説明

電流検出回路

【課題】離散的範囲で高精度の電流検出が必要な場合に、アナログディジタル変換器のビット数を抑制することである。
【解決手段】電流検出回路10は、大電流範囲の電流検出用に小抵抗値を有する第1抵抗素子12と、小電流範囲の電流検出のための小電流検出部20と、大電流範囲と小電流範囲とで電流パスを切り替える切替部14と、バッファアンプ部30,32と、アナログディジタル変換回路部40、42と、切替部14に切替信号を出力する切替制御回路34とを含んで構成される。小電流検出部20は、小電流範囲の電流検出用に大抵抗値を有する第2抵抗素子28と、バイパストランジスタ26と、第2抵抗素子28の両端子間電圧を閾値電圧である基準電圧22となるように制御する作動増幅器24を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流検出回路に係り、特に大電流領域から小電流領域にかけて、電流パスを流れる電流を検出する電流検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電流値を精度よく測定するには、アナログディジタル変換技術が用いられる。例えば、特許文献1には、分解能を可変とするアナログディジタル変換器が開示されている。ここでは、アナログ入力信号とリファレンス信号の電位を比較する比較器を数個並列に接続した並列型のADCを構成し、制御器は、動作させる比較器の個数を制限する制御信号によって、分解能を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−262448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電流測定が必要なシステムの中には、大電流範囲の電流値と小電流範囲の電流値とを正確に測定したいが、途中の中電流範囲の電流値の測定は不要であるものがある。例えば、太陽電池システムのような光電変換システムでは、日照が十分あって大電流が出力されるときに、発電を絞る必要があるか否かの判断のために、その発電状態を正確に知りたい。一方で、日照がほとんどなく小電流しか出力されないときに、効率を考えて発電を停止するか否かの判断のために、その発電状態と正確に知りたい。このように、大電流範囲の電流値と、小電流範囲の電流値は、光電変換システムの運転制御上、正確に知りたいが、その間の中電流範囲は通常の発電制御で足りるので、特に電流値情報を正確に知る必要がない。
【0005】
他の例としては、2次電池充放電制御システムがある。充電制御の初期は、定電流モードで、大電流を用いて充電し、ある程度充電がなされると、定電圧モードで充電する。したがって、充電初期では大電流範囲の電流値が必要で、充電末期では、充電停止を判断するために小電流範囲の電流値が必要である。途中の定電圧充電モードでは電流値の正確な値は必要とされない。
【0006】
このように、大電流範囲の電流値と、小電流範囲の電流値とに高精度が必要なときに、中電流範囲も含めて大電流範囲から小電流範囲の全体を高精度のアナログディジタル技術を用いるものとすると、非常に大きなビット数のアナログディジタル変換器が必要となる。例えば200mAから60mAまでの大電流範囲と、1mAから0.1mAまでの小電流範囲について高精度を要するとする場合、それぞれの範囲は、3ビットと4ビットで十分にもかかわらず、200mAから0.1mAの範囲をカバーしようとすると、2000倍に相当する11ビットを要する。
【0007】
本発明の目的は、離散的範囲で高精度の電流検出が必要な場合に、アナログディジタル変換器のビット数を抑制できる電流検出回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電流検出回路は、電流パスに直列に接続配置される電流検出回路であって、大電流検出用に予め定めた小抵抗値を有する第1抵抗素子と、第1抵抗素子の両端子間電圧に基づいて、予め定めた大電流の検出下限値以上の範囲で、電流パスを流れる電流値を出力する大電流値出力部と、第1抵抗素子に直列に接続配置される小電流検出部と、第1抵抗素子と小電流検出部の接続点に設けられ、大電流値出力部が大電流の検出下限値未満の電流を検出したときに、電流パスに第1抵抗素子のみが直列接続される大電流検出状態から、電流パスに第1抵抗素子と小電流検出部とが直列接続される小電流検出状態に切り替える切替部と、を備え、小電流検出部は、小電流検出用に予め定めた大抵抗値を有する第2抵抗素子と、第2抵抗素子の両端子間電圧に基づいて、電流パスを流れる電流値を出力する小電流値出力部と、第2抵抗素子に並列に接続される回路部であって、第2抵抗素子の抵抗値に小電流の検出上限値を乗じた値を閾値電圧として、第2抵抗素子の両端子間電圧が閾値電圧となるように帰還をかけることで、小電流検出部に小電流の検出上限値を超える余分電流が流れるときは、余分電流をバイパスして流すバイパス回路部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、大電流の検出下限値以上の範囲は、小抵抗値の第1抵抗素子の両端子間電圧を測定し、大電流検出下限値未満の小電流は大抵抗値の第2抵抗素子の両端子電圧を測定し、大電流の検出下限値未満で小電流の検出上限値を超える余分電流はバイパス回路部をバイパスさせて測定しない。これによって、離散的な電流範囲で高精度の電流検出を行い、その間の電流範囲は余分電流として測定を行わないようにできるので、アナログディジタル変換器のビット数を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施の形態の電流検出回路の構成を説明する図である。
【図2】図1において、小電流検出の部分の詳細説明図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の電流検出回路において、測定する電流値の離散的状態を説明する図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の電流検出回路において、測定する電流値についてのアナログディジタル変換器のビット数の様子を説明する図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の電流検出回路において、電流範囲と測定におけるロス電圧の様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。以下では、大電流範囲として、200mAから60mA、小電流範囲として1mAから0.1mAを述べるが、これは説明のための例示であって、大電流範囲と小電流範囲とが連続的でなく離散的であればよく、これ以外の電流範囲であってもよい。また、以下で述べる電圧値、電流値、閾値電圧、抵抗値等は、説明のための例示であって、電流検出回路の仕様に応じ、適宜変更が可能である。
【0012】
なお、以下でトランジスタは、pチャンネル型のMOSトランジスタとして説明するが、MOSトランジスタに代えて、MISトランジスタ等他の空間電界トランジスタを用いるものとしてもよい。また、回路構成を適切に変更することで、pチャンネル型のMOSトランジスタをnチャンネル型のMOSトランジスタとすることができ、あるいは、pnpトランジスタまたはnpnトランジスタのバイポーラトランジスタを用いるものとすることもできる。
【0013】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、電流検出回路10の構成を説明する図である。この電流検出回路10は、太陽電池システムの動作制御装置に用いられる。例えば、日照が強すぎるときは発電電力の出力を絞り、日照が少なく発電電力が少ないときは、システムの消費電力を抑制するために発電停止処理を行う。日照が強すぎることの判断のために、大電流レベルの検出を行い、日照が少なすぎることの判断のために、小電流レベルの検出を行う。ここでは、大電流レベルの検出を200mAから60mAの範囲で行い、小電流レベルの検出を1mAから0.1mAの範囲で行うものとして、以下の説明を続ける。
【0015】
電流検出回路10は、電流パスの高電圧側端子VUと低電圧側端子VLと、大電流範囲の電流検出値を示す3ビットディジタル出力端子DL3,DL2,DL1、小電流範囲の電流検出値を示す4ビットディジタル出力端子DS4,DS3,DS2、DS1と、回路動作のための電源端子VDD,VSSとを有する集積回路である。
【0016】
電流検出回路10は、大電流範囲の電流検出用に小抵抗値を有する第1抵抗素子12と、小電流範囲の電流検出のための小電流検出部20と、大電流範囲と小電流範囲とで小電流検出部20を用いるか否かを切り替える切替部14と、大電流範囲用のバッファアンプ部30と、大電流範囲用のアナログディジタル変換回路部40と、小電流範囲用のバッファアンプ部32と、小電流範囲用のアナログディジタル変換回路部42と、切替部14に切替信号を出力する切替制御回路34とを含んで構成される。
【0017】
第1抵抗素子12は、電流検出を行う対象の電流パスのVUとVLの間に直列に接続配置される抵抗素子である。ここでは、電流パスの電流が200mAから60mAの大電流範囲を測定するために、小抵抗値Raの抵抗素子が用いられる。具体的には、バッファアンプ部30とアナログディジタル変換回路部40を含む全体の電流検出分解能を3mVとして、60mAを検出できるように、Ra=50mΩの抵抗素子が用いられる。
【0018】
バッファアンプ部30とアナログディジタル変換回路部40は、第1抵抗素子12の両端子間電圧に基づいて、大電流の検出下限値である60mA以上の範囲で、電流パスを流れる電流値を出力する大電流値出力部である。
【0019】
バッファアンプ部30は、第1抵抗素子12に電流が流れるときの両端子間の電圧を適当に増幅する機能を有する増幅回路である。ここでは、3mVを約0.1V程度に増幅する。
【0020】
アナログディジタル変換回路部40は、バッファアンプ部30で増幅されたアナログ電圧値をディジタル値に変換するアナログディジタル変換回路で、ADCと呼ばれる回路である。ここでは、第1抵抗素子12を流れる電流値が200mAから60mAとして、これを3ビットのディジタル値に変換し、その変換結果を3ビットディジタル出力端子DL3,DL2,DL1に出力する機能を有する。アナログディジタル変換回路部40は、可変基準電圧が一方相端子に入力され、他方相端子にバッファアンプ部30の出力が入力される差動増幅器を用いることができる。
【0021】
切替制御回路34は、第1抵抗素子12を流れる電流を監視し、大電流の検出下限値未満の電流となったときに、切替信号を切替部14に出力する機能を有する。上記の例では、大電流の検出下限値は60mAであるので、60mA未満の電流となったときに、切替信号が出力される。切替制御回路34は、大電流の検出下限値に対応する基準電圧が一方相端子に入力され、他方相端子に第1抵抗素子12の両端子間電圧に対応する電圧が入力される差動増幅器を用いることができる。
【0022】
切替部14は、第1抵抗素子12と小電流検出部20の接続点に設けられるスイッチ回路である。切替部14は、切替制御回路34からの切替信号に応じて、第1抵抗素子12が大電流の検出下限値である60mA未満の電流を検出したときに、電流パスに第1抵抗素子12のみが直列接続される大電流検出状態から、電流パスに第1抵抗素子12と小電流検出部20とが直列接続される小電流検出状態に切り替える機能を有する。
【0023】
小電流検出部20は、電流パスを流れる電流が60mA未満のときに用いられる回路であるが、電流パスを流れる電流が1mAから0.1mAの間についてその電流値を検出し、60mAから1mAの間の電流についてはその電流を検出しない機能を有する。具体的には、1mAから0.1mAの間の電流を検出するために用いられる第2抵抗素子28と、60mAから1mAの間の電流を余分電流として第2抵抗素子28に流さずにバイパスさせるバイパス回路部とを含んで構成される。
【0024】
第2抵抗素子28は、電流検出を行う対象の電流パスのVUとVLの間に直列に接続配置される抵抗素子である。ここでは、電流パスの電流が1mAから0.1mAの小電流範囲を測定するために、大抵抗値Rbの抵抗素子が用いられる。具体的には、バッファアンプ部32とアナログディジタル変換回路部42を含む全体の電流検出分解能を3mVとして、0.1mAを検出できるように、Rb=30Ωの抵抗素子が用いられる。
【0025】
バッファアンプ部32とアナログディジタル変換回路部42は、第2抵抗素子28の両端子間電圧に基づいて、小電流の検出範囲である1mAから0.1mAの範囲で、電流パスを流れる電流値を出力する小電流値出力部である。バッファアンプ部32は、第2抵抗素子28に電流が流れるときの両端子間の電圧を適当に増幅する機能を有する増幅回路である。ここでは、第2抵抗素子3mVを約0.1V程度に増幅する。
【0026】
アナログディジタル変換回路部42は、バッファアンプ部32で増幅されたアナログ電圧値をディジタル値に変換するアナログディジタル変換回路で、ADCと呼ばれる回路である。ここでは、第2抵抗素子28を流れる電流値が1mAから0.1mAとして、これを4ビットのディジタル値に変換し、その変換結果を3ビットディジタル出力端子DS4,DS3,DS2,DS1に出力する機能を有する。アナログディジタル変換回路部42は、可変基準電圧が一方相端子に入力され、他方相端子にバッファアンプ部32の出力が入力される差動増幅器を用いることができる。
【0027】
図2は、小電流検出部20の詳細図である。ここでは、第2抵抗素子28とバイパス回路部の構成が示されている。バイパス回路部は、第2抵抗素子28に並列に接続配置される回路で、電流パスを流れる電流Iaが60mAから1mAのときは、第2抵抗素子28にその電流を流さないようにする回路で、具体的には、バイパストランジスタ26と、作動増幅器24を含んで構成される。
【0028】
バイパストランジスタ26は、第2抵抗素子28の正側端子に正側出力端子が接続され、第2抵抗素子28の負側端子に負側出力端子が接続され、制御端子が作動増幅器24の出力端子に接続されるトランジスタである。図2ではバイパストランジスタ26としてPチャネルMOSトランジスタが示され、そのドレイン端子とソース端子がそれぞれ第2抵抗素子28の正側端子と負側端子に接続され、ゲート端子が作動増幅器24の出力端子に接続される様子が図示されている。
【0029】
作動増幅器24は、第2抵抗素子の両端子間電圧が予め定められた閾値電圧となるように、バイパストランジスタ26の両端子間電圧を帰還しながらバイパストランジスタ26のゲート端子に制御電圧を供給する機能を有する。具体的には、一方相入力端子に、第2抵抗素子28の正側端子の電圧から閾値電圧Vaを減算した電圧が入力され、他方相入力端子に、第2抵抗素子の前記負側端子の電圧が入力され、出力端子がバイパストランジスタ26の制御端子に接続される。ここで、閾値電圧Vaは、基準電圧22によって与えられる。
【0030】
基準電圧22は、第2抵抗素子28が検出する小電流範囲の検出上限値に基づいて設定される。ここでは、小電流範囲の検出下限値が0.1mAで、その10倍の1mAが検出上限値とされるので、閾値電圧Vaである基準電圧22は、1mAに対応する第2抵抗素子28の両端子間電圧である1mA×30Ω=30mVに設定される。
【0031】
このように設定することで、作動増幅器24の機能によって、第2抵抗素子28の両端子間電圧は常に30mVとされ、第2抵抗素子28を流れる電流Ibは、1mAから0.1mAに制限される。小電流検出部20が用いられるときに電流パスを流れる電流Iaは60mA未満であるので、1mAを超える電流は、余分電流Ipとして、バイパストランジスタ26に流れる。つまり、Ia=Ip+Ibの関係を維持しながら、Ib×30mΩが30mV以下となる範囲のIbが第2抵抗素子28に流れ、Ip=Ia−Ibの余分電流がバイパストランジスタ26を流れる。
【0032】
なお、切替制御回路34が出力する切替信号として、60mAを大電流範囲から小電流範囲に切り替えるものとするのは、小電流検出部20に流れる電流に基づく。すなわち、切替部14の抵抗成分を約0.5Ωとし、バイパストランジスタ26のオン抵抗を約0.5Ωとすると、合計で約1Ωであり、閾値電圧30mVに相当する電流が60mAとなる。これが小電流検出部20に流せる最大電流である。このことから、Iaが60mA未満となったときに、切替信号を出して、電流パスを流れる電流について小電流検出部20を通るようにする。Iaが60mA以上の電流は小電流検出部20に流せないので、第1抵抗素子12から直接VL端子に流すようにする。
【0033】
その様子を図3に示す。図3の横軸は、電流パスを流れる電流Iaで、縦軸は第2抵抗素子28を流れる電流Ibである。Iaが0.1mAから1mAの範囲は拡大図として示される。このように、第2抵抗素子28には1mA以下の電流が流れ、Iaが1mAを超えると、その超過分が余分電流Ipとなってバイパストランジスタ26を流れる。したがって、Iaが1mAを超える範囲では、Ibは1mAのままである。
【0034】
図4は、そのことをアナログディジタル変換回路40,42の出力と関連付けて示す図である。横軸は、電流パスを流れる電流Iaである。ここに示されるように、Iaが1mA以下のときは、その電流値が第2抵抗素子28によって検出され、その検出値は4ビットアナログディジタル変換回路42によってディジタル値として出力される。そして、Iaが60mA以上のときは、その電流値が第1抵抗素子12によって検出され、その検出値は3ビットアナログディジタル変換回路40によってディジタル値として出力される。
1mAから60mAの間の電流値は検出も出力もされない。
【0035】
図5は、図1の構成において、電流検出を行うことで生じる損失をロス電圧とし、電流パスを流れる電流Iaとロス電圧の関係を示す図である。特性線50,52は、第2抵抗素子28における損失と、作動増幅器等の損失を含めたロス電圧を示すものである。ここでは、Iaが1mAのときに閾値電圧30mVに対応するロス電圧となっている。このロス電圧は、第2抵抗素子28における損失に相当するが、Iaが1mAを超しても第2抵抗素子28によるロス電圧は増加しない。Iaが1mAを超すときのロス電圧は、主として作動増幅器の損失である。仮に第1抵抗素子12が30mΩであるとすると、ロス電圧は、特性線52で示されたものとなり、Iaが200mAのときは、30mΩによる損失だけで6Vとなって、ロス電圧が非常に大きくなることが分かる。
【0036】
特性線54は、第1抵抗素子12によるロス電圧を示すもので、第1抵抗素子12は50mΩであるので、Iaが200mAのときでも、ロス電圧は10mVにすぎない。そして、Iaが1mAから60mAの間のロス電圧は特性線56に示されるように、30mVのままである。Iaが60mA以上のときの特性線58は、このIa=60mA、ロス電圧=30mVの点を通り、特性線52を平行移動したものにほぼ同じとなる。したがって、Iaが200mAのときに、ロス電圧は約100mVに抑制される。このように、ロス電圧を小さく抑制しながら、小電流範囲と大電流範囲の電流を高精度で検出できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る電流検出回路は、太陽電池発電制御システムのように、大電流範囲と小電流範囲と離散的な範囲について電流検出が必要なシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0038】
10 電流検出回路、12 第1抵抗素子、14 切替部、20 小電流検出部、22 基準電圧、24 作動増幅器、26 バイパストランジスタ、28 第2抵抗素子、30,32 バッファアンプ部、34 切替制御回路、40,42 アナログディジタル変換回路、50,52,54,56,58 特性線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流パスに直列に接続配置される電流検出回路であって、
大電流検出用に予め定めた小抵抗値を有する第1抵抗素子と、
前記第1抵抗素子の両端子間電圧に基づいて、予め定めた大電流の検出下限値以上の範囲で、前記電流パスを流れる電流値を出力する大電流値出力部と、
前記第1抵抗素子に直列に接続配置される小電流検出部と、
前記第1抵抗素子と前記小電流検出部の接続点に設けられ、前記大電流値出力部が前記大電流の検出下限値未満の電流を検出したときに、前記電流パスに前記第1抵抗素子のみが直列接続される大電流検出状態から、前記電流パスに前記第1抵抗素子と前記小電流検出部とが直列接続される小電流検出状態に切り替える切替部と、
を備え、
前記小電流検出部は、
小電流検出用に予め定めた大抵抗値を有する第2抵抗素子と、
前記第2抵抗素子の両端子間電圧に基づいて、前記電流パスを流れる電流値を出力する小電流値出力部と、
前記第2抵抗素子に並列に接続される回路部であって、前記第2抵抗素子の抵抗値に小電流の検出上限値を乗じた値を閾値電圧として、前記第2抵抗素子の両端子間電圧が前記閾値電圧となるように帰還をかけることで、前記小電流検出部に前記小電流の検出上限値を超える余分電流が流れるときは、前記余分電流をバイパスして流すバイパス回路部と、
を含むことを特徴とする電流検出回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出回路において、
前記バイパス回路部は、
前記第2抵抗素子の正側端子に正側出力端子が接続され、前記第2抵抗素子の負側端子に負側出力端子が接続されるバイパストランジスタと、
一方相入力端子に、前記第2抵抗素子の前記正側端子の電圧から前記閾値電圧を減算した電圧が入力され、他方相入力端子に、前記第2抵抗素子の前記負側端子の電圧が入力され、出力端子が前記バイパストランジスタの制御端子に接続される作動増幅器と、
を有することを特徴とする電流検出回路。
【請求項3】
請求項1に記載の電流検出回路において、
前記大電流値出力部は、予め定められる大電流検出範囲に対応するビット数のディジタルデータを出力するアナログディジタル変換回路であり、
前記小電流値出力部は、前記大電流検出範囲から離間して予め定められる小電流検出範囲に対応するビット数のディジタルデータを出力するアナログディジタル変換回路であることを特徴とする電流検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−156659(P2012−156659A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12445(P2011−12445)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】