説明

電池モジュール

【課題】本発明は、組立作業の効率が改善でき、小型化も可能になる電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】それぞれ電極ポスト13を有する単電池11を複数個集合させてなる単電池11群と、前記各電極ポスト13にボルト締めすることで前記電極ポスト13間を接続するバスバー16と、前記単電池11群の前記各電極ポスト13に前記バスバー16と共に共締めされるフレキシブル絶縁板19と、このフレキシブル絶縁板19に形成され前記各電極ポスト13に個別に接触可能な複数の接点パッド23と、前記フレキシブル絶縁板19に前記接点パッド23毎に形成されて一端が接点用導電層20に連なる検知線導電層21と、前記フレキシブル絶縁板19を押さえ付けた状態で前記電極ポスト13に前記フレキシブル絶縁板19と共に共締めされる絶縁板24とを備える電池モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車両に搭載される動力用の電池モジュールは、一般に、特許文献1に記載のようなバスバーを介して多数の単電池を直列接続して構成されている。
【0003】
近年、この種の電池モジュールでは、構成する単電池毎の端子電圧を測定し、より適切な充放電制御を達成することが試みられている。そのためには、各単電池の正負の端子に電圧検知線を接続する必要がある。
【0004】
そこで従来、電池モジュールの電圧検知線は、絶縁被覆電線の先端を皮剥ぎして芯線に端子をカシメ接続し、その端子を単電池の電極ポストに嵌合し、電極ポストにバスバーと共にナットで共締めする構造が採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−333343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の構造では、電池モジュールの組立工程において端子を一つ一つ単電池の電極ポストに嵌合しなくてはならない。このため、電池モジュールが高電圧化して単電池数が増大すると、電池モジュールの組立作業には多大な手間を要することになる。
【0007】
また、できるだけ細い絶縁電線を使用して電圧検知線群をワイヤハーネス化するとしても、単電池数が多くなるほどワイヤハーネスは太くなり、電池モジュールの小型化の障害となるという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、組立作業の効率が改善でき、また、小型化も可能になる電池モジュールを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、それぞれ電極ポストを有する単電池を複数個集合させてなる単電池群と、前記各電極ポストにボルト締めすることで前記電極ポスト間を接続するバスバーと、前記単電池群の前記各電極ポストに前記バスバーと共に共締めされるフレキシブル絶縁板と、このフレキシブル絶縁板に形成され前記各バスバーに個別に接触可能な複数の接点パッドと、前記フレキシブル絶縁板に前記接点パッド毎に形成されて一端が接点用導電層に連なる検知線導電層と、前記フレキシブル絶縁板を押さえ付けた状態で前記バスバーに前記フレキシブル絶縁板と共に共締めされる絶縁板と、を備えるところに特徴を有する。
【0010】
この構造によれば、電池モジュールを組み立てる際、フレキシブル絶縁板は電極ポストに対してバスバーと共に共締めされる。
【0011】
フレキシブル絶縁板には予め、各バスバーに接触可能な複数の接点パッドと検知線導電層とが形成されているから、フレキシブル絶縁板とバスバーとが共に共締めされることで、バスバーと各接点パッドとが同時的に電極ポストに接続され、電極ポストにおける電圧信号を、検知線導電層を通して外部に取り出すことができるようになる。
【0012】
単電池群の組立時には製造誤差や組立誤差によって各単電池の電極ポスト間等の距離にバラツキが発生していることがあるが、フレキシブル絶縁板は可撓性を有するから、それらのバラツキを吸収することができる。
【0013】
その一方で、フレキシブル絶縁板が可撓性を有することにより、電極ポストに対してバスバーと共に共締めする際に、フレキシブル絶縁板が変形してバスバーへの接続が不安定になることが懸念される。
【0014】
しかし、本発明ではフレキシブル絶縁板と共に絶縁板を押さえ付けた状態で共締めするようにしているから、その絶縁板によってフレキシブル絶縁板の接点パッドとバスバーとの接続を良好に維持することができる。
【0015】
また、フレキシブル絶縁板には複数本の検知線導電層が形成されているから、複数本の絶縁電線を束ねてワイヤハーネスとして構成するものに比べて全体として薄型化することができ、電池モジュールを小型化することができる。
【0016】
本発明の実施態様としては、以下の態様が好ましい。
【0017】
前記絶縁板は、前記接点パッド群を構成する複数群の前記接点パッド毎に分けて設けられ、各絶縁板は相互間に空隙が生じる構成が好ましい。
【0018】
上記構成によれば、電極ポストに嵌め込んだフレキシブル絶縁板に撓みが生じている場合に、この撓みを絶縁板間の空隙に集めることにより、フレキシブル絶縁板と絶縁板との接触部分ではフレキシブル絶縁板は撓みのない状態に保たれる。
【0019】
前記電極ポストは、前記単電池の本体側において段付き状に広がる締付座を有すると共に、その締付座の先端側に雄ネジ部を有する段付きボルト状をなし、前記バスバー、前記フレキシブル絶縁板及び前記絶縁板には前記雄ネジ部を挿通させる挿通孔がそれぞれ形成され、前記各挿通孔に挿通させた前記雄ネジ部にナットを螺合して前記絶縁板に締め付けることで前記フレキシブル絶縁板の各接点パッドを前記バスバーに接触させる構成が好ましい。
【0020】
上記構成によれば、電極ポストに締付座が形成されているから、この締付座とナットとの間でバスバーとフレキシブル絶縁板とが十分に締め付けられて電気的接触状態が安定する。
【0021】
接点パッドを、フレキシブル絶縁板の挿通孔の周縁に円環状をなして形成することで、接触状態がより安定する。
【0022】
各接点パッドをフレキシブル絶縁板の外周縁部に沿って形成し、検知線導電層を接点パッドの形成領域の内側に形成する構成にすると、単電池群の内側に形成されるデッドスペースを利用して検知線導電層を集約することができ、一層の小型化が可能になる。
【0023】
また、フレキシブル絶縁板の表面に、挿通孔の周縁に位置して接点パッドよりも広い面積の接点用導電層を形成し、その接点用導電層及び検知線導電層を覆って絶縁性保護被膜を重ね、その絶縁性保護被膜のうち挿通孔の周縁部に挿通孔よりも大きな開口径の開口部を形成することで接点用導電層の一部が接点パッドとして露出するようにしてもよい。
【0024】
これにより、接点パッドの周囲と接点用導電層と検知線導電層とを効果的に絶縁することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、従来構造と比べて作業効率よく電池モジュールを組み立てることができ、かつ、小型化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態における電池モジュールを示す斜視図である。
【図2】電池モジュールの分解斜視図である。
【図3】フレキシブル絶縁板の上に絶縁板を載せた状態の平面図である。
【図4】組み立てられた電池モジュールにおける電極ポストの断面図である。
【図5】フレキシブル絶縁板の挿通孔を含む周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態を図1ないし図5によって説明する。本実施形態の電池モジュール10は、多数個の単電池11を直列に接続して例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動用として構成したものである。
【0028】
各単電池11は、円柱状の本体部12内に電池要素を収容してなると共に、その本体部12の上下両端面には正負の電極ポスト13が突設されている。正負の各電極ポスト13は共に同一の構造で、円柱状の基部14の先端側に、基部14より径寸法が小さい雄ネジ部15を同心に突出させてなり、基部14の上面外周部を、後述するバスバー16を締め付けるための締付座17としている(図4参照)。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の電池モジュール10では、例えば各列14個の単電池11を同一ピッチで例えば4列に並べた配列をなしており、同一列に属する各単電池11については同一極性の電極ポスト13が連続して並ぶようになっており、隣り合う列については異なる極性の電極ポスト13が交互に並ぶようになっている。
【0030】
また、隣り合う列については各単電池11の配置ピッチが1/2ずつずらしてあり、一つの単電池11の軸中心が隣の列の2つの単電池11の軸中心間の中央に対応するようになっている。
【0031】
各単電池11は図1に示すようにバスバー16によって電気的に接続されている。バスバー16は、両端に電極ポスト13の雄ネジ部15より所定寸法だけ大きく、締付座17より小さい径の挿通孔16a(図4参照)を有する。
【0032】
各挿通孔16a間は単電池11の直径よりも大きな距離となるように設定されていて、バスバー16の2つの挿通孔16aに各単電池11の電極ポスト13を接続した状態では各単電池11間に隙間が形成される。
【0033】
バスバー16は単電池11の個数に対して半分の枚数の数が準備されており、これらのバスバー16によって隣り合う列の2つの単電池11の電極ポスト13間が図1に示す単電池11群の上下両面において接続される。
【0034】
隣り合う列の単電池11は電極ポスト13の極性が逆になるように配置されているから、結局、各単電池11は全てが直列接続された状態になる。
【0035】
また、この直列接続回路の両端に位置するように2枚のリード用バスバー18が接続されている。なお、全ての単電池11は、各バスバー16によって直列接続された状態にあるから、一群として自立的にまとまっており、図示しないケース内に固定される。
【0036】
本実施形態では、4列に並ぶ単電池11群の上面には内側の2列に関して端子電圧を検出するためのフレキシブル絶縁板19が設けられている。このフレキシブル絶縁板19は例えばポリイミド等の合成樹脂フィルム製であって、単電池11群の並び長さ寸法を越える長さ寸法を有し、内側の2列の単電池11についてそれらの電極ポスト13間の横方向寸法よりも広い幅寸法を有している。
【0037】
このフレキシブル絶縁板19の長手方向に沿う両縁部には、二列分の単電池11の各電極ポスト13に対応する挿通孔19aが等間隔で二列に並んで形成されている。挿通孔19aの径は、電極ポスト13の雄ネジ部15の外径より大きい寸法で設定されている。
【0038】
これにより、フレキシブル絶縁板19を、各挿通孔19aに二列の単電池11群の全ての電極ポスト13を貫通させた状態で単電池11群にセットすることができる。
【0039】
図3に示すようにフレキシブル絶縁板19のうち前記バスバー16に接する側の面には、各挿通孔19aの周縁部を含んでほぼ矩形状をなす接点用導電層20が形成されている。
【0040】
また、この接点用導電層20と同一の面に、上記各接点用導電層20毎にこれに連なる検知線導電層21が形成されている。これらの接点用導電層20及び検知線導電層21は、例えばフレキシブル絶縁板19の全面に貼り付けた銅箔をエッチング手法によって所定形状にしたものである。
【0041】
検知線導電層21は、各接点用導電層20毎に独立して設けられているから、計28個の接点用導電層20に対して28本の独立した線路を構成しており、互いに僅かな空隙を隔てて絶縁された状態で接点用導電層20列の形成領域の内側領域に長手方向に延びるように形成されている。
【0042】
なお、上記検知線導電層21の接点用導電層20とは反対側の端部には計28個の端子部(図示せず)が設けられている。
【0043】
そして、上記フレキシブル絶縁板19の各導電層20,21を形成した表面には、さらに絶縁性保護被膜としてのカバーレイ22が形成されている。このカバーレイ22は、上述の端子部と、前記接点用導電層20の挿通孔19a内周側とを残して全体を覆うように形成されていて、検知線導電層21の全体はこれに覆われている。
【0044】
カバーレイ22のうち各挿通孔19aに対応する部分には、挿通孔19aの内径P1よりも所定寸法だけ大きな外径X1、内径X2の円環状の開口部が形成されている。これにより、接点用導電層20のうち挿通孔19aの周縁部は(X1−X2)の値に相当する幅の円環状の接点パッド23が露出することになる。
【0045】
本実施形態において、図2に示すようにフレキシブル絶縁板19は、絶縁板24と共にナット25により雄ネジ部15に共締めされている。絶縁板24は、計28個からなる接点パッド23群のうち各4個の接点パッド23群毎に対応して、即ち、全体の接点パッド23群を7群に分けて設けられている。
【0046】
従って、絶縁板24は、4本の雄ネジ部15を貫通させる4つの挿通孔24aを有する。各挿通孔24aの内径は、電極ポスト13の雄ネジ部15の外径より大きく、かつ、締付座17の外径よりも小さく形成されている。
【0047】
各絶縁板24の各挿通孔24aが、それぞれ4本の雄ネジ部15を貫通して4本の単電池11に取り付けられた状態では、各絶縁板24間には空隙が残されるようになっている。
【0048】
なお、絶縁板24は、例えばガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させてなるリジッドタイプであって、フレキシブル絶縁板19に比べて十分な剛性を有する。
【0049】
次に、上記構成の電池モジュール10の組立手順について説明する。
【0050】
まず、一の単電池11の電極ポスト13の雄ネジ部15と、これと隣の列の異なる極性をもつ電極ポスト13の雄ネジ部15との2つの電極ポスト13の雄ネジ部15に、バスバー16の両端に形成された挿通孔16aを各々挿通させて、電極ポスト13間を接続する。
【0051】
これを順次繰り返すことにより、すべての単電池11は直列に接続される。このとき、電極ポスト13の雄ネジ部15に挿通されたバスバー16は、バスバー16の挿通孔16aの径が締付座17の径より小さいので、電極ポスト13の締付座17の上に載っている状態となる。
【0052】
次に、単電池11群の内側の2列に位置する各単電池11の電極ポスト13の雄ネジ部15に、フレキシブル絶縁板19上の端子パッド24とバスバー16とが接触するように配したフレキシブル絶縁板19の挿通孔19aを嵌め込む。
【0053】
具体的には、フレキシブル絶縁板19には単電池11群の内側の2列に存在する電極ポスト13と同数の挿通孔18が存在しているので、挿通孔19aを電極ポスト13の雄ネジ部15に一つ一つ嵌め込んでいく形となる。
【0054】
次に、各絶縁板24の4つの挿通孔24aを、フレキシブル絶縁板19が嵌め込まれた各電極ポスト13の雄ネジ部15に嵌め込む。このとき、絶縁板24は4本の電極ポスト13毎に1枚が対応し、すべての電極ポスト13に絶縁板24が嵌め込まれるようにする。
【0055】
最後に、各単電池11の電極ポスト13の雄ネジ部15にナット25を螺合し、そのナット25と締付座17との間でバスバー16、フレキシブル絶縁板19、及び絶縁板24を共締めして組立作業が終了する。
【0056】
この構造によれば、フレキシブル絶縁板19には予め、各バスバー16に接触可能な複数の接点パッド23と検知線導電層21とが形成されているから、フレキシブル絶縁板19上のすべての接点パッド23を各電極ポスト13の雄ネジ部15に嵌め込んだ後に、フレキシブル絶縁板19とバスバー16とを共に共締めすることになる。
【0057】
これにより、すべての接点パッド23とバスバー16とを同時的に電極ポスト13に接続することができるから、バスバー16による単電池11の接続と各単電池11に対する電圧検知線の接続とを一気に行うことができ、電池モジュール10の組立作業の効率を高くすることができる。
【0058】
しかも、本実施形態では、フレキシブル絶縁板19上に検知線導電層20を銅箔によって形成したから、絶縁電線によって構成する従来構造に比べて、必要なスペースが少なく、電池モジュール10を小型化することができる。
【0059】
また、各接点パッド23間に形成されるデッドスペースに検知線導電層21を集約することで、フレキシブル絶縁板19自体も小型化することがでるから、電池モジュール10の一層の小型化が可能となる。
【0060】
ところで、前述したようにしてバスバー16によって単電池11群を組み立ててゆく際には、各種の製造誤差や組立誤差によって各単電池11の電極ポスト13間の距離やバスバー16の挿通孔16a間の距離と、フレキシブル絶縁板19の接点パッド23間の距離とが正確に一致しないというバラツキが発生することは避け得ない。
【0061】
このような場合、本実施形態ではフレキシブル絶縁板19は可撓性を有する材料により形成しているから、フレキシブル絶縁板19が撓むことでそれらのバラツキが組立の障害となることを防止することができる。
【0062】
その一方で、フレキシブル絶縁板19は可撓性を有するため、フレキシブル絶縁板19を雄ネジ部15に嵌め込んだ際にフレキシブル絶縁板19が撓むことがある。
【0063】
この撓みが起因となって、フレキシブル絶縁板19とバスバー16とを共締めするときに接点パッド23がバスバー16から部分的に浮き上がる等の接続不良が発生することが懸念される。
【0064】
しかし、本実施形態では、フレキシブル絶縁板19の上に硬質な絶縁板24を載せることで、フレキシブル絶縁板19が、絶縁板24とバスバー16との間に挟まれ、押し潰されるかたちとなり、バスバー16とフレキシブル絶縁板19とが密着する状態に保ち、ひいてはフレキシブル絶縁板19の接点パッド23とバスバー16との接触を良好に保つことができる。
【0065】
また、複数の絶縁板24を絶縁板24相互間に空隙が生じるように配置することで、フレキシブル絶縁板19に生じている撓みを空隙に集め、絶縁板24とフレキシブル絶縁板19が重なっている部分のフレキシブル絶縁板19については撓みがない状態に保つことができる。
【0066】
さらに、電極ポスト13に締付座17を設けることで、雄ネジ部15に嵌ったバスバー16、フレキシブル絶縁板19及び絶縁板24を共締めするときの固定台座として締付座17が働く。
【0067】
これにより、締付座17とナット25との間で、バスバー16、フレキシブル絶縁板19及び絶縁板24が十分に締め付ることができるので、バスバー16とフレキシブル絶縁板19とを密着させることができる。
【0068】
また、接点パッド23を、フレキシブル絶縁板19の挿通孔18の周縁に円環状をなす形状にしたから、万一、フレキシブル絶縁板19に対する押さえ力が低下する状況になったとしても、円環状の接点パッド23のいずれかの部分がバスバー16と接触状態を維持する。これらの構成によって、各接点パッド23とバスバー16との電気的接続を一層確実に維持できるのである。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
(1)本実施形態では、単電池の形状を円柱状としたが、例えば多角形の柱状や断面が長円形や角型の単電池であってもよい。
【0071】
(2)本実施形態では、絶縁板は7群に分けて配置したが、少なくとも2群以上に分けていればよく、各1個の電極ポストに対して1枚の絶縁板を用いてもよい。
【0072】
(3)本実施形態では、電極ポストからボルトを突出させて、ボルトにバスバー、フレキシブル絶縁板、及び絶縁板を嵌め込んだ後にナットで共締めする構成としたが、電極ポストの先端にボルトを螺合可能な雌ネジ部を陥没して形成し、その電極ポストの上にバスバー、フレキシブル絶縁板及び絶縁板を載せた後に、バスバー、フレキシブル絶縁板、及び絶縁板に設けた各挿通孔にボルトを差し込んで共締めする構成でもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…電池モジュール
11…単電池
12…本体部
13…電極ポスト
14…基部
15…雄ネジ部
16…バスバー
17…締付座
18…リード用バスバー
19…フレキシブル絶縁板
20…接点用導電層
21…検知線導電層
22…カバーレイ
23…接点パッド
24…絶縁板
25…ナット
16a、19a、24a…挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ電極ポストを有する単電池を複数個集合させてなる単電池群と、
前記各電極ポストにボルト締めすることで前記電極ポスト間を接続するバスバーと、
前記単電池群の前記各電極ポストに前記バスバーと共に共締めされるフレキシブル絶縁板と、
このフレキシブル絶縁板に形成され前記各電極ポストに個別に接触可能な複数の接点パッドと、
前記フレキシブル絶縁板に前記接点パッド毎に形成されて一端が接点用導電層に連なる検知線導電層と、
前記フレキシブル絶縁板を押さえ付けた状態で前記電極ポストに前記フレキシブル絶縁板と共に共締めされる絶縁板
とを備える電池モジュール。
【請求項2】
前記絶縁板は、前記接点パッド群を構成する複数群の前記接点パッド毎に分けて設けられ、各絶縁板は相互間に空隙が生じるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電極ポストは、前記単電池の本体側において段付き状に広がる締付座を有すると共に、その締付座の先端側に雄ネジ部を有する段付きボルト状をなし、前記バスバー、前記フレキシブル絶縁板及び前記絶縁板には前記雄ネジ部を挿通させる挿通孔がそれぞれ形成され、前記各挿通孔に挿通させた前記雄ネジ部にナットを螺合して前記絶縁板に締め付けることで前記フレキシブル絶縁板の各接点パッドを前記バスバーに接触させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記接点パッドは、前記フレキシブル絶縁板の前記挿通孔の周縁に円環状をなして形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記各接点パッドは前記フレキシブル絶縁板の外周縁部に沿って形成され、前記検知線導電層は前記接点パッドの形成領域の内側に位置して形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記フレキシブル絶縁板の表面には前記挿通孔の周縁に位置して前記接点パッドよりも広い面積の接点用導電層が形成されると共に、その接点用導電層及び前記検知線導電層を覆って絶縁性保護被膜が重ねられ、その絶縁性保護被膜のうち前記挿通孔の周縁部にはその挿通孔よりも大きな開口径の開口部が形成されることで前記接点用導電層の一部が前記接点パッドとして露出するようにされていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−267405(P2010−267405A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115642(P2009−115642)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】