説明

電源装置及び照明装置

【課題】簡単な構成で、電解コンデンサの寿命を判定する。
【解決手段】電圧測定回路130は、交流直流変換回路110の電解コンデンサの両端電圧を測定する。制御電源回路120は、交流電源ACからの電力供給が停止したのち、所定の時間が経過するまでの間、制御電源電力を生成する。制御装置150(寿命判定回路)は、制御電源回路120が生成した制御電源電力により動作する。制御装置150(電圧記憶部)は、交流電源ACからの電力供給が停止した場合に、電圧測定回路130が測定した電圧を記憶する。制御装置150(商算出部)は、交流電源ACからの電力供給が停止してから所定の時間が経過したのちに電圧測定回路130が測定した電圧を、記憶した電圧で割った商を算出する。制御装置150(寿命判定部)は、算出した商に基づいて、電解コンデンサの寿命を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電解コンデンサを用いた電源装置およびそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置の部品のうち、電解コンデンサは、最も寿命が短く、電解コンデンサの寿命が電源装置の寿命を決めるとされている。電解コンデンサは、経年劣化により静電容量が減少する。静電容量の減少によりリプル電流が多くなると、電解コンデンサ内部での発熱量が増加し、電解液が蒸発する。電解液の蒸発により電解コンデンサ内部の圧力が高まると、防爆弁が動作して、電解コンデンサが爆発するのを防ぐ。防爆弁が動作すると、電解コンデンサ内部の水蒸気(電解液)が外部に放出されるため、これを利用者が見ると、発火と誤認する場合がある。また、防爆弁が動作すると、電解コンデンサの容量が完全に抜けてしまうので、それ以降、電源装置を使い続けることができない。このため、電解コンデンサの防爆弁が動作する前に、電解コンデンサの寿命を判定し、利用者に電源装置の交換を促すことが必要である。
電解コンデンサの放電時定数を測定することにより、電解コンデンサの寿命を判定する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−6568号公報
【特許文献2】特開2008−306850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源装置の動作中に電解コンデンサの放電時定数を測定するには、電解コンデンサを動作中の回路から切り離す必要があり、回路構成が複雑になる。
また、電源装置が動作を停止したのちに電解コンデンサの放電時定数を測定するには、測定回路が動作を続けている必要がある。照明装置においては、照明装置全体に対する給電を停止することにより、動作を停止させる(すなわち消灯する)構成とする場合がある。その場合、測定回路に対する給電も停止するため、電解コンデンサの放電時定数を測定することができない。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、電解コンデンサの寿命を判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる電源装置は、交流電源から供給される交流電力を、直流電力に変換する電源装置において、電解コンデンサと、上記電解コンデンサの両端電圧を測定する電圧測定回路と、上記交流電源からの交流電力の供給が停止したのち、所定の時間が経過するまでの間、制御電源を生成する制御電源回路と、上記制御電源回路が生成した制御電源により動作し、上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧に基づいて、上記電解コンデンサが寿命であるか否かを判定する寿命判定回路とを有し、上記寿命判定回路は、上記交流電源からの交流電力の供給が停止した場合に上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧を記憶する電圧記憶部と、上記交流電源からの交流電力の供給が停止してから所定の時間が経過したのちに上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧を、上記電圧記憶部が記憶した上記電解コンデンサの両端電圧で割った商を算出する商算出部と、上記商算出部が算出した商に基づいて、上記電解コンデンサが寿命であるか否かを判定する寿命判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる電源装置によれば、制御電源回路が、交流電源からの交流電力の供給が停止したのち、所定の時間が経過するまでの間、制御電源を生成するので、簡単な構成で、電源装置の動作が停止したのちに、電解コンデンサの放電時定数を測定し、電解コンデンサの寿命を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明装置800の全体構成を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態1における照明装置800の回路構成を示す回路図。
【図3】実施の形態1における制御装置150の構成を示すブロック構成図。
【図4】実施の形態1における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図。
【図5】実施の形態1における平滑コンデンサC34の両端電圧を示す波形図。
【図6】実施の形態2における制御装置150の構成を示すブロック構成図。
【図7】実施の形態2における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図。
【図8】実施の形態3における制御装置150の構成を示すブロック構成図。
【図9】実施の形態3における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図。
【図10】実施の形態4における照明装置800の回路構成を示す回路図。
【図11】実施の形態4における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明装置800の全体構成を示すシステム構成図である。
照明装置800は、商用電源などの交流電源ACから電力の供給を受けて、LEDなどの光源を点灯する。照明装置800は、電源装置100と、光源回路810とを有する。
電源装置100は、交流電源ACから供給される交流電力を、光源回路810に供給する直流電力に変換する。電源装置100は、交流直流変換回路110と、制御電源回路120と、電圧測定回路130と、電源検出回路140と、制御装置150とを有する。
交流直流変換回路110は、交流電力を直流電力に変換する。交流直流変換回路110は、電解コンデンサを使った回路である。電解コンデンサは、例えば平滑コンデンサとして使われている。
制御電源回路120は、交流電源ACから供給される交流電力から、制御装置150や交流直流変換回路110を動作させるための直流電力(制御電源電力)を生成する。制御電源回路120は、ある程度のエネルギーを蓄積することができ、交流電源ACからの電力供給が停止したあと所定の時間(例えば数秒)の間、制御装置150を動作させる制御電源電力を供給することができる。例えば、制御電源回路120は、静電容量の大きな平滑コンデンサを有する。例えば、制御電源回路120の平滑コンデンサの静電容量が1000μF、制御電源電力の電圧が5V、制御装置150の動作電圧が3V〜5V、制御装置150の動作電流が1mAであれば、交流電源ACからの電力供給が停止したのち2秒間は、制御電源電力の電圧が3V以上を保っているので、その2秒間は、制御装置150が動作を続けることができる。なお、制御電源回路120の平滑コンデンサとして電解コンデンサを用いる場合、交流直流変換回路110の電解コンデンサよりも寿命が長いものを用いる。
電圧測定回路130は、交流直流変換回路110の電解コンデンサの両端電圧を測定する。電圧測定回路130は、測定した結果を表わす信号を生成し、生成した信号を出力する。
電源検出回路140(AC電源検出回路)は、交流電源ACからの電力供給があるか否かを検出する。電源検出回路140は、検出した結果を表わす信号を生成し、生成した信号を出力する。
制御装置150(寿命判定回路)は、制御電源回路120が生成した制御電源電力により動作して、交流直流変換回路110の動作を制御する。制御装置150は、電圧測定回路130が測定した電圧や、電源検出回路140が検出した電力供給の有無などに基づいて、交流直流変換回路110を動作させ、あるいは、動作を停止させる。制御装置150は、制御内容を表わす制御信号を生成し、生成した信号を出力する。交流直流変換回路110は、制御装置150が生成した制御信号にしたがって、動作し、あるいは、動作を停止する。
【0010】
図2は、この実施の形態における照明装置800の回路構成を示す回路図である。
光源回路810(LEDモジュール)は、複数の光源811を有する。光源811は、例えばLEDなどであり、直流電力により発光する。光源回路810は、例えば複数の光源811を直列に電気接続した回路である。
交流直流変換回路110は、全波整流回路111と、入力コンデンサC21と、力率改善回路112と、直流直流変換回路115とを有する。全波整流回路111は、交流電源ACから入力した交流電力を全波整流して、電圧波形が脈流の電力に変換する。全波整流回路111は、例えばダイオードブリッジDBを有する。ダイオードブリッジDBは、4つの整流素子をブリッジ接続した回路である。入力コンデンサC21は、全波整流回路111の出力に並列に電気接続したコンデンサであり、力率改善回路112で発生する高周波電流を吸収して、交流電源AC側に漏れないようにする。入力コンデンサC21は、静電容量が比較的小さく、例えばフィルムコンデンサである。
力率改善回路112は、交流直流変換回路110が入力する電力の力率を改善して1に近づける。また、力率改善回路112は、入力した電力を、所定の電圧の直流電力に変換する。力率改善回路112は、例えばブーストコンバータ回路であり、チョークコイルL31と、スイッチング素子Q32と、整流素子D33と、平滑コンデンサC34と、2つの分圧抵抗R41,R42と、帰還回路114と、制御回路113とを有する。チョークコイルL31と、スイッチング素子Q32とは、全波整流回路111の出力に対して、直列に電気接続している。整流素子D33と、平滑コンデンサC34とは、互いに直列に電気接続し、スイッチング素子Q32に並列に電気接続している。2つの分圧抵抗R41,R42は、互いに直列に電気接続し、平滑コンデンサC34に並列に電気接続している。平滑コンデンサC34は、電解コンデンサである。平滑コンデンサC34の両端は、力率改善回路112の出力として、直流直流変換回路115の入力に電気接続している。帰還回路114(フィードバック部)は、分圧抵抗R42の両端電圧を入力し、帰還信号を生成する。制御回路113は、制御電源回路120が生成した制御電源電力により動作し、帰還回路114が生成した帰還信号や、制御装置150が生成した制御信号に基づいて、スイッチング素子Q32をオンオフする駆動信号を生成する。なお、分圧抵抗R42の両端電圧を帰還信号として制御回路113が直接入力し、帰還回路114がない構成であってもよい。
チョークコイルL31は、力率改善回路112が入力する電流を制限する。制御回路113は、スイッチング素子Q32を高周波(例えば数百kHz)でオンオフすることにより、力率改善回路112が入力する電流を調整し、入力コンデンサC21が高周波成分を取り除いた入力電流波形が、全波整流回路111が全波整流した電圧波形と近似した波形になるようにする。2つの分圧抵抗R41,R42は、平滑コンデンサC34の両端電圧を分圧する。帰還回路114は、分圧抵抗R42の両端電圧が所定の電圧より高いか低いかを表わす帰還信号を生成する。制御回路113は、帰還回路114が生成した帰還信号に基づいて、平滑コンデンサC34の両端電圧が所定の電圧(例えば400V)になるよう制御する。平滑コンデンサC34の両端電圧が所定の電圧より高い場合、制御回路113は、例えばスイッチング素子Q32をオンオフする周波数を上げたりスイッチング素子Q32のオンデューティを小さくしたりして、力率改善回路112が入力する電流を減らす。これにより、平滑コンデンサC34を充電する電流が減るので、平滑コンデンサC34の両端電圧が低くなる。逆に、平滑コンデンサC34の両端電圧が所定の電圧より低い場合、制御回路113は、例えばスイッチング素子Q32をオンオフする周波数を下げたりスイッチング素子Q32のオンデューティを大きくしたりして、力率改善回路112が入力する電流を増やす。これにより、平滑コンデンサC34を充電する電流が増えるので、平滑コンデンサC34の両端電圧が高くなる。このようにして、制御回路113は、平滑コンデンサC34の両端電圧を所定の電圧に近づける。
【0011】
直流直流変換回路115は、力率改善回路112が生成した直流電力から、光源回路810に供給する直流電力を生成する。直流直流変換回路115は、光源回路810を流れる電流が所定の電流になるよう、生成する直流電力の電圧値を調整する。直流直流変換回路115は、例えばバックコンバータ回路であり、スイッチング素子Q51と、整流素子D52と、チョークコイルL53と、平滑コンデンサC54と、電流検出抵抗R61と、帰還回路117と、制御回路116とを有する。スイッチング素子Q51と、整流素子D52とは、力率改善回路112の出力に対して、直列に電気接続している。チョークコイルL53と、平滑コンデンサC54と、電流検出抵抗R61とは、互いに直列に電気接続し、整流素子D52に並列に電気接続している。平滑コンデンサC54は、電解コンデンサである。平滑コンデンサC54の両端は、直流直流変換回路115の出力として、光源回路810に電気接続している。帰還回路117(フィードバック部)は、電流検出抵抗R61の両端電圧を入力し、帰還信号を生成する。制御回路116は、制御電源回路120が生成した制御電源電力により動作し、帰還回路117が生成した帰還信号や、制御装置150が生成した制御信号に基づいて、スイッチング素子Q51をオンオフする駆動信号を生成する。なお、電流検出抵抗R61の両端電圧を帰還信号として制御回路116が直接入力し、帰還回路117がない構成であってもよい。
チョークコイルL53は、平滑コンデンサC54を充電する電流を制限する。制御回路116は、スイッチング素子Q51を高周波でオンオフすることにより、直流直流変換回路115が入力する電流を調整する。整流素子D52には、スイッチング素子Q51がオフのときの還流電流が流れる。帰還回路117は、電流検出抵抗R61の両端電圧を平滑化し、平滑化した電圧が所定の電圧より高いか低いかを表わす帰還信号を生成する。制御回路116は、帰還回路117が生成した帰還信号に基づいて、光源回路810を流れる電流が所定の電流になるよう制御する。光源回路810を流れる電流が所定の電流より多い場合、制御回路116は、例えばスイッチング素子Q51をオンオフする周波数を上げたりスイッチング素子Q51のオンデューティを小さくしたりして、直流直流変換回路115が入力する電流を減らす。これにより、平滑コンデンサC54を充電する電流が減るので、平滑コンデンサC54の両端電圧が低くなる。逆に、光源回路810を流れる電流が所定の電流より少ない場合、制御回路116は、例えばスイッチング素子Q51をオンオフする周波数を下げたりスイッチング素子Q51のオンデューティを大きくしたりして、直流直流変換回路115が入力する電流を増やす。これにより、平滑コンデンサC54を充電する電流が増えるので、平滑コンデンサC54の両端電圧が高くなる。このようにして、制御回路116は、光源回路810を流れる電流を所定の電流に近づける。
【0012】
電圧測定回路130は、2つの電圧測定回路130a,130bを有する。電圧測定回路130aは、平滑コンデンサC34の両端電圧を測定する。力率改善回路112において、分圧抵抗R41,R42が、平滑コンデンサC34の両端電圧を測定する役割を持っているので、力率改善回路112の分圧抵抗R41,R42を、電圧測定回路130aとして用いる。電圧測定回路130aは、平滑コンデンサC34の両端電圧を測定した結果として、分圧抵抗R42の両端電圧を出力する。2つの分圧抵抗R41,R42で平滑コンデンサC34の両端電圧を分圧しているので、分圧抵抗R42の両端電圧は、平滑コンデンサC34の両端電圧に比例する。
電圧測定回路130bは、平滑コンデンサC54の両端電圧を測定する。電圧測定回路130bは、例えば2つの分圧抵抗R71,R72を有する。2つの分圧抵抗R71,R72は、互いに直列に電気接続し、平滑コンデンサC54及び電流検出抵抗R61と並列に電気接続している。電圧測定回路130bは、平滑コンデンサC54の両端電圧を測定した結果として、分圧抵抗R72の両端電圧を出力する。2つの分圧抵抗R71,R72で平滑コンデンサC54の両端電圧と電流検出抵抗R61の両端電圧との合計電圧を分圧する。制御回路116が動作を停止しているとき、平滑コンデンサC54を充電する電流が流れないので、電流検出抵抗R61の両端電圧は0になる。このため、分圧抵抗R72の両端電圧は、平滑コンデンサC54の両端電圧に比例する。
【0013】
図3は、この実施の形態における制御装置150の構成を示すブロック構成図である。
制御装置150は、例えばマイコンである。マイコンは、図示していない記憶装置、処理装置、入力装置、出力装置などを有する。記憶装置は、例えば不揮発性メモリや揮発性メモリであり、処理装置が実行するプログラムや、処理装置が処理するデータなどを記憶する。処理装置は、記憶装置が記憶したプログラムを実行することにより、データを処理し、マイコン全体を制御する。入力装置は、例えばアナログデジタル変換回路であり、マイコンの外部から信号を入力して、処理装置が処理できるデータに変換する。出力装置は、例えばデジタルアナログ変換回路であり、処理装置が処理したデータや記憶装置が記憶したデータを、信号に変換して、マイコンの外部に出力する。記憶装置が記憶したプログラムを処理装置が実行することにより、以下に説明する機能ブロックを実現する。なお、制御装置150は、マイコンではなく、他の集積回路や、デジタル回路・アナログ回路などの電子回路などによって以下の機能ブロックを実現する構成であってもよい。
【0014】
制御装置150は、給電判定部151と、計時部152と、電圧入力部153と、電圧記憶部154と、商算出部155と、寿命判定部157と、判定結果記憶部158と、寿命通知部159とを有する。給電判定部151は、電源検出回路140が生成した信号を入力し、入力した信号に基づいて、交流電源ACからの電力供給の有無を判定する。計時部152は、給電判定部151の判定結果に基づいて、交流電源ACからの電力供給が停止してからの経過時間を計測する。電圧入力部153は、2つの電圧測定回路130a,130bが生成した信号を入力し、入力した信号に基づいて、2つの平滑コンデンサC34,C54それぞれの両端電圧を取得する。電圧入力部153は、給電判定部151の判定結果に基づいて、交流電源ACからの電力供給が停止したとき、1回目の電圧取得を実施する。また、電圧入力部153は、計時部152の計測結果に基づいて、交流電源ACからの電力供給が停止してから所定の時間(例えば1秒)が経過した時点において、2回目の電圧取得を実施する。電圧記憶部154は、電圧入力部153が1回目に取得した2つの平滑コンデンサC34,C54それぞれの両端電圧を記憶する。商算出部155は、電圧入力部153が2回目に取得した平滑コンデンサC34の両端電圧を、電圧記憶部154が記憶した電圧入力部153が1回目に取得した平滑コンデンサC34の両端電圧で割った商を算出する。平滑コンデンサC54についても同様に、商算出部155は、電圧入力部153が2回目に取得した平滑コンデンサC54の両端電圧を、電圧記憶部154が記憶した電圧入力部153が1回目に取得した平滑コンデンサC54の両端電圧で割った商を算出する。寿命判定部157は、商算出部155が算出した商に基づいて、2つの平滑コンデンサC34,C54それぞれが寿命であるか否かを判定する。寿命判定部157は、商算出部155が平滑コンデンサC34について算出した商を所定の閾値と比較して、商が閾値より小さければ平滑コンデンサC34が寿命であると判定する。平滑コンデンサC54についても同様に、商算出部155が平滑コンデンサC54について算出した商を所定の閾値と比較して、商が閾値より小さければ平滑コンデンサC54が寿命であると判定する。判定結果記憶部158は、寿命判定部157が判定した判定結果を記憶する。寿命通知部159は、判定結果記憶部158が記憶した判定結果に基づいて、2つの平滑コンデンサC34,C54のいずれかが寿命である場合に、そのことを利用者に通知する。例えば、寿命通知部159は、2つの制御回路113,116の動作を停止させる制御信号を生成し、光源811が点灯しないようにする。これにより、照明装置800の交換を利用者に促すことができる。あるいは、寿命通知部159は、制御回路113を動作させ、制御回路116を数秒間隔で動作・停止を繰り返させる制御信号を生成し、光源811を点滅させる。光源811を所定の時間点滅させた後、寿命通知部159は、2つの制御回路113,116を動作させる制御信号を生成し、光源811を点灯させる。これにより、照明装置800を交換するまでの間、照明装置800を使い続けることができる。また、利用者が照明装置800を交換せずにそのまま使い続けている場合には、光源811を点滅させる時間を少しずつ長くする構成であってもよい。あるいは、寿命通知部159は、表示装置を用いて異常を通知するメッセージを表示したり、音声出力装置を用いて異常を通知する音声を出力したりする構成であってもよい。
【0015】
なお、寿命通知部159は、2つの平滑コンデンサC34,C54のいずれかが寿命であると寿命判定部157が所定の回数連続して判定した場合に、寿命を通知する構成であってもよい。すなわち、1回の電源切断時の寿命判定だけでは誤判定の可能性があるので、複数回の電源切断時の寿命判定において、寿命であると寿命判定部157が繰り返し判定した場合に、寿命を通知する。例えば、判定結果記憶部158は、2つの平滑コンデンサC34,C54のいずれかが寿命であると寿命判定部157が判定した回数を記憶する。寿命判定部157は、寿命であると判定した場合、判定結果記憶部158が記憶した回数を1増やし、寿命でないと判定した場合、判定結果記憶部158が記憶した回数を0にする。寿命通知部159は、判定結果記憶部158が記憶した回数が所定の回数より多い場合に、寿命を通知する。
【0016】
図4は、この実施の形態における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図である。
点灯処理S500において、照明装置800は、光源811を点灯する。点灯処理S500は、寿命記憶判定工程S511と、寿命通知工程S512と、点灯工程S521と、給電判定工程S523と、電圧記憶工程S533と、待ち工程S534と、商算出工程S535と、寿命判定工程S536とを有する。交流電源ACからの電力供給が開始されると、制御装置150は、寿命記憶判定工程S511から処理を開始する。
寿命記憶判定工程S511において、寿命通知部159は、判定結果記憶部158が記憶した判定結果に基づいて、2つの平滑コンデンサC34,C54のいずれかが寿命であるか、2つの平滑コンデンサC34,C54のいずれも寿命でないかを判定する。寿命であると判定した場合、寿命通知部159は、寿命通知工程S512へ処理を進める。寿命でないと判定した場合、寿命通知部159は、点灯工程S521へ処理を進める。
寿命通知工程S512において、寿命通知部159は、寿命であると判定したことを利用者に通知する。その後、寿命通知部159は、点灯処理S500を終了する。
点灯工程S521において、制御装置150は、2つの制御回路113,116を動作させる制御信号を生成する。これにより、2つの制御回路113,116が動作を開始し、光源回路810に電力が供給されて、光源811が点灯する。
給電判定工程S523において、給電判定部151は、電源検出回路140が生成した信号に基づいて、交流電源ACからの電力供給が継続しているか停止したかを判定する。交流電源ACからの電力供給がある場合、制御装置150は、点灯工程S521に戻る。交流電源ACからの電力供給がなくなった場合、制御装置150は、電圧記憶工程S533へ処理を進める。
電圧記憶工程S533において、制御装置150は、2つの制御回路113,116の動作を停止させる制御信号を生成する。計時部152は、交流電源ACからの電力供給が停止してからの経過時間の測定を開始する。電圧入力部153は、電圧測定回路130aが生成した信号に基づいて、平滑コンデンサC34の両端電圧を取得する。また、電圧入力部153は、電圧測定回路130bが生成した信号に基づいて、平滑コンデンサC54の両端電圧を取得する。電圧記憶部154は、電圧入力部153が取得した平滑コンデンサC34の両端電圧と平滑コンデンサC54の両端電圧とを記憶する。
待ち工程S534において、計時部152は、交流電源ACからの電力供給が停止してからの経過時間の測定を続ける。交流電源ACからの電力供給が停止してからの経過時間が所定の時間に達した場合、電圧入力部153は、商算出工程S535へ処理を進める。なお、交流電源ACからの電力供給が停止してからの経過時間が所定の時間に達する前に、交流電源ACからの電力供給が再開した場合、給電判定部151は、点灯工程S521に処理を戻す。
商算出工程S535において、電圧入力部153は、電圧測定回路130aが生成した信号に基づいて、平滑コンデンサC34の両端電圧を取得する。また、電圧入力部153は、電圧測定回路130bが生成した信号に基づいて、平滑コンデンサC54の両端電圧を取得する。商算出部155は、平滑コンデンサC34について、電圧入力部153が取得した両端電圧を、電圧記憶部154が記憶した両端電圧で割った商を算出する。また、商算出部155は、平滑コンデンサC54についても、電圧入力部153が取得した両端電圧を、電圧記憶部154が記憶した両端電圧で割った商を算出する。寿命判定部157は、平滑コンデンサC34について、商算出部155が算出した商を所定の閾値と比較して、商が閾値より小さい場合に、平滑コンデンサC34が寿命であると判定する。また、寿命判定部157は、平滑コンデンサC54についても、商算出部155が算出した商を所定の閾値と比較して、商が閾値より小さい場合に、平滑コンデンサC54が寿命であると判定する。判定結果記憶部158は、寿命判定部157の判定結果を記憶する。制御装置150は、点灯処理S500を終了する。
【0017】
図5は、この実施の形態における平滑コンデンサC34の両端電圧を示す波形図である。
実線で示した電圧621および破線で示した電圧622は、ともに、平滑コンデンサC34の両端電圧を表わす。電圧621は平滑コンデンサが新品である場合、電圧622は平滑コンデンサが経年劣化して静電容量が小さくなった場合である。
時刻611において、交流電源ACからの電力供給が停止する。これを給電判定部151が判定して、時刻612において、電圧測定回路130aが生成した信号に基づいて、電圧入力部153が平滑コンデンサC34の両端電圧を取得する。平滑コンデンサC34の両端電圧は、自然放電によって少しずつ低くなる。時刻612から所定の時間が経過した時刻613において、電圧測定回路130aが生成した信号に基づいて、電圧入力部153が平滑コンデンサC34の両端電圧を取得する。商算出部155は、時刻613において取得した両端電圧を、時刻612において取得した両端電圧で割った商を算出する。
このように、照明装置800は、電源切断時における電解コンデンサの自然放電による電圧低下の割合を測定する。経年劣化などにより電解コンデンサの静電容量が小さくなると、自然放電による電圧低下率が大きくなる。このため、商算出部155が算出する商の値が小さくなる。寿命判定部157は、商算出部155が算出した商の値が、あらかじめ定めた閾値より小さくなった場合に、電解コンデンサが寿命であると判定する。
【0018】
照明装置800に対する電力供給が停止したあとに寿命判定をするため、制御装置150は、電力供給停止後、数秒程度動作し続ける必要がある。このため、制御電源回路120は、制御装置150を数秒程度動作させ続けることができる程度の電気エネルギーを蓄積する。電力供給停止後すぐに制御回路113,116の動作を停止させるので、その後、制御電源回路120が蓄積した電気エネルギーを消費するのは、制御装置150だけになる。なお、電解コンデンサを自然放電させるのではなく、放電回路を用いて、強制放電させる構成としてもよい。放電回路は、電源検出回路140の検出結果に基づいて、交流電源ACからの電力供給が停止した場合に、電解コンデンサを放電する。そうすれば、2回目の電圧測定をするまでの待ち時間を短くすることができるので、制御電源回路120が蓄積すべき電気エネルギーの量を減らすことができる。
また、2つの平滑コンデンサC34,C54の両端電圧を測定するのではなく、いずれか一方(例えば平滑コンデンサC34)の両端電圧だけを測定する構成としてもよい。その場合、両端電圧を測定しない平滑コンデンサは、両端電圧を測定する平滑コンデンサよりも寿命が長いものを用いる。そうすれば、両端電圧を測定する平滑コンデンサのほうが、両端電圧を測定しない平滑コンデンサよりも早く寿命を迎えるので、両端電圧を測定する平滑コンデンサの静電容量だけを監視すればよい。
なお、この例における交流直流変換回路110は、力率改善回路112と、直流直流変換回路115との二段構成であり、電解コンデンサが2つある。交流直流変換回路110は、電解コンデンサが1つしかない一段構成であってもよいし、電解コンデンサが3つ以上ある構成であってもよい。電解コンデンサが3つ以上ある構成の場合、すべての電解コンデンサの両端電圧を測定する構成であってもよいし、最も寿命が短いと予想される1つあるいは少数の電解コンデンサの両端電圧を測定し、それ以外は測定しない構成であってもよい。
また、電圧入力部153は、電解コンデンサの両端電圧を2回測定するだけでなく、3回以上測定する構成であってもよい。測定間隔が同じであれば、各回の測定電圧に対する次の回の測定電圧の比は、同じになるはずである。例えば、商算出部155は、2回目以降の測定電圧を、前の回の測定電圧で割った商をそれぞれ算出し、算出した商の平均値を算出する。これにより、電解コンデンサの寿命判定の精度を高めることができる。
なお、1回目の電圧測定は、交流電源ACからの電力供給が停止した直後でなくてもよく、例えば、電圧入力部153は、交流電源ACからの電力供給がある間に、あらかじめ測定しておく構成であってもよいし、電圧入力部153は、交流電源ACからの電力供給が停止したのち、所定の時間が経過したのちに1回目の電圧測定をする構成であってもよい。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態2について、図6〜図7を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0020】
図6は、この実施の形態における制御装置150の構成を示すブロック構成図である。
制御装置150は、実施の形態1で説明した機能ブロックに加えて、閾値記憶部156を有する。閾値記憶部156(閾値算出部)は、商算出部155が算出した商に基づいて、電解コンデンサが寿命であるか否かを判定する閾値を算出し、算出した閾値を記憶する。例えば、閾値記憶部156は、照明装置800の使用開始時において商算出部155が最初に算出した商に、所定の係数(例えば0.8)を乗じた積を算出して、閾値として記憶する。寿命判定部157は、商算出部155が算出した商が、閾値記憶部156が記憶した閾値より小さい場合に、電解コンデンサが寿命であると判定する。
【0021】
実施の形態1では、電解コンデンサの電圧低下率を、あらかじめ定めた閾値と比較することで、電解コンデンサの容量低下(すなわち寿命)を判定する。しかし、電解コンデンサの自然放電量(もしくは強制放電量)にはバラツキがある可能性がある。この実施の形態では、最初に、電解コンデンサの自然放電量(もしくは強制放電量)を測定し、それに基づいて閾値を定める。これにより、寿命判定の精度が高くなる。
【0022】
図7は、この実施の形態における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図である。
点灯処理S500は、実施の形態1で説明した工程に加えて、閾値記憶工程S537を有する。
商算出工程S535において、閾値記憶部156が閾値を既に記憶済である場合、制御装置150は、寿命判定工程S536へ処理を進める。閾値記憶部156がまだ閾値を記憶していない場合、制御装置150は、閾値記憶工程S537へ処理を進める。
閾値記憶工程S537において、閾値記憶部156は、商算出工程S535で商算出部155が算出した商に所定の係数を乗じた積を算出する。閾値記憶部156は、算出した積を閾値として記憶する。制御装置150は、点灯処理S500を終了する。
【0023】
なお、閾値記憶部156は、照明装置800の使用開始後最初の電源切断時に、商算出部155が算出した商に基づいて閾値を算出するのではなく、照明装置800の使用開始後最初の複数回の電源切断時にわたって、商算出部155が各電源切断時に1つずつ算出した複数の商に基づいて閾値を算出する構成であってもよい。例えば、閾値記憶部156は、商算出部155が最初の複数回にわたって算出した商の平均値を算出し、算出した平均値に所定の係数を乗じた積を算出し、算出した積を閾値として記憶する。例えば、閾値記憶部156は、商算出部155が商を算出した回数(初期値0)と、商算出部155が算出した商の合計値(初期値0)とを記憶する。閾値記憶部156は、記憶した回数が所定の回数未満である場合、記憶した合計値に商算出部155が算出した商を加え、記憶した回数に1を加える。すなわち、閾値記憶部156は、照明装置800の使用開始後、電源が切断された回数を数える。閾値記憶部156は、記憶した回数が所定の回数に達した場合、記憶した合計値を、記憶した回数で割った商(すなわち平均値)を算出し、算出した平均値に所定の係数を乗じた積を算出して、閾値として記憶する。複数回の測定結果に基づいて閾値を算出するので、測定誤差の影響が小さくなり、寿命判定の精度が高くなる。
【0024】
実施の形態3.
実施の形態3について、図8〜図9を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0025】
図8は、この実施の形態における制御装置150の構成を示すブロック構成図である。
制御装置150は、実施の形態2で説明した構成に加えて、累積時間記憶部161を有する。計時部152は、給電判定部151の判定結果に基づいて、交流電源ACからの電力供給が停止したのち、交流電源ACからの電力供給が停止してから経過時間を測定するだけでなく、交流電源ACからの電力供給が継続している間、交流電源ACからの電力供給が開始してからの経過時間を測定する。累積時間記憶部161は、計時部152が測定した経過時間に基づいて、照明装置800が交流電源ACからの電力供給を受けた累積時間を算出し、算出した累積時間を記憶する。閾値記憶部156は、累積時間記憶部161が記憶した累積時間が所定の時間(初期時間)より短い場合、商算出部155がそれまでに算出した商の平均値に基づいて、閾値を算出し、記憶する。閾値記憶部156は、あらかじめ、商算出部155が商を算出した回数(初期値0)と、商算出部155が算出した商の合計値(初期値0)とを記憶しておき、記憶した合計値と回数とに基づいて、商算出部155が算出した商の平均値を算出する。閾値記憶部156が累積時間と比較する初期時間は、電解コンデンサがまだ経年劣化していないことが確実な時間であり、例えば電解コンデンサの予測平均寿命が4万時間であれば、例えば1000時間程度に設定する。寿命判定部157は、累積時間記憶部161が記憶した累積時間が所定の時間(末期時間)より長い場合、商算出部155が算出した商を、閾値記憶部156が記憶した閾値と比較して、電解コンデンサが寿命か否かを判定する。寿命判定部157が累積時間と比較する末期時間は、電解コンデンサが経年劣化により寿命を迎える可能性が出てくる時間であり、例えば電解コンデンサの予測平均寿命が4万時間であれば、例えば2万時間程度に設定する。
【0026】
図9は、この実施の形態における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図である。
点灯処理S500は、実施の形態2で説明した工程に加えて、通電時間累積工程S522と、累積時間判定工程S531とを有する。
点灯工程S521において、計時部152は、交流電源ACからの電力供給が開始してから所定の時間(例えば1時間)が経過するたびに、通電時間累積工程S522へ処理を進める。それ以外の場合、計時部152は、給電判定工程S523へ処理を進める。
通電時間累積工程S522において、累積時間記憶部161は、記憶した累積時間に1を加え、更新した累積時間を記憶する。制御装置150は、給電判定工程S523へ処理を進める。
給電判定工程S523において、交流電源ACからの電力供給が停止した場合、制御装置150は、累積時間判定工程S531へ処理を進める。
累積時間判定工程S531において、閾値記憶部156は、累積時間記憶部161が記憶した累積時間を所定の初期時間と比較する。累積時間が初期時間より短い場合、制御装置150は、電圧記憶工程S533へ処理を進める。累積時間が初期時間より長い場合、寿命判定部157は、累積時間記憶部161が記憶した累積時間を所定の末期時間と比較する。累積時間が末期時間より長い場合、制御装置150は、電圧記憶工程S533へ処理を進める。累積時間が末期時間より短い場合、制御装置150は、点灯処理S500を終了する。
商算出工程S535において、累積時間記憶部161が記憶した累積時間が初期時間より短い場合、制御装置150は、閾値記憶工程S537へ処理を進める。累積時間が末期時間より長い場合、制御装置150は、寿命判定工程S536へ処理を進める。
閾値記憶工程S537において、閾値記憶部156は、記憶した合計値に、商算出工程S535で商算出部155が算出した商を加え、更新した合計値を記憶する。閾値記憶部156は、記憶した回数に1を加え、更新した回数を記憶する。閾値記憶部156は、記憶した合計値を、記憶した回数で割った商を算出して平均値を求め、求めた平均値に所定の係数を乗じた積を算出して、算出した積を閾値として記憶する。
【0027】
このように、照明装置800の通電累積時間が所定の末期時間より短い場合は、寿命判定をしないことにより、照明装置800の消費電力を抑えることができる。また、照明装置800の通電累積時間が所定の初期時間より短い間に商算出部155が算出した商の平均値に基づいて寿命判定の閾値を算出するので、寿命判定の精度を高めることができる。
【0028】
なお、累積時間記憶部161は、通電時間を累積した時間ではなく、照明装置800の製造後の経過時間を測定し、記憶する構成であってもよい。電解コンデンサは、通電していなくても経年劣化する場合があるからである。その場合、累積時間記憶部161は、リチウム電池などの電源を独自に有し、その電源によって動作する時計により、製造後の経過時間を測定する。
【0029】
実施の形態4.
実施の形態4について、図10〜図11を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0030】
図10は、この実施の形態における照明装置800の回路構成を示す回路図である。
制御電源回路120は、全波整流回路111の出力ではなく、力率改善回路112の出力から電力を取得して、制御電源電力を生成する。これにより、交流電源ACからの電力供給が停止したあとも、平滑コンデンサC34に蓄積された電気エネルギーから制御電源電力を生成することができるので、制御電源回路120に電気エネルギーを蓄積する必要がない。このため、制御電源回路120には、静電容量が比較的小さい平滑コンデンサを用いることができる。制御電源回路120の平滑コンデンサとして、電解コンデンサではなく、セラミックコンデンサなど他の種類のコンデンサを使うことにより、電解コンデンサである平滑コンデンサC34や平滑コンデンサC54よりも確実に寿命が長くなる。
また、制御電源回路120が、平滑コンデンサC34を放電する放電回路の役割を果たすので、電圧入力部153が2回目の電圧測定をするまでの待ち時間を短くすることができる。また、平滑コンデンサC34を単に放電して平滑コンデンサC34に蓄積された電気エネルギーを無駄にするのではなく、制御装置150の動作に利用するので、照明装置800が消費する電力を抑えることができる。
【0031】
図11は、この実施の形態における点灯処理S500の流れを示すフローチャート図である。
点灯処理S500は、実施の形態3で説明した工程に加えて、寿命記憶工程S532を有する。
累積時間判定工程S531において、累積時間記憶部161が記憶した累積時間が所定の末期時間より長い場合、制御装置150は、寿命記憶工程S532へ処理を進める。累積時間が所定の初期時間より短い場合、制御装置150は、電圧記憶工程S533へ処理を進める。
寿命記憶工程S532において、判定結果記憶部158は、仮に、電解コンデンサが寿命であると寿命判定部157が判定したものと仮定して、判定結果を記憶する。
寿命判定工程S536において、判定結果記憶部158は、寿命判定部157による正式な判定結果を記憶する。
【0032】
この実施の形態における照明装置800は、交流電源ACからの電力供給が停止したのち、平滑コンデンサC34に蓄積された電気エネルギーから、制御電源回路120が制御電源電力を生成する。経年劣化により平滑コンデンサC34の静電容量が小さくなった場合、平滑コンデンサC34に蓄積された電気エネルギーの量が減るので、2回目の電圧測定をするまでの待ち時間が経過する前に、制御装置150が動作を継続できなくなる可能性がある。しかし、その場合は、平滑コンデンサC34の静電容量が小さくなったことが原因であるから、寿命判定部157による判定を待たずとも、平滑コンデンサC34が寿命であると判断できる。
寿命判定工程S536まで到達することなく、待ち工程S534の実行中に制御装置150が動作を停止した場合、判定結果記憶部158は、寿命記憶工程S532で記憶した内容を保持している。すなわち、判定結果記憶部158は、電解コンデンサが寿命であるという判定結果を記憶している。
【0033】
このように、制御装置150が動作を所定の時間継続できなくなった場合にも、平滑コンデンサC34が寿命であると判定するので、平滑コンデンサC34の寿命を正しく判定することができる。
【符号の説明】
【0034】
100 電源装置、110 交流直流変換回路、111 全波整流回路、112 力率改善回路、113,116 制御回路、114,117 帰還回路、115 直流直流変換回路、120 制御電源回路、130 電圧測定回路、140 電源検出回路、150 制御装置、151 給電判定部、152 計時部、153 電圧入力部、154 電圧記憶部、155 商算出部、156 閾値記憶部、157 寿命判定部、158 判定結果記憶部、159 寿命通知部、161 累積時間記憶部、611〜613 時刻、621,622 電圧、800 照明装置、810 光源回路、811 光源、AC 交流電源、C21 入力コンデンサ、D33,D52 整流素子、C34,C54 平滑コンデンサ、DB ダイオードブリッジ、L31,L53 チョークコイル、Q32,Q51 スイッチング素子、R41,R42,R71,R72 分圧抵抗、R61 電流検出抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から供給される交流電力を、直流電力に変換する電源装置において、
電解コンデンサと、
上記電解コンデンサの両端電圧を測定する電圧測定回路と、
上記交流電源からの交流電力の供給が停止したのち、所定の時間が経過するまでの間、制御電源を生成する制御電源回路と、
上記制御電源回路が生成した制御電源により動作し、上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧に基づいて、上記電解コンデンサが寿命であるか否かを判定する寿命判定回路とを有し、
上記寿命判定回路は、
上記交流電源からの交流電力の供給が停止した場合に上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧を記憶する電圧記憶部と、
上記交流電源からの交流電力の供給が停止してから所定の時間が経過したのちに上記電圧測定回路が測定した上記電解コンデンサの両端電圧を、上記電圧記憶部が記憶した上記電解コンデンサの両端電圧で割った商を算出する商算出部と、
上記商算出部が算出した商に基づいて、上記電解コンデンサが寿命であるか否かを判定する寿命判定部とを有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
上記寿命判定回路は、
上記寿命判定部が判定した判定結果を記憶する判定結果記憶部を有し、
上記電源装置は、上記判定結果記憶部が記憶した判定結果に基づいて、上記電解コンデンサが寿命である場合に、動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
上記寿命判定部は、上記商算出部が算出した商を所定の閾値と比較して、上記商が上記閾値より小さい場合に、上記電解コンデンサが寿命であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
上記寿命判定回路は、
上記商算出部が算出した商に基づいて、閾値を算出する閾値算出部と、
上記閾値算出部が算出した閾値を記憶する閾値記憶部とを有し、
上記寿命判定部は、上記商算出部が算出した商を上記閾値記憶部が記憶した閾値と比較して、上記商が上記閾値より小さい場合に、上記電解コンデンサが寿命であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
上記閾値算出部は、上記商算出部が最初に算出した商、または、上記商算出部が最初の複数回に亙り算出した複数の商の平均値に、所定の係数を乗じることにより、上記閾値を算出することを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
上記制御電源回路は、上記電解コンデンサに充電されたエネルギーを用いて、上記制御電源を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
上記寿命判定部は、上記商算出部が商を算出する前に、上記寿命判定回路が動作不能になった場合に、上記電解コンデンサが寿命であると判定することを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
上記電源装置は、力率改善回路及び直流直流変換回路の少なくともいずれかを有し、
上記電解コンデンサは、上記力率改善回路または上記直流直流変換回路の一部であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電源装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電源装置と、
上記電源装置が変換した直流電力の供給を受けて点灯する光源とを有することを特徴とする照明装置。
【請求項10】
上記照明装置は、
上記電解コンデンサが寿命であると上記寿命判定部が判定した場合に、上記光源を点滅する寿命通知部を有することを特徴とする請求項9に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−60814(P2012−60814A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202863(P2010−202863)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】