説明

電気自動車の電力供給制御装置

【課題】電気自動車の電力供給制御装置において、所定の車速以上の場合に、エンジンを作動させて蓄電池の充電を行う走行モードの持続を図り、車速に関わらず、常に、エンジンが作動する走行モードヘの移行を抑制して車内の快適性を確保することにある。
【解決手段】制御手段6は、車速平均値が所定の車速平均値よりも小さいほど、又は蓄電池のSOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、HEVモードにおけるエンジン始動開始車速を下げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気自動車の電力供給制御装置に係り、特にレンジエクステンデッド型電気自動車(プラグイン式シリーズ型ハイブリッド車)の運転モード制御を行う電気自動車の電力供給制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンジエクステンデッド型電気自動車では、外部から蓄電池に充電した電力で走行する「EVモード」と、車載した内燃機関型エンジン(以下「エンジン」という)と発電モータである発電機とにより発電した電力を使い、蓄電池の蓄電池残量であるSOC(State Of Charge)が所定の制御目標値(SOC−HEV)に制御しながら走行する「HEVモード」との、2種類の運転モードに大別される。
さらに、この「HEVモード」は、車速が零(0)若しくは低車速のときに、エンジンを停止するアイドルストップ付き「HEVモード1」と、SOCが目標範囲よりも低くなり、規定値(SOC−H12)を下回った場合に、制御目標値(SOC−HEV)を回復するまでアイドルストップをせず、エンジンを運転し続ける「HEVモード2」とに分けられる。
【0003】
図8において、SOC−HEVは、HEVモード1で維持する蓄電池残量値である。SOC−HEは、HEVモード1からEVモードに変わる蓄電池残量値である。SOC−EH1は、EVモードからHEVモード1に変わる蓄電池残量値である。SOC−H21は、HEVモード2からHEVモード1に変わる蓄電池残量値である。SOC−H12は、HEVモード1からHEVモード2に変わる蓄電池残量値である。
そして、説明を簡単にするため、SOC−HEVとSOC−EH1とSOC−H21とは、同じ値とする。
このような状態において、HEVモード1では、SOC−HEVを中心にSOCを維持する。
また、図9には、十分に高い充電量から車両を走行した場合のSOCの変化例を示す。
図9に示すように、EVモードでは、蓄電池の電力を消費しながら走行する(発電機からの回生はある)。そして、SOC−HEVでHEVモード1となり、そのSOCを維持する。しかしながら、SOC−H12以下になると、HEVモード2となり、エンジンの発電が継続する。その後、SOC−HEVになると、HEVモード1に変わる。
上記の内容に関連する先行技術としては、以下の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3736437号
【0005】
特許文献1に係るハイブリッド車用空調装置は、バッテリの充電残量(SOC)が充電開始目標値以下になると、走行用エンジンにより電動発電手段を駆動してバッテリに充電を行うようにしたハイブリッド車両において、走行中における走行用エンジンの運転中は、走行中におけるエンジン停止中よりもバッテリの充電開始目標値を高く設定することで早めにバッテリの充電を開始するものである。
これにより、エンジン運転中にバッテリ充電要となりやすく、一方で、エンジン停止中は充電要となり難く、バッテリの充電のためだけにエンジン運転が開始される頻度を低減でき、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図るものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の特許文献1では、走行用エンジンの運転中である場合に有用であるが、レンジエクステンデッド型電気自動車(プラグイン式シリーズ型ハイブリッド車)では、問題が生ずる場合がある。
HEVモード1、HEVモード2における、発電用のエンジンの停止/作動を、図10に示す。この図10において、Vstは、HEVモード1でエンジン始動開始車速である。
つまり、レンジエクステンデッド型電気自動車には、車速に応じてエンジンの始動/停止を制御しているものがある。HEVモード1において、エンジン始動開始車速(Vst)未満の速度で車両が走行を続けている場合は、エンジンの始動がなされず、この場合、さらに走行用動力源として使用するSOCが減って、蓄電池の充電のために、常時エンジンが作動し続けるHEVモード2に移行してしまう。
HEVモード2では、車両停止中(V=0)、低速走行中(0<V<Vst)である場合、風きり音やロードノイズ等の発生がなく、又は、少ない状況下であっても、蓄電池の充電のために、エンジンが作動することになる。すると、エンジンの作動音が際立って乗員に届くことになり、乗員がエンジンの作動音を騒音として不快に感じやすくなる。
特に、上記の低速走行中(0<V<Vst)における車両加速中では、必要な電力が大きいことから、車両の加速に伴ってエンジン回転数も大きくなり、車両運転時の快適性が損なわれる。例えば、中高速走行中(Vst≦V)では、HEVモード1、HEVモード2が、共に、必要な電力をエンジン発電するため、差異が小さい。また、車速の増大により外部からの風切り音やロードノイズが増えるため、エンジン騒音は相対的に気にならない傾向がある。
以上のように、HEVモード2は、HEVモード1に比べ、車両停止及び低速(加速)時に、静粛性ひいては商品性が劣るモードといえる。そのためには、HEVモード1を継続できることが望ましいものである。
【0007】
そこで、この発明の目的は、所定の車速以上の場合に、エンジンを作動させて蓄電池の充電を行う走行モードの持続を図り、車速に関わらず、常に、エンジンが作動する走行モードヘの移行を抑制して車内の快適性を確保する電気自動車の電力供給制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、発電機を駆動するエンジンと、前記発電機から出力される電気エネルギを蓄え且つ車両の駆動源に電力を供給する蓄電池とを備える電気自動車の電力供給制御装置において、前記蓄電池の蓄電池残量であるSOCの検出を行うSOC検出手段を設け、車速の検出を行う車速検出手段を設け、前記エンジンの始動又は停止状態を検出するエンジン状態検出手段を設け、所定の車速以上で前記エンジンを始動させるエンジン始動手段を設け、前記蓄電池のSOCが第一SOCとなった場合に所定の車速以上で前記エンジンを駆動させるHEVモード1と、前記蓄電池のSOCが前記第一SOCよりも低い第二SOCとなった場合に常時前記エンジンを駆動させるHEVモード2とを備える制御手段を設け、この制御手段は、車速平均値が所定の車速平均値よりも小さいほど、又は前記蓄電池のSOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、前記HEVモード1におけるエンジン始動開始車速を下げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の電気自動車の電力供給制御装置は、所定の車速以上の場合に、エンジンを作動させて蓄電池の充電を行う走行モードの持続を図り、車速に関わらず、常に、エンジンが作動する走行モードヘの移行を抑制して車内の快適性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は電力供給制御装置のシステム構成図である。(実施例)
【図2】図2は車両の概略平面図である。(実施例)
【図3】図3はHEVモード1におけるエンジン始動開始車速の制御のフローチャートである。(実施例)
【図4】図4はHEVモード1における発電量を増大させる制御のフローチャートである。(実施例)
【図5】図5はHEVモード1におけるエンジン始動開始車速を示す図である。(実施例)
【図6】図6はHEVモード1における発電量の増大を示す図である。(実施例)
【図7】図7は発電量の増量分に掛ける係数(a)と車速との関係を示す図である。(変形例)
【図8】図8は蓄電池残量の変化に伴う、EVモード、HEVモード1、HEVモード2の各走行モードへの移行を示す図である。(従来例)
【図9】図9は十分に高い充電量から走行したSOCの変化を示すタイムチャートである。(従来例)
【図10】図10はエンジンの停止/作動を示す説明図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明は、所定の車速以上の場合に、エンジンを作動させて蓄電池の充電を行う走行モードの持続を図り、車速に関わらず、常に、エンジンが作動する走行モードヘの移行を抑制して車内の快適性を確保する目的を、車速平均値又はSOCの減量分に応じて、HEVモード1におけるエンジン始動開始車速を変更して実現するものである。
【実施例】
【0012】
図1〜図6は、この発明の実施例を示すものである。
図2において、1はレンジエクステンデッド型電気自動車(プラグイン式シリーズ型ハイブリッド車)(以下「車両」という)である。この車両1は、内燃機関型エンジン(以下「エンジン」という)2と、このエンジン2で駆動される発電モータである発電機3と、この発電機3から出力される電気エネルギを電力として蓄え且つ車両1の駆動源に電力を供給する蓄電池4とを備える。発電機3は、電力を発電する発電機能と、蓄電池4の電力を利用して車両1を駆動させる駆動機能とを備える装置であり、車両1の駆動源としても機能するものである。なお、この発電機能と駆動機能とは、発電機3が共に備えるのではなく、異なる複数の機器がそれぞれの機能を備える構成としても良い。
車両1には、電力供給制御装置5が設けられる。
この電力供給制御装置5には、図1に示すように、制御手段(ECU)6が設けられているとともに、この制御手段6に連絡して、蓄電池残量であるSOC(State Of Charge)の検出を行うSOC検出手段7と、車速の検出を行う車速検出手段8と、エンジン2の始動又は停止状態を検出するエンジン状態検出手段9と、所定の車速以上でエンジン2を始動させるエンジン始動手段10と、所定条件の下で発電量を増大させる発電量増大手段11とが設けられている。
制御手段6は、蓄電池4のSOCが第一SOCとなった場合に所定の車速以上でエンジン2を駆動させるHEVモード1と、蓄電池4のSOCが第一SOCよりも低い第二SOCとなった場合に、常時、エンジン2を駆動させるHEVモード2とを備える。
また、制御手段6には、車速平均値を算出する車速平均値算出手段12と、SOC変化量を算出するSOC変化量算出手段13とが備えられている。
なお、制御手段6には、イグニションスイッチ14が連絡している。
【0013】
そして、制御手段6は、車速平均値(Vave)が所定の車速平均値(Vave−th)よりも小さいほど、又は、SOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、HEVモード1におけるエンジン始動開始車速(Vst)を下げるように制御、つまり、HEVモード1を持続させてHEVモード2になりにくくする制御を行う。
このHEVモード1におけるエンジン始動開始車速(Vst)の制御においては、図5に示すように、現在から過去に遡る所定期間における走行履歴により、車速平均値(Vave)と、SOCの変化量(ΔSOC)を求める。つまり、車速(V)及びSOCの移り変わりを所定時間ごとに記録しておき、そのフロー処理時から過去に遡る所定時間の間の車速の平均から車速平均値(Vave)を求め、また、SOCの移り変わりからSOCの変化量(ΔSOC)を求める。
この図5においては、車速平均値(Vave)が所定の車速平均値(Vave−th)よりも低いと、通常のエンジン始動車速(Vsto:イグニションスイッチ14のオン後の初期値)よりも低い速度で、エンジン2を始動させる。
また、SOCの変化量(ΔSOC)が所定のSOC変化量(ΔSOC−th)よりも低いと、つまり、SOCの減量分が所定値以上に大きいと、通常のエンジン始動車速(Vsto)よりも低い車速で、エンジン2を始動させる。
これにより、車速平均値(Vave)又はSOCの減量分に応じて、HEVモード1におけるエンジン始動開始車速(Vst)を変更でき、車両1が所定の速度以上の走行状態にある場合に、エンジン2を始動させて蓄電池4の充電を行うHEVモード1をより持続させることができる。よって、常に、エンジン2による発電を実施するHEVモード2に移行する頻度を下げることができるので、車内の快適性を確保することができる。
【0014】
また、制御手段6は、車速平均値(Vave)が所定の車速平均値(Vave−th)よりも小さいほど、又は、SOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、HEVモード1における発電量を増大させるように制御する。
このHEVモード1における発電量を増大させる制御においては、図6に示すように、現在から過去に遡る所定期間における走行履歴により、車速平均値(Vave)とSOCの変化量(ΔSOC)とを求める。
この図6においては、車速平均値(Vave)が所定の車速平均値(Vave−th)よりも低いと、通常の発電電力よりも大きい発電を行う。また、発電量は、その時の要求動力、電気負荷によって時時刻刻変化する。発電量の増量分(ΔGen)は、それに対する増量した分である。なお、この発電量の増量分(ΔGen)のイグニションスイッチ14のオン後の初期値は、零(0)である。
また、SOCの変化量(ΔSOC)が所定のSOC変化量(ΔSOC−th)よりも低いと、つまり、SOCの減量分が所定値以上に大きいと、通常の発電電力よりも大きい発電を行う。
これにより、車速平均値(Vave)又はSOCの減量分に応じて、HEVモード1における発電量を変更でき、車両1が所定の速度以上の走行状態にある場合に、エンジン2を始動させて蓄電池4の充電を行うHEVモード1をより持続させることができる。よって、常に、エンジン2による発電を実施するHEVモード2に移行する頻度を下げることができるので、車内の快適性を確保することができる。
【0015】
更に、制御手段6は、車速平均値(Vave)をエンジン2が停止状態にあると検出された時点から過去に遡る所定期間の車速平均値(Vave)から算出し、また、SOCの減量分をエンジン2が停止状態にあると検出された時点から過去に遡る所定期間のSOCの減少量から算出する。
これにより、HEVモード1においてエンジン2が停止していて、エンジン2の駆動による蓄電池4の充電ができておらず、さらに、蓄電池4の充電が期待できない車両1の走行状態にある場合を判別してHEVモード2への移行を抑制することができる。
【0016】
また、制御手段6は、エンジン始動後車速が大きいほど発電量を増大させる。
これにより、車速が増大することによって風きり音やロードノイズ等のエンジン作動音以外の音が大きくなることを利用して、乗員にエンジン2の作動音を気にさせることなくエンジン作動量を増大させることができる。従って、早期に蓄電池4を充電させることができる。
【0017】
次に、HEVモード1におけるエンジン始動開始車速(Vst)の制御について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すように、プログラムがスタートすると(ステップA01)、HEVモード1且つエンジン停止か否かを判断し(ステップA02)、このステップA02がNOの場合には、この判断を継続する。
このステップA02がYESの場合には、車速平均値(Vave)とSOCの変化量(ΔSOC)とを算出し(ステップA03)、Vave<Vave−th、又はΔSOC<ΔSOC−thか否かを判断する(ステップA04)。
このステップA04がYESの場合には、VstをVst−minからVst0の間でエンジン始動開始車速を設定する(ステップA05)。この時、VaveがVave−thよりも小さいほど、又はΔSOCがΔSOC−thよりも小さいほど、VstがVst−minに近づくように設定される。そして、V>Vstか否かを判断し(ステップA06)、このステップA06がNOの場合には、前記ステップA03に戻る。
一方、前記ステップA04がNOの場合には、Vst0をエンジン始動開始車速に設定し(ステップA07)、そして、V>Vst0か否かを判断し(ステップA08)、このステップA08がNOの場合には、前記ステップA03に戻る。
このステップA08がYESの場合、又は、前記ステップA06がYESの場合には、エンジン2を始動し(ステップA09)、プログラムをエンドとする(ステップA10)。
【0018】
次いで、HEVモード1における発電量を増大させる制御について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、プログラムがスタートすると(ステップB01)、HEVモード1且つエンジン始動か否かを判断し(ステップB02)、このステップB02がNOの場合には、この判断を継続する。
このステップB02がYESの場合には、車速平均値(Vave)とSOCの変化量(ΔSOC)とを算出し(ステップB03)、Vave<Vave−th、又はΔSOC<ΔSOC−thか否かを判断する(ステップB04)。
このステップB04がYESの場合には、所定の増量分(ΔGen)で発電量を増大させる(ステップB05)。
一方、このステップB04がNOの場合には、通常の発電制御で、発電量の増大を行わない(ステップB06)。
このステップB06の処理後、又は、前記ステップB05の処理後は、SOCが所定値以上か否かを判断する(ステップB07)。なお、この所定値とは、例えば、図8のSOC−HEVに相当する。このステップB07がNOの場合には、前記ステップB03に戻る。
このステップB07がYESの場合には、エンジン2を停止し(ステップB08)、プログラムをエンドとする(ステップB09)。
【0019】
なお、この発明においては、以下のように、種々応用改変が可能である。
例えば、エンジン始動開始車速(Vst)と発電量の増量分(ΔGen)とを、同時に制御することも可能である。
また、モード1の持続制御を、運転者が選択/非選択するスイッチを設け、その設定により制御の実施/非実施を行わせることも可能である。
更に、発電量の増量分(ΔGen)は、車速平均値(Vave)又はSOCに依存する関数で、車速に関係なく決められる。ただし、車速が低く(必要発電量が低い)、発電量の増量分(ΔGen)が大きいと、エンジン回転数の増加分がわかりやすく、乗員の快音性が低下する。そのため、図7に示すように、車速(V)に応じた係数(a)を発電量の増量分(ΔGen)に掛けることも可能である。
更にまた、増量分(ΔGen)を使った制御は、HEVモード2での発電量増量分にも応用可能である。
また、所定のSOC(絶対値)以上の場合、SOCの変化量(ΔSOC)の制御に基づいて、エンジン始動開始車速(Vst)の制御や、発電量の増量分(ΔGen)の制御を実施しない構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0020】
この発明に係る電力供給制御装置を、各種車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 車両
2 エンジン
3 発電機
4 蓄電池
5 電力供給制御装置
6 制御手段
7 SOC検出手段
8 車速検出手段
9 エンジン状態検出手段
10 エンジン始動手段
11 発電量増大手段
12 車速平均値算出手段
13 SOC変化量算出手段
14 イグニションスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機を駆動するエンジンと、前記発電機から出力される電気エネルギを蓄え且つ車両の駆動源に電力を供給する蓄電池とを備える電気自動車の電力供給制御装置において、前記蓄電池の蓄電池残量であるSOCの検出を行うSOC検出手段を設け、車速の検出を行う車速検出手段を設け、前記エンジンの始動又は停止状態を検出するエンジン状態検出手段を設け、所定の車速以上で前記エンジンを始動させるエンジン始動手段を設け、前記蓄電池のSOCが第一SOCとなった場合に所定の車速以上で前記エンジンを駆動させるHEVモード1と、前記蓄電池のSOCが前記第一SOCよりも低い第二SOCとなった場合に常時前記エンジンを駆動させるHEVモード2とを備える制御手段を設け、この制御手段は、車速平均値が所定の車速平均値よりも小さいほど、又は前記蓄電池のSOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、前記HEVモード1におけるエンジン始動開始車速を下げることを特徴とする電気自動車の電力供給制御装置。
【請求項2】
発電機を駆動するエンジンと、前記発電機から出力される電気エネルギを蓄え且つ車両の駆動源に電力を供給する蓄電池とを備える電気自動車の電力供給制御装置において、前記蓄電池の蓄電池残量であるSOCの検出を行うSOC検出手段を設け、車速の検出を行う車速検出手段を設け、前記エンジンの始動又は停止状態を検出するエンジン状態検出手段を設け、所定の車速以上で前記エンジンを始動させるエンジン始動手段を設け、前記蓄電池のSOCが第一SOCとなった場合に所定の車速以上で前記エンジンを駆動させるHEVモード1と、前記蓄電池のSOCが前記第一SOCよりも低い第二SOCとなった場合に常時前記エンジンを駆動させるHEVモード2とを備える制御手段を設け、この制御手段は、車速平均値が所定の車速平均値よりも小さいほど、又は前記蓄電池のSOCの減量分が所定量以上で且つその減量分が大きいほど、前記HEVモード1における発電量を増大させることを特徴とする電気自動車の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車速平均値をエンジン停止状態にあると検出された時点から過去に遡る所定期間の車速平均値から算出し、前記蓄電池のSOCの減量分をエンジン停止状態にあると検出された時点から過去に遡る所定期間のSOCの減少量から算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気自動車の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、エンジン始動後車速が大きいほど、発電量を増大させることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の電力供給制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−56613(P2013−56613A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195874(P2011−195874)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】