説明

電池冷却/加温装置

【課題】小型化及び高効率化を図った電池冷却/加温装置を提供する。
【解決手段】車載の電池10を冷却又は加温するプレート11と、エンジン冷却水をラジエター13を経て循環するラジエターサイクル3と、圧縮機14、凝縮器15、第1減圧装置16及び蒸発器17を有する冷凍サイクル4と、第1減圧装置16及び蒸発器17と並列に接続された第2減圧装置18及び熱交換器19と、エンジン冷却水を熱交換器19、プレート11、ラジエター3の順に循環する冷却/加温サイクル2とを備え、電池10の加温時には、エンジン冷却水を熱交換器19、プレート11の順に流してプレート11を加温し、電池10の冷却時には、第2減圧装置18及び熱交換器19を流れる冷媒で、熱交換器19を流れるエンジン冷却水を冷却し、この冷却水をプレート11に流してプレート11を冷却することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車に搭載される電池モジュールの温度調整を行う電池冷却/加温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車に搭載される電池モジュールは、低温時の出力低下対策或いは高温時の劣化対策として、電池モジュールにカーエアコンからの温風或いは冷風を導風ダクトにより導いて、電池モジュールの温度調整を行っている。この種の温度調整装置においては、カーエアコンの暖房は、液冷式エンジンの冷却液を温水ヒータに導き温風を得ている。しかし、暖房が効き始めるまでには、時間がかかり、その間電池モジュールを加温することができない。そのため、電池モジュールに、エンジン冷却液、或いは、エンジン排ガスによって加熱された流体を熱源とする温水加熱手段を併設して、カーエアコンの暖房が効き始めるまでは、この温水加熱手段を用いて電池モジュールを昇温させる電池モジュールの温度調整装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−073430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のハイブリッド自動車に搭載される電池モジュールは、車両の走行距離を伸ばすために、限られたスペースに、より多くの電池を積み込む必要があり、電池モジュールに装着される温度調整装置は小型化する必要がある。しかしながら、電池モジュールを適正温度に保つために、カーエアコンから導かれる空調風を用いた温調手段と、エンジン冷却液或いはエンジン排ガスによって加熱された流体を熱源とする温水を用いた加熱手段との両方を電池モジュールに装着する必要があり、温度調整装置が大型化してしまう。そのため、設置スペースが限られている車載用電池モジュールにおいては、積載できる電池の数に影響を与えてしまう。
また、この種の温度調整装置においては、カーエアコンで温度調節された空調用冷温風の一部を電池モジュールに導いて電池モジュールの温度調整を行うため、カーエアコンの負荷が大きくなり、エネルギー効率が悪く、車両の燃費悪化につながるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型化及び高効率化を図った電池冷却/加温装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車載の電池を冷却又は加温するプレートと、エンジン冷却水をラジエターを経て循環するラジエターサイクルと、圧縮機、凝縮器、第1減圧装置及び蒸発器を有する冷凍サイクルと、前記第1減圧装置及び蒸発器と並列に接続された第2減圧装置及び熱交換器と、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレート、前記ラジエターの順に循環する冷却/加温サイクルとを備え、前記電池の加温時には、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレートの順に流して当該プレートを加温し、前記電池の冷却時には、前記第2減圧装置及び前記熱交換器を流れる冷媒で、前記熱交換器を流れる前記エンジン冷却水を冷却し、この冷却水を前記プレートに流して当該プレートを冷却することを特徴とする。
【0006】
この構成において、前記熱交換器にはエンジン入口のエンジン冷却水を流す構成としても良い。また、前記熱交換器にはエンジン出口のエンジン冷却水を流す構成としても良い。前記電池の冷却時に、前記エンジン冷却水を前記プレートの出口から前記熱交換器の入口へ循環させる第一のバイパス経路を備えた構成としても良い。また、前記電池の加温時に、前記エンジン冷却水を前記ラジエターの入口と出口をバイパスして前記冷却/加温サイクルに循環させる第二のバイパス経路を備えた構成としても良い。また、前記プレートに併設され、前記電池の加温時に、前記プレートを加温するヒータを備えた構成としても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車載の電池を冷却又は加温するプレートと、エンジン冷却水をラジエターを経て循環するラジエターサイクルと、圧縮機、凝縮器、第1減圧装置及び蒸発器を有する冷凍サイクルと、前記第1減圧装置及び蒸発器と並列に接続された第2減圧装置及び熱交換器と、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレート、前記ラジエターの順に循環する冷却/加温サイクルとを備え、前記電池の加温時には、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレートの順に流して当該プレートを加温し、前記電池の冷却時には、前記第2減圧装置及び前記熱交換器を流れる冷媒で、前記熱交換器を流れる前記エンジン冷却水を冷却し、この冷却水を前記プレートに流して当該プレートを冷却する構成としたため、低温或いは高温のエンジン冷却水をプレートに流すという簡単な構造で電池の冷却及び加温の両方を行うことができ、電池冷却/加温装置を小型化することができる。また、低温或いは高温のエンジン冷却水をプレートに流してプレートの冷却或いは加温を行い、このプレートで電池の冷却或いは加温を行うため、カーエアコンで温度調節された空調用冷温風を用いて電池の冷却/加温をするのに比べてエネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電池冷却/加温装置の回路を示す図である。
【図2】電池冷却/加温装置の運転処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第二実施形態に係る電池冷却/加温装置の回路を示す図である。
【図4】電池冷却/加温装置の運転処理のフローチャートである。
【図5】本発明の第三実施形態に係る電池冷却/加温装置の回路を示す図である。
【図6】電池冷却/加温装置の運転処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第四実施形態に係る電池冷却/加温装置の回路を示す図である。
【図8】電池冷却/加温装置の運転処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第五実施形態に係る電池冷却/加温装置の回路を示す図である。
【図10】電池冷却/加温装置の運転処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る電池冷却/加温装置100の回路を示す図である。本実施形態に係る電池冷却/加温装置100は、内燃機関及び電動機を駆動源としたハイブリッド自動車に搭載される車載用の二次電池である電池モジュール10の冷却/加温を行うために備えられている。電池モジュール10は、図示は省略したが、複数の例えば角形電池を組み付けて形成した組電池を備えている。この組電池には、プレート11が当接されて備えられ、プレート11に低温水或いは高温水を流して電池モジュール10の冷却或いは加温が行われる構成となっている。電池モジュール10は、電池モジュール10の温度を検出する温度センサー27を備えて構成されている。
【0010】
電池冷却/加温装置100は、エンジン冷却水をプレート11に、ラジエター13および熱交換器19を経て循環する冷却/加温サイクル2と、エンジン冷却水をラジエター13を介してエンジンに循環するラジエターサイクル3と、カーエアコン等の冷凍サイクル4とから概略構成され、電池冷却/加温装置100の運転処理を行う制御装置50を備えて構成されている。
ラジエターサイクル3は、ラジエター13の冷却水出口であるラジエター出口13bと、エンジン12の冷却水入口であるエンジン入口12aとの間に接続され、ラジエターサイクル3において冷却水を循環させるポンプ21と、ラジエター出口13bに接続され、エンジン冷却水の温度を検出する温度センサー28とを備えている。温度センサー28は、本実施形態においては、ラジエター13を通過した後のエンジン冷却水を検出する。
【0011】
冷却/加温サイクル2は、ラジエターサイクル3のポンプ21とエンジン入口12aの間に設けられた冷却水導入経路5を介してラジエターサイクル3に接続されている。冷却水導入経路5は、流量調整機構20を介して熱交換器19に接続され、熱交換器19は、プレート11に連通している。これによって、ラジエター13を通ったエンジン冷却水の一部が、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水から分流し、冷却水導入経路5に導かれ、熱交換器19、プレート11の順に通る。プレート11を出たエンジン冷却水は、エンジン12の冷却水出口であるエンジン出口12bの下流側でラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流して、ラジエター13に導かれる構成となっている。また、流量調整機構20は、その開度が制御装置50によって制御され、流量調整機構20の開度によって、ラジエターサイクル3から冷却/加温サイクル2に分流されるエンジン冷却水の水量が調整される構成となっている。
【0012】
冷凍サイクル4は、圧縮機14、凝縮機15、第一減圧装置(第1減圧装置)16及び蒸発器17が冷媒管4aで接続されて構成されている。冷凍サイクル4は、冷媒管4aから分岐し、第一減圧装置16及び蒸発器17と並列に第二減圧装置18及び熱交換器19を接続する冷媒導入経路5bが設けられている。これによって、冷凍サイクル4を循環する冷媒の一部は、冷媒導入経路5bを通って、熱交換器19に第二減圧装置(第2減圧装置)18を介して流れる構成となっている。
【0013】
これらの構成によれば、電池モジュール10の加温時は、冷媒導入経路5bに設けられている第二減圧装置18は閉じられるため、熱交換器19には、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水だけが流れ、熱交換器19を通過したエンジン冷却水は高温のままプレート11に流れ、プレート11が加温される。また、電池モジュール10の冷却時には、冷媒導入経路5bに設けられている第二減圧装置18が開かれ、熱交換器19に冷凍サイクル4を循環する低温の冷媒の一部が流れ、熱交換器19内でエンジン冷却水と熱交換する。熱交換器19を通過し、冷凍サイクル4を循環する低温の冷媒と熱交換して低温となったエンジン冷却水は、プレート11に流れ、プレート11が冷却される。
【0014】
次に、電池冷却/加温装置100の運転処理について説明する。図2に示されるように、電池冷却/加温装置100の各種制御装置、例えば流量調整機構20及び第二減圧装置18は、温度センサー27,28で検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr1(ラジエター13を通過した後のエンジン冷却水の温度)と、事前に制御装置50に設定されている電池下限温度Td、電池上限温度Tu、温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2と、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度(冷媒規定温度)Tcと、を用いての開閉制御が行われる構成となっている。
【0015】
まず、温度センサー27,28で検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr1が入力される(ステップS1)。次に、入力された電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低いかどうかが判定される(ステップS2)。電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低い場合には、電池モジュール10を加温する必要があり、エンジン冷却水温度Tr1が電池モジュール10を加温することができる温度かどうかを、エンジン冷却水温度Tr1と電池温度Tlを比較して判定する(ステップS3)。
【0016】
エンジン冷却水温度Tr1が電池温度Tlよりも低い場合には、流量調整機構20が閉じられ、プレート11内のエンジン冷却水の循環が止められると共に、エンジン冷却水と冷凍サイクル4の冷媒間で熱交換が行われないように、第二減圧装置18が閉じられ熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS4)。これによって、外気が低温の場合等でエンジンの暖機を行わなければならない時に、電池温度Tlよりも温度の低いエンジン冷却水をプレート11に循環させて更に電池モジュール10が冷却されるのを防止することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0017】
ステップS2で電池モジュール10を加温する必要があると判定され、ステップS3でエンジン冷却水温度Tr1が電池温度Tlよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が閉じられ、熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS5)。これによって、通常略80℃から90℃のラジエター通過後の高温のエンジン冷却水をプレート11に流すことができるため、エンジン冷却水の排熱を利用して効率よく電池モジュール10の加温を行うことができる。
【0018】
ステップS2で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定されると、次に、電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いかどうかが判定される(ステップS6)。電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いと判定された場合には、電池モジュール10を冷却する必要があり、エンジン冷却水温度Tr1が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも低いかどうかが判定される(ステップS7)。エンジン冷却水温度Tr1が冷媒の規定温度Tcよりも低い場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が閉じられ、熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS8)。これによって、エンジン冷却水温度Tr1が、電池モジュール10を冷却するのに充分低い温度である場合に、冷凍サイクル4に負荷をかけることなく、プレート11に低温水を循環させることができるため、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0019】
ステップS6で電池モジュール10を冷却する必要があると判定され、ステップS7で、エンジン冷却水温度Tr1が、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が開かれ、冷凍サイクル4から低温の冷媒液が熱交換器19に流れる(ステップS9)。これによって、冷凍サイクル4を循環する低温の冷媒とエンジン冷却水を熱交換させて、エンジン冷却水を低温水にし、この低温水をプレート11に循環させて電池モジュール10の冷却を行うことができる。そのため、一枚のプレート11で電池モジュール10の冷却/加温の両方を行うことができ、電池冷却/加温装置100を小型化することができる。また、冷凍サイクル4の冷媒の一部を熱交換器19に循環させて低温水を生成し、この低温水を用いて電池モジュール10を冷却することができるため、冷凍サイクル4で温度調節された空調用冷温風を用いて電池を冷却/加温するのに比べて、冷凍サイクル4の負荷を低減することができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0020】
ステップS2で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、しかし、ステップS6で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定された場合、電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲内であるかが判定される(ステップS10)。電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1以上で温調停止上限温度Ts2以下である場合には、電池モジュール10の冷却/加温をする必要がないため、流量調整機構20及び第二減圧装置18が閉じられる(ステップS11)。これによって、プレート11内のエンジン冷却水の循環及び熱交換器19への冷凍サイクル4の冷媒の循環が止められる。そのため、電池モジュール10を冷却/加温する必要がない時には、電池冷却/加温装置100を停止して、ラジエターサイクル3及び冷凍サイクル4の負荷を低減することができる構成となっている。
【0021】
ステップS2で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、ステップS6で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定され、ステップS10で電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲外であると判定された場合には、電池冷却/加温装置100の運転処理は、ステップS1に戻される構成になっている。これによって、電池モジュール10の冷却/加温の必要性を適切に判定することができる。
【0022】
<第二実施形態>
図3は、本実施形態に係る電池冷却/加温装置200の回路を示す図である。なお、以下の説明において、第一実施形態で説明したものは同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態におけるラジエターサイクル3は、エンジン冷却水の温度を検出する温度センサー28aがエンジン12の冷却水出口であるエンジン出口12bに接続されて備えられている。温度センサー28aは、本実施形態においては、エンジン12を通過した後のエンジン冷却水の温度を検出する。
【0023】
エンジン12の冷却水出口であるエンジン出口12bからラジエター13の冷却水入口であるラジエター入口13aに連通する冷却水配管であって、温度センサー28aの下流側には、エンジン冷却水を冷却/加温サイクル2の熱交換器19に導くための冷却水導入経路5が接続されている。これによって、エンジン12を通ったエンジン冷却水の一部は、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水から分流されて、冷却水導入経路5に導かれ、熱交換器19、プレート11を順に通って冷却/加温サイクル2内を循環する。プレート11を出たエンジン冷却水は、エンジン出口12bからラジエター入口13aに連通する冷却水配管であって、冷却水導入経路5が接続された下流側でラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流し、ラジエター13及びエンジン12を通って流れる構成となっている。
これによって、エンジン12を通過した直後の高温のエンジン冷却水の一部をラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水から分流させて、ラジエター13を通過させることなく、冷却水導入経路5に導いて、熱交換器19、プレート11に流すことができるため、より高温のエンジン冷却水を利用して効率よくプレート11を加温することができ、これによって、電池モジュール10を素早く加温をすることができる。
【0024】
次に、電池冷却/加温装置200の運転処理について説明する。電池冷却/加温装置200の運転処理は、図4に示されるように、温度センサー27,28aで検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2と、事前に制御装置50に設定されている電池下限温度Td、電池上限温度Tu、温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2と、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcとを用いて、電池冷却/加温装置200に設けられた各種制御装置、例えば流量調整機構20及び第二減圧装置18の開閉を制御装置50にて制御し行われる。
【0025】
まず、温度センサー27,28aで検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2が入力される(ステップS21)。次に、入力された電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低いかどうかが判定される(ステップS22)。電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低い場合には、電池モジュール10を加温する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が電池モジュール10を加温することができる温度かどうかを、エンジン冷却水温度Tr2と電池温度Tlを比較して判定する(ステップS23)。
【0026】
エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも低い場合には、流量調整機構20が閉じられ、プレート11内のエンジン冷却水の循環が止められると共に、エンジン冷却水と冷凍サイクル4の冷媒間で熱交換が行われないように、第二減圧装置18が閉じられ熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS24)。これによって、外気が低温の場合等でエンジンの暖機を行わなければならない時に、電池温度Tlよりも温度の低いエンジン冷却水をプレート11に循環させて更に電池モジュール10が冷却されるのを防止することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0027】
ステップS22で電池モジュール10を加温する必要があると判定され、ステップS23でエンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が閉じられ、熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS25)。これによって、通常略80℃から90℃のラジエター通過後の高温のエンジン冷却水をプレート11に流すことができるため、エンジン冷却水の排熱を利用して効率よく電池モジュール10の加温を行うことができる。
【0028】
ステップS22で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定されると、次に、電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いかどうかが判定される(ステップS26)。電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いと判定された場合には、電池モジュール10を冷却する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも低いかどうかが判定される(ステップS27)。エンジン冷却水温度Tr2が冷媒の規定温度Tcよりも低い場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が閉じられ、熱交換器19への冷媒の循環が止められる(ステップS28)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が、電池モジュール10を冷却するのに充分低い温度である場合に、冷凍サイクル4に負荷をかけることなく、プレート11に低温水を循環させることができるため、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0029】
ステップS26で電池モジュール10を冷却する必要があると判定され、ステップS27で、エンジン冷却水温度Tr2が、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20が開かれ、プレート11にエンジン冷却水が循環すると共に、第二減圧装置18が開かれ、冷凍サイクル4から低温の冷媒液が熱交換器19に流れる(ステップS29)。これによって、冷凍サイクル4を循環する低温の冷媒とエンジン冷却水を熱交換させて、エンジン冷却水を低温水にし、この低温水をプレート11に循環させて電池モジュール10の冷却を行うことができる。そのため、一枚のプレート11で電池モジュール10の冷却/加温の両方を行うことができ、電池冷却/加温装置200を小型化することができる。また、冷凍サイクル4の冷媒の一部を熱交換器19に循環させて低温水を生成し、この低温水を用いて電池モジュール10を冷却することができるため、冷凍サイクル4で温度調節された空調用冷温風を用いて電池を冷却/加温するのに比べて、冷凍サイクル4の負荷を低減することができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0030】
ステップS22で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、しかし、ステップS26で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定された場合、電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲内であるかが判定される(ステップS30)。電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1以上で温調停止上限温度Ts2以下である場合には、電池モジュール10の冷却/加温をする必要がないため、流量調整機構20及び第二減圧装置18が閉じられる(ステップS31)。これによって、プレート11内のエンジン冷却水の循環及び熱交換器19への冷凍サイクル4の冷媒の循環が止められる。そのため、電池モジュール10を冷却/加温する必要がない時には、電池冷却/加温装置200を停止して、ラジエターサイクル3及び冷凍サイクル4の負荷を低減することができる構成となっている。
【0031】
ステップS22で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、ステップS26で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定され、ステップS30で電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲外であると判定された場合には、電池冷却/加温装置200の運転処理はステップS21に戻される構成になっている。これによって、電池モジュール10の冷却/加温の必要性を適切に判定することができる。
【0032】
<第三実施形態>
図5は、本実施形態に係る電池冷却/加温装置300の回路を示す図である。なお、以下の説明において、第一実施形態及び第二実施形態で説明したものは同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における冷却/加温サイクル2は、プレート11を通過した冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水が、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流する合流口2aの上流側に設けられた接続口2bから熱交換器19に連通する第一バイパス配管(第一のバイパス経路)6を備えている。第一バイパス配管6には、バイパスポンプ22がそなえられている。また、エンジン冷却水の合流口2aと第一バイパス配管6の接続口2bの間には第一電磁弁23が備えられている。
【0033】
電池冷却/加温装置300の冷却運転時には、第一電磁弁23を閉じて、バイパスポンプ22の運転を行う。これによって、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水は、バイパスポンプ22によって、第一バイパス配管6を通り、熱交換器19、プレート11の順に循環する。そのため、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水は、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流して、ラジエターサイクル3内を循環し、エンジン12で再加温されることが無い。かわりに、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水は、低温のまま、第一バイパス配管6を通って、熱交換器19、プレート11内を循環するため、プレート11に効率よく低温のエンジン冷却水を循環させて電池モジュール10の冷却をおこなうことができる。また、エンジン冷却水を低温にするための冷凍サイクル4の負荷を大幅に低減することができ、電池冷却/加温装置300の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0034】
また、エンジン冷却水を冷凍サイクル4を循環する冷媒と熱交換させて低温水を生成するために設けられた熱交換器19は、エンジン冷却水を低温のまま冷却/加温サイクル2を循環させる構成としたことで、小型化することができる。
【0035】
次に、電池冷却/加温装置300の運転処理について説明する。電池冷却/加温装置300の運転処理は、図6に示されるように、電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2と、事前に制御装置50に設定されている電池下限温度Td、電池上限温度Tu、温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2と、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcとを用いて、電池冷却/加温装置300に設けられた各種制御装置、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23、及び、バイパスポンプ22を制御装置50にて制御し行われる。
【0036】
まず、温度センサー27,28aで検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2が入力される(ステップS41)。次に、入力された電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低いかどうかが判定される(ステップS42)。電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低い場合には、電池モジュール10を加温する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が電池モジュール10を加温することができる温度かどうかを、エンジン冷却水温度Tr2と電池温度Tlを比較して判定する(ステップS43)。
【0037】
エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも低い場合には、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになる(ステップS44)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止する。そのため、外気が低温の場合等でエンジンの暖機を行わなければならない時に、電池温度Tlよりも温度の低いエンジン冷却水をプレート11に循環させて更に電池モジュール10が冷却されるのを防止することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0038】
ステップS42で電池モジュール10を加温する必要があると判定され、ステップS43でエンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになる(ステップS45)。これによって、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水は、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流してエンジン12を通り、加温された後にプレート11をとおって流れるため、エンジン冷却水の排熱を利用して効率よく電池モジュール10の加温を行うことができる。
【0039】
ステップS42で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定されると、次に、電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いかどうかが判定される(ステップS46)。電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いと判定された場合には、電池モジュール10を冷却する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも低いかどうかが判定される(ステップS47)。エンジン冷却水温度Tr2が冷媒の規定温度Tcよりも低い場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになる(ステップS48)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が、電池モジュール10を冷却するのに充分低い温度である場合に、冷凍サイクル4に負荷をかけることなく、プレート11に低温水を循環させることができるため、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0040】
ステップS46で電池モジュール10を冷却する必要があると判定され、ステップS47で、エンジン冷却水温度Tr2が、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも高いと判定された場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が閉じられ、第二減圧装置18が開かれて、バイパスポンプ22の運転がオンになる(ステップS49)。これによって、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水を熱交換器19で冷凍サイクル4を循環する冷媒と熱交換させて低温水を生成し、この低温水をプレート11に循環させて電池モジュール10を冷却することができる。さらに、この低温水は、第一バイパス配管6を通って、熱交換器19、プレート11の順に循環し、エンジン12で再加温されることが無いため、冷凍サイクル4の負荷を大幅に低減して、電池冷却/加温装置300の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0041】
ステップS42で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、しかし、ステップS46で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定された場合、電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲内であるかが判定される(ステップS50)。電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1以上で温調停止上限温度Ts2以下である場合には、電池モジュール10の冷却/加温をする必要がないため、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになる(ステップS51)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止する。
【0042】
ステップS42で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、ステップS46で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定され、ステップS50で電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲外であると判定された場合には、電池冷却/加温装置300の運転処理は、ステップS41に戻される構成になっている。これによって、電池モジュール10の冷却/加温の必要性を適切に判定することができる。
【0043】
<第四実施形態>
図7は、本実施形態に係る電池冷却/加温装置400の回路を示す図である。なお、以下の説明において、第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態で説明したものは同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態におけるラジエターサイクル3は、プレート11を通過した冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水が、ラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流する合流口2aの下流側に設けられた接続口3aからラジエター13の冷却水出口であるラジエター出口13bに連通する第二バイパス配管(第二のバイパス経路)7を備えている。また、ラジエターサイクル3は、エンジン冷却水を冷却/加温サイクル2に導くための冷却水導入経路5の接続口と合流口2aの間に備えられた第二電磁弁24と、接続口3aとラジエター13の冷却水入口であるラジエター入口13aの間に設けられた第三電磁弁25と、第二バイパス配管7の経路中に設けられた第四電磁弁26を備えている。
【0044】
温度センサー28aによって検出された、エンジン12通過後のエンジン冷却水の温度が、所定温度(例えば80℃)以下の場合には、エンジン冷却水は、ラジエター13で冷却する必要がない。また、外気が低温の場合等で電池モジュール10を温める必要がある場合には、エンジン冷却水を素早く昇温して、電池モジュール10の温度よりも高くし、昇温されたエンジン冷却水を効率よくプレート11に循環させる必要がある。
【0045】
そのため、エンジン冷却水温度が所定温度以下で更に電池モジュール10の温度よりも低い場合には、エンジン12を通過したエンジン冷却水は、第二電磁弁24及び第四電磁弁26を介して第二バイパス配管7を通り、ラジエター13をバイパスして、ラジエターサイクル3内を循環するように構成されている。これによって、エンジン冷却水の昇温を続け、エンジン冷却水の温度を素早く電池モジュール10の温度よりも高くすることができる。
エンジン冷却水温度が電池モジュール10の温度よりも高く、しかし、所定温度よりも低い場合で、電池モジュール10の加温が必要な際には、エンジン12を通過して昇温されたエンジン冷却水を効率よくプレート11に循環させるために、第二電磁弁24を閉じて、冷却水を冷却/加温サイクル2に流す。こうして、プレート11を通過したエンジン冷却水は合流口2aでラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水と合流し、第四電磁弁26を介して第二バイパス配管7を通り、エンジン12を通って再び昇温される構成となっている。これらの構成によれば、エンジン排熱を利用して、素早く電池モジュール10を加温することができるため、エネルギー効率を向上させることができる。
【0046】
次に、電池冷却/加温装置400の運転処理について説明する。図8に示されるように、電池冷却/加温装置400の運転処理は、電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2と、事前に制御装置50に設定されている電池下限温度Td、電池上限温度Tu、温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2と、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcとを用いて、電池冷却/加温装置400に設けられた各種制御装置、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23、バイパスポンプ22、第二電磁弁24、第三電磁弁25、及び第四電磁弁26、を制御装置50にて制御し行われる。
【0047】
まず、温度センサー27,28aで検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2が入力される(ステップS61)。次に、冷却水温度Tr2が、ラジエター13にて冷却する必要がある所定温度Tb以下であるかが判定される(ステップS62)。所定温度Tbは例えば80℃である。冷却水温度Tr2が所定温度Tb以下である場合には、第三電磁弁25が閉じられ、第四電磁弁26が開かれる(ステップS63)。冷却水温度Tr2が所定温度Tb以上である場合には、第三電磁弁25が開かれ、第四電磁弁26が閉じられる(ステップS64)。これによって、冷却水温度Tr2が所定温度Tb以下である場合には、エンジン冷却水はラジエター13をバイパスして、第二バイパス配管7、エンジン12を通って流れ、ラジエターサイクル3内を循環するため、エンジン冷却水は、ラジエター13で冷却されること無く、素早く昇温することができる。
【0048】
その後、入力された電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低いかどうかが判定される(ステップS65)。電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低い場合には、電池モジュール10を加温する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が電池モジュール10を加温することができる温度かどうかを、エンジン冷却水温度Tr2と電池温度Tlを比較して判定する(ステップS66)。エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも低い場合には、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれる(ステップS67)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止すると共に、エンジン冷却水がラジエターサイクル3内を、ラジエター13をバイパスして循環する。そのため、電池モジュール10を過冷却することなく、エンジン冷却水を素早く昇温することができる。
【0049】
ステップS66でエンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも高いと判定されると、第三電磁弁25が開いているかが判定される(ステップS68)。第三電磁弁25が開いている場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれる(ステップS69)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が所定温度Tb以上である場合に、エンジン冷却水の一部を冷却/加温サイクル2に流してプレート11に循環させ、電池モジュール10の加温を行うと共に、エンジン冷却水をラジエター13を通過させて冷却し、ラジエターサイクル3を循環させてエンジン12の冷却を行う。そのため、エンジン12を冷却しながら、エンジン12に排熱を利用してプレート11に高温のエンジン冷却水を循環させ、電池モジュールの加温を行うことができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0050】
ステップS68で第三電磁弁25が閉じていると判定された場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が閉じられる(ステップS70)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlより高いが、所定温度Tb以下である場合に、エンジン12を通過して昇温したエンジン冷却水をすべて冷却/加温サイクル2に循環させ、プレート11を通過したエンジン冷却水は第四電磁弁26を介して第二バイパス配管7を通り、再びエンジン12を通って再び昇温され、再び冷却/加温サイクル2に導かれる構成となっている。これらの構成によれば、エンジン冷却水の温度を素早く昇温しながらプレート11に循環させて電池モジュール10を加温することができる。
【0051】
ステップS65で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定されると、次に、電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いかどうかが判定される(ステップS71)。電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いと判定された場合には、電池モジュール10を冷却する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも低いかどうかが判定される(ステップS72)。エンジン冷却水温度Tr2が冷媒の規定温度Tcよりも低い場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が閉じられる(ステップS73)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が、電池モジュール10を冷却するのに充分低い温度である場合に、エンジン12を通過したエンジン冷却水をすべて冷却/加温サイクル2に循環させて、冷凍サイクル4に負荷をかけることなく、プレート11に低温水を循環させることができるため、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0052】
ステップS72でエンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも高いと判定されると、流量調整機構20及び第一電磁弁23が閉じられ、第二減圧装置18が開かれて、バイパスポンプ22の運転がオンになり、第二電磁弁24が開かれる(ステップS74)。これによって、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水を熱交換器19で冷凍サイクル4を循環する冷媒と熱交換させて低温水を生成し、この低温水をプレート11に循環させて電池モジュール10を冷却することができる。さらに、この低温水は、第一バイパス配管6を通って、熱交換器19、プレート11の順に循環し、エンジン12で再加温されることが無いため、冷凍サイクル4の負荷を大幅に低減して、電池冷却/加温装置400の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0053】
ステップS65で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定され、しかし、ステップS71で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定された場合、電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲内であるかが判定される(ステップS75)。電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1以上で温調停止上限温度Ts2以下である場合には、電池モジュール10の冷却/加温をする必要がないため、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれる(ステップS76)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止するとともに、エンジン冷却水はラジエターサイクル3内を循環する。
【0054】
ステップS65で電池モジュール10を加温する必要がないと判定され、ステップS71で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定され、ステップS75で電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲外であると判定された場合には、電池冷却/加温装置400の運転処理は、ステップS61に戻される構成になっている。これによって、電池モジュール10の冷却/加温の必要性を適切に判定することができる。
【0055】
<第五実施形態>
図9は、本実施形態に係る電池冷却/加温装置500の回路を示す図である。なお、以下の説明において、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態及び第四実施形態で説明したものは同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態におけるプレート11は、プレート11に併設されたヒータ30を備えている。ヒータ30は、エンジン冷却水の温度が電池モジュール10の温度よりも低く、エンジン冷却水をプレート11に循環させて電池モジュール10の加温ができない時に、プレート11を加熱して、電池モジュール10の加温を行うために備えられている。この構成によれば、電池モジュール10の低温時に、エンジン冷却水が電池モジュール10を加温するために充分昇温されるのを待つことなく、ヒータ30を用いて電池モジュール10の加温をすることができるため、素早く電池モジュール10の低温時の出力低下を回復させることができる。ヒータ30は、図示は省略したが、プレート11と一体化されて備えられている構成としても良い。
【0056】
次に、電池冷却/加温装置500の運転処理について説明する。図10に示されるように、電池冷却/加温装置500の運転処理は、電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2と、事前に制御装置50に設定されている電池下限温度Td、電池上限温度Tu、温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2と、冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcとを用いて、電池冷却/加温装置200に設けられた各種制御装置、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23、バイパスポンプ22、第二電磁弁24、第三電磁弁25、第四電磁弁26、及び、ヒータ30が制御装置50にて制御され行われる。
【0057】
まず、温度センサー27,28aで検出された電池温度Tl及びエンジン冷却水温度Tr2が入力される(ステップS81)。次に、冷却水温度Tr2が、ラジエター13にて冷却する必要がある所定温度Tb以下であるかが判定される(ステップS82)。所定温度Tbは例えば80℃である。冷却水温度Tr2が所定温度Tb以下である場合には、第三電磁弁25が閉じられ、第四電磁弁26が開かれる(ステップS83)。冷却水温度Tr2が所定温度Tb以上である場合には、第三電磁弁25が開かれ、第四電磁弁26が閉じられる(ステップS84)。これによって、冷却水温度Tr2が所定温度Tb以下である場合には、エンジン冷却水はラジエター13をバイパスして、第二バイパス配管7、エンジン12を通って流れ、ラジエターサイクル3内を循環するため、エンジン冷却水は、ラジエター13で冷却されること無く、素早く昇温することができる。
【0058】
その後、入力された電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低いかどうかが判定される(ステップS85)。電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも低い場合には、電池モジュール10を加温する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が電池モジュール10を加温することができる温度かどうかを、エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも低いかどうかで判定する(ステップS86)。エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも低い場合には、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれ、ヒータ30の運転がオンになる(ステップS87)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止すると共に、エンジン冷却水がラジエターサイクル3内を、ラジエター13をバイパスしてエンジン12を通って循環する。そのため、電池モジュール10を過冷却することなく、エンジン冷却水を素早く昇温することができる。さらに、エンジン冷却水温度がプレートの加温を行うのに充分昇温されるまでの間、プレート11はヒータ30によって加熱される。
【0059】
ステップS86でエンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlよりも高いと判定されると、第三電磁弁25が開いているかが判定される(ステップS88)。第三電磁弁25が開いている場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれ、ヒータ30の運転がオフになる(ステップS89)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が所定温度Tb以上である場合に、エンジン冷却水の一部を冷却/加温サイクル2に流してプレート11に循環させ、電池モジュール10の加温を行うと共に、エンジン冷却水をラジエター13を通過させて冷却し、ラジエターサイクル3を循環させてエンジン12の冷却を行う。そのため、エンジン12を冷却しながら、エンジン12に排熱を利用してプレート11に高温のエンジン冷却水を循環させ、電池モジュールの加温を行うことができ、エネルギー効率を高めることができる。
【0060】
ステップS88で第三電磁弁25が閉じていると判定された場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が閉じられ、ヒータ30の運転がオフになる(ステップS90)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が電池温度Tlより高いが、所定温度Tb以下である場合に、エンジン12を通過して昇温したエンジン冷却水をすべて冷却/加温サイクル2に循環させ、プレート11を通過したエンジン冷却水は第四電磁弁26を介して第二バイパス配管7を通り、再びエンジン12を通って再び昇温され、再び冷却/加温サイクル2に導かれる構成となっている。これらの構成によれば、エンジン冷却水の温度を素早く昇温しながらプレート11に循環させて電池モジュール10を加温することができる。
【0061】
ステップS85で電池温度Tlが電池下限温度Tdよりも高いと判定されると、次に、電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いかどうかが判定される(ステップS91)。電池温度Tlが電池上限温度Tuよりも高いと判定された場合には、電池モジュール10を冷却する必要があり、エンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも低いかどうかが判定される(ステップS92)。エンジン冷却水温度Tr2が冷媒の規定温度Tcよりも低い場合には、流量調整機構20及び第一電磁弁23が開かれ、第二減圧装置18が閉じられ、バイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が閉じられ、ヒータ30の運転がオフになる(ステップS93)。これによって、エンジン冷却水温度Tr2が、電池モジュール10を冷却するのに充分低い温度である場合に、エンジン12を通過したエンジン冷却水をすべて冷却/加温サイクル2に循環させて、冷凍サイクル4に負荷をかけることなく、プレート11に低温水を循環させることができるため、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0062】
ステップS92でエンジン冷却水温度Tr2が冷凍サイクル4を循環する冷媒の規定温度Tcよりも高いと判定されると、流量調整機構20及び第一電磁弁23が閉じられ、第二減圧装置18が開かれて、バイパスポンプ22の運転がオンになり、第二電磁弁24が開かれ、ヒータ30の運転がオフになる(ステップS94)。これによって、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水を熱交換器19で冷凍サイクル4を循環する冷媒と熱交換させて低温水を生成し、この低温水をプレート11に循環させて電池モジュール10を冷却することができる。さらに、この低温水は、第一バイパス配管6を通って、熱交換器19、プレート11の順に循環し、エンジン12で再加温されることが無いため、冷凍サイクル4の負荷を大幅に低減して、電池冷却/加温装置500の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0063】
ステップS85で電池モジュール10を加温する必要がないと判定され、ステップS91で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定された場合、電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲内であるかが判定される(ステップS95)。電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1以上で温調停止上限温度Ts2以下である場合には、電池モジュール10の冷却/加温をする必要がないため、流量調整機構20、第二減圧装置18、第一電磁弁23が閉じられ、さらにバイパスポンプ22の運転がオフになり、第二電磁弁24が開かれ、ヒータ30の運転がオフになる(ステップS96)。これによって、冷却/加温サイクル2内のエンジン冷却水の循環が停止するとともに、エンジン冷却水はラジエターサイクル3内を循環する。
【0064】
ステップS85で電池モジュール10を加温する必要がないと判定され、ステップS91で電池モジュール10を冷却する必要がないと判定され、ステップS95で電池温度Tlが温調停止下限温度Ts1及び温調停止上限温度Ts2の範囲外であると判定された場合には、電池冷却/加温装置500の運転処理は、ステップS81に戻される構成になっている。これによって、電池モジュール10の冷却/加温の必要性を適切に判定することができる。
【0065】
このように、ヒータ30は、エンジン冷却水が低温で、エンジン冷却水を用いて電池モジュール10の加温を出来ないとき以外は常にオフの状態となる。これによって、ヒータ30の使用条件を限定することができ、省エネルギー効率を向上させることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、車載用の電池モジュール10に当接されて備えられたプレート11と、エンジン冷却水をラジエターを経て循環するラジエターサイクル3と、圧縮機14、凝縮器15、第一減圧装置16及び蒸発器17を有する冷凍サイクル4と、第1減圧装置16及び蒸発器17と並列に接続された第二減圧装置18及び熱交換器19と、エンジン冷却水を熱交換器19、プレート11、ラジエター3の順に循環する冷却/加温サイクル2とを備え、電池モジュール10の加温時には、エンジン冷却水を熱交換器19、プレート11の順に流してプレート11を加温し、電池モジュール10の冷却時には、第二減圧装置18及び熱交換器19を流れる冷媒で、熱交換器19を流れるエンジン冷却水を冷却し、この冷却水をプレート11に流してプレート11を冷却する構成としたため、プレート11に低温或いは高温のエンジン冷却水を流して、プレートの冷却或いは加温を行うという簡単な構造で、電池モジュール10の冷却/加温の両方を行うことができるため、電池冷却/加温装置100を小型化することができる。
また、エンジン冷却水をプレート11に流して電池モジュール10を冷却/加温することができ、カーエアコンで温度調節された空調用冷温風を用いて電池を冷却/加温するのに比べてエネルギー効率を高めることができる。また、電池モジュール10の加温時には、エンジン冷却水の排熱を用いて電池モジュール10を加温することができ、省エネルギー効果を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、ラジエター13のエンジン冷却水出口であるラジエター出口13bと、エンジン12のエンジン冷却水入口であるエンジン入口12aとの間にポンプ21を設け、ポンプ21とエンジン入口12aの間に、エンジン冷却水を冷却/加温サイクル2に導くための冷却水導入経路5を接続し、熱交換器19にはエンジン入口12aのエンジン冷却水を流す構成としたため、ラジエター13で冷却されたエンジン冷却水を熱交換器19に流して、冷凍サイクル4を循環し熱交換器19を流れる冷媒と熱交換させて低温水を生成し、この低温水をプレート11に流して電池モジュールの冷却を行うことができるため、電池モジュール10の冷却時に、エンジン冷却水の温度を下げるための冷凍サイクル4の負荷を低減させることができ、電池冷却/加温装置100の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、エンジン12の冷却水出口であるエンジン出口12bと、ラジエター13の冷却水入口であるラジエター入口13aの間にエンジン冷却水を冷却/加温サイクル2に導くための冷却水導入経路5を接続し、熱交換器19にはエンジン出口12bのエンジン冷却水を流す構成としたため、エンジン12を通過したエンジン冷却水の一部をラジエターサイクル3を循環するエンジン冷却水から分流させて、高温のまま冷却水導入経路5から熱交換器19、プレート11の順に流すことができる。そのため、エンジン冷却水の排熱を効率良くを利用して電池モジュール10の加温をすることができ、電池冷却/加温装置200の加温運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、冷却/加温サイクル2は、電池モジュール10の冷却時に、プレート11を通過したエンジン冷却水が、プレート11の出口から熱交換器19の入口へ循環する第一バイパス配管6を備えている構成としたため、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水がラジエターサイクル3を流れるエンジン冷却水と合流して、ラジエターサイクル3内を循環し、エンジン12で再加温されることが無い。そのため、冷却/加温サイクル2を循環するエンジン冷却水は、低温のまま冷却/加温サイクル2を循環する。プレート11には、効率よく低温のエンジン冷却水を循環させることができ、エンジン冷却水を低温にするための冷凍サイクル4の負荷を大幅に低減させることがきる。これによって、電池モジュール10を効率よく冷却して、電池冷却/加温装置300の冷却運転時のエネルギー効率を向上させることができる。また、電池モジュール10の冷却時に、エンジン冷却水を低温のまま循環させることができるため、熱交換器19を小型化することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、ラジエターサイクル3は、エンジン冷却水をラジエター13の入口と出口をバイパスして、冷却/加温サイクル2に循環させる第二バイパス配管7を備えているため、電池モジュール10の加温時でエンジン冷却水の温度が低い場合には、ラジエター13をバイパスさせてエンジン冷却水を循環させることができ、エンジン冷却水がラジエター13で過冷却されることがないため、エンジン冷却水を素早く昇温して、プレート11に循環させることができ、効率よくプレート11を加温することができる。そのため、エンジン排熱を効率良く利用して、素早く電池モジュール10を加温することができ、電池冷却/加温装置400のエネルギー効率を向上させることができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、プレート11にヒータ30を併設して、電池モジュール10の加温時に、エンジン冷却水の温度が低く、エンジン冷却水を用いてプレート11を加温できない場合には、このヒータ30用いてプレート11を加温することができるため、低温時にエンジン冷却水が充分に温まるのを待たずに、プレート11の加温を開始することができる。そのため、電池モジュール10を素早く加温して、電池モジュール10の出力が低下するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0072】
2 加温サイクル
3 ラジエターサイクル
4 冷凍サイクル
5 冷却水導入経路
5b 冷媒導入経路
6 第一バイパス配管(第一のバイパス経路)
7 第二バイパス配管(第二のバイパス経路)
10 電池モジュール
11 プレート
12 エンジン
12a エンジン入口
12b エンジン出口
13 ラジエター
14 圧縮機
15 凝縮機
16 第一減圧装置
17 蒸発器
18 第二減圧装置
19 熱交換器
20 流量調整機構
21 ポンプ
22 バイパスポンプ
30 ヒータ
100、200、300、400、500 電池冷却/加温装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載の電池を冷却又は加温するプレートと、エンジン冷却水をラジエターを経て循環するラジエターサイクルと、圧縮機、凝縮器、第1減圧装置及び蒸発器を有する冷凍サイクルと、前記第1減圧装置及び蒸発器と並列に接続された第2減圧装置及び熱交換器と、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレート、前記ラジエターの順に循環する冷却/加温サイクルとを備え、前記電池の加温時には、前記エンジン冷却水を前記熱交換器、前記プレートの順に流して当該プレートを加温し、前記電池の冷却時には、前記第2減圧装置及び前記熱交換器を流れる冷媒で、前記熱交換器を流れる前記エンジン冷却水を冷却し、この冷却水を前記プレートに流して当該プレートを冷却することを特徴とする電池冷却/加温装置。
【請求項2】
前記熱交換器にはエンジン入口のエンジン冷却水を流すことを特徴とする請求項1に記載の電池冷却/加温装置。
【請求項3】
前記熱交換器にはエンジン出口のエンジン冷却水を流すことを特徴とする請求項1に記載の電池冷却/加温装置。
【請求項4】
前記電池の冷却時に、前記エンジン冷却水を前記プレートの出口から前記熱交換器の入口へ循環させる第一のバイパス経路を備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電池冷却/加温装置。
【請求項5】
前記電池の加温時に、前記エンジン冷却水を前記ラジエターの入口と出口をバイパスして前記冷却/加温サイクルに循環させる第二のバイパス経路を備えたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の電池冷却/加温装置。
【請求項6】
前記プレートに併設され、前記電池の加温時に、前記プレートを加温するヒータを備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の電池冷却/加温装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−173543(P2011−173543A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39888(P2010−39888)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】