電気光学装置及び電子機器
【課題】 表示部と発音体の両方を有する電気光学装置を電子機器の内部に設ける際に、電気光学装置の全体的な厚さ及び電子機器の厚さを薄く形成できるようにする。
【解決手段】 表示領域を備えた表示部2と、表示部2と重なるように配置され音を発生する複数の発音体3a,3bと、表示部2と発音体3a,3bとの間に配置され表示部2を保持する第1枠4とを有する電気光学装置1Aである。第1枠4は複数の発音体3a,3bのための気室R1を形成する。また、第1枠4には複数の発音体3a,3bのそれぞれに対応する導音路P及び放音孔Pbが設けられる。
【解決手段】 表示領域を備えた表示部2と、表示部2と重なるように配置され音を発生する複数の発音体3a,3bと、表示部2と発音体3a,3bとの間に配置され表示部2を保持する第1枠4とを有する電気光学装置1Aである。第1枠4は複数の発音体3a,3bのための気室R1を形成する。また、第1枠4には複数の発音体3a,3bのそれぞれに対応する導音路P及び放音孔Pbが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等といった電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、携帯情報端末機等といった電子機器において液晶表示装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を表示するための表示装置として電気光学装置が用いられている。電気光学装置とは、電気的な入力によって光学的な出力状態を制御する装置であり、例えば、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)装置、プラズマディスプレイ装置、その他の装置が考えられる。
【0003】
上記の電気光学装置は、主に、電子機器に関する各種の情報を画像として表示する際に用いられるものであるが、電子機器の中にはこのような画像表示手段以外に、音を発生する手段を設ける必要もある。例えば、携帯電話機では、相手が話す内容を音声によって表現する必要がある。このような音を発生する手段は、例えば、スピーカ等といった発音体によって構成される。電気光学装置と発音体の両方を備えた電子機器は、従来から知られている。また、複数の発音体を備えた電子機器も知られている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−078601号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開2003−158787号公報(第3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電子機器では、電気光学装置と複数の発音体とが電子機器の筐体の中で別々の場所に設置されていた。この場合、電気光学装置と複数の発音体とを電子機器の厚さ方向に重ねて配置すると、電子機器の厚さが厚くなり過ぎるおそれがある。近年、電子機器に関してはそれを薄型にすることの要求が高まっており、上記のように電子機器の厚さが厚くなるというのは、その薄型化の要求に反している。また、電子機器が厚くなることを避けるために、電気光学装置と発音体とを互いに重ならないように配置することが考えられる。しかしながらこの場合には、電子機器の平面形状が大きくなり、やはり小型化の要求に応えることができない。
【0006】
また、電子機器の内部に発音体を設ける場合には、電子機器の内部に電気光学装置を設置した上で発音体の周りの音響設計を行わなければならず、それ故、電子機器の小型化及び薄型化が難しかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、表示部と発音体の両方を有する電気光学装置を電子機器の内部に設ける際に、電気光学装置の全体的な厚さ及び電子機器の厚さを薄く形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置は、表示領域を備えた表示部と、前記表示部と重なるように配置され音を発生する複数の発音体と、前記表示部と前記発音体との間に配置され前記表示部を保持する第1枠とを有し、前記第1枠は前記複数の発音体のための気室を形成し、前記第1枠に前記複数の発音体のそれぞれに対応する導音路及び放音孔が設けられることを特徴とする。
【0009】
上記構成において、「表示部」は任意の表示手段によって構成できる。このような表示手段としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマディスプレイ装置、その他の表示装置が適用できる。また、「発音体」は、例えばスピーカによって構成できる。また、第1枠は、プラスチック、金属等によって形成できる。この第1枠は、複数の発音体のための気室を形成するものであるので、複雑な形状になる場合があるかもしれない。このような場合には、プラスチックを材料とする樹脂成形によってその第1枠を形成することが望ましい。
【0010】
上記構成の電気光学装置によれば、第1枠によって表示部が保持され、さらに表示部と発音体との間に第1枠が配置され、さらに発音体のための気室は第1枠によって予め形成され、さらに第1枠に導音路及び放音孔が形成されている。このため、電気光学装置を電子機器の内部に組付ける際には、表示部、第1枠及び発音体を1つのユニットとして電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、表示部と発音体とを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置及び電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0011】
また、この電気光学装置によれば、第1枠それ自体によって気室、導音路及び放音孔が形成されるので、電子機器側ではそれらに関する設計を行う必要がなくなり、それ故、電子機器の設計が簡単になり、しかも、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。また、この電気光学装置では、発音体が複数用いられるので、ステレオ音声を出力できる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置においては、前記表示部と前記発音体とが前記第1枠によって支持されることにより、前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することが望ましい。こうすれば、第1枠以外の枠を用いることなく電気光学装置の一体構造を実現できるので、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0013】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第1枠は前記発音体のための前記表示部側の気室及び前記表示部と反対側の気室の両方を形成することが望ましい。こうすれば、発音体のための気室を形成するために第1枠以外の何等かの部材を用いる必要がなくなるので、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0014】
次に、本発明に係る電気光学装置においては、前記発音体及び前記第1枠を個別に支持する第2枠をさらに有し、該第2枠により前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することが望ましい。この構成によれば、表示部と第1枠と発音体とを第2枠によって一体に結合したので、その一体構造をしっかりとした構造にすることができる。
【0015】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第2枠は、前記複数の発音体のための気室であって前記表示部と反対側の気室を形成することが望ましい。発音体に関して表示部側及び表示部と反対側の両側に気室を設けることは、音響設計的に重要なことである。これらの気室のうち表示部側の気室は第1枠によって形成される。一方、表示部と反対側の気室は第2枠によって形成することもできるし、第2枠を使用しない場合には電子機器の構成部品を使ってその気室を形成することもできる。この場合、電気光学装置の構成要素である第2枠によって気室を形成しておけば、電子機器の側では何等の音響設計も必要なくなるので、電子機器にとって非常に有利である。
【0016】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第2枠は前記表示部、前記第1枠及び前記複数の発音体を収容する容器形状であることが望ましい。こうすれば、表示部、第1枠及び複数の発音体の全てを一体構造にするのが非常に簡単になり、しかも一体構造をしっかりと保持できる。
【0017】
次に、本発明に係る電気光学装置は、前記第2枠と協働して前記表示部、前記第1枠及び前記発音体を押圧状態で挟持する第3枠をさらに有することが望ましい。こうすれば、表示部、第1枠及び複数の発音体から成る一体構造を極めて強固に保持できる。
【0018】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記発音体は前記第1枠を挟んで前記表示部の背面に配置されることが望ましい。こうすれば、表示部の表示を見易くできる。また、表示部の横位置に発音体を設ける場合に比べて、電気光学装置を小型にできる。
【0019】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記放音孔は、前記表示部の表示領域と同じ面に開口することが望ましい。こうすれば、表示を見る観察者にとって音が聞き易くなる。
【0020】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの一部分が互いに重なるように配置されることが望ましい。こうすれば、電気光学装置の幅方向の大きさを小型にできる。また、前記複数の発音体をそれらの全体が互いに重なるように配置することもできる。こうすれば、電気光学装置の幅方向の大きさをさらに一層小型にできる。
【0021】
次に、本発明に係る電子機器は、電気光学装置と、電気光学装置が取り付けられる被固定部材とを有し、前記電気光学装置は以上に記載した構成の電気光学装置であることを特徴とする。
【0022】
この電子機器で用いる電気光学装置によれば、第1枠によって表示部が保持され、さらに表示部と発音体との間に第1枠が配置され、さらに発音体のための気室は第1枠によって予め形成され、さらに第1枠に導音路及び放音孔が形成されている。このため、電気光学装置を電子機器の内部に組付ける際には、表示部、第1枠及び発音体を1つのユニットとして電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、表示部と発音体とを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0023】
また、この電気光学装置によれば、第1枠それ自体によって気室、導音路及び放音孔が形成されるので、電子機器側ではそれらに関する設計を行う必要がなくなり、それ故、電子機器の設計が簡単になり、しかも、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。また、この電子機器では、発音体が複数用いられるので、ステレオ音声を出力できる。
【0024】
次に、上記の電子機器において、前記被固定部材は電子機器の外装ケースであることが望ましい。こうすれば、電子機器に関して電気光学装置を取り付けるための部材を新たに用意する必要が無くなるので、部品コスト的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置を実施形態に基づいて説明する。なお、これ以降に説明する実施形態は本発明の一例であって、本発明を限定するものではない。また、これからの説明では必要に応じて図面を参照するが、この図面では、複数の構成要素から成る構造のうち重要な構成要素をわかり易く示すため、各要素を実際とは異なった相対的な寸法で示している。
【0026】
図1は、本発明に係る電気光学装置の一実施形態の断面構造を示している。図2は、図1の矢印A方向から見た場合の電気光学装置の平面構造を示している。これらの図において、電気光学装置1Aは、表示部としての液晶表示装置2と、発音体としてのスピーカユニット3a,3bと、第1の枠4と、第2の枠5とを有する。スピーカユニット3a,3bは本実施形態では2個設けられるが、3個以上の複数個としても良い。
【0027】
液晶表示装置2は、電気光学パネルとしての液晶パネル6と、この液晶パネル6に付設された照明装置7とを有する。液晶表示装置2は、種々の情報を液晶パネル6の表示領域内に文字、数字、図形等といった画像として表示するものであり、この表示は矢印A方向から観察者によって視認される。照明装置7は、矢印Aで示す観察方向から見て液晶パネル6の裏側に配置されていて、バックライトとして機能する。なお、照明装置7は、これを液晶パネル6の観察側に配設してフロントライトとして機能させても良い。
【0028】
照明装置7は、詳しい図示は省略するが、例えば光源としての複数のLED(Light Emitting Diode)と、導光体とによって構成できる。そして、LEDから放射された光を導光体によって面状の光に変換して液晶パネル6へ供給する。なお、光源は、LED以外の点状光源や、冷陰極管等といった線状光源によって構成することもできる。
【0029】
液晶パネル6は、詳しい図示は省略するが、例えばそれぞれが電極を備えた一対の透光性の基板間に液晶を封入することによって形成される。一対の透光性基板のそれぞれの外側表面には偏光軸を適宜にずらせた状態の偏光板が設けられる。照明装置7から液晶パネル6へ面状の光が供給されるとき、一対の電極に印加する電圧を画素ごとに制御することにより、液晶を通過する光を画素ごとに変調し、この変調光を偏光板に通すことにより、その偏光板の光出射側に文字、数字、図形等といった像を表示する。
【0030】
液晶パネル6は任意の表示モードによって構成できる。例えば、液晶駆動方式でいえば、単純マトリクス方式およびアクティブマトリクス方式のいずれであっても良い。また、液晶モードの種別でいえば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、負の誘電率異方性を持つ液晶、すなわち垂直配向用液晶、その他任意の液晶を用いることができる。また、採光方式でいえば、透過型、反射型、半透過反射型のいずれであっても良い。なお、本実施形態では、照明装置7を用いるので、採光方式としては透過型または半透過反射型ということになる。
【0031】
単純マトリクス方式とは、各画素に能動素子を持たず、走査電極とデータ電極との交差部が画素またはドットに対応し、駆動信号が直接に印加されるマトリクス方式である。この方式に対する液晶モードとしては、TN、STN、垂直配向モードが用いられる。次に、アクティブマトリクス方式とは、画素またはドットごとに能動素子が設けられ、書き込み期間では能動素子がON状態となってデータ電圧が書き込まれ、他の期間では能動素子がOFF状態になって電圧が保持されるマトリクス方式である。この方式で使用する能動素子には3端子型と2端子型がある。3端子型の能動素子には、例えば、TFT(Thin Film Transistor)がある。また、2端子型の能動素子には、例えば、TFD(Thin Film Diode)がある。
【0032】
上記のような液晶パネル6において、カラー表示を行う場合には、一対の基板のうちの一方にカラーフィルタが設けられる。カラーフィルタは、特定の波長域の光を選択的に透過する複数のフィルタによって形成される。例えば、3原色であるB(青),G(緑),R(赤)の1色ずつを基板上の各画素に対応させて所定の配列、例えばストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列で並べることによって形成される。
【0033】
矢印Aで示す観察側から見てスピーカユニット3a,3bは、それらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。そして、これらのスピーカユニット3a,3bは矢印Aで示す観察方向から見て液晶パネル6の背面にその液晶パネル6に重なるように配置されている。スピーカユニット3a,3bは、例えば、アルミニウム(Al)製でリング形状のフレーム11と、このフレーム11と一体であって円板状の振動子12と、その振動子12に固着された円板状の圧電素子13とを有する。スピーカユニット3a,3bは、フレーム11を第1枠4の底面に、接着その他の固着手法によって固着することによって第1枠4に支持されている。
【0034】
第1枠4は、例えば樹脂成形によって形成され、外観的には概ね角柱状又は角板状に形成されている。そして、この第1枠4の内部には、スピーカユニット3a,3bに面接触する空間である第1の気室R1が設けられている。これらの第1気室R1は円柱状又は円板状の空間として形成されている。これらの第1気室R1はスピーカユニット3a,3bに関して表示部側に形成される気室である。
【0035】
第1枠4はその上端部に矢印A方向から見て長方形状の凹部Qを有し、その凹部Qの中に照明装置7及び液晶パネル6が収納されている。第1枠4はその内部に2つの導音路Pを有している。これらの導音路Pは、その一端Paが第1気室R1の上端面の一部分に連通し、他端Pbが第1枠4の前面、すなわち観察側の面に開放されて放音孔となっている。
【0036】
第2枠5は、矢印A方向から見て長方形状の底壁5aと、その底壁5aから延びる側壁5bとによって角筒状、すなわち容器形状に形成されている。第2枠5は、アルミニウム、ステンレス等といった金属によって形成され、その内部に液晶パネル6、第1枠4、照明装置7、及びスピーカユニット3a,3bが収容されている。
【0037】
第1枠4は緩衝材16を介して第2枠5の底壁5a上に載置されている。これらの緩衝材16は弾性材料、例えば、樹脂、ゴム等によって形成されている。底壁5aとスピーカユニット3a,3bとの間であって緩衝材16によって囲まれる空間は第2気室R2として機能する。これらの第2気室R2はスピーカユニット3a,3bに関して表示部と反対側に形成される気室である。第2気室R2を形成する底壁5aの一部には通気孔17が設けられている。
【0038】
スピーカユニット3a,3bは導電線18を有し、この導電線18を通して音声信号が圧電素子13へ伝送される。信号を受けた圧電素子13は振動子12を振動させ、この振動と第1気室R1と第2気室R2との相互作用により上記の音声信号に対応した音が発生し、この音が放音孔Pbを通して矢印Aで示す観察側において外部へ発せられる。
【0039】
本実施形態の電気光学装置1Aは以上に説明した図1の構造の状態で市場に供給されることができる。この電気光学装置1Aを携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった電子機器に組付ける際には、第2枠5を電子機器の被固定部材、例えば筐体、外装ケース等に固定すれば良い。なお、図1に示すように、第2枠5を用いて表示部と反対側の気室R2を形成しておけば、電子機器の側では何等の音響設計も必要なくなるので、電子機器にとって非常に有利である。
【0040】
また、本実施形態では第1枠4の底面にスピーカユニット3a,3bを固着したので、第2枠5を使用しなくても液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを第1枠4によって一体に支持することができる。従って、第2枠5を用いることなく第1枠4を電子機器の被固定部材に固定することもできる。この場合には、第2気室R2は電子機器側の何等かの部材によって形成されることになる。このように、第2枠5を用いることなく、第1枠4だけによって液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを一体に支持すれば、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0041】
また、場合によっては、電気光学装置1Aは図3に示す状態で市場に供給することもできる。図3に示す状態が図1に示す状態と異なるのは、第2枠5の側壁5bの上端に接合された第3枠21を有することである。この第3枠21は、第2枠5と同じ材料、すなわちアルミニウム、ステンレス等といった金属によって形成される。第2枠5と第3枠21とは矢印Bで示すように両側から所定の圧力で押圧された状態で適宜の接合手法、例えば、ネジ止め、スポット溶接、圧入、カシメ等によって接合される。これにより、液晶表示装置2、第1枠4及び緩衝材16は付勢状態、すなわち応力を発生した状態で第2枠5と第3枠21との間に収納されている。図3の電気光学装置1Aを電子機器に組付ける際には、第2枠5又は第3枠21を電子機器の被固定部材に固定すれば良い。
【0042】
第3枠21のうち、第1枠4に設けた導音路Pの放音孔Pbに対応する部分には、放音を邪魔しないための開口22を設けることが望ましい。また、液晶パネル6の表示面と第3枠21との間に透明な保護シート(図示せず)を設けることも望ましい。このような保護シートは、例えば透光性のプラスチックによって形成できる。液晶パネル6の表面を保護シートで覆うことにすれば、その液晶パネル6を機械的な損傷から保護できる。
【0043】
本実施形態に係る電気光学装置1Aは以上のように構成されているので、各種の情報を液晶表示装置2の表示領域内に画像として表示できる。そしてさらに、各種の情報をスピーカユニット3a,3bによって音声によって表示できる。この音声は、図1において、スピーカユニット3a,3bで発生し、導音路Pを通った後、第1枠4の前面、すなわち液晶パネル6の表示領域と同じ側の面に設けた放音孔Pbから外部へ伝達される。スピーカユニット3a,3bは複数設けられるので、ステレオ音響によって音声を出力できる。
【0044】
本実施形態の電気光学装置1Aによれば、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。
【0045】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、2つのスピーカユニット3a,3bの全体が液晶パネル6の表示面の直角方向空間領域K0内に入るように設けられるので、図2において液晶パネル6の横方向の領域にはスピーカユニット3a,3bが無く、それ故、電気光学装置1Aを小型に形成できる。
【0046】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを収容する第2枠5を容器形状にしてあるので、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bの全てを一体構造にするのが非常に簡単になり、しかもその一体構造をしっかりと保持できる。
【0047】
また、本実施形態の電気光学装置1Aを図3に示す構成とすれば、すなわち、第2枠5と協働して液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを押圧状態で挟持する第3枠21をさらに設ければ、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bから成る一体構造を極めて強固に保持できる。
【0048】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、スピーカユニット3a,3bが第1枠4を挟んで液晶表示装置2の背面に配置されるので、液晶表示装置2の表示を見易くできる。また、液晶表示装置2の横位置にスピーカユニット3a,3bを設ける場合に比べて、電気光学装置1Aを小型にできる。
【0049】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、スピーカユニット3a,3bで発生した音を導く導音路Pが第1枠4に設けられているので、スピーカユニット3a,3bから出た音を外部へ放出する場所(すなわち、放音孔Pb)を自由に選定できる。特に、放音孔Pbを液晶表示装置2の表示領域と同じ面に設けることもできる。このように液晶表示装置2の表示領域と同じ面に放音孔Pbを設ければ、表示を見る観察者にとって音が聞き易くなる。
【0050】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、2個のスピーカユニット3a,3bが平面状に並んでいる。このため、ステレオ音響の効果を高めることができる。
【0051】
(電気光学装置の第2実施形態)
図4は、本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示している。図1に示した電気光学装置1Aでは、発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bは第1枠4に固着されていた。これに対し図4に示す電気光学装置1Bでは、2つのスピーカユニット3a,3bのフレーム11を第2枠5の底壁5aに固着することにより、それらのスピーカユニット3a,3bが第2枠5によって支持されている。つまり、第1枠4が表示部としての液晶表示装置2を支持すると共に、第2枠5がスピーカユニット3a,3b及び第1枠4を個別に支持している。
【0052】
なお、この電気光学装置1Bの矢印A方向から見た場合の平面構造は図2に示した平面構造と同じである。また、図4において図1の実施形態と同じ部材は同じ符号を付することにしてその説明は省略するものとする。
【0053】
図1の電気光学装置1Aでは、表示部としての液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bの両方を第1枠4によって支持する構造を採用したので、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを一体に結合することに関して第2枠5は必ずしも必要ではなかった。これに対し、図4に示す電気光学装置1Bでは、スピーカユニット3a,3bを第2枠5によって支持することにしたので、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを一体に結合することに関して第2枠が必須の要件となっている。
【0054】
本実施形態の電気光学装置1Bでは、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを第2枠5によって一体に結合したので、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bの間に介在する第1枠4によって液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを支持する場合に比べて、より一層しっかりとした一体構造を形成できる。
【0055】
(電気光学装置の第3実施形態)
図5は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。この実施形態において、図1に示した実施形態と同じ要素は同じ符号を付すことにしてその説明は省略するものとする。図1に示した電気光学装置1Aでは発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した。これに対し、図5に示す電気光学装置1Cでは、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの一部分が互いに重なるように配置されている。この電気光学装置1Cの場合も、図6に示すように、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。
【0056】
図5において、第1枠4の内部は段階状になっており、液晶表示装置2に近い側の段部に1つのスピーカユニット3bが設けられ、液晶表示装置2から遠い側の段部に他の1つのスピーカユニット3aが設けられている。
【0057】
この電気光学装置1Cでは、2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置したので、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを平面状に並べて配置した場合と比べて、電気光学装置の幅方向(すなわち、図6の左右方向C)の大きさをより一層小型にできる。また、本実施形態では、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合と比べて、電気光学装置の縦方向(すなわち、図6の上下方向)に収まるサイズまでスピーカユニット3a,3bを大きくすることができる。
【0058】
(電気光学装置の第4実施形態)
図7は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。この実施形態において、図1に示した実施形態と同じ要素は同じ符号を付すことにしてその説明は省略するものとする。図5に示した電気光学装置1Cでは発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が重なるように配置した。これに対し、図7に示す電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bの全体が互いに重なるように配置されている。この電気光学装置1Dの場合も、図8に示すように、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。
【0059】
この電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの全体が互いに重なるように配置したので、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合や、図5の電気光学装置1Cのように2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置した場合に比べて、電気光学装置の幅方向(すなわち、図8の左右方向C)の大きさをより一層小型にできる。
【0060】
また、本実施形態では、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合や、図5の電気光学装置1Cのように2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置した場合に比べて、電気光学装置の縦方向(すなわち、図8の上下方向)に収まるサイズまでスピーカユニット3a,3bをさらに大きくすることができる。
【0061】
また、図7の電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1及び表示部と反対側の気室R2が、全て、第1枠4によって形成されている。また、液晶表示装置2から遠い側のスピーカユニット3aに関しては、導音路Pの一端Paが液晶表示装置2と反対側の気室R2の一部分に連通し、他端Pbが観察側の面に開放されて放音孔となっている。また、液晶表示装置2に近い側のスピーカユニット3bに関しては、導音路Pの一端Paが液晶表示装置2側の気室R1の一部分に連通し、他端Pbが観察側の面に開放されて放音孔となっている。
【0062】
図1の電気光学装置1Aでは、表示部と反対側の気室R2を形成するために第2枠5が必要であったり、第2枠5を用いない場合はその気室R2を形成するために電子機器側で何等かの部材を用意する必要があったりした。これに対し、図7の電気光学装置1Dでは、スピーカユニット3a,3bに関する表裏両側の気室R1及びR2を第1枠4だけで形成でき、第1枠4以外の何等の部材も不要である。これにより、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0063】
なお、図7の電気光学装置1Dを携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった電子機器に組み込む際には、第1枠4を電子機器内の筐体、機枠等に直接に固定すれば良い。この際、気室R1及びR2は第1枠4によって予め適切な条件に設置されているので、電子機器側では気室に関する条件設定は不要である。但し、電気光学装置1Dを電子機器に組付けるに際して、作業上の必要性及び構造上の必要性から、図1に示す第2枠5のように液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bの各要素を外側から覆うような第2枠5を用いても良い。
【0064】
(電気光学装置に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の説明では電気光学装置の表示部として液晶表示装置を用いたが、液晶表示装置に代えてその他の表示装置、例えばEL表示装置、プラズマディスプレイ装置等を用いることができる。また、図1に示したスピーカユニット3a.3bは振動板12及び圧電素子13を用いて構成したが、発音体はこのようなスピーカユニットに限られず、必要に応じて種々の構造のスピーカユニットを用いることができる。
【0065】
(電子機器の第1実施形態)
図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器31は、被固定部材としての筐体32と、その筐体32に取り付けられた電気光学装置1Eとを有する。電子機器31は、例えば、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他種々の機器であり、筐体32はそれらの機器の外装ケースであったり、外装ケースの中に設置される機枠であったり、あるいは、その他電子機器からの必要に応じて設けられる任意の構造物であったりする。なお、通常の電子機器において一般的に用いられている何等かの要素によって筐体32を構成することにすれば、電気光学装置を固定するための特別な部材を用意する必要がなくなるので好都合である。
【0066】
電気光学装置1Eは図1に示した電気光学装置1Aと殆ど同じものを用いるものとする。この電気光学装置1Eが図1の電気光学装置1Aと異なるのは、第2枠35だけであり、その他の部材は全く同じである。従って、同じ部材は同じ符号を付して示すことにしてそれらの部材の説明は省略することにする。
【0067】
図9に示す第2枠35は、図1に示す第2枠5の側壁5bを上方へ延長した形状を有している。より詳細には、第2枠35の側壁は、その上端が液晶パネル6の表示面と略同じになるように、望ましくは液晶パネル6の表示面よりも少し低い位置となるように、形成されている。また、第2枠35の側壁の上端は必要に応じて部分的に横方向へ曲げられてフランジ36を構成している。そして、このフランジ36の所で第2枠35が筐体32の内面に当接している。
【0068】
第2枠35は、フランジ36を筐体32に当接させた状態で適宜の固定手法、例えば、接着、ネジ止め、圧入、嵌合、カシメ等によって筐体32に固定される。この固定状態において、液晶表示装置2、第1枠4及び緩衝材16は適切な押圧力の下に付勢状態で第2枠35の中に収納されることが望ましい。このような付勢状態を実現すれば、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを電子機器31の内部でしっかりと固定できる。
【0069】
本実施形態の電子機器31では、電気光学装置1Eの構成要素である液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、さらに、スピーカユニット3a,3bのための気室R1及びR2はその結合状態において第1枠4及び第2枠35によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Eを筐体32の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Eを筐体32の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを筐体32に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1E及び電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0070】
(電子機器の第2実施形態)
図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態のブロック図を示している。ここに示す電子機器は、電気光学装置61と、これを制御する制御回路70とを有する。電気光学装置61は、電気光学パネルとしての液晶パネル66と、半導体IC等で構成される駆動回路72と、スピーカユニット63とを有する。スピーカユニット63は複数個設けられる。
【0071】
制御回路70は、表示情報出力源73と、表示情報処理回路74と、電源回路76と、タイミングジェネレータ77と、音声情報処理回路78を有する。表示情報出力源73は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から成るメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等から成るストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを有する。この表示情報出力源73は、タイミングジェネレータ77によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路74に供給する。
【0072】
表示情報処理回路74は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等といった周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路72へ供給する。駆動回路72は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路76は、上記の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。音声情報処理回路78は、音声信号をスピーカユニット63へ伝送してそのスピーカユニット63から音声を発生させる。
【0073】
電気光学装置61は、例えば、図1の電気光学装置1Aや、図4に示す電気光学装置1Bや、図5に示す電気光学装置1Cや、図7に示す電気光学装置1D等によって構成できる。これらの電気光学装置では、例えば図1において、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。電気光学装置1Aの形状を小型及び薄型にできるということは、電子機器の全体形状も小型及び薄型にできるということである。
【0074】
(電子機器の第3実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の一例である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機80は、本体部81と、これに開閉可能に設けられた表示体部82とを有する。表示体部82の内部には電気光学装置83が配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部82において表示画面84によって視認できる。本体部81には操作ボタン86が配列されている。
【0075】
表示体部82の一端部にはアンテナ87が伸縮自在に取り付けられている。表示体部82の上部に設けられた受話部88の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部81の下端部に設けられた送話部89の内部には図示しないマイクが内蔵されている。電気光学装置83の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部81又は表示体部82の内部に格納される。
【0076】
電気光学装置83は、例えば、図1の電気光学装置1Aや、図4に示す電気光学装置1Bや、図5に示す電気光学装置1Cや、図7に示す電気光学装置1D等によって構成できる。これらの電気光学装置の放音孔Pbは、例えば図11の受話部88に対応した位置に配置される。これらの電気光学装置を携帯電話機80内に固定するための被固定部材は、携帯電話機80の外装ケースや、その外装ケース内の適宜の筐体や、その外装ケース内の適宜のフレーム等とすることができる。
【0077】
上記の電気光学装置に関しては、例えば図1において、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。電気光学装置1Aの形状を小型及び薄型にできるということは、携帯電話機80の全体形状も小型及び薄型にできるということである。
【0078】
(電子機器に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、本発明に係る電子機器としては、以上に説明した携帯電話機の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、デジタルスチルカメラ、腕時計、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、その他各種の機器が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他の電子機器で各種の表示を行う際に表示用の機器として好適に用いられる。特に、画像表示と共に音声表示も行う機器に好適に用いられる。また、本発明に係る電子機器は携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった民生機器や、計測器その他の工業用機器等として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図3】図1の電気光学装置の使用例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図7】本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図8】図7の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図9】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る電子機器の他の実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1A,1B,1C,1D,1E.電気光学装置、 2.液晶表示装置(表示部)、
3a,3b.スピーカユニット(発音体)、 4.第1枠、 5.第2枠、
6.液晶パネル(電気光学パネル)、 7.照明装置、 11.フレーム、
12.振動子、 13.圧電素子、 16.緩衝材、 17.通気孔、 18.導電線、
21.第3枠、 22.開口、 31.電子機器、 32.筐体、 33.通気孔、
35.第2枠、 36.フランジ、 62.液晶表示装置(表示部)、
63.スピーカユニット、 66.液晶パネル、 80.携帯電話機(電子機器)、
81.本体部、 82.表示体部、 83.電気光学装置、 84.表示画面、
86.操作ボタン、 87.アンテナ、 88.受話部、 89.送話部、
K0.直角方向空間領域、 P.導音路、 Pa.一端、 Pb.放音孔、 Q.凹部、
R1,R2.気室
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等といった電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、携帯情報端末機等といった電子機器において液晶表示装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を表示するための表示装置として電気光学装置が用いられている。電気光学装置とは、電気的な入力によって光学的な出力状態を制御する装置であり、例えば、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)装置、プラズマディスプレイ装置、その他の装置が考えられる。
【0003】
上記の電気光学装置は、主に、電子機器に関する各種の情報を画像として表示する際に用いられるものであるが、電子機器の中にはこのような画像表示手段以外に、音を発生する手段を設ける必要もある。例えば、携帯電話機では、相手が話す内容を音声によって表現する必要がある。このような音を発生する手段は、例えば、スピーカ等といった発音体によって構成される。電気光学装置と発音体の両方を備えた電子機器は、従来から知られている。また、複数の発音体を備えた電子機器も知られている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−078601号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開2003−158787号公報(第3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電子機器では、電気光学装置と複数の発音体とが電子機器の筐体の中で別々の場所に設置されていた。この場合、電気光学装置と複数の発音体とを電子機器の厚さ方向に重ねて配置すると、電子機器の厚さが厚くなり過ぎるおそれがある。近年、電子機器に関してはそれを薄型にすることの要求が高まっており、上記のように電子機器の厚さが厚くなるというのは、その薄型化の要求に反している。また、電子機器が厚くなることを避けるために、電気光学装置と発音体とを互いに重ならないように配置することが考えられる。しかしながらこの場合には、電子機器の平面形状が大きくなり、やはり小型化の要求に応えることができない。
【0006】
また、電子機器の内部に発音体を設ける場合には、電子機器の内部に電気光学装置を設置した上で発音体の周りの音響設計を行わなければならず、それ故、電子機器の小型化及び薄型化が難しかった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、表示部と発音体の両方を有する電気光学装置を電子機器の内部に設ける際に、電気光学装置の全体的な厚さ及び電子機器の厚さを薄く形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置は、表示領域を備えた表示部と、前記表示部と重なるように配置され音を発生する複数の発音体と、前記表示部と前記発音体との間に配置され前記表示部を保持する第1枠とを有し、前記第1枠は前記複数の発音体のための気室を形成し、前記第1枠に前記複数の発音体のそれぞれに対応する導音路及び放音孔が設けられることを特徴とする。
【0009】
上記構成において、「表示部」は任意の表示手段によって構成できる。このような表示手段としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマディスプレイ装置、その他の表示装置が適用できる。また、「発音体」は、例えばスピーカによって構成できる。また、第1枠は、プラスチック、金属等によって形成できる。この第1枠は、複数の発音体のための気室を形成するものであるので、複雑な形状になる場合があるかもしれない。このような場合には、プラスチックを材料とする樹脂成形によってその第1枠を形成することが望ましい。
【0010】
上記構成の電気光学装置によれば、第1枠によって表示部が保持され、さらに表示部と発音体との間に第1枠が配置され、さらに発音体のための気室は第1枠によって予め形成され、さらに第1枠に導音路及び放音孔が形成されている。このため、電気光学装置を電子機器の内部に組付ける際には、表示部、第1枠及び発音体を1つのユニットとして電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、表示部と発音体とを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置及び電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0011】
また、この電気光学装置によれば、第1枠それ自体によって気室、導音路及び放音孔が形成されるので、電子機器側ではそれらに関する設計を行う必要がなくなり、それ故、電子機器の設計が簡単になり、しかも、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。また、この電気光学装置では、発音体が複数用いられるので、ステレオ音声を出力できる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置においては、前記表示部と前記発音体とが前記第1枠によって支持されることにより、前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することが望ましい。こうすれば、第1枠以外の枠を用いることなく電気光学装置の一体構造を実現できるので、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0013】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第1枠は前記発音体のための前記表示部側の気室及び前記表示部と反対側の気室の両方を形成することが望ましい。こうすれば、発音体のための気室を形成するために第1枠以外の何等かの部材を用いる必要がなくなるので、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0014】
次に、本発明に係る電気光学装置においては、前記発音体及び前記第1枠を個別に支持する第2枠をさらに有し、該第2枠により前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することが望ましい。この構成によれば、表示部と第1枠と発音体とを第2枠によって一体に結合したので、その一体構造をしっかりとした構造にすることができる。
【0015】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第2枠は、前記複数の発音体のための気室であって前記表示部と反対側の気室を形成することが望ましい。発音体に関して表示部側及び表示部と反対側の両側に気室を設けることは、音響設計的に重要なことである。これらの気室のうち表示部側の気室は第1枠によって形成される。一方、表示部と反対側の気室は第2枠によって形成することもできるし、第2枠を使用しない場合には電子機器の構成部品を使ってその気室を形成することもできる。この場合、電気光学装置の構成要素である第2枠によって気室を形成しておけば、電子機器の側では何等の音響設計も必要なくなるので、電子機器にとって非常に有利である。
【0016】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記第2枠は前記表示部、前記第1枠及び前記複数の発音体を収容する容器形状であることが望ましい。こうすれば、表示部、第1枠及び複数の発音体の全てを一体構造にするのが非常に簡単になり、しかも一体構造をしっかりと保持できる。
【0017】
次に、本発明に係る電気光学装置は、前記第2枠と協働して前記表示部、前記第1枠及び前記発音体を押圧状態で挟持する第3枠をさらに有することが望ましい。こうすれば、表示部、第1枠及び複数の発音体から成る一体構造を極めて強固に保持できる。
【0018】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記発音体は前記第1枠を挟んで前記表示部の背面に配置されることが望ましい。こうすれば、表示部の表示を見易くできる。また、表示部の横位置に発音体を設ける場合に比べて、電気光学装置を小型にできる。
【0019】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記放音孔は、前記表示部の表示領域と同じ面に開口することが望ましい。こうすれば、表示を見る観察者にとって音が聞き易くなる。
【0020】
次に、本発明に係る電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの一部分が互いに重なるように配置されることが望ましい。こうすれば、電気光学装置の幅方向の大きさを小型にできる。また、前記複数の発音体をそれらの全体が互いに重なるように配置することもできる。こうすれば、電気光学装置の幅方向の大きさをさらに一層小型にできる。
【0021】
次に、本発明に係る電子機器は、電気光学装置と、電気光学装置が取り付けられる被固定部材とを有し、前記電気光学装置は以上に記載した構成の電気光学装置であることを特徴とする。
【0022】
この電子機器で用いる電気光学装置によれば、第1枠によって表示部が保持され、さらに表示部と発音体との間に第1枠が配置され、さらに発音体のための気室は第1枠によって予め形成され、さらに第1枠に導音路及び放音孔が形成されている。このため、電気光学装置を電子機器の内部に組付ける際には、表示部、第1枠及び発音体を1つのユニットとして電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、表示部と発音体とを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0023】
また、この電気光学装置によれば、第1枠それ自体によって気室、導音路及び放音孔が形成されるので、電子機器側ではそれらに関する設計を行う必要がなくなり、それ故、電子機器の設計が簡単になり、しかも、電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。また、この電子機器では、発音体が複数用いられるので、ステレオ音声を出力できる。
【0024】
次に、上記の電子機器において、前記被固定部材は電子機器の外装ケースであることが望ましい。こうすれば、電子機器に関して電気光学装置を取り付けるための部材を新たに用意する必要が無くなるので、部品コスト的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置を実施形態に基づいて説明する。なお、これ以降に説明する実施形態は本発明の一例であって、本発明を限定するものではない。また、これからの説明では必要に応じて図面を参照するが、この図面では、複数の構成要素から成る構造のうち重要な構成要素をわかり易く示すため、各要素を実際とは異なった相対的な寸法で示している。
【0026】
図1は、本発明に係る電気光学装置の一実施形態の断面構造を示している。図2は、図1の矢印A方向から見た場合の電気光学装置の平面構造を示している。これらの図において、電気光学装置1Aは、表示部としての液晶表示装置2と、発音体としてのスピーカユニット3a,3bと、第1の枠4と、第2の枠5とを有する。スピーカユニット3a,3bは本実施形態では2個設けられるが、3個以上の複数個としても良い。
【0027】
液晶表示装置2は、電気光学パネルとしての液晶パネル6と、この液晶パネル6に付設された照明装置7とを有する。液晶表示装置2は、種々の情報を液晶パネル6の表示領域内に文字、数字、図形等といった画像として表示するものであり、この表示は矢印A方向から観察者によって視認される。照明装置7は、矢印Aで示す観察方向から見て液晶パネル6の裏側に配置されていて、バックライトとして機能する。なお、照明装置7は、これを液晶パネル6の観察側に配設してフロントライトとして機能させても良い。
【0028】
照明装置7は、詳しい図示は省略するが、例えば光源としての複数のLED(Light Emitting Diode)と、導光体とによって構成できる。そして、LEDから放射された光を導光体によって面状の光に変換して液晶パネル6へ供給する。なお、光源は、LED以外の点状光源や、冷陰極管等といった線状光源によって構成することもできる。
【0029】
液晶パネル6は、詳しい図示は省略するが、例えばそれぞれが電極を備えた一対の透光性の基板間に液晶を封入することによって形成される。一対の透光性基板のそれぞれの外側表面には偏光軸を適宜にずらせた状態の偏光板が設けられる。照明装置7から液晶パネル6へ面状の光が供給されるとき、一対の電極に印加する電圧を画素ごとに制御することにより、液晶を通過する光を画素ごとに変調し、この変調光を偏光板に通すことにより、その偏光板の光出射側に文字、数字、図形等といった像を表示する。
【0030】
液晶パネル6は任意の表示モードによって構成できる。例えば、液晶駆動方式でいえば、単純マトリクス方式およびアクティブマトリクス方式のいずれであっても良い。また、液晶モードの種別でいえば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、負の誘電率異方性を持つ液晶、すなわち垂直配向用液晶、その他任意の液晶を用いることができる。また、採光方式でいえば、透過型、反射型、半透過反射型のいずれであっても良い。なお、本実施形態では、照明装置7を用いるので、採光方式としては透過型または半透過反射型ということになる。
【0031】
単純マトリクス方式とは、各画素に能動素子を持たず、走査電極とデータ電極との交差部が画素またはドットに対応し、駆動信号が直接に印加されるマトリクス方式である。この方式に対する液晶モードとしては、TN、STN、垂直配向モードが用いられる。次に、アクティブマトリクス方式とは、画素またはドットごとに能動素子が設けられ、書き込み期間では能動素子がON状態となってデータ電圧が書き込まれ、他の期間では能動素子がOFF状態になって電圧が保持されるマトリクス方式である。この方式で使用する能動素子には3端子型と2端子型がある。3端子型の能動素子には、例えば、TFT(Thin Film Transistor)がある。また、2端子型の能動素子には、例えば、TFD(Thin Film Diode)がある。
【0032】
上記のような液晶パネル6において、カラー表示を行う場合には、一対の基板のうちの一方にカラーフィルタが設けられる。カラーフィルタは、特定の波長域の光を選択的に透過する複数のフィルタによって形成される。例えば、3原色であるB(青),G(緑),R(赤)の1色ずつを基板上の各画素に対応させて所定の配列、例えばストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列で並べることによって形成される。
【0033】
矢印Aで示す観察側から見てスピーカユニット3a,3bは、それらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。そして、これらのスピーカユニット3a,3bは矢印Aで示す観察方向から見て液晶パネル6の背面にその液晶パネル6に重なるように配置されている。スピーカユニット3a,3bは、例えば、アルミニウム(Al)製でリング形状のフレーム11と、このフレーム11と一体であって円板状の振動子12と、その振動子12に固着された円板状の圧電素子13とを有する。スピーカユニット3a,3bは、フレーム11を第1枠4の底面に、接着その他の固着手法によって固着することによって第1枠4に支持されている。
【0034】
第1枠4は、例えば樹脂成形によって形成され、外観的には概ね角柱状又は角板状に形成されている。そして、この第1枠4の内部には、スピーカユニット3a,3bに面接触する空間である第1の気室R1が設けられている。これらの第1気室R1は円柱状又は円板状の空間として形成されている。これらの第1気室R1はスピーカユニット3a,3bに関して表示部側に形成される気室である。
【0035】
第1枠4はその上端部に矢印A方向から見て長方形状の凹部Qを有し、その凹部Qの中に照明装置7及び液晶パネル6が収納されている。第1枠4はその内部に2つの導音路Pを有している。これらの導音路Pは、その一端Paが第1気室R1の上端面の一部分に連通し、他端Pbが第1枠4の前面、すなわち観察側の面に開放されて放音孔となっている。
【0036】
第2枠5は、矢印A方向から見て長方形状の底壁5aと、その底壁5aから延びる側壁5bとによって角筒状、すなわち容器形状に形成されている。第2枠5は、アルミニウム、ステンレス等といった金属によって形成され、その内部に液晶パネル6、第1枠4、照明装置7、及びスピーカユニット3a,3bが収容されている。
【0037】
第1枠4は緩衝材16を介して第2枠5の底壁5a上に載置されている。これらの緩衝材16は弾性材料、例えば、樹脂、ゴム等によって形成されている。底壁5aとスピーカユニット3a,3bとの間であって緩衝材16によって囲まれる空間は第2気室R2として機能する。これらの第2気室R2はスピーカユニット3a,3bに関して表示部と反対側に形成される気室である。第2気室R2を形成する底壁5aの一部には通気孔17が設けられている。
【0038】
スピーカユニット3a,3bは導電線18を有し、この導電線18を通して音声信号が圧電素子13へ伝送される。信号を受けた圧電素子13は振動子12を振動させ、この振動と第1気室R1と第2気室R2との相互作用により上記の音声信号に対応した音が発生し、この音が放音孔Pbを通して矢印Aで示す観察側において外部へ発せられる。
【0039】
本実施形態の電気光学装置1Aは以上に説明した図1の構造の状態で市場に供給されることができる。この電気光学装置1Aを携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった電子機器に組付ける際には、第2枠5を電子機器の被固定部材、例えば筐体、外装ケース等に固定すれば良い。なお、図1に示すように、第2枠5を用いて表示部と反対側の気室R2を形成しておけば、電子機器の側では何等の音響設計も必要なくなるので、電子機器にとって非常に有利である。
【0040】
また、本実施形態では第1枠4の底面にスピーカユニット3a,3bを固着したので、第2枠5を使用しなくても液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを第1枠4によって一体に支持することができる。従って、第2枠5を用いることなく第1枠4を電子機器の被固定部材に固定することもできる。この場合には、第2気室R2は電子機器側の何等かの部材によって形成されることになる。このように、第2枠5を用いることなく、第1枠4だけによって液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを一体に支持すれば、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0041】
また、場合によっては、電気光学装置1Aは図3に示す状態で市場に供給することもできる。図3に示す状態が図1に示す状態と異なるのは、第2枠5の側壁5bの上端に接合された第3枠21を有することである。この第3枠21は、第2枠5と同じ材料、すなわちアルミニウム、ステンレス等といった金属によって形成される。第2枠5と第3枠21とは矢印Bで示すように両側から所定の圧力で押圧された状態で適宜の接合手法、例えば、ネジ止め、スポット溶接、圧入、カシメ等によって接合される。これにより、液晶表示装置2、第1枠4及び緩衝材16は付勢状態、すなわち応力を発生した状態で第2枠5と第3枠21との間に収納されている。図3の電気光学装置1Aを電子機器に組付ける際には、第2枠5又は第3枠21を電子機器の被固定部材に固定すれば良い。
【0042】
第3枠21のうち、第1枠4に設けた導音路Pの放音孔Pbに対応する部分には、放音を邪魔しないための開口22を設けることが望ましい。また、液晶パネル6の表示面と第3枠21との間に透明な保護シート(図示せず)を設けることも望ましい。このような保護シートは、例えば透光性のプラスチックによって形成できる。液晶パネル6の表面を保護シートで覆うことにすれば、その液晶パネル6を機械的な損傷から保護できる。
【0043】
本実施形態に係る電気光学装置1Aは以上のように構成されているので、各種の情報を液晶表示装置2の表示領域内に画像として表示できる。そしてさらに、各種の情報をスピーカユニット3a,3bによって音声によって表示できる。この音声は、図1において、スピーカユニット3a,3bで発生し、導音路Pを通った後、第1枠4の前面、すなわち液晶パネル6の表示領域と同じ側の面に設けた放音孔Pbから外部へ伝達される。スピーカユニット3a,3bは複数設けられるので、ステレオ音響によって音声を出力できる。
【0044】
本実施形態の電気光学装置1Aによれば、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。
【0045】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、2つのスピーカユニット3a,3bの全体が液晶パネル6の表示面の直角方向空間領域K0内に入るように設けられるので、図2において液晶パネル6の横方向の領域にはスピーカユニット3a,3bが無く、それ故、電気光学装置1Aを小型に形成できる。
【0046】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを収容する第2枠5を容器形状にしてあるので、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bの全てを一体構造にするのが非常に簡単になり、しかもその一体構造をしっかりと保持できる。
【0047】
また、本実施形態の電気光学装置1Aを図3に示す構成とすれば、すなわち、第2枠5と協働して液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを押圧状態で挟持する第3枠21をさらに設ければ、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bから成る一体構造を極めて強固に保持できる。
【0048】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、スピーカユニット3a,3bが第1枠4を挟んで液晶表示装置2の背面に配置されるので、液晶表示装置2の表示を見易くできる。また、液晶表示装置2の横位置にスピーカユニット3a,3bを設ける場合に比べて、電気光学装置1Aを小型にできる。
【0049】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、スピーカユニット3a,3bで発生した音を導く導音路Pが第1枠4に設けられているので、スピーカユニット3a,3bから出た音を外部へ放出する場所(すなわち、放音孔Pb)を自由に選定できる。特に、放音孔Pbを液晶表示装置2の表示領域と同じ面に設けることもできる。このように液晶表示装置2の表示領域と同じ面に放音孔Pbを設ければ、表示を見る観察者にとって音が聞き易くなる。
【0050】
また、本実施形態の電気光学装置1Aでは、2個のスピーカユニット3a,3bが平面状に並んでいる。このため、ステレオ音響の効果を高めることができる。
【0051】
(電気光学装置の第2実施形態)
図4は、本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示している。図1に示した電気光学装置1Aでは、発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bは第1枠4に固着されていた。これに対し図4に示す電気光学装置1Bでは、2つのスピーカユニット3a,3bのフレーム11を第2枠5の底壁5aに固着することにより、それらのスピーカユニット3a,3bが第2枠5によって支持されている。つまり、第1枠4が表示部としての液晶表示装置2を支持すると共に、第2枠5がスピーカユニット3a,3b及び第1枠4を個別に支持している。
【0052】
なお、この電気光学装置1Bの矢印A方向から見た場合の平面構造は図2に示した平面構造と同じである。また、図4において図1の実施形態と同じ部材は同じ符号を付することにしてその説明は省略するものとする。
【0053】
図1の電気光学装置1Aでは、表示部としての液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bの両方を第1枠4によって支持する構造を採用したので、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを一体に結合することに関して第2枠5は必ずしも必要ではなかった。これに対し、図4に示す電気光学装置1Bでは、スピーカユニット3a,3bを第2枠5によって支持することにしたので、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを一体に結合することに関して第2枠が必須の要件となっている。
【0054】
本実施形態の電気光学装置1Bでは、液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとを第2枠5によって一体に結合したので、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bの間に介在する第1枠4によって液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを支持する場合に比べて、より一層しっかりとした一体構造を形成できる。
【0055】
(電気光学装置の第3実施形態)
図5は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。この実施形態において、図1に示した実施形態と同じ要素は同じ符号を付すことにしてその説明は省略するものとする。図1に示した電気光学装置1Aでは発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した。これに対し、図5に示す電気光学装置1Cでは、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの一部分が互いに重なるように配置されている。この電気光学装置1Cの場合も、図6に示すように、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。
【0056】
図5において、第1枠4の内部は段階状になっており、液晶表示装置2に近い側の段部に1つのスピーカユニット3bが設けられ、液晶表示装置2から遠い側の段部に他の1つのスピーカユニット3aが設けられている。
【0057】
この電気光学装置1Cでは、2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置したので、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを平面状に並べて配置した場合と比べて、電気光学装置の幅方向(すなわち、図6の左右方向C)の大きさをより一層小型にできる。また、本実施形態では、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合と比べて、電気光学装置の縦方向(すなわち、図6の上下方向)に収まるサイズまでスピーカユニット3a,3bを大きくすることができる。
【0058】
(電気光学装置の第4実施形態)
図7は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。この実施形態において、図1に示した実施形態と同じ要素は同じ符号を付すことにしてその説明は省略するものとする。図5に示した電気光学装置1Cでは発音体としての2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が重なるように配置した。これに対し、図7に示す電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bの全体が互いに重なるように配置されている。この電気光学装置1Dの場合も、図8に示すように、2つのスピーカユニット3a,3bはそれらの全体が液晶パネル6の表示領域側の面の直角方向空間領域K0内に入っている。
【0059】
この電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの全体が互いに重なるように配置したので、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合や、図5の電気光学装置1Cのように2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置した場合に比べて、電気光学装置の幅方向(すなわち、図8の左右方向C)の大きさをより一層小型にできる。
【0060】
また、本実施形態では、図1の電気光学装置1Aのようにスピーカユニット3a,3bを互いに重ならないように平面状に並べて配置した場合や、図5の電気光学装置1Cのように2つのスピーカユニット3a,3bをそれらの一部分が互いに重なるように配置した場合に比べて、電気光学装置の縦方向(すなわち、図8の上下方向)に収まるサイズまでスピーカユニット3a,3bをさらに大きくすることができる。
【0061】
また、図7の電気光学装置1Dでは、2つのスピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1及び表示部と反対側の気室R2が、全て、第1枠4によって形成されている。また、液晶表示装置2から遠い側のスピーカユニット3aに関しては、導音路Pの一端Paが液晶表示装置2と反対側の気室R2の一部分に連通し、他端Pbが観察側の面に開放されて放音孔となっている。また、液晶表示装置2に近い側のスピーカユニット3bに関しては、導音路Pの一端Paが液晶表示装置2側の気室R1の一部分に連通し、他端Pbが観察側の面に開放されて放音孔となっている。
【0062】
図1の電気光学装置1Aでは、表示部と反対側の気室R2を形成するために第2枠5が必要であったり、第2枠5を用いない場合はその気室R2を形成するために電子機器側で何等かの部材を用意する必要があったりした。これに対し、図7の電気光学装置1Dでは、スピーカユニット3a,3bに関する表裏両側の気室R1及びR2を第1枠4だけで形成でき、第1枠4以外の何等の部材も不要である。これにより、電気光学装置をより一層小型にできる。
【0063】
なお、図7の電気光学装置1Dを携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった電子機器に組み込む際には、第1枠4を電子機器内の筐体、機枠等に直接に固定すれば良い。この際、気室R1及びR2は第1枠4によって予め適切な条件に設置されているので、電子機器側では気室に関する条件設定は不要である。但し、電気光学装置1Dを電子機器に組付けるに際して、作業上の必要性及び構造上の必要性から、図1に示す第2枠5のように液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bの各要素を外側から覆うような第2枠5を用いても良い。
【0064】
(電気光学装置に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の説明では電気光学装置の表示部として液晶表示装置を用いたが、液晶表示装置に代えてその他の表示装置、例えばEL表示装置、プラズマディスプレイ装置等を用いることができる。また、図1に示したスピーカユニット3a.3bは振動板12及び圧電素子13を用いて構成したが、発音体はこのようなスピーカユニットに限られず、必要に応じて種々の構造のスピーカユニットを用いることができる。
【0065】
(電子機器の第1実施形態)
図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器31は、被固定部材としての筐体32と、その筐体32に取り付けられた電気光学装置1Eとを有する。電子機器31は、例えば、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他種々の機器であり、筐体32はそれらの機器の外装ケースであったり、外装ケースの中に設置される機枠であったり、あるいは、その他電子機器からの必要に応じて設けられる任意の構造物であったりする。なお、通常の電子機器において一般的に用いられている何等かの要素によって筐体32を構成することにすれば、電気光学装置を固定するための特別な部材を用意する必要がなくなるので好都合である。
【0066】
電気光学装置1Eは図1に示した電気光学装置1Aと殆ど同じものを用いるものとする。この電気光学装置1Eが図1の電気光学装置1Aと異なるのは、第2枠35だけであり、その他の部材は全く同じである。従って、同じ部材は同じ符号を付して示すことにしてそれらの部材の説明は省略することにする。
【0067】
図9に示す第2枠35は、図1に示す第2枠5の側壁5bを上方へ延長した形状を有している。より詳細には、第2枠35の側壁は、その上端が液晶パネル6の表示面と略同じになるように、望ましくは液晶パネル6の表示面よりも少し低い位置となるように、形成されている。また、第2枠35の側壁の上端は必要に応じて部分的に横方向へ曲げられてフランジ36を構成している。そして、このフランジ36の所で第2枠35が筐体32の内面に当接している。
【0068】
第2枠35は、フランジ36を筐体32に当接させた状態で適宜の固定手法、例えば、接着、ネジ止め、圧入、嵌合、カシメ等によって筐体32に固定される。この固定状態において、液晶表示装置2、第1枠4及び緩衝材16は適切な押圧力の下に付勢状態で第2枠35の中に収納されることが望ましい。このような付勢状態を実現すれば、液晶表示装置2、第1枠4及びスピーカユニット3a,3bを電子機器31の内部でしっかりと固定できる。
【0069】
本実施形態の電子機器31では、電気光学装置1Eの構成要素である液晶表示装置2と第1枠4とスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、さらに、スピーカユニット3a,3bのための気室R1及びR2はその結合状態において第1枠4及び第2枠35によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Eを筐体32の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Eを筐体32の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを筐体32に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1E及び電子機器の全体形状を小型及び薄型にできる。
【0070】
(電子機器の第2実施形態)
図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態のブロック図を示している。ここに示す電子機器は、電気光学装置61と、これを制御する制御回路70とを有する。電気光学装置61は、電気光学パネルとしての液晶パネル66と、半導体IC等で構成される駆動回路72と、スピーカユニット63とを有する。スピーカユニット63は複数個設けられる。
【0071】
制御回路70は、表示情報出力源73と、表示情報処理回路74と、電源回路76と、タイミングジェネレータ77と、音声情報処理回路78を有する。表示情報出力源73は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から成るメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等から成るストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを有する。この表示情報出力源73は、タイミングジェネレータ77によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路74に供給する。
【0072】
表示情報処理回路74は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等といった周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路72へ供給する。駆動回路72は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路76は、上記の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。音声情報処理回路78は、音声信号をスピーカユニット63へ伝送してそのスピーカユニット63から音声を発生させる。
【0073】
電気光学装置61は、例えば、図1の電気光学装置1Aや、図4に示す電気光学装置1Bや、図5に示す電気光学装置1Cや、図7に示す電気光学装置1D等によって構成できる。これらの電気光学装置では、例えば図1において、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。電気光学装置1Aの形状を小型及び薄型にできるということは、電子機器の全体形状も小型及び薄型にできるということである。
【0074】
(電子機器の第3実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の一例である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機80は、本体部81と、これに開閉可能に設けられた表示体部82とを有する。表示体部82の内部には電気光学装置83が配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部82において表示画面84によって視認できる。本体部81には操作ボタン86が配列されている。
【0075】
表示体部82の一端部にはアンテナ87が伸縮自在に取り付けられている。表示体部82の上部に設けられた受話部88の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部81の下端部に設けられた送話部89の内部には図示しないマイクが内蔵されている。電気光学装置83の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部81又は表示体部82の内部に格納される。
【0076】
電気光学装置83は、例えば、図1の電気光学装置1Aや、図4に示す電気光学装置1Bや、図5に示す電気光学装置1Cや、図7に示す電気光学装置1D等によって構成できる。これらの電気光学装置の放音孔Pbは、例えば図11の受話部88に対応した位置に配置される。これらの電気光学装置を携帯電話機80内に固定するための被固定部材は、携帯電話機80の外装ケースや、その外装ケース内の適宜の筐体や、その外装ケース内の適宜のフレーム等とすることができる。
【0077】
上記の電気光学装置に関しては、例えば図1において、表示部としての液晶表示装置2と第1枠4と発音体としてのスピーカユニット3a,3bとが一体に結合しており、スピーカユニット3a,3bのための表示部側の気室R1はその結合状態において第1枠4によって予め形成されている。このため、電気光学装置1Aを電子機器の内部に組付ける際には、その一体構造である電気光学装置1Aを電子機器の内部の適所に取り付けるだけでよく、液晶表示装置2とスピーカユニット3a,3bとを電子機器に別々に組み込む場合に比べて、電気光学装置1Aの全体形状を小型及び薄型にできる。電気光学装置1Aの形状を小型及び薄型にできるということは、携帯電話機80の全体形状も小型及び薄型にできるということである。
【0078】
(電子機器に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、本発明に係る電子機器としては、以上に説明した携帯電話機の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、デジタルスチルカメラ、腕時計、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、その他各種の機器が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他の電子機器で各種の表示を行う際に表示用の機器として好適に用いられる。特に、画像表示と共に音声表示も行う機器に好適に用いられる。また、本発明に係る電子機器は携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ等といった民生機器や、計測器その他の工業用機器等として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図3】図1の電気光学装置の使用例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図7】本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図8】図7の電気光学装置の矢印Aに従った平面図である。
【図9】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る電子機器の他の実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1A,1B,1C,1D,1E.電気光学装置、 2.液晶表示装置(表示部)、
3a,3b.スピーカユニット(発音体)、 4.第1枠、 5.第2枠、
6.液晶パネル(電気光学パネル)、 7.照明装置、 11.フレーム、
12.振動子、 13.圧電素子、 16.緩衝材、 17.通気孔、 18.導電線、
21.第3枠、 22.開口、 31.電子機器、 32.筐体、 33.通気孔、
35.第2枠、 36.フランジ、 62.液晶表示装置(表示部)、
63.スピーカユニット、 66.液晶パネル、 80.携帯電話機(電子機器)、
81.本体部、 82.表示体部、 83.電気光学装置、 84.表示画面、
86.操作ボタン、 87.アンテナ、 88.受話部、 89.送話部、
K0.直角方向空間領域、 P.導音路、 Pa.一端、 Pb.放音孔、 Q.凹部、
R1,R2.気室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を備えた表示部と、
前記表示部と重なるように配置され、音を発生する複数の発音体と、
前記表示部と前記発音体との間に配置され、前記表示部を保持する第1枠とを有し、
前記第1枠は前記複数の発音体のための気室を形成し、
前記第1枠に前記複数の発音体のそれぞれに対応する導音路及び放音孔が設けられる
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1記載の電気光学装置において、前記表示部と前記発音体とが前記第1枠によって支持されることにより、前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項2記載の電気光学装置において、前記第1枠は前記発音体のための前記表示部側の気室及び前記表示部と反対側の気室の両方を形成することを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1記載の電気光学装置において、
前記発音体及び前記第1枠を個別に支持する第2枠をさらに有し、
該第2枠により前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項4記載の電気光学装置において、前記第2枠は、前記複数の発音体のための気室であって前記表示部と反対側の気室を形成することを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の電気光学装置において、前記第2枠は前記表示部、前記第1枠及び前記複数の発音体を収容する容器形状であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記第2枠と協働して前記表示部、前記第1枠及び前記発音体を押圧状態で挟持する第3枠をさらに有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記放音孔は前記表示部の表示領域と同じ面に開口することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの一部分が互いに重なるように配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの全体が互いに重なるように配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
電気光学装置と、電気光学装置が取り付けられる被固定部材とを有し、前記電気光学装置は請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の電気光学装置であることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11記載の電子機器において、前記被固定部材は外装ケースであることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
表示領域を備えた表示部と、
前記表示部と重なるように配置され、音を発生する複数の発音体と、
前記表示部と前記発音体との間に配置され、前記表示部を保持する第1枠とを有し、
前記第1枠は前記複数の発音体のための気室を形成し、
前記第1枠に前記複数の発音体のそれぞれに対応する導音路及び放音孔が設けられる
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1記載の電気光学装置において、前記表示部と前記発音体とが前記第1枠によって支持されることにより、前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合することを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項2記載の電気光学装置において、前記第1枠は前記発音体のための前記表示部側の気室及び前記表示部と反対側の気室の両方を形成することを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1記載の電気光学装置において、
前記発音体及び前記第1枠を個別に支持する第2枠をさらに有し、
該第2枠により前記表示部と前記第1枠と前記発音体が一体に結合する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項4記載の電気光学装置において、前記第2枠は、前記複数の発音体のための気室であって前記表示部と反対側の気室を形成することを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の電気光学装置において、前記第2枠は前記表示部、前記第1枠及び前記複数の発音体を収容する容器形状であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記第2枠と協働して前記表示部、前記第1枠及び前記発音体を押圧状態で挟持する第3枠をさらに有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記放音孔は前記表示部の表示領域と同じ面に開口することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの一部分が互いに重なるように配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記複数の発音体はそれらの全体が互いに重なるように配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
電気光学装置と、電気光学装置が取り付けられる被固定部材とを有し、前記電気光学装置は請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の電気光学装置であることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11記載の電子機器において、前記被固定部材は外装ケースであることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−100898(P2006−100898A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281115(P2004−281115)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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