電池蓋ヒンジ構造及び電子機器
【課題】簡素な構成でかつ十分な強度を有する電池蓋ヒンジ構造を形成する。
【解決手段】同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたセットシャーシ31と、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側軸受部を有する電池蓋32と、当該電池蓋32をセットシャーシ31に対して開閉自在に取り付けるため当該セットシャーシ31と一体に形成されたシャーシ側軸受部とを具え、電池蓋側軸受部とシャーシ側軸受部とを軸を介して取り付け電池蓋32をセットシャーシ31に軸支することにより、電池蓋32に加えられる力を当該電池蓋32と一体化されたセットシャーシ31全体で吸収することができるので、簡素な構成で従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【解決手段】同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたセットシャーシ31と、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側軸受部を有する電池蓋32と、当該電池蓋32をセットシャーシ31に対して開閉自在に取り付けるため当該セットシャーシ31と一体に形成されたシャーシ側軸受部とを具え、電池蓋側軸受部とシャーシ側軸受部とを軸を介して取り付け電池蓋32をセットシャーシ31に軸支することにより、電池蓋32に加えられる力を当該電池蓋32と一体化されたセットシャーシ31全体で吸収することができるので、簡素な構成で従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池蓋ヒンジ構造及び電子機器に関し、例えばポータブルミニディスクプレーヤに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電池蓋ヒンジ構造としては、例えばカメラの電池蓋をヒンジによって開閉するようになされたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-142841公報
【0003】
また、図10に示すようにポータブルミニディスクプレーヤ1においては、下側筐体を構成する本体ケース2と上側筐体を構成するカバー体(図示せず)とによって全体が形成され、当該本体ケース2のセットシャーシ3に対してメイン基板4が直接取り付けられると共に、そのメイン基板4に対して樹脂製の電池ケース5がビス6により取り付けられた構造を有している。
【0004】
図11に示すように、電池ケース5に取り付けられる電池蓋7は、電池の正電極(図示せず)と機械的かつ電気的に接続される接点部9が電池端子8の表面から僅かに突出した状態に設けられ、当該接点部9が端子カバー10によって覆われている。
【0005】
この電池蓋7は、電池が電池ケース5(図10)の電池収納空間5Aに収納された状態で当該電池の正電極が接点部9と当接され、当該電池蓋7が閉じられたときに当該接点部9の弾性力によって電池の正電極を押さえ付けることになり、これにより当該電池との導通状態を確実なものとするようになされている。
【0006】
また電池蓋7は、電池端子8がヒンジ部11の軸16を介して取付板12と回動自在に軸支されており、当該取付板12のビス穴13を介して電池ケース5に直接取り付けられるようになされている。
【0007】
実際上、電池蓋7は電池ケース5(図10)の電池蓋保持部14に取付板12が先端12Aから挿通された状態で、ビス穴13及びビス15を介して当該電池ケース5に取り付けられ、これによりポータブルミニディスクプレーヤ1における電池蓋ヒンジ構造が実現されている。なお電池蓋7の取付板12における先端部12Aはメイン基板4上に位置され、当該先端部12Aとメイン基板4とがはんだ付けされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところでかかる構成における従来のポータブルミニディスクプレーヤ1においては、電池蓋7が電池端子8、接点部9、端子カバー10、取付板12及びヒンジ部11の軸16でなる計5点の部品によって構成されているので、部品点数が多く組立工数も複雑になるという問題があった。
【0009】
また、従来の電池蓋ヒンジ構造においては、ビス15によって取り付けられる対象が樹脂製の電池ケース5であるために十分な強度が取れず、電池蓋7に無理な力が加えられたときに樹脂製の電池ケース5が破損してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡素な構成でかつ十分な強度を有する電池蓋ヒンジ構造及び電子機器を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明の電池蓋ヒンジ構造においては、同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、当該電池蓋をシャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部とを具え、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより電池蓋がシャーシフレームに軸支されるようにする。
【0012】
これにより電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【0013】
また本発明の電池蓋ヒンジ構造においては、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とが当接された当接部分における弾性力及び摺動抵抗を利用して電池蓋の開閉時における開閉抵抗を調整することができるので、新たな部品を追加することなく電池蓋の開閉時における開閉抵抗を自在に調整することができる。
【0014】
さらに本発明の電子機器においては、装着状態に電池を保持する電池蓋を有する電子機器であって、同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、当該電池蓋をシャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部とを具え、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより電池蓋がシャーシフレームに軸支されるようにする。
【0015】
これにより電子機器では、電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させ得る電池蓋ヒンジ構造及び電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0018】
(1)ポータブルミニディスクプレーヤの外観構成
図1に示すようにポータブルミニディスクプレーヤ20においては、下側筐体を構成する本体ケース21と上側筐体を構成するカバー体22とによって全体が形成されている。
【0019】
ここでポータブルミニディスクプレーヤ20においては、図示しないディスクカートリッジを挿入する方向を後方向とし、ディスクカートリッジを排出する方向を前方向と定義すると共に、ディスクカートリッジを挿入する側にユーザが対峙した状態において右側を右方向及び左側を左方向として定義した上で以下説明する。
【0020】
このポータブルミニディスクプレーヤ20では、カバー体22を閉塞位置から所定角度の開放位置まで回動させるためのオープンスライダ23が本体ケース21の前方向周側面に設けられている。
【0021】
またポータブルミニディスクプレーヤ20は、当該本体ケース21の右方向周側面に電池蓋ケース24が取り付けられると共に、再生動作、記録動作、音量調整等を行うための各種操作ボタン25〜28が設けられている。なおポータブルミニディスクプレーヤ20は、図示しないがヘッドフォンジャック端子やマイクロフォン端子等が左方向周側面に設けられている。
【0022】
(2)電池蓋ヒンジ構造
図2に示すように、30は全体として本発明における電池蓋ヒンジ構造を示し、シャーシフレームとしてのセットシャーシ31と当該セットシャーシ31の右方向周側面に取り付けられた電池蓋32とが一体となったアッセンブリー構造であることを一つの特徴とする。
【0023】
セットシャーシ31は、全体として偏平状の枠組み構造で形成された矩形の枠体でなり、当該セットシャーシ31には各種回路や電子部品等の実装されたメイン基板33が直接取り付けられる。
【0024】
図3に示すように、メイン基板33には電池台34が載置されて取り付けられ、その上から電池ケース35が取り付けられることにより、当該電池台34と電池ケース35とによって電池収納空間が形成され、その電池収納空間に対して従来とは異なる矩形状の電池36が収納されるようになされている。
【0025】
この電池台34は、メイン基板33と電気的に接続された正極端34A及び負極端子34Bが僅かな間隔をもって併設されており、当該正極端子34A及び負極端子34Bを介して電池36と電気的に導通するようになされている。
【0026】
なお電池台34には、正極端子34A及び負極端子34Bの近傍にコイルばね39が設けられており、これにより電池収納空間に収納された電池36を排出する際の当該電池36に対する付勢力を与え得るようになされている。
【0027】
一方、電池36は電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bに対応した正電極37及び負電極38がその一端側に設けられており、これにより電池収納空間に電池36が収納された場合に正電極37及び負電極38が電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bに押し付けられて電気的に導通するようになされている。
【0028】
従って、この電池蓋ヒンジ構造30においては、電池収納空間に収納された電池36の他端側に当該電池36の正電極37又は負電極38が存在することはなく、電池蓋32(図2)には電池36との電気的接続を図る必要のない単なる蓋としての役割だけを担うことになるため、その分だけ当該電池蓋32の構成を簡素化し得るようになされている。
【0029】
一方、図4に示すように電池蓋32は、電池36の他端側に当該電池36の正電極37又は負電極38が存在することがないため、当該電池36と電気的に接触させるべき接点部は設けられておらず、平坦状のベース面41に対して絞り加工が施された略断面台形状でなる押付面42が形成されており、当該押付面42上の所定位置に半球状の凸部43及び44が形成されている。
【0030】
これにより電池蓋ヒンジ構造30では、電池収納空間に電池36が収納された状態で電池蓋32が閉じられると、当該押付面42上の凸部43及び44によって電池36の端面36A(図3)を押し付け、かくして当該電池36の正電極37及び負電極38と電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bとが機械的かつ電気的に接続されるようになされている。
【0031】
また電池蓋32は、セットシャーシ31に軸を介して取り付けられるための軸穴45及び46が設けられた当接部47及び48と、当該軸穴45及び46の中心を結ぶ中心線と平行に垂設された軸支持部50とにより全体として略断面コ字状でなる電池蓋側軸受部49が形成されている。
【0032】
一方図5に示すように、セットシャーシ31には、軸を介して電池蓋32を取り付けるために用いられる軸穴51及び52の設けられた当接部分57及び58が当該セットシャーシ31と一体に形成され、これによりセットシャーシ31自体と当接部分57及び58とによってシャーシ側軸受部53が形成されている。
【0033】
ここで当接部分57は、セットシャーシ31における右方向周側面の一部を切り起こして折り曲げることにより形成され、当接部分58についても右方向周側面から切り起こして2度折り曲げることにより形成され、これによりセットシャーシ31と一体化された構造を有している。
【0034】
また当接部分57及び58がセットシャーシ31と一体化された構造を有するようにしたことにより、当該当接部分57及び58がセットシャーシ31と別部品になることを予め防止して部品点数を減少するようになされている。
【0035】
ここで当接部分58においては、軸穴51及び52の中心を結ぶ中心線と平行に垂設されている壁部58Aによって当該当接部分58の強度向上が図られており、当該壁部58Aが設けられていない場合と比較して電池蓋32の開閉動作に伴ってセットシャーシ31に与える歪みの影響を低減し得るようになされている。
【0036】
これにより電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32が軸穴51及び52の中心を結ぶ中心線と平行状態を保持しながら開閉動作し得るようになされている。
【0037】
ところでシャーシ側軸受部53は、電池蓋32における電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口に入り込む形で嵌入される程度の大きさに当該当接部分57及び58間の距離が選定されている。
【0038】
これにより図6に示すように電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32における電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口に対して、シャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で、軸54が電池蓋側軸受部49(図4)における当接部47の軸穴45、シャーシ側軸受部53(図5)における当接部分57の軸穴51に挿通され、かつシャーシ側軸受部53(図5)における当接部分58の軸穴52、電池蓋側軸受部49(図4)における当接部48の軸穴46に挿通された後に当該軸54の先端がカシメられることにより、電池蓋32がセットシャーシ31に取り付けられるようになされている。
【0039】
かくして電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32が軸54を介してセットシャーシ31のシャーシ側軸受部53に軸支されるので、当該軸54を介して自在に開閉動作し得るようになされている。
【0040】
ここで図7及び図8に示すように電池蓋ヒンジ構造30は、電池蓋32の電池蓋側軸受部49における当接部47及び48の間口にシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で軸54により軸支されているため、電池蓋側軸受部49の当接部47及び48とシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58との間で摺動抵抗が発生し、これによりユーザの電池蓋32に対する開閉動作に対して適度な抵抗感を与えるようになされている。
【0041】
従って図9に示すように電池蓋ヒンジ構造30では、シャーシ側軸受部53を形成するためにセットシャーシ31の右方向周側面から折り曲げ加工する際、当該シャーシ側軸受部53の略L字状でなる当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を押し拡げる方向(矢印P方向)若しくは狭める方向(矢印Q方向)に予め設定しておくことにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を増減させて電池蓋32に対する開閉時の抵抗感を調整し得るようになされている。
【0042】
すなわち電池蓋ヒンジ構造30では、シャーシ側軸受部53の略L字状でなる当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を僅かに拡げた状態で形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とにおける摺動抵抗を増加させて電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を増加させることができ、一方、シャーシ側軸受部53の当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を僅かに狭めた状態で形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を低減させて当該電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を減少させることができる。
【0043】
(3)動作及び効果
以上の構成において、電池蓋ヒンジ構造30では電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とが軸54を介して軸支された状態で電池蓋32がシャーシフレーム31に直接取り付けられるため、電池蓋32に加えられる力をシャーシフレーム31全体で吸収することができるので、電池蓋32とセットシャーシ31とが一体化された簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【0044】
また電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32の電池蓋側軸受部49とセットシャーシ31のシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を利用して電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を生じさせるようにしているため、シャーシ側軸受部53における当接部分57及び58間の間口を押し拡げた状態に形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とにおける摺動抵抗を増加させて電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を増加させることができる。
【0045】
さらに電池蓋ヒンジ構造30では、ポータブルミニディスクプレーヤ20が正電極37及び負電極38を一端側に併設した形状の電池36を対象としているため、電池蓋32に電池36の正電極37と電気的に接続するための接点部や端子カバーが不要となり、備品点数を削減して簡素化を図ることができる。
【0046】
また従来の電池蓋7(図11)では、電池ケース5に取り付けるための取付板12が必要であったのに対し、本発明における電池蓋ヒンジ構造30ではシャーシ側軸受部53と一体化されたセットシャーシ31自体を当該取付板12の代わりに代用することができるので、一体化構造に伴う強度向上と共に部品点数を減少させることもできる。
【0047】
以上の構成によれば、ポータブルミニディスクプレーヤ20の電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32とセットシャーシ31とが一体化された簡素な構成を実現すると共に、従来の電池蓋ヒンジ構造と比して一段と強度を向上させることができる。
【0048】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、シャーシ側ヒンジ部として設けられたシャーシ側軸受部53の下方側に位置する当接部分58を押し拡げる若しくは狭めることにより電池蓋側ヒンジ部として設けられた電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、シャーシ側軸受部53の上方側に位置する当接部分57を押し拡げる若しくは狭めることにより電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を調整するようにしても良い。
【0049】
また上述の実施の形態においては、電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口にシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で軸54を介して電池蓋32を取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、シャーシ側軸受部53の当接部分57及び58の間口に対して電池蓋側軸受部49の当接部47及び48が嵌入された状態で軸54を介して電池蓋32を取り付けるようにしても良い。
【0050】
さらに上述の実施の形態においては、本発明をポータブルミニディスクプレーヤ20に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ポータブルCD(Compact Disc)プレーヤ等の電池蓋をヒンジ構造によって開閉する他の種々の電子機器に適用するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の電池蓋ヒンジ構造及び電子機器は、例えばポータブルタイプの電子機器で電池蓋をヒンジ構造で開閉する種々の用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のポータブルミニディスクプレーヤの外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】本発明における電池蓋ヒンジ構造の全体構成を示す略線的斜視図である。
【図3】メイン基板、電池ケース及び電池の取付位置関係を示す略線的斜視図である。
【図4】電池蓋の構造を示す略線的斜視図である。
【図5】シャーシ側軸受部の構造を示す略線的斜視図である。
【図6】電池蓋ヒンジ構造の要部(1)を示す略線的斜視図である。
【図7】電池蓋ヒンジ構造の要部(2)を示す略線的斜視図である。
【図8】電池蓋軸受部とシャーシ側軸受部とにおける接続状態の説明に供する略線的断面図である。
【図9】摺動抵抗の調整の説明に供する略線的斜視図である。
【図10】従来のポータブルミニディスクプレーヤにおける電池蓋ヒンジ構造を示す略線的斜視図である。
【図11】従来の電池蓋を示す略線的斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1、20……ポータブルミニディスクプレーヤ、2、21……本体ケース、3、31……セットシャーシ、4、32……メイン基板、5、35……電池ケース、6、15……ビス、7、32……電池蓋、8……電池端子、9……接点部、10……端子カバー、11……ヒンジ部、12……取付板、16、54……軸、22……カバー体、24……電池蓋ケース、34……電池台、36……電池、41……ベース面、42……押付面、43、44……凸部、45、46、51、52……軸穴、47、48……当接部、50……軸支持部、57、58……当接部分。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池蓋ヒンジ構造及び電子機器に関し、例えばポータブルミニディスクプレーヤに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電池蓋ヒンジ構造としては、例えばカメラの電池蓋をヒンジによって開閉するようになされたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-142841公報
【0003】
また、図10に示すようにポータブルミニディスクプレーヤ1においては、下側筐体を構成する本体ケース2と上側筐体を構成するカバー体(図示せず)とによって全体が形成され、当該本体ケース2のセットシャーシ3に対してメイン基板4が直接取り付けられると共に、そのメイン基板4に対して樹脂製の電池ケース5がビス6により取り付けられた構造を有している。
【0004】
図11に示すように、電池ケース5に取り付けられる電池蓋7は、電池の正電極(図示せず)と機械的かつ電気的に接続される接点部9が電池端子8の表面から僅かに突出した状態に設けられ、当該接点部9が端子カバー10によって覆われている。
【0005】
この電池蓋7は、電池が電池ケース5(図10)の電池収納空間5Aに収納された状態で当該電池の正電極が接点部9と当接され、当該電池蓋7が閉じられたときに当該接点部9の弾性力によって電池の正電極を押さえ付けることになり、これにより当該電池との導通状態を確実なものとするようになされている。
【0006】
また電池蓋7は、電池端子8がヒンジ部11の軸16を介して取付板12と回動自在に軸支されており、当該取付板12のビス穴13を介して電池ケース5に直接取り付けられるようになされている。
【0007】
実際上、電池蓋7は電池ケース5(図10)の電池蓋保持部14に取付板12が先端12Aから挿通された状態で、ビス穴13及びビス15を介して当該電池ケース5に取り付けられ、これによりポータブルミニディスクプレーヤ1における電池蓋ヒンジ構造が実現されている。なお電池蓋7の取付板12における先端部12Aはメイン基板4上に位置され、当該先端部12Aとメイン基板4とがはんだ付けされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところでかかる構成における従来のポータブルミニディスクプレーヤ1においては、電池蓋7が電池端子8、接点部9、端子カバー10、取付板12及びヒンジ部11の軸16でなる計5点の部品によって構成されているので、部品点数が多く組立工数も複雑になるという問題があった。
【0009】
また、従来の電池蓋ヒンジ構造においては、ビス15によって取り付けられる対象が樹脂製の電池ケース5であるために十分な強度が取れず、電池蓋7に無理な力が加えられたときに樹脂製の電池ケース5が破損してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡素な構成でかつ十分な強度を有する電池蓋ヒンジ構造及び電子機器を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明の電池蓋ヒンジ構造においては、同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、当該電池蓋をシャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部とを具え、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより電池蓋がシャーシフレームに軸支されるようにする。
【0012】
これにより電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【0013】
また本発明の電池蓋ヒンジ構造においては、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とが当接された当接部分における弾性力及び摺動抵抗を利用して電池蓋の開閉時における開閉抵抗を調整することができるので、新たな部品を追加することなく電池蓋の開閉時における開閉抵抗を自在に調整することができる。
【0014】
さらに本発明の電子機器においては、装着状態に電池を保持する電池蓋を有する電子機器であって、同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、電池収納空間に電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、当該電池蓋をシャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部とを具え、電池蓋側ヒンジ部とシャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより電池蓋がシャーシフレームに軸支されるようにする。
【0015】
これにより電子機器では、電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電池蓋がシャーシフレームに直接取り付けられることにより、電池蓋に加えられる力をシャーシフレーム全体で吸収することができるので、簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させ得る電池蓋ヒンジ構造及び電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0018】
(1)ポータブルミニディスクプレーヤの外観構成
図1に示すようにポータブルミニディスクプレーヤ20においては、下側筐体を構成する本体ケース21と上側筐体を構成するカバー体22とによって全体が形成されている。
【0019】
ここでポータブルミニディスクプレーヤ20においては、図示しないディスクカートリッジを挿入する方向を後方向とし、ディスクカートリッジを排出する方向を前方向と定義すると共に、ディスクカートリッジを挿入する側にユーザが対峙した状態において右側を右方向及び左側を左方向として定義した上で以下説明する。
【0020】
このポータブルミニディスクプレーヤ20では、カバー体22を閉塞位置から所定角度の開放位置まで回動させるためのオープンスライダ23が本体ケース21の前方向周側面に設けられている。
【0021】
またポータブルミニディスクプレーヤ20は、当該本体ケース21の右方向周側面に電池蓋ケース24が取り付けられると共に、再生動作、記録動作、音量調整等を行うための各種操作ボタン25〜28が設けられている。なおポータブルミニディスクプレーヤ20は、図示しないがヘッドフォンジャック端子やマイクロフォン端子等が左方向周側面に設けられている。
【0022】
(2)電池蓋ヒンジ構造
図2に示すように、30は全体として本発明における電池蓋ヒンジ構造を示し、シャーシフレームとしてのセットシャーシ31と当該セットシャーシ31の右方向周側面に取り付けられた電池蓋32とが一体となったアッセンブリー構造であることを一つの特徴とする。
【0023】
セットシャーシ31は、全体として偏平状の枠組み構造で形成された矩形の枠体でなり、当該セットシャーシ31には各種回路や電子部品等の実装されたメイン基板33が直接取り付けられる。
【0024】
図3に示すように、メイン基板33には電池台34が載置されて取り付けられ、その上から電池ケース35が取り付けられることにより、当該電池台34と電池ケース35とによって電池収納空間が形成され、その電池収納空間に対して従来とは異なる矩形状の電池36が収納されるようになされている。
【0025】
この電池台34は、メイン基板33と電気的に接続された正極端34A及び負極端子34Bが僅かな間隔をもって併設されており、当該正極端子34A及び負極端子34Bを介して電池36と電気的に導通するようになされている。
【0026】
なお電池台34には、正極端子34A及び負極端子34Bの近傍にコイルばね39が設けられており、これにより電池収納空間に収納された電池36を排出する際の当該電池36に対する付勢力を与え得るようになされている。
【0027】
一方、電池36は電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bに対応した正電極37及び負電極38がその一端側に設けられており、これにより電池収納空間に電池36が収納された場合に正電極37及び負電極38が電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bに押し付けられて電気的に導通するようになされている。
【0028】
従って、この電池蓋ヒンジ構造30においては、電池収納空間に収納された電池36の他端側に当該電池36の正電極37又は負電極38が存在することはなく、電池蓋32(図2)には電池36との電気的接続を図る必要のない単なる蓋としての役割だけを担うことになるため、その分だけ当該電池蓋32の構成を簡素化し得るようになされている。
【0029】
一方、図4に示すように電池蓋32は、電池36の他端側に当該電池36の正電極37又は負電極38が存在することがないため、当該電池36と電気的に接触させるべき接点部は設けられておらず、平坦状のベース面41に対して絞り加工が施された略断面台形状でなる押付面42が形成されており、当該押付面42上の所定位置に半球状の凸部43及び44が形成されている。
【0030】
これにより電池蓋ヒンジ構造30では、電池収納空間に電池36が収納された状態で電池蓋32が閉じられると、当該押付面42上の凸部43及び44によって電池36の端面36A(図3)を押し付け、かくして当該電池36の正電極37及び負電極38と電池台34の正極端子34A及び負極端子34Bとが機械的かつ電気的に接続されるようになされている。
【0031】
また電池蓋32は、セットシャーシ31に軸を介して取り付けられるための軸穴45及び46が設けられた当接部47及び48と、当該軸穴45及び46の中心を結ぶ中心線と平行に垂設された軸支持部50とにより全体として略断面コ字状でなる電池蓋側軸受部49が形成されている。
【0032】
一方図5に示すように、セットシャーシ31には、軸を介して電池蓋32を取り付けるために用いられる軸穴51及び52の設けられた当接部分57及び58が当該セットシャーシ31と一体に形成され、これによりセットシャーシ31自体と当接部分57及び58とによってシャーシ側軸受部53が形成されている。
【0033】
ここで当接部分57は、セットシャーシ31における右方向周側面の一部を切り起こして折り曲げることにより形成され、当接部分58についても右方向周側面から切り起こして2度折り曲げることにより形成され、これによりセットシャーシ31と一体化された構造を有している。
【0034】
また当接部分57及び58がセットシャーシ31と一体化された構造を有するようにしたことにより、当該当接部分57及び58がセットシャーシ31と別部品になることを予め防止して部品点数を減少するようになされている。
【0035】
ここで当接部分58においては、軸穴51及び52の中心を結ぶ中心線と平行に垂設されている壁部58Aによって当該当接部分58の強度向上が図られており、当該壁部58Aが設けられていない場合と比較して電池蓋32の開閉動作に伴ってセットシャーシ31に与える歪みの影響を低減し得るようになされている。
【0036】
これにより電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32が軸穴51及び52の中心を結ぶ中心線と平行状態を保持しながら開閉動作し得るようになされている。
【0037】
ところでシャーシ側軸受部53は、電池蓋32における電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口に入り込む形で嵌入される程度の大きさに当該当接部分57及び58間の距離が選定されている。
【0038】
これにより図6に示すように電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32における電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口に対して、シャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で、軸54が電池蓋側軸受部49(図4)における当接部47の軸穴45、シャーシ側軸受部53(図5)における当接部分57の軸穴51に挿通され、かつシャーシ側軸受部53(図5)における当接部分58の軸穴52、電池蓋側軸受部49(図4)における当接部48の軸穴46に挿通された後に当該軸54の先端がカシメられることにより、電池蓋32がセットシャーシ31に取り付けられるようになされている。
【0039】
かくして電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32が軸54を介してセットシャーシ31のシャーシ側軸受部53に軸支されるので、当該軸54を介して自在に開閉動作し得るようになされている。
【0040】
ここで図7及び図8に示すように電池蓋ヒンジ構造30は、電池蓋32の電池蓋側軸受部49における当接部47及び48の間口にシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で軸54により軸支されているため、電池蓋側軸受部49の当接部47及び48とシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58との間で摺動抵抗が発生し、これによりユーザの電池蓋32に対する開閉動作に対して適度な抵抗感を与えるようになされている。
【0041】
従って図9に示すように電池蓋ヒンジ構造30では、シャーシ側軸受部53を形成するためにセットシャーシ31の右方向周側面から折り曲げ加工する際、当該シャーシ側軸受部53の略L字状でなる当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を押し拡げる方向(矢印P方向)若しくは狭める方向(矢印Q方向)に予め設定しておくことにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を増減させて電池蓋32に対する開閉時の抵抗感を調整し得るようになされている。
【0042】
すなわち電池蓋ヒンジ構造30では、シャーシ側軸受部53の略L字状でなる当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を僅かに拡げた状態で形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とにおける摺動抵抗を増加させて電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を増加させることができ、一方、シャーシ側軸受部53の当接部分58を当該当接部分57及び58間の間口を僅かに狭めた状態で形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を低減させて当該電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を減少させることができる。
【0043】
(3)動作及び効果
以上の構成において、電池蓋ヒンジ構造30では電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とが軸54を介して軸支された状態で電池蓋32がシャーシフレーム31に直接取り付けられるため、電池蓋32に加えられる力をシャーシフレーム31全体で吸収することができるので、電池蓋32とセットシャーシ31とが一体化された簡素な構成でありながら従来に比して一段と強度を向上させることができる。
【0044】
また電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32の電池蓋側軸受部49とセットシャーシ31のシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を利用して電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を生じさせるようにしているため、シャーシ側軸受部53における当接部分57及び58間の間口を押し拡げた状態に形成することにより、電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53とにおける摺動抵抗を増加させて電池蓋32の開閉動作時における抵抗感を増加させることができる。
【0045】
さらに電池蓋ヒンジ構造30では、ポータブルミニディスクプレーヤ20が正電極37及び負電極38を一端側に併設した形状の電池36を対象としているため、電池蓋32に電池36の正電極37と電気的に接続するための接点部や端子カバーが不要となり、備品点数を削減して簡素化を図ることができる。
【0046】
また従来の電池蓋7(図11)では、電池ケース5に取り付けるための取付板12が必要であったのに対し、本発明における電池蓋ヒンジ構造30ではシャーシ側軸受部53と一体化されたセットシャーシ31自体を当該取付板12の代わりに代用することができるので、一体化構造に伴う強度向上と共に部品点数を減少させることもできる。
【0047】
以上の構成によれば、ポータブルミニディスクプレーヤ20の電池蓋ヒンジ構造30では、電池蓋32とセットシャーシ31とが一体化された簡素な構成を実現すると共に、従来の電池蓋ヒンジ構造と比して一段と強度を向上させることができる。
【0048】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、シャーシ側ヒンジ部として設けられたシャーシ側軸受部53の下方側に位置する当接部分58を押し拡げる若しくは狭めることにより電池蓋側ヒンジ部として設けられた電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、シャーシ側軸受部53の上方側に位置する当接部分57を押し拡げる若しくは狭めることにより電池蓋側軸受部49とシャーシ側軸受部53との摺動抵抗を調整するようにしても良い。
【0049】
また上述の実施の形態においては、電池蓋側軸受部49の当接部47及び48の間口にシャーシ側軸受部53の当接部分57及び58が嵌入された状態で軸54を介して電池蓋32を取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、シャーシ側軸受部53の当接部分57及び58の間口に対して電池蓋側軸受部49の当接部47及び48が嵌入された状態で軸54を介して電池蓋32を取り付けるようにしても良い。
【0050】
さらに上述の実施の形態においては、本発明をポータブルミニディスクプレーヤ20に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ポータブルCD(Compact Disc)プレーヤ等の電池蓋をヒンジ構造によって開閉する他の種々の電子機器に適用するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の電池蓋ヒンジ構造及び電子機器は、例えばポータブルタイプの電子機器で電池蓋をヒンジ構造で開閉する種々の用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のポータブルミニディスクプレーヤの外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】本発明における電池蓋ヒンジ構造の全体構成を示す略線的斜視図である。
【図3】メイン基板、電池ケース及び電池の取付位置関係を示す略線的斜視図である。
【図4】電池蓋の構造を示す略線的斜視図である。
【図5】シャーシ側軸受部の構造を示す略線的斜視図である。
【図6】電池蓋ヒンジ構造の要部(1)を示す略線的斜視図である。
【図7】電池蓋ヒンジ構造の要部(2)を示す略線的斜視図である。
【図8】電池蓋軸受部とシャーシ側軸受部とにおける接続状態の説明に供する略線的断面図である。
【図9】摺動抵抗の調整の説明に供する略線的斜視図である。
【図10】従来のポータブルミニディスクプレーヤにおける電池蓋ヒンジ構造を示す略線的斜視図である。
【図11】従来の電池蓋を示す略線的斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1、20……ポータブルミニディスクプレーヤ、2、21……本体ケース、3、31……セットシャーシ、4、32……メイン基板、5、35……電池ケース、6、15……ビス、7、32……電池蓋、8……電池端子、9……接点部、10……端子カバー、11……ヒンジ部、12……取付板、16、54……軸、22……カバー体、24……電池蓋ケース、34……電池台、36……電池、41……ベース面、42……押付面、43、44……凸部、45、46、51、52……軸穴、47、48……当接部、50……軸支持部、57、58……当接部分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、
上記電池収納空間に上記電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を上記電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、
上記電池蓋を上記シャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部と
を具え、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより上記電池蓋が上記シャーシフレームに軸支される
ことを特徴とする電池蓋ヒンジ構造。
【請求項2】
上記電池蓋ヒンジ構造は、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とが当接された当接部分における弾性力及び摺動抵抗を利用して上記電池蓋の開閉時における開閉抵抗を調整する
を具えることを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項3】
上記電池蓋には、上記電池の正電極及び負電極に対応する正極端子及び負極端子のいずれも設けられていない
ことを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項4】
上記電池蓋には、上記電池が上記電池収納空間に収納された状態で上記電池における一方の端面に押し付けられる押付面に断面台形状の絞り加工が施されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項5】
装着状態に電池を保持する電池蓋を有する電子機器であって、
同一面上に正電極及び負電極の併設された上記電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、
上記電池収納空間に上記電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を上記電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する上記電池蓋と、
上記電池蓋を上記シャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部と
を具え、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより上記電池蓋が上記シャーシフレームに軸支される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
同一面上に正電極及び負電極の併設された電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、
上記電池収納空間に上記電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を上記電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する電池蓋と、
上記電池蓋を上記シャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部と
を具え、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより上記電池蓋が上記シャーシフレームに軸支される
ことを特徴とする電池蓋ヒンジ構造。
【請求項2】
上記電池蓋ヒンジ構造は、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とが当接された当接部分における弾性力及び摺動抵抗を利用して上記電池蓋の開閉時における開閉抵抗を調整する
を具えることを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項3】
上記電池蓋には、上記電池の正電極及び負電極に対応する正極端子及び負極端子のいずれも設けられていない
ことを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項4】
上記電池蓋には、上記電池が上記電池収納空間に収納された状態で上記電池における一方の端面に押し付けられる押付面に断面台形状の絞り加工が施されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電池蓋ヒンジ構造。
【請求項5】
装着状態に電池を保持する電池蓋を有する電子機器であって、
同一面上に正電極及び負電極の併設された上記電池を収納するための電池収納空間が設けられたシャーシフレームと、
上記電池収納空間に上記電池が収納された状態で当該電池の一端を押さえ付けることにより当該電池を上記電池収納空間に保持するための電池蓋側ヒンジ部を有する上記電池蓋と、
上記電池蓋を上記シャーシフレームに対して開閉自在に取り付けるため当該シャーシフレームと一体に形成されたシャーシ側ヒンジ部と
を具え、
上記電池蓋側ヒンジ部と上記シャーシ側ヒンジ部とを軸を介して取り付けることにより上記電池蓋が上記シャーシフレームに軸支される
ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−19216(P2006−19216A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198216(P2004−198216)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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