説明

電流検出器

【課題】簡素な構成で、使用場所の制約を受けずに、安価に電流検出ができる電流検出器を提供すること。
【解決手段】共通の負荷1に複数の電源2を配線ケーブル3により並列接続して負荷1に電力を供給するシステムに適用され、3に沿って接触させ、3に流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイル41と、41を支持し3に沿って接触させる絶縁ダクトカバー42と、41を42に結束するための配線用合成樹脂結束帯43と、41に導かれる端子間電圧を導出する電圧導出用負荷44と、3が短絡状態となったとき44の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、短絡状態を確認可能な発光ダイオード45を開放し、この状態を保持することで3の異常状態を確認可能にするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通の負荷に複数の電源を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷に電力を供給する負荷供給システム又は共通の電源に複数の負荷を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷が前記電源からの電力を受電する電源受電システムに適用され、前記配線ケーブルの短絡等の異常を検出して異常箇所を特定することが可能な電流検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図15に示すような共通の負荷1に複数(ここでは15個)の電源2を配線ケーブル3により並列接続して負荷1に電力を供給する負荷供給システムがある。この場合、各電源2は、変圧器21と、変圧器21の二次電圧を入力して所定の直流電力に変換を行う電力変換器22からなり、各電源2と負荷1の間は、それぞれ配線ケーブル3により電気的に接続されている。
【0003】
このような構成の負荷供給システムにおける配線ケーブル3に印加される電圧は、例えば10kVの高圧な場合には、電源や配線内で絶縁不良、結露、塵芥、及び、異物の付与により短絡や地絡が生じることがある。
【0004】
このため、例えば図16に示すように検出ヘッド50と、制御電源51と、絶対値回路52と、検出レベル基準値発生回路53と、比較器54と、故障検知保持回路55と、故障表示回路56を備えた電流検出器5を用いて短絡検出や地絡検出を行っていた。
【0005】
特許文献1には、電流検出装置の出力から短絡状態を検出することができる起電力検出回路を得ることを目的とし、次のように構成したものが記載されている。具体的には、通電により電線の周囲に発生する磁界でコイルに起電力を発生させるようにした電流検出装置を用いて構成した起電力検出回路であり、電線の周囲に発生する磁界によって生じる起電力によるコイルの端子間電圧を整流して、その出力電圧を所定のレベルに設定するスライス回路による出力段と、出力段の出力からパルスを発生するパルス発生手段と、パルス発生手段からのパルスを遅延させる遅延手段と、遅延手段からのパルスとパルス発生手段からのパルスとによって、電線が短絡状態にあることを検出する検出手段とからなる起電力検出回路である。
【特許文献1】特開2000−187054
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の電流検出器5にあっては、次のような問題点がある。環状の検出ヘッド50を配線ケーブル3に予め挿入する必要がある。また、電流検出器5に検出レベル基準値発生回路53や故障検知保持回路55が必要となる。さらに、電流検出器5に制御電源51を供給する必要があり、配線の電圧が例えば10KVの高圧な場合には制御用電源の供給方法も難しく、トランス絶縁等が必要となる。なお、前述の検出ヘッド50として測定対象を検出ヘッド内に容易に挿入ができるように開閉可能な構造のものもあるが、構成が複雑で、取付け場所による制約を受け、しかも当然のことながら高価なものを準備せざるを得ない。
【0007】
特許文献1にあっては、ハウジング内に変流器本体が収納されたものであり、また前述したように整流するための整流回路と、整流回路の出力を波形整形するスライス回路と、変流器本体を収納するハウジングを必要とすることから、前述の従来の技術と同様に構成が複雑で取付け場所による制約を受け、しかも当然のことながら高価なものを準備せざるを得ない。
【0008】
本発明は、前述の課題を解決するためなされたもので、その目的は簡素な構成で、使用場所の制約を受けずに、安価に電流検出ができる電流検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、共通の負荷に複数の電源を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷に電力を供給する負荷供給システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、前記検出コイルを支持し前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させる絶縁体と、前記検出コイルを前記絶縁体に結束するための配線用結束帯と、前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、
前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となったとき前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、前記短絡状態等の異常状態を確認可能な素子の閉回路を開放し、この開放状態を保持することで前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路とを備えた電流検出器である。
【0010】
前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、共通の負荷に複数の電源を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷に電力を供給する負荷供給システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、前記検出コイルを前記配線ケーブルに近接又は接触させた状態で両者を結束するための配線用結束帯と、前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となったとき前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、前記短絡状態等の異常状態を確認可能な素子の閉回路を開放し、この開放状態を保持することで前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路とを備えた電流検出器である。
【0011】
前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、共通の電源に複数の負荷を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷が前記電源からの電力を受電する電源受電システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、前記検出コイルを支持し前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させる絶縁体と、前記検出コイルを前記絶縁体に結束するための配線用結束帯と、前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧が予め逆向きに印加される状態で取付手段により、前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となると前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定のレベルを超えて開放状態を保持し、これにより前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路とを備えた電流検出器である。
【0012】
前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、共通の電源に複数の負荷を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷が前記電源からの電力を受電する電源受電システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、前記検出コイルを前記配線ケーブルに近接又は接触させた状態で両者を結束するための配線用結束帯と、前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧が予め逆向きに印加される状態で取付手段により、前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となると前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定のレベルを超えて開放状態を保持し、これにより前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路とを備えた電流検出器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡素な構成で、使用場所の制約を受けずに、安価に電流検出ができる電流検出器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の電流検出器4が適用された負荷供給システムを示す概略図である。これは、共通の負荷1に複数(ここでは15個)の電源2を配線ケーブル3により並列接続して負荷1に電力を供給する負荷供給システムである。
【0015】
電流検出器4は、図2〜図4に示すように配線ケーブル3に沿って近接又は接触させ、配線ケーブル3に流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイル41と、検出コイル41を支持し配線ケーブル3に沿って近接又は接触させる絶縁体例えば配線ダクトカバー42と、検出コイル41を配線ダクトカバー42に結束するための配線用結束帯例えば配線用合成樹脂結束帯43と、検出コイル41に導かれる端子間電圧を導出する例えば100Ωの端子間電圧導出用負荷44と、配線ケーブル3の出力が短絡状態等の異常状態となったとき端子間電圧導出用負荷44の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、短絡状態等の異常状態を確認可能な素子の閉回路を開放し、この開放状態を保持することで配線ケーブル3の異常状態を確認可能にする保持回路例えば発光ダイオード45とを備えたものである。
【0016】
このような構成において、配線ケーブル3に正常電流Iが流れているときは検出コイル41には、V=M(相互インダクタンス)×di/dtなる起電圧が発生し、この発生した起電圧により端子間電圧導出用負荷44に電流iが流れ、この結果端子間電圧導出用負荷44に電圧が発生し、この発生した電圧で発光ダイオード45が点灯する。
【0017】
また、配線ケーブル3に短絡が発生すると、配線ケーブル3に短絡電流(正常電流Iの例えば100倍の電流)が流れ、この短絡電流に応じた起電圧が検出コイル41に発生し、この起電圧により端子間電圧導出用負荷44に過大電流が流れ、これにより発生する過大電圧により発光ダイオード45が破壊し、発光ダイオード45は消灯する。このように発光ダイオード45は消灯することから、配線ケーブル3が短絡したことが分かる。
【0018】
以上述べた実施形態によれば、図16の制御電源51を設ける必要がないので、高電圧回路に有効で、機器を追加することもなく安価となる。また、電流検出器を構成する検出コイル41、絶縁体例えば配線ダクトカバー42、配線用合成樹脂結束帯43、端子間電圧導出用負荷44、保持回路例えば発光ダイオード45は、いずれも入手し易い用品であることから、材料費及び組立費が安価となる。さらに、検出コイル41は、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成したものであって、この検出コイル41を、配線ケーブルに沿わせるだけなので、従来の電流検出器のように取付場所による制約を受け難い。
【0019】
さらに、検出コイル41を絶縁体例えば絶縁ダクトカバーに配線用合成樹脂結束帯43により結束したので、複数の配線ケーブル3と複数の検出コイル41との接触距離又は近接距離をほぼ一定にできることから、各検出コイル41のばらつきが少なく検出精度が向上する。
【0020】
以上説明した例は、1個の配線ケーブル3に対して1個の電流検出器4を設けた場合であるが、図5及び図6のように複数個例えば15個の配線ケーブル3毎に、それぞれ電流検出器4を設ける場合の配線ケーブル3の短絡状態を確認するには次のように行う。互いに接離可能な固定側端子台6A及び可動側端子台6Bからなる磁束検出用LED端子台6を準備し、固定側端子台6Aに各電流検出器4に有する端子間電圧導出用負荷44をそれぞれ接続し、可動側端子台6Bに各電流検出器4に有する発光ダイオード45をそれぞれ接続し、この状態で電流検出器4が短絡状態を検出すなわち少なくとも1個の発光ダイオード45が消灯したら、可動側端子台6Bを固定側端子台6Aから取り外す。この取り外した可動側端子台6Bを、図6に示すように複数個(磁束検出用LED端子台6の端子と同じ個数)の検出用電源7がそれぞれ接続される端子を有する固定側端子台からなる確認用端子台8に接続し、消灯した発光ダイオード45が消灯状態つまりこれに対応する配線ケーブル3の短絡状態を確認する。
【0021】
図7は電源受電システムに本発明の電流検出器4を適用した第2の実施形態を示す概略構成図である。電源受電システムは、変圧器91と電力変換器92からなる共通の電源9に、複数の負荷001、002…014を配線ケーブル3により並列接続して各負荷001〜014が電源9からの電力を受電するものである。
【0022】
図8は、図7に使用している電流検出器4の概略構成図であり、これは図2同一構成で、検出コイル41と、端子間電圧導出用負荷44と、保持回路例えば発光ダイオード45を備え、通常時、つまり配線ケーブル3に定常電流が流れているときは検出コイル41で検出される起電力によって端子間電圧導出用負荷44に発生する逆電圧は発光ダイオード45が壊れない印加レベルの電圧のため発光ダイオード45は点灯状態にある。
【0023】
図9は、短絡時つまり配線ケーブル3に短絡電流が流れたときは検出コイル41で検出される起電力が大となり、これによって端子間電圧導出用負荷44に発生する逆電圧は大となり発光ダイオード45が壊れる印加レベルの電圧のため発光ダイオード45はこわれて消灯状態にある。
【0024】
以上述べた図7〜図9の第2の実施形態例も、前述した第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
図10は、本発明の電流検出器4の第3の実施形態を示す概略構成図で、前述した実施形態とは異なる点は、発光ダイオード45からの光の有無を光ケーブル46により、図示しない遠方の報知すべき地点に報知したり、或いはインターロック保護装置に通信可能にしたものである。
【0026】
このように構成することにより、配線ケーブル3に定常電流が流れている通常時は、発光ダイオード45が点灯し、この光が光ケーブル46を介して報知すべき地点又はインターロック保護装置に送られる。
【0027】
また配線ケーブル3に短絡電流が流れている短絡時は、図11に示すように発光ダイオード45が破壊して消灯し、この消灯状態が光ケーブル46を介して報知すべき地点又はインターロック保護装置に送られる。この結果、光ケーブル46の出力側に伝送される光の有無によって配線ケーブル3の正常状態又は短絡状態が分かり、短絡状態のときはインターロック保護装置により保護動作が行われる。
【0028】
図12は、本発明の実施形態の第1の変形例を説明するための概略構成図で、検出コイル41のループの巻回数を2以上、ここでは4個とし、そのループ411、412、413、414の各々を配線ケーブル3の軸方向に順次配列したものである。
【0029】
このように構成することによって、束線長さを増やすことができ、これによって磁束数を増やすことができ、この結果相互インダクタンスが増加するので、検出感度が高くなり、検出コイルを多数巻けない個所等の検出個所が狭い個所に有効である。
【0030】
図13は、本発明の実施形態の第2の変形例を説明するための概略構成図であって、検出コイル41のループの巻回数を2以上とし、そのループの各々を配線ケーブル3の所定位置に配列したものである。
【0031】
このように構成することによって、ループの巻き回数を増やすことができ、これによって磁束数を増やすことができ、この結果相互インダクタンスが増加するので、検出感度が高くなり、配線ケーブル3に長く束線できない個所、つまり配線ケーブル3の束線個所が狭い個所に有効である。
【0032】
図14は、本発明の実施形態の第3の変形例を説明するための概略構成図であって、図1の配線ケーブル3に、地絡経路が異なる同軸ケーブル3Aを用いたものである。通常の
同軸ケーブル3Aは、導体が同軸であるため、漏れ磁場が発生しないが、ここで使用する同軸ケーブルは他に抜ける地絡経路があるので、地絡時にシールド側に電流が流れないため、漏れ磁場が発生して地絡検出が可能になる。
【0033】
図14の同軸ケーブル3Aの代わりに、地絡経路が異なるツイスト線を用いてもよい。この場合も同軸ケーブル3Aと同様に、通常はツイストしてあるため漏れ磁場を発生しないが、他に抜ける地絡経路があると地絡時に「一方の配線に電流が流れない」ため漏れ磁場が発生して地絡検出が可能となる。
【0034】
前述の実施形態では、検出コイル41を絶縁体例えば絶縁ダクトカバー42に配線用合成樹脂結束帯43で結束支持させた例について説明したが、検出コイル41を絶縁ダクトカバー42に配線用合成樹脂結束帯43で結束支持せずに、検出コイル41を配線用合成樹脂結束帯43により配線ケーブル3に直接結束支持させるようにしてもよい。この場合は、絶縁ダクトカバー42に検出コイル41を支持させないため、複数の電流検出器間でばらつきが生じ、前述の実施形態に比べて検出精度が低下するおそれがある。これは、各検出コイル41を配線ケーブル3に配線用合成樹脂結束帯43で結束支持する際に、各検出コイル41の取付けの精度のばらつきを少なくすることは困難であるからである。
【0035】
また前述の実施形態では、保持回路として発光ダイオード45を含むものとして説明したが、発光ダイオード45に代えてフォトカプラ、ヒューズのいずれかであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の電流検出器を適用した負荷供給システムの概略構成図。
【図2】本発明の電流検出器の第1の実施形態を説明するための概略構成図。
【図3】図2の電流検出器の検出コイルを絶縁体に取付けた状態を示す図。
【図4】図3の電流検出器を配線ケーブルに取付けた状態を示す図。
【図5】図2の電流検出器を複数個並設した場合に各々に有するLEDを共通の磁束検出用LED端子台に接続した状態を説明するための図。
【図6】図5の磁束検出用LED端子台の可動部を取り外し、これを確認用端子台に装着した状態を説明するための図。
【図7】本発明の電流検出器を適用した電源受電システムの概略構成図。
【図8】本発明の電流検出器の第2の実施形態を説明するための概略構成図。
【図9】図8の実施形態の短絡時の動作を説明するための概略構成図。
【図10】本発明の電流検出器の第3の実施形態を説明するための概略構成図。
【図11】図10の実施形態の短絡時の動作を説明するための概略構成図。
【図12】本発明の実施形態の第1の変形例を説明するための概略構成図。
【図13】本発明の実施形態の第2の変形例を説明するための概略構成図。
【図14】本発明の実施形態の第3の変形例を説明するための概略構成図。
【図15】従来の電流検出器を適用した負荷供給システムの概略構成図。
【図16】図15の従来の電流検出器を説明するための概略構成図。
【符号の説明】
【0037】
1…負荷、2…電源、3…配線ケーブル、3A…同軸ケーブル、4…電流検出器、5…電流検出器、6A…固定側端子台、6B…可動側端子台、6…LED端子台、7…検出用電源、8…確認用端子台、9…電源、21…変圧器、22…電力変換器、41…検出コイル、42…絶縁ダクトカバー(配線ダクトカバー)、43…配線用合成樹脂結束帯、44…端子間電圧導出用負荷、45…発光ダイオード、46…光ケーブル、50…検出ヘッド
、51…制御電源、52…絶対値回路、53…検出レベル基準値発生回路、54…比較器
、55…故障検知保持回路、56…故障表示回路、91…変圧器、92…電力変換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の負荷に複数の電源を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷に電力を供給する負荷供給システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、
前記検出コイルを支持し前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させる絶縁体と、
前記検出コイルを前記絶縁体に結束するための配線用結束帯と、
前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、
前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となったとき前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、前記短絡状態等の異常状態を確認可能な素子の閉回路を開放し、この開放状態を保持することで前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路と、
を備えたことを特徴とする電流検出器。
【請求項2】
共通の負荷に複数の電源を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷に電力を供給する負荷供給システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、
前記検出コイルを前記配線ケーブルに近接又は接触させた状態で両者を結束するための配線用結束帯と、
前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、
前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となったとき前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定レベルを超え、かつ電流方向が逆向きになり、前記短絡状態等の異常状態を確認可能な素子の閉回路を開放し、この開放状態を保持することで前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路と、
を備えたことを特徴とする電流検出器。
【請求項3】
共通の電源に複数の負荷を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷が前記電源からの電力を受電する電源受電システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、
前記検出コイルを支持し前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させる絶縁体と、
前記検出コイルを前記絶縁体に結束するための配線用結束帯と、
前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、
前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧が予め逆向きに印加される状態で取付手段により、前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となると前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定のレベルを超えて開放状態を保持し、これにより前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路と、
を備えたことを特徴とする電流検出器。
【請求項4】
共通の電源に複数の負荷を配線ケーブルにより並列接続して前記負荷が前記電源からの電力を受電する電源受電システムに適用され、前記配線ケーブルに沿って近接又は接触させ、前記配線ケーブルに流れる電流の電流変化率によって誘起される起電圧を検出するものであって、絶縁電線を少なくとも1回巻のループを形成した検出コイルと、
前記検出コイルを前記配線ケーブルに近接又は接触させた状態で両者を結束するための配線用結束帯と、
前記検出コイルに導かれる端子間電圧を導出する端子間電圧導出用負荷と、
前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧が予め逆向きに印加される状態で取付手段により、前記配線ケーブル出力が短絡状態等の異常状態となると前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定のレベルを超えて開放状態を保持し、これにより前記配線ケーブルの異常状態を確認可能にする保持回路と、
を備えたことを特徴とする電流検出器。
【請求項5】
前記検出コイルのループの巻回数を2以上とし、そのループの各々を前記配線ケーブルの軸方向に順次配列したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。
【請求項6】
前記検出コイルのループの巻回数を2以上とし、そのループの各々を前記配線ケーブルの所定位置に配列したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。
【請求項7】
前記保持回路は、前記配線ケーブルに通常電流が流れている時は順電圧が印加されて発光、短絡状態又は地絡状態で逆方向電流が流れると逆電圧が印加されて故障し、消灯継続となる手段をもつことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。
【請求項8】
前記保持回路は、前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧が予め逆向きに印加される状態で取付手段により、前記配線ケーブルの通電状態が短絡状態又は地絡状態となると前記端子間電圧導出用負荷の出力電圧の大きさが所定のレベルを超えて開放故障して短絡検知をすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。
【請求項9】
前記配線ケーブルは、同軸ケーブル又は地絡経路が異なるツイスト線であり、前記同軸ケーブルは他に抜ける地絡経路があり、かつ地絡時にシールド側に電流が流れないように構成したものであり、前記ツイスト線は一方の配線に他に抜ける地絡経路があり、かつ地絡時に他方の配線に電流が流れないように構成したものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。
【請求項10】
前記絶縁体は絶縁ダクトカバーであり、前記端子間電圧導出用負荷は抵抗であり、前記保持回路は発光ダイオード又はフォトカプラ或いはヒューズで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の電流検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−197172(P2010−197172A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41402(P2009−41402)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】