説明

電源制御システム及び方法、電子装置、プログラム

【課題】冗長電源を備えたシステムにて、信頼性の向上を図りつつ、低コスト化及び低消費電力化を図ること。
【解決手段】それぞれに電源装置が装備された複数の構成装置を備えた電源制御システムであって、各構成装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、各構成装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、制御手段は、構成装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて冗長電源装置を構成装置に組み込む電源組込手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御システムにかかり、特に、複数の構成装置と冗長電源とを備えた電源制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの普及に伴い、コンピュータや周辺機器にて企業内などで多くのシステムが構築されている。そして、企業などではコンピュータの業務に対する重要性から、システムの予期しない故障等の障害発生時に対する対応が重要視されている。特に、電源の供給が停止してしまうと、コンピュータ等の構成装置の作動が停止してしまい、他の構成装置にも影響を及ぼすことがあり、業務上支障が生じるため、電源装置の故障等に対する対応は種々行われている。例えば、通常使用する電源装置の他に冗長電源を備えることが行われている。そして、近年では、1つのシステムの各構成装置毎に、冗長電源を装備することも行われている。
【0003】
しかし、冗長電源は故障発生時のみに使用するものであるため、予備として準備する電源部材及び原価が増加し、システム構成の大型化、及び、コストの増加、さらには、電源を実装することによる消費電力の増加、という問題が生じていた。
【0004】
また、下記特許文献1には、複数の装置にて構成される情報処理システムにおいて、冗長電源装置の他に、各装置が自装置で必要となる電源容量に加え下位に接続された他の装置の電源をまかなえる電源容量の電源をそれぞれ装備した構成を採っている。つまり、各装置は自装置で必要となる電源容量以上の電源を装備している。このとき、通常は、冗長電源は複数のAD/DC変換装置を装備して構成され、この冗長電源装置を1台追加して構成しているが、上記特許文献1では、冗長電源を含め各装置に過大な電源容量の電源を装備しなければならず、上述同様に、コストの増加、及び、消費電力の増加という問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−152496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、冗長電源を備えたシステムにて、信頼性の向上を図りつつ、低コスト化及び低消費電力化を図ること、をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の一形態である電源制御システムは、
それぞれに電源装置が装備された複数の構成装置を備えた電源制御システムであって、
各構成装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、
各構成装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、
制御手段は、構成装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて冗長電源装置を構成装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴としている。
【0008】
上記発明によると、まず、電源装置が装備された構成装置を複数備えたシステムにて、各構成装置の電源装置に異常が生じていないか否かが監視される。そして、異常が検知されると、その構成装置の電源装置に替えて冗長電源装置を組み込む。これにより、電源装置に異常が生じた構成装置は、冗長電源装置にて運転が継続される。そして、上記冗長電源装置は他の装置に異常が生じた場合にも適用可能であるため、複数台の構成装置で共用することができる。従って、複数の構成装置から成るシステムにて、低コストかつ低消費電力で電源の冗長機能を実現することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0009】
また、冗長電源装置は、複数のAC/DC変換装置を備え、
異常検知手段は、各構成装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項1記載の電源制御システム。
【0010】
これにより、複数のAC/DC変換装置を複数の構成装置にて共用することができ、複数発生した異常に対応することができる。従って、低コストにてシステム構成を実現しつつ、システムの信頼性のさらなる向上を図ることができる。
【0011】
また、制御手段は、冗長電源装置のAC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶して管理する変換装置台数管理手段を備えた、ことを特徴としている。これにより、異常発生時に使用可能なAC/DC変換装置の台数が記憶されるため、かかる情報に基づいて異常に対応可能か否かを判断することができる。従って、異常が発生に対して迅速な対応を取ることができる。
【0012】
また、変換装置台数管理手段は、電源組込処理部にて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込んだ後に、台数情報を1減らして更新記憶する、ことを特徴としている。これにより、迅速かつより正確に現在の状況に対応した未使用台数が管理されており、異常発生時により適切な対応を取ることができ、システムのさらなる信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
また、電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に、異常が生じた構成装置を縮退させる、ことを特徴としている。これにより、異常が生じたときに、台数情報を調べて組み込み可能なAC/DC変換装置が存在するか否かを確認し、存在しなければ異常が生じた構成装置を縮退させる。従って、異常発生時に構成装置の継続可動が不可能である場合に当該構成装置を迅速に停止させることができ、システムへの悪影響を抑制でき、その後のさらなる対応を迅速に取ることができる。
【0014】
また、制御手段は、各構成装置にそれぞれ装備され、当該装備された構成装置に対して作動し、
変換装置台数管理手段は、台数情報を更新記憶したときに他の構成装置に更新された台数情報を通知すると共に、他の構成装置から台数情報の通知を受けたときに記憶している台数情報を通知を受けた台数情報に更新記憶する、ことを特徴としている。
【0015】
これにより、各構成装置に装備された制御手段にて、上述したように電源装置の異常検知と、冗長電源装置のAC/DC変換装置の組み込みが実行される。そして、冗長電源装置のAC/DC変換装置を組み込んだ構成装置が、その台数情報を更新すると共に、他の構成装置に通知し、これを受けた他の構成装置は、既存の台数情報を通知された台数情報に更新する。従って、全ての構成装置にて冗長電源装置のAC/DC変換装置の未使用台数をより正確に管理することができ、その後の異常発生に適切に対応することができる。
【0016】
また、冗長電源装置を、システムを構成する1台の前記構成装置内に装備した、ことを特徴としている。これにより、1台の構成装置にのみ情報電源装置を装備すればよいため、システム構成の簡略化、低コスト化、省電力化を図ることができる。
【0017】
また、本発明の他の形態である電子装置は、
電源装置と、この電源装置及び1又は2以上の他の電子装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、この制御手段が他の装置の制御手段に接続された電子装置であって、
制御手段は、
自身の電子装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて冗長電源装置を自身である電子装置に組み込むと共に、他の電子装置に装備された電源装置の異常に応じてその電源装置に替えて冗長電源装置を他の電子装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴としている。
【0018】
そして、上記電子装置の冗長電源装置は、複数のAC/DC変換装置を備え、
異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込むと共に、他の電子装置に装備された電源装置のAC/DC変換装置の異常に応じて当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を他の電子装置に組み込む、
ことを特徴としている。
【0019】
さらに、本発明の他の形態である電子装置は、
電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、電源装置が他の電子装置に装備された冗長電源装置に接続されると共に、制御手段が前記他の電子装置の制御手段に接続された電子装置であって、
制御手段は、
自身である電子装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて他の電子装置に装備された冗長電源装置を自身である電子装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴としている。
【0020】
そして、上記他の電子装置の冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されており、
異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて他の電子装置に装備された冗長電源装置のAC/DC変換装置を自身である電子装置に組み込む、
ことを特徴としている。
【0021】
また、上述した電子装置において、制御手段は、冗長電源装置のAC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶すると共に他の電子装置に台数情報を通知し、当該他の電子装置から通知された台数情報を受け付けて記憶する変換装置台数管理手段を備えた、ことを特徴としている。さらに、電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に自身である電子装置を縮退させる、ことを特徴としている。
【0022】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
電源装置と、この電源装置及び1又は2以上の他の電子装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、この制御手段が他の装置の制御手段に接続された電子装置に、
自身である電子装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて冗長電源装置を自身の電子装置に組み込むと共に、他の電子装置に装備された電源装置の異常に応じてその電源装置に替えて冗長電源装置を前記他の電子装置に組み込む電源組込手段と、
を実現させる、ことを特徴としている。
【0023】
そして、冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されている場合に、上記プログラムにおいて、異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込むと共に、他の電子装置に装備された電源装置のAC/DC変換装置の異常に応じて当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を他の電子装置に組み込む、ことを特徴としている。
【0024】
さらに、本発明の他の形態であるプログラムは、
電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、電源装置が他の電子装置に装備された冗長電源装置に接続されると共に、制御手段が他の電子装置の制御手段に接続された電子装置に、
自身である電子装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて他の電子装置に装備された冗長電源装置を自身の電子装置に組み込む電源組込手段と、
を実現させる、ことを特徴としている。
【0025】
そして、上記他の電子装置の冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されている場合に、上記プログラムにおいて、異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて他の電子装置に装備された冗長電源装置のAC/DC変換装置を自身である電子装置に組み込む、ことを特徴としている。
【0026】
また、上述したプログラムにおいて、電子装置に、冗長電源装置のAC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶すると共に他の電子装置に台数情報を通知し、当該他の電子装置から通知された台数情報を受け付けて記憶する変換装置台数管理手段、
を実現させる、ことを特徴としている。そして、電源組込手段は、異常検知手段にて異常を検知したときに台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に自身である電子装置を縮退させる、ことを特徴としている。
【0027】
さらに、本発明の他の形態である電源制御方法は、
それぞれに電源装置が装備された複数の構成装置を備えると共に、各構成装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、各構成装置の給電状況を管理する制御手段と、を備えたシステムにおける電源制御方法であって、
制御手段が構成装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知工程と、制御手段が異常検知工程にて異常を検知したときにその電源装置に替えて冗長電源装置を構成装置に組み込む電源組込工程と、
を有することを特徴としている。
【0028】
そして、冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されている場合に、異常検知工程は、各構成装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、電源組込工程は、異常検知工程にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込む、ことを特徴としている。
【0029】
また、電源制御方法は、制御手段が冗長電源装置のAC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶して管理する変換装置台数管理工程、を有することを特徴としている。そして、変換装置台数管理工程は、電源組込工程にて冗長電源装置のAC/DC変換装置を構成装置に組み込んだ後に、台数情報を1減らして更新記憶する、ことを特徴としている。さらに、電源組込工程は、異常検知工程にて異常を検知したときに台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に異常が生じた構成装置を縮退させる、ことを特徴としている。
【0030】
また、電源制御方法は、制御手段が各構成装置にそれぞれ装備され、当該装備された構成装置に対して各工程を実行し、変換装置台数管理工程は、台数情報を更新記憶したときに他の構成装置に更新された台数情報を通知すると共に、他の構成装置から台数情報の通知を受けたときに記憶している台数情報を通知を受けた台数情報に更新記憶する、ことを特徴としている。
【0031】
上述した構成の電子装置、プログラム、方法の発明であっても、上記電源制御システムと同様に作用するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、電源装置に異常が生じた構成装置は、冗長電源装置にて運転が継続されるため、システムの信頼性の向上を図ることができると共に、冗長電源装置は他の構成装置に異常が生じた場合にも適用可能であるため、複数台の構成装置で共用することができ、低コストかつ低消費電力にて電源の冗長機能を実現するシステムを提供することができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、従来はシステムを構成する装置毎に装備していた冗長電源を1つに集約し、この集約された冗長電源を装置間で共有する、という点に特徴を有する。以下、具体的な構成を実施例を参照して説明する。
【実施例1】
【0034】
本発明の第1の実施例を、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施例における複数の装置にて構成された情報処理システム全体の構成を示すブロック図であり、図2乃至図3は、各装置の構成を示す機能ブロック図である。図4乃至図6は、情報処理システムにおける電源制御時の動作を示すフローチャート及びシーケンス図である。
【0035】
[構成]
図1に示すように、本実施例における情報処理システムは、3台の装置A,B,C(構成装置、電子装置)を備えて構成されており、各装置A,B,Cは、コンピュータやその周辺機器などで構成されている。そして、情報処理システムは、各装置A,B,Cが有する機能に基づいて作動すると共に、各装置A,B,Cの電源を制御するよう電源制御システムとして作動する。
【0036】
また、各装置A,B,Cは、装置自身の動作や給電状況を制御する制御装置(制御手段)であるサービスプロセッサ1,4,6と、電源装置2,5,7と、をそれぞれ備えている。そして、特に、装置Aには、電源装置2の他に、冗長電源装置3が装備されており、電源装置2と給電バス100を介して接続されている。また、装置Aの電源装置2と装置Bの電源装置5とは給電バス101で接続されており、装置Bの電源装置5と装置Cの電源装置7とは給電バス102で接続されている。さらに、装置Aのサービスプロセッサ1と装置Bのサービスプロセッサ4とは信号線201で接続されており、装置Bのサービスプロセッサ4と装置Cのサービスプロセッサ6とは信号線202で接続されている。これにより、後述するように、各装置A,B,Cのサービスプロセッサ1,4,6は相互に接続されていて、各サービスプロセッサ1,4,6間でデータ通信を行うことができる。また、装置Aに装備されている冗長電源装置3は、各装置A,B,Cに装備された電源装置2,5,7と接続された状態となっていて、装置A及び他の装置B,Cの電源として、各装置A,B,Cに組み込むことが可能となっている。以下、各装置A,B,Cについてさらに詳述する。
【0037】
図2に、装置Aの構成を示す。この図に示すように、装置Aのサービスプロセッサ1には、所定のプログラムが組み込まれることにより、異常検知処理部11と、電源組込制御処理部12と、台数管理処理部13と、台数情報記憶部14と、が構築されている。また、電源装置2は、4台のAC/DC変換装置21,22,23,24から構成されており、全てのAC/DC変換装置が装置Aが作動する際に用いられる。そして、冗長電源装置3は、4台のAC/DC変換装置31,32,33,34から構成されており、装置Aや装置B,Cが正常に作動しているときには、待機(不使用)状態となっている。なお、電源装置2や冗長電源装置3を構成するAC/DC変換装置の数は上述したものに限定されない。
【0038】
そして、上記異常検知処理部11(異常検知手段)は、自身である装置Aに装備された電源装置2の状態を監視し、AC/DC変換装置21〜24に障害などの異常が発生したことを検知する。そして、異常が発生したAC/DC変換装置を特定し、そのことを電源組込制御処理部12に通知する。
【0039】
電源組込制御処理部12(電源組込手段)は、電源装置2に異常が発生した旨の通知を受けると、まず、台数情報記憶部14内に記憶されている台数情報を読み出す。この台数情報は、冗長電源装置3のAC/DC変換装置31〜34のうち、装置A,B,Cに組み込まれ冗長用電源として使用されていない未使用(待機)状態のものの数を表す情報である。例えば、初期状態では、冗長電源装置3のAC/DC変換装置31〜34はいずれも使用されていないため、台数情報として「4」が記憶されている。そして、電源組込制御処理部12は、読み出した台数情報が「0」である場合には、異常が生じたAC/DC変換装置が装備された装置、この場合には、自身である装置Aを縮退させる指令を発し、当該装置Aを停止させる。
【0040】
また、電源組込制御処理部12は、上記台数情報を読み出し、台数情報が「0」でない場合には、冗長用電源として使用可能な未使用のAC/DC変換装置31〜34が残っていると判断できるため、異常が生じたAC/DC変換装置21〜24に替えて、冗長電源装置3内のAC/DC変換装置31〜34の1つを装置Aで機能するよう、給電バス100を介して組み込む。これにより、装置Aの電源は復旧し、正常な作動を継続することができる。このとき、電源組込制御処理部12は、冗長電源装置3のAC/DC変換装置の1つを使用したため、その旨を台数管理処理部13に通知する。
【0041】
なお、電源組込制御処理部12は、冗長電源装置3を装備しない他の装置B,CのAC/DC変換装置(例えば、符号51〜54)に異常が生じ、当該他の装置B,Cから冗長用電源の組み込み要求があった場合に、その他の装置B,Cに冗長電源装置3のAC/DC電源装置の1つを給電バス101,102を介して組み込むよう制御する。
【0042】
台数管理処理部13(変換装置台数管理手段)は、電源組込制御処理部12から冗長電源装置3のAC/DC変換装置の1つを使用した通知を受けると、台数情報記憶部14に記憶されている台数情報を1減らして更新し記憶する。例えば、上述したように4つのAC/DC変換装置のうち1つを装置Aに組み込んだ際には、「4−1=3」で、台数情報として「3」が更新記憶される。また、台数管理処理部13は、台数情報の更新が生じたときに、他の装置B,Cに対して更新された台数情報を通知する機能を有する。さらに、台数管理処理部13は、他の装置B,Cの台数管理処理部43等から台数情報の更新の通知を受けることがあり、その場合には、既に台数情報記憶部14内に記憶されている台数情報を、通知を受けた新たな台数情報に更新記憶する。上述した機能を有することで、全ての装置A,B,Cにて同一の値の台数情報が保持されることとなる。
【0043】
続いて、装置B,Cの構成を説明する。なお、装置B,Cはほぼ同様の構成であるため、図3を参照して、装置Bのみの構成を説明する。
【0044】
装置Bは、図3に示すように、上述した装置Aとほぼ同様の構成となっており、冗長電源装置3が装備されていない点で異なる。そして、装置Bのサービスプロセッサ4には、所定のプログラムが組み込まれることにより、異常検知処理部41と、電源組込制御処理部42と、台数管理処理部43と、台数情報記憶部44と、が構築されている。また、電源装置5は、4台のAC/DC変換装置51,52,53,54から構成されており、全てのAC/DC変換装置が装置Bが作動する際に用いられる。なお、電源装置5を構成するAC/DC変換装置の数は上述したものに限定されない。
【0045】
そして、上記異常検知処理部41(異常検知手段)は、自身である装置Bに装備された電源装置5の状態を監視し、当該電源装置5を構成するAC/DC変換装置51〜54に障害等の異常が発生したことを検知する。そして、異常が発生したAC/DC変換装置を特定し、そのことを電源組込制御処理部42に通知する。
【0046】
電源組込制御処理部42(電源組込手段)は、電源装置5に異常が発生した旨の通知を受けると、まず、台数情報記憶部44内に記憶されている台数情報を読み出す。この台数情報は、上述した装置Aの冗長電源装置3のAC/DC変換装置31〜34のうち、装置A,B,Cに組み込まれ冗長用電源として使用されていない未使用(待機)状態のものの数を表す情報であり、上述したように、全ての装置A,B,Cで同一の値となっている。そして、電源組込制御処理部42は、読み出した台数情報が「0」である場合には、異常が生じたAC/DC変換装置が装備された装置、この場合には、自身である装置Bを縮退させる指令を発し、当該装置Bを停止させる。
【0047】
また、電源組込制御処理部42は、上記台数情報を読み出し、台数情報が「0」でない場合には、冗長用電源として使用可能な未使用のAC/DC変換装置が冗長電源装置3内に残っていると判断できるため、異常が生じたAC/DC変換装置51〜54に替えて、装置Aの冗長電源装置3内のAC/DC変換装置31〜34の1つを、装置Bで機能するよう給電バス100,101を介して当該装置Bに組み込むよう制御する。例えば、装置Aに対して冗長電源装置3のAC/DC変換装置を組み込むよう要求し、これに応じて、装置Aのサービスプロセッサ1にて、冗長電源装置3のAC/DC変換装置の装置Bに対する組み込み処理が実行される。これにより、装置Bにおいて異常が生じたAC/DC変換装置51〜54に替わって、冗長電源装置3のAC/DC変換装置の1つが装置Bに組み込まれ、当該装置Bの電源は復旧し、正常な作動を継続することができる。このとき、電源組込制御処理部42は、冗長電源装置3のAC/DC変換装置の1つを使用したため、その旨を台数管理処理部43に通知する。
【0048】
台数管理処理部43(変換装置台数管理手段)は、電源組込制御処理部42から冗長電源装置3のAC/DC変換装置の1つを使用した通知を受けると、台数情報記憶部44に記憶されている台数情報を1減らして更新し記憶する。また、台数管理処理部43は、装置Bの異常により台数情報の更新が生じたときに、他の装置A,Cに対して更新された台数情報を通知する機能を有する。さらに、他の装置A,Cの台数管理処理部から台数情報の更新の通知を受けることもあり、このとき、台数管理処理部43は、既に台数情報記憶部44内に記憶されている台数情報を、通知を受けた新たな台数情報に更新記憶する機能を有する。
【0049】
[動作]
次に、上記構成のシステムにおける電源制御時の動作を、図4乃至図6を参照して説明する。なお、図4は、1台の装置(符号A,B,C)における電源制御時の動作を示し、図5乃至図6は、システム全体における電源制御時の動作を示す。そして、特に、図5は、装置Aで電源異常が発生したときの動作であり、図6は、装置Bで電源異常が発生したときの動作を示す。
【0050】
はじめに、図4乃至図5を参照して、装置Aで電源異常が発生したときの動作を説明する。ここでは、図4は、装置Aの動作を示すこととする。
【0051】
まず、装置Aには、予め冗長電源装置3を構成するAC/DC変換装置の未使用台数を表す台数情報「4」が、台数情報記憶部14に記憶されている。そして、この台数情報は装置Aから装置B,Cに通知され、当該装置B,C内の台数情報記憶部44等にも台数情報「4」が記憶されているものとする。
【0052】
装置Aは、電源がオン状態になると、電源装置2のAC/DC変換装置21〜24が使用され、作動状態になり、常時、自己の電源装置2を構成するAC/DC変換装置21〜24に故障などの異常が生じていないかどうか監視する(図4のステップS1)。なお、他の装置B,Cも、同様に、それぞれに装備された電源装置5,7を構成するAC/DC変換装置に故障などの異常が生じていないかどうか監視している。ここで、装置Aにて、1つのAC/DC変換装置(例えば、符号21に示すもの)に障害が生じ、異常を検知すると(図4のステップS2にてイエス、図5のステップS11、異常検知工程)、台数情報記憶部14から冗長電源装置3のAC/DC変換装置の未使用台数を表す台数情報nを読み出し、当該台数情報n=0でないかどうかを調べる(図4のステップS3、図5のステップS12)。今、未使用のAC/DC変換装置の台数nは「4」であるため(図4のステップS3でノー)、冗長電源装置3のAC/DC変換装置31〜34のうち1台(例えば、符号31に示すもの)を、電源装置2の異常が生じたAC/DC変換装置21に替えて組み込む(図4のステップS4、図5のステップS13、電源組込工程)。これにより、冗長電源装置3のAC/DC変換装置31が給電バス100を介して電源装置2に組み込まれ、装置Aの作動が継続される。
【0053】
このとき、装置Aは、冗長電源装置3のAC/DC変換装置のうち1台(符号31)を使用したため、未使用のAC/DC変換装置が残り3台(符号32,33,34)となり、台数情報nを1減らし(図4のステップS5)、「4−1=3」で台数情報n=「3」を台数情報記憶部14に更新して記憶する(図4のステップS6、図5のステップS14、変換装置台数管理工程)。そして、装置Aは、更新された台数情報nを信号線201,202を介して、他の装置B,Cに通知する(図4のステップS7、図5のステップS15)。すると、更新された台数情報nの通知を受けた装置B,Cは、それぞれ通知された台数情報n=「3」を自己の台数情報記憶部44等に更新して記憶する(図5のステップS16,S17)。これにより、全ての装置A,B,Cにて冗長電源装置3のAC/DC変換装置のうち未使用の台数(n=3)が一致された状態で記憶される。
【0054】
続いて、装置Bの電源装置5に異常が生じた場合を、図4乃至図6を参照して説明する。ここでは、図4は、装置Bの動作を示すものとする。
【0055】
まず、全ての装置A,B,Cにて自己の電源装置2,5,7を構成するAC/DC変換装置に故障などの異常が生じていないかどうか監視された状態となっている(図4のステップS1)。ここで、装置Bにて、1つのAC/DC変換装置(例えば、符号51に示すもの)に障害が生じ、装置Bのサービスプロセッサ4にて異常を検知すると(図4のステップS2にてイエス、図6のステップS21、異常検知工程)、台数情報記憶部44から装置Aに装備された冗長電源装置3のAC/DC変換装置の未使用台数を表す台数情報nを読み出し、当該台数情報n=0でないかどうかを調べる(図4のステップS3、図6のステップS22)。今、未使用のAC/DC変換装置の台数nは「3」であるため(図4のステップS3でノー)、冗長電源装置3のAC/DC変換装置32〜34のうち1台(例えば、符号32に示すもの)を、電源装置5の異常が生じたAC/DC変換装置51に替えて組み込む(図4のステップS4、電源組込工程)。このとき、例えば、装置Bは装置Aに対して冗長電源装置3の組み込み要求を発し(図6のステップS23)、これに応じて装置Aが、冗長電源装置3の1つ(符号32のもの)を装置Bに組み込むよう処理する(図6のステップS24)。これにより、装置Aの冗長電源装置3のAC/DC変換装置32が、給電バス100,101を介して装置Bの電源装置5に組み込まれ、装置Bの作動が継続される。
【0056】
このとき、冗長電源装置3のAC/DC変換装置のうち1台(符号32)を使用したため、未使用のAC/DC変換装置が残り2台(符号33,34)となる。従って、装置Bは、台数情報を1減らし(図4のステップS5)、「3−1=2」で台数情報n=「2」を台数情報記憶部44に更新して記憶する(図4のステップS6、図6のステップS25、変換装置台数管理工程)。そして、装置Bは、更新された台数情報nを信号線201,202を介して、他の装置A,Cに通知する(図4のステップS7、図6のステップS26)。すると、更新された台数情報nの通知を受けた装置A,Cは、それぞれ通知された台数情報n=「2」を自己の台数情報記憶部14等に更新して記憶する(図6のステップS27,S28)。これにより、全ての装置A,B,Cにて冗長電源装置3のAC/DC変換装置のうち、未使用の台数(n=2)が一致された状態で記憶される。
【0057】
その後も、いずれかの装置A,B,Cで、電源装置2,5,7を構成するAC/DC変換装置に異常が生じると、上述同様に、異常が生じたAC/DC変換装置に替わり、冗長電源装置3のAC/DC変換装置が組み込まれ、その未使用台数である台数情報nが1ずつ減少し、全ての装置A,B,Cに同一の値nが記憶される。ここで、台数情報nが「0」になった後に、装置Bで異常が生じた場合の動作を、図4を参照して説明する。装置Bにて電源装置5を構成するAC/DC変換装置(例えば、符号52)に異常が生じると(図4のステップS2、異常検知工程)、装置B内の台数情報記憶部44から台数情報nを読み出すが、今、台数情報n=「0」であるため(ステップS3にてイエス)、ステップS8に進む。すると、装置Bのサービスプロセッサ4は、装置B自身の縮退を指示し、当該装置Bの運転を停止させる(図4のステップS8、電源組込工程)。これにより、電源異常が生じているにも関わらず、冗長用電源が不足し復旧不可能である場合には、迅速に異常が生じた装置Bを切り離すことができ、システムへの悪影響を抑制することができる。なお、上記では、縮退される装置が符号Bのものである場合を説明したが、装置A,Cであっても同様である。
【0058】
以上のように、本発明によると、システムを構成する1つの装置Aに冗長電源装置3を装備し、これを全ての装置A,B,Cで共有することができ、低コストかつ低消費電力で電源の冗長機能を実現することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。特に、冗長電源装置3を構成する複数のAC/DC変換装置の台数を、全ての装置A,B,Cにて整合を取り管理しているため、電源異常発生時に迅速な対応を取ることができる。例えば、未使用の冗長用のAC/DC変換装置が残っている場合には復旧処理を実行でき、残っていない場合には、迅速に縮退させることができる。
【0059】
ここで、上記では、システムを構成する全ての装置A,B,Cの各サービスプロセッサ1,4,6に、上述した各処理部11〜13等や記憶部14等をそれぞれ装備する場合を例示したが、1つの装置のみや、さらに別の装置に上記各処理部11〜13等を装備して、全ての装置A,B,Cの電源状態を監視し冗長電源を組み込み可能なよう構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明である電源制御システムは、複数の電子機器にて情報処理システムを構築している場合に適用でき、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した装置Aの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1に開示した装置Bの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に開示した装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に開示したシステム全体の動作を示すシーケンス図であり、装置Aの電源装置に異常が発生した場合を示す。
【図6】図1に開示したシステム全体の動作を示すシーケンス図であり、装置Bの電源装置に異常が発生した場合を示す。
【符号の説明】
【0062】
1,4,6 サービスプロセッサ
2,5,7 電源装置
3 冗長電源装置
11,41 異常検知処理部
12,42 電源組込制御処理部
13,43 台数管理処理部
14,44 台数情報記憶部
21,22,23,24,31,32,33,34,51,52,53,54 AC/DC変換装置
100,101,102 給電バス
201,202 信号線
A,B,C 装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに電源装置が装備された複数の構成装置を備えた電源制御システムであって、
前記各構成装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、
前記各構成装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記構成装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知手段と、この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記冗長電源装置を前記構成装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴とする電源制御システム。
【請求項2】
前記冗長電源装置は、複数のAC/DC変換装置を備え、
前記異常検知手段は、前記各構成装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項1記載の電源制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記冗長電源装置の前記AC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶して管理する変換装置台数管理手段を備えた、
ことを特徴とする請求項2記載の電源制御システム。
【請求項4】
前記変換装置台数管理手段は、前記電源組込処理部にて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込んだ後に、前記台数情報を1減らして更新記憶する、
ことを特徴とする請求項3記載の電源制御システム。
【請求項5】
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに前記台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に、異常が生じた前記構成装置を縮退させる、
ことを特徴とする請求項4記載の電源制御システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記各構成装置にそれぞれ装備され、当該装備された構成装置に対して作動し、
前記変換装置台数管理手段は、前記台数情報を更新記憶したときに他の構成装置に更新された前記台数情報を通知すると共に、他の構成装置から前記台数情報の通知を受けたときに記憶している台数情報を通知を受けた台数情報に更新記憶する、
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電源制御システム。
【請求項7】
前記冗長電源装置を、システムを構成する1台の前記構成装置内に装備した、
ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の電源制御システム。
【請求項8】
電源装置と、この電源装置及び1又は2以上の他の電子装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、この制御手段が前記他の装置の制御手段に接続された電子装置であって、
前記制御手段は、
自身の電子装置に装備された前記電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記冗長電源装置を自身である電子装置に組み込むと共に、前記他の電子装置に装備された電源装置の異常に応じてその電源装置に替えて前記冗長電源装置を前記他の電子装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項9】
前記冗長電源装置は、複数のAC/DC変換装置を備え、
前記異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込むと共に、前記他の電子装置に装備された電源装置のAC/DC変換装置の異常に応じて当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記他の電子装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項8記載の電子装置。
【請求項10】
電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、前記電源装置が他の電子装置に装備された冗長電源装置に接続されると共に、前記制御手段が前記他の電子装置の制御手段に接続された電子装置であって、
前記制御手段は、
自身である電子装置に装備された前記電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記他の電子装置に装備された前記冗長電源装置を自身である電子装置に組み込む電源組込手段と、を備えた、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項11】
前記他の電子装置の前記冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されており、
前記異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記他の電子装置に装備された前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を自身である電子装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項10記載の電子装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記冗長電源装置の前記AC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶すると共に前記他の電子装置に前記台数情報を通知し、当該他の電子装置から通知された前記台数情報を受け付けて記憶する変換装置台数管理手段を備えた、
ことを特徴とする請求項9又は11記載の電子装置。
【請求項13】
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに前記台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に自身である電子装置を縮退させる、
ことを特徴とする請求項12記載の電子装置。
【請求項14】
電源装置と、この電源装置及び1又は2以上の他の電子装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、この制御手段が前記他の装置の制御手段に接続された電子装置に、
自身である電子装置に装備された前記電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記冗長電源装置を自身の電子装置に組み込むと共に、前記他の電子装置に装備された電源装置の異常に応じてその電源装置に替えて前記冗長電源装置を前記他の電子装置に組み込む電源組込手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
前記冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されており、
前記異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込むと共に、前記他の電子装置に装備された電源装置のAC/DC変換装置の異常に応じて当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記他の電子装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
電源装置と、自身である電子装置の給電状況を管理する制御手段と、を備え、前記電源装置が他の電子装置に装備された冗長電源装置に接続されると共に、前記制御手段が前記他の電子装置の制御手段に接続された電子装置に、
自身である電子装置に装備された前記電源装置の異常を検知する異常検知手段と、
この異常検知手段にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記他の電子装置に装備された前記冗長電源装置を自身の電子装置に組み込む電源組込手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
前記他の電子装置の冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されており、
前記異常検知手段は、自身である電子装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記他の電子装置に装備された前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を自身である電子装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
前記電子装置に、
前記冗長電源装置の前記AC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶すると共に前記他の電子装置に前記台数情報を通知し、当該他の電子装置から通知された前記台数情報を受け付けて記憶する変換装置台数管理手段、
を実現させるための請求項15又は17記載のプログラム。
【請求項19】
前記電源組込手段は、前記異常検知手段にて異常を検知したときに前記台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に自身である電子装置を縮退させる、
ことを特徴とする請求項18記載のプログラム。
【請求項20】
それぞれに電源装置が装備された複数の構成装置を備えると共に、前記各構成装置の電源装置に接続された冗長電源装置と、前記各構成装置の給電状況を管理する制御手段と、を備えたシステムにおける電源制御方法であって、
前記制御手段が前記構成装置に装備された電源装置の異常を検知する異常検知工程と、前記制御手段が前記異常検知工程にて異常を検知したときにその電源装置に替えて前記冗長電源装置を前記構成装置に組み込む電源組込工程と、
を有することを特徴とする電源制御方法。
【請求項21】
前記冗長電源装置に複数のAC/DC変換装置が装備されており、
前記異常検知工程は、前記各構成装置の電源装置に装備されたAC/DC変換装置の異常を検知し、
前記電源組込工程は、前記異常検知工程にて異常を検知したときに当該異常が生じたAC/DC変換装置に替えて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込む、
ことを特徴とする請求項20記載の電源制御方法。
【請求項22】
前記制御手段が前記冗長電源装置の前記AC/DC変換装置のうち未使用の台数を表す台数情報を記憶して管理する変換装置台数管理工程、
を有することを特徴とする請求項21記載の電源制御方法。
【請求項23】
前記変換装置台数管理工程は、前記電源組込工程にて前記冗長電源装置のAC/DC変換装置を前記構成装置に組み込んだ後に、前記台数情報を1減らして更新記憶する、
ことを特徴とする請求項22記載の電源制御方法。
【請求項24】
前記電源組込工程は、前記異常検知工程にて異常を検知したときに前記台数情報を読み出し、当該台数情報が0である場合に異常が生じた前記構成装置を縮退させる、
ことを特徴とする請求項23記載の電源制御方法。
【請求項25】
前記制御手段は、前記各構成装置にそれぞれ装備され、当該装備された構成装置に対して前記各工程を実行し、
前記変換装置台数管理工程は、前記台数情報を更新記憶したときに他の構成装置に更新された前記台数情報を通知すると共に、他の構成装置から前記台数情報の通知を受けたときに記憶している台数情報を通知を受けた台数情報に更新記憶する、
ことを特徴とする請求項23又は24記載の電源制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−108101(P2008−108101A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290912(P2006−290912)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】