説明

電気的医療リードの高インピーダンスのアクティブな固定電極

【課題】
【解決手段】アクティブな固定電極を有し、特に、身体組織、例えば心臓内にねじ込むことを図るヘリックス電極を有する電気的医療リードは、露出した電極表面積を最適にし且つ、露出した電極表面積を固定ヘリックス内にねじ込むことに起因する損傷による外傷を受けない組織に向けて配設すべく選択的に施された絶縁体を有するものが開示されている。好ましい製造方法において、ヘリカル外面は誘電性被覆がヘリックスコイル巻線部のヘリカル内面に施されている間、ヘリカル外面はマスキング管と接触することによりマスキングされ、誘電性被覆が硬化したとき、マスキング管は除去される。1つの変形例において、ヘリカル外面の面積を露出させ、これにより非絶縁の外側ヘリカル電極を中断させる、少なくとも1つの開口がマスキング管の側壁を通じて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露出された電極の表面積を最適にし且つ、固定ヘリックス(fixation helix;固定螺旋体)にてねじ止めすることに起因する損傷による外傷が少ない組織に向けて露出した電極の表面積を配設すべく、選択的に施された絶縁部を有する、アクティブ固定型電極、特に、例えば、心臓のような身体組織内にねじ込むことを図るヘリックス(螺旋形)電極を有する医療電気リードに関する。
【背景技術】
【0002】
植込み型医療電気刺激及び(又は)感知リード(電気医療リード)は、心臓ペーシング及びカルジオバージョン/除細動を含む、組織の刺激及び監視の分野にて、また、電気的に刺激し又は電気信号又はその他の生理学的パラメータを監視するその他の分野にて周知である。心臓の刺激及び監視の分野にて、心外膜又は心内膜心臓リードの電極は、心外膜又は心内膜に対してそれぞれ固定されるか又は、心臓壁の下側の心筋内に挿入される。
【0003】
心外膜又は心筋心臓リード又は単に、心外膜リードは、典型的に、制限された胸部切開術又はその他の修復方法を実施すべく形成された広範囲な外科的露出部を通して心臓の心外膜を露出させることにより植え込まれる。心内膜心臓リード、又は単に、心内膜リードは、心臓室又は心臓血管の所望の植え込み箇所内にてリードに沿って又はリードの末端にて1つ又はより多くの感知及び(又は)刺激電極を配置すべく経静脈経路を通して植え込まれる。電極表面を植え込み箇所にて心内膜に対し又は心筋又は冠状血管内に正確に配置することが必要である。
【0004】
パッシブ又はアクティブな固定機構は、典型的に、恒久的な心臓リードの末端内に組み込まれ且つ、植え込み箇所に配設されて末端電極を心内膜と接触する状態に又は心筋内の位置に維持する。簡単に使用でき且つ、確実に末端電極をその位置に維持するパッシブ又はアクティブな固定機構を開発すべく非常な努力が為されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アクティブな固定機構は、心外膜面又は心内膜面に侵入し且つ、心筋の全経路を亙って穴を開けることなく、心筋内に安置する設計とされている。最も広く使用されているアクティブな固定機構は、典型的に、ペース/感知電極も構成するヘリックスを採用する。典型的に、所望の心室又は冠状血管内に又は心外膜面まで経静脈前進する間、ヘリックスの最鋭角な先端を遮蔽する機構が使用される。1つの方策において、例えば、米国特許明細書5,837,006号、米国特許明細書6,298,272号に示されたような、ヘリックスをリード本体の末端キャビティ内に後退させる後退機構が採用される。別の方策において、例えば、米国特許明細書5,531,783号に開示されたように、例えば、可溶解性の生物適合性材料のプラグのようなシュラウドがヘリックスのコイル巻線部上に且つそのコイル巻線部の間に設けられる。
【0006】
更に別の方策において、例えば、米国特許明細書6,408,214号に開示されたように、リードは、植え込み箇所まで前進させるガイドカテーテルのシースを通して導入される。所望の植え込み箇所に到達したとき、ヘリックスをシースから又はリード本体外に前進させ又はプラグは溶解する。1つの方法又は別の方法において、ヘリックスは、何らかの手段により患者の身体外にてリード本体の基端から回転させ、ヘリックスの巻線部を心筋内にねじ込み且つ、ペース/感知電極を恒久的に固定する。
【0007】
過去30年を経て、導体、絶縁体の材料及び製造技術の多岐に亙る改良を通じて心内膜リード本体の直径を10ないし12フランス(3.3ないし4.4mm)から現在の2フランス(0.66mm)へと減少させることが可能となった。このように、2フランスのような小径の心内膜リードのリード本体は、植え込みを助け得るよう、補強スタイレットの使用に対応する管腔を設けずに形成される。
【0008】
かかる小径の心内膜リードには、リード本体と整合して鋭角な末端の先端まで末端方向に且つ軸方向に伸びると共に、リード本体の直径にほぼ等しいヘリックス直径を有するアクティブな固定ヘリックスが形成されている。固定ヘリックスは、心内膜リードの全体的な直径を必ずしも増大させるものではなく、固定状態は、ヘリックスが心筋内にねじ込まれたとき、相対的に堅固である。典型的に、但し、必ずしも必要ではないが、固定ヘリックスは、リード導体と電気的に接続され且つ、ペース/感知電極として機能する。一部の場合、リード本体は、1つ又はより多くのヘリカルコイル巻きし又は撚ったワイヤー導体を取り囲み且つ、管腔を欠く。
【0009】
固定ヘリックスがペース/感知電極として使用されるとき、固定ヘリックスの表面積は、歴史的に6ないし10mmの範囲、典型的に8mmで以内にて制御しなければならない。固定ヘリックスは、リード本体の直径に近似する外径を有し、また、固定ヘリックスは、典型的に1つ以上のコイル巻線部を有する。より近年、小径の固定ヘリックスは、2.0mmないし5.0mmの範囲、典型的に4.0mmの表面積を有する。固定ヘリックスの巻線の数及び長さは、心臓の壁に穴を開けるのを回避し得るよう選ばれる。露出した電極表面は、心臓の外側にて露出されずに心筋内又は心室内になければならない。
【0010】
その結果、露出した表面積を制御し且つ、ヘリックスが適正にねじ込まれたとき、ヘリックスの露出した部分が心筋内に残ることを保証するため、固定ヘリックスの一部分又は複数の部分を電気絶縁体にて被覆するのが従来の方法である。例えば、米国特許明細書4,000,745号、米国特許明細書4,010,758号、米国特許明細書5,143,090号、米国特許明細書6,501,994号、及び米国特許出願公告明細書2003/0060868号、米国特許出願公告明細書2003/0163184号を参照。電気的絶縁性被覆は、例えば、同時譲渡した米国特許明細書4,313,448号に示すように、心外膜リードの顎付き電極の一部分にも施される。ペース/感知電極として採用されない固定ヘリックスの電気的絶縁体は、例えば、米国特許明細書4,662,382号に示されている。その他の形状のペース/感知電極の選択的な電気的絶縁体の色々な形態が米国特許明細書4,026,303号、米国特許明細書6,526,321号及び欧州特許公告明細書0 042 551号に示されている。
【0011】
選択した誘電性、生物適合性の絶縁性被覆は、シリコーンゴム及びパリレン(Parylene)C(登録商標名)パリレンのような非血栓形成化合物、色々なポリウレタン、ポリアクリル酸塩(ポリメタクリル酸を含む)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシド樹脂及び同様のものを含む。これら種類内の架橋結合したポリマーは、その破断抵抗性及びその物理的耐久性の点にて好ましいであろう。植込み型医療装置の表面におけるパリレン被覆は広く受容されており、パリレン被覆をペース/感知電極に堆積させることは、ターゲットとした電極を保持する真空チャンバ内にポリパラキシリレン(poly−paraxylylene)を送り出すパリレン真空堆積システムを使用して容易に実行することができる。堆積させたパリレン被覆の一部は、上述した特許‘321号に開示されたように、エッチングして除去しペース/感知電極の表面を露出させることができる。
【0012】
電極−組織境界面を横断して持続的にペーシングするのに理想的な電極のインピーダンスは、800ないし1000オームの範囲にある。例えば、上記の特許‘994号に記載されたインピーダンスは、持続的な植込みの間、測定された値が約800オームである。固定ヘリックスによる心筋の穴開けは、炎症及び細胞死を引き起こし、特に、ヘリックスの巻線部の間、及びヘリックス管腔内にて心筋細胞死を生じさせ、また、植え込んだ後、ある時間、インピーダンスは、例えば、約1200オームまで上昇し、その後、持続的なインピーダンスレベルに低下する。励起可能な心筋細胞に対する細胞死及び瘢痕組織の置換は、観察されたインピーダンスが変化する原因である。例えば、上記特許‘994号及び米国特許明細書5,324,325号に記載されたように、植え込んだ後のインピーダンスの上昇に反作用するため、ステロイド溶出被覆及び装置が一般に、リード本体の末端内に組み込まれる。
【0013】
ペース/感知電極は、持続的な植込みの間及びペーシングパルスを送り出す間、生物適合可能で且つ生物安定的である白金又は白金イリジウム合金にて形成される。その結果、ペース/感知電極として使用される固定ヘリックスは、ヘリックスの形状に巻かれて、鋭角先端にて終わる1つ又はより多くのコイル巻線部を有するよう白金又は白金イリジウムワイヤーにて形成される。また、ヘリカルねじ止めした電極の電極表面積を表面処理し又はエッチングし又は電極表面積を白金黒又は白金族金属酸化物にて被覆し、例えば、米国特許明細書4,762,136号に開示されたように、パルス送り出し後の分極を減少させる組織−電極境界面の特徴を向上させ且つ、インピーダンスの変化を安定化させる表面テクスチャを形成することも一般的な方法である。
【0014】
固定ヘリックスを表面処理し、表面処理したヘリックスを誘電性絶縁層にて被覆し、その後に、絶縁層を選択的にエッチングし、上述した特許‘321号に示唆されたように、ペース/感知電極の表面を露出させることは、エッチングは電極の被覆又は表面処理を損傷する可能性があるから、便宜なことではない。更に、先行技術にて開示された選択的な絶縁技術及びペース/感知ねじ込み電極にて得られる電極の表面積は、固定ヘリックスの管腔内にて生じる損傷及び細胞死に対処することができない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の固定ヘリックスの製造方法は、これらの課題に対処し且つ、露出した電極の表面積を最適にし且つ、固定ヘリックスを組織内にねじ込むことに起因する損傷による外傷が少ない組織に向けて露出した電極の表面積を配設すべく、選択的に施された絶縁体を有する固定ヘリックスを提供するものである。本発明の方法は、上述した心内膜及び心外膜リードのヘリックスの任意のものに適用することができる。
【0016】
本発明の固定ヘリックスの好ましい実施の形態は、少なくとも1つの巻線部を有し、内側スパイラル又はヘリカル表面は、電気的に絶縁され、スパイラル外面又はヘリカル表面は、ヘリックスの巻線部を取り囲む心筋の細胞に露呈されるペース/感知電極として機能するよう露出される。
【0017】
1つの好ましい製造方法において、ヘリカル外面は、誘電性被覆がヘリカル内面に施されたときにマスキングされ、そのマスキングは誘電性被覆が硬化したときに除去される。1つの方策において、ヘリックスは、弾性的なマスキング管の管腔内に装着され、管腔表面がヘリックスのヘリカル状外面に対してきちっと当接するようにする。誘電性材料は、同軸状に整合させたヘリックス管腔及び管腔内に導き且つヘリックスのコイル巻線のヘリカル状内面に誘電性被覆を形成する。次に、管の側壁をスリットし且つ管をヘリックスから剥離して非被覆のヘリカル外面を露出させる等によって弾性的なマスキング管を除去する。
【0018】
1つの変更例において、少なくとも1つの開口がマスキング管の側壁に形成され、ヘリカル状外面の領域を露出させる。これにより、非絶縁の外側ヘリカル電極はその長さに沿って不連続的とされる。
【0019】
望ましくは、固定ヘリックスの全面は、任意の従来の方法にて表面処理し又は任意の従来の材料にて被覆し、インピーダンスを最適にし、分極を減少させ、炎症を減少させ且つヘリックスがマスキング管の管腔内に装着される前に、電極−組織の境界面を向上させる。表面処理又は被覆は、誘電層を堆積させる間、マスキング管との接触によって損傷されることはない。これと代替的に、非絶縁のヘリカル電極の外面は、絶縁性材料を堆積させた後に処理し又は被覆してもよい。更に、固定ヘリックスの全面又は固定ヘリックスの絶縁した表面は、ステロイドにて被覆するか又はステロイドを含むことができる。
【0020】
露出した外側ヘリカル電極は、生存する励起可能な心筋細胞に向けて導かれ、ペーシングエネルギはヘリックス管腔内で且つヘリックスの巻線の間にて外傷を受けた細胞から離れるように導かれるため、電池のエネルギを節約することができる。露出した電極の表面積は、小径の固定ヘリックスの場合でさえ、実質的に減少され、ヘリカル電極の外面が外方に向いているため、最適なインピーダンスを実現する。このヘリカル電極が外方を向いていることは、ヘリックス管腔内又はコイル巻線の隣接する対面した表面の間にて外傷を受けた組織又は心筋まで刺激エネルギを送り出すのを回避することになる。
【0021】
本発明及びその有利な点並びにその特徴のこの概要は、単に、本発明が先行技術にて生じた難点を解決する態様の幾つかを指摘し且つ本発明を先行技術から識別するために掲げたものであり、特許出願にて最初に記載され、最終的に付与される特許請求の範囲の解釈に関して何ら限定的な作用を果たすことを意図するものではない。
【0022】
本発明の上記及びその他の有利な点及び特徴は、その図面の全体に亙って同様の参照番号が同様の部品を表示する、添付図面と関連して検討したとき、以下の詳細な説明を参照することにより、一層良く理解されるに伴い、容易に認識されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下の詳細な説明において、本発明を実施するための一例としての実施の形態に関して説明する。図面は、必ずしも縮尺通りではない。本発明の範囲から逸脱せずに、その他の実施の形態が利用可能であることが理解される。本発明及びその好ましい実施の形態は、単極、双極又は多極、心内膜、心臓ペーシングリード、カルジオバージョン/除細動リードにて、又は心筋内にねじ込まれる末端の固定ヘリックスの一部として形成された少なくとも1つのペース/感知電極を有する監視リードにて採用することができる。生理学的パラメータを感知するその他のセンサをリード本体内に組み込むことが可能であることが理解されよう。
【0024】
リード本体を通って基端方向にリードの基端コネクタ組立体のコネクタ要素まで伸びる絶縁した導電体は、かかるペース/感知電極、感知電極、カルジオバージョン/除細動電極及びセンサの各々に連結される。基端コネクタ組立体は、外部ペースメーカ又はモニター装置を含む外部医療装置、ペーシング、カルジオバージョン/除細動(又はその双方)用の植込み型パルス発生器(IPG)を含む、植込み型医療装置又は植込み型モニター装置のコネクタ組立体に連結し得るようにされている。
【0025】
本発明の方法は、最適なペーシング及び感知インピーダンスを提供すると共に、固定ヘリックスを心筋内にねじ込むことに起因する損傷による外傷を受けない心筋組織に向けて露出した電極表面積を配設するため、末端固定ヘリックスにおける電極表面積を最適にするのに特に有用である。本発明の好ましい実施の形態の心臓リードは、末端の固定ヘリックスを心筋内にねじ込むことができるよう多岐に亙る方法にて心臓の心外膜面又は心内膜面に又は冠状血管内に導入することができる。
【0026】
心外膜植え込み箇所、特に、左心室箇所は、胸部通路を外科的に形成し且つ導入器及びガイドカテーテルを使用することを含む多岐に亙る方法にてアクセスすることができる。心内膜の植え込み箇所は、右心室の頂点、心耳又は右心房の他の箇所及び冠状静脈洞内を含む。
【0027】
便宜上、一例としての心内膜植え込み箇所、特に、冠状静脈洞内及びそこから分枝する血管内の箇所が図1に示されている。図1は、心臓6の対向した後面における冠状静脈系の一部分を示す破線を含んで、心外膜面の回りの冠状静脈系を示す、前方斜視図による心臓6の概略線図である。図1には、また、静脈アクセス箇所(図示せず)から上大静脈(SVC)1を通って心臓6の右心房(RA)2内に伸び且つ、RA2から冠状静脈洞(CSOs)3を通ってCS4内に伸びる、CS4内に心臓リードを配置するため従うことのできる、矢印「A」により規定された通路が示されている。
【0028】
図1に示すように、心臓6の冠状静脈系は、CS4、全てCS4から分枝する、中間心臓静脈(MCV)13、後方心臓静脈(PCV)12、後方−側方心臓静脈(PLV)11、大心臓静脈(GCV)9、側方心臓静脈(LCV)10を含んで、そこから分枝する血管を含む。一般的に説明して、CS4の末端部分及びMCV13、PCV12、PLV11、GCV9、LCV10の少なくとも一部分を含む分枝血管は、心臓6の外面を画成し且つ心臓筋肉、すなわち心筋を取り囲む心外膜内に植え込まれる。心外膜の一部分は、取り囲む心臓嚢すなわち、心膜(図示せず)から隔てられ、これにより心膜腔が心臓6の隔てられた心外膜を取り囲む。このように、CS4の末端部分の血管壁及びMCV13、PCV12、PLV11、GCV9、LCV10の少なくとも一部分を含む、分枝する血管の血管壁は、心膜腔に部分的に露出され又は心膜に接着され且つ、下側の心筋に部分的に植え込まれる。技術用語の便宜上、心膜に向けて配設された血管壁は、「心臓から離れて」配設されていると説明する一方、心筋に向けて配設された血管壁は、「心臓に向けて」配設されているとして説明される。
【0029】
心臓病の患者にて、上述した型式のCSリードは、SVC1及びRA2を通ってCS4内に伸びる経路「A」を通して前進させ、末端側ペース/感知電極の1つ又は1対をLV箇所にてCS4から分枝する血管の1つ内に配設する。RVリードは、SVC1、RA2、三尖弁を通して前進させ、末端側ペース/感知電極は、例えば、RV頂点又はRV及びLV室を分離する隔膜に沿ってRV8のRVペース/感知箇所に固定する。RVリードは、好ましくは、アクティブ又はパッシブ固定機構を有する当該技術にて既知の任意の機能を果たすことができる。
【0030】
CSリード及びRVリードの基端側コネクタは、皮下的に植え込んだペーシングIPG又はICD IPG(図示せず)のコネクタヘッダに連結される。IPGは、ペース/感知電極箇所にて検出された心臓信号を感知し且つ処理し、必要に応じてペース/感知箇所にて同期化したRV及びLVペーシングを提供することができる。心臓6の血流力学的拍出量を向上させ得るようRV8及びLV7を同期的に作動させるかかるIPGのペーシング及び感知する機能は、例えば、同時譲渡した米国特許明細書5,902,324号に開示されており且つ、例えば、メドトロニクス(MEDTRONIC)(登録商標名)InSync マーキース(InSync Marquis)(登録商標名) ICD IPGにて具体化されている。
【0031】
LV7の後発励起領域内にてCSペース/感知電極箇所が選ばれるとき、血流力学的拍出量は増加する。LV7の後発励起領域は、PLV11、LCV10、GCV9又はGCV9との接続点付近のCS4の下側の心筋内にて見られる。更に、ペース/感知電極が励起可能な心筋組織と密着する状態にて配設されたとき、ペーシング及び感知機能は最適となる。このように、CSペース/感知電極は、経路「A」を通って選んだ後発励起領域の箇所まで前進させ且つ固定して、CSペース/感知電極が心臓6に向けて配設され且つ、心臓6から離れた位置に配設されないようにする。この固定は、心臓6に向けて導かれ且つ心臓壁を通して心筋内にねじ止めされるアクティブな固定ヘリックスを使用することにより実現される。
【0032】
RA2、RV8、CS4及びそこから分枝する血管内の固定箇所まで導入された心内膜リードのリード本体は、典型的に、絶縁性外側シースにより取り囲まれた1つ又はより多くの絶縁した導電性ワイヤーを備えている。導電性ワイヤーの各々は、基端リードコネクタ要素を末端刺激電極及び(又は)感知電極に連結する。リード末端に単一の刺激電極及び(又は)感知電極、単一の導体及び単一のコネクタ要素を有する心外膜リード及び心内膜リードは単極リードと称する。リード末端に2つ又はより多くの刺激及び(又は)感知電極、2つ又はより多くのそれぞれの導体、2つ又はより多くのそれぞれのコネクタ要素を有する心外膜リード及び心内膜リードは、それぞれ双極リード又は多極リードと称する。
【0033】
本発明が具体化されるアクティブな固定心臓リード20の典型例が図2に概略図的に示されている。心臓リード20は、基端側コネクタ22と末端24との間を伸びる細長いリード本体21を有する。
【0034】
鋭角な突き刺し先端251を有するヘリカル固定要素すなわちヘリックス25は、リード本体の末端24から末端方向に伸びている。心臓リード20は、心内膜又は心外膜植え込み双方のため、単極又は双極又は多極リードの形態とすることができる。心臓リードの末端固定ヘリックス25は、RA2又はRV8の任意の箇所にて又は経路「A」を通ってCS又はそこから枝分れする血管まで前進させることによりアクセスされる任意の箇所にて心筋内に固定することができる。更に、心臓リード20は、例えば、上述した仕方にて心外膜の植え込み箇所まで導入することができる。
【0035】
ペーシングリード20は、その長さに沿って実質的に等直径であり、リード本体21及び固定ヘリックス25の外径は、約1フランス(0.33mm)ないし3フランス(1.00mm)の範囲にある。リード本体21は、内側管腔を有しないため、リード本体21の外径は、この例にて小さくなる。しかし、本発明の特徴は、1つ又はより多くの管腔を有するリード本体と共に採用することが可能であることが理解されよう。
【0036】
図2に示したこの例において、リード本体21は、内側シース29の内側シース管腔内に配設された撚った導電性又は非導電性フィラメントケーブル28にて出来ている一方、該内側シースは、コイル27のコイル管腔を貫通して伸びている。コイル27、内側シース29及びケーブル28の組立体は、外側シース26の外側シース管腔を通して装着される。
【0037】
コイル27は、トルクを基端コネクタ組立体22から心臓リード20の末端24の固定要素25まで十分伝達し得るよう十分に剛性な任意の生物安定性で且つ生物適合性材料にて形成される。コイル27がリード導体として機能するとき、コイル27は、当該技術にて周知のMP35−N合金又は多数回の反復的な曲げ及びねじり応力を受けた後に電流を確実に伝達することができる任意のその他の生物安定性で且つ生物適合性材料で出来た単一又は多数のワイヤーフィラーにて形成されることが好ましい。
【0038】
内側ケーブル28は、内側ケーブルがリード導体として機能するとき、合成フィラメント又は導電性金属ワイヤーにて形成される。内側ケーブル28の基端及び末端は、コネクタピン23に又はコネクタ組立体22内にて及び固定ヘリックス25にそれぞれ連結され、リード本体21に対し引っ張り強度を提供する。
【0039】
外側シース26は、当該技術にて周知のシリコーンゴム又はポリウレタン又は任意のその他の可撓性、生物安定性で且つ生物適合性の電気的絶縁性のポリマー材料の何れかにて形成される。内側シース29は、内側ケーブル28を機械的応力又は加水分解から保護し且つ、内側ケーブル28をワイヤーコイル27との接触から電気的に絶縁する生物安定性で且つ生物適合性の可撓性のポリマー被覆又は管にて同様に形成される。内側シース29は、シリコーンゴム化合物、ポリウレタン及びフルオロポリマーを含む、当該技術にて既知の材料を含む、可撓性、生物安定性で且つ生物適合性の電気的絶縁性材料にて形成することができる。
【0040】
単極及び双極の心臓リードの双方の実施の形態において、基端コネクタ組立体22は、末端側固定ヘリックス25がペース/感知電極として機能するとき、典型的に、末端側固定ヘリックス25と接続されるコネクタピン23を有している。双極心臓リードの実施の形態において、基端コネクタ組立体22は、固定ヘリックス25の基端にて外側シース26によって支持されたリング形状のペース/感知電極30(破線で図示)に電気的に連結されるコネクタリング32(破線にて図示)を有する。コネクタ組立体22は、上述したように、IPGのコネクタヘッダのコネクタブロックの穴内に挿入され、末端側ペース/感知電極とIPG感知及び(又は)ペーシングパルス発生回路とを電気的に接続するような形状とされている。固定ヘリックス25は、以下に説明するように、突き刺し先端251が固定箇所まで前進し且つ、固定箇所に向けて向き決めされたとき、リード本体21を基端側コネクタ組立体22から回転させることにより、心筋内にねじ込み得るようにされている。
【0041】
心臓リード20の単極の実施の形態において、内側ケーブル28は非導電性であり、コイル27の基端はコネクタピン23に連結され、コイル27の末端は固定ヘリックス25の基端に連結される。コイル27の基端及び末端は、当該技術にて既知の一般的な溶接又はクリンピング技術を使用してコネクタピン23及び固定ヘリックス25にそれぞれ溶接され又はクリンプ止めされる。内側ケーブル28の基端及び末端は、当該技術にて既知の一般的な溶接又はクリンピング技術を使用してコネクタピン23又はコネクタ組立体22及び固定ヘリックス25にそれぞれクリンプ止めされる。
【0042】
内側ケーブルが非導電性である代替的な単極の実施の形態において、ヘリックス固定要素25は、固定する機能のみを提供し、ペース/感知電極として機能しない。コイル27の基端は、コネクタピン23に連結され、コイル27の末端は、リード本体21の末端部分の回りに同軸状に組み込まれたリング形状のペース/感知電極30に連結される。リング形状ペース/感知電極30と固定ヘリックス25との間の間隔31は、約0.508mm(0.02インチ)以下であり、固定ヘリックス25が心筋内に固定されたとき、リング形状のペース/感知電極30を組織と接触するよう固定箇所に十分近い位置に配置することができる。
【0043】
心臓リード20の更なる代替的な単極の実施の形態において、内側ケーブル28は導電性であり、基端及び末端のケーブル端部は、クリンピング又は溶接又はその他の既知の技術によってコネクタピン23及びヘリックス固定要素25に電気的に連結される。内側シース29は、内側ケーブル28をコイル27から電気的に絶縁し、該内側シースは、リード本体21に対し捩れ剛性を提供する構造的要素としてのみ機能する。これと代替的に、導電性内側ケーブル28及びワイヤー27の基端及び末端は、冗長型単極リード導体を提供し得るよう互いに電気的に接続することができる。導電性内側ケーブル28は、当該技術にて周知のMP35−N合金で出来たワイヤーストランド又はフィラメントにて又は多数回の反復的な曲げ及び捩り応力を受けた後、電流を確実に伝達することのできる任意のその他の生物安定性で且つ生物適合性の材料にて形成されることが好ましい。
【0044】
心臓リード20の双極の実施の形態において、コイル27及び内側ケーブル28の双方は、上述したようにリード導体であり、これらのリード導体は、内側シース29によって互いに電気的に絶縁されている。リング形状のペース/感知電極30は、白金合金にて形成されることが好ましいが、パラジウム、チタン、タンタル、ロジウム、イリジウム、炭素、ガラス質炭素及び合金、かかる金属又はその他の導電性又は半導性材料の酸化物及び窒化物を含むが、これらにのみ限定されないその他の材料も使用可能である。勿論、一部の材料は、その他のものと不適合であり、互いに効果的に使用することはできないこともある。その他のものと使用される特定の材料の制限は当該技術にて周知である。コイル27の基端及び末端は、クリンピング又は溶接によりコネクタリング32及びリング形状のペース/感知電極30にそれぞれ電気的に且つ機械的に連結される。内側ケーブル28の基端及び末端は、クリンピング又は溶接によりコネクタピン23及び末端側固定ヘリックス25にそれぞれ電気的に且つ機械的に連結される。
【0045】
リング形状ペース/感知電極30と固定ヘリックス25との間の間隔31は、内側電極の双極ペース/感知電極間の間隔に対しペーシング技術にて周知の範囲である、約5.08mm(0.2インチ)ないし10.16mm(0.4インチ)の範囲にあるものとする。
【0046】
リード末端24の基端側に配置されたC/D電極の末端から外側シース21に沿って所定の距離だけ基端方向に伸びる細長いカルジオバージョン/除細動(C/D)電極を有する、一例としてのアクティブな固定リード20を形成することもできる。ワイヤーコイル27の基端及び末端は、コネクタリング32及び細長いC/D電極にそれぞれ電気的に且つ機械的に連結されよう。内側ケーブル28の基端及び末端は、クリンピング又は溶接によりコネクタピン23及び末端固定ヘリックス25にそれぞれ電気的に且つ機械的に連結されよう。
【0047】
ステロイドを溶出させる手段は、植え込んだ後のインピーダンスの上昇に反作用すべく末端24付近にて一例としてのアクティブな固定心臓リード20の上述した実施の形態の任意のものに組み込むことができる。かかるステロイド溶出手段は、シリコーンゴムにて出来ており且つ、水溶性のステロイドデキサメタゾンリン酸ナトリウムのようなデキサメタゾンの誘導体が装填されることが好ましいモノリシックな解放制御型装置(MCRD)の形態をとることができる。MCRDの構造及び製造方法は、同時譲渡された米国特許明細書4,506,680号、米国特許明細書4,577,642号、米国特許明細書4,606,118号、米国特許明細書4,711,251号及び米国特許明細書5,282,844号に見られる。これと代替的に、ジプロピオン酸ベクロメタゾン又は酢酸デキサメタゾンのような僅かに水溶性のステロイドのみを保持するステロイド被覆をリング形状のペース/感知電極30及び(又は)固定ヘリックス25の表面に施してもよい。ステロイド被覆の組成及び施工方法は、同時譲渡された米国特許明細書5,987,746号に見られる。ステロイド被覆は、リング形状のペース/感知電極30及び(又は)固定ヘリックス25の構造的一体性を保持し且つ、MCRDよりも狭い空間を占めつつ、表面又は表面の一部に直接、施すことができる。
【0048】
かかる一例によるアクティブ固定心臓リード20は、図1の経路「A」を通して前進されるガイドカテーテルを使用することを通じてCSリードとして採用し、固定ヘリックス25を冠状脈管組織内の固定箇所に配置し且つ、コネクタ組立体22を回転させ、固定ヘリックス25を血管壁を通して且つ心筋内にねじ込む前に、ヘリックス先端251を心臓に向けて狙い定めることができる。
【0049】
例えば、同時譲渡された米国特許明細書5,246,014号及び米国特許明細書6,408,214号に示された1つの方策において、リード本体は、更なるシース又は導入器の管腔内に収納され、また、リード及び導入器はガイドカテーテルの管腔内に配設される。固定ヘリックスは、リード末端の固定ヘリックスを経静脈経路及び心室又は冠状血管を通して前進させ、固定ヘリックスを植え込み箇所付近に配設する間、カテーテル管腔内に配置される。
【0050】
固定ヘリックスを心臓嚢の最小侵襲性外科的露出部を通じて心臓の心外膜まで前進させ且つ、固定ヘリックスを心筋内にねじ止めするため、同様の方策が採用されている。かかる心外膜ねじ込めリードの初期の例は、例えば、米国特許明細書3,472,234号、米国特許明細書3,416,534号、米国特許明細書3,737,579号、米国特許明細書4,000,745号及び米国特許明細書4,010,758号に示されている。
【0051】
図2に示すように、固定ヘリックス25は、ヘリックスの取り付け端からヘリックス先端35にて終わる末端まで伸びており、該ヘリックス先端は、ヘリックス25が植え込み箇所に確実に固定すべく身体組織内にねじ込まれたとき、身体組織に侵入する形状とされている。本発明に従い、固定ヘリックス25は、図3ないし図8に示した一例による方法又はヘリックス管腔に向けて配設された各コイル巻線部の内側ヘリカル面の少なくとも一部分を被覆する絶縁性材料の層又は被覆42又は142を有する図9ないし図12に示した変更例による方法に従って製造される。被覆42又は142が施された後、コイルの各巻線部の非被覆のヘリカル外面の少なくとも一部分は、非絶縁の外側ヘリカル電極40又は140を備えている。外側ヘリカル電極40又は140は、植え込んだとき、刺激電極及び感知電極として機能するようヘリックス管腔から離れて身体組織に向けて配設される。
【0052】
固定ヘリックス25が上述した代替的な心内膜及び心外膜単極及び双極又は多極の実施の形態の任意のものにおけるように、ペーシングリードのペース/感知電極として機能するとき、固定ヘリックス25は、図3に示すように白金イリジウム合金ワイヤー36にて形成されることが好ましい。パラジウム、チタン、タンタル、ロジウム、炭素、ガラス質炭素及び合金、かかる金属又はその他の導電性又は当該技術にて周知の半導性材料の酸化物及び窒化物を含むが、これらにのみ限定されないその他の生物適合性で且つ生物安定性の材料を使用して、ワイヤー36を形成することも可能であることが理解される。
【0053】
図3に示すように、導電性ワイヤー36は、コイル巻線部の内径ID内にヘリックス管腔を画成するよう巻かれた少なくとも1つのコイル巻線(この例において、約3つの巻線部)を備えるコイル37となるように形成されることが好ましい。コイル37は、ヘリックスを製造する間、使用される支持体から又は固定ヘリックス25をリード本体内にて導体の末端に取り付けるため使用されるであろうクリンプ管50から伸びている。コイル37は、この例にて、クリンプ管50の回りに巻かれ、固定ヘリックスの取り付け端が形成されるようにする。コイル37の自由端は、ヘリックス25が身体組織内にねじ込まれ、植え込み箇所への固定を確実にするとき、身体組織に侵入するヘリックス先端35を形成する形状とされている。このように、一定のピッチPにてコイル長さCLを通り且つヘリックスの外径を画成するコイル外径OD、また、ヘリックス管腔の直径を画成するコイル内径IDを通じて巻かれた空間である複数のコイル巻線部が図3に示されている。該空間の巻線部は、隣接するコイル巻線部の対面する表面間に空間が存在することを保証する。
【0054】
1つの好ましい実施の形態において、ワイヤー36は0.25mmの直径を有し、ピッチPは1.0mm、コイルODは1.6mm、コイルIDは1.1mm及びコイル長さCLは1.8mmであり4.2mmのヘリックス表面積を提供する。これらの寸法は、2.0mmないし10.0mmの範囲のヘリックス表面積を提供し得るよう変更することができる。本発明は、相対的に大きい直径の固定ヘリックスの電極表面積を選択的に減少させるべく採用することができ、この相対的に大きい直径の固定ヘリックスは、電極の表面積を植え込み箇所にて生存する励起可能な身体組織に向けて望ましいように向き決めしつつ、堅固な固定状態を提供する。例えば、約4.2mmの全表面積を有する固定ヘリックスの電極表面積は、約0.8mmないし2.1mmの範囲となるように選ぶことができる。本発明に従ってヘリックスの表面積の約10%ないし約50%を被覆することができる。
【0055】
ワイヤー36のコイル巻線部の表面は、表面処理し又は窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒、カーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆してパルス送り出し後の分極を減少させ且つ、インピーダンスの変化を安定化させるべく組織−電極境界面の特徴を向上させる、表面テクスチャを形成することができる。望ましくは、被覆又は表面処理は、以下に更に説明するように、絶縁性材料の被覆42をヘリカル内面に施す前に行うことができる。これと代替的に、非絶縁の外側ヘリカル電極40における被覆又は表面処理は、ヘリカル内面における絶縁性材料の被覆42の施工に従って行ってもよい。
【0056】
本発明の被覆方法において、絶縁層は、ヘリックス管腔に向けて配設された各コイル巻線部のヘリカル内面の少なくとも一部分上に施され、これによりコイル各巻線部のヘリカル外面の少なくとも一部分は、非絶縁状態となる。絶縁性材料を施す方法は、コイル37が別個の部品であるときに、すなわちコイル37をリード本体に取り付ける前に、実行することができる。
【0057】
この方策は、固定ヘリックスが上述したようにリード本体の末端のキャビティ又は室から前進させ得るようにされるときに必要であろう。これと代替的に、絶縁性材料を施す方法は、コイル37がリード本体に固定され、図2に示した固定ヘリックスペーシングリードにて示した態様にて末端方向に伸びた後に、実行してもよい。便宜上、絶縁性材料を施す方法は、リード本体に及びリード本体内の導電体の末端に取り付けられる部品として固定ヘリックス25の製造を完了すべく実行されるものと想定する。
【0058】
図5及び図6を参照すると、管壁62、管腔64、少なくともコイル37と同一長さの管の長さ、ヘリックス外径ODと相関したマスキング管の管腔直径とを有するマスキング管60が提供される。ワイヤーコイル37のヘリカル外面とマスキング管の管腔の直径との間にて締まり嵌めすることが好ましい。マスキング管60は、コイル37を受容し得るよう延伸する可撓性のポリマー材料、例えば、シリコーンゴムにて形成されることが好ましい。このようにして、コイル37は、マスキング管の管腔64内に嵌まり、管壁62と密着した各コイル巻線部のマスキングしたへリカル外面44と、絶縁性材料による被覆に露出されたヘリカル内面46とを提供する。好ましくは、互いに対面する隣接したコイル巻線部の少なくとも一部分は、マスキング管の管腔64内にて露出されるものとする。
【0059】
次に、シリコーンゴム、パリレン、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシドから成る群から選ばれたポリマーがマスキング管管腔64内にて各コイル巻線部のヘリカル内面に堆積される。例えば、マスキング管60、コイル37及びクリンプ管50の組立体がポリパラキシリレンを真空室内に送り出す、パリレン真空堆積システムの真空室内に配置される。パリレン被覆は、内側ヘリカル面46上に堆積させ、内側ヘリカル絶縁性被覆42を形成する。
【0060】
被覆が凝固した後にマスキング管60を除去し、図7及び図8に示した形成される固定ヘリックス25は、マスキングしたヘリカル外面44の領域内にて非絶縁の露出した外側ヘリカル電極40及び露出したヘリカル内面46上に絶縁性被覆42を有する。次に、例えば、図2のペーシングリード20のような、任意の特定の電気的医療リードを製造するため採用した方法に従って、固定ヘリックス25をリード本体に組み付ける。上述したように、図3ないし図8に示した過程は、特に、コイル37がリード本体の末端キャビティ内に後退し且つ、末端キャビティから伸びることができない場合、リード本体の末端に既に固定されたコイル37に対して適用することができる。
【0061】
連続した外側ヘリカル電極140を有する、図11及び図12に示した固定ヘリックス125となる代替的な製造方法が図9及び図10に示されている。この方法において、管壁162と、管の管腔164と、コイル37と少なくとも等しい長さの管の長さと、ヘリックスの外径ODと相関したマスキング管の管腔径とを有するマスキング管160が提供される。外面44の1つ又はより多くの領域又は部分を露出させる細長い開口170が管壁162を通して提供される。図示した例において、開口170は、マスキング管160の実質的な長さに亙って伸びる管壁162を通るスリットを備えている。マスキング管160は、ワイヤーコイル37のヘリカル外面44とマスキング管壁162との間に締まり嵌めを提供する寸法とされている。この場合にも、マスキング管160は、コイル37を受容し得るよう延伸する、例えば、シリコーンゴムのような可撓性のポリマー材料にて形成されることが好ましい。このようにして、コイル37は、マスキング管の管腔164内に嵌まり、管壁162と密着した各コイル巻線のマスキングしたヘリカル外面144と、絶縁性材料による被覆に対して露出された露出したヘリカル内面146とを提供する。更に、各コイル巻線部の一部分は、開口170を通して露出される。この方法において、パリレン(又はその他のポリマー)被覆は、上述したようにマスキング管の管腔164内に施され、また、図9及び図10に示したように、開口170を通しても施される。この場合にも、マスキング管160を除去し、形成される被覆材料はバンド部172、174、176の開口170を横断してコイル巻線部のワイヤー36の周縁の回りを伸びる。
【0062】
図11及び図12に示すように、形成される固定ヘリックス125は、絶縁層バンド部172、174、176により中断される外側ヘリカル電極140を有する。バンド部172、174、176の数及び表面積は、開口170の長さ及び幅を選び且つ、マスキング管160の周縁の回りに更なる開口を含めることにより、選択的に制御することができる。このようにして、外側ヘリカル電極140の形成される表面積は、任意の所期の植え込み箇所に適するよう見られるように特別注文品のように形成することができる。
【0063】
このように、心筋内に固定した後、露出した外側ヘリカル電極40、140は、生存する励起可能な心筋細胞に向け、また、ペーシングエネルギは、ヘリックス管腔内で且つスパイラルコイル巻線の間の外傷を負った細胞から離れるように向けられるため、電池エネルギを節約することができる。露出した電極表面積は、ヘリックス管腔内に又はコイル巻線部の隣接した対面する表面の間にて外傷を負った組織又は心筋細胞に刺激エネルギを送り出すのを回避する、外側ヘリカル電極面の外方に向き決めされるため、小径の固定ヘリックスの場合でさえ、露出した電極の表面積を実質的に減少させ、最適なインピーダンスを実現することができる。好ましい実施の形態において、ヘリックスは、白金金属又は白金合金にて形成され、非絶縁のヘリカル外面は、窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒及びカーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆される。
【0064】
本発明の好ましい実施の形態はまた、上述したように、ステロイド被覆を固定ヘリックス25、125に施すステップも含み、このステロイドは、固定ヘリックスが形成される間又は形成された後に施される。この点に関して、ステロイド被覆を施す1つの好ましい方法は、例えば、被覆を形成するよう堆積させたシリコーンゴム又はポリウレタン化合物のような絶縁性材料とステロイドとを分子的に結合させることである。これと代替的に、マスキング管60又は160を除去する前に、ステロイドを絶縁性材料の被覆に堆積させてもよい。適宜なステロイドは、水溶性ステロイドデキサメタゾンリン酸ナトリウム、ジプロピオン酸ベクロメタゾン及び酢酸デキサメタゾンのようなデキサメタゾンの誘導体を含む。
【0065】
結論
本明細書に記載した全ての特許明細書及び公開物は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含められている。
【0066】
本発明の特定の実施の形態を詳細に開示したが、これは、単に説明の目的のためであり、本発明の範囲を特許請求の範囲に規定された範囲に限定することを意図するものではない。請求項の精神及び範囲から逸脱せずに、開示した実施の形態に対し色々な置換、変化、変更例を加えることが可能であることを理解すべきである。上述した具体例は、単に当該発明者達が現在、好ましい又は意図するものに過ぎず、本発明の範囲が開示された実施の形態に限定されるものとみなすべきではない。このため、特許請求の範囲内にて、本発明は、本発明の精神及び範囲から実際に逸脱せずに、特に説明された以外の形態にて実施することが可能であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】心臓の対向する後側心外膜面における冠状静脈系の一部分を示す破線を含む、心臓の心外膜面の回りの冠状静脈系を示す前方斜視図から見たときの心臓の概略線図である。
【図2】露出した電極の表面積を最適にし且つ、固定ヘリックスを心筋内にねじ込むことに起因する損傷による外傷が少ない心筋組織に向けて露出した電極の表面積を配設すべく、ペース/感知電極として機能する末端の固定ヘリックスと、選択的に施された絶縁体とを有する、ペーシングリードの部分露出断面図とした平面図である。
【図3】図2のペーシングリードのリード本体に組み付ける前に表面被覆のため取り付けられた末端固定ヘリックスの平面図である。
【図4】図3の末端固定ヘリックスの端面図である。
【図5】絶縁被覆を固定ヘリックスの巻線部のヘリカル内面上に堆積させる間、マスキング管の管腔内に装着された図3及び図4の末端固定ヘリックスの平面図である。
【図6】絶縁性被覆を堆積する間、マスキング管の管腔内に装着された図3及び図4の末端固定ヘリックスの端面図である。
【図7】固定ヘリックスの巻線のヘリカル内面上に絶縁性被覆を堆積させた後、マスキング管を除去したときで且つ、固定ヘリックスの巻線部のヘリカル外面上にて露出したペース/感知電極を示す、末端固定ヘリックスの平面図である。
【図8】図7の末端固定ヘリックスの端面図である。
【図9】固定ヘリックスの巻線部のヘリカル内面及びヘリカル外面の別個の領域上に絶縁性被覆を堆積する間、管の側壁を貫通する開口を有するマスキング管の管腔内に装着された末端固定ヘリックスの更なる実施の形態を示す平面図である。
【図10】絶縁性被覆を堆積する間、マスキング管の管腔内に装着された図9の末端固定ヘリックスの端面図である。
【図11】固定ヘリックスの巻線のヘリカル内面上に絶縁性被覆を堆積させた後、マスキング管を除去したときで且つ、固定ヘリックスの巻線部のヘリカル外面上にて露出したペース/感知電極を示す、末端固定ヘリックスの平面図である。
【図12】図11の末端固定ヘリックスの端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的刺激を植込み型刺激器から植え込み箇所まで伝達すると共に、身体の電気信号を植え込み箇所から植込み型又は外部の刺激器まで伝達すべく植え込み箇所にて身体内に植え込み得るようにされた電気的医療リードにおいて、
リード本体の基端からリード本体の末端まで伸びる細長いリード本体と、
リード本体の基端におけるリードコネクタ要素と、
リード本体内に収納され且つ第一のリードコネクタ要素に電気的に連結されたリード導体と、
リード導体に電気的に連結されたリード本体の末端に取り付けられたアクティブな固定ヘリックス(螺旋体)(active fixation helix)であって、ヘリックス(螺旋形)管腔の回りに巻かれ且つ、ヘリックス(螺旋体)の取り付け端からヘリックス先端まで末端方向に伸びる少なくとも1つのコイル巻線部を有し、該へリックス先端は、ヘリックスが身体組織内にねじ込まれて植え込み箇所への固定を確実にするとき、身体組織に侵入する形状とされた前記アクティブな固定ヘリックスと、
ヘリックス(螺旋形)管腔に向けて配設された各コイル巻線部の内側ヘリカル面の少なくとも一部分を被覆する絶縁層であって、これにより、各コイル巻線部の外側ヘリカル面の少なくとも一部分は非絶縁状態とされ、非絶縁の外側ヘリカル面は、ヘリックス管腔から離れて身体組織に向けて配設された外側ヘリカル電極として機能するようにした前記絶縁層とを備える、電気的医療リード。
【請求項2】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
固定ヘリックスは、一定のピッチにて且つ、ヘリックスの取り付け端からヘリックス先端まで一定の内径及び外径にて巻かれ、これにより、隣接するコイル巻線部の対面する面の間に空間を画成する複数のコイル巻線部を備え、
絶縁層は、対面する面の少なくとも一部分を被覆する、電気的医療リード。
【請求項3】
請求項2に記載の電気的医療リードにおいて、
ヘリックスは、白金金属又は白金合金にて形成され、
非絶縁のヘリカル外面は、窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒及びカーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆される、電気的医療リード。
【請求項4】
請求項2に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、ヘリックス先端への取り付け箇所の間にて実質的に伸びる連続的なバンド内にある、電気的医療リード。
【請求項5】
請求項4に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有する、電気的医療リード。
【請求項6】
請求項2に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、取り付け箇所とヘリックス先端との間にてヘリカル外面に沿って施された絶縁層によって中断される、電気的医療リード。
【請求項7】
請求項6に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有する、電気的医療リード。
【請求項8】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
ヘリックスは、白金金属又は白金合金にて形成され、
非絶縁のヘリカル外面は、窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒及びカーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆される、電気的医療リード。
【請求項9】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、実質的に取り付け箇所の間にてヘリックス先端まで伸びる連続的なバンドにある、電気的医療リード。
【請求項10】
請求項4に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有する、電気的医療リード。
【請求項11】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、取り付け箇所とヘリックス先端との間にてヘリカル外面に沿って施された絶縁層によって中断される、電気的医療リード。
【請求項12】
請求項11に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有する、電気的医療リード。
【請求項13】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
非絶縁のヘリカル外面は、全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有する、電気的医療リード。
【請求項14】
請求項13に記載の電気的医療リードにおいて、
ヘリックスは、白金金属又は白金合金にて形成され、
非絶縁のヘリカル外面は、窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒及びカーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆される、電気的医療リード。
【請求項15】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
絶縁層は、シリコーンゴム、パリレン、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシドから成る群から選ばれる、電気的医療リード。
【請求項16】
請求項1に記載の電気的医療リードにおいて、
デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、ジプロピオン酸ベクロメタゾン及び酢酸デキサメタゾンの誘導体から成る群から選ばれたステロイドは、絶縁層の少なくとも一部分に施され又は該少なくとも一部分内に組み込まれる、電気的医療リード。
【請求項17】
電気的刺激を植込み型刺激器から植え込み箇所まで伝達すると共に、身体の電気信号を植え込み箇所から植込み型又は外部の刺激器まで伝達すべく植え込み箇所にて身体内に植え込み得るようにされた電気的医療リードを製造する方法において、
リード本体の基端からリード導体を収納するリード本体の末端まで伸びる細長いリード本体を形成するステップと、
リード本体の基端におけるリードコネクタ要素を形成するステップと、
リード導体を第一のリードコネクタ要素に電気的に連結するステップと、
アクティブな固定ヘリックスを製造するステップであって、
ヘリックス管腔の回りに巻かれた少なくとも1つのコイル巻線部を備えるへリックスであって、ヘリックスの取り付け端からヘリックス先端にて終わる末端まで伸び、前記へリックス先端は、ヘリックスが身体組織内にねじ込まれて植え込み箇所への固定を確実にするとき、身体組織に侵入する形状とされた前記へリックスとなるように導電性ワイヤーを形成するステップと、
ヘリックス管腔に向けて配設された各コイル巻線部の内側ヘリカル面の少なくとも一部分の上に絶縁層を施し、これにより各コイル巻線部の外側ヘリカル面の少なくとも一部分が非絶縁状態とされるようにするステップと、
固定ヘリックスの固定端をリード本体の末端に取り付けるステップと、
固定ヘリックスをリード導体に電気的に連結し、これにより非絶縁の外側ヘリカル面がヘリックス管腔から離れて身体組織に向けて配設され外側ヘリカル電極として機能するようにするステップとによって前記アクティブな固定ヘリックスを製造するステップとを備える、電気的医療リードを製造する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
ヘリックスを形成するステップは、一定のピッチにて及びへリックス管腔及びへリックス外径を画成するコイル径にて巻かれた複数のコイル巻線部と、隣接する巻線部の対面する面の間の空間とを形成するステップを備え、
前記施すステップは、
管壁と、管の管腔と、管の長さと、ヘリックス外径と相関させた管の管腔径とを有するマスキング管を提供するステップと、
各コイル巻線部のヘリカル外面が管壁と接触し且つ、マスキング管によりマスキングされた状態にてヘリックス巻線部を管の管腔内に装着するステップと、
絶縁材料を管の管腔内に施して管の管腔内の各コイル巻線部の内側ヘリカル面を被覆するステップとを備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記施すステップは、管の管腔内にて各コイル巻線部のヘリカル内面に、シリコーンゴム、パリレン、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシドから成る群から選ばれたポリマーを堆積させるステップを備える、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
前記施すステップは、絶縁層の少なくとも一部分に又は該少なくとも一部分内に、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、ジプロピオン酸ベクロメタゾン及び酢酸デキサメタゾンの誘導体から成る群から選ばれたステロイドを施すステップを備える、方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法において、
ヘリックスを形成するステップは、一定のピッチにて及びへリックス管腔径及びへリックス外径を画成するコイル径にて巻かれた複数のコイル巻線部と、隣接する巻線部の対面する面の間の空間とを形成するステップを備え、
前記施すステップは、
管壁と、管の管腔と、管の長さと、ヘリックス外径と相関させた管の管腔径と、管壁を通って管の管腔に達する少なくとも1つの管壁の開口とを有するマスキング管を提供するステップと、
各コイル巻線部のヘリカル外面が管壁と接触し且つ、マスキング管によりマスキングされ、ヘリカル外面の少なくとも一部分が管壁の開口を通して露出された状態にてヘリックス巻線部を管の管腔内に装着するステップと、
絶縁材料を管の管腔内に施して管の管腔内にて且つ、管壁の開口を通して各コイル巻線部の内側ヘリカル面を被覆し、
これにより、非絶縁のヘリカル外面が管壁の開口を通してヘリカル外面まで施された絶縁層により中断されるようにするステップとを備える、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記施すステップは、管の管腔内にて各コイル巻線部のヘリカル内面に、シリコーンゴム、パリレン、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシドから成る群から選ばれたポリマーを堆積させるステップを備える、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、前記施すステップは、
絶縁層の少なくとも一部分に又は該少なくとも一部分内に、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、ジプロピオン酸ベクロメタゾン及び酢酸デキサメタゾンの誘導体から成る群から選ばれたステロイドを施すステップを備える、方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法において、
前記施すステップは、管の管腔内にて各コイル巻線部の内側ヘリカル面に、シリコーンゴム、パリレン、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエポキシドから成る群から選ばれたポリマーを堆積させるステップを備える、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法において、
前記施すステップは、絶縁層の少なくとも一部分に又は該少なくとも一部分内に、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、ジプロピオン酸ベクロメタゾン及び酢酸デキサメタゾンの誘導体から成る群から選ばれたステロイドを施すステップを更に備える、方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法において、アクティブな固定ヘリックスを製造するステップは、
白金金属又は白金合金のワイヤーをコイルに形成するステップと、
コイルの外面を窒化チタン、酸化イリジウム、白金黒及びカーボンナノチューブから成る群から選ばれた被覆にて被覆するステップとを備える、方法。
【請求項27】
請求項17に記載の方法において、
前記施すステップは、ヘリックス管腔に向けて配設された各コイル巻線部のヘリカル内面の少なくとも一部分の上に絶縁層を施すステップを備え、
非絶縁のヘリカル外面は、ヘリックス先端への取り付け箇所の間にて実質的に伸びる連続的なバンド内にある、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
前記施すステップは、非絶縁のヘリカル外面がヘリックスの全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有するように絶縁層を施すステップを備える、方法。
【請求項29】
請求項17に記載の方法において、
前記施すステップは、非絶縁のヘリカル外面がヘリックスの全表面積の約10%ないし約50%の範囲の表面積を有するようにヘリックス管腔に向けて配設された各コイル巻線部のヘリカル内面の少なくとも一部分の上に絶縁層を施すステップを備える、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、
前記施すステップは、ヘリカル外面の少なくとも一部分の上に絶縁層を施すステップを備える、方法。
【請求項31】
請求項17に記載の方法において、
前記施すステップは、ヘリカル外面の少なくとも一部分の上に絶縁層を施すステップを備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−521581(P2008−521581A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544584(P2007−544584)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/043887
【国際公開番号】WO2006/060760
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【住所又は居所原語表記】710Medtronic Parkway,Minneapolis,Minnesota 55432,U.S.A
【Fターム(参考)】