説明

電気装置および照明装置

【課題】薄形に形成されるとともに安価に形成可能な電気装置およびこの電気装置を具備する照明装置を提供する。
【解決手段】電気装置1は、面実装形部品6が実装された多層基板2と、開口に多層基板2を嵌め込んで取り付けているとともに電子部品8を実装している単層基板3と、多層基板2に実装された面実装形部品6と、単層基板3に実装された電子部品8または単層基板3に形成された配線パターンとを電気接続している電気接続手段4,5とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、多層基板および単層基板を有する電気装置およびこの電気装置を具備する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2枚の回路基板を組み合わせて電気装置を形成する場合、第1の回路基板に第2の回路基板を垂直に実装し、両者の接続パターンをはんだにより電気接続することが行われている(特許文献1参照。)。この場合、はんだの被着面積を大きくすることができて、第1および第2の回路基板の接続強度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−109067号公報(第4−5頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術の電気装置は、第1および第2の回路基板による高さが第2の回路基板が突出している寸法分大きくなり、電気装置の薄形化が図れないものであった。また、第1の回路基板全体を多層構造にすると、コストアップして、電気装置が高価になるという欠点がある。
【0005】
本発明は、薄形に形成されるとともに安価に形成可能な電気装置およびこの電気装置を具備する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の電気装置は、多層基板、単層基板および電気接続手段を有して構成される。
【0007】
実施形態の多層基板は、面実装形部品を実装している。
【0008】
実施形態の単層基板は、多層基板が嵌め込まれる開口を有している。この開口に多層基板を嵌め込んで取り付けている。そして、単層基板は、一面または両面に電子部品を実装しているものである。
【0009】
電気接続手段は、端子、リード線やジャンパ線などであり、多層基板に実装された面実装部品と、単層基板に実装された電子部品または単層基板に形成された配線パターンとを電気接続している。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態によれば、多層基板が単層基板の開口に嵌め込んで取り付けられるので、両者による高さを小さくすることができて、電気装置を薄形化することが期待できる。また、多層基板に配線パターンの引き回しが多い面実装形部品を実装することにより、比較的高価な多層基板を最小に使用することができるとともに、基板全体の大きさを小さくすることができて、電気装置を小形化にすることができ、安価に形成することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1を示す電気装置の一部分解概略斜視図である。
【図2】同じく、電気装置の一部概略斜視図である。
【図3】本発明の実施例2を示す照明装置の概略正面断面図である。
【図4】同じく、照明装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例1を示す電気装置1は、図1および図2に示すように構成される。図1において、電気装置1は、多層基板2、単層基板3および電気接続手段としての端面パターン4,5を有して形成されている。
【0014】
多層基板2は、例えば厚さ2〜3mmのガラスエポキシ材からなり、長方形に形成されている。そして、一面2aに面実装形部品であるIC部品6が実装されている。IC部品6の側部には多数の端子6aが導出されている。この端子6aは、多層基板2の表面の導電パッドに接続され、多層基板2の内部の図示しない配線パターンに接続されている。また、多層基板2の端面側には、銅箔からなる複数の端面パターン4が設けられている。この端面パターン4は、多層基板2の内部の配線パターンを介してIC部品6の端子6aに電気接続している。
【0015】
単層基板3は、リジット基板により形成され、その厚さは、1.6mmである。そして、多層基板2が嵌め込まれる開口7が形成されている。この開口7は、多層基板2の外形寸法よりも若干大きい長方形に形成されていて、単層基板3に貫挿されている。単層基板3の一面3aには、複数の電子部品8が実装されている。この電子部品8は、電気装置1の高さ寸法を小さくする点からして、なるべく面実装形を用いるのが好ましく、ディスクリート部品を用いる場合には単層基板3に沿うように配設するのが望ましい。そして、開口7の端面には、銅箔からなる端子5が設けられている。この端子5は、多層基板2の端面パターン4に対応して設けられ、図示しない配線パターンにより電子部品8に接続されている。
【0016】
そして、開口7には、図2に示すように、多層基板2が嵌め込まれて取り付けられている。多層基板2は、開口7の縁部の複数箇所で図示しない絶縁性の接着材により単層基板3に固着されている。そして、多層基板2は、単層基板3よりも厚さが大きい分、単層基板3の一面3aから突出している。そして、多層基板2の端面パターン4と単層基板3の端子4は、図示しないはんだにより電気接続されている。
【0017】
なお、単層基板3は、一面3aと反対側の他面にも電子部品8を実装するものであってもよい。すなわち、単層基板3は、両面実装基板であってもよい。
【0018】
次に、本発明の実施例1の作用について述べる。
【0019】
多層基板2は、IC部品6の多数の端子6aが接続される複雑な配線パターンをその内部に形成しているので、その外形寸法を最小にすることができる。これにより、比較的高価な多層基板2が最小に使用される。また、多層基板2および単層基板3の両者による大きさが小さくなる。
【0020】
そして、多層基板2が単層基板3の開口7に嵌め込んで取り付けられることにより、両者の高さが厚さの大きい多層基板2により設定されて、基板全体の高さが小さくなるものである。
【0021】
このように、本実施形態の電気装置1は、多層基板2が単層基板3の開口7に嵌め込んで取り付けられるので、両者による高さを小さくすることができて、電気装置1を薄形化することができるという効果を有する。また、多層基板2に配線パターンの引き回しが多い面実装形部品であるIC部品6を実装することにより、比較的高価な多層基板2を最小に使用することができ、基板全体の大きさを小さくすることができて、電気装置1を小形化にすることができるとともに安価に形成することができるという効果を有する。
【実施例2】
【0022】
図3および図4は、本発明の実施例2を示し、図3は照明装置の概略正面断面図、図4は照明装置の概略側面図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0023】
図7に示す照明装置10は、天井面などに直付けされる直付け照明器具であり、器具本体11と、この器具本体11に取り付けられた光源ユニット12に形成されている。器具本体11および光源ユニット12は、それぞれ長方形の箱状に形成されている。器具本体11は、その長手方向の大きさが光源ユニット12とほぼ同等に形成されているが、その短手方向の大きさは、図4に示すように、光源ユニット12よりも小さく形成されている。光源ユニット12は、器具本体11の一端側11aであって光源ユニット12の長手方向の両端側12a,12bにおいて、複数個のねじ13により器具本体10に取り付けられている。
【0024】
図3において、光源ユニット12は、照明負荷としての発光ダイオード14を格子状に多数配設している。発光ダイオード14は、可視光を放射するように形成されている。そして、光源ユニット12は、その開口側12cに透光性カバー15を配設している。発光ダイオード12から放射された可視光は、透光性カバー14を透過して床面側に放射される。すなわち、発光ダイオード12は、床面側に可視光を放射可能に配設されている。
【0025】
器具本体10は、その内部に図2示す電気装置1を収容している。電気装置1は、発光ダイオード14を点灯する点灯装置に形成されている。
【0026】
本実施形態の照明器具10は、薄形化され、安価に形成される電気装置1が器具本体10に収容されているので、全体を薄形化することが可能であり、安価に形成することができるという効果を有する。
【0027】
なお、本実施形態の照明装置は、直付け形照明器具に限らず、吊り下げ形照明器具や埋込形照明器具などに構成されてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1…電気装置、 2…多層基板、 3…単層基板、 4…電気接続手段としての端面パターン、 5…電気接続手段としての端子、 6…面実装形部品としてのIC部品、 7…開口、 8…電子部品、 10…照明装置、 11…器具本体、 14…照明負荷としての発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面実装形部品が実装された多層基板と;
開口を有し、この開口に前記多層基板を嵌め込んで取り付けているとともに電子部品を実装している単層基板と;
前記多層基板に実装された面実装形部品と、前記単層基板に実装された電子部品または前記単層基板に形成された配線パターンとを電気接続している電気接続手段と;
を具備していることを特徴とする電気装置。
【請求項2】
可視光を放射する照明負荷と;
この照明負荷を点灯するように形成された請求項1記載の電気装置と;
一端側に可視光を放射可能に前記照明負荷が配設され、内部に前記電気装置が収容されている器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−79846(P2012−79846A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222277(P2010−222277)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】