説明

電気機器動作検出システム及び電気機器動作検出方法及びそれに用いる装置及びプログラム

【課題】簡易な構成によって、屋内の動作検出対象電気機器の動作の判別を検出する電気機器動作検出システムを提供する。
【解決手段】電気機器検出装置14は、特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を電源線12に送信する送信部と、送信部によって電源線12に送信された送信信号を受信して電源線12のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信部と、受信部によって取得された計測信号に、特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出するCPUと、を備えている。可変インピーダンス装置15は、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力に基づいて電圧を発生する電源回路と、電気機器13bの動作中において、電源線12に送出された送信信号に含まれている特定の周波数に応答して、電源線12のインピーダンスを変化させる可変インピーダンス回路を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器動作検出システム及び電気機器動作検出方法及びそれに用いる装置及びプログラムに関し、更に詳しくは、屋内の特定の電気機器の動作を検出する電気機器動作検出システム及び電気機器動作検出方法及びそれに用いる装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
居住者の安否を確認するために、電気機器の動作に伴って、特徴的な高調波信号を電源線に印加する高調波信号発生装置が提案されている(下記特許文献1を参照)。
【0003】
この高調波信号発生装置は、例えば、屋内のトイレの白熱電球等、居住者が一日の生活で必ず使用する電気機器を動作検出対象とし、動作検出対象電気機器のスイッチがオンになると、電源線から動作検出対象に供給される電流を断続的に遮断して特徴的な高調波信号を電源線に印加する。動作検出対象電気機器の動作の有無は、電源線上に特徴的な高調波信号が存在するか否かにより判別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−160130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている高調波発生装置は、動作検出対象電気機器の電源から動作電力を直接得ている。このため、動作検出対象電気機器の電源自体への加工が必要である。従って、専門家による電気機器自体或いは配線の改造が必要となる。
【0006】
また、電気機器は電源線にある程度高調波を印加する。しかも、電源線に接続される電気機器は多種多様であり、電源線に印加される高調波の周波数も大きさも多様である。例えば、電球の調光器やインバータ付きの蛍光灯等のスイッチング素子を備えた電気機器は、広い周波数帯域の高調波成分を電源線に印加する。従って、高調波発生装置によって電源線に印加された特定の高調波信号を他の高調波成分から識別し、動作検出対象電気機器が動作したことを判別するのは困難である。
【0007】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作を判別可能とすることを目的とする。また、本発明は、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の電気機器動作検出システムは、屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器検出装置及び前記電気機器に接続される可変インピーダンス装置を備えた電気機器動作検出システムであって、
前記電気機器検出装置は、少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送信する送信手段と、前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信手段と、前記受信手段によって取得された計測信号に前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出する検出手段と、を備え、
前記可変インピーダンス装置は、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力に基づいて所定の電圧を発生する電源手段と、前記電源手段から供給される前記電圧によって動作し、前記電気機器検出装置によって前記電源線に送出された送信信号に含まれている前記特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを変化させるインピーダンス変化手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気機器検出装置は、屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出システムに用いる電気機器検出装置であって、
少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送信する送信手段と、前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信手段と、前記受信手段によって取得された計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出する検出手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の可変インピーダンス装置は、屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出システムに用いる可変インピーダンス装置であって、
前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力に基づいて所定の電圧を発生する電源手段と、前記電源手段から供給される前記電圧によって動作し、前記電源線において前記電気機器に供給される電圧に重畳される送信信号に含まれている特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを特異な態様に変化させるインピーダンス変化手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の電気機器動作検出方法は、屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出方法であって、
送信手段が、少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送出し、受信手段が、前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得し、検出手段が、前記受信手段によって取得された計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出し、インピーダンス変化手段が、前記電気機器の動作中において、前記電源線に送出された送信信号に含まれている前記特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを特異な態様に変化させる、ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明のプログラムは、屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出するプログラムであって、
少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送出するステップと、前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得するステップと、取得した計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出するステップと、をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作の判別が可能になる。また、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の各実施形態における電気機器動作検出システムを示すブロック図である。
【図2】各実施形態における電気機器検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における可変インピーダンス装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態における信号波形を示す図である。
【図5】図3におけるトランスの開閉型の構造を示す図である。
【図6】図3におけるトランスの分割型の構造を示す図である。
【図7】図1の電気機器検出装置による電気機器の検出動作を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態における可変インピーダンス回路を示す図である。
【図9】第2実施形態における信号波形を示す図である。
【図10】第3実施形態における可変インピーダンス装置の構成を示す図である。
【図11】第4実施形態における信号波形を時間軸によって表した図である。
【図12】本発明の第5実施形態におけるn個の電気機器における信号波形を示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態におけるn個の電気機器のIDと割り当て周波数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態乃至第5実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は各実施形態に共通する電気機器動作検出システム1のブロック図である。この電気機器動作検システム1において、電源10は、電力会社の変電所又は最寄りの変圧器を象徴的に表したものであり、引き込み線によって所定の交流電圧が各屋内に供給される。分電盤11は、供給される交流電圧を複数の電源線12によって各部屋、玄関、風呂場、トイレ等に適宜分配する。
【0016】
分配された電源線12には、白熱電球、蛍光灯、冷蔵庫、テレビ受像機、電子レンジ等の電気機器が接続される。例えば、電気機器13aは白熱電球であり、電気機器13bはテレビ受像機である。電気機器13aは、天井に設けられたソケットに装着され、壁に設けられたスイッチのオン操作によって動作して点灯する。また、電気機器13bは、壁に設けられたコンセント又は電源タップ分配用コンセント、すなわちレセプタクルに、ACコードのプラグが挿入されて、電気機器13b本体のスイッチのオン操作によって動作する。
【0017】
分電盤11に設けられた電気機器検出装置14は、電源線12に接続されている特定の電気機器(この場合は、電気機器13bのテレビ受像機とする)が動作しているか否かを検出する。種々の電気機器の中でも、白熱電球や蛍光灯の点灯、及びテレビ受像機の視聴は居住者の生活の一部である。各実施形態において、電気機器検出装置14は、特定の電気機器13bであるテレビ受像機が動作しているか否かを検出することにより、例えば、一人暮らしの老人の安否を判断する。
【0018】
可変インピーダンス装置15は、電源線12と電気機器13bとの間に着脱自在に挿入される装置であり、電気機器13bが動作中であるときには、そのインピーダンスが変化する。したがって、電気機器検出装置14から見た場合に、負荷としての可変インピーダンス装置15のインピーダンスが変化することになる。電気機器検出装置14は、可変インピーダンス装置15のインピーダンスの変化の有無を計測して、電気機器13bの動作の有無を検出する。インピーダンスの変化については後述する。
【0019】
図2は、電気機器検出装置14の内部構成を示すブロック図である。図2において、送信部141(送信手段)は、所定の周波数帯域幅の下限の周波数(「f」とする)から上限の周波数(「f」とする)まで連続して変化する正弦波信号又はパルス信号からなる注入信号(送信信号)を電源線12に送信する。この注入信号は、少なくとも1つの特定の周波数(「f」とする)を含む周波数fから周波数fまでの範囲で、周波数が連続的に変化する信号(いわゆる、スイープ信号)である。図4(a)に注入信号の周波数帯域を示す。この注入信号は、電源線12の交流電圧に重畳される。周波数fは、周波数fから周波数fまでの範囲で、任意に設定されるが、電源周波数の高調波の周波数を除く周波数に設定することが好ましい。
【0020】
受信部142(受信手段)は、周波数fから周波数fまでの帯域幅のバンドパス・フィルタ(図示せず)を備えており、電源線12の交流電圧に重畳されている注入信号を含む信号成分及びノイズ成分を、電源線12及び電源線12に接続されて動作しているすべての負荷の負荷インピーダンスを測定する測定信号として受信する。上述の送信部141から見ると、電源線12、電源線12に接続されて動作しているすべての電気機器13a、電気機器13b及び図1に示していないその他の電気機器、及び可変インピーダンス装置15は、負荷インピーダンスとして機能する。ただし、受信部142の入力インピーダンス、すなわち送信部141から見た受信部142の負荷インピーダンスは非常に高いので、測定信号にはほとんど影響を与えない。
【0021】
A/D変換部143は、受信部142によって受信された負荷インピーダンスのアナログの測定信号をサンプリングして、デジタルの負荷インピーダンスのデータに変換する。
【0022】
CPU(Central Processing Unit)144は、システム・バス147を介して電気機器検出装置14全体を制御して、電源線12に接続された電気機器13bの動作の有無を検出するプログラムを実行するコンピュータである。また、CPU144は、居住者の安否を確認する情報を監視する監視センター(図示せず)との間で、専用若しくは汎用の通信回線、又は電源線12を介して通信を行う通信機能を具備している。
【0023】
EEPROM(Electric Erasable Programmable Read Only Memory)145(以下、ROM145という)は、フラッシュ・メモリ等からなる書き換え可能な不揮発性メモリであり、CPU144が実行するプログラムや上述の特定の周波数fのデータを記憶している。これらのプログラムや周波数fのデータは、予めROM145に記憶されていてもよいが、電気機器検出装置14に着脱可能なメモリチップに記憶されていてもよい。あるいは、CPU144の通信機能によって外部からインストールすることも可能である。
【0024】
RAM(Random Access Memory)146は、CPU144の作業領域として用いられ、CPU144によって実行されるプログラム及び各種パラメータ、A/D変換部143から得られるデジタルの負荷インピーダンスのデータ、及びCPU144による演算処理のデータ等を一時的に記憶する。RAM146には、負荷インピーダンスのデータを記憶するエリア1及びエリア2、その他プログラムの実行に必要なレジスタ等が設けられている。
【0025】
なお、電気機器検出装置14は、CPU144、送信部141、受信部142、A/D変換部143、ROM145、及びRAM146が一体化されたワンチップのマイクロ・プロセッサからなるコンピュータで構成することも可能である。
【0026】
次に、本発明の第1実施形態について、図3乃至図7を参照して説明する。
図3は、図1の可変インピーダンス装置15の内部構成を示すブロック図である。この可変インピーダンス装置15は、プログラマブル・フィルタ等の周波数軸でインピーダンス可変に構成された装置であり、トランス151(第1のトランス)、電源回路152、可変インピーダンス回路153、及びトランス156(第2のトランス)を有する構成になっている。
【0027】
トランス151は、フェライト等のコア材を有するカレント・トランスであり、その一次側の1本の巻線が2本の電源線12のいずれか1本のまわりにループし、二次側のN本の巻線が電源回路152に接続された1対Nのトランスである。すなわち、トランス151は、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合によって、一次側に誘起される起電力をN倍に増幅して電源回路152に供給する電磁結合手段を構成する。
【0028】
電源回路152は、トランス151から供給される起電力に基づいて直流電圧を生成して可変インピーダンス回路153に供給する電源手段を構成する。このため、図には示していないが、電源回路152には、整流回路や平滑回路等が設けられている。
【0029】
可変インピーダンス回路153は、特定の周波数fでインピーダンスが低下するフィルタである。図4(b)にそのフィルタ特性すなわちインピーダンス特性を示す。上述したように、この可変インピーダンス回路153はプログラマブル・フィルタであり、図4(a)に示す注入信号の周波数帯域内において、特定の周波数fを任意に設定することができる。
【0030】
トランス154も、トランス151と同様、フェライト等のコア材を有するカレント・トランスである。ただし、その一次側の1本の巻線が可変インピーダンス回路153に接続され、二次側のN本の巻線が2本の電源線12のいずれか1本のまわりにループされたN対1のトランスである。すなわち、トランス154は、可変インピーダンス回路153の図4(b)に示したインピーダンス特性の変化のNの2乗分の1を電磁結合により電源線12に与える電磁結合手段を構成する。
【0031】
図4(c)は、図2の受信部143によって受信された計測信号を示している。図4(c)の信号波形は、図4(a)の注入信号と図4(b)の可変インピーダンス回路153のインピーダンス特性の波形とが合成された信号波形になっている。ただし、図4(c)の信号波形は、電源線12にインダクタンス成分及びキャパシタンス成分がない場合、すなわち、受信部143から見た電源線12が抵抗成分のみである場合の信号波形を表している。実際には、電源線12の路線及び電気機器13aその他の電気機器がインダクタンス成分及びキャパシタンス成分を含んでいるので、計測信号の信号波形はその影響を受けて歪んだ波形になる。このため、後述するように、電気機器検出装置14の学習機能によって、電気機器13bが停止しているときの電源線12のインピーダンス特性を予め取得することにより、電気機器13bの動作の有無を正確に検出する。
【0032】
上述したように、図3に示す可変インピーダンス装置15は、電気機器検出装置14から見ると、可変インピーダンス回路153がインピーダンス変化を起こす周波数fを含んだ特定の帯域幅で信号(図4(b)の信号)を発生し、トランス154を介して電源線12のインピーダンスを特異な態様に変化させる。
【0033】
また、可変インピーダンス装置15は、電磁結合によって電源線12に非接触で係合しているので、配線作業を必要とすることなく可変インピーダンス装置15を設置することができる。また、トランス151(第1のトランス)及びトランス154(第2のトランス)は、分割構造又は開閉構造のクランプ型である。
【0034】
トランス151は、フェライト等のコアを有する巻き線比1対Nのカレント・トランスから構成される。トランス151の一次側は、検出対象電気機器13bに接続されている一対の電源線12aの1本の周りをループし、二次側は、Nターンの巻線が電源部152に接続されている。トランス151は、電気機器13bの動作によって電源線12aを流れる電流との電磁結合によって一次側に誘起される起電力を、一次巻き線と二次巻き線との電磁結合により、N倍に昇圧して電源部152に供給(印加)する。すなわち、上述したように、トランス151は、電磁結合手段を構成する。
【0035】
図5は、トランスの開閉型の構造を示す図である。可変インピーダンス装置15のトランス151の一次巻き線1511は、図5(a)及び図5(b)に示すように、クリップのように、開閉可能に構成されている。図5(c)に示すように、一次巻き線1511を開状態として、電源線12をループ内に通すように配置し、続いて、図5(d)に示すように、閉状態とすることで、一次巻き線1511を電源線12と交差する閉回路とすることができる。従って、例えば、電源線12aの敷設後でも、簡単にトランス151の一次巻線を電源線12の周りにループさせることができる。
【0036】
図6は、トランスの分割型の構造を示す図である。図6(a)及び図6(b)に示すように、一次巻き線1511の一部を分離・装着可能な構成とすることが可能である。この場合においても、電源線をループ内に通すように配置し、続いて閉状態とすることで、一次巻き線1511を電源線と交差する閉回路とすることができる。従って、例えば、電源線の敷設後でも、簡単にトランス151の一次巻線を電源線の周りにループさせることができる。
【0037】
次に、第1実施形態による電気機器13bの動作の有無を検出する電気機器検出装置14の処理について説明する。上述したように、電気機器検出装置14は、可変インピーダンス装置15のインピーダンスの変化の有無を計測して、電気機器13bの動作の有無を検出するが、電源線12自体及び他の電気機器13a等も負荷であり、それらのインピーダンスの変化が、可変インピーダンス装置15のインピーダンスの変化と合成される。
【0038】
上述したように、図4(c)に示す計測信号は、電源線12の路線インピーダンス及び電気機器13aその他の電気機器のインピーダンスの影響によって、実際は歪んだ信号波形になっているので、電気機器検出装置14は、電気機器13bが停止中における電源線12のインピーダンスの変化を予め計測する学習機能を有する。
【0039】
図7は、電気機器検出装置14のCPU144による電気機器13bの動作検出を示すフローチャートである。
電気機器検出装置14が起動すると、初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理では、ROM145からプログラムをRAM146にロードし、RAM146のレジスタやインピーダンス特性のデータを記憶するエリア1、エリア2、及び所定のレジスタ等をクリアする。
【0040】
次に、電源線12のインピーダンスの計測指示がなされたか否かを判別する(ステップS2)。この計測指示は、例えば、電気機器13bのスイッチがオンされる前に、居住者又は監視センターの職員等によって電気機器検出装置14のリセット・スイッチ(図示せず)のオン操作で行われる。
【0041】
電源線12のインピーダンスの計測指示がなされない場合(ステップS2;NO)には、他の処理、例えば、電気機器検出装置14に供給されている電圧の監視等の処理を行いながら、計測指示を待つ。
【0042】
電源線12のインピーダンスの計測指示がなされた場合(ステップS2;YES)には、送信部141によって図4(a)に示した注入信号を電源線12に対して送信する(ステップS3)。
【0043】
次に、受信部142によって計測信号を受信し(ステップS4)、A/D変換部143によって計測信号に対するA/D(アナログ/デジタル)変換処理を行って、電源線12のインピーダンス特性のデータを取得する(ステップS5)。
【0044】
次に、その取得した電源線12のインピーダンス特性のデータをRAM146のエリア1にストアする(ステップS6)。すなわち、電気機器13bが停止しているときの電源線12のインピーダンス特性のデータをエリア1に記憶する。
【0045】
この後は、実際に電気機器13bの動作の有無を検出する処理に移行する。この場合において、居住者又は監視センターの職員等が電気機器13bのスイッチをオン操作してもよいし、居住者が必要に応じて、すなわち、電気機器13bのテレビ受信機の視聴を希望するときにスイッチをオン操作してもよい。
【0046】
電気機器13bの動作の有無を検出する処理に移行すると、送信部141によって図4(a)に示した注入信号を改めて電源線12に対して送信する(ステップS7)。
【0047】
次に、受信部142によって計測信号を受信し(ステップS8)、A/D変換部143によって計測信号に対するA/D変換処理を行って、電源線12のインピーダンス特性のデータを取得する(ステップS9)。そして、その取得した電源線12のインピーダンス特性のデータをRAM146のエリア2にストアする(ステップS10)。
【0048】
次に、RAM146のエリア1に記憶した電源線12のインピーダンス特性のデータと、エリア2に記憶した電源線12のインピーダンス特性のデータとの差を算出する演算処理を行う(ステップS11)。この演算処理によって、エリア1及びエリア2の双方に含まれている電気機器13bが停止しているときの電源線12のインピーダンス特性による測定信号の歪みが相殺される。この結果、図4(c)に示す歪みのない信号波形に基づく検出処理が可能になる。
【0049】
次に、ステップS11における演算処理によって算出された差のデータに、特定の周波数fの信号、すなわち、図4(b)に示した信号波形のフィルタ特性が検出されるか否かを判別する(ステップS12)。電気機器13bが動作していない場合には、エリア1及びエリア2のインピーダンス特性のデータの差はほぼゼロである。これに対して、電気機器13bが動作している場合には、エリア1及びエリア2のインピーダンス特性のデータの差は、図4(b)に示した信号波形のフィルタ特性のデータ、すなわち、特定の周波数fの信号を含むデータになる。
【0050】
特定の周波数信号が検出された場合(ステップS12;YES)には、RAM146のレジスタERRの値(ステップS1の処理で初期値は0である)が1以上で所定数以下であるか否かを判別する(ステップS13)。ERRの値については後述する。
【0051】
ERRの値が1以上で所定数以下でない場合(ステップS13;NO)には(後述するように、この場合はERRの値は0になっている)、所定時間が経過した否かを判別する(ステップS14)。この所定時間は、例えば、1分乃至数分、数10分乃至1時間、又は数時間であり、居住者又は監視センターの職員等によって設定又は変更することも可能である。例えば、動作検出対象電気機器に応じて適宜設定される。さらに、電気機器検出装置14と監視センターとの間の通信によって自動的に設定又は変更することも可能である。本実施形態の所定時間は3時間とする。したがって、3時間ごとに居住者が電気機器13bであるテレビ受信機が動作中であるか否かを検出する。
【0052】
所定時間が経過しない場合(ステップS14;NO)には、電圧の監視等のその他の処理を行って所定時間が経過するのを待つ。そして、所定時間が経過したとき(ステップS14;YES)には、ステップS7に移行して、ステップS12までの処理を実行し、特定の周波数信号が検出され(ステップS12;YES)、ERRの値が1以上で所定数以下でない、すなわちERRの値が0である場合(ステップS13;NO)には、ステップS7からステップS14のループ処理を繰り返す。
【0053】
特定の周波数信号が検出されなかった場合(ステップS12;NO)には、RAM146のレジスタERRの値を1だけインクリメントする(ステップS15)。そして、ERRの値が所定数を超えたか否かを判別する(ステップS16)。この所定数は、居住者又は監視センターの職員等によって設定又は変更することも可能であり、電気機器検出装置14と監視センターとの間の通信によって自動的に設定又は変更することも可能である。この場合は、所定数を9とする。したがって、ERRの値が所定数を超えて10になったときには、居住者が24時間を超えてもテレビ受信機を視聴していないと判断する。
【0054】
ERRの値が所定数を超えない場合(ステップS16;NO)には、ステップS14に移行して、ステップS7からステップS12のループを繰り返す。ステップS12において、特定の周波数信号が検出された場合(ステップS12;YES)には、ERRの値が1以上で所定数以下であるか否かを判別する(ステップS13)。ここで、ERRの値が所定数以下、例えば9である場合(ステップS13;YES)には、ERRの値を0にリセットする(ステップS17)。
【0055】
例えば、居住者が24時間近く外出していて、ERRの値が10になる前に帰宅してテレビ受像機をオン操作した場合には、居住者の安全が確認されたことになるので、ERRの値を0にリセットして、改めて電気機器13bの動作の有無を検出する処理を再開する。この場合には、ステップS14、ステップS7乃至ステップS12のループを繰り返す。
【0056】
ERRの値が所定数を超えた場合(ステップS16;YES)には、居住者に何らかのトラブルが発生したと判断して、監視センターに通知する(ステップS18)。そして、電気機器の検出処理の動作を終了する。
【0057】
以上説明したように、上記第1実施形態の電気機器動作検出システムによれば、電気機器検出装置14は、少なくとも1つの特定の周波数fを含む特定の帯域幅(f1〜f2)で連続的に周波数が変化する送信信号を電源線12に送信する送信部141(送信手段)と、送信部141によって電源線12に送信された送信信号を受信して電源線12のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信部142(受信手段)と、受信部142によって取得された計測信号に、特定の周波数fの信号が含まれているか否かを検出するCPU144(検出手段)と、を備えている。また、可変インピーダンス装置15は、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合によって、トランス151(第1のトランス)で誘起される起電力に基づいて所定の電圧を発生する電源回路152(電源手段)と、電源回路152から供給される電圧によって動作し、電気機器検出装置14によって電源線12に送出された送信信号に含まれている特定の周波数fに応答して、電源線12のインピーダンスを特異な態様に変化させる可変インピーダンス回路153及びトランス154(インピーダンス変化手段)と、を備えた構成になっている。
【0058】
このように、第1実施形態によれば、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス装置15により、電気機器13bの電源から動作電力を直接得る必要がない。したがって、専門の電気工事者による電気配線その他の電気工事を伴うことなく、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作を判別することができる。また、動作検出対象電気機器が停止中における電源線のインピーダンスの変化を予め計測する学習機能を有するので、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出することができる。
【0059】
また、第1実施形態における可変インピーダンス装置15は、2本の電源線12のいずれか1本と電磁結合するトランス151(第1のトランス)と、2本の電源線12のいずれか1本と電磁結合するトランス154(第2のトランス)と、を有し、電源線12と非接触で係合する構成になっている。
したがって、配線作業を要することなく、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作を判別することができる。
【0060】
次に、本発明の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第1実施形態と同様、電源線12のインピーダンスを変化させる可変インピーダンス回路153の内部回路を示す図である。なお、図3に示した第1実施形態の可変インピーダンス装置15の構成と同じものについては、同一の符号で表し、重複した説明は省略する。
【0061】
図8の可変インピーダンス回路153は共振回路である。電源回路152から直流電圧が供給されると、リレー又はアナログスイッチ等のスイッチ155がオンになって、内部のコンデンサ156のキャパシタCとトランス154(第2のトランス)のインダクタンスLとによって、送信信号に含まれている特定の周波数fに共振する。したがって、共振周波数fは、下記の数1で表される。
【数1】

【0062】
図9(a)の注入信号は、第1実施形態における図4(a)の注入信号と同じである。しかし、第2実施形態における可変インピーダンス装置15の可変インピーダンス回路153を構成する共振回路は、図9(b)に示すインピーダンス特性を有する。したがって、電源線12にインダクタンス成分及びキャパシタンス成分がないとした場合の計測信号は、図9(c)に示す歪みのない信号波形になる。
【0063】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、電気機器検出装置14の学習機能によって、CPU144の演算処理で、電気機器13bが停止中の電源線12のインピーダンス特性を相殺すれば、図9(b)に示す共振特性の信号波形が得られる。
【0064】
また、第2実施形態においても、可変インピーダンス装置15は、2本の電源線12のいずれか1本と電磁結合するトランス151(第1のトランス)と、2本の電源線12のいずれか1本と電磁結合するトランス154(第2のトランス)と、を有し、電源線12と非接触で係合する構成になっている。
【0065】
このように、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス装置15により、電気機器13bの電源から動作電力を直接得る必要がない。したがって、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作を判別することができる。
【0066】
また、図8に示す共振回路153を有する可変インピーダンス装置15も、図3に示したフィルタ回路を有する場合と同様に、電気機器検出装置14から見ると、可変インピーダンス回路153がインピーダンス変化を起こす周波数fを含んだ特定の帯域幅で信号(図4(b)の信号)を発生し、所定のインピーダンスであるトランス154を介して電源線12のインピーダンスを特異な態様に変化させる。
したがって、動作検出対象電気機器が停止中における電源線のインピーダンスの変化を予め計測する学習機能を有するので、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出することができる。
【0067】
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
図10は、第3実施形態における可変インピーダンス装置15の構成を示す図である。なお、図3に示した第1実施形態の可変インピーダンス装置15の構成と同じものについては、同一の符号で表し、重複した説明は省略する。
【0068】
図10において、可変インピーダンス装置15の電源プラグ157は、電源線12に設けられている電源レセプタクル121(例えば、壁等のコンセント)に着脱自在に挿入される。また、可変インピーダンス装置15の電源レセプタクル158は、電気機器13bであるテレビ受信機の電源プラグ13b1が着脱自在に挿入される。
【0069】
図10の可変インピーダンス装置15も、トランス151は、フェライト等のコア材を有するカレント・トランスであり、その一次側の1本の巻線が2本の電源線12のいずれか1本のまわりにループし、二次側のN本の巻線が電源回路152に接続された1対Nのトランスである。すなわち、トランス151は、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合によって、一次側に誘起される起電力をN倍に増幅して電源回路152に供給する電磁結合手段を構成する。ただし、可変インピーダンス回路153は、可変インピーダンス装置15を通過している電源線12に直接接続されている。
【0070】
可変インピーダンス装置15は、プラグ157及びレセプタクル158によって、電源線12と電気機器13bとの間に着脱自在に装着できる構造になっている。
すなわち、電気機器13bの動作中に電源線12を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス装置15により、電気機器13bの電源から動作電力を直接得る必要がない。したがって、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作を判別することができる。
【0071】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態におけるシステム構成は、第1実施形態におけるシステム構成と同じであるので、重複する説明は省略する。
図11は、電気機器検出装置14における注入信号、可変インピーダンス装置15の共振特性、及び計測信号を時間軸によって表した図である。ステップ関数のパルス信号である図11(a)の注入信号(送信信号)に応じて、図11(b)の計測信号(受信信号)は、電気機器13bが停止中であっても、電源線12のインピーダンス特性によってその波形が歪む。そして、電気機器13bが動作状態になったときは、図11(c)に示すように、可変インピーダンス装置15が電源線12に与えるインピーダンス特定によって、共振周波数の影響で盛り上がった波形部分pが生じる。波形部分pが生じるまでの遅延時間Tdは、可変インピーダンス装置15の共振周波数に比例する。この場合にも、遅延時間Tdを計測することにより、電気機器13bの動作の有無を検出することができる。
したがって、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出することができる。
【0072】
次に、本発明の第5実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。第1乃至第4実施形態においては、動作の有無を検出する電気機器として1つの電気機器13bとしたが、第5実施形態においては、複数の電気機器のそれぞれについて動作の有無を検出する構成になっている。
【0073】
図12は、n個の電気機器(電気機器1、電気機器2、…、電気機器n)における注入信号(a)に対する計測信号(b)を示す図である。図12に示すように、各電気機器に対して異なる周波数f01、f02、…、f0nを割り当てることにより、それぞれの電気機器の動作の有無を検出することができる。なお、この場合の構成及び動作については、上述の第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。図13は、n個の電気機器のIDと割り当て周波数との関係を示す図である。
【0074】
すなわち、この第5実施形態においては、電気機器検出装置14は、複数(n個)の電気機器の各々に対してそれぞれ固有に割り当てられた異なる周波数(f01、f02、…、f0n)を含む送信信号を電源線12に送出する。この場合においては、図7に示した所定時間及び所定数については、個々の電気機器に応じて設定されることになる。
【0075】
このように、第5実施形態においては、各電気機器に対応する可変インピーダンス装置は、その対応する電気機器の動作中に、電源線12を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動するので、各電気機器の電源から動作電力を直接得る必要がない。したがって、複数の電気機器を検出対象とする場合でも、簡易な構成によって、動作検出対象電気機器の動作の判別が可能になる。また、動作検出対象電気機器の動作をより確実に検出することが可能になる。
【0076】
上述の各実施形態においては、電気機器動作検出システム及びそれに用いる装置について説明したが、本発明は、システム及び装置の発明に限定されない。図7に示したように、CPU144によって実行される検出動作のフローチャートから明らかなように、本発明は電気機器動作検出方法の発明を構成する。また、上述したように、電気機器動作検出方法を実現する電気機器動作検出処理のプログラムは、予めROM145に記憶されていてもよいし、電気機器検出装置14に着脱可能なメモリチップに記憶されていてもよいし、あるいは、CPU144の通信機能によって外部からインストールすることもできる。したがって、本発明はプログラムの発明を構成する。
【0077】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の電気機器動作検出システム及び電気機器動作検出方法及びそれに用いる装置及びプログラムは、一人暮らしの老人等の安否を自動的に確認するのに適している。
【符号の説明】
【0079】
1 電気機器動作検出システム
12 電源線
13 電気機器
14 電気機器検出装置
15 可変インピーダンス装置
141 送信部
142 受信部
144 CPU
151、154 トランス
152 電源回路
153 可変インピーダンス回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器検出装置及び前記電気機器に接続される可変インピーダンス装置を備えた電気機器動作検出システムであって、
前記電気機器検出装置は、
少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送信する送信手段と、前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信手段と、前記受信手段によって取得された計測信号に前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出する検出手段と、を備え、
前記可変インピーダンス装置は、
前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力に基づいて所定の電圧を発生する電源手段と、前記電源手段から供給される前記電圧によって動作し、前記電気機器検出装置によって前記電源線に送出された送信信号に含まれている前記特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを変化させるインピーダンス変化手段と、を備える、
ことを特徴とする電気機器動作検出システム。
【請求項2】
前記電気機器検出装置は、複数の電気機器の各々に対してそれぞれ固有に割り当てられた異なる周波数を含む送信信号を前記電源線に送出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気機器動作検出システム。
【請求項3】
屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出システムに用いる電気機器検出装置であって、
少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送信する送信手段と、
前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得する受信手段と、
前記受信手段によって取得された計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出する検出手段と、を備える、
ことを特徴とする電気機器検出装置。
【請求項4】
前記送信手段は、複数の電気機器の各々に対してそれぞれ固有に割り当てられた異なる周波数を含む送信信号を送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気機器検出装置。
【請求項5】
屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出システムに用いる可変インピーダンス装置であって、
前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力に基づいて所定の電圧を発生する電源手段と、
前記電源手段から供給される前記電圧によって動作し、前記電源線において前記電気機器に供給される電圧に重畳される送信信号に含まれている特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを特異な態様に変化させるインピーダンス変化手段と、を備える、
ことを特徴とする可変インピーダンス装置。
【請求項6】
前記インピーダンス変化手段は、前記特定の周波数に応答してインピーダンスが低下するフィルタ回路である、
ことを特徴とする請求項5に記載の可変インピーダンス装置。
【請求項7】
前記インピーダンス変化手段は、前記特定の周波数に応答してインピーダンスが上昇する共振回路である、
ことを特徴とする請求項5に記載の可変インピーダンス装置。
【請求項8】
前記インピーダンス変化手段は、電磁結合によって前記電源線のインピーダンスを特異な態様に変化させる、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の可変インピーダンス装置。
【請求項9】
前記可変インピーダンス装置は、前記電源線に接続するプラグ及び前記電気機器に接続するレセプタクルを有する、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の可変インピーダンス装置。
【請求項10】
前記可変インピーダンス装置は、2本の前記電源線のいずれか1本と電磁結合する第1のトランスと、
前記電源線の前記2本の前記電源線のいずれか1本と電磁結合する第2のトランスと、
を有し、前記電源線と非接触で係合する構造を有する、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の可変インピーダンス装置。
【請求項11】
屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出する電気機器動作検出方法であって、
送信手段が、少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送出し、
受信手段が、前記送信手段によって前記電源線に送信された送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得し、
検出手段が、前記受信手段によって取得された計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出し、
インピーダンス変化手段が、前記電気機器の動作中において、前記電源線に送出された送信信号に含まれている前記特定の周波数に応答して前記電源線のインピーダンスを特異な態様に変化させる、
ことを特徴とする電気機器動作検出方法。
【請求項12】
屋内の電源線に接続された電気機器の動作の有無を検出するプログラムであって、
少なくとも1つの特定の周波数を含む特定の帯域幅で連続的に周波数が変化する送信信号を前記電源線に送出するステップと、
前記電源線における送信信号を受信して前記電源線のインピーダンスを計測する計測信号を取得するステップと、
取得した計測信号に、前記電気機器の動作中に前記電源線を流れる電流との電磁結合により誘起される起電力によって作動する可変インピーダンス手段が発生する前記特定の周波数の信号が含まれているか否かを検出するステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−161166(P2012−161166A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19294(P2011−19294)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】