説明

電気着火式炭火ロースターとその使用法

【課題】電気ヒーターの風吹出しノズルと、コンロの通風トンネルとの位置合わせ作業を不要化し、着火燃焼効率の向上を図る。
【解決手段】コンロ(24)の胴面に1個の通風トンネル(25)と複数の分散孔(26a)(26b)とを開口分布させ、その通風トンネル(25)から電気ヒーター(41)の発熱を熱風として投射させる。コンロ(24)を包囲する内箱(11)のコンロ受け座面(12)に、上記通風トンネル(25)と係止するコンロ用廻り止め板片(15)を固着した。同じく内箱(11)の簀子受け皿面(13)に据え立てた簀子(D)から、上記通風トンネル(25)への水平な差込み舌片(30)を張り出し形成して、その差込み舌片(30)上に1個の着火用白炭(C)を載置セットすると共に、簀子(D)の炭受け円板(27)上に積み重ね用白炭(C1)(C2)(C3)を敷き詰めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気着火式の炭火ロースターとその効果的な使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人は木炭の自動火熾しを行なえる電気着火式炭火ロースターについて、既に特許第3990397号を取得し、その実施中にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3990397号公報
【特許文献2】実用新案登録第3020810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、焼肉店やその他のユーザーから要望を聴取すると、上記特許文献1に開示された公知発明の構成では、炭バケット(22)の底面が内箱(13)のバケット用受皿面(14)によって下方から支持されており、その炭バケット(22)が内箱(13)の内部を回動し得る状態にあるため、炭バケット(22)の通風口(23)を電気着火ユニット(U)における電気ヒーター(36)の風吹出しノズル(46)へ正しく指向させる位置合わせ作業が必要となり、未だ煩らわしく不便である。
【0005】
又、炭バケット(22)が有底形態として、内箱(13)内のバケット用受皿面(14)へ嵌め込まれており、その胴面の下部位置から内向きに張り出す簀子受け座(24)へ、簀子(25)が上方から吊り掛けられているため、その簀子(25)から落下する炭灰の受け入れ容量が少なく、その結果早く満杯に堆積することとなり、しかも炭バケット(22)の通風口(23)から簀子(25)の下方へ、実線矢印(a)で示す如く廻り込む送風(熱風)を受けて、その炭灰が焼き網(21)上の食材(M)まで舞い上がりやすい。
【0006】
炭バケット(22)の胴面には僅か1個の通風口(23)だけが貫通形成されているに過ぎないため、着火後に送風を停止した使用中、炭バケット(22)の胴面から内部へ2次空気を円滑に取り入れることができず、その内部の通気不足により木炭(C)の燃焼作用が悪化することとなる。
【0007】
更に、火熾し法について言及すると、簀子(25)の上面に敷き詰める1段目の木炭(C)として、着火しやすい黒炭(切炭)(C1)を採用しているため、これが最も早く消失してしまう結果となり、その堆積した炭灰が電気ヒーター(36)の風吹出しノズル(46)から熱風(送風)を受けて、その熱風と一緒に焼き網(21)上の食材(M)まで舞い上がりやすい。
【0008】
そして、2段目の木炭(C)と3段目の木炭(C)は何れも硬く火持ちの良い白炭(オガ炭)(C1)(C2)であるが、特に2段目の白炭(オガ炭)(C1)は穴同士の十文字状態として、電気ヒーター(36)や風吹出しノズル(46)との一直線上に合致連通していないため、その風吹出しノズル(46)からの熱風(送風)を流通させるトンネル効果や、延いては3段目の白炭(オガ炭)(C2)に対する火移り波及効果が最大限に発揮されず、未だ着火と燃焼の作用効率に劣っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題の更なる改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では据付けキャビネットの天板に嵌め付けられた断面ほぼU字形の飾り枠と、その飾り枠の下面に切り欠かれた排気口と連通する角筒形の集塵部と、その集塵部の下面に連通するボリュームダンパーと、上面が食材の調理部として拡開する断面ほぼU字形をなし、且つ上記飾り枠の内部へ所定間隙の吸気流路を保つ状態に嵌め込まれた内箱と、その内箱の内部へ各々嵌め込み定置されたコンロ並びに簀子と、そのコンロの胴面に切り抜かれた通風トンネルを指向して、上記飾り枠と内箱との対応的な胴面へ一直線状態に差し込み貫通された電気ヒーターと火熾し用送風機とから成る電気着火ユニットとを備え、
【0010】
上記内箱の下面を飾り枠の下面よりも低く陥没する径小な円形の簀子受け皿面として、その簀子受け皿面を上記飾り枠における排気口の開口縁部へ吊り掛けた内箱支持ベースにより、下方から受け止め支持して、その内箱の簀子受け皿面へ上記簀子を据え立てる一方、
【0011】
上記電気着火ユニットの電気ヒーターをセラミックの芯棒へ径大な連続する花弁状に巻き付けられたカンタル線として、これを包囲するステンレス鋼管製ヒーター包囲カバーの先端部から内向きに折り曲げられたノズル係止爪と、そのヒーター包囲カバーの内部に嵌合一体化された石英ガラス管の先端部との前後相互間へ、それ自体がヒーターとして機能し得る触媒セラミックから細かい格子状又はハニカム状に造形された一定厚みの風吹出しノズルを挟み付け固定し、
【0012】
上記電気ヒーターの発熱を送風機の送風作用による熱風として、上記簀子上に積み重ねられた木炭へ投射すると共に、上記調理部から食材の焼き上げ調理中に発生する煙や油滴などの異物を、上記吸気流路へ一旦吸い込んだ後、飾り枠の集塵部並びにボリュームダンパーから下引き排出する電気着火式炭火ロースターにおいて、
【0013】
上記コンロを珪藻土から胴面の厚肉なほぼ円筒形に造形して、その胴面の中途高さ位置へ上記通風トンネルとの一直線状態に向かい合う第1分散孔と、その第1分散孔と鋭角の交叉角度を保つ少なくとも一対の第2分散孔とを貫通形成すると共に、
【0014】
上記内箱の中途高さ位置を飾り枠の下面から一定高さだけ浮上するコンロ受け座面として、そのコンロ受け座面に上記コンロの通風トンネルと係止し得るコンロ用廻り止め板片を固着する一方、
【0015】
上記簀子をコンロの開口下面と対応する大きさの炭受け円板と、その周縁部から放射対称分布型に垂下する複数個の脚板片と、同じく炭受け円板の周縁部から一定高さの仕切り段差面を経てほぼ倒立L字形に張り出し延長された水平な差込み舌片とから作成して、その差込み舌片を上記コンロの通風トンネルへ廻り止め状態に差し込み使用するように定めたことを特徴とする。
【0016】
又、請求項2では簀子の炭受け円板に多数の炭灰落し孔を開口分布させると共に、その炭受け円板の脚板片と係止し得る簀子位置決め凸子を、内箱の簀子受け皿面から上向き連続的に突き起したことを特徴とする。
【0017】
更に、請求項3では請求項1に記載した電気着火式炭火ロースターを使用するに当り、木炭を白炭として、その1個の着火用白炭を簀子の差込み舌片へ、その貫通孔が電気着火ユニット側の風吹出しノズルを目指す水平状態に載置セットして、その風吹出しノズルへ接近又は当接させる一方、
【0018】
同じく簀子の炭受け円板へ第1段目となる積み重ね用第1、2白炭を、その貫通孔が上記着火用白炭のそれと合致連通する一直線状態に載置セットすると共に、その第1、2白炭の継ぎ目部へ積み重ね用第3、4白炭を、その貫通孔同士がほぼ直交する全体的な十文字形に敷き詰め、
【0019】
次いで、第2段目の積み重ね用第1〜4白炭を、第1段目の十文字形となっている第1〜4白炭の四隅部へ、その中央部にほぼ菱形の間隙が区成される状態に敷き詰め、
【0020】
最後の第3段目となる積み重ね用第1〜4白炭を、その中央部にほぼ正方形の間隙が区成され且つその貫通孔が第1段目に十文字形として並ぶ第1〜4白炭のそれとほぼ直交する関係状態に敷き詰めて、
【0021】
上記電気ヒーターの発熱を送風機の送風作用による熱風として、上記着火用白炭から第1〜3段目の積み重ね用第1〜4白炭へ投射すると共に、その熱風をコンロの第1、2分散孔から排出させることにより、コンロの内部全体に及ぶ火熾し作用を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の構成によれば、コンロの胴面に切り抜かれた通風トンネルが、そのコンロを包囲する内箱のコンロ受け座面に固着されたコンロ用廻り止め板片へ、上方から差し込み係止されるようになっているため、そのコンロの通風トンネルを電気着火ユニットにおける電気ヒーターの風吹出しノズルへ正しく指向させる特別な位置合わせ作業が不要となる。
【0023】
しかも、簀子の差込み舌片を上記コンロの通風トンネルへ差し込んで、その差込み舌片上へ1個の着火用白炭を載置セットすれば、その着火用白炭を上記電気ヒーターの風吹出しノズルへ、自づと正しく接近又は当接させることができ、調理の準備作業をすばやく便利に行なえる効果がある。
【0024】
又、コンロの胴面には上記通風トンネルのみならず、これとの一直線状態に向かい合う位置関係の第1分散孔と、平面から見て第1分散孔と鋭角の交叉角度を保つ少なくとも一対の対称な第2分散孔とが貫通形成されているため、送風機の送風による火熾し作用中には、その送風(熱風)がコンロの第1、2分散孔から排出される一方、着火後に送風を停止した場合は、第1、2分散孔からコンロの内部へ2次空気を円滑に取り入れることができ、白炭(オガ炭)の着火燃焼作用を促進し得る効果がある。
【0025】
更に、上記コンロは珪藻土から胴面の極めて厚肉なほぼ円筒形(底無し形態)に造形されており、これを包囲する内箱の中途高さ位置にあるコンロ受け座面によって、下方から受け止め支持されている。そして、その内箱のコンロ受け座面よりも低く(深く)陥没した簀子受け皿面に、白炭(オガ炭)を積み重ねるための簀子が据え立てられているため、その炭灰を内箱の簀子受け皿面へ極力大容量として落下・堆積させることができ、食材の調理部まで舞い上がるおそれを防止し得る効果もある。
【0026】
請求項2の構成を採用するならば、このような炭灰の受け入れ効果とその舞い上がり予効果をますます向上させることができる。
【0027】
他方、請求項3の上記使用法によれば、黒炭(切灰)よりも着火し難いが、持久力に富む白炭(オガ炭)を採用しつつも、その火熾し作用をコンロの通風トンネル内に位置する1個の着火用白炭から、コンロの内部に積み重ねられた第1〜3段目の第1〜4白炭へ、順次円滑に波及させることができ、上記白炭(オガ炭)の全体的な着火燃焼効率を著しく向上させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る電気着火式炭火ロースターの組立状態を示す平面図である。
【図2】図1の部分拡大平面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】簀子を抽出して示す平面図である。
【図5】同じく簀子の正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図2から簀子を取りはずした状態の平面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】電気着火ユニットの組立順序を示す斜面図である。
【図10】電気着火ユニットの電気ヒーターを示す正面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】本発明の使用状態を示す説明図である。
【図14】簀子の上面へ第1段目の白炭を載置した状態の平面図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】同じく図15の17−17線断面図である。
【図18】第2段目の白炭を載置した状態の平面図である。
【図19】図18の19−19線断面図である。
【図20】図19の20−20線断面図である。
【図21】第3段目の白炭を載置した状態の平面図である。
【図22】図21の22−22線断面図である。
【図23】図22の23−23線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その電気着火式炭火ロースターの組立状態を示した図1〜8において、(1)はスチール板から枠組み一体化された据付けキャビネットであり、メラミン化粧板などの天板(食卓板)(2)を有している。
【0030】
(3)はその天板(2)の中央部に嵌め付け設置された飾り枠(外箱)であって、ステンレス鋼板から上向き拡開する一定深さの断面ほぼU字形に造形されており、その開口上縁部から張り出す径大な化粧フランジ(4)が上記天板(2)に係止している一方、下面の中央部に切り欠かれた排気口(5)が角筒形の集塵部(6)に連通している。
【0031】
(7)は同じく飾り枠(3)における胴面の下部位置に切り抜かれたヒーター包囲カバー用受け入れ口であり、これと合致連通するヒーター包囲カバー用受け入れ口(8)を備えた電気着火ユニット取付台(9)が、その飾り枠(3)の胴面から一体的に張り出している。(10)は上記天板(2)に対する飾り枠(3)の固定金具であり、その複数個の放射対称分布型に配置されている。
【0032】
又、(11)は上記飾り枠(3)の内部に嵌め込まれたコンロ(七輪)断熱用の内箱であり、ステンレス鋼板から上面が食材(M)の調理部(R)として拡開する一定深さの断面ほぼU字形に造形されているが、その下面は上記飾り枠(3)の下面よりも若干高い(浅い)位置にあるフラットなコンロ受け座面(12)を経て、同じく飾り枠(3)の下面よりも更に低く(深く)陥没する径小な円形の簀子受け皿面(13)として絞り加工されている。
【0033】
しかも、このような内箱(11)における胴面の下部位置には、上記飾り枠(3)側のヒーター包囲カバー用受け入れ口(7)と対応合致するヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)が切り抜かれている。(15)はこのヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)と対応位置する関係の1個として、同じく内箱(11)の上記コンロ受け座面(12)へスポット溶接などにより固着されたコンロ用廻り止め板片であり、後述するコンロの通風トンネルと係止し、その通風トンネルと上記ヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)とを合致連通する位置決め固定状態に保つ。
【0034】
更に、(16)は上記内箱(11)の円形な簀子受け皿面(13)から全体的な放射対称型に点在分布する複数個(図例では合計3個)として、上向き連続的に突き起された簀子位置決め凸子であり、後述する簀子の脚板片と係止し、その簀子が簀子受け皿面(13)の径方向に沿って横ズレすることを防ぐ。尚、上記コンロ用廻り止め板片(15)もこのような簀子位置決め凸子(16)と同様にして、その内箱(11)のコンロ受け座面(12)から上向き連続的に突き起すことができる。
【0035】
(17)は上記内箱(11)の開口上縁部から曲げ起された径大な吸気筒用並びに網受けリング用受け止めフランジであり、後述の吸気筒と網受けリングとを安定良く受け止め支持する。
【0036】
(18)は内箱支持ベースであって、上記内箱(11)の簀子受け皿面(13)を受け止め得る大きさのステンレス鋼板から成り、これの両端部が上記飾り枠(外箱)(3)における排気口(5)の開口縁部へ吊り掛けられることにより、その内箱(11)の上記コンロ受け座面(12)を飾り枠(3)の下面から一定高さ(H1)だけ浮上する設置状態に保ち、内箱(11)と飾り枠(3)との内外相互間隙を上記集塵部(6)に連通する吸気流路(P)として画定している。
【0037】
(19)はステンレス鋼板から成る吸気筒であり、その開口下縁部が内箱(11)の上記受け止めフランジ(17)に受け止められている一方、上記吸気流路(P)に被冠する約上半部が上向き拡開する円錐面として、ここには多数の吸気孔(20)が開口分布されている。食材(M)の調理中に発生する煙や油滴(オイルミスト)などを、その吸気筒(19)の吸気孔(20)から吸気流路(P)へ吸い込み、その吸気流路(P)を集塵部(6)に向かって下引き流動・排出させ得るようになっているのである。
【0038】
(21)はその吸気整流用のトップリングであって、やはりステンレス鋼板から成り、上記吸気筒(19)の開口上縁部に嵌め付け被冠されている。(22)は内箱(11)の上記受け止めフランジ(17)に受け止められた網受けリングであって、ステンレス鋼板から上記吸気筒(19)の約上半部と酷似した上向き拡開する円錐形に造形されており、これに搭載の焼き網(23)から落下するタレや焼けカスなどを、上記内箱(11)の中央部へ誘導して、その油切り作用を営なませるようになっている。
【0039】
尚、図示の焼き網(23)はステンレス鋼板や亜鉛メッキ鋼板などからフラットな単純形態に作成されているが、その中央部の隆起するドーム形態に作成しても勿論良い。
【0040】
(24)は上記内箱(11)の内部に嵌め込み定置されたコンロ(七輪)であって、珪藻土から胴面の著しく厚肉なほぼ円筒形(底無し形態)に作成されており、その内箱(11)のコンロ受け座面(12)によって受け止められた下面の中央部が、上記簀子受け皿面(13)に向かって開口しているため、その内箱(11)の簀子受け皿面(13)は灰皿として機能し得る。その場合コンロ(24)の胴面と、これを包囲する上記内箱(11)の胴面との内外相互間には、一定の吸気間隙(S)が確保されている。
【0041】
又、コンロ(24)における胴面の下部位置にはほぼ倒立U字形の通風トンネル(25)が切り欠かれており、その通風トンネル(25)を内箱(11)側の上記コンロ用廻り止め板片(15)へ、上方から跨がる状態に差し込み係止させれば、内箱(11)に対してコンロ(24)の廻るおそれはなく、そのコンロ(24)側の通風トンネル(25)と内箱(11)側の上記ヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)とが自づと合致連通した位置決め状態に固定維持されることとなる。
【0042】
要するに、コンロ(24)の通風トンネル(25)と上記内箱(11)のヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)、上記飾り枠(外箱)(3)のヒーター包囲カバー用受け入れ口(7)並びにその電気着火ユニット取付台(9)のヒーター包囲カバー用受け入れ口(8)は、図2、7のような平面から見た場合、悉く同じ直径線(O−O)上に並ぶ位置関係として、しかも図3、8のような悉く合致連通する状態に開口されているのである。
【0043】
(26a)(26b)は上記コンロ(24)における胴面の中途高さ位置に貫通形成された複数個(図例では合計3個)の分散孔であり、そのうちの1個が第1分散孔(26a)として、上記通風トンネル(25)とほぼ同じ直径線(O−O)上での向かい合う位置関係に開口しているに比し、残る2個はその第1分散孔(26a)と鋭角の交叉角度(α)(好ましくは約60〜70度)を保つ少なくとも一対の対称な第2分散孔(26b)として、上記第1分散孔(26a)と異なる径方向を目指す振り分け開口状態にある。
【0044】
そして、このようなコンロ(24)の胴面に開口分布する複数個の第1、2分散孔(26a)(26b)は、後述する白炭(オガ炭)の貫通孔と相俟って、送風機からの送風着火中に排熱作用を営なむほか、その一旦着火した後の送風停止中には、コンロ(24)の内部へ2次空気を容易に取り入れ、白炭の燃焼作用を促進し得るようになっている。
【0045】
(D)は上記内箱(11)の簀子受け皿面(13)へ据え立てられる簀子であって、図2〜6に示すようなコンロ(24)の下面中央部と対応する大きさの炭受け円板(27)と、その周縁部から放射対称分布型に垂下する複数個(図例では合計3個)の脚板片(28)と、同じく炭受け円板(27)の周縁部から一定高さ(H2)の仕切り段差面(29)を経て、ほぼ倒立L字形に張り出し延長された水平な差込み舌片(30)とから成り、その差込み舌片(30)が上記コンロ(24)の通風トンネル(25)へ、廻り止め状態に差し込み使用されるようになっている。(31)は上記炭受け円板(27)に開口分布された多数の炭灰落し孔である。
【0046】
そして、このような簀子(D)の差込み舌片(30)は上記コンロ(24)の通風トンネル(25)内へ着火用として挿入セットされる1個の白炭(C)を受け持つこととなり、しかもその一定高さ(H2)の仕切り段差面(29)によって、コンロ(24)内に敷き詰められる第1段目の白炭(C1)を、横ズレ移動しないように受け止め規制する。
【0047】
尚、簀子(D)の差込み舌片(30)は一定高さ(H2)の仕切り段差面(29)を経て曲げ起されているため、上記内箱(11)側のコンロ受け座面(12)に存在するコンロ用廻り止め板片(15)と干渉せず、これからの浮上状態に保たれることは言うまでもない。
【0048】
更に、(32)は上記集塵部(6)内へ嵌め込み設置されたドレンパンであって、ステンレス鋼板から図3のような角筒型に枠組み一体化されており、その開口上縁部に載架されたグリスフィルター(33)の油滴を受け溜める。(34)は同じくドレンパン(32)の下面を開閉する防火用バタフライダンパーであって、その一対の羽根(35)を開放状態に保つ温度ヒューズ(36)が、異常な高温(例えば約180℃)を検知して飛んだ時、排煙を遮断すべく密閉作用する。(37)は上記ドレンパン(32)の下面に連通するボリュームダンパーであり、そのハンドル(38)の回動操作によって、排煙風量が調整されることになる。尚、これに接続配管される排煙ダクトや排風機は図示省略してある。
【0049】
先に一言した電気着火ユニット(U)は図9〜12に抽出して示す如く、セラミックの比較的太く丸い芯棒(39)にカンタル線(Ka−AF0.9mm径)(40)を径大な連続する花弁状に荒く巻き付けた特殊な電気ヒーター(商品名:NCヒーター、1KW/100V)(41)と、その電気ヒーター(41)の発熱を上記コンロ(24)の内部へ投射する火熾し用送風機(42)とから組立ユニット化されている。
【0050】
(43)(44)はステンレス鋼板から互いに咬み合うほぼコ字型に折り曲げられた前後一対のヒーターハウジングであり、その後側ヒーターハウジング(44)の枠内に上記電気ヒーター(41)を形作る芯棒(39)の根元部が、保持金具(45)を介して取り付け固定されている。(46)はその芯棒(39)の根元部から導出されたリード線である。
【0051】
他方、前側ヒーターハウジング(43)からは上記電気ヒーター(41)を包囲するステンレス鋼管のヒーター包囲カバー(47)が、前向き一体的に張り出し延長されている。その場合、ヒーター包囲カバー(47)の根元部は風速の促進用先細り円錐面(48)として絞り加工されていると共に、同じく先端部はノズル係止爪(49)として内向きに折り曲げられている。
【0052】
(50)は上記ヒーター包囲カバー(47)の内部へ嵌合一体化された耐熱性の石英ガラス管、(51)はその石英ガラス管(50)の先端部と、上記ヒーター包囲カバー(47)のノズル係止爪(49)との相互間へ挟み込み固定された一定な厚み(T)の風吹出しノズルであって、触媒セラミックから細かい格子状やハニカム状に仕切り造形されており、煙や炭灰、油脂と塩分を含むタレなどの各種異物が電気ヒーター(41)の内部へ侵入しないようになっている。
【0053】
更に、火熾し用の送風機(42)はモーター(20W/100V)(52)により回転駆動されるシロッコファンであって、上記後側ヒーターハウジング(44)へ後方から取り付け固定されている。その送風機(42)から上記ヒーター包囲カバー(47)を通過する送風作用により、電気ヒーター(41)の発熱をその風吹出しノズル(51)から吹き出す熱風として、上記コンロ(24)の内部へ投射し、白炭(C)(C1)(C2)(C3)にすばやく着火できるようになっているが、その際風吹出しノズル(51)は赤熱化することにより、それ自体もヒーターとして機能し得るのである。(53)はその送風機(42)の回転駆動モーター(52)から導出されたリード線を示している。
【0054】
そして、上記ヒーターハウジング(43)(44)の前後一対は複数のビス(54)を介して締結一体化された上、その前側ヒーターハウジング(43)が上記飾り枠(外箱)(3)の胴面から一体的に張り出す電気着火ユニット取付台(9)へ、やはり複数のビス(55)によって取り付け固定されることになる。
【0055】
しかも、上記電気ヒーター(41)のリード線(46)と送風機(42)のリード線(53)は、図1、3のようなキャビネット(1)に内蔵設置された電源ボックス(56)と、その天板(2)の対応的な側面に嵌め付けられた送風コントローラー(操作パネル)(57)へ、電気的に接続配線されるのである。
【0056】
尚、送風コントローラー(57)には電源のオン・オフ操作ボタンやそのオン状態の点灯表示ランプ、風力(火力)の強弱調整操作ボタン、着火状態の点灯表示ランプなどが設置されているけれども、これらは図示省略してある。
【0057】
このような電気着火ユニット(U)の取付状態では図7、8に示す如く、その電気ヒーター(41)のヒーター包囲カバー(47)が上記電気着火ユニット取付台(9)と飾り枠(外箱)(3)のヒーター包囲カバー用受け入れ口(7)(8)から、内箱(11)のヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)を貫通して、これらの同じ直径線(O−O)上に沿いコンロ(24)の通風トンネル(25)を指向し、しかもその先端部の風吹出しノズル(51)とコンロ(24)の通風トンネル(25)とが、極力接近するようになっている。
【0058】
本発明の炭火ロースターでは所謂スタッキング方式として、キャビネット(1)の天板(2)に嵌め付けられた飾り枠(外箱)(3)とその集塵部(6)の内部へ、上方からドレンパン(32)とバタフライダンバー(34)、グリスフィルター(33)、内箱支持ベース(18)、内箱(11)、簀子(D)、コンロ(24)、網受けリング(22)、焼き網(23)、吸気筒(19)並びにトップリング(21)などを順序良く抜き差し操作できるようになっているため、その全体的な組立作業と日常の点検・清掃作業を便利良く行なえる。
【0059】
本発明の上記炭火ロースターを使用して、肉類や野菜類などの食材(M)を焼き上げ調理するに当っては、内箱(11)の簀子受け皿面(13)へ簀子(D)を図2、3や図13に示す如く、その水平な差込み舌片(30)が内箱(11)側のヒーター包囲カバー用受け入れ連通口(14)やコンロ用廻り止め板片(15)を指向する対応位置関係に据え立てて、上記内箱(11)のコンロ受け座面(12)へ上方からコンロ(24)を、その胴面の通風トンネル(25)が上記簀子(D)の差込み舌片(30)や内箱(11)側のコンロ用廻り止め板片(15)に跨がる差し込み状態として定置させるのである。
【0060】
そして、好ましくは1辺が約5cmの断面ほぼ正方形をなす直方体から、積み重ね用の大サイズ(約5cmの長さ)と着火用の中サイズ(約4cmの長さ)並びに間隙充填用の小サイズ(約3cmの長さ)として分断された各種白炭(オガ炭)(C)(C1)(C2)(C3)を準備し、これらを上記簀子(D)の上面へ、次の順序に従って敷き詰めるのである。白炭(オガ炭)は黒炭よりも着火し難いが、火持ち(持久力)が良く、肉類の焙り焼に最適であり、その高級品は備長炭と酷似するため、これを採用する。
【0061】
即ち、先ず1個の着火用白炭(C)を上記コンロ(24)の通風トンネル(25)内に位置する簀子(D)の差込み舌片(30)へ、その貫通孔(58)が図14〜17のような水平状態として、上記ヒーター包囲カバー(47)の風吹出しノズル(51)を目指すように載置セットし、その風吹出しノズル(51)へ着火用白炭(C)を接近又は当接させる。
【0062】
又、同じく簀子(D)の炭受け円板(27)へ第1段目となる積み重ね用第1、2白炭(C1−a)(C1−b)を、その貫通孔(58)が上記着火用白炭(C)のそれと合致連通する直列状態に載置すると共に、その第1、2白炭(C1−a)(C1−b)の継ぎ目部へやはり積み重ね用第3、4白炭(C1−c)(C1−d)を、その貫通孔(58)同士がほぼ直交する図14、16のような十文字形に敷き詰める。尚、その十文字形の四隅部にはこれと対応する異形の小さな間隙充填用第1〜4白炭(C1−e)(C1−f)(C1−g)(C1−h)を詰め込むことが望ましい。
【0063】
次いで、第2段目の積み重ね用第1〜4白炭(C2−a)(C2−b)(C2−c)(C2−d)を、上記第1段目の十文字形となっている第1〜4白炭(C1−a)(C1−b)(C1−c)(C1−d)の四隅部へ積み重ね、その中央部に図18〜20のような菱形の間隙(X)が区成される状態に敷き詰める。その第2段目の第1〜4白炭(C2−a)(C2−b)(C2−c)(C2−d)をその貫通孔(58)が全体的な菱形となる指向状態に配列させるのである。
【0064】
更に、最後の第3段目にはやはり積み重ね用の第1〜4白炭(C3−a)(C3−b)(C3−c)(C3−d)を、その中央部に図21〜23のようなほぼ正方形の間隙(Y)が画定され、且つその貫通孔(58)が第1段目に十文字形として並ぶ第1〜4白炭(C1−a)(C1−b)(C1−c)(C1−d)のそれとほぼ直交する方向関係に敷き詰めるのである。
【0065】
そして、上記送風コントローラー(57)の電源をオン操作し、電気ヒーター(41)を発熱させると共に、送風機(42)から送風すれば、上記ヒーター包囲カバー(47)の風吹出しノズル(51)が赤熱化し、その熱風として白炭(C)(C1)(C2)(C3)へ投射されることになり、風吹出しノズル(51)自体がヒーターとしても機能するため、その白炭(C)(C1)(C2)(C3)を確実に効率良く着火することができる。
【0066】
その送風機(42)による火熾し作用を詳述すると、上記ヒーター包囲カバー(47)の風吹出しノズル(51)からコンロ(24)の内部に向かって投射された熱風は、最も手前側の通風トンネル(25)内に位置する着火用白炭(C)から、その貫通孔(58)同士の一直線状態に合致連通している第1段目の第1、2白炭(C1−a)(C1−b)へ直進し、図16のような平面から見た場合にはその第1、2白炭(C1−a)(C1−b)の継ぎ目部を経て、同じ第1段目の第3、4白炭(C1−c)(C1−d)やその四隅部の第1〜4白炭(C1−e)(C1−f)(C1−g)(C1−h)へ、言わば左右横向きに振り分けられて進行するほか、最も奥側からコンロ(24)の胴面に沿って廻り込み波及することにもなる。
【0067】
その過程では送風機(42)からの熱風が、コンロ(24)に開口分布している複数個の第1、2分散孔(26a)(26b)を通じて、コンロ(24)から自づと排出されることになる。特に第1分散孔(26a)は通風トンネル(25)とほぼ同じ直径線(O−O)上での向かい合う位置関係にあり、これと鋭角な交叉角度(α)を保つ対称な左右一対の第2分散孔(26b)も、上記熱風(送風)の投射方向に順応する方向性として開口されているからである。その結果、その熱風がコンロ(24)から逆流して、電気ヒーター(41)やそのヒーター包囲カバー(47)に過大な熱負荷を与えるおそれはない。
【0068】
しかも、図13のような側面から見た場合、上記熱風は最も手前側に位置する着火用白炭(C)の周辺部を初め、その着火用白炭(C)と第1段目にある第1白炭(C1−a)との継ぎ目部や、その第1、2白炭(C1−a)(C1−b)の隣り合う継ぎ目部並びに最も奥側となるコンロ(24)の胴面を経て、言わば炎が順次に立ち昇る如く着火し、引き続き第2段目の第1〜4白炭(C2−a)(C2−b)(C2−c)(C2−d)及び第3段目の第1〜4白炭(C3−a)(C3−b)(C3−c)(C3−d)にも確実に火移りして、全体の効率良く火熾しすることができる。
【0069】
この点、図14、16と図18、20並びに図21、23に示す如く、第1段目の第1〜4白炭(C1−a)(C1−b)(C1−c)(C1−d)が平面から見て、その貫通孔(58)同士のほぼ直交する十文字形にあり、これに比して第2段目の第1〜4白炭(C2−a)(C2−b)(C2−c)(C2−d)は上記十文字形の四隅部へ積み重ねられて、その中央部に菱形の間隙(X)を区成しているほか、第3段目の第1〜4白炭(C3−a)(C3−b)(C3−c)(C3−d)は同じく中央部にほぼ正方形の間隙(Y)を区成する敷き詰め状態として、しかもその貫通孔(58)が第1段目に敷き詰められた第1〜4白炭(C1−a)(C1−b)(C1−c)(C1−d)のそれとほぼ直交する方向性にあるため、上記送風機(42)からの熱風が上下・左右へ滑らかに流通し、コンロ(24)内の全体に及ぶ着火効率を著しく向上させ得るのである。
【0070】
一旦着火すれば、残り火により、その後は送風機(42)からの送風作用だけでも火熾しを行なえ、更には送風機(42)の送風作用を停止させることも可能である。その停止中には、上記コンロ(24)の第1、2分散孔(26a)(26b)がそのコンロ(24)の内部に対する2次空気の取り入れ作用を果すため、一旦着火した白炭(C)(C1)(C2)(C3)の燃焼効果を促進させることができる。
【0071】
又、上記白炭(C)(C1)(C2)(C3)を支持する簀子(D)は、多数の炭灰落し孔(31)が開口分布する炭受け円板(27)と、その周縁部から一定高さ(H2)の仕切り段差面(29)を介して、ほぼ倒立L字形に張り出し延長された差込み舌片(30)とから成り、そのコンロ(24)の通風トンネル(25)に差し込まれた差込み舌片(30)上へ、1個の着火用白炭(C)が載置セットされる一方、これよりも低い炭受け円板(27)上に多数の白炭(C1−a)〜(C1−d)(C2−a)〜(C2−d)(C3−a)〜(C3−d)が積み重ねられるようになっているため、その1個の着火用白炭(C)を初めとして、第1段目から最上段目までの全体に順序良く着火させることができ、その消失により発生した炭灰もコンロ(24)を包囲している内箱(11)の簀子受け皿面(13)へ、可及的に大容量として落下・堆積させ得る利点がある。
【0072】
更に、上記コンロ(24)とこれを包囲する内箱(11)との内外相互間には、吸気流路(P)へ連通する一定の吸気間隙(S)が確保されているほか、焼き網(23)の受けリング(22)が上向き拡開する円錐形として、上記内箱(11)の開口上縁部に受け止め支持されているため、焼き網(23)から落下する食材(M)の焼けカスやタレなどの異物を、コンロ(24)の内部へ自づと寄せ集め誘導して、その油切り作用できる利点もある。
【0073】
尚、食材(M)の焼き上げ調理中において、その調理部(R)から発生する煙や油滴(オイルミスト)などは、コンロ(24)の第1、2分散孔(26a)(26b)から排出される熱風と一緒になって、吸気筒(19)の吸気孔(20)から吸気流路(P)へ吸い込まれた後、下引きとして集塵部(6)やボリュームダンパー(37)を経由し、排気ダクトから屋外へ排出されることになる。その結果、屋内を快適な無煙状態に維持できるのである。
【符号の説明】
【0074】
(1)・据付けキャビネット
(2)・天板
(3)・飾り枠(外箱)
(4)・化粧フランジ
(5)・排気口
(6)・集塵部
(7)(8)・ヒーター包囲カバー用受け入れ口
(9)・電気着火ユニット取付台
(10)・固定金具
(11)・内箱
(12)・コンロ受け座面
(13)・簀子受け皿面
(14)・ヒーター包囲カバー用受け入れ連通口
(15)・コンロ用廻り止め板片
(16)・簀子位置決め凸子
(17)・受け止めフランジ
(18)・内箱支持ベース
(19)・吸気筒
(20)・吸気孔
(21)・トップリング
(22)・網受けリング
(23)・焼き網
(24)・コンロ(七輪)
(25)・通風トンネル
(26a)(26b)・第1、2分散孔
(27)・炭受け円板
(28)・脚板片
(29)・仕切り段差面
(30)・差込み舌片
(31)・炭灰落し孔
(32)・ドレンパン
(33)・グリスフィルター
(34)・バタフライダンパー
(35)・羽根
(36)・温度ヒューズ
(37)・ボリュームダンパー
(38)・ハンドル
(39)・芯棒
(40)・カンタル線
(41)・電気ヒーター
(42)・送風機
(43)(44)・ヒーターハウジング
(45)・保持金具
(46)(53)・リード線
(47)・ヒーター包囲カバー
(48)・先細り円錐面
(49)・ノズル係止爪
(50)・石英ガラス管
(51)・風吹出しノズル
(52)・モーター
(54)(55)・ビス
(56)・電源ボックス
(57)・操作パネル
(C)(C1)(C2)(C3)・白炭(オガ炭)
(D)・簀子
(H1)(H2)・高さ
(M)・食材
(P)・吸気流路
(R)・調理部
(S)・吸気間隙
(U)・電気着火ユニット
(α)・交叉角度
(O−O)・直径線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付けキャビネット(1)の天板(2)に嵌め付けられた断面ほぼU字形の飾り枠(3)と、その飾り枠(3)の下面に切り欠かれた排気口(5)と連通する角筒形の集塵部(6)と、その集塵部(6)の下面に連通するボリュームダンパー(37)と、上面が食材(M)の調理部(R)として拡開する断面ほぼU字形をなし、且つ上記飾り枠(3)の内部へ所定間隙の吸気流路(P)を保つ状態に嵌め込まれた内箱(11)と、その内箱(11)の内部へ各々嵌め込み定置されたコンロ(24)並びに簀子(D)と、そのコンロ(24)の胴面に切り抜かれた通風トンネル(25)を指向して、上記飾り枠(3)と内箱(11)との対応的な胴面へ一直線状態に差し込み貫通された電気ヒーター(41)と火熾し用送風機(42)とから成る電気着火ユニット(U)とを備え、
上記内箱(11)の下面を飾り枠(3)の下面よりも低く陥没する径小な円形の簀子受け皿面(13)として、その簀子受け皿面(13)を上記飾り枠(3)における排気口(5)の開口縁部へ吊り掛けた内箱支持ベース(18)により、下方から受け止め支持して、その内箱(11)の簀子受け皿面(13)へ上記簀子(D)を据え立てる一方、
上記電気着火ユニット(U)の電気ヒーター(41)をセラミックの芯棒(39)へ径大な連続する花弁状に巻き付けられたカンタル線(40)として、これを包囲するステンレス鋼管製ヒーター包囲カバー(47)の先端部から内向きに折り曲げられたノズル係止爪(49)と、そのヒーター包囲カバー(47)の内部に嵌合一体化された石英ガラス管(50)の先端部との前後相互間へ、それ自体がヒーターとして機能し得る触媒セラミックから細かい格子状又はハニカム状に造形された一定厚み(T)の風吹出しノズル(51)を挟み付け固定し、
上記電気ヒーター(41)の発熱を送風機(42)の送風作用による熱風として、上記簀子(D)上に積み重ねられた木炭へ投射すると共に、上記調理部(R)から食材(M)の焼き上げ調理中に発生する煙や油滴などの異物を、上記吸気流路(P)へ一旦吸い込んだ後、飾り枠(3)の集塵部(6)並びにボリュームダンパー(37)から下引き排出する電気着火式炭火ロースターにおいて、
上記コンロ(24)を珪藻土から胴面の厚肉なほぼ円筒形に造形して、その胴面の中途高さ位置へ上記通風トンネル(25)との一直線状態に向かい合う第1分散孔(26a)と、その第1分散孔(26a)と鋭角の交叉角度(α)を保つ少なくとも一対の第2分散孔(26b)とを貫通形成すると共に、
上記内箱(11)の中途高さ位置を飾り枠(3)の下面から一定高さ(H1)だけ浮上するコンロ受け座面(12)として、そのコンロ受け座面(12)に上記コンロ(24)の通風トンネル(25)と係止し得るコンロ用廻り止め板片(15)を固着する一方、
上記簀子(D)をコンロ(24)の開口下面と対応する大きさの炭受け円板(27)と、その周縁部から放射対称分布型に垂下する複数個の脚板片(28)と、同じく炭受け円板(27)の周縁部から一定高さ(H2)の仕切り段差面(29)を経てほぼ倒立L字形に張り出し延長された水平な差込み舌片(30)とから作成して、その差込み舌片(30)を上記コンロ(24)の通風トンネル(25)へ廻り止め状態に差し込み使用するように定めたことを特徴とする電気着火式炭火ロースター。
【請求項2】
簀子(D)の炭受け円板(27)に多数の炭灰落し孔(31)を開口分布させると共に、その炭受け円板(27)の脚板片(28)と係止し得る簀子位置決め凸子(16)を、内箱(11)の簀子受け皿面(13)から上向き連続的に突き起したことを特徴とする請求項1記載の電気着火式炭火ロースター。
【請求項3】
請求項1記載の電気着火式炭火ロースターを使用するに当り、木炭を白炭(C)(C1)(C2)(C3)として、その1個の着火用白炭(C)を簀子(D)の差込み舌片(30)へ、その貫通孔(58)が電気着火ユニット(U)側の風吹出しノズル(51)を目指す水平状態に載置セットして、その風吹出しノズル(51)へ接近又は当接させる一方、
同じく簀子(D)の炭受け円板(27)へ第1段目となる積み重ね用第1、2白炭(C1−a)(C1−b)を、その貫通孔(58)が上記着火用白炭(C)のそれと合致連通する一直線状態に載置セットすると共に、その第1、2白炭(C1−a)(C1−b)の継ぎ目部へ積み重ね用第3、4白炭(C1−c)(C1−d)を、その貫通孔(58)同士がほぼ直交する全体的な十文字形に敷き詰め、
次いで第2段目の積み重ね用第1〜4白炭(C2−a)(C2−b)(C2−c)(C2−d)を、第1段目の十文字形となっている第1〜4白炭(C1−a)〜(C1−d)の四隅部へ、その中央部にほぼ菱形の間隙(X)が区成される状態に敷き詰め、
最後の第3段目となる積み重ね用第1〜4白炭(C3−a)(C3−b)(C3−c)(C3−d)を、その中央部にほぼ正方形の間隙(Y)が区成され且つその貫通孔(58)が第1段目に十文字形として並ぶ第1〜4白炭(C1−a)〜(C1−d)のそれとほぼ直交する関係状態に敷き詰めて、
上記電気ヒーター(41)の発熱を送風機(42)の送風作用による熱風として、上記着火用白炭(C)から第1〜3段目の積み重ね用第1〜4白炭(C1−a)〜(C1−d)(C2−a)〜(C2−d)(C3−a)〜(C3−d)へ投射すると共に、その熱風をコンロ(24)の第1、2分散孔(26a)(26b)から排出させることにより、コンロ(24)の内部全体に及ぶ火熾し作用を実行することを特徴とする電気着火式炭火ロースターの使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−233805(P2010−233805A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84902(P2009−84902)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(504409509)岡崎産業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】