説明

電気半田ごてヘッド

【課題】本発明は、使用に便利である電気半田ごてヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電気半田ごてヘッドは、電気半田ごての熱伝導棒に接続される熱伝導パイプと、前記熱伝導パイプに固定される接続装置と、前記接続装置に固定される第一加熱ブロックと、前記接続装置にスライド可能に装着される第二加熱ブロックと、前記接続装置に回動可能に装着される操作装置と、を備え、前記操作装置はギヤを備え、前記第一加熱ブロックは第一挟持部を備え、前記第二加熱ブロックは、第二挟持部及び前記ギヤに噛み合う複数のラックを備え、前記ギヤを回動すると、前記ギヤは、前記ラックに噛み合って、前記第二加熱ブロックを前記第一加熱ブロックに対してスライドさせて、前記第一挟持部と前記第二挟持部との間の距離を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気半田ごてヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レジスターやキャパシターなどの電子部品をプリント回路基板に取り付ける場合、電気半田ごてで電子部品の半田付け端子を加熱してプリント回路基板に半田付けする。従来の電気半田ごては、電子部品の複数の半田付け端子を同時に加熱することができず、他の電気半田ごてを必要として、且つピンセットで電子部品を位置決めするので、使用に不便であり、作業に時間がかかるため、非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、課題を解決し、使用に便利である電気半田ごてを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電気半田ごてヘッドは、電気半田ごての熱伝導棒に接続される熱伝導パイプと、前記熱伝導パイプに固定される接続装置と、前記接続装置に固定される第一加熱ブロックと、前記接続装置にスライド可能に装着される第二加熱ブロックと、前記接続装置に回動可能に装着される操作装置と、を備え、前記操作装置はギヤを備え、前記第一加熱ブロックは第一挟持部を備え、前記第二加熱ブロックは、第二挟持部及び前記ギヤに噛み合う複数のラックを備え、前記ギヤを回動すると、前記ギヤは、前記ラックに噛み合って、前記第二加熱ブロックを前記第一加熱ブロックに対してスライドさせて、前記第一挟持部と前記第二挟持部との間の距離を調節する。
【発明の効果】
【0005】
本発明の電気半田ごてヘッドの操作装置を操作して、第二加熱ブロックを第一加熱ブロックに対してスライドさせて、第一挟持部と第二挟持部との間の距離を調節することにより、電子部材の複数の半田付け端子を同時に加熱するか又は半田付けをしようとする電子部材を挟持することができ、使用に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る電気半田ごてヘッドの分解斜視図である。
【図2】図1に示す電気半田ごてヘッドを別の視角から見た図である。
【図3】図1に示す電気半田ごてヘッドの組立斜視図である。
【図4】図3に示す電気半田ごてヘッドの使用状態図である。
【図5】図3に示す電気半田ごてヘッドのE−E線に沿う断面図である。
【図6】図4に示す電気半田ごてヘッドのF−F線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施形態に係る電気半田ごてヘッド100は、熱伝導パイプ20と、熱伝導パイプ20の下端に設置される接続装置40と、第一加熱ブロック60と、第二加熱ブロック80と、操作装置90と、を備える。
【0009】
熱伝導パイプ20は、電気半田ごての熱伝導棒を収容するために用いられる。
【0010】
接続装置40は、矩形の固定ブロック42及び定位ブロック44を備える。
【0011】
固定ブロック42の頂部は熱伝導パイプ20の下端に固定され、固定ブロック42の底部には、矩形の収容スロット422が形成される。固定ブロック42には、その長手方向の2つの側壁を貫通する貫通孔424が設けられる。貫通孔424は収容スロット422に連通される。固定ブロック42の四隅には、ねじ孔426がそれぞれに設けられる。
【0012】
定位ブロック44の寸法は、固定ブロック42の寸法と同じである。定位ブロック44には、その長手方向に沿って、互いに連通される矩形のガイドスロット444及び切欠口445が設けられる。切欠口445は、定位ブロック44の一端の端面443及びガイドスロット444の側壁を貫通する。定位ブロック44の四隅には、固定孔446がそれぞれに設けられる。
【0013】
第一加熱ブロック60は、定位ブロック44の他端に固定される。第一加熱ブロック60は、定位ブロック44の底部に垂直に接続される第一接続部62及び第一接続部62の自由端から定位ブロック44の一端に向かって且つ定位ブロック44から離れると共に後述する第二挟持部86に向けて接近するように斜めに延在して形成される第一挟持部64を備える。
【0014】
第二加熱ブロック80は、長方形のスライディングシート82と、スライディングシート82の一端から下に向かって垂直に延在して形成される第二接続部84と、第二接続部84の自由端からスライディングシート82の他端に向かって且つスライディングシート82から離れると共に第一挟持部64に向けて接近するように斜めに延在して形成される第二挟持部86と、第二接続部84の上端の片側からスライディングシート82と離間する方向に向かって垂直に延在して形成される延在部88と、を備える。スライディングシート82の頂面には、互いに平行な複数のラック83が形成され、各々のラック83の延在方向は延在部88の延在方向に垂直である。延在部88には、目盛りが形成される。
【0015】
操作装置90は、ギヤ92及びねじ94を備える。ギヤ92の一端には、操作部924が固定され、ギヤ92の他端には、ねじ孔922が設けられる。操作部924の直径は、固定ブロック42の貫通孔424の直径より大きい。
【0016】
図3及び図4を参照して、電気半田ごてヘッド100の組立過程を説明する。先ず、ギヤ92を固定ブロック42の貫通孔424に回動可能に挿入する。次に、第二加熱ブロック80のスライディングシート82の下面(ラック83が設けられる面の反対側の面)が定位ブロック44の上面に当接するまで、第二加熱ブロック80の第二接続部84を定位ブロック44の頂部からガイドスロット444に挿入して、第二加熱ブロック80の延在部88を、定位ブロック44の切欠口445にスライド可能に収容させる。これにより、第一挟持部64と第二挟持部86とは互いに向かうように位置する。次に、固定ブロック42を定位ブロック44の上面に載置すると、第二加熱ブロック80のスライディングシート82は、固定ブロック42の収容スロット422にスライド可能に収容されて、スライディングシート82のラック83と操作装置90のギヤ92とは噛み合う。次に、4つのねじを定位ブロック44の4つの固定孔446に貫通させてから固定ブロック42の4つのねじ孔426に螺合させて、定位ブロック44を固定ブロック42に固定する。最後に、ねじ94を固定ブロック42の貫通孔424に位置するギヤ92のねじ孔922に螺合させる。この時、操作部924を操作することにより、ギヤ92は固定ブロック42の貫通孔424内で回動し、第二加熱ブロック80のラック83はギヤ92に噛み合うので、第二加熱ブロック80は定位ブロック44のガイドスロット444に沿ってスライドして、第一加熱ブロック60の第一挟持部64と第二加熱ブロック80の第二挟持部86との間の距離を調節する。定位ブロック44の第一端の端面443は、第二加熱ブロック80の延在部88の1つの目盛りに対応し、この目盛りは、第一加熱ブロック60の第一挟持部64と第二加熱ブロック80の第二挟持部86との間の距離であり、即ち電子部品の2つの半田付け端子の間の距離と同じである。
【0017】
図5及び図6を参照すると、電気半田ごてヘッド100を使用する場合、操作部924を操作することにより、ギヤ92は、第二加熱ブロック80のラック83に噛み合って、固定ブロック42の貫通孔424内で回動するとともに第二加熱ブロック80を連動してスライドさせ、従って第一加熱ブロック60の第一挟持部64と第二加熱ブロック80の第二挟持部86とが別々に電子部品の2つの半田付け端子に接触するか又は取り付けようとする電子部品を挟み、熱伝導パイプ20に電力供給された電気半田ごての熱伝導棒を挿入して、電子部品の2つの半田付け端子を同時に加熱することができる。ねじ94の頭部が固定ブロック42の側壁に緊密に当接するまで、ねじ94をギヤ92のねじ孔922に螺合すると、第二加熱ブロック80を固定することができ、この時、定位ブロック44の第一端の端面443は、第二加熱ブロック80の延在部88の1つの目盛りに対応し、この目盛りは、電子部品の2つの半田付け端子の間の距離である。
【0018】
第二加熱ブロック80のラック83はギヤ92に噛み合うので、第二加熱ブロック80を固定することができ、ねじ94の頭部が固定ブロック42の側壁に緊密に当接するまでねじ94をギヤ92のねじ孔922に螺合しなくてもよい。
【0019】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0020】
20 熱伝導パイプ
40 接続装置
42 固定ブロック
44 定位ブロック
60 第一加熱ブロック
62 第一接続部
64 第一挟持部
80 第二加熱ブロック
82 スライディングシート
83 ラック
84 第二接続部
86 第二挟持部
88 延在部
90 操作装置
92 ギヤ
100 電気半田ごてヘッド
422 収容スロット
424 貫通孔
426,922 ねじ孔
444 ガイドスロット
445 切欠口
446 固定孔
924 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気半田ごての熱伝導棒に接続される熱伝導パイプと、前記熱伝導パイプに固定される接続装置と、前記接続装置に固定される第一加熱ブロックと、前記接続装置にスライド可能に装着される第二加熱ブロックと、前記接続装置に回動可能に装着される操作装置と、を備える電気半田ごてヘッドであって、
前記操作装置はギヤを備え、前記第一加熱ブロックは第一挟持部を備え、前記第二加熱ブロックは、第二挟持部及び前記ギヤに噛み合う複数のラックを備え、前記ギヤを回動すると、前記ギヤは、前記ラックに噛み合って、前記第二加熱ブロックを前記第一加熱ブロックに対してスライドさせて、前記第一挟持部と前記第二挟持部との間の距離を調節することを特徴とする電気半田ごてヘッド。
【請求項2】
前記接続装置は、前記熱伝導パイプの一端に固定される固定ブロック及び前記固定ブロックに固定される定位ブロックを備え、前記固定ブロックの底部には、収容スロットが形成され、前記固定ブロックには、その互いに反対側に位置する2つの側壁を貫通し且つ前記収容スロットに連通されて前記ギヤを収容する貫通孔がさらに設けられ、前記第二加熱ブロックは、前記収容スロットにスライド可能に収容されるスライディングシートを備え、複数の前記ラックは、前記スライディングシートの上面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気半田ごてヘッド。
【請求項3】
前記第一加熱ブロックは、前記定位ブロックに垂直に接続される第一接続部を備え、前記第一挟持部は、前記第一接続部の自由端から前記第二加熱ブロックに向かって斜めに延在して形成されることを特徴とする請求項2に記載の電気半田ごてヘッド。
【請求項4】
前記定位ブロックには、ガイドスロットが設けられ、前記第二加熱ブロックは、前記スライディングシートから垂直に延在して形成され且つ前記ガイドスロットをスライド可能に貫通する第二接続部を備え、前記第二挟持部は、前記第二接続部の自由端から前記第一加熱ブロックに向かって斜めに延在して形成され、前記スライディングシートは前記定位ブロックに当止されることを特徴とする請求項2または3に記載の電気半田ごてヘッド。
【請求項5】
前記定位ブロックには、前記ガイドスロットに連通され且つ前記定位ブロックの一端の端面を貫通する切欠口が設けられ、前記第二加熱ブロックの第二接続部から外に向かって垂直に延在して形成される延在部は、前記切欠口をスライド可能に貫通することを特徴とする請求項4に記載の電気半田ごてヘッド。
【請求項6】
前記ギヤの一端には、前記固定ブロックの貫通孔の外部に露出する操作部が固定されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の電気半田ごてヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−111653(P2013−111653A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244214(P2012−244214)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】