説明

電源回路および電源回路の中間バス電圧設定方法

【課題】2種類のコンバータを直列接続して負荷回路に電源を供給する際に電源の変換効率の向上を図った電源回路および電源回路の中間バス電圧設定方法を提供する。
【解決手段】入力電圧源102は絶縁コンバータ104とたとえば第1の非絶縁コンバータ1081のそれぞれで電圧を変換されて第1の負荷回路1011に供給される。第1の出力電圧設定回路1111は第1の負荷回路1011の要求する電圧に第1の非絶縁コンバータ1081の出力側を設定し、この値が中間バス電圧決定回路113に入力されて、第1の非絶縁コンバータ1081の変換効率が最良となるような中間バス電圧107が絶縁コンバータ104によって設定される。絶縁コンバータ104は複数の異なった電圧を出力する端子を備え、中間バス電圧決定回路113で適切なものを選択する構成であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源回路および電源回路の中間バス電圧設定方法に係わり、たとえば1枚のボード上に点在する電気部品の幾つかに電源を分散して供給するような場合に好適な電源回路および電源回路の中間バス電圧設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CPU(Central Processing Unit)のリーク電流の低減による発熱の減少の要請と、集積回路における微細加工技術の進展によって、電源は低電圧化および大容量化が促進されている。電源回路の出力が1V(Volt)以下で数十A(ampere)という要請もある。このように電源回路の出力電圧が大幅に低下してくると、従来の5Vで数A程度の電源構成では、さほど問題ではなかった配線による電圧ドロップの影響が深刻となる。
【0003】
そこで、1箇所の電源回路からボード(プリント基板)上のそれぞれの集積回路に一括して電源を供給する従来の手法から、それぞれの集積回路の直近に電源を個別に配置する分散給電(POL:Point Of Load)方式が主流となっている。分散給電方式に使用される電源は、一般に汎用性が要求される。このため、広い入力電圧範囲および任意設定可能な低出力電圧と高出力電流化を図ったモジュール、集積回路等の電源回路が多くの電源専業メーカや半導体メーカからさまざまな形態で市販されるようになっている。
【0004】
これら市販されている電源回路には、最高の変換効率を得るための入出力条件がそれぞれ存在している。しかしながら、多くの装置やボードは必ずしも最良の入出力条件で使用されていない。このために、装置システム全体の低消費電力化の妨げの要因となっていた。
【0005】
図7は、従来の分散給電方式の電源回路の一例を示したものである。分散給電方式を採用する電源回路400(たとえば特許文献1参照)では、図示しないボード上に配置された第1〜第3の負荷回路4011〜4013といった個々に電源を要求する回路の近傍に第1および第2の非絶縁コンバータ4021、4022あるいはシリーズレギュレータ403を配置して、それぞれに合った電源を供給するようにしている。入力電圧源404に接続された絶縁コンバータ405は、第1および第2の非絶縁コンバータ4021、4022ならびにシリーズレギュレータ403に中間バス電圧406を供給するようになっている。
【0006】
絶縁コンバータ405には、出力電圧が+12V等の比較的高い電圧を出力する単出力の電源が使用されている。この中間バス電圧406を入力する第1および第2の非絶縁コンバータ4021、4022といった非絶縁タイプのコンバータは、広範囲の入力電圧で動作するもので、外付け抵抗等の回路部品で出力電圧を任意に設定できるモジュールタイプのものが普及している。シリーズレギュレータ403についても、同様に外付け抵抗等の回路部品で出力電圧を任意に設定できるものが普及している。これにより、図示しない電源部のハードウェアの共用化が容易となっている。
【0007】
図8は、一般的な非絶縁コンバータの変換効率特性を表わしたものである。この図で横軸は非絶縁コンバータの入力電圧を表わしており、縦軸は変換効率を表わしている。実線421は負荷回路101(図7)の要求する出力電圧がaボルト(V)の場合の変換効率特性を表わした曲線である。この場合には、入力電圧Vaで変換効率がピークになり、入力電圧が電圧Vaから離れるに従って変換効率は低下する。出力電圧がaボルトとは異なるbボルトの場合には、破線422で示す変換効率特性となる。この場合には、入力電圧Vaとは異なる入力電圧Vbで変換効率がピークになり、入力電圧が電圧Vbから離れるに従って変換効率は低下する。
【0008】
このように非絶縁コンバータは、負荷回路101の要求する出力電圧によって変換効率がピークになる入力電圧が相違する。したがって、負荷回路101の要求する電圧に応じた入力電圧が変換効率向上のためには望ましい。図7に示したシリーズレギュレータ403は、負荷に直列に電圧制御素子を接続した降圧用の定電圧電源であり、入出力の電位差が大きいほどその内部損失が発生する。このため、汎用型の第1および第2の非絶縁コンバータ4021、4022ならびにシリーズレギュレータ403を使用した図7に示す分散給電方式の電源回路400では、電源の変換効率を最良の条件にして使用することが困難であり、システム全体の効率低下が問題とされていた。
【0009】
一方、図示しない第1のコンバータと、この第1のコンバータの出力を更に変換する同じく図示しない第2のコンバータの2つのコンバータを直列に配置して、その出力側に図示しない負荷回路を配置すると共に、両コンバータを制御する図示しない制御回路を設けた提案も行われている(たとえば特許文献2参照)。この後者の提案(以下、先の提案を第1の提案といい、後の提案を第2の提案という。)では、第1のコンバータは図示しない交流電源から図示しない直流電源に変換する際の力率の改善のための回路として機能する。第2のコンバータは変換後の直流電源を用いて、図示しないトランスの一次側のスイッチング動作周波数を調整することで、負荷回路の要求する電圧に変換している。
【特許文献1】特開2004−260887号公報(第0024段落、図2)
【非特許文献1】特開平10−341572号公報(第0003段落、第0023段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この第2の提案では、第1のコンバータの力率が改善されるものの、これによって第1のコンバータから出力される直流電圧は第2のコンバータの変換効率をまったく想定しない電圧値となる。すなわち、第1の提案でも第2の提案でも、図8で示した非絶縁コンバータ、あるいは前記したトランスの一次側のスイッチング動作を行う回路部分の変換効率が悪くなる場合があり、消費電力の低減に寄与しない非効率な電源回路となる恐れがある。
【0011】
そこで本発明の目的は、2種類のコンバータを直列接続して負荷回路に電源を供給する際に電源の変換効率の向上を図った電源回路および電源回路の中間バス電圧設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明では、(イ)所定の負荷回路へ出力する電源の電圧値についての要求を受ける出力電圧要求受付手段と、入力電圧をこの出力電圧要求受付手段の受け付けた電圧に変換して出力電圧として出力する電圧変換手段とを備えた非絶縁コンバータと、(ロ)入力電源から電源の供給を受け、入力された電圧を任意の電圧に変換して非絶縁コンバータに入力する絶縁コンバータと、(ハ)非絶縁コンバータから出力される出力電圧を入力してこの出力電圧に対して非絶縁コンバータの最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として演算する中間バス電圧演算手段と、この中間バス電圧演算手段で演算された中間バス電圧に絶縁コンバータの出力する前記した任意の電圧を一致させるように演算によって得られた中間バス電圧を指示する中間バス電圧指示手段とを備えた中間バス電圧決定手段とを電源回路に具備させる。
【0013】
すなわち本発明では、出力電圧要求受付手段が負荷回路への入力電圧の要求を受け付けて、非絶縁コンバータの出力電圧をこれに一致させるようにする。これにより、非絶縁コンバータの出力側の電圧が定まる。非絶縁コンバータの入力側の電圧としての絶縁コンバータの出力電圧(中間バス電圧)は、非絶縁コンバータの変換効率が最良となるように決定し、中間バス電圧決定手段がこれを絶縁コンバータに指示することになる。この結果、非絶縁コンバータは負荷回路の入力電圧に応じて最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として絶縁コンバータから得ることになり、非絶縁コンバータの変換効率が最良に保たれることになる。
【0014】
なお、請求項1記載の発明で、非絶縁コンバータはたとえばボード上に複数存在してもよく、そのうちの1つが中間バス電圧決定手段と接続されるような構成であってもよい。また、非絶縁コンバータ、絶縁コンバータおよび中間バス電圧決定手段は、それぞれ1つずつ対応する形で複数組存在し、それぞれの非絶縁コンバータが対応する中間バス電圧決定手段と接続されていてもよい。
【0015】
請求項4記載の発明では、(イ)所定の負荷回路へ出力する電源の電圧値についての要求を受ける出力電圧要求受付手段と、入力電圧をこの出力電圧要求受付手段の受け付けた電圧に変換して出力電圧として出力する電圧変換手段とを備えた非絶縁コンバータと、(ロ)入力電源から電源の供給を受け、入力された電圧を複数の互いに異なった出力電圧に変換して出力する絶縁コンバータと、(ハ)この絶縁コンバータから前記した複数の互いに異なった出力電圧を入力してそれらのうちの1つを選択して非絶縁コンバータに入力電圧として入力させる選択手段と、(ニ)非絶縁コンバータから出力される出力電圧を入力してこの出力電圧に対して非絶縁コンバータの最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として演算する中間バス電圧演算手段と、この中間バス電圧演算手段で演算された中間バス電圧に近い出力電圧の選択を指示する中間バス電圧指示手段とを備えた中間バス電圧決定手段とを電源回路に具備させる。
【0016】
すなわち本発明では、出力電圧要求受付手段が負荷回路への入力電圧の要求を受け付けて、非絶縁コンバータの出力電圧をこれに一致させるようにする。これにより、非絶縁コンバータの出力側の電圧が定まる。非絶縁コンバータの入力側の電圧としての絶縁コンバータの出力電圧(中間バス電圧)は、絶縁コンバータが複数の互いに異なった出力電圧を出力できるようにしておいて、これらのうちから非絶縁コンバータの変換効率が最良となるものを選択手段で選択するようにしてもよい。これによっても、選択手段の選択の範囲で、非絶縁コンバータの変換効率が最良に保たれることになる。
【0017】
なお、請求項4記載の発明で、非絶縁コンバータおよび中間バス電圧決定手段は、それぞれ1つずつ対応する形で複数組存在し、それぞれの非絶縁コンバータが対応する中間バス電圧決定手段と接続されていてもよい。また、中間バス電圧決定手段は、非絶縁コンバータの各種の出力電圧に対する変換効率のよい非絶縁コンバータの入力電圧をそれぞれ対応付けたテーブル情報を用いて、中間バス電圧を指示する手段であってもよい。テーブルの代わりに、演算式を用いることも可能である。
【0018】
請求項7記載の発明では、(イ)入力電圧源から得られる電源の電圧を変換して出力する第1のコンバータと、この第1のコンバータによって変換された後の中間バス電圧を入力して負荷回路の要求する電圧に変換する第2のコンバータとを備えた電源回路の負荷回路からその要求する負荷入力電圧を受け付ける負荷入力電圧受付ステップと、(ロ)この負荷入力電圧受付ステップで受け付けた負荷入力電圧を基にして第2のコンバータの出力電圧をこの負荷入力電圧に一致させる変換出力変更ステップと、(ハ)第2のコンバータの出力が負荷回路から要求する負荷入力電圧と一致したとき第1のコンバータに対して第2のコンバータの変換効率が最もよくなる中間バス電圧を出力するように設定する第1のコンバータ設定ステップとを電源回路の中間バス電圧設定方法に具備させる。
【0019】
すなわち本発明では、入力電圧源から得られる電源の電圧を変換して出力する第1のコンバータと、この第1のコンバータによって変換された後の中間バス電圧を入力して負荷回路の要求する電圧に変換する第2のコンバータとを備えた電源回路の負荷回路からその要求する負荷入力電圧を、負荷入力電圧受付ステップで受け付けて、この受け付けた負荷入力電圧を基にして第2のコンバータの出力電圧を、変換出力変更ステップでこの負荷入力電圧に一致させるようにしている。そして、第2のコンバータの出力が負荷回路から要求する負荷入力電圧と一致したとき、第1のコンバータ設定ステップで第1のコンバータに対して第2のコンバータの変換効率が最もよくなる中間バス電圧を出力するように設定するようにしている。これにより、非絶縁コンバータは負荷回路の入力電圧に応じて最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として絶縁コンバータから得ることになり、非絶縁コンバータの変換効率が最良に保たれることになる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、非絶縁コンバータあるいは第2のコンバータの出力電圧を負荷回路の要求する電圧に変換するようにしたので、負荷回路の要求する電圧が異なってもこの要求を満たすことができ、更に絶縁コンバータあるいは第1のコンバータが、非絶縁コンバータあるいは第2のコンバータの変換効率を優先させてその出力電圧としての中間バス電圧を出力するようにしたので、負荷回路の設計変更に同一の電源回路が対応できるだけでなく、電源回路を共通部品化することができる。このため、電源回路の量産によるコスト低減を図ったり、電源回路を含む各種回路の設計時間を短縮することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の一実施例における電源回路の構成を表わしたものである。この電源回路100は、たとえば、図示しないボード上に互いに距離を置いて配置された負荷回路としての第1〜第3の負荷回路1011〜1013に対して電源を分散給電する回路である。
【0023】
本実施例の電源回路100は、所定の電圧を出力する入力電圧源102と、この出力電圧103を入力する絶縁コンバータ104を備えている。入力電圧源102は、たとえば+12V等の比較的高い電圧を出力するようになっている。絶縁コンバータ104は、入力と出力が絶縁されたDC(Direct Current)−DCコンバータであり、出力電圧設定回路105から設定電圧信号106を入力して出力電圧としての中間バス電圧107に変換するようになっている。
【0024】
この中間バス電圧107は、入力と出力の一部が共通になった第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083に供給されるようになっている。これら第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083は、第1〜第3の負荷回路1011〜1013の対応するものと接続されている。第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083は、第1〜第3の負荷回路1011〜1013の対応するものの直近にそれぞれ配置されており、これらに電源を供給する際に、電圧ドロップの影響を最小限とする分散給電の構成を採っている。
【0025】
第1〜第3の負荷回路1011〜1013は、それぞれの回路が必要とする電圧を、出力電圧設定信号1091〜1093として出力するようになっている。これらの出力電圧設定信号1091〜1093は、第1〜第3の出力電圧設定回路1111〜1113の対応するものに入力される。第1〜第3の出力電圧設定回路1111〜1113は、それぞれの出力電圧決定信号1121〜1123を第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083の対応するものに入力することで第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれが必要とする電圧に自動設定するようになっている。
【0026】
更に、本実施例の電源回路100は、第1の非絶縁コンバータ1081の出力側と出力電圧設定回路105の双方に接続された中間バス電圧決定回路113を備えている。中間バス電圧決定回路113は、第1の非絶縁コンバータ1081の自動設定された出力電圧1141を入力して、これに対して最適な変換効率となるような第1の非絶縁コンバータ1081の入力電圧条件としての中間バス電圧107を判断する。そして、これを実現するためのバス電圧変更信号115を出力電圧設定回路105に供給する。これにより、第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083の出力する出力電圧1141〜1143が自動設定されるようになっている。
【0027】
図2は、この電源回路の電源制御の一連の動作を表わしたものである。図1と共に説明する。なお、説明を簡略に行うために、この説明は第1の負荷回路1011に限定する。
【0028】
まず、電源回路100を作動させるために、入力電圧源102の出力電圧103が絶縁コンバータ104へ印加される(ステップS201)。これにより、絶縁コンバータ104が動作を開始し(ステップS202)、その出力側に、デフォルト値としての初期出力電圧が中間バス電圧107として発生する(ステップS203)。
【0029】
第1の非絶縁コンバータ1081は、中間バス電圧107を印加されることによって起動する(ステップS204)。このとき第1の非絶縁コンバータ1081は第1の出力電圧設定回路1111から、第1の負荷回路1011が必要とする出力電圧値に設定するための信号を出力電圧決定信号1121として取得する(ステップS205)。これにより第1の非絶縁コンバータ1081は、その出力電圧を決定し、決定された出力電圧1141を発生する(ステップS206)。この出力電圧1141は、第1の負荷回路1011に供給される(ステップS207)。
【0030】
中間バス電圧決定回路113は、第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141を入力することで第1の負荷回路1011へ供給される電圧を検出する(ステップS208)。そして、第1の非絶縁コンバータ1081が、最適な変換効率となるための入力電圧条件として、最適な中間バス電圧107を決定して(ステップS209)、これを実現するためのバス電圧変更信号115を出力電圧設定回路105に出力する(ステップS210)。出力電圧設定回路105はバス電圧変更信号115を用いて絶縁コンバータ104の出力する中間バス電圧107を初期出力電圧から変更する(ステップS211)。これにより絶縁コンバータ104は、第1の非絶縁コンバータ1081が高い変換効率を得る最良の入力電圧条件となる最良な中間バス電圧107を出力することが可能になる。
【0031】
図3は、図1の要部を具体化した回路構成を示したものである。図3に示した回路部分は、図1に示した電源回路100における破線117で囲んだ領域に相当する。
【0032】
図1に示す入力電圧源102の出力電圧103を入力する絶縁コンバータ104とその出力側に接続された第1の非絶縁コンバータ1081は、それぞれモジュール化されており、入力端子INと、出力端子VOUTおよび電圧調整端子TRIMをそれぞれ備えている。ここで、電圧調整端子TRIMは、出力端子VOUTから出力する中間バス電圧107あるいは出力電圧1141を任意に設定することができる端子である。
【0033】
このような電圧調整端子TRIMは、該当するモジュール内部の所定箇所に印加する電圧を変化させたり、この所定箇所に供給するデジタル信号の値を変更することで出力端子VOUTの出力電圧を可変にしている。一般的には、抵抗等の電気部品のインピーダンスを変更することで、出力端子VOUTから出力される電圧を可変にすることが多い。本実施例の電源回路100でも、このような電圧調整端子TRIMで出力電圧を調整することができる。電圧調整端子TRIMそのものの構成および使用方法は、特に限定されるものではない。
【0034】
第1の非絶縁コンバータ1081の出力側に配置された第1の負荷回路1011は、IC(Integrated Circuit)121等の電源の供給を受ける回路部品から構成されており、その内部に出力電圧設定信号出力部122を備えている。出力電圧設定信号出力部122は、IC121の内部回路として構成されていてもよい。出力電圧設定信号出力部122は、第1の負荷回路1011が必要とする電圧を得るために出力電圧設定信号1091を生成して、第1の出力電圧設定回路1111に出力するようになっている。
【0035】
もちろん、出力電圧設定信号出力部122がそれ自体で出力電圧設定信号1091を生成することは必ずしも必要ではない。たとえば、この図3に破線で示したように外部に配置された集中制御回路125が、図1に示した第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれの必要とする電圧を集中管理している場合には、ここから得られた出力電圧設定用信号1261を出力電圧設定信号出力部122が受け取って、これを基にして出力電圧設定信号1091を出力するようにしてもよい。
【0036】
出力電圧設定信号1091を入力する第1の出力電圧設定回路1111は、たとえば可変抵抗器1271を備えており、入力した信号に応じた抵抗値を電圧調整端子TRIMに供給するようになっている。
【0037】
中間バス電圧決定回路113は、第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141を入力する電圧検出回路131と、所定の変換効率特性データを記憶した記憶回路132と、変換効率が最大となる入力電圧値を選択する電圧値選択回路133と、この電圧値選択回路133の選択した電圧値をバス電圧変更信号115として出力電圧設定回路105に供給するバス電圧変更信号出力回路134から構成されている。ここで、記憶回路132には図8で説明したように、出力電圧1141のそれぞれの値に対して最も変換効率のよい(変換効率がピークになる)入力電圧Vが、それらの出力電圧をアドレス情報としたテーブル情報として格納されている。
【0038】
図8では出力電圧がaボルトとbボルトの2つの例について示しているが、記憶回路132に格納されているテーブル情報は、出力電圧1141として想定される全範囲の「出力電圧」に対して、最も変換効率のよくなる「入力電圧V」の一覧となっている。これは、「出力電圧」と「入力電圧V」の関係を実際の計測によって求めたものからなっている。もちろん、このようなテーブル情報の代わりに、「出力電圧」が与えられたときに最も変換効率のよくなる「入力電圧V」が近似的に求められる演算式が記憶回路132に格納されていてもよい。
【0039】
電圧値選択回路133は、電圧検出回路131が検出した出力電圧1141を対応するアドレス情報に変換して、記憶回路132に格納されているテーブル情報から該当する「出力電圧」に対応する「入力電圧V」を読み出す。そしてこの「入力電圧V」を出力電圧設定回路105に設定させるためのバス電圧変更信号115をバス電圧変更信号出力回路134から出力させることになる。
【0040】
したがって、電圧検出回路131が出力電圧1141に対応するアドレス情報を出力して、記憶回路132がこれに対応するバス電圧変更信号115を直接、出力するようにすれば、中間バス電圧決定回路113の構成をより簡略化することができる。記憶回路132に演算式を格納して演算する場合についても同様である。
【0041】
出力電圧設定回路105は、たとえば可変抵抗器136を備えており、入力したバス電圧変更信号115に応じた抵抗値を絶縁コンバータ104の電圧調整端子TRIMに供給するようになっている。この結果、第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083は、これらの入力電圧としての中間バス電圧107をデフォルト値としての初期出力電圧から最適な中間バス電圧に変更することが可能になる。
【0042】
以上説明したように本実施例の電源回路100によれば、第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141を第1の負荷回路1011の負荷に応じて設定し、更に第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141に対して最適の変換効率となるように中間バス電圧107を変更することにした。これにより、高効率な電源構成が可能になる。
【0043】
また、本実施例では、たとえば第1の負荷回路1011を構成するIC121等の回路部品が変更されて、必要とされる電圧がたとえば設計時に変更された場合も、第1の出力電圧設定回路1111が第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141を変更後の電圧に適用する。したがって、電源回路100としての回路構成をそのまま使用することができ、設計工数や納期の短縮を図ることができる。このように各種の負荷回路101に対して電源回路100のハードウェアを共用することができるので、量産によるコスト低減が容易になる。
【0044】
<発明の第1の変形例>
【0045】
図4は、本発明の第1の変形例における電源回路の構成を表わしたものである。図4で図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、図1に示した回路部品と対応するものには、その回路部品を表わす数字の末尾に文字「A」を付している。
【0046】
先の実施例では、図1に示すように1つの絶縁コンバータ104を第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083に共用した。第1の変形例の電源回路100Aでは、第1〜第3の負荷回路1011〜1013にそれぞれ対応させて、第1〜第3の絶縁コンバータ1041〜1043を設けている。このため、これら第1〜第3の絶縁コンバータ1041〜1043に1つずつ対応させる形で、第1〜第3の中間バス電圧決定回路1131〜1133を設けている。
【0047】
第1の非絶縁コンバータ1081から出力される出力電圧1141は、第1の負荷回路1011に供給される他に、第1の中間バス電圧決定回路1131に供給される。第1の中間バス電圧決定回路1131は、第1の中間バス電圧1071を設定させるための設定電圧信号1061を第1の絶縁コンバータ1041に供給することになる。装置構成によっては、図1に示した実施例の電源回路100のように第1の出力電圧設定回路1051を第1の中間バス電圧1071と第1の絶縁コンバータ1041の間に配置してもよい。
【0048】
第2の非絶縁コンバータ1082から出力される出力電圧1142は、第2の負荷回路1012に供給される他に、第2の中間バス電圧決定回路1132に供給される。第2の中間バス電圧決定回路1132は、第2の中間バス電圧1072を設定させるための設定電圧信号1062を第2の絶縁コンバータ1042に供給する。装置構成によっては、実施例の電源回路100のような第2の出力電圧設定回路1052を第2の中間バス電圧1072と第2の絶縁コンバータ1042の間に配置してもよい。
【0049】
同様に第3の非絶縁コンバータ1083から出力される出力電圧1143は、第3の負荷回路1013に供給される他に、第3の中間バス電圧決定回路1133に供給される。第3の中間バス電圧決定回路1133は、第3の中間バス電圧1073を設定させるための設定電圧信号1063を第3の絶縁コンバータ1043に供給する。装置構成によっては、同様に実施例の電源回路100のように第3の出力電圧設定回路1053を第3の中間バス電圧1073と第3の絶縁コンバータ1043の間に配置してもよい。
【0050】
この第1の変形例の電源回路100Aによれば、第1〜第3の負荷回路1011〜1013の必要とする電圧が異なるように場合に、第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073をそれぞれに合った電圧値に設定することができる。したがって、第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれに分散給電を行う際の最適入出力条件を実現することができる。
【0051】
<発明の第2の変形例>
【0052】
図5は、本発明の第2の変形例における電源回路の構成の概要を表わしたものである。図5で図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、図1に示した回路部品と対応するものには、その回路部品を表わす数字の末尾に文字「B」を付している。
【0053】
この第2の変形例に示した電源回路100Bでは、直流の入力電圧源102Bが絶縁コンバータ104Bの一対の入力端子301、302に接続されている。絶縁コンバータ104Bの出力側には、第1〜第3の出力端子303〜305が設けられており、第1〜第3の出力電圧306〜308を出力するようになっている。第1〜第3の出力電圧306〜308は、それぞれ第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093に供給されるようになっている。
【0054】
第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093は、それぞれ第1〜第3の出力電圧306〜308を個別に入力する第1〜第3のスイッチング素子311〜313を備えている。第1〜第3のスイッチング素子311〜313の出力側は共通接続されて、第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083の対応するものに第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073として出力するようになっている。
【0055】
第1の中間バス電圧1071は、第1の非絶縁コンバータ1081に入力される。第1の非絶縁コンバータ1081の出力電圧1141は、第1の中間バス電圧決定回路1131に入力される。第1の中間バス電圧決定回路1131は、先の実施例の中間バス電圧決定回路113と実質的に同一の回路である。第1の中間バス電圧決定回路1131から出力されるバス電圧変更信号1151は、第1のスイッチャ回路3091に供給されて、第1〜第3のスイッチング素子311〜313のうちの1つがオンにされるようになっている。
【0056】
第2の中間バス電圧1072は、第2の非絶縁コンバータ1082に入力される。第2の非絶縁コンバータ1082の出力電圧1142は、第2の中間バス電圧決定回路1132に入力される。第2の中間バス電圧決定回路1132は、先の実施例の中間バス電圧決定回路113と実質的に同一の回路である。第2の中間バス電圧決定回路1132から出力されるバス電圧変更信号1152は、第2のスイッチャ回路3092に供給されて、第1〜第3のスイッチング素子311〜313のうちの1つがオンにされるようになっている。
【0057】
第3の中間バス電圧1073は、第3の非絶縁コンバータ1083に入力される。第3の非絶縁コンバータ1083の出力電圧1143は、第3の中間バス電圧決定回路1133に入力される。第3の中間バス電圧決定回路1133は、先の実施例の中間バス電圧決定回路113と実質的に同一の回路である。第3の中間バス電圧決定回路1133から出力されるバス電圧変更信号1153は、第3のスイッチャ回路3093に供給されて、第1〜第3のスイッチング素子311〜313のうちの1つがオンにされるようになっている。
【0058】
図6は、この第2の変形例の絶縁コンバータの構成を具体的に表わしたものである。絶縁コンバータ104Bは、一対の入力端子301、302に接続された入力平滑用コンデンサ321と、入力端子301側に一次巻線の一端を接続したトランス323と、このトランス323の一次巻線の他端と入力端子302の間にドレインとソースを接続した電界効果トランジスタ324と、トランス323の二次巻線の接地側から見て巻線の量が減少方向の各点にアノードをそれぞれ接続した第1〜第3のダイオード326〜328と、これら第1〜第3のダイオード326〜328のカソードに一端を接続し、それぞれの他端を接地した第1〜第3の出力平滑用コンデンサ331〜333と、第1のダイオード326と第1の出力平滑用コンデンサ331の接続点に一端を接続した定電圧制御回路335から構成されている。
【0059】
ここで第1のダイオード326と第1の出力平滑用コンデンサ331の接続点は第1の出力端子303に接続されており、第2のダイオード327と第2の出力平滑用コンデンサ332の接続点は第2の出力端子304に接続されている。第3のダイオード328と第3の出力平滑用コンデンサ333の接続点は第3の出力端子305に接続されている。また、定電圧制御回路335から出力される所定の周波数および電圧変化でオン・オフされるパルス信号337は電界効果トランジスタ324のゲートに印加されるようになっている。
【0060】
このような第2の変形例の電源回路100Bでは、図5に示した第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれに分散給電を行う際の最適入出力条件を実現するために、第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093を用いて、中間バス電圧を予め電圧のそれぞれ異なる第1〜第3の出力電圧306〜308から選択して、第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073として出力する工夫を行っている。
【0061】
このように第2の変形例の電源回路100Bでは、第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれが必要とする電圧に応じて、第1〜第3の出力電圧306〜308から所望の電圧を第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073として選択することができる。したがって、先の第1の変形例の電源回路100Aと比較すると、負荷回路1011〜1013の数の絶縁タイプのコンバータを設ける必要がない。このため、回路の簡素化による製造コストの低減と、プリント基板上における電源回路のスペースの節約を可能にする。
【0062】
なお、この第2の変形例の電源回路100Bで、トランス323の二次側の巻線(出力巻線)の巻き数の比率は、第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれが必要とする電圧に対して厳密に設定する必要はない。これは、第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093によって第1〜第3の出力電圧306〜308の中から所望の電圧を選ぶという簡易な手法を採っても、第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073は後段の第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083で個別に出力電圧1141〜1143の調整が行われるので、高精度な電圧設定は不要だからである。もちろん、第1〜第3の非絶縁コンバータ1081〜1083は、実施例と異なり中間バス電圧107を3つの異なった電圧から所望の電圧により近いものを選択することができる利点がある。
【0063】
また、この第2の変形例の電源回路100Bでは、第1〜第3の出力電圧306〜308のうちの1つの出力電圧(この変形例では第1の出力電圧306のみ)を定電圧制御回路335でフィードバックする構成となっている。したがって、残りの2つの出力電圧(この変形例では第2および第3の出力電圧307、308)については、トランス323の巻数比率により、出力される電圧が決定するようになっている。しかしながら、トランス323の巻数比率により第1〜第3の出力端子303〜305には、それぞれ比例した電圧が出力される。このため、1つの出力端子から出力される出力電圧を基にして絶縁コンバータ104B全体の出力電圧の制御を行うことで、それぞれの出力端子の出力電圧を個別に制御する場合と比較すると出力の安定度は劣るが、中間バス電圧としては実用に十分な安定度を得ることができる。
【0064】
ただし、この第2の変形例では、絶縁コンバータ104Bが先の実施例および第1の変形例とは異なり、段階的に電圧の異なる第1〜第3の出力電圧306〜308からの中間バス電圧の選択となる。このため、第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073として選択した電圧は、予め回路設計により最適に定めた電圧と異なり、最適地に近似した値となる。しかしながら、このような第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073の選択であっても、第1〜第3の出力電圧306〜308の中からの選択により第1〜第3の負荷回路1011〜1013のそれぞれが必要とする電圧がある程度の電圧の誤差範囲内で近似されるものであれば、実用的に十分高い変換効率を期待することができる。また、第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093を用いているので、回路が簡素化するだけでなく、負荷の変更に対しても第1〜第3の中間バス電圧1071〜1073を自動的に対応させることができる。
【0065】
なお、第1〜第3のスイッチャ回路3091〜3093は、機械的な接点を持ったスイッチに限らず半導体を使用した電子的なスイッチで構成されてもよいことは当然である。もちろん、負荷回路101の数や絶縁コンバータ104Bにおける段階的な出力電圧の数は、実施例や変形例に限定されるものではない。また、入力電圧源は交流電圧源であってもよく、この場合には図6に示したトランス323の一次側に整流回路を設けてもよいし、入力平滑用コンデンサ321や電界効果トランジスタ324を省略して、この一次側のコイルに交流が印加されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例における電源回路の構成を表わしたブロック図である。
【図2】本実施例の電源回路における電源制御の一連の動作を表わした説明図である。
【図3】本実施例で図1の要部を具体化した回路構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の変形例における電源回路の構成を表わしたブロック図である。
【図5】本発明の第2の変形例における電源回路の構成の概要を表わしたブロック図である
【図6】第2の変形例の絶縁コンバータの構成を具体的に表わした回路図である。
【図7】従来の分散給電方式の電源回路の一例を示したブロック図である。
【図8】一般的な非絶縁コンバータの変換効率特性を表わした特性図である。
【符号の説明】
【0067】
100、100A、100B 電源回路
1011 第1の負荷回路
1012 第2の負荷回路
1013 第3の負荷回路
102 入力電圧源
104、104B 絶縁コンバータ
105 出力電圧設定回路
107 中間バス電圧
1071 第1の中間バス電圧
1072 第2の中間バス電圧
1073 第3の中間バス電圧
108 非絶縁コンバータ
1081 第1の非絶縁コンバータ
1082 第2の非絶縁コンバータ
1083 第3の非絶縁コンバータ
1111 第1の出力電圧設定回路
1112 第2の出力電圧設定回路
1113 第3の出力電圧設定回路
113 中間バス電圧決定回路
1131 第1の中間バス電圧決定回路
1132 第2の中間バス電圧決定回路
1133 第3の中間バス電圧決定回路
303 第1の出力端子
304 第2の出力端子
305 第3の出力端子
3091 第1のスイッチャ回路
3092 第2のスイッチャ回路
3093 第3のスイッチャ回路
335 定電圧制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の負荷回路へ出力する電源の電圧値についての要求を受ける出力電圧要求受付手段と、入力電圧をこの出力電圧要求受付手段の受け付けた電圧に変換して出力電圧として出力する電圧変換手段とを備えた非絶縁コンバータと、
入力電源から電源の供給を受け、入力された電圧を任意の電圧に変換して前記非絶縁コンバータに入力する絶縁コンバータと、
前記非絶縁コンバータから出力される前記出力電圧を入力してこの出力電圧に対して前記非絶縁コンバータの最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として演算する中間バス電圧演算手段と、この中間バス電圧演算手段で演算された前記中間バス電圧に前記絶縁コンバータの出力する前記任意の電圧を一致させるように演算によって得られた前記中間バス電圧を指示する中間バス電圧指示手段とを備えた中間バス電圧決定手段
とを具備することを特徴とする電源回路。
【請求項2】
前記非絶縁コンバータは複数存在し、そのうちの1つが前記中間バス電圧決定手段と接続されていることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
【請求項3】
前記非絶縁コンバータ、前記絶縁コンバータおよび中間バス電圧決定手段は、それぞれ1つずつ対応する形で複数組存在し、それぞれの非絶縁コンバータが対応する中間バス電圧決定手段と接続されていることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
【請求項4】
所定の負荷回路へ出力する電源の電圧値についての要求を受ける出力電圧要求受付手段と、入力電圧をこの出力電圧要求受付手段の受け付けた電圧に変換して出力電圧として出力する電圧変換手段とを備えた非絶縁コンバータと、
入力電源から電源の供給を受け、入力された電圧を複数の互いに異なった出力電圧に変換して出力する絶縁コンバータと、
この絶縁コンバータから前記複数の互いに異なった出力電圧を入力してそれらのうちの1つを選択して前記非絶縁コンバータに前記入力電圧として入力させる選択手段と、
前記非絶縁コンバータから出力される前記出力電圧を入力してこの出力電圧に対して前記非絶縁コンバータの最も変換効率のよい入力電圧を中間バス電圧として演算する中間バス電圧演算手段と、この中間バス電圧演算手段で演算された前記中間バス電圧に近い出力電圧の選択を指示する中間バス電圧指示手段とを備えた中間バス電圧決定手段
とを具備することを特徴とする電源回路。
【請求項5】
前記非絶縁コンバータおよび中間バス電圧決定手段は、それぞれ1つずつ対応する形で複数組存在し、それぞれの非絶縁コンバータが対応する中間バス電圧決定手段と接続されていることを特徴とする請求項4記載の電源回路。
【請求項6】
前記中間バス電圧決定手段は、前記非絶縁コンバータの各種の出力電圧に対する変換効率のよい前記非絶縁コンバータの入力電圧をそれぞれ対応付けたテーブル情報を用いて、前記中間バス電圧を指示する手段であることを特徴とする請求項1または請求項4記載の電源回路。
【請求項7】
入力電圧源から得られる電源の電圧を変換して出力する第1のコンバータと、この第1のコンバータによって変換された後の中間バス電圧を入力して負荷回路の要求する電圧に変換する第2のコンバータとを備えた電源回路の前記負荷回路からその要求する負荷入力電圧を受け付ける負荷入力電圧受付ステップと、
この負荷入力電圧受付ステップで受け付けた負荷入力電圧を基にして前記第2のコンバータの出力電圧をこの負荷入力電圧に一致させる変換出力変更ステップと、
前記第2のコンバータの出力が前記負荷回路から要求する負荷入力電圧と一致したとき前記第1のコンバータに対して前記第2のコンバータの変換効率が最もよくなる前記中間バス電圧を出力するように設定する第1のコンバータ設定ステップ
とを具備することを特徴とする電源回路の中間バス電圧設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−148473(P2008−148473A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334034(P2006−334034)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】