説明

電気蚊取り装置

【課題】安定した電源供給が可能で経済性にも優れた電気蚊取り装置を提供する。
【解決手段】光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池3と充電式電池6を使用し、例えば屋外での使用で周囲が充分に明るいときは太陽電池3を選択し、太陽電池3より発熱器11に電源を供給して殺虫マット2の殺虫剤を発散させ、また、周囲が暗くなると、充電式電池6を選択し、充電式電池6より発熱器11に電源を供給して殺虫マット2の殺虫剤を発散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯可能な電気蚊取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気蚊取り装置として、殺虫剤を染み込ませたマットを発熱体の上に載置することにより、発熱体の熱により殺虫剤を周囲に発散させるようなものが広く用いられている。
【0003】
このような電気蚊取り装置は、電源を必要とするため、主に家庭などの商用電源が利用できる場所で使用するものがほとんどであった。しかし、最近になって、キャンプなどアウトドアで使用できる携帯可能なものが望まれるようになり、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるように電源に乾電池を用いた電気蚊取り装置が考えられている。
【特許文献1】特開2001−136890号公報
【特許文献2】特開2002−27890号公報
【特許文献3】特開2005−123183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これら特許文献1及び特許文献2の乾電池を電源とするものは、電池容量が少なくなると電池交換が必要となり、予備として用意しておく電池の費用などコストがかかり、また、これら予備の電池を忘れると、装置そのものが使用できなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、安定した電源供給が可能で経済性にも優れた電気蚊取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、発熱手段を有し、該発熱手段の発熱により殺虫剤を気化させて発散させる殺虫剤発散手段と、前記発熱手段に該発熱手段の発熱に要する電源を供給する10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池とを具備したことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明は、発熱手段を有し、該発熱手段の発熱により殺虫剤を気化させて発散させる殺虫剤発散手段と、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、明るさを検知する光検出手段と、前記光検出手段の検出結果に応じて前記太陽電池又は充電式電池を選択し、前記発熱手段に、該発熱手段の発熱に要する電源を供給させる電源選択手段と、を具備したことを特徴とている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、さらに前記太陽電池の出力が電源として与えられ、前記充電式電池を充電する充電手段を有することを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記充電式電池を保持する電池保持部をさらに有し、該電池保持部は前記充電式電池が保持された状態で前記充電式電池を急速充電する充電手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、殺虫剤発散手段は、殺虫剤を染み込ませた殺虫マットと、該殺虫マットが載置される発熱器を有し、該発熱器の発熱により前記殺虫マットの殺虫剤を気化させ発散させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安定した電源供給が可能で経済性にも優れた電気蚊取り装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0014】
図1(a)(b)は、本発明の一実施の形態にかかる電気蚊取り装置の概略構成を示している。図1(a)において、1は装置本体で、この装置本体1は、六面体からなるもので、裏面を除く他の面を格子状に形成されている。この格子状の面は、殺虫剤発生手段としての後述する殺虫マット2より発散される殺虫剤を外部に放出し易くするためのものである。勿論、これら面は、格子状に限らず丸孔やスリットを多数形成したものであっても良い。
【0015】
装置本体1の正面には、孔部1aが設けられている。この孔部1aは、殺虫マット2を挿入するところで、この孔部1a内部には、前記殺虫マット2が載置される後述する発熱器11(図1には示されていない)が配置されている。ここで、殺虫マット2は、殺虫剤を染み込ませたもので、前記発熱器11上に載置すると、発熱器11の熱により殺虫剤を気化して周囲に発散させる。また、装置本体1は、正面上部に太陽電池3が設けられている。太陽電池3は、太陽などの光エネルギーを直接電気エネルギーに変換するもので、例えば、アモルファスシリコンが用いられる。また、装置本体1の上面には、光検出手段として光センサ4が設けられている。ここでの光センサ4は、例えば周囲の光の強さに応じて抵抗値を変化するようなものが用いられる。
【0016】
一方、図1(b)に示すように装置本体1の裏面には、電池収納部5が設けられている。この電池収納部5には、充電式電池6が収納される。電池収納部5内部には、正極端子5a、負極端子5bが設けられている。これら正極端子5a及び負極端子5bは、電池収納部5に充電式電池6が収納された状態で、充電式電池6の正極端子6a及び負極端子6bに各別に接続される。また、電池収納部5には、蓋部7が設けられている。この蓋部7は、電池収納部5の開口部を開閉可能にしている。
【0017】
ここで、充電式電池6には、急速充電が可能なリチウムイオン二次電池が用いられる。リチウムイオン二次電池は、例えば、図2(a)(b)に示すように肉薄で矩形状をした電池本体61を有している。この電池本体61には、前記正極端子6aと負極端子6bが同一面側に並べて設けられ、また周囲にはアルミラミネート外装が施されている。
【0018】
ここで、リチウムイオン二次電池について詳細に説明する。かかる、リチウム二次電池は、リチウムチタン酸化物を活物質として含む負極を備えている。活物質であるリチウムチタン酸化物は、特許文献3に開示される通り、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、リチウムイオンの挿入・離脱が1.4Vから1.7V/Li付近で行われる。このため、この二次電池は大電流での急速充電を行っても、従来の負極活物質に炭素材料を用いた場合と比べてリチウムの析出が起こらずに安全性を確保できる。また、リチウムの吸蔵放出に伴う膨張収縮が生じるのを抑制することができるため、20C電流の急速充電を繰り返し行った際にも負極活物質の構造破壊を抑えることができる。その結果、充放電を繰り返し行った場合においても長い寿命を維持できる。電池の電位としては2.4V程度であることから、従来のニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池の2本直列分に相当するため、使用本数で50%の減量化が達成できる。
【0019】
具体的には、以下のような方法で組み立てたリチウムイオン二次電池は20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電することが可能な急速充電二次電池であることが確認されている。ここで、『C』は充放電率を表す単位であり、完全放電から完全充電(または完全充電から完全放電)までを定電流充電した場合に計算上1時間で行えるレートを1Cとして表現する。1/10時間の場合、10Cと表現する。したがって、例えば20C充電とは、1C充電の20倍の電流が必要になる。
【0020】
<負極の作製>
活物質として、平均粒子径5μmでLi吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のチタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒子径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。
【0021】
なお、活物質の粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所株式会社 型番SALD−300)を用いた。まず、ビーカー等に試料約0.1gを入れた後、界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌し、攪拌水槽に注入した。2秒間隔で、64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析し、累積度数分布が50%の粒径(D50)を平均粒子径とした。
【0022】
次いで、厚さ10μmのアルミニウム箔(純度99.99%)を負極集電体に前記スラリーを塗布し、乾燥した後、プレスを施すことにより電極密度2.4g/cm3の負極を作製した。
【0023】
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを調製した。厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.99%)にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
【0024】
<二次電池の組み立て>
容器(外装部材)の形成材料として、厚さが0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを用意した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、膜厚約0.03mmであった。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。このラミネートフィルムを熱融着で貼り合わせることにより、容器(外装部材)を得、さらに金属アルミニウムの容器に収めた。
【0025】
次いで、前記正極に前記正極端子6aを電気的に接続すると共に、前記負極に前記負極端子6bを電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器(外装部材)に扁平状に成形した電極群を挿入した。
【0026】
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチルラクトン(GBL)が体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒にリチウム塩であるLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を前記容器内に注液し、リチウム二次電池を組み立てた。このようなリチウム二次電池は、満充電時電圧2.8V、放電終止電圧1.5Vで使用することができる。
【0027】
この実施の形態では、前記充電式電池6として、10C以上の電流で急速充電可能なリチウムイオン二次電池が使用される。具体的には、上述した20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電可能なもので、高温下45℃の加速試験では1500回以上の充放電で容量劣化が10%以下の電池が使用される。
【0028】
図1に戻って、図面中8は、電気蚊取り装置を携帯する際に吊り下げて持ち運ぶのに用いられる取っ手で、装置本体1の上面に設けられている。また、9は、電気蚊取り装置を携帯する際にベルトなどに装着するのに用いられるクリップで、装置本体1の裏面に設けられている。
【0029】
図3は、このように構成された電気蚊取り装置の回路構成を示している。なお、図3は、上述した図1と同一部分には同符号を付している。
【0030】
図2において、11は発熱器で、この発熱器11は、殺虫マット2とともに殺虫剤発散手段を構成するもので、ここでは、例えば半導体セラミックヒータが用いられる。この発熱器11は、装置本体1内部の前記孔部1aの近傍に配置されており、前記孔部1aより挿入される殺虫マット2が載置される。この場合、発熱器11は、殺虫マット2の殺虫剤を気化して発散させるのに最適な温度になるものが用いられる。
【0031】
発熱器11には、切換えスイッチ12を介して太陽電池3が接続されるとともに、充電式電池6が接続され、これら太陽電池3又は充電式電池6より電源が供給される。この場合、充電式電池6は、正極端子6a及び負極端子6bより電池収納部5の正極端子5a及び負極端子5bを介して発熱器11に電力を供給する。
【0032】
充電式電池6には、前記切換えスイッチ12の切換えを制御するスイッチ制御部13が接続されている。このスイッチ制御部13は、前記切換えスイッチ12とともに電源選択手段を構成する。このスイッチ制御部13には、前記光センサ4が接続されている。スイッチ制御部13は、光センサ4の抵抗値を検出し、周囲が充分に明るく、光センサ4の抵抗値が充分に小さいときは、切換えスイッチ12を太陽電池3側に切換え、また、周囲が暗くなって光センサ4の抵抗値が大きくなると、切換えスイッチ12を充電式電池6側に切換え、太陽電池3又は充電式電池6を選択する。図示例では、切換えスイッチ12を太陽電池3側に切換えた状態を示している。
【0033】
太陽電池3には、充電手段として充電器14が接続されている。この充電器14には、前記電池収納部5の正極端子5a及び負極端子5bを介して充電式電池6の正極端子6a及び負極端子6bが接続されている。充電器14には、太陽電池3の出力が電源として与えられ、充電式電池6を充電する。また、充電器14には、監視保護手段として監視保護回路15が設けられている。監視保護回路15は、前記充電式電池6の状態を監視するもので、かかる監視結果に応じて充電式電池6の正極端子6a及び負極端子6bに直列接続されるスイッチ16を駆動し、充電式電池6の充放電を停止させる。
【0034】
監視保護回路15は、充電式電池6の過充電、過放電及び過電流を監視するもので、充電式電池6の充電電圧が所定値の範囲では、前記スイッチ16を閉じて充電式電池6の充放電を許容し、充電式電池6の充電電圧が所定値以上になると過充電と判断しスイッチ16を開放して充電式電池6の充電を停止させ、また、充電式電池6の充電電圧が所定値以下になると過放電と判断しスイッチ16を開放して充電式電池6の放電を停止させる。さらに充電式電池6の放電電流が所定値以上になると、過電流と判断しスイッチ16を開放して充電式電池6の放電を停止させる。これにより、充電式電池6が過充電状態になって電解液の分解によりガスが発生し、電池内部の圧力が上昇して漏液するのを防止し、また、充電式電池6が過放電状態になって負極の集電体の銅が電解液で溶解し電池性能を劣化させるのを防止する。なお、監視保護回路15は、充電式電池6の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを監視するものであっても良い。また、このような監視保護回路15は、モジュール化され、充電式電池6内に一体に組み込まれるものが用いられる。
【0035】
次に、このように構成した電気蚊取り装置の作用を説明する。
【0036】
いま、電気蚊取り装置を屋外で携帯するような場合、周囲が充分に明るく光センサ4の抵抗値が充分に小さいと、スイッチ制御部13は、切換えスイッチ12を太陽電池3側に切換える。これにより太陽電池3より発熱器11に電源が供給され、発熱器11の発熱により殺虫マット2の殺虫剤が気化して周囲に発散される。このとき、太陽電池3の出力は、充電器14にも供給されており、充電器14により充電式電池6が充電される。この状態で充電式電池6は、監視保護回路15により監視され、例えば、充電式電池6が過充電、過放電又は過電流と判断されるとスイッチ16が開放し充電式電池6の充放電が強制的に停止される。
【0037】
一方、周囲が暗くなって光センサ4の抵抗値が大きくなると、スイッチ制御部13は、切換えスイッチ12を充電式電池6側に切換える。これにより今度は、充電式電池6より発熱器11に電源が供給され、発熱器11の発熱により殺虫マット2の殺虫剤が気化して周囲に発散される。
【0038】
ところで、このような電気蚊取り装置に用いられる充電式電池6は、一度満充電にすれば、長時間使用できるが、例えば、装置を使用しないような場合も、満充電状態にしておくのが望ましい。
【0039】
そこで、この実施の形態では、例えば、装置と別に電池保持部として電池置き台を用意し、この電池置き台に充電器の機能を付加するようにしている。図4は、このような電池保持部の一例を示すものである。図において、21は電池置き台で、この電池置き台21は、平面上に載置される据置き型をしており、上部に電池差込口21aが設けられている。この電池差込口21aには、上述した充電式電池6が差し込まれる。充電式電池6は、電池差込口21aに差し込まれ保持された状態で前記正極端子6a及び負極端子6bを介して充電手段である充電器22に電気的に接続される。充電器22は、電源コード23を介して不図示のAC電源に接続され、充電式電池6を満充電まで充電する。
【0040】
電池置き台21の前面には、充電ステータス表示部24が設けられている。この充電ステータス表示部24は、充電式電池6の充電状態を表示するもので、充電式電池6の充電中は発光体を点灯し、満充電になると消灯する。ここでの発光体としては、例えばLEDが用いられる。なお、充電器22は、電源コード23を介して自動車のシガレットプラグに接続できるようにもなっている。
【0041】
したがって、このようにすれば、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池3と充電式電池6を使用し、例えば屋外での使用で周囲が充分に明るいときは太陽電池3を選択し、太陽電池3より発熱器11に電源を供給して殺虫マット2の殺虫剤を発散させ、また、周囲が暗くなると、充電式電池6を選択し、今度は、充電式電池6より発熱器11に電源を供給して殺虫マット2の殺虫剤を発散させるようにした。また、組み込まれる充電式電池6として10C以上の電流で急速充電できるリチウムイオン二次電池が用いられことも特徴としている。これにより、周囲の明るさなど、状況に応じて最適な電源として太陽電池3又は充電式電池6を選択して用いることができるので、常に安定した電源の供給を行うことができる。また、太陽電池3と充電式電池6を用いることで、電池交換のコストがかからず経済的にも有利にできる。このことは、廃棄電池を出さずに済むことから、地球環境に対しても好ましい。
【0042】
さらに、本発明で使用する充電式電池6は、上述した特許文献3で述べたような急速充電を可能にしたものなので、太陽電池3の出力でも短時間で満充電にできる。このことは、充電式電池6が充分に充電されていない状態で装置の使用を始めたような場合、太陽電池3の出力が短時間しか得られないことがあっても、充電式電池6により迅速に対応することができる。つまり、一般に用いられる二次電池では、満充電まで充電するのに1〜2時間程度を要するものと比べ、充電式電池6の場合は、数分程度の短時間で満充電まで復帰できるので、装置が長時間使用不能になるような不都合を回避できる。
【0043】
さらに、上述した特許文献1及び特許文献2の乾電池を二次電池に置き換えた場合、これら二次電池でも、電池切れを考慮すると容量の大きな電池を搭載するのが普通で、それによって電池自体が大きくなり、仮に、このような電池を装置に組み込めば、装置全体が大きくなってしまう。しかし、本発明の充電式電池6は、太陽電池3の出力で急速充電が可能で、短い時間で満充電にすることができるので、比較的小さな容量のものを使用でき、そのため、通常の二次電池を使う場合よりも、小さな装置を設計することが可能となる。
【0044】
一方、このような充電式電池6が太陽電池3の出力が充分得られず電池切れを起こしてしまった場合も、図4に示す電池置き台21を用い、この電池置き台21の電池差込口21aに充電式電池6を差し込むだけで充電式電池6を充電する充電器22を付加するようにしている。これにより、ユーザは、充電式電池6を電池置き台21にセットするのみで余計な手間をかけることなく常に充電式電池6を満充電状態にできる。この場合、電池置き台21の充電器22は、自動車のシガレットプラグからも給電できるようになっているので、カーキャンプなどの屋外でも迅速に対応することができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態では、太陽電池と充電式電池を併用する例を述べたが、充電式電池のみを用いたものにも適用できる。この場合、充電式電池6を充電するのは、装置本体1の電池収納部5から充電式電池6を取り外し、上述した電池置き台21を用いて充電すればよい。この場合も、電池置き台21の充電器22が自動車のシガレットプラグから給電できるので、カーキャンプなどの屋外でも使用できる。勿論、装置内部に充電器を設け、外部電源により充電器に電源を供給し充電式電池6を充電することもできる。
【0046】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0047】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電気蚊取り装置の概略構成を示す図。
【図2】一実施の形態に用いられる充電式電池の概略構成を示す図。
【図3】一実施の形態にかかる電気蚊取り装置の回路構成を示す図。
【図4】一実施の形態に用いられる電池置き場の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1…装置本体、1a…孔部、2…殺虫マット
3…太陽電池、4…光センサ、5…電池収納部
5a…正極端子、5b…負極端子、6…充電式電池
61…電池本体、6a…正極端子、6b…負極端子
7…蓋部、11…発熱器、12…スイッチ
13…スイッチ制御部、14…充電器
15…監視保護回路、16…スイッチ
21…電池置き台、21a…電池差込口
22…充電器、23…電源コード
24…充電ステータス表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱手段を有し、該発熱手段の発熱により殺虫剤を気化させて発散させる殺虫剤発散手段と、
前記発熱手段に、該発熱手段の発熱に要する電源を供給する10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と
を具備したことを特徴とする電気蚊取り装置。
【請求項2】
発熱手段を有し、該発熱手段の発熱により殺虫剤を気化させて発散させる殺虫剤発散手段と、
光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、
10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、
明るさを検知する光検出手段と、
前記光検出手段の検出結果に応じて前記太陽電池又は充電式電池を選択し、前記発熱手段に、該発熱手段の発熱に要する電源を供給させる電源選択手段と、
を具備したことを特徴とする電気蚊取り装置。
【請求項3】
さらに前記太陽電池の出力が電源として与えられ、前記充電式電池を充電する充電手段を有することを特徴とする請求項2記載の電気蚊取り装置。
【請求項4】
さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴とする請求項3記載の電気蚊取り装置。
【請求項5】
前記充電式電池を保持する電池保持部をさらに有し、該電池保持部は前記充電式電池が保持された状態で前記充電式電池を急速充電する充電手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の電気蚊取り装置。
【請求項6】
前記殺虫剤発散手段は、殺虫剤を染み込ませた殺虫マットと、該殺虫マットが載置される発熱器を有し、該発熱器の発熱により前記殺虫マットの殺虫剤を気化させ発散させることを特徴とする請求項1又は2記載の電気蚊取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−289023(P2007−289023A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118123(P2006−118123)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000003539)東芝電池株式会社 (109)
【Fターム(参考)】