説明

電気湯沸かし器

【課題】容器内の液体を設定された保温温度まで素早く低下させることが可能な電気湯沸かし器を提供する。
【解決手段】容器1に収納された液体を加熱する加熱手段2と、容器1内の液体の温度を検知する温度検知手段3と、容器1内の液体を外部に排出する排出径路4の途中に設けられた切替弁6を切替えることにより容器1内に液体を戻す循環径路5と、容器1内の液体を排出径路4を通して外部に排出するための電動ポンプ7と、切替弁6の切替えと電動ポンプ7の駆動を制御する制御手段8と、循環径路5を流れる液体の放熱を行う熱交換器9を備えたもので、切替弁6を循環径路5側に切替え、電動ポンプ7を駆動して、循環経路5に液体を通過させることにより、熱交換器9により放熱され、容器1内の液体の温度を素早く低下させて、必要とする温度の液体を使用者に早く提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収納した液体を加熱、保温する電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な従来の電気湯沸かし器は、湯沸かし後に設定された保温温度に低下するまでは自然冷却によるものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、前記特許文献1に記載された従来の電気湯沸かし器の概略構成を示す図である。図5において、従来の電気湯沸かし器は、液体を収納する容器1と、容器1内の液体を加熱する加熱手段2と、容器1内の液体の温度を検知する温度検知手段3と、加熱手段2を制御する制御手段8と、使用者が希望の保温温度などを設定するための第一の外部入力手段10と、容器1内の液体を排出経路4を介して外部に排出させるための電動ポンプ7と、温度検知手段3で検知された温度などを表示する表示手段12から構成され、運転を開始すると、加熱手段2で一旦容器1内の液体を沸騰させた後、加熱手段2への通電を停止し、容器1内の液体の温度が希望の保温温度まで自然に低下してくると、加熱手段2に断続的に通電して、液体を希望の保温温度で保つようになっている。
【特許文献1】特開平5−293043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来の電気湯沸かし器の構成では、昨今容器の断熱効果が向上したこともあり、湯沸かしが行われた後、容器内の液体の温度が、設定された保温温度まで下がるのに時間がかかり、使用者にとって不便なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、容器内の液体を設定された保温温度まで素早く低下させることが可能な電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記容器内の液体を外部に排出する排出径路と、前記排出径路の途中に設けられた切替弁を切替えることにより前記容器内に液体を戻す循環径路と、前記容器内の液体を前記排出径路を通して外部に排出するための電動ポンプと、前記切替弁の切替えと前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段と、前記循環経路に接して設置され前記循環径路を流れる液体の放熱を行うための熱交換器を備えたもので、前記切替弁を前記循環径路側に切替えると共に電動ポンプを駆動して、循環経路に容器内の液体を通過させることにより、熱交換器により放熱でき、容器内の液体の温度が素早く低下することが可能となり、使用者が必要とする温度の液体を使用者に早く提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気湯沸かし器は、湯沸かし後の容器内の液体を設定された保温温度まで素早く低下させることができ、使用者の不便を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記
容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記容器内の液体を外部に排出する排出径路と、前記排出径路の途中に設けられた切替弁を切替えることにより前記容器内に液体を戻す循環径路と、前記容器内の液体を前記排出径路を通して外部に排出するための電動ポンプと、前記切替弁の切替えと前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段と、前記循環経路に接して設置され前記循環径路を流れる液体の放熱を行うための熱交換器を備えたもので、前記切替弁を前記循環径路側に切替えると共に電動ポンプを駆動して、循環経路に容器内の液体を通過させることにより、熱交換器により放熱でき、容器内の液体の温度が素早く低下することが可能となり、使用者が必要とする温度の液体を使用者に早く提供することができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知すると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行うもので、自動的に容器内の液体温度を素早く低下させることが可能となる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知した後、第一の所定時間経過すると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行うもので、泡がみによる電動ポンプの効率を落とすことなく、自動的に容器内の液体温度を素早く低下させることが可能となる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知した後、前記液体の温度が第一の所定温度以下になると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行うもので、泡がみによる電動ポンプの効率を落とすことなく、自動的に容器内の液体温度を素早く低下させることが可能となる。
【0012】
第5の発明は、特に、第2〜4のいずれか一つの発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度以下になると、電動ポンプの駆動を停止するもので、自動的に容器内の液体の温度を所定の温度に素早く低下させることが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供でき、使用者の使用勝手を向上することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第2〜4のいずれか一つの発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に達すると、電動ポンプの駆動を停止するもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することを防止することが可能となる。
【0014】
第7の発明は、特に、第5の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従って、電動ポンプの回転数を低下させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することを防止することが可能となる。
【0015】
第8の発明は、特に、第6の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従って電動ポンプの回転数を低下させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することをより確実に防止することが可能となる。
【0016】
第9の発明は、特に、第5の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度まで低下するまでの間、電動ポンプを間欠駆動させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することを防止することが可能となる。
【0017】
第10の発明は、特に、第6の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温
度より第三の所定温度だけ高い温度まで低下するまでの間、電動ポンプを間欠駆動させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することをより確実に防止することが可能となる。
【0018】
第11の発明は、特に、第9の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従って、電動ポンプの間欠の比率を大きくするもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することをより確実に防止することが可能となる。
【0019】
第12の発明は、特に、第10の発明の制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくするもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、容器内の液体温度が第二の所定温度よりさらに低下することをより確実に防止することが可能となる。
【0020】
第13の発明は、特に、第5〜12のいずれか一つの発明の電気湯沸かし器は、保温温度を選択できる第一の外部入力手段を有し、選択された保温温度を第二の所定温度としたもので、使用者は保温温度を選択でき、また、選択された保温温度の液体を素早く提供できることにより、使用者の使用勝手を向上することができる。
【0021】
第14の発明は、特に、第2〜13のいずれか一つの発明の制御手段は、切替弁を循環径路側に切替えるタイミングを、電動ポンプを駆動してから第二の所定時間経過後としたもので、切替え時の排出径路から液体が意図せず外部に排出されることを防止することが可能となる。
【0022】
第15の発明は、特に、第2〜14のいずれか一つの発明の容器内の液体を外部に排出させる為の第二の外部入力手段を有し、制御手段は、前記第二の外部入力手段が操作されると、切替弁を排出径路側に切替えるもので、使用者が第二の外部入力を操作することによって、即座に容器内の液体を外部に取り出せることが可能となる。
【0023】
第16の発明は、特に、第2〜14のいずれか一つの発明の容器内の液体を外部に排出させる為の第二の外部入力手段を有し、制御手段は、前記第二の外部入力手段が操作されると、電動ポンプを一旦停止し、切替弁を排出径路側に切替え後再度電動ポンプを駆動するもので、切替弁に水流による大きな負荷をかけることなく切替えるので、切替弁の信頼性を向上できる。
【0024】
第17の発明は、特に、第1〜16のいずれか一つの発明の熱交換器をペルチェ素子で構成したもので、より早く容器内の液体温度を低下させることができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電気湯沸かし器の概略構成図、図2(a)は、同電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化を示す図、図2(b)は、同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図、図2(c)は、同電気湯沸かし器の切替弁の動作を示す図である。なお、上記従来の電気湯沸かし器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】
図1において、1は、湯を沸かして保温する容器である。2は、ヒータなどから形成され、容器1内の液体を加熱または保温を行う加熱手段である。3は、サーミスタなどから
なり、容器1内の液体温度を検知する温度検知手段である。4は、容器1内の液体を外部に排出する排出径路4である。5は、排出径路4から分岐し容器1内の液体を再度容器1内に戻す循環経路である。
【0028】
排出径路4と循環径路5の分岐部分には、切替弁6が設けられ、この切替弁6を切替えることにより容器内1の液体を外部に排出するか容器内1に戻すものである。電動ポンプ7は、排出径路4の途中に設けられ、電動ポンプ7が駆動することにより、容器1内の液体を排出径路4の下部部分から汲み上げて外部に排出するか、又は、切替弁6を循環径路5側に切替えて容器内1に戻すことができる。制御手段8は、温度検知手段3からの検知信号により加熱手段2を制御して加熱または保温を行う。
【0029】
また温度検知手段3の検知する容器1内の液体の温度の温度上昇勾配により沸騰検知を行う。さらに第一の外部入力手段10、第二の外部入力手段11や温度検知手段3からの温度信号により、電動ポンプ7の駆動制御及び切替弁6の切替を行う。熱交換器9は、放熱フィン、ペルチェ素子などから構成されると共に、循環経路5に接して設置され、循環経路5を通過する液体の放熱を行うものである。第一の外部入力手段10は、保温温度の選択を行うスイッチである。第二の外部入力手段11は、容器1内の液体を外部に排出する為のスイッチである。12は、電気湯沸かし器の状態を示す表示手段である。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態における電気湯沸かし器について、図2を用いながら以下動作、作用を説明する。
【0031】
図2(a)は、容器1内の液体の温度変化である。制御手段8は、温度検知手段3からの検知信号により容器内1の液体の温度が低いと判断すると、加熱手段2を駆動して湯沸かしを行い、液体の温度の温度上昇勾配が所定の値より低くなると、沸騰と判断して加熱手段2を停止(t1時点)する。図2(b)は、電動ポンプ7の動作を示す図であり、制御手段6は、t1時点で電動ポンプ5の駆動を開始する。また、図2(c)は、切替弁6の動作を示す図であり、制御手段8は、同じくt1時点で、切替弁6を排出側から循環径路5側に切替える。
【0032】
電動ポンプ7の駆動が開始されると、容器1内の液体が、容器1の下部から排出経路4側に吸い込まれ、切替弁6が循環径路5側に切替わっているので、循環経路5を通って容器1の上部から再度容器1内に戻される。この時、循環経路5を通過する液体は、循環経路5に接触している熱交換器9により熱が奪われて温度が低下する。これが繰り返されることにより容器1内の液体の温度を素早く低下させることができる。
【0033】
また、制御手段8で、沸騰検知(t1時点)と同時に、電動ポンプ7の駆動と切替弁6の循環径路5側への切替えを行う代わりに、沸騰検知(t1時点)より所定時間経過後に電動ポンプ5の駆動と切替弁6の循環径路5側への切替えを行うようにすれば、沸騰直後の電動ポンプ5内の泡がみによるポンプ効率の低下を防止することができる。尚、電動ポンプ5の駆動と切替弁6の循環径路5側への切替えを同時としたが、電動ポンプ5の駆動と切替弁6の循環径路5側への切替えを、時間差を持たせて別々に行うようにしても良い。
【0034】
或いは、沸騰検知(t1時点)後、第一の所定温度以下まで低下したら、制御手段8で、電動ポンプ5を駆動するようにしても、沸騰直後の電動ポンプ5内の泡がみによるポンプ効率の低下を防止することができる。
【0035】
また、制御手段8は、液体の温度が第二の所定温度(θ3)(本実施の形態では、使用者によって第一の外部入力手段10で設定された保温温度)以下になると、電動ポンプ5
を停止することにより、自動的に容器1内の液体の温度を所定の温度まで素早く低下させることが可能となる。尚、切替弁6の排水径路4側への切替えは電動ポンプ5が停止と同時、又は電動ポンプ5が停止してから所定時間経過後、第二の外部入力手段11が操作された時が考えられる。
【0036】
また、制御手段8で、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)になった時に電動ポンプ5を停止する代わりに、液体の温度が第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)になった時に電動ポンプ7を停止するようにしても良い。このことにより、温度検知手段3が、容器1に接して設置されて、間接的に液体の温度を検知するために発生する検知遅れにより、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止でき、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0037】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化と、電動ポンプの回転数の推移と、切替弁の動作を示す図である。尚、本実施の形態における電気湯沸かし器と、上記第1の実施の形態における電気湯沸かし器とは、電動ポンプの動作内容のみ異なるもので、異なる点のみ説明すると共に、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図3(b)は、本実施の形態における電気湯沸かし器の電動ポンプ5の回転数の推移を表すもので、制御手段8は、t1時点で、電動ポンプ5の駆動を高速回転で開始する。そして電動ポンプ5の駆動が開始されると、容器1内の液体が、容器1の下部から排出経路4側に吸い込まれ、切替弁6が循環径路5側に切替わっているので、循環経路5を通って容器1の上部から再度容器1内に戻される。
【0039】
この時、循環経路5を通過する液体は、循環経路5に接触している熱交換器9により熱が奪われて温度が低下する。電動ポンプ5の回転数を高速にするほど、温度低下の効果は高まる。そして、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、電動ポンプ7の回転数を徐々に低下させることにより、循環経路5の上部から液体を戻すことによる容器1内の液体の対流による液体温度検知の不確かさを低減できる。このことにより第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止することが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0040】
尚、上記実施の形態では、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、電動ポンプ5の回転数を徐々に下げ、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5を停止するようにしたが、t1の時点より、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)に近づくに従い、電動ポンプ5の回転数を徐々に低下させ、θ2まで低下した時点で、電動ポンプ5を停止するようにすれば、循環経路4の上部から液体を戻すことによる容器1内の液体の対流による液体温度検知の不確かさをより低減し、液体の温度が第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを確実に防止することが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0041】
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態における電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化と、電動ポンプの動作及び切替弁の動作を示す図である。尚、本実施の形態における電気湯沸かし器と、上記第1の実施の形態における電気湯沸かし器とは、電動ポンプの動作内容のみ異なるもので、異なる点のみ説明すると共に、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図4(b)は、本実施の形態における電気湯沸かし器の電動ポンプ5の動作を表すもので、制御手段8は、沸騰を検知したt1時点で、電動ポンプ5の駆動を間欠駆動で開始する。電動ポンプ7の間欠駆動が開始されると、容器1内の液体が、容器1の下部から循環経路4側に吸い込まれ、切替弁6が循環径路5側に切替わっているので、循環経路5を通って容器1の上部から再度容器1内に戻される。この時、循環経路5を通過する液体は、循環経路5に接触している熱交換器9により熱が奪われて温度が低下する。そして、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5の運転を停止するものである。
【0043】
以上のように、本実施の形態によれば、電動ポンプ7を間欠駆動することにより、循環経路5の上部から液体を戻すことによる容器1内の液体の対流による液体温度検知の不確かさを低減できる。このことにより第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止することが可能となり、使用者に、必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0044】
尚、上記実施の形態では、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで下がるまでの間、電動ポンプ5を間欠駆動し、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5を停止するようにしたが、t1の時点より、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)までの間に、電動ポンプ5を間欠駆動し、θ2まで低下した時点で、電動ポンプ5を停止するようにしてもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0045】
また、図4(b)に示すように、制御手段6は、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、間欠の比率を大きくするようにすれば、上記効果をさらに増すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明にかかる電気湯沸かし器は、沸騰した液体の温度を素早く低下させることが可能であり、特に、保温効果の高い電気湯沸かし器において、使用者が選択した保温温度の液体を素早く提供することが可能となり、使用者にとって使い勝手の良いもので、各種電気湯沸かし器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電気湯沸かし器の概略構成図
【図2】(a)同電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図(c)同電気湯沸かし器の切替弁の動作を示す図
【図3】(a)本発明の第2の実施の形態における電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの回転数の推移を示す図(c)同電気湯沸かし器の切替弁の動作を示す図
【図4】(a)本発明の第3の実施の形態における電気湯沸かし器の容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図(c)同電気湯沸かし器の切替弁の動作を示す図
【図5】従来の電気湯沸かし器の概略構成を示す図
【符号の説明】
【0048】
1 容器
2 加熱手段
3 温度検知手段
4 排出経路
5 循環径路
6 切替弁
7 電動ポンプ
8 制御手段
9 熱交換器
10 第一の外部入力手段
11 第二の外部入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記容器内の液体を外部に排出する排出径路と、前記排出径路の途中に設けられた切替弁を切替えることにより前記容器内に液体を戻す循環径路と、前記容器内の液体を前記排出径路を通して外部に排出するための電動ポンプと、前記切替弁の切替えと前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段と、前記循環経路に接して設置され前記循環径路を流れる液体の放熱を行うための熱交換器を備えた電気湯沸かし器。
【請求項2】
制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知すると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行う請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知した後、第一の所定時間経過すると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行う請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項4】
制御手段は、温度検知手段により容器内の液体の沸騰を検知した後、前記液体の温度が第一の所定温度以下になると、切替弁を循環径路側に切替えると共に電動ポンプの駆動を行う請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項5】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度以下になると、電動ポンプの駆動を停止する請求項2〜4の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項6】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に達すると、電動ポンプの駆動を停止する請求項2〜4の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項7】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従って、電動ポンプの回転数を低下させる請求項5に記載の電気湯沸かし器。
【請求項8】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従って電動ポンプの回転数を低下させる請求項6に記載の電気湯沸かし器。
【請求項9】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度まで低下するまでの間、電動ポンプを間欠駆動させる請求項5に記載の電気湯沸かし器。
【請求項10】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度まで低下するまでの間、電動ポンプを間欠駆動させる請求項6に記載の電気湯沸かし器。
【請求項11】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従って、電動ポンプの間欠の比率を大きくする請求項9に記載の電気湯沸かし器。
【請求項12】
制御手段は、容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくする請求項10に記載の電気湯沸かし器。
【請求項13】
保温温度を選択できる第一の外部入力手段を有し、選択された保温温度を第二の所定温度とした請求項5〜12の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項14】
制御手段は、切替弁を循環径路側に切替えるタイミングを、電動ポンプを駆動してから第二の所定時間経過後とした請求項2〜13の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項15】
容器内の液体を外部に排出させる為の第二の外部入力手段を有し、制御手段は、前記第二の外部入力手段が操作されると、切替弁を排出径路側に切替える請求項2〜14の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項16】
容器内の液体を外部に排出させる為の第二の外部入力手段を有し、制御手段は、前記第二の外部入力手段が操作されると、電動ポンプを一旦停止し、切替弁を排出径路側に切替え後再度電動ポンプを駆動する請求項2〜14の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項17】
熱交換器をペルチェ素子で構成した請求項1〜16の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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