電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
【課題】例えば、反射型液晶装置において輝度の低下を招くことなく、横電界を低減する。
【解決手段】凸部(90)は、TFTアレイ基板(10)上の画像表示領域(10a)を構成する複数の画素領域(72g)の夫々における開口領域(72a)の周囲に沿って形成されており、図中X方向及びY方向に沿って格子状に延びている。複数の画素電極(9a)の端部(19)が凸部(90)に乗り上げるように形成されている。端部(19)は、画素電極(9a)のうち凸部(90)に乗り上げない部分、即ち、TFTアレイ基板(10)の基板面に平行に延びる部分に比べて対向電極(21)に近いため、相互に隣り合う画素電極(9a)間に生じる横電界が端部(19)及び対向電極(21)間に生じる電圧、言い換えれば図中の上下方向に沿って作用する縦電界によって低減される。
【解決手段】凸部(90)は、TFTアレイ基板(10)上の画像表示領域(10a)を構成する複数の画素領域(72g)の夫々における開口領域(72a)の周囲に沿って形成されており、図中X方向及びY方向に沿って格子状に延びている。複数の画素電極(9a)の端部(19)が凸部(90)に乗り上げるように形成されている。端部(19)は、画素電極(9a)のうち凸部(90)に乗り上げない部分、即ち、TFTアレイ基板(10)の基板面に平行に延びる部分に比べて対向電極(21)に近いため、相互に隣り合う画素電極(9a)間に生じる横電界が端部(19)及び対向電極(21)間に生じる電圧、言い換えれば図中の上下方向に沿って作用する縦電界によって低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、反射型液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなるプロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例である反射型液晶装置は、基板上の表示面から入射した光を反射膜で反射し、当該反射された反射光を液晶で変調することによって画像を表示可能なように構成されている。
【0003】
このような液晶装置では、隣り合う画素電極の夫々に相互に異なる電位を供給し、各画素電極及び対向電極間に生じる電圧によって液晶の配向を制御する反転駆動方式が採用される場合もある。反転駆動方式を採用した場合、相互に隣り合う画素電極間に生じる横電界を低減することを目的として、画素電極の端部の下側にその周囲より突出したテーパ台を設けられた液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−62797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光を反射する反射電極と兼用される画素電極のうちテーパ台に乗り上げた端部は、テーパ台に乗り上げていない部分に対して傾斜している。したがって、端部によって反射された光は、表示面に対して斜めに反射される。
【0006】
このように斜めに反射された光のうち表示面から出射される光量は、画素電極のうち基板面に沿って延びる平らな面で反射された光が表示面から出射される光量に比べて、低くなる。よって、画素領域から出射される反射光の光量が相対的に低くなり、液晶装置が画像を表示する際の輝度を高めることが困難になり、画素電極全体の面積を有効に活用して画素領域の開口領域を拡げることが困難になる問題点が生じる。特に、画像の高精細化に対する要望に応じて画素ピッチが狭小化した場合、画素電極のうち平らな部分に対して斜めに傾斜した部分が占める割合が高くなるため、輝度の低下はより顕著になる。
【0007】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、反射型液晶装置において輝度の低下を招くことなく、横電界を低減可能な電気光学装置、及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成された凸部と、前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つ透明導電材料からなる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、前記透明導電材料からなる対向電極と、前記第1基板及び前記第2基板間に挟持された電気光学物質と、前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する導電性反射膜とを備えている。
【0009】
本発明に係る電気光学装置によれば、第1基板は、例えば、画素スイッチング用TFT等の半導体素子を含む回路部、及び各種配線が形成された基板である。
【0010】
第2基板は、例えば、透明なガラス基板で構成されており、前記第1基板に対向するように配置されている。このような第2基板は、後述する電気光学物質に光を透過させると共に、後述する導電性反射膜によって反射された光を透過させる。
【0011】
凸部は、前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成されている。このような凸部は、第1基板の基板面に沿った平面に対して突出しており、第1基板上に所定のパターンに形成された絶縁膜によって構成されている。開口領域は、画素領域のうち画像表示に寄与する光を実質的に反射可能な領域である。より具体的には、例えば、画素領域のうち後述する導電性反射膜と重なる領域である。
【0012】
複数の画素電極は、前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つITO等の透明導電材料から構成されている。このような画素電極、及び、後述する対向電極間に生じる電圧に応じて各画素領域における電気光学物質が駆動される。尚、本発明に係る電気光学装置では、複数の画素電極のうち相互に隣り合う画素電極の夫々に互いに異なる電位が供給される、所謂反転駆動方式が採用される。したがって、凸部に乗り上げた端部は、画素電極のうち凸部に乗り上げない部分に比べて、後述する対向電極に近い位置にあり、相互に隣り合う画素電極間に生じる横電界が端部及び対向電極間に生じる電圧によって低減される。
【0013】
対向電極は、前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、例えば、ITO等の透明導電材料から構成されている。対向電極の電位は、当該電気光学装置の動作時に、例えば、画素電極の電位に対して一定である固定電位に維持される。
【0014】
電気光学物質は、例えば液晶であり、前記第1基板及び前記第2基板間に挟持され、画素電極及び対向電極間に生じる電圧によって駆動される。
【0015】
導電性反射膜は、前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する。このような導電性反射膜は、画素電極の端部のように第1基板の基板面に対して傾斜していないため、第2基板から当該導電性反射膜に入射した光を入射方向に向かって、即ち第2基板に向かってそのまま反射する。したがって、導電性反射膜によれば、画素電極の形状に応じて画素領域の開口領域が狭められることがなく、横電界を低減することを目的として画素電極の端部を傾斜させた場合でも、画素領域における輝度の低下を抑制できる。
【0016】
よって、本発明に係る電気光学装置によれば、画素領域における輝度を維持しつつ、横電界に起因する表示性能の低下を抑制でき、高品位の画像を表示可能である。
【0017】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記凸部は、前記複数の画素領域のうち相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びており、前記端部は、前記境界に沿って延びていてもよい。
【0018】
この態様によれば、凸部は、相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びているため、画素電極の端部も凸部に乗り上げるように形成可能である。したがって、相互に隣り合う画素電極の夫々の端部のうち相互に向かい合う端部間に生じる横電界を境界に沿って低減することが可能である。
【0019】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々における開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する第1工程と、前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する第2工程と、前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる第3工程と、前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する第4工程とを備える。
【0020】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、第1工程では、第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々において開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する。ここで、開口領域は、上述の電気光学装置における開口領域と同義である。複数の導電性反射膜は、例えば、第1基板上に一様な導電膜が形成された後、当該導電膜を汎用のパターニング法を用いて画素領域毎に分離することによって形成される。
【0021】
第2工程では、前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する。このようなレジスト膜は、例えば、光硬化性樹脂によって構成されている。
【0022】
第3工程では、前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる。したがって、複数の導電性反射膜をマスクとして機能し、レジスト膜のうちこれら導電性反射膜に重ならない領域に延びる部分に紫外線等の光が照射される。これにより、レジスト膜のうち導電性反射膜に重なる部分は未硬化の状態に維持される。
【0023】
第4工程では、前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する。したがって、レジスト膜のうち第3工程によって硬化した部分、言い換えれば、複数の導電性反射膜相互の間に延びる部分がそのまま第1基板上に残り、その周囲より突出した凸部となる。その後、当該凸部に端部が乗り上げるように画素領域に画素電極を形成することによって、上述の電気光学装置のうち第1基板側に形成すべき構成要素が形成されることになる。
【0024】
よって、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、高品位の画像を表示可能な
反射型液晶装置等の電気光学装置を簡便な方法で製造可能である。
【0025】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
【0026】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、フロントプロジェクタ或いはリアプロジェクタ等の投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型の表示装置、或いはビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0027】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器の各実施形態を説明する。
【0029】
<1:電気光学装置>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、本発明の「第1基板」の一例であるTFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に、本発明の「第2基板」の一例である対向基板の側から見た液晶装置1の平面図である。図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される反射型液晶装置である。
【0030】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10及び対向基板20が相互に対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間に、本発明の「電気光学物質」の一例である液晶から構成された液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素領域で構成された、本発明の「表示領域」の典型例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0031】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0032】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0033】
液晶装置1は、データ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104を備えている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域において、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、額縁遮光膜53に覆われるように形成された複数の配線105によって相互に電気的に接続されている。
【0034】
対向基板20の4つのコーナー部には、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0035】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の複数の画素電極9a上に、配向膜16(図6参照)が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0036】
液晶装置1は、その動作時に、図中上側である対向基板20側から液晶層50に入射した入射光を後述する導電性反射膜19(図6参照)によって対向基板20側に向かって反射し、画像を表示する。
【0037】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の回路部に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0038】
次に、図3を参照しながら、画像表示領域10aにおける回路構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aにおける回路構成を示した回路図である。
【0039】
図3において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72の夫々は、画素電極9a、TFT30、及び液晶素子50aを備えている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御し、当該制御に応じて液晶素子50aを駆動する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0040】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0041】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光及び反射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光及び反射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。保持容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9a及び対向電極21間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0042】
次に、図4を参照しながら、液晶装置1の駆動方法の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置1の駆動時における各画素電極9aの電位を図式的に示した図式的平面図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態では液晶装置1の駆動方式として1H反転駆動方式が採用されているので、相互に隣接する画素電極9aの間には、横電界が発生する。即ち、n番目(但しnは自然数)のフィールド或いはフレームの画像表示期間中、Y軸方向に並列した画素電極9aの各行に、隣接する行とは基準電圧に対する極性が相異なる電圧を印加することにより、画素領域における液晶は、行毎に逆極性の駆動電圧が印加された状態で駆動される。その様子を図4(a)に示す。続くn+1番目のフィールド或いはフレームの画像表示期間では、図4(b)に示すように、駆動電圧の極性を反転させる。n+2番目のフィールド或いはフレーム以降は、図4(a)及び図4(b)に示した状態が周期的に繰り返される。このように液晶層50への印加電圧の極性を周期的に反転させると、液晶に直流電圧が印加されるのが防止され、液晶の劣化が抑制される。また、画素電極9aの行毎に印加電圧の極性を逆としているので、クロストークやフリッカが低減される。
【0044】
この方式により、Y軸方向に相隣接する(即ち、相異なる行に属する)画素電極9aは、基準電圧に対して互いに逆の極性の電位で駆動されるため、その間の領域C1には横電界と呼ばれるTFTアレイ基板10の基板面に平行な成分を持つ電界が発生する。このような横電界は、液晶の動作不良を引き起こす。その結果、液晶が横電界の影響を受ける領域、より具体的には領域C1では、光抜け等の変調不良が生じてコントラスト比が低下する。尚、液晶装置1では、後に詳細に説明するように凸部90により横電界による表示不良を低減することが可能である。
【0045】
次に、図5及び図6を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の画素部の具体的な構成を説明する。図5は、液晶装置1の画像表示領域10aの一部を拡大して示した平面図であり、図6は図5のVI−VI´断面図である。尚、図5では、画像表示領域10aを構成するようにマトリクス状に配列された複数の画素部のうち互いに隣接する4つの画素部を示している。
【0046】
図5及び図6において、液晶装置1は、複数の画素電極9a、凸部90及び導電性反射膜91を備えている。
【0047】
凸部90は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aを構成する複数の画素領域72gの夫々における開口領域72aの周囲に沿って形成されており、図中X方向及びY方向に沿って格子状に延びている。開口領域72aは、画素領域72gのうち画像表示に寄与する光を実質的に反射可能な領域であり、画素領域72gのうち導電性反射膜91に重なる領域である。したがって、凸部90は、画素領域72gのうち画像の表示に寄与しない非開口領域72bに形成されていることになる。このような凸部90は、TFTアレイ基板10の基板面に沿った平面に対して突出しており、TFTアレイ基板10上に所定のパターンに形成された絶縁膜によって構成されている。
【0048】
複数の画素電極9aは、ITO等の透明導電材料から構成されており、複数の画素領域72gの各々においてその端部19が凸部90に乗り上げるように形成されている。複数の画素電極9aは、TFTアレイ基板10上において導電性反射膜91と同層に形成された絶縁膜93によって相互に隔てられている。端部19は、画素電極9aのうち凸部90に乗り上げない部分、即ち、TFTアレイ基板10の基板面に平行に延びる部分に比べて対向電極21に近いため、相互に隣り合う画素電極9a間に生じる横電界が端部19及び対向電極21間に生じる電圧、言い換えれば図6中の上下方向に沿って作用する縦電界によって低減される。
【0049】
したがって、液晶装置1によれば、その駆動方式として反転駆動方式を採用した場合に、横電界を一因として発生する表示不良を低減でき、高品位の画像を表示可能である。
【0050】
加えて、本実施形態では、凸部90は、複数の画素領域72gのうち相互に隣り合う画素領域72gの境界73に沿って延びており、端部19は、境界73に沿って延びている。
【0051】
したがって、液晶装置1によれば、相互に隣り合う画素電極9aの夫々の端部19のうち相互に向かい合う端部間に生じる横電界を境界73に沿って低減することが可能であり、部分的に凸部を設けてその上に端部19が乗り上げるように画素電極9aを形成する場合に比べて、境界73付近における液晶の配向乱れをより一層低減することが可能である。
【0052】
導電性反射膜91は、TFTアレイ基板10上において画素電極9aの下層側に形成され、且つ画素電極9aに電気的に接続されている。導電性反射膜91は、不図示のコンタクト部或いは配線部を介してTFT30のドレインに電気的に接続されており、TFT30を介して画素電極9aに供給される画像信号を中継する。導電性反射膜91は、液晶装置1の動作時に、TFTアレイ基板10から見て対向基板20の側から画素領域72gに入射する入射光を対向基板20の側に反射する。
【0053】
導電性反射膜91は、画素電極9aの端部19のようにTFTアレイ基板10の基板面に対して傾斜していないため、対向基板20の側から導電性反射膜91に入射した入射光を入射方向に向かって、即ち対向基板20に向かって反射する。したがって、導電性反射膜91によれば、画素電極9aの形状に応じて画素領域72gの開口領域72aが狭められることがなく、横電界を低減することを目的として画素電極9aの端部91が傾斜している場合でも、画素領域72gにおける輝度の低下を抑制できる。
【0054】
以上説明したように、液晶装置1によれば、画素領域72gにおける輝度を維持しつつ、横電界に起因する表示性能の低下を抑制でき、高品位の画像を表示可能である。
【0055】
<2:電気光学装置の製造方法>
次に、図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法を説明する。図7及び図8は、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図である。本実施形態に係る電気光学装置の製造方法は、上述の液晶装置1を製造するための液晶装置の製造方法である。
【0056】
図7(a)に示すように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aを構成すべき複数の画素領域72gの各々に相当する領域172gにおいて、開口領域72aとなるべき複数の領域172aの夫々に複数の導電性反射膜91を形成する(第1工程)。導電性反射膜91は、TFTアレイ基板10上に一様な導電膜が形成された後、当該導電膜を汎用のパターニング法を用いて画素領域72gとなるべき領域毎に分離することによって形成される。パターニングされた複数の導電性反射膜91の間には、絶縁膜93が形成される。
【0057】
次に、図7(b)に示すように、複数の導電性反射膜91に渡ってレジスト膜92を形成する(第2工程)。レジスト膜92は、例えば、複数の導電性反射膜91を覆うように光硬化性樹脂を塗布することによって形成される。
【0058】
次に、図8(c)に示すように、TFTアレイ基板10の両面のうち導電性反射膜91が形成されていない側の面である裏面、より具体的には図中下側からレジスト膜92に紫外線等の光を照射し、レジスト膜92のうち画素領域72gの非開口領域72bとなるべき領域172bに重なる部分を硬化させる(第3工程)。この際、複数の導電性反射膜91はマスクとして機能し、レジスト膜92のうち導電性反射膜91に重ならない領域、より具体的には領域172bに延びる部分に光が照射される。したがって、導電性反射膜91をマスクとして兼用することによって、別途マスクを配置して光を照射する場合に比べて簡便にレジスト膜92のうち導電性反射膜91に重なる部分を未硬化の状態に維持できる。
【0059】
次に、図8(d)に示すように、レジスト膜92のうち上述の光の照射によって硬化されなかった部分を除去する(第4工程)。したがって、レジスト膜92のうち上述の光の照射によって硬化した部分、言い換えれば、複数の導電性反射膜91相互の間に重なる領域に延びる部分がそのままTFTアレイ基板10上に残り、その周囲より突出した凸部90となる。その後、凸部90に端部が乗り上げるように領域172gに画素電極9aを形成し、その上に配向膜16を形成することによって、上述の液晶装置1のうちTFTアレイ基板10側に形成すべき構成要素が形成されることになる。
【0060】
よって、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法によれば、高品位の画像を表示可能な液晶装置1を簡便な方法で製造可能である。
【0061】
<3:電子機器>
次に、図9を参照しながら、上述の液晶装置をライトバルブとして用いた反射型プロジェクタを説明する。図9は、本実施形態に係る電子機器の一例である反射型プロジェクタの構成を示した図である。
【0062】
図9において、プロジェクタ400では、光源ランプ200から出射された光(概ね白色光)は、クロスダイクロイックミラーからなる色分解ミラー201により青色光Bと赤色光R・緑色光Gに分光される。また、各光はミラー202を介して偏光ビームスプリッタ(PBS)203に入射され、PBS203によりS偏光光が色光変調用の反射型液晶ライトバルブ100B,100R,100Gに入射される。入射された色光は、各ライトバルブによって変調された後、各ライトバルブから出射される。PBS203では反射型液晶ライトバルブ100B,100R,100Gから戻ってきたS偏光成分が反射しP偏光成分を透過する。従って、各PBS203からは、液晶ライトバルブ100B,100R,100Gから出射された光の偏光軸の回転程度に応じた光量の色光が透過してくる。この光量が、各色光に割り当てられた階調レベルに応じた光量(透過率)に相当する。各PBS203を透過した色光は、色合成プリズム204内にX字状に形成された青色光反射・赤色光反射の波長選択反射層により、青色光Bと赤色光Rが反射され、緑色光Gが透過されて、カラー光が合成されて射出される。このカラー光を投射レンズ205によりスクリーン206に画像が投射される。本実施形態に係るプロジェクタ400は、上述の液晶装置を具備してなるので、高い表示性能を有している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】本実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域における回路構成を示した回路図である。
【図4】本実施形態に係る電気光学装置を1H反転駆動方式によって駆動した際の動作状態を説明するための図式的平面図である。
【図5】本実施形態に係る電気光学装置の一部を拡大して示した平面図である。
【図6】図5のVI−VI´断面図である。
【図7】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図(その1)である。
【図8】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図(その2)である。
【図9】本実施形態に係る電子機器の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、19・・・端部、20・・・対向基板、9a・・・画素電極、50・・・液晶層、90・・・凸部、91・・・導電性反射膜、400・・・プロジェクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、反射型液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなるプロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例である反射型液晶装置は、基板上の表示面から入射した光を反射膜で反射し、当該反射された反射光を液晶で変調することによって画像を表示可能なように構成されている。
【0003】
このような液晶装置では、隣り合う画素電極の夫々に相互に異なる電位を供給し、各画素電極及び対向電極間に生じる電圧によって液晶の配向を制御する反転駆動方式が採用される場合もある。反転駆動方式を採用した場合、相互に隣り合う画素電極間に生じる横電界を低減することを目的として、画素電極の端部の下側にその周囲より突出したテーパ台を設けられた液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−62797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光を反射する反射電極と兼用される画素電極のうちテーパ台に乗り上げた端部は、テーパ台に乗り上げていない部分に対して傾斜している。したがって、端部によって反射された光は、表示面に対して斜めに反射される。
【0006】
このように斜めに反射された光のうち表示面から出射される光量は、画素電極のうち基板面に沿って延びる平らな面で反射された光が表示面から出射される光量に比べて、低くなる。よって、画素領域から出射される反射光の光量が相対的に低くなり、液晶装置が画像を表示する際の輝度を高めることが困難になり、画素電極全体の面積を有効に活用して画素領域の開口領域を拡げることが困難になる問題点が生じる。特に、画像の高精細化に対する要望に応じて画素ピッチが狭小化した場合、画素電極のうち平らな部分に対して斜めに傾斜した部分が占める割合が高くなるため、輝度の低下はより顕著になる。
【0007】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、反射型液晶装置において輝度の低下を招くことなく、横電界を低減可能な電気光学装置、及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成された凸部と、前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つ透明導電材料からなる複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、前記透明導電材料からなる対向電極と、前記第1基板及び前記第2基板間に挟持された電気光学物質と、前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する導電性反射膜とを備えている。
【0009】
本発明に係る電気光学装置によれば、第1基板は、例えば、画素スイッチング用TFT等の半導体素子を含む回路部、及び各種配線が形成された基板である。
【0010】
第2基板は、例えば、透明なガラス基板で構成されており、前記第1基板に対向するように配置されている。このような第2基板は、後述する電気光学物質に光を透過させると共に、後述する導電性反射膜によって反射された光を透過させる。
【0011】
凸部は、前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成されている。このような凸部は、第1基板の基板面に沿った平面に対して突出しており、第1基板上に所定のパターンに形成された絶縁膜によって構成されている。開口領域は、画素領域のうち画像表示に寄与する光を実質的に反射可能な領域である。より具体的には、例えば、画素領域のうち後述する導電性反射膜と重なる領域である。
【0012】
複数の画素電極は、前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つITO等の透明導電材料から構成されている。このような画素電極、及び、後述する対向電極間に生じる電圧に応じて各画素領域における電気光学物質が駆動される。尚、本発明に係る電気光学装置では、複数の画素電極のうち相互に隣り合う画素電極の夫々に互いに異なる電位が供給される、所謂反転駆動方式が採用される。したがって、凸部に乗り上げた端部は、画素電極のうち凸部に乗り上げない部分に比べて、後述する対向電極に近い位置にあり、相互に隣り合う画素電極間に生じる横電界が端部及び対向電極間に生じる電圧によって低減される。
【0013】
対向電極は、前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、例えば、ITO等の透明導電材料から構成されている。対向電極の電位は、当該電気光学装置の動作時に、例えば、画素電極の電位に対して一定である固定電位に維持される。
【0014】
電気光学物質は、例えば液晶であり、前記第1基板及び前記第2基板間に挟持され、画素電極及び対向電極間に生じる電圧によって駆動される。
【0015】
導電性反射膜は、前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する。このような導電性反射膜は、画素電極の端部のように第1基板の基板面に対して傾斜していないため、第2基板から当該導電性反射膜に入射した光を入射方向に向かって、即ち第2基板に向かってそのまま反射する。したがって、導電性反射膜によれば、画素電極の形状に応じて画素領域の開口領域が狭められることがなく、横電界を低減することを目的として画素電極の端部を傾斜させた場合でも、画素領域における輝度の低下を抑制できる。
【0016】
よって、本発明に係る電気光学装置によれば、画素領域における輝度を維持しつつ、横電界に起因する表示性能の低下を抑制でき、高品位の画像を表示可能である。
【0017】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記凸部は、前記複数の画素領域のうち相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びており、前記端部は、前記境界に沿って延びていてもよい。
【0018】
この態様によれば、凸部は、相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びているため、画素電極の端部も凸部に乗り上げるように形成可能である。したがって、相互に隣り合う画素電極の夫々の端部のうち相互に向かい合う端部間に生じる横電界を境界に沿って低減することが可能である。
【0019】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々における開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する第1工程と、前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する第2工程と、前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる第3工程と、前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する第4工程とを備える。
【0020】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、第1工程では、第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々において開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する。ここで、開口領域は、上述の電気光学装置における開口領域と同義である。複数の導電性反射膜は、例えば、第1基板上に一様な導電膜が形成された後、当該導電膜を汎用のパターニング法を用いて画素領域毎に分離することによって形成される。
【0021】
第2工程では、前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する。このようなレジスト膜は、例えば、光硬化性樹脂によって構成されている。
【0022】
第3工程では、前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる。したがって、複数の導電性反射膜をマスクとして機能し、レジスト膜のうちこれら導電性反射膜に重ならない領域に延びる部分に紫外線等の光が照射される。これにより、レジスト膜のうち導電性反射膜に重なる部分は未硬化の状態に維持される。
【0023】
第4工程では、前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する。したがって、レジスト膜のうち第3工程によって硬化した部分、言い換えれば、複数の導電性反射膜相互の間に延びる部分がそのまま第1基板上に残り、その周囲より突出した凸部となる。その後、当該凸部に端部が乗り上げるように画素領域に画素電極を形成することによって、上述の電気光学装置のうち第1基板側に形成すべき構成要素が形成されることになる。
【0024】
よって、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、高品位の画像を表示可能な
反射型液晶装置等の電気光学装置を簡便な方法で製造可能である。
【0025】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
【0026】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、フロントプロジェクタ或いはリアプロジェクタ等の投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型の表示装置、或いはビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0027】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器の各実施形態を説明する。
【0029】
<1:電気光学装置>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、本発明の「第1基板」の一例であるTFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に、本発明の「第2基板」の一例である対向基板の側から見た液晶装置1の平面図である。図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される反射型液晶装置である。
【0030】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10及び対向基板20が相互に対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間に、本発明の「電気光学物質」の一例である液晶から構成された液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素領域で構成された、本発明の「表示領域」の典型例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0031】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0032】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0033】
液晶装置1は、データ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104を備えている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域において、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、額縁遮光膜53に覆われるように形成された複数の配線105によって相互に電気的に接続されている。
【0034】
対向基板20の4つのコーナー部には、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0035】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の複数の画素電極9a上に、配向膜16(図6参照)が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0036】
液晶装置1は、その動作時に、図中上側である対向基板20側から液晶層50に入射した入射光を後述する導電性反射膜19(図6参照)によって対向基板20側に向かって反射し、画像を表示する。
【0037】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の回路部に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0038】
次に、図3を参照しながら、画像表示領域10aにおける回路構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aにおける回路構成を示した回路図である。
【0039】
図3において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72の夫々は、画素電極9a、TFT30、及び液晶素子50aを備えている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御し、当該制御に応じて液晶素子50aを駆動する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0040】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0041】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光及び反射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光及び反射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。保持容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9a及び対向電極21間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0042】
次に、図4を参照しながら、液晶装置1の駆動方法の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置1の駆動時における各画素電極9aの電位を図式的に示した図式的平面図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態では液晶装置1の駆動方式として1H反転駆動方式が採用されているので、相互に隣接する画素電極9aの間には、横電界が発生する。即ち、n番目(但しnは自然数)のフィールド或いはフレームの画像表示期間中、Y軸方向に並列した画素電極9aの各行に、隣接する行とは基準電圧に対する極性が相異なる電圧を印加することにより、画素領域における液晶は、行毎に逆極性の駆動電圧が印加された状態で駆動される。その様子を図4(a)に示す。続くn+1番目のフィールド或いはフレームの画像表示期間では、図4(b)に示すように、駆動電圧の極性を反転させる。n+2番目のフィールド或いはフレーム以降は、図4(a)及び図4(b)に示した状態が周期的に繰り返される。このように液晶層50への印加電圧の極性を周期的に反転させると、液晶に直流電圧が印加されるのが防止され、液晶の劣化が抑制される。また、画素電極9aの行毎に印加電圧の極性を逆としているので、クロストークやフリッカが低減される。
【0044】
この方式により、Y軸方向に相隣接する(即ち、相異なる行に属する)画素電極9aは、基準電圧に対して互いに逆の極性の電位で駆動されるため、その間の領域C1には横電界と呼ばれるTFTアレイ基板10の基板面に平行な成分を持つ電界が発生する。このような横電界は、液晶の動作不良を引き起こす。その結果、液晶が横電界の影響を受ける領域、より具体的には領域C1では、光抜け等の変調不良が生じてコントラスト比が低下する。尚、液晶装置1では、後に詳細に説明するように凸部90により横電界による表示不良を低減することが可能である。
【0045】
次に、図5及び図6を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の画素部の具体的な構成を説明する。図5は、液晶装置1の画像表示領域10aの一部を拡大して示した平面図であり、図6は図5のVI−VI´断面図である。尚、図5では、画像表示領域10aを構成するようにマトリクス状に配列された複数の画素部のうち互いに隣接する4つの画素部を示している。
【0046】
図5及び図6において、液晶装置1は、複数の画素電極9a、凸部90及び導電性反射膜91を備えている。
【0047】
凸部90は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aを構成する複数の画素領域72gの夫々における開口領域72aの周囲に沿って形成されており、図中X方向及びY方向に沿って格子状に延びている。開口領域72aは、画素領域72gのうち画像表示に寄与する光を実質的に反射可能な領域であり、画素領域72gのうち導電性反射膜91に重なる領域である。したがって、凸部90は、画素領域72gのうち画像の表示に寄与しない非開口領域72bに形成されていることになる。このような凸部90は、TFTアレイ基板10の基板面に沿った平面に対して突出しており、TFTアレイ基板10上に所定のパターンに形成された絶縁膜によって構成されている。
【0048】
複数の画素電極9aは、ITO等の透明導電材料から構成されており、複数の画素領域72gの各々においてその端部19が凸部90に乗り上げるように形成されている。複数の画素電極9aは、TFTアレイ基板10上において導電性反射膜91と同層に形成された絶縁膜93によって相互に隔てられている。端部19は、画素電極9aのうち凸部90に乗り上げない部分、即ち、TFTアレイ基板10の基板面に平行に延びる部分に比べて対向電極21に近いため、相互に隣り合う画素電極9a間に生じる横電界が端部19及び対向電極21間に生じる電圧、言い換えれば図6中の上下方向に沿って作用する縦電界によって低減される。
【0049】
したがって、液晶装置1によれば、その駆動方式として反転駆動方式を採用した場合に、横電界を一因として発生する表示不良を低減でき、高品位の画像を表示可能である。
【0050】
加えて、本実施形態では、凸部90は、複数の画素領域72gのうち相互に隣り合う画素領域72gの境界73に沿って延びており、端部19は、境界73に沿って延びている。
【0051】
したがって、液晶装置1によれば、相互に隣り合う画素電極9aの夫々の端部19のうち相互に向かい合う端部間に生じる横電界を境界73に沿って低減することが可能であり、部分的に凸部を設けてその上に端部19が乗り上げるように画素電極9aを形成する場合に比べて、境界73付近における液晶の配向乱れをより一層低減することが可能である。
【0052】
導電性反射膜91は、TFTアレイ基板10上において画素電極9aの下層側に形成され、且つ画素電極9aに電気的に接続されている。導電性反射膜91は、不図示のコンタクト部或いは配線部を介してTFT30のドレインに電気的に接続されており、TFT30を介して画素電極9aに供給される画像信号を中継する。導電性反射膜91は、液晶装置1の動作時に、TFTアレイ基板10から見て対向基板20の側から画素領域72gに入射する入射光を対向基板20の側に反射する。
【0053】
導電性反射膜91は、画素電極9aの端部19のようにTFTアレイ基板10の基板面に対して傾斜していないため、対向基板20の側から導電性反射膜91に入射した入射光を入射方向に向かって、即ち対向基板20に向かって反射する。したがって、導電性反射膜91によれば、画素電極9aの形状に応じて画素領域72gの開口領域72aが狭められることがなく、横電界を低減することを目的として画素電極9aの端部91が傾斜している場合でも、画素領域72gにおける輝度の低下を抑制できる。
【0054】
以上説明したように、液晶装置1によれば、画素領域72gにおける輝度を維持しつつ、横電界に起因する表示性能の低下を抑制でき、高品位の画像を表示可能である。
【0055】
<2:電気光学装置の製造方法>
次に、図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法を説明する。図7及び図8は、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図である。本実施形態に係る電気光学装置の製造方法は、上述の液晶装置1を製造するための液晶装置の製造方法である。
【0056】
図7(a)に示すように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aを構成すべき複数の画素領域72gの各々に相当する領域172gにおいて、開口領域72aとなるべき複数の領域172aの夫々に複数の導電性反射膜91を形成する(第1工程)。導電性反射膜91は、TFTアレイ基板10上に一様な導電膜が形成された後、当該導電膜を汎用のパターニング法を用いて画素領域72gとなるべき領域毎に分離することによって形成される。パターニングされた複数の導電性反射膜91の間には、絶縁膜93が形成される。
【0057】
次に、図7(b)に示すように、複数の導電性反射膜91に渡ってレジスト膜92を形成する(第2工程)。レジスト膜92は、例えば、複数の導電性反射膜91を覆うように光硬化性樹脂を塗布することによって形成される。
【0058】
次に、図8(c)に示すように、TFTアレイ基板10の両面のうち導電性反射膜91が形成されていない側の面である裏面、より具体的には図中下側からレジスト膜92に紫外線等の光を照射し、レジスト膜92のうち画素領域72gの非開口領域72bとなるべき領域172bに重なる部分を硬化させる(第3工程)。この際、複数の導電性反射膜91はマスクとして機能し、レジスト膜92のうち導電性反射膜91に重ならない領域、より具体的には領域172bに延びる部分に光が照射される。したがって、導電性反射膜91をマスクとして兼用することによって、別途マスクを配置して光を照射する場合に比べて簡便にレジスト膜92のうち導電性反射膜91に重なる部分を未硬化の状態に維持できる。
【0059】
次に、図8(d)に示すように、レジスト膜92のうち上述の光の照射によって硬化されなかった部分を除去する(第4工程)。したがって、レジスト膜92のうち上述の光の照射によって硬化した部分、言い換えれば、複数の導電性反射膜91相互の間に重なる領域に延びる部分がそのままTFTアレイ基板10上に残り、その周囲より突出した凸部90となる。その後、凸部90に端部が乗り上げるように領域172gに画素電極9aを形成し、その上に配向膜16を形成することによって、上述の液晶装置1のうちTFTアレイ基板10側に形成すべき構成要素が形成されることになる。
【0060】
よって、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法によれば、高品位の画像を表示可能な液晶装置1を簡便な方法で製造可能である。
【0061】
<3:電子機器>
次に、図9を参照しながら、上述の液晶装置をライトバルブとして用いた反射型プロジェクタを説明する。図9は、本実施形態に係る電子機器の一例である反射型プロジェクタの構成を示した図である。
【0062】
図9において、プロジェクタ400では、光源ランプ200から出射された光(概ね白色光)は、クロスダイクロイックミラーからなる色分解ミラー201により青色光Bと赤色光R・緑色光Gに分光される。また、各光はミラー202を介して偏光ビームスプリッタ(PBS)203に入射され、PBS203によりS偏光光が色光変調用の反射型液晶ライトバルブ100B,100R,100Gに入射される。入射された色光は、各ライトバルブによって変調された後、各ライトバルブから出射される。PBS203では反射型液晶ライトバルブ100B,100R,100Gから戻ってきたS偏光成分が反射しP偏光成分を透過する。従って、各PBS203からは、液晶ライトバルブ100B,100R,100Gから出射された光の偏光軸の回転程度に応じた光量の色光が透過してくる。この光量が、各色光に割り当てられた階調レベルに応じた光量(透過率)に相当する。各PBS203を透過した色光は、色合成プリズム204内にX字状に形成された青色光反射・赤色光反射の波長選択反射層により、青色光Bと赤色光Rが反射され、緑色光Gが透過されて、カラー光が合成されて射出される。このカラー光を投射レンズ205によりスクリーン206に画像が投射される。本実施形態に係るプロジェクタ400は、上述の液晶装置を具備してなるので、高い表示性能を有している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】本実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域における回路構成を示した回路図である。
【図4】本実施形態に係る電気光学装置を1H反転駆動方式によって駆動した際の動作状態を説明するための図式的平面図である。
【図5】本実施形態に係る電気光学装置の一部を拡大して示した平面図である。
【図6】図5のVI−VI´断面図である。
【図7】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図(その1)である。
【図8】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の主要な製造工程を順に示した工程断面図(その2)である。
【図9】本実施形態に係る電子機器の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、19・・・端部、20・・・対向基板、9a・・・画素電極、50・・・液晶層、90・・・凸部、91・・・導電性反射膜、400・・・プロジェクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成された凸部と、
前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つ透明導電材料からなる複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、前記透明導電材料からなる対向電極と、
前記第1基板及び前記第2基板間に挟持された電気光学物質と、
前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する導電性反射膜と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記複数の画素領域のうち相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びており、前記端部は、前記境界に沿って延びていること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々において開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する第1工程と、
前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する第2工程と、
前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる第3工程と、
前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する第4工程と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1基板上の表示領域を構成する複数の画素領域の夫々における開口領域の周囲に形成された凸部と、
前記複数の画素領域に各々において端部が前記凸部に乗り上げるように形成され、且つ透明導電材料からなる複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向するように、前記第2基板の両面のうち前記第1基板に臨む一方の面に形成されており、前記透明導電材料からなる対向電極と、
前記第1基板及び前記第2基板間に挟持された電気光学物質と、
前記第1基板上において前記画素電極の下層側に形成され、且つ前記画素電極に電気的に接続されており、前記第1基板から見て前記第2基板の側から前記画素領域に入射する光を前記第2基板の側に反射する導電性反射膜と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記複数の画素領域のうち相互に隣り合う画素領域の境界に沿って延びており、前記端部は、前記境界に沿って延びていること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
第1基板上の表示領域を構成すべき複数の画素領域の各々において開口領域となるべき複数の領域の夫々に複数の導電性反射膜を形成する第1工程と、
前記複数の導電性反射膜に渡ってレジスト膜を形成する第2工程と、
前記第1基板の両面のうち前記導電性反射膜が形成されていない側の面である裏面から前記レジスト膜に光を照射し、前記レジスト膜のうち前記画素領域の非開口領域となるべき領域に重なる部分を硬化させる第3工程と、
前記レジスト膜のうち第3工程によって硬化されなかった部分を除去する第4工程と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−205053(P2009−205053A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49297(P2008−49297)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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