説明

電流センサ

【課題】センサ感度の低下を確実に阻止することができるリングユニットを組み込んだフラックスゲートセンサ素子と、該フラックスゲートセンサ素子を組み込んで被測定導体の導入位置の影響や外部磁界の影響を少なくし、かつ、オフセット信号の出力をなくした貫通型電流センサとの提供。
【解決手段】リングコアユニットをその環状凹陥部内に配置した環状大径ケース体の一方の面と他方の面とに一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットを配置してフラックスゲートセンサ素子31を形成した。貫通型電流センサ51は、二枚重ねの樹置きセンフラックスゲートセンサ素子31を一側コア部63と他側コア部73とからなるメインコア52内に収納して形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサに関するものであり、さらに詳しくは、貫通型電流センサ(非接触電流センサ)を形成する際に好適に用いることができるリングコアユニットおよび該リングコアユニットを用いてなるフラックスゲートセンサ素子ならびに該フラックスゲートセンサ素子を用いた貫通型電流センサに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
図10は、特許文献1に地磁気検出用の磁気センサとして開示されているフラックスゲートセンサの分解斜視図であり、該フラックスゲートセンサは、印刷回路基板製造技術を利用して製造されている。
【特許文献1】特開2003−270310号公報
【0003】
同図によれば、フラックスゲートセンサ1は、薄板状の磁性体2と、励磁巻線層5が形成されて磁性体2の下面側に積層される第1積層体3および磁性体2の上面側に積層される第2積層体4と、検出巻線層7が形成されて第1積層体3の下面および第2積層体4の上面に積層される一対の第3積層体6,6とで形成されている。
【0004】
この場合、多数の平行な直線状に配列された上下の励磁巻線層5は、第1積層体3と第2積層体4とに形成されたバイアホール9を介して導通されることで、ジグザグ状に連結された1本の励磁巻線パターンを形成して磁性体2を囲繞する状態となっている。
【0005】
また、多数の平行な直線状に配列された上下の検出巻線層7は、第1積層体3と第2積層体4と第3積層体6とを貫通するスルーホール8を介して導通されることで、ジグザグ状に連結された1本の検出巻線パターンを形成して磁性体2および検出巻線層5を囲繞する状態となっている。
【0006】
このため、フラックスゲートセンサ1は、印刷回路基板製造技術により励磁巻線パターンや検出巻線パターンを形成することができるので、小型で安価なものを大量に製造することができる。
【0007】
一方、図11は、従来からある貫通型電流センサの一例を示すものであり、略円環状を呈してその一部にギャップ部103を介在させて非連続に形成されたメインコア102と、該メインコア102のギャップ部103を介して配置されたホール素子などからなる磁気検出素子104と、メインコア102に巻いた帰還巻線105とを少なくとも備えている。
【0008】
そして、メインコア102の外側には、磁性材料からなる磁気シールド106を配置した上で、磁気検出素子駆動回路107と帰還電流を流す電気回路108とを組み合わせることにより、負帰還型AC/DC電流センサ101として構成されている。
【0009】
このため、図11に示す電流センサ101によれば、被測定導体Lからの入力電流に比例した電圧出力が得られるほか、その負帰還構造により高直線性の電流検出ができ、さらには、磁気シールド106により外部磁界の影響を遮ることができることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図10に示すフラックスゲートセンサ1は、第1積層体3と第2積層体4との間に直に磁性材2を挟み込む構造が採用されているので、例えば第1積層体3と第2積層体4とが撓んだ際などに生成される応力の影響を直接に受けてしまう。その結果、例えばパーマロイのような応力に弱い材料を用いて磁性材2が形成されている場合には、センサ感度が大幅に低下してしまうといった不都合があった。
【0011】
一方、図11に示す電流センサ101による場合には、磁気検出素子1044が非対称構造のもとで配置されているので、被測定導体Lの位置により感度が変化してしまうほか、大電流によりメインコア102が帯磁してしまうと、その残留磁束がギャップ部103から漏れ、これを磁気検出素子104が検出してオフセット信号として出力してしまうことから、検査の都度、メインコア102を消磁しておく必要があった。
【0012】
また、磁気シールド106は、磁性材料を用いて形成されているので、帰還巻線105があるメインコア102で検出されるはずの磁束の一部が磁気シールド106側にながれてしまい、その検出感度が低下するなどの影響があるほか、被測定導体Lに対しインダクタンスとして働くことで、該被測定導体Lに挿入インピーダンスを与えることで電流が流れづらくなったり、高周波大電流で発熱して焼損するおそれがあるなどの不具合があった。
【0013】
本発明は、従来技術の上記課題に鑑み、その目的の一つには、貫通型電流センサに組み込まれる磁性材を例えばパーマロイのような応力に弱い材料で形成しても、応力の影響を受けにくくする構造を付与することでセンサ感度の低下を確実に阻止することができるリングコアユニットおよび該リングコアユニットを用いたフラックスゲートセンサ素子を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的の一つには、上記フラックスゲートセンサ素子を組み込むことで、被測定導体の導入位置の影響や外部磁界の影響を少なくし、かつ、オフセット信号の出力をなくし、被測定導体に対し影響を与えたり、高周波大電流で発熱するおそれを少なくした貫通型電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、そのうちの第1の発明(リングコアユニット)は、磁性体からなるリングコアと、該リングコアを収容する環状溝部を備えた絶縁基材からなる環状ケース体と、該環状ケース体の前記環状溝部側を覆う絶縁基材からなる環状蓋体とを含み、
前記リングコアは、環状ケース体の前記環状溝部の溝幅と溝深さとのいずれの寸法よりも小さく形成され、前記環状蓋体は、前記環状ケース体と略同心円状となる位置関係のもとで前記環状溝部内に前記リングコアを収容して施蓋したことを最も主要な特徴とする。この場合、前記環状蓋体は、前記リングコアに対し非接触もしくは軽接触にて施蓋させるのが好ましい。
【0016】
第1の発明において前記環状ケース体は、断面略凹字形を呈し、前記環状蓋体は、断面略凸字状を呈してその突出部を前記環状溝部内に位置させて前記環状ケース体側と対面合致する位置関係で施蓋できるように形成することができる。
【0017】
また、第1の発明において前記環状ケース体は、前記リングコアが収容される前記環状溝部と、該環状溝部との間に段差を介在させてより浅く形成された大環状溝部とを有し、前記環状蓋体は、前記環状溝部を施蓋するように前記大環状溝部内に配置できるように形成するものであってもよい。
【0018】
一方、第2の発明(フラックスゲートセンサ素子)は、請求項1ないし3のいずれかに記載のリングコアユニットと、断面略コ字形を呈してその凹陥部内に前記リングコアユニットが収容される絶縁基材からなる環状大径ケース体と、該環状大径ケース体の一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットとで構成され、これら一側基板体と他側基板体とのそれぞれの一側面には、その周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層からなる導体パターン列を形成するとともに、一方の導体パターン列が表面側にて、他方の導体パターン列が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体と他側基板体とは、前記環状大径ケース体を両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着され、表面側の各パターン層と裏面側の各パターン層とは、前記環状大径ケース体の周縁部および一側基板体と他側基板体との対応部位を貫通させて各別に形成されためっきスルーホールを介して交互に順次導通させることで、1本の線状に連続させたことを最も主要な特徴とする。
【0019】
また、第9の発明(フラックスゲートセンサ素子)は、請求項1,2,4のいずれかに記載のリングコアユニットと、該リングコアユニットの一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットとで構成され、これら一側基板体と他側基板体とのそれぞれの一側面には、その周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層からなる導体パターン列を形成するとともに、一方の導体パターン列が表面側にて、他方の導体パターン列が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体と他側基板体とは、前記リングコアユニットを両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着され、表面側の各パターン層と裏面側の各パターン層とは、リングコアユニットにおける環状ケース体の周縁部および一側基板体と他側基板体との対応部位を貫通させて各別に形成されためっきスルーホールを介して交互に順次導通させることで、1本の線状に連続させたことを最も主要な特徴とする。
【0020】
さらに、第4の発明(貫通型電流センサ)は、第2または第3の発明に係るフラックスゲートセンサ素子と、それぞれが環状を呈して対面合致を自在に二分割された一側コア部と他側コア部とにおける少なくともいずれか一方の対向面に前記フラックスゲートセンサ素子を収納してそのリード線の外部への引き出しを自在とした溝部を設けてなるメインコアと、該メインコアの外表面に巻回された帰還巻線とを少なくとも含むことを最も主要な特徴とする。
【0021】
この場合、前記一側コア部と前記他側コア部とは、非平坦に形成された対向面相互を介して密に対面合致させることもできる。また、前記溝部内には、前記フラックスゲートセンサ素子を絶縁層を介在させた複数枚重ねにして収納するのが好ましい。さらに、前記メインコアに巻回された前記帰還巻線は、その外側を静電シールドしておくのが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明のうち、第1の発明によれば、環状ケース体の環状溝部内にリングコアを収容した上で施蓋することができるので、リングコアを外部から確実に保護して特性劣化の発生を阻止することができる。この際、環状蓋体をリングコアに対し非接触のもとで施蓋に対する場合には、リングコアに応力がかかる可能性をより低くすることで特性劣化の発生をより効果的に阻止することができる。
【0023】
また、第2および第3の発明によれば、フラックスゲートセンサ素子は、特性を劣化させないように収容したリングコアを備えるリングコアユニットと、該リングコアユニット側の一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットとを少なくとも備えているいるので、特性劣化のない性能の優れたものを、小型、かつ、廉価に提供することができる。
【0024】
一方、第4の発明によれば、磁気検出手段であるフラックスゲートセンサ素子を全周対称構造のもとで配置することができるので、被測定導体の位置の影響や外部磁界の影響を極く小さなものとすることができる。しかも、メインコアにはギャップがないので、帯磁しても漏れ磁束がないので、オフセット信号として出力させることをなくすことができる。また、メインコアは、フラックスゲートセンサ素子に対し磁気シールドとして機能させるものではあっても、帰還巻線の内側に位置しているので、被測定導体側への影響をなくすことができる。なお、帰還巻線の外側を静電シールドしてある場合には、メインコア側の感度への影響や被測定導体への影響をなくすことができるほか、高周波電流による発熱を発生させずらくすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、第1の発明であるリングコアユニットの一例についての組立工程を(a)〜(c)として、このようにして組み立てられたリングコアユニットを用いた第2の発明であるフラックスゲートセンサ素子の形成工程を(d),(e)としてそれぞれ示す説明図である。また、図2は、図1に示す説明図を具体的な製造工程との対応のもとで(a)〜(d)として示す説明図である。
【0026】
これらの図によれば、一例としてのリングコアユニット11は、磁性体により円環状に形成されたリングコア12と、該リングコア12を収容する環状ケース体13と、該環状ケース体13に覆設される環状蓋体16とで構成されている。
【0027】
このうち、適宜の内径と外径とを有するリングコア12は、パーマロイやアルモファスを含む強磁性体が用いられ、例えば0.1mm程度の厚さが付与されて図1(a)および図2(a)に示すようにして形成されている。
【0028】
ガラス布基材エポキシ樹脂やプリプレグなどの絶縁基材を用いて形成される環状ケース体13は、リングコア12のコア幅よりもやや広幅で、その厚さよりも深くなるように形成された環状溝部14をその一側面に有しており、該環状溝部14内に余裕をもってリングコア12を収容すべく、図1(a)および図2(a)に示すように断面略凹字形を呈して形成されている。
【0029】
同様にガラス布基材エポキシ樹脂やプリプレグなどの絶縁基材を用いて形成される環状蓋体16は、断面略凸字状を呈してその突出部17を環状溝部14内にリングコア12とは非接触状態のもとで位置させて環状ケース体13側と対面合致する配置関係のもとで施蓋させるべく図1(b)および図2(a)に示すようにして形成されている。なお、突出部17は、その施蓋時にリングコア12に対し応力がかからない程度に接触する軽接触の状態が得られる程度の高さ寸法を付与して形成することもできる。
【0030】
このような構造を備えるリングコア12と環状ケース体13と環状蓋体16とは、環状ケース体13の環状溝部14内にリングコア12を収容するとともに、図1(b)に示すように時間を経過しても固まらないタイプの軟質材、例えば固まらないタイプのシリコーン材29をその全周にわたり、もしくは部分的に介在させた上で、環状蓋体16を図1(c)および図2(b)に示す配置関係のもとで一体化することでリングコアユニット11として形成される。
【0031】
また、一例としてのフラックスゲートセンサ素子(第2の発明)31は、図1(c)に示すリングコアユニット11が用いられ、該リングコアユニット11は、ガラス布基材エポキシ樹脂やプリプレグなどの絶縁基材を用いて形成される環状大径ケース体18の環状凹陥部19内に図1(d)に示すようにして収容される。なお、環状大径ケース体18は、図2(a)に破線で示す内外周を切断して切り出すことにより形成することができる。
【0032】
このようにしてリングコアユニット11を収容した環状大径ケース体18に対しては、その一方の面と他方の面とに各別に位置させて対面合致する一側基板体33と他側基板体37とからなる励磁ユニット32が配設される。
【0033】
すなわち、一側基板体33は、その一側面に周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層35からなる導体パターン列34を、他側基板体37は、その一側面に同様にその周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層39からなる導体パターン列38をそれぞれ備えている。
【0034】
そして、一方の導体パターン列34が表面側にて、他方の導体パターン列38が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体33と他側基板体37とは、リングコアユニット11入りの環状大径ケース体18を両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着されている。この場合、取り扱いの難しいリングコアユニット11は、予め環状大径ケース体18内に収容してあるので、励磁ユニット32を形成する際の作業性をより高めることができる。
【0035】
しかも、表面側の各パターン層35と裏面側の各パターン層39とは、環状大径ケース体18の周縁部18aおよび一側基板体33と他側基板体37との対応部位を貫通させて各別に形成された各めっきスルーホール41を介して交互に順次導通させることで、図1(e)に示すように1本の線状に連続された励磁ユニット32を備えるフラックスゲートセンサ素子21として図2(d)に示すように形成されることになる。なお、図2(d)に示す符号42は、始端側に位置するパターン層38が備えるめっきスルーホール41と終端側に位置するパターン層38が備えるめっきスルーホール41とに各別に接続されているリード線を示す。
【0036】
図3は、第1の発明であるリングコアユニットの他例についての組立工程を(a),(b)として、このようにして組み立てられたリングコアユニットを用いた第2の発明であるフラックスゲートセンサ素子の構造を(c)としてそれぞれ示す説明図である。また、図4は、図3に示す説明図を具体的な製造工程との対応のもとで(a)〜(c)として示す説明図である。
【0037】
これらの図によれば、他例としてのリングコアユニット11は、磁性体により円環状に形成されたリングコア12と、該リングコア12を収容する環状ケース体23と、該環状ケース体23に覆設される環状蓋体26とで構成されている。
【0038】
このうち、リングコア12は、図1に示すものと同様にパーマロイやアルモファスを含む強磁性体が用いられ、例えば0.1mm程度の厚さが付与されて図3(a)および図4(a)に示すようにして形成されている。
【0039】
図1に示す環状ケース体13と同様な絶縁基材または異なる適宜の絶縁基材を用いて形成される環状ケース体23は、リングコア12のコア幅よりもやや広幅で、その厚さよりも深くなるように形成された環状溝部24と、該環状溝部24との間に段差を介在させてより浅く形成された環状大径溝部25とをその一側面に有して形成されている。このため、リングコア12は、図3(b)に示すように余裕をもって環状溝部24内に収容することができることになる。
【0040】
図1に示す環状蓋体16と同様な絶縁基材を用いて形成される環状蓋体26は、環状大径溝部25と略対面合致し、かつ、その深さと略一致する厚さが付与されて形成されている。
【0041】
このような構造を備えるリングコア12と環状ケース体23と環状蓋体26とは、環状ケース体23の環状溝部24内にリングコア12を収容するとともに、図3(b)に示すように時間を経過しても固まらないタイプの軟質材、例えば固まらないタイプのシリコーン材29をその全周にわたり、もしくは部分的に介在させた上で、環状蓋体26を環状大径溝部25内に配置して一体化することで、リングコアユニット11として一体的に形成されることになる。なお、環状ケース体23は、図4(a)に破線で示す内外周を切断して切り出すことにより形成することができる。
【0042】
また、他例としてのフラックスゲートセンサ素子(第3の発明)31は、図3(c)に示すリングコアユニット11が用いられ、該リングコアユニット11に対しては、その一方の面と他方の面とに各別に位置させて対面合致する一側基板体33と他側基板体37とからなる励磁ユニット32が配設される。
【0043】
すなわち、一側基板体33は、その一側面に周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層35からなる導体パターン列34を、他側基板体37は、その一側面に同様にその周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層39からなる導体パターン列38をそれぞれ備えている。
【0044】
そして、一方の導体パターン列34が表面側にて、他方の導体パターン列38が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体33と他側基板体37とは、リングコアユニット11を両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着されている。
【0045】
しかも、表面側の各パターン層35と裏面側の各パターン層38とは、環状ケース体23の周縁部23aおよび一側基板体33と他側基板体37との対応部位を貫通させて各別に形成された各めっきスルーホール41を介して交互に順次導通させることで、図3(c)に示すように1本の線状に連続された励磁ユニット32を備えるフラックスゲートセンサ素子21として図4(c)に示すように形成されることになる。なお、図4(c)に示す符号42は、始端側に位置するパターン層38が備えるめっきスルーホール41と終端側に位置するパターン層38が備えるめっきスルーホール41とに各別に接続されているリード線を示す。
【0046】
一方、図5は、第4の発明に係る貫通型電流センサの一例を分解して示す斜視図であり、図6は、図5に示す例の組立て後の断面構造を拡大して示す要部説明図であり、図7は、均等に巻回した帰還巻線を備える図6の例におけるA−A線矢視方向部位を拡大して示す断面図である。
【0047】
これらの図によれば、貫通型電流センサ51は、第2または第3の発明に係るフラックスゲートセンサ素子31と、該フラックスゲートセンサ素子31を絶縁シートや薄板状の塩化ビニルなどからなる絶縁層を介在させたり、絶縁フィルムを貼着した状態で二枚重ねにするとともに、二枚重ねの両表出面側にも同様に絶縁層をそれぞれ介在させたり、絶縁フィルムを貼着した上で収納する溝部53を有するメインコア52と、該メインコア52の外表面54に巻回された帰還巻線82とを少なくとも備えて形成されている。
【0048】
このうち、フェライトやパーマロイなどの強磁性材を用いて形成されるメインコア52は、それぞれが円環状を呈し、かつ、それぞれの対向面64,74を介して相互の対面合致を自在に二分割された一側コア部63と他側コア部73とで構成されている。
【0049】
また、一側コア部63の対向面64における中央部位には、一方のフラックスゲートセンサ素子31が収納される一側溝状部65がその周方向に、他側コア部73の対向面74における中央部位には、他方のフラックスゲートセンサ素子31が収納される他側溝状部75がその周方向にそれぞれ形成されており、これら一側溝状部65と他側溝状部75とを対面合致させることで溝部53が確保されることになる。なお、溝部53は、フラックスゲートセンサ素子31が備えるリード線42を外部に引き出すために設けられた導出溝67,77と連通している。
【0050】
さらに、一側コア部63の一側溝状部65と隣接する内周寄りの対向面64には、その外周寄りよりも面高が高い一側凸部66が、他側コア部73の対向面74における外周寄りには、他側溝状部75と隣接する内周寄りよりもその面高が高い他側凸部76がそれぞれ環状に形成されている。このため、一側コア部63と他側コア部73とは、これらを対面合致させた際に溝部53方向へと向かう階段状の段差部55が周方向での対向面64,74相互に形成されることになる。
【0051】
また、二枚重ねとなってメインコア52の溝部53内に収納される各フラックスゲートセンサ素子31については、図6に示す例によれば、図1に示すリングコアユニット11を用いて形成されたものを、その他側基板体37側を相互に向き合わせた位置関係のもとで配置されており、この例の場合には反対向きに励磁した2つのコアの差分信号として得ることができることになる。なお、図3に示す他例としてのフラックスゲートセンサ素子31を用いる場合も同様にして配置することができる。また、2枚のフラックスゲートセンサ素子31は、その例示磁束方向が相殺される関係のもとで配置してあれば、同じ方向を向かせて配置することもできる。
【0052】
さらに、フラックスゲートセンサ素子31を溝部53内に収納したメインコア52の外表面54に巻回される帰還巻線82は、例えば図7に示すように巻線層83を形成している線材に被覆されている絶縁層84を介在させた4層巻きにするなど、その全周にわたり周波数特性を考慮した適宜の巻数で均等に巻回することで形成されている。
【0053】
しかも、メインコア52の外表面54に巻回された帰還巻線82は、その外側に銅箔テープなどの導体テープ92を巻き付けることで静電シールドされている。
【0054】
次に、上記構成からなる本発明のうち、第1の発明の作用・効果を図1に示す例に基づいて説明すれば、リングコア12は、図1(a)に示すように環状ケース体13の環状溝部14内に収容される。このとき、リングコア12は、環状溝部14内にその幅方向と高さ方向とのいずれに対しても余裕をもった状態のもとで収容されることになる。
【0055】
このようにしてリングコア12を環状ケース体13の環状溝部14内に収容した後は、図1(b)に示すように時間を経過しても固まらないタイプの軟質材、例えば固まらないタイプのシリコーン材29を介在させた上で、環状蓋体16をその突出部17が環状溝部14内に位置する配置関係のもとで施蓋することで一体化され、図1(c)に示すようにリングコアユニット11が形成される。
【0056】
この場合、環状蓋体16は、その突出部17が環状ケース体14の環状溝部14内に収容されているリングコア12に対し応力のかからない非接触となった状態のもとで施蓋されることになるので、リングコア12のセンサ特性が劣化することはない。なお、突出部17は、既に述べたようにその接触面側に時間を経過しても固まらないタイプの軟質材、例えば固まらないタイプのシリコーン材などからなる弾力層を設けて応力がかかりずらくしてある限り、その施蓋時にリングコア12と接触させておくこともできる。
【0057】
リングコア12をこのようにして収容して形成されるリングユニット11は、環状大径ケース体18の環状凹陥部19内に収容され、しかる後、大径ケース体18の一方の面と他方の面とに各別に一側基板体33と他側基板体37とを対面配置することで、励磁ユニット32を備える一例としてのフラックスゲートセンサ素子31が形成されることになる。
【0058】
しかも、フラックスゲートセンサ素子31が備える励磁ユニット32は、一側基板体33がその一側面に備える多数条のパターン層35と、その一側面に同様に備える多数条のパターン層39とを、めっきスルーホール41を介して交互に順次導通させて1本の線状に連続させることにより形成されている。
【0059】
すなわち、図1(e)および図2(d)として示す一例としてのフラックスゲートセンサ素子31は、特性を劣化させないように収容したリングコア12を備えるリングコアユニット11と、該リングコアユニット11側の一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体33と他側基板体37とからなる励磁ユニット32とを備えて形成されているので、特性劣化のない性能の優れたものとして、小型、かつ、廉価に製造して提供することができることになる。
【0060】
一方、図3に示す第1の発明の他例についてその作用効果を説明すれば、リングコア12は、図3(a)に示すように環状ケース体23の環状溝部24内に収容される。このとき、リングコア12は、環状溝部24内にその幅方向と高さ方向とのいずれに対しても余裕をもった状態のもとで収容されることになる。
【0061】
このようにしてリングコア12を環状ケース体23の環状溝部24内に収容した後は、図3(b)に示すように時間を経過しても固まらないタイプの軟質材、例えば固まらないタイプのシリコーン材29を介在させた上で、環状蓋体26を環状溝部24を覆うようにして環状大径溝部25内に位置させて施蓋することで、リングコアユニット11として一体的に形成されることになる。
【0062】
この場合、環状蓋体26は、環状ケース体23の環状溝部24内に収容されているリングコア12に対し応力のかからない非接触となった状態のもとで施蓋されることになるので、リングコア12のセンサ特性が劣化することはない。
【0063】
このようにして形成されるリングユニット11に対しては、環状ケース体23の一方の面(環状蓋体26が施蓋されている側)と他方の面とに各別に一側基板体33と他側基板体37とを対面配置することで、励磁ユニット32を備える他例としてのフラックスゲートセンサ素子31が図3(c)および図4(c)として示すように形成されることになる。
【0064】
このため、図3(c)および図4(c)に示す他例としてのフラックスゲートセンサ素子31は、図1(e)および(d)に示す一例としてのフラックスゲートセンサ素子31と同様に、特性を劣化させないように収容したリングコア12を備えるリングコアユニット11と、該リングコアユニット11側の一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体33と他側基板体37とからなる励磁ユニット32とを具備させて形成することができるので、特性劣化のない性能の優れたものとして、小型、かつ、廉価に製造して提供することができることになる。
【0065】
特に、他例としてのは、図1に示す環状大径ケース体18を用いずに形成されているので、部材点数を少なくすると同時に、その薄形化も実現することができる。
【0066】
なお、本発明において一側基板体33と他側基板体37とで形成される励磁ユニット32は、周知の印刷回路基板製造技術により形成されるものである。その一例をサブトラクティブ法による場合につき説明すれば、絶縁基板に銅箔を貼り、必要部位に耐エッチング性インクをスクリーン印刷法で塗布した後、導体パターン部分のみを露光して現像を行い、露光した部分にのみ耐エッチング性被膜を残した上でエッチングを行い、最後にエッチングレジストを剥離・除去して導体パターン(本発明ではパターン層35,39からなる導体パターン列34,38)を露出させることで行われる。
【0067】
また、めっきスルーホール41は、対向位置にある個々のパターン層35,39相互を貫通させた通孔を設け、該通孔に例えば無電解銅めっき処理を施すなどして形成することができる。
【0068】
一方、、第4の発明(貫通型電流センサ)の作用・効果を図8を参酌しながら図5ないし図7に基づいて説明すれば、貫通型電流センサ51は、円環状のメインコア52の溝部53内にフラックスゲートセンサ素子31を収納した上で、メインコア52の外表面54の全周にわたり帰還巻線82が均等に巻回されている。
【0069】
すなわち、貫通型電流センサ51が備える磁気検出手段としてメインコア52内に収納されているフラックスゲートセンサ素子31と、メインコア52に均等に巻回されている帰還巻線82とは、全周対称構造のもとで配置されているので、図10に示すような被測定導体Lの位置の影響や,外部磁界の影響を極く小さなものとすることができる。
【0070】
しかも、メインコア52には、ギャップ部がないので、帯磁しても漏れ磁束がないので、オフセット信号としての出力をなくすことができる。
【0071】
また、メインコア52は、フラックスゲートセンサ素子31に対し磁気シールドとして機能させるものではあっても、帰還巻線82の内側に位置しているので、図10に示されているような被測定導体L側への影響をなくすことができる。また、高周波電流による発熱を発生させづらくすることもできる。
【0072】
さらに、帰還巻線82の外側を静電シールドしてある場合には、図10に示すような被測定導体Lからの容量結合による高周波ノイズの影響を低減する効果がある。
【0073】
このような特徴を備えた貫通型電流センサ51は、図8に示す電気回路のもとでフラックスゲートセンサ素子31を励磁し、帰還回路を有する回路基板に配線するなどして適宜のケース内に収容した上で、図10に示されているような被測定導体Lを流れる電流を電圧に変換して出力することができることになる。
【0074】
なお、第4の発明に係る貫通型電流センサ51には、所望により静電シールドを施さないで形成したものも含まれる。また、メインコア52は、フラックスゲートセンサ素子31と略相似形を呈する環状を呈するものであれば、円環状以外の適宜の環状を呈するものであってもよい。さらに、一側コア部63の対向面64と他側コア部73の対向面74とは、それぞれに鏡面加工を施して密に対面合致させることができるようにしておくこともできる。さらにまた、一側コア部63の対向面64と他側コア部73の対向面74とは、図6に示す段差部55を形成するもの以外の非平坦、例えば斜面や凹凸面を介して対面合致させるようにしてもよい。また、メインコア52内には、フラックスゲートセンサ素子31を2枚以上の複数数を収納することもできる。例えばフラックスゲートセンサ素子31を4枚重ねにする場合には、図9に示すように結線することにより、その検出感度を増加させることができる。さらに、メインコア52の溝部53は、一側コア部63の対向面64の一側溝状部65と他側コア部73の対向面74の他側溝状部75とのいずれか一方の側のみで形成することができるほか、これら一側溝状部65と他側溝状部75との溝深さを均等に形成したり、非均等の深さで形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】、第1の発明であるリングコアユニットの一例についての組立て工程を(a)〜(c)として、このようにして組み立てられたリングコアユニットを用いた第2の発明であるフラックスゲートセンサ素子の形成工程を(d),(e)としてそれぞれ示す説明図。
【図2】図1に示す説明図を具体的な製造工程との対応のもとで(a)〜(d)として示す説明図。
【図3】第1の発明であるリングコアユニットの他例についての組立工程を(a),(b)として、このようにして組み立てられたリングコア収納ユニットを用いた第2の発明であるフラックスゲートセンサ素子の構造を(c)としてそれぞれ示す説明図。
【図4】図3に示す説明図を具体的な製造工程との対応のもとで(a)〜(c)として示す説明図。
【図5】第4の発明に係る貫通型電流センサの一例を分解して示す斜視図。
【図6】図5に示す例の組立て後の断面構造を拡大して示す要部説明図。
【図7】均等に巻回した帰還巻線を備える図6の例におけるA−A線矢視方向部位を拡大して示す断面図。
【図8】第4の発明に係る貫通型電流センサの回路構成例を説明図。
【図9】第4の発明の他例についての結線関係を示す説明図。を特許文献1に地磁気検出用の磁気センサとして開示されているフラックスゲートセンサの分解斜視図。
【図10】特許文献1に地磁気検出用の磁気センサとして開示されているフラックスゲートセンサの分解斜視図。
【図11】従来からある貫通型電流センサの一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0076】
11 リングコアユニット
12 リングコア
13 環状ケース体
14 環状溝部
16 環状蓋体
17 突出部
18 環状大径ケース体
18a 周縁部
19 環状凹陥部
23 環状ケース体
23a 周縁部
24 環状溝部
25 環状大径溝部
26 環状蓋体
29 シリコーン材
31 フラックスゲートセンサ素子
32 励磁ユニット
33 一側基板体
34 導体パターン列
35 パターン層
37 他側基板体
38 導体パターン列
39 パターン層
41 めっきスルーホール
42 リード線
51 貫通型電流センサ
52 メインコア
53 溝部
54 外表面
55 段差部
63 一側コア部
64 対向面
65 一側溝状部
66 一側凸部
67 導出溝
73 他側コア部
74 対向面
75 他側溝状部
76 他側凸部
77 導出溝
82 帰還巻線
83 巻線層
84 絶縁層
92 導体テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなるリングコアと、該リングコアを収容する環状溝部を備えた絶縁基材からなる環状ケース体と、該環状ケース体の前記環状溝部側を覆う絶縁基材からなる環状蓋体とを含み、
前記リングコアは、環状ケース体の前記環状溝部の溝幅と溝深さとのいずれの寸法よりも小さく形成され、
前記環状蓋体は、前記環状ケース体と略同心円状となる位置関係のもとで前記環状溝部内に前記リングコアを収容して施蓋したことを特徴とするリングコアユニット。
【請求項2】
前記環状蓋体は、前記リングコアに対し非接触もしくは軽接触にて施蓋させた請求項1に記載のリングコアユニット。
【請求項3】
前記環状ケース体は、断面略凹字形を呈し、前記環状蓋体は、断面略凸字状を呈してその突出部を前記環状溝部内に位置させて前記環状ケース体側と対面合致するように施蓋させた請求項1または2に記載のリングコアユニット。
【請求項4】
前記環状ケース体は、前記リングコアが収容される前記環状溝部と、該環状溝部との間に段差を介在させてより浅く形成された大環状溝部とを有し、前記環状蓋体は、前記環状溝部を施蓋するように前記大環状溝部内に配置した請求項1または2に記載のリングコアユニット。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載のリングコアユニットと、
断面略コ字形を呈してその凹陥部内に前記リングコアユニットが収容される絶縁基材からなる環状大径ケース体と、
該環状大径ケース体の一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットとで構成され、
これら一側基板体と他側基板体とのそれぞれの一側面には、その周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層からなる導体パターン列を形成するとともに、
一方の導体パターン列が表面側にて、他方の導体パターン列が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体と他側基板体とは、前記環状大径ケース体を両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着され、
表面側の各パターン層と裏面側の各パターン層とは、前記環状大径ケース体の周縁部および一側基板体と他側基板体との対応部位を貫通させて各別に形成されためっきスルーホールを介して交互に順次導通させることで、1本の線状に連続させたことを特徴とするフラックスゲートセンサ素子。
【請求項6】
請求項1,2,4のいずれかに記載のリングコアユニットと、
該リングコアユニットの一方の面と他方の面とに各別に対面配置される一側基板体と他側基板体とからなる励磁ユニットとで構成され、
これら一側基板体と他側基板体とのそれぞれの一側面には、その周方向と交差する方向に相互が非接触となるように各別に配列された多数条のパターン層からなる導体パターン列を形成するとともに、
一方の導体パターン列が表面側にて、他方の導体パターン列が裏面側にてそれぞれ表出する位置関係で配置される一側基板体と他側基板体とは、前記リングコアユニットを両者間に介在させてその全体がサンドイッチ状に積層固着され、
表面側の各パターン層と裏面側の各パターン層とは、リングコアユニットにおける環状ケース体の周縁部および一側基板体と他側基板体との対応部位を貫通させて各別に形成されためっきスルーホールを介して交互に順次導通させることで、1本の線状に連続させたことを特徴とするフラックスゲートセンサ素子。
【請求項7】
請求項5または6に記載のフラックスゲートセンサ素子と、
それぞれが環状を呈して対面合致を自在に二分割された一側コア部と他側コア部とにおける少なくともいずれか一方の対向面に前記フラックスゲートセンサ素子を収納してそのリード線の外部への引き出しを自在とした溝部を設けてなるメインコアと、
該メインコアの外表面に巻回された帰還巻線とを少なくとも含むことを特徴とする貫通型電流センサ。
【請求項8】
前記一側コア部と前記他側コア部とは、非平坦に形成された対向面相互を介して密に対面合致させた請求項7に記載の貫通型電流センサ。
【請求項9】
前記溝部内には、前記フラックスゲートセンサ素子を絶縁層を介在させた複数枚重ねにして収納した請求項7または8に記載の貫通型電流センサ。
【請求項10】
前記メインコアに巻回された前記帰還巻線は、その外側が静電シールドされている請求項7ないし9のいずれかに記載の貫通型電流センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−300915(P2006−300915A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167262(P2005−167262)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】