の明るさに応じて高く設定する必要がない。加えて、プロジェクタによってスクリーンに投射されるべき画像が低階調である場合、当該画像のうち黒表示される部分が周囲より浮き上がって見えないように(即ち、黒浮きしないように)画像の輝度を調整できる。また、画像のバックグラウンドの輝度を低くすることが可能であるため、当該画像を視聴する視聴者の目の疲労が大きくなる問題点も解消できる利点もある。
【0047】
本発明の第4の発明に係る電気光学装置の駆動方法は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する第1ステップと、前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間を構成し、且つ前記表示部に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを前記明るさに基づいて特定する第2ステップと、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記黒表示に対応した黒信号を、前記黒表示期間において前記表示部に供給する第3ステップとを備える。
【0048】
本発明に係る電気光学装置の駆動方法によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置の駆動回路と同様に効果に加え、上述の第2発明に係る電気光学装置の駆動回路と同様に、電気光学装置の周囲の明るさに応じて、画像の輝度のバックグラウンドを連続的に変更できる利点がある。
【0049】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下図面を参照しながら、本発明の第1及び第2の発明に係る電気光学装置の駆動回路、並びに、本発明の第3及び第4の発明に係る電気光学装置の駆動方法の各実施形態を説明する。尚、本実施形態では、プロジェクタの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置を電気光学装置の一例に挙げる。
【0051】
<第1実施形態>
図1乃至図7を参照しながら、本発明の第1及び第3の発明の夫々に係る電気光学装置の駆動回路及び駆動方法の各実施形態を説明する。
【0052】
<1−1:液晶装置>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る電気光学装置の駆動回路によって駆動される液晶装置1の構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の概略的な平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。
【0053】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、TFTアレイ基板100に対向配置された対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間には液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、本発明の「表示領域」の典型例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52を介して相互に接着されている。
【0054】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0055】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0056】
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。尚、走査線駆動回路104を、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けるようにしてもよい。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続される。
【0057】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これら上下導通端子及び上下導通材106により、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0058】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0059】
<1−2:液晶装置の電気的構成>
次に、図3乃至図7を参照しながら、液晶装置1の電気的な構成及びその動作を説明しつつ、液晶装置1の駆動回路及び当該駆動回路による液晶装置1の駆動方法を説明する。図3は、液晶装置1の電気的構成を示したブロック図である。図4は、液晶装置1における表示部の電気的構成を示した回路図である。
【0060】
図3において、液晶装置1は、表示部100、表示部100に固定電位LCCOMを供給する電源回路700、及び、本発明の第1の発明の「電気光学装置の駆動回路」の一例である駆動回路500を備えて構成されている。
【0061】
駆動回路500は、本発明の「検出手段」の一例である光センサ510、本発明の「記憶手段」の一例であるメモリ520、本発明の「判定手段」の一例である判定回路530、画像信号供給回路300、タイミング制御回路400、選択回路550、メモリ560、変換回路570、制御信号処理回路630、データ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104を備えて構成されている。画像信号供給回路300、タイミング制御回路400、選択回路550、メモリ560、変換回路570、制御信号処理回路630、データ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104は、本発明の「信号供給手段」の一例を構成している。
【0062】
光センサ510は、液晶装置1の動作時に、言い換えれば、液晶装置1をライトバルブとして搭載したプロジェクタの動作時に、液晶装置1、即ち当該プロジェクタの周囲の明るさを検出する。光センサ510は、例えば、光束(ルーメン:lm)、或いは照度(ルクス:lx)等の各種指標を用いて明るさを定量化可能なセンサである。
【0063】
メモリ520は、光センサ510によって検出された明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶している。このような情報は、表示部に100に表示される画像の輝度を調整する際に判定回路530に読み出される。
【0064】
判定回路530は、メモリ520から読み出された所定の明るさと、光センサ510によって検出された明るさを比較し、光センサ510によって検出された明るさが当該所定の明るさに比べて高いか否かを判定する。
【0065】
タイミング制御回路400は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するように構成されている。より具体的には、タイミング制御回路400の一部であるタイミング信号出力手段により、最小単位のクロックであり各画素を走査するためのドットクロックが作成され、このドットクロックに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。
【0066】
制御信号処理回路630は、タイミング制御回路400から供給されたXスタートパルス信号DX等の各種信号をデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路104に振り分ける。より具体的には、制御信号処理回路630は、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、及びYスタートパルスDYを走査線駆動回路104に供給し、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、及びXスタートパルスDXをデータ線駆動回路101に供給する。
【0067】
尚、表示部100が備えるデータ線をプリチャージするプリチャージ信号供給回路が液晶装置1の一部として、或いはその外部回路として設けられている場合、タイミング制御回路400は、当該プリチャージ信号供給回路を駆動するためのプリチャージ用選択信号NRGを表示部100に供給してもよい。このようなプリチャージ信号供給回路は、画像信号VIDの電圧の極性に対応させ、且つ基準電位に対して正極性及び負極性の夫々に電圧を反転させたプリチャージ信号を表示部100に供給する。
【0068】
画像信号供給回路300は、画像信号VIDを生成し、当該画像信号VIDを選択回路550に供給する。電源回路700は、所定の共通電位LCCOMの共通電源を、図2に示す対向電極21に供給する。本実施形態において、対向電極21は、図2に示す対向基板20の下側に、複数の画素電極9aと対向するように形成されている。
【0069】
ここで、図3及び図4を参照しながら、表示部100の電気的構成を詳細に説明する。
【0070】
図3及び図4において、表示部100は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成する複数の画素部72を備えている。複数の画素部72は、画像表示領域10aにおいて図4中のX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に形成されている。画素部72は、画素電極9a、トランジスタ素子Tr、及び、液晶素子50aを備えている。トランジスタ素子Trは、デジタル信号化された画像信号が供給されるデータ線6aと、画素電極9aとに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFTである。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0071】
トランジスタ素子Trのゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、トランジスタ素子Trのドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるトランジスタ素子Trを一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0072】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。本実施形態では、表示部100に供給される画像信号は、High又はLowの2値の電位をとるデジタル信号であるため、ノーマリーホワイトモードであれば、Highの電位を有する画像信号が供給されると画素部72における入射光の透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、Highの電位を有する画像信号が供給されると、画素部72における入射光の透過率が増大する。これにより、液晶装置1は、画像信号に応じたコントラストを持つ光を出射できる。
【0073】
特に、液晶装置1では、その動作時に、デジタル信号化された画像信号VIDのコードパターンを構成する2値データによって規定されたHigh又はLowの夫々の電位が画素電極9aに供給される。画像表示領域10aでは、各画素部72における画素電極9aの電位及び対向電極21の固定電位LCCOMの電位差に応じて液晶に印加された電圧と、複数のサブフィールド期間において画素部72に印加された電圧の組み合わせとに応じて、フィールドにおける画素部の階調が制御可能である。蓄積容量70は、固定電位線300に電気的に接続されており、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0074】
再び、図3において、選択回路550は、表示部100に表示される画像の階調に対応したコードパターンを記憶したメモリ560から読み出す。選択回路550は、画像信号VIDに基づいて表示部100に表示されるべき画像に対応したコードパターンを選択し、当該コードパターンに関するデータを変換回路570に供給する。このようなコードパターンは、1フィールドの一部を構成する、複数のサブフィールド期間の夫々において画素部72に表示されるべき白表示又は黒表示を規定するHigh又はLowの2値信号から構成されている。
【0075】
変換回路570は、判定回路530から供給された判定結果を含むデータに基づいて、画素部72が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号を特定し、該特定された特定信号Sg1を含み、且つデジタル信号化された画像信号VIDをデータ線駆動回路101に供給する。データ線駆動回路101は、走査線駆動回路104による走査タイミングに応じて画像信号を各画素部72に供給する。
【0076】
次に、図5を参照しながら、変換回路570及びデータ線駆動回路101を介して表示部100に供給される画像信号VIDの構成を説明する。図5(a)は、液晶装置1の周囲が暗い場合に供給される画像信号VIDdの構成を図式的に示しており、図5(b)は、液晶装置1の周囲が明るい場合に供給される画像信号VIDbの構成を図式的に示している。画像信号VIDd及びVIDbの夫々が、本発明の「変換信号」の一例であり、画像信号VIDをデジタル信号化したものである。
【0077】
図5(a)に示すように、デジタル信号化された画像信号VIDdは、表示部100に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を表示部100に表示する期間である1フィールドFの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間Fcに、画素部72が黒表示させる電位に設定された特定信号Sg1を表示部100に供給する。特定信号Sg1は、画素部72に黒表示をさせるための信号であり、例えば、液晶装置1がノーマリーホワイト方式で画像を表示する場合には、High及びLowの2値のうちHighの電位に設定された信号である。また、液晶装置1がノーマリーブラック方式で画像を表示する場合には、特定信号Sg1は、High及びLowの2値のうちLowの電位に設定された信号である。
【0078】
輝度調整期間Fcは、1フィールドFの最初に到来する期間であり、当該1フィールドFの期間に表示部100に表示される画像の輝度を概ね規定するために設けられた期間である。変換回路570によって特定された特定信号Sg1が、輝度調整期間Fcにおいて表示部100に供給されることによって、画素部に黒表示が表示される。輝度調整期間Fcは、特定信号Sg1を表示部100に入力する入力期間Fc1と、特定信号Sg1に応じて画素部に黒表示が維持される維持期間Fc2とから構成されている。
【0079】
このように輝度調整期間Fcに画素部72に黒表示を行わせることによって、1フィールドFにおいて表示部に表示される画像の輝度のバックグラウンドを低輝度側にシフトさせることができ、画像の輝度を低下させることが可能である。
【0080】
したがって、本実施形態に係る駆動回路500によれば、液晶装置1の周囲が暗い場合には、輝度調整期間Fcに黒表示に対応した黒画像が表示部100に表示され、1フィールドFに表示される画像の輝度を低くすることができる。よって、例えば、液晶装置1を用いて光を変調することによって画像をスクリーンに投射するプロジェクタにおいて、ホームシアターが使用される環境下で、プロジェクタによってスクリーンに投射されるべき画像が低階調である場合、当該画像のうち黒表示される部分が周囲より浮き上がって見えないように(即ち、黒浮きしないように)画像の輝度を調整できる。また、画像のバックグラウンドの輝度を低くすることが可能であるため、当該画像を視聴する視聴者の目の疲労が大きくなる問題点も解消できる利点がある。
【0081】
1フィールドFのうち輝度調整期間Fcを除く期間である階調制御期間は、階調制御期間を時間軸に沿って相互に分割してなる複数のサブフィールド期間SFi(i=1,・・・,n:nは2以上の自然数)から構成されている。
【0082】
選択回路550は、複数のサブフィールド期間SFiの夫々における画素部72の輝度を各々規定するコードパターンから、表示されるべき画像に対応する画像信号VIDに基づいて所定のコードパターンを選択する。変換回路570は、画像信号VIDを当該選択されたコードパターンに変換した変換信号としての画像信号VIDdを表示部100に供給する。
【0083】
複数のサブフィールド期間SFiは、時間軸に沿って一定周期で、即ち時間的に等間隔に階調制御期間を分割している。したがって、複数の画素部72の夫々は、複数のサブフィールド期間SFiを単位として黒表示又は白表示が可能である。ここで、液晶装置1では、各画素部に供給される画像信号VIDdは、各サブフィールドSFiにおいて液晶素子に印加される2水準の電圧を規定する“0(Low)”又は“1(High)”の2値データがサブフィールド期間SFi毎に設定されたデジタル信号として供給される。画素部72は、これら2値データによって規定される電圧が液晶等の電気光学物質に印加されることによって、黒表示及び白表示が可能になる。
【0084】
駆動回路500によれば、各サブフィールド期間SFiに供給された2値データによって液晶の駆動をサブフィールド期間SFi毎に制御可能である。サブフィールド期間SFiの時間幅は、液晶に電圧を印加してから当該電圧に応じた特性に応じた配向状態に液晶の配向角度が設定されるまでの応答時間より通常短い。したがって、駆動回路500によれば、複数のサブフィールド期間SFiの夫々における2値データ相互の組み合わせからなるコードパターンに応じて、サブフィールド期間SFiによる階調制御期間の分割数より多い多階調を液晶の応答特性に基づいて実現可能である。
【0085】
よって、本実施形態に係る駆動回路500によれば、表示部100に表示される画像の輝度を輝度調整期間Fcにおいて低下させつつ、残りの階調制御期間において、画像の階調を制御することが可能である。
【0086】
図5(b)に示すように、デジタル信号化された画像信号VIDbは、輝度調整期間Fcに、画素部72が白表示させる電位に設定された特定信号Sg1を表示部100に供給する。特定信号Sg1は、例えば、液晶装置1がノーマリーホワイト方式で画像を表示する場合には、High及びLowの2値のうちLowの電位に設定された信号である。また、液晶装置1がノーマリーブラック方式で画像を表示する場合には、特定信号Sg1は、High及びLowの2値のうちHighの電位に設定された信号である。
【0087】
このような特定信号Sg1は、画像信号VIDdに含まれる特定信号と同様に、輝度調整期間Fc1において表示部100に入力され、画素部に白表示が表示される。
【0088】
このように輝度調整期間Fcに画素部72に白表示を行わせることによって、1フィールドFにおいて表示部100に表示される画像の輝度のバックグラウンドを高輝度側にシフトさせることができ、画像の輝度を増大させることが可能である。画像の階調は、上述の黒表示を行う場合と同様に、階調制御期間における各サブフィールドSFiの夫々における黒表示及び白表示を組み合わせたコードパターンによって制御される。
【0089】
したがって、本実施形態に係る駆動回路500によれば、液晶装置1の周囲が明るい場合には、輝度調整期間Fcに白表示に対応した白画像が表示部100に表示され、1フィールドFに表示される画像の輝度を高めることができる。よって、例えば、当該液晶装置1を用いて光を変調することによって画像をスクリーンに投射するプロジェクタにおいて、スクリーンの明るさよりも高い高階調値で当該スクリーンに画像を投射した場合でも、画像のバックグラウンドに相当する輝度が高められているため、当該高階調値で表示されるべき画像を視聴者がスクリーンと区別して認識することが可能になり、画像の階調値を周囲の明るさに応じて高く設定する必要がない。
【0090】
特に、本実施形態に係る駆動回路500によれば、輝度調整期間Fcを1フィールドFの最初に設定することによって、画像の階調を規定する期間の途中に輝度調整期間Fcを設ける場合に比べて、特定信号Sg1が液晶の配向状態に及ぼす影響を低減できるうえ、画像の輝度を精度良く調整できる利点がある。
【0091】
<1−3:液晶装置の駆動方法>
次に、図6及び図7を参照しながら、液晶装置1の駆動方法を説明しつつ、駆動回路500の各構成要素を詳細な動作を説明する。図6は、本実施形態に係る電気光学装置の駆動方法の主要な工程を順に示したフローチャートである。図7は、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置1の光の透過率の関係を図示的に示したグラフである。図6は、図6では、ステップS100が、本発明の「第1ステップ」の一例であり、ステップS2110からステップS140が、本発明の「第2ステップ」の一例を構成する。
【0092】
図6において、液晶装置1の動作時に、光センサ510は、液晶装置1の周囲の明るさを検出する(S100)。
【0093】
次に、判定回路530は、メモリ520から所定の明るさに関する情報を読み出し、光センサ510によって検出された明るさが当該所定の明るさより高いか否かを判定する(ステップS110)。ここで、所定の明るさは、液晶装置1の周囲が暗いと判定される基準となる明るさB1と、液晶装置1の周囲が明るいと判定される基準として任意に設定された明るさB2との2つの明るさである。
【0094】
ここで、図7を参照しながら、液晶装置1における光の透過率と階調の関係を説明する。
【0095】
図7において、透過率線CLdは、液晶装置1が暗い場合における階調に対する透過率の変化を示している。透過率線CLbは、液晶装置1が暗い場合における階調に対する透過率の変化を示している。透過率線CLd及びCLbの夫々は、輝度調整機かFcに黒表示及び白表示を画素部に表示させたことによって、階調による画像の輝度の変化率を維持したままで、その輝度の絶対値のみをシフトさせたものである。階調が0である条件下において、透過率線CLdの値は透過率L1であり、透過率線CLbの値は透過率L2である。透過率L1は、明るさB1に対応しており、透過率L2は、明るさB2に対応している。したがって、階調が0における透過率を液晶装置1の周囲の明るさに応じて透過率L1及びL2の夫々に変更することによって、上述したように、周囲が明るい場合や暗い場合に生じる画像の視認性に関する問題点を解消できる。
【0096】
再び、図6において、選択回路550は、画像信号VIDに対応したコードパターンをメモリ560から読み出し、選択する(ステップS120)。
【0097】
次に、変換回路570は、光センサ510が検出した明るさが明るさB1より低い場合には、特性信号Sg1の電位を黒表示に対応した電位に設定し、特定信号Sg1を特定する。変換回路570は、光センサ510が検出した明るさが明るさB2より低く、且つ明るさB1以上である場合には、特定信号Sg1の電位を黒表示に対応した電位に設定し、特定信号Sg1を特定する。変換回路570は、光センサ510が検出した明るさが明るさB2以上である場合には、特定信号Sg1の電位を白表示に対応した電位に設定し、特定信号Sg1を特定する。これと並行して、選択回路550は、デジタル信号化されたが画像信号VIDの一部を特定信号Sg1に変換してなる変換後の画像信号VIDd(VIDb)を生成し(ステップS130)、データ線駆動回路101を介して表示部100に供給する(ステップS140)。
【0098】
これにより、表示すべき画像の階調を維持しつつ、画像のバックグラウンドの輝度を変更できるため、画像の視認性を高めることが可能である。
【0099】
<第2実施形態>
次に、図8乃至図11を参照しながら、本発明の第2及び第4の発明の夫々に係る電気光学装置の駆動回路及び駆動方法の各実施形態を説明する。尚、本実施形態に係る駆動回路は、上述の第1実施形態に係る液晶装置1を駆動する駆動回路であるため、以下では、第1実施形態と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0100】
<2−1:液晶装置の電気的構成>
図8を参照しながら、液晶装置1が備える、本発明の「駆動回路」の一例である駆動回路500aの構成を説明する。図8は、本実施形態に係る駆動回路を備えた液晶装置の電気的な構成を示したブロック図である。
【0101】
図8において、駆動回路500aは、本発明の「記憶手段」の一例であるメモリ520a、本発明の「判定手段」の一例である判定回路530a、本発明の「特定手段」の一例である特定回路540、及び本発明の「信号供給手段」の一例をデータ線駆動回路101と共に構成する変換回路570aを備えている点で上述の駆動回路500と異なる。
【0102】
メモリ520aは、後述する特定回路540が輝度調整期間Fcを分割するタイミングを特定する際に、光センサ510によって検出された明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶している。
【0103】
判定回路530aは、光センサ510によって検出された明るさが所定の明るさに比べて高いか否かを判定する。
【0104】
ここで、所定の明るさとは、輝度調整期間Fcを分割するタイミングを特定する際に、輝度調整を行うか否かの判断基準となる明るさの基準値となる明るさである。このような明るさは、複数想定されている。
【0105】
判定回路530aが、液晶装置1の周囲の明るさが複数設定された所定の明るさの一の明るさ以上であると判定した場合には、白表示に対応する特定信号Sg1が表示部100に供給される。また、液晶装置1の周囲の明るさが当該一の明るさより低い他の明るさ未満であると判定された場合には、黒表示に対応する特定信号Sg1が表示部100に供給される。
【0106】
したがって、メモリ520a及び判定回路530aによれば、輝度調整期間Fcにおける黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを、液晶装置の周囲の明るさと予め設定された所定の明るさとの相対的な高低関係に基づいて特定することが可能である。
【0107】
特定回路540は、表示部100に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を表示部100に表示する期間である1フィールドFの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間Fcを構成し、且つ表示部100に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを、光センサ510によって検出された明るさに基づいて特定する。
【0108】
変換回路570aは、画素部72が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち黒表示に対応した黒信号を、輝度調整期間Fcにおける黒表示期間において、データ線駆動回路101を介して表示部100に供給する。
【0109】
このような特定回路540及び変換回路570aによれば、輝度調整期間Fcにおいて、タイミングに応じて黒表示期間及び白表示期間の夫々の長さを変更可能である。したがって、画像の輝度は、当該タイミングを前後させることによって、より具体的には、電気光学装置の周囲の明るさに応じて連続的に調整可能であり、上述の第1実施形態に係る駆動回路500と同様の効果が得られる。
【0110】
次に、図9を参照しながら、変換回路570a及びデータ線駆動回路101を介して表示部100に供給される画像信号VIDの構成を説明する。図9(a)は、液晶装置1の周囲が暗い場合に供給される画像信号VIDdの構成を図式的に示しており、図9(b)は、液晶装置1の周囲が明るい場合に供給される画像信号VIDbの構成を図式的に示している。画像信号VIDd及びVIDbの夫々が、本発明の「変換信号」の一例であり、画像信号VIDをデジタル信号化したものである。
【0111】
図9(a)に示すように、デジタル信号化された画像信号VIDdは、表示部100に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を表示部100に表示する期間である1フィールドFの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間Fcに、画素部72が黒表示させる電位に設定された特定信号Sg1を表示部100に供給する。輝度調整期間Fcは、タイミングT1によって相互に分割された白表示期間Fwと、黒表示期間Fbとから構成されている。特定信号Sg1は、白表示期間Fw及び黒表示期間Fbの夫々において画素部72に白表示及び黒表示を行わせるための電位が設定された信号である。図9(a)では、液晶装置1の周囲が暗いため、輝度調整期間Fcにおける黒表示期間Fbの長さが白表示期間Fwの長さより長くなっている。したがって、輝度調整期間Fcにおける画像の輝度が低く設定され、画像の黒浮きが低減されている。
【0112】
図9(b)において、輝度調整期間Fcにおける白表示期間Fw及び黒表示期間Fbを分けるタイミングT2は、タイミングT1より後に到来するように設定されている。このようなタイミングT1からT2への変更は、液晶装置1の周囲の明るさに基づいて実行される。
【0113】
よって、白表示期間Fw及び黒表示期間Fbを相互に分けるタイミングは、上述の駆動回路500と異なり、液晶装置1の周囲の明るさに応じて、連続的に変更可能である。画像信号VIDbは、タイミングT2の時間軸上の位置の変更によって画像の輝度を調整可能に設定された信号である。このように、タイミングT1をT2に変更することによって、液晶装置1の周囲が明るい場合でも、表示部100を介してスクリーンに投射される画像をスクリーンと区別して視認できる。即ち、本実施形態では、維持期間Fc2は、液晶装置1が画像を表示する際の走査を止める期間であり、この長さを変更することによって輝度を調整することが可能である。したがって、輝度を離散的な輝度の値に調整するだけでなく、連続的にその値を調整できる。
【0114】
したがって、本実施形態に係る駆動回路500aによれば、表示部100に表示される画像の輝度のバックグラウンドを連続的に変更でき、第1実施形態に係る駆動回路500と同様の効果が得られる。
【0115】
<2−2:液晶装置の駆動方法>
次に、図10及び図11を参照しながら、液晶装置1の駆動方法を説明しつつ、駆動回路500aの各構成要素を詳細な動作を説明する。図10は、本実施形態に係る液晶装置の駆動方法の主要な工程を順に示したフローチャートである。図11は、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置1の光の透過率の関係を図示的に示したグラフである。図10は、ステップS200が、本発明の「第1ステップ」の一例であり、ステップS210からステップS240が、本発明の「第2ステップ」の一例を構成し、ステップS250が、本発明の「第3工程」の一例である。
【0116】
図10において、液晶装置1の動作時に、光センサ510は、液晶装置1の周囲の明るさを検出する(S200)。
【0117】
次に、判定回路530aは、メモリ520aから所定の明るさに関する情報を読み出し、光センサ510によって検出された明るさが当該所定の明るさより高いか否かを判定する(ステップS210)。ここで、所定の明るさは、液晶装置1の周囲が暗いと判定される基準となる明るさB1と、液晶装置1の周囲が明るいと判定される基準として任意に設定された明るさB2との2つの明るさである。
【0118】
ここで、図11を参照しながら、本実施形態に係る駆動回路500aによって駆動される液晶装置1の光の透過率と階調の関係を説明する。
【0119】
図11において、透過率線CLdは、液晶装置1が暗い場合における階調に対する透過率の変化を示している。透過率線CLbは、液晶装置1が暗い場合における階調に対する透過率の変化を示している。透過率線CLd及びCLbの夫々は、光センサ510によって検出された明るさが、透過率L1及びL2の夫々に対応した明るさB1及びB2より高いか否かに基づいて規定されるだけではなく、白表示期間Fw及び黒表示期間Fbを相互に分けるタイミングを変更することによって、透過率線を図中CL1又はCL2に変更することができる。透過率線CL1及びCL2の夫々は、階調に対する透過率の変化率が相互に一致するが、階調が0である条件下での透過率のバックグラウンドが連続的に変更可能であるため、階調に対する画像の輝度の変化率を維持したまま、画像の輝度を変更することが可能である。したがって、本実施形態に係る駆動回路500aによれば、上述したように、周囲が明るい場合や暗い場合に生じる画像の視認性に関する問題点を解消できると共に、画像の輝度を連続的に設定可能である。
【0120】
再び、図10において、選択回路550は、画像信号VIDに対応したコードパターンをメモリ560から読み出し、選択する(ステップS220)。
【0121】
次に、特定回路540は、輝度調整期間Fcにおける黒表示期間Fb及び白表示期間Fwを相互に分けるタイミングの特定する(ステップS230)。
【0122】
次に、変換回路570は、光センサ510が検出した明るさに基づいて、特性信号Sg1の電位を黒表示又は白表示に対応した電位に設定し、変換信号としての画像信号VIDを生成する。次に、変換回路570は、デジタル信号に変換された変換後の画像信号VIDをデータ線駆動回路101を介して表示部100に供給する(ステップS250)。
【0123】
これにより、上述の駆動回路500と同様に、表示すべき画像の階調を維持しつつ、画像のバックグラウンドの輝度を変更できるため、画像の視認性を高めることが可能である。
【0124】
(変形例)
次に、図12及び図13を参照しながら、上述の第1実施形態に係る駆動回路に供給される画像信号の変形例と、当該画像信号に基づいて画像が表示された場合の階調及び透過率の関係を説明する。図12は、第1実施形態に係る駆動回路に供給される画像信号の変形例の構成を図式的に示したチャートである。図13は、第1実施形態に係る駆動回路について、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置の光の透過率の関係の変形例を図示的に示したグラフである。尚、上述した第1実施形態と共通する部分については、共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0125】
図12(a)及び(b)の夫々に示した画像信号VIDd−1及びVIDd−2の夫々は、暗所で液晶装置1が使用される際に当該液晶装置に供給される画像信号の構成を示しており、相互にサブフィールド期間SFi及びSFj(j=1,2,・・・,m:mは2以上の自然数)の期間幅が異なっている。より具体的には、図12(a)及び(b)に示すように、サブフィールド期間SFjの期間幅は、サブフィールド期間SFiの期間幅に比べて短くなっている。このように、上述の第1実施形態に係る駆動回路によれば、サブフィールド期間SFの期間幅を適時変更可能である。
【0126】
次に、図13を参照しながら、サブフィールド期間SFを変更することによって実現可能になる階調及び透過率の関係を説明する。
【0127】
図13に示すように、サブフィールド期間SFの期間幅を変更することによって、透過率を液晶装置1の使用環境下の明るさに応じて一様に変更するだけでなく、階調に応じて連続的に調整することが可能である。
【0128】
より具体的には、図13に示すように、階調に対して変化する透過率の補正量を特定する特性線Aが、サブフィールド期間SFの時間幅に基づいて特定される。画像信号VIDd−1を画像信号VIDd−2に変更することによって、特性線Aで特定される透過率分だけ透過率線CLd−1が透過率線CLd−2に補正される。これにより、例えば、液晶装置1について、光が画素部を透過する透過率を、階調に対して連続的に変更することが可能である。これにより、例えば、暗所において発生する画像の黒浮きを低減できると共に、相対的に輝度を高めることができ、画像のコントラストを向上させることが可能である。
【0129】
尚、上述したサブフィールド期間SFの期間幅の変更は、上述した第2実施形態に係る駆動回路に供給される画像信号についても第1実施形態と同様に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】第1実施形態に係る駆動回路によって駆動される液晶装置の平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】第1実施形態に係る液晶装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る液晶装置における表示部の電気的構成を示した回路図である。
【図5】第1実施形態に係る液晶装置に供給される画像信号の構成を図式的に示したチャートである。
【図6】第1実施形態に係る電気光学装置の駆動方法の主要な工程を順に示したフローチャートである。
【図7】第1実施形態において、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置1の光の透過率の関係を図示的に示したグラフである。
【図8】第2実施形態に係る液晶装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図9】第2実施形態に係る液晶装置に供給される画像信号の構成を図式的に示したチャートである。
【図10】第2実施形態に係る電気光学装置の駆動方法の主要な工程を順に示したフローチャートである。
【図11】第2実施形態において、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置1の光の透過率の関係を図示的に示したグラフである。
【図12】第1実施形態に係る駆動回路に供給される画像信号の変形例の構成を図式的に示したチャートである。
【図13】第1実施形態に係る駆動回路について、デジタル化された画像信号の階調に対する液晶装置の光の透過率の関係の変形例を図示的に示したグラフである。
【符号の説明】
【0131】
1・・・液晶装置、100・・・表示部、500,500a・・・駆動回路、520,520a・・・メモリ、530,530a・・・判定回路、570,570a・・・変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、
前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する検出手段と、
前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間に、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記明るさに基づいて特定された特定信号を前記表示部に供給する信号供給手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
【請求項2】
前記信号供給手段が前記特定信号を特定する際に前記明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶した記憶手段と、
前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項3】
基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、
前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する検出手段と、
前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間を構成し、且つ前記表示部に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを前記明るさに基づいて特定する特定手段と、
前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記黒表示に対応した黒信号を、前記黒表示期間において前記表示部に供給する信号供給手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
【請求項4】
前記特定手段が前記タイミングを特定する際に前記明るさと比較される所定の明るさに関する情報を記憶した記憶手段と、
前記明るさが前記所定の明るさに比べて高いか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項5】
前記黒表示期間において、前記画素部による前記黒表示を維持する維持期間を調整することによって、前記画像の輝度を調整すること
を特徴とする請求項3又は4に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項6】
前記1フィールドのうち前記輝度調整期間を除く期間である階調制御期間は、該階調制御期間を時間軸に沿って相互に分割してなる複数のサブフィールド期間から構成されており、
前記信号供給手段は、前記画素部が前記複数のサブフィールド期間の夫々における前記画素部の輝度を各々規定するコードパターンから、前記画像に対応する画像信号に基づいて所定のコードパターンを選択する選択手段と、前記画像信号を前記選択されたコードパターンに変換した変換信号を前記表示部に供給する変換信号供給手段とを有すること
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項7】
前記サブフィールド期間の期間幅を変更可能であること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項8】
基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、
前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する第1ステップと、
前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間に、前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記明るさに基づいて特定された特定信号を前記表示部に供給する第2ステップと
を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項9】
基板上の表示領域を構成する複数の画素部から構成された表示部を有する電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、
前記電気光学装置の周囲の明るさを検出する第1ステップと、
前記表示部に表示されるべき画像の一部を構成する一枚分の単位画像を前記表示部に表示する期間である1フィールドの一部を占め、且つ最初に到来する輝度調整期間を構成し、且つ前記表示部に黒画像及び白画像の夫々を各々表示可能な黒表示期間及び白表示期間を相互に分けるタイミングを前記明るさに基づいて特定する第2ステップと、
前記画素部が表示可能な黒表示及び白表示の夫々を規定する2値信号のうち前記黒表示に対応した黒信号を、前記黒表示期間において前記表示部に供給する第3ステップと
を備えたことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−244838(P2009−244838A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227977(P2008−227977)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】