説明

電源装置

【課題】 効率よく電子部品を冷却することができる電源装置を提供すること。
【解決手段】 複数の電子部品2と、ファン4とを備え、ファン4から吐出された空気が送り込まれる送り込み口を有する長手状の風路6が形成され、風路6を流れる空気によって複数の電子部品2が冷却されるように構成された電源装置A1であって、上記送り込み口は、風路6の長手方向に移動可能である。このような構成によると、風路6における吸熱能力の高い位置を移動させることができる。これにより、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制することができる。その結果、複数の電子部品2を効率的に冷却することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気冷却のためのファンを備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の溶接用の電源装置には、各種の電子部品を空気冷却するためのファンと、そのファンによる風が通り抜けるトンネル状の放熱ユニットとを備えたものがある(たとえば、特許文献1を参照)。同文献に開示された電源装置では、放熱ユニットの長手方向一端部にファンが設けられ、放熱ユニットの側壁に沿って電子部品が配置されている。ファンにより放熱ユニット内に送り込まれた風は、放熱ユニットの長手方向に沿って真っ直ぐ流れ、電子部品の熱を奪いながら放熱ユニットの長手方向他端部の出口から吹き出るように構成されている。
【0003】
このような電源装置では、ファンに対して遠い位置にある電子部品が近い位置のものよりも冷却されにくく、電子部品の位置によって冷却効果に差が生じるので、放熱ユニットの側壁に沿う電子部品を効率よく冷却することができないという難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−229644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、効率よく電子部品を冷却することができる電源装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される電源装置は、複数の電子部品と、ファンとを備え、上記ファンから吐出された空気が送り込まれる送り込み口を有する長手状の風路が形成され、上記風路を流れる空気によって上記複数の電子部品が冷却されるように構成された電源装置であって、上記送り込み口は、上記風路の長手方向に移動可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記長手方向に沿って配置された複数の温度センサと、各温度センサに計測された温度に基づき、上記送り込み口を移動させる送込口移動部とをさらに備える。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の温度センサはそれぞれ、各電子部品の温度を計測する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ファンは、空気を吐出する吐出口を有し、かつ、上記吐出口が上記風路に臨むように配置されており、上記送込口移動部は、上記ファンを上記長手方向に沿って移動させる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の電子部品にて発生した熱が伝導され、かつ、上記風路に臨むヒートシンクをさらに備える。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ヒートシンクは、上記長手方向に延び、かつ、互いに隙間を介して並列された複数のフィンを含む。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の電子部品は、上記ヒートシンクに直接配置されている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記風路に臨む開口が形成された仕切板をさらに備え、上記ファンは、上記仕切板に対し相対移動可能に上記仕切板に設けられているとともに、上記開口を通して空気を上記風路に向かって吐出する。
【0014】
本発明の第2の側面によって提供される電源装置は、複数の電子部品と、ファンとを備え、上記ファンから吐出された空気が送り込まれる長手状の風路が形成され、上記風路を流れる空気によって上記複数の電子部品が冷却されるように構成された電源装置であって、上記ファンから吐出された空気の上記風路への送り込み方向が変化可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記長手方向に沿って配置された複数の温度センサと、各温度センサに計測された温度に基づき、上記送り込み方向を変化させる送込方向変化部とをさらに備える。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の温度センサはそれぞれ、各電子部品の温度を計測する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ファンは、空気を吐出する吐出口を有し、かつ、上記吐出口が上記風路に臨むように配置されており、上記送込方向変化部は、上記ファンを上記長手方向に交差する軸を中心に回動させる。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記送込方向変化部は、上記風路に臨み、かつ、上記吐出口から吐出された空気が流れる方向を変化させる複数の風向板を含み、各風向板は、上記長手方向に交差する軸を中心に回動する。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電源装置の要部分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる電源装置の要部分解斜視図である。
【図3】図1、図2のIII−III線に沿う要部断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】図3、図4のV−V線に沿う要部断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる電源装置の電源装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる電源装置の使用状態の一例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる電源装置の正面図である。
【図9】図8に示した電源装置の右側面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う要部断面図である。
【図11】図9、図10のXI−XI線に沿う要部断面図である。
【図12】図9、図10のXII−XII線に沿う要部断面図である。
【図13】図9、図10のXIII−XIII線に沿う要部断面図である。
【図14】図9、図10のXIV−XIV線に沿う要部断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態にかかる電源装置の機能ブロック図である。
【図16】本発明の第3実施形態にかかる電源装置の要部断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態にかかる電源装置の機能ブロック図である。
【図18】本発明の第4実施形態にかかる電源装置の要部断面図である。
【図19】図18に示した電源装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態にかかる電源装置の要部分解斜視図である。図2は、本実施形態にかかる電源装置の要部分解斜視図である。図3は、図1、図2のIII−III線に沿う要部断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。図5は、図3、図4のV−V線に沿う要部断面図である。図6は、本実施形態にかかる電源装置の機能ブロック図である。図1、図2、図4においては、一部の構成を透視化して示している。これらの図に示す電源装置A1は、たとえばアーク溶接に必要な大電流および高電圧を出力させるために用いられる。
【0023】
電源装置A1は、基本的な構成要素として、ケース1と、複数の電子部品2と、ヒートシンク3と、ファン4と、スライド部材5と、ガイドレール7と、複数の温度センサ81(図1では略)と、送込口移動部82とを備える。
【0024】
図1、図2に示すケース1は、鉄などの金属よりなる。ケース1は、ベース部材11と、カバー12と、複数の仕切板13,14,15とを含む。ベース部材11は、矩形状の平板部材である。ベース部材11の下面には、ブラケットを介して複数の車輪10が軸支されている。これらの車輪10により、電源装置A1は床面を移動できる。カバー12は、箱状を呈し、ベース部材11上に配置されている。カバー12は、電源装置A1の内部機器を保護するためのものである。カバー12には、吸気孔120、および排気孔122が設けられている。吸気孔120、もしくは排気孔122を通り、カバー12の内部と外部との間を空気が流通可能となっている。
【0025】
仕切板13および仕切板14はいずれも、矩形状であり、ベース部材11に立設されている。仕切板13および仕切板14は互いに平行に配置されている。図3に示すように、仕切板13の縁および仕切板14の縁はいずれも、ベース部材11およびカバー12に当接する。図3、図5に示すように、仕切板13には、長矩形状の開口130が形成されている。仕切板14には、矩形状の開口140が形成されている。
【0026】
図1、図2に示すように、仕切板15は、ベース部材11と平行に配置されている。仕切板15の縁はカバー12と、仕切板13と、仕切板14とに当接する。仕切板15は、カバー12に囲まれた空間を、上段の空間と下段の空間とに区分するためのものである。
【0027】
図1〜図3に示すように、電源装置A1には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板13,15とに囲まれた空間B1が形成されている。空間B1には吸気孔120が臨む。吸気孔120を通り、空間B1と電源装置A1の外部との間を空気が流通可能となっている。また電源装置A1には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板13,14,15とに囲まれた風路6が形成されている。風路6は図3の上下方向に延びる長手状である。風路6には、開口130、および排気孔122が臨む。また電源装置A1には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板14,15とに囲まれた空間B2が形成されている。
【0028】
図3によく表れているように、複数の電子部品2は、空間B2に収容されている。複数の電子部品2は、たとえばネジ(図示略)を用いて、後述のヒートシンク3に直接配置されている。複数の電子部品2は、風路6の長手方向に沿って配置されている。各電子部品2は、たとえば溶接用の電圧を発生させるため電源回路を構成する素子である。このような素子としては、たとえば、スイッチング素子、ダイオード、コンデンサ、トランス、又はリアクトルが挙げられる。電子部品2は、作動時に発熱しやすい。各電子部品2には、上述の電源回路を構成する配線が接続されている。
【0029】
図1〜図3に示すヒートシンク3は、開口140を塞ぐように、仕切板14に配置されている。ヒートシンク3は、たとえばアルミニウムなどの熱伝導率が比較的大きい材料よりなる。ヒートシンク3は、電子部品2にて発生した熱を効率良く空気中に放つ機能を担う。上述のようにヒートシンク3には、複数の電子部品2が直接配置されている。そのため、ヒートシンク3には、電子部品2にて発生した熱が直接伝わる。
【0030】
ヒートシンク3は、基部31および複数のフィン32を含む。基部31は、図3の上下方向に延びる平板状であり、仕切板14に対し固定されている。複数のフィン32はいずれも、図3の上下方向に長手状に延びる平板状であり、かつ、互いに隙間を介して並列されている。フィン32はそれぞれ、その長辺が基部31に沿うように基部31に立設されている。フィン32は、ヒートシンク3の表面積を大きくすることにより、ヒートシンク3の放熱効果を高める。
【0031】
図1〜図5に示すスライド部材5は、後述のファン4を風路6の長手方向に沿って移動させるためのものである。スライド部材5は、支持板51と、複数のスラット板52とを含む。図3、図5に示すように、支持板51は、たとえばステンレスよりなり、開口510が形成されている。複数のスラット板52は、屈曲可能に互いに連接されている。複数のスラット板52のうち支持板51側に位置するものは、支持板51に連接されている。そのため、複数のスラット板52は、支持板51とともに移動する。
【0032】
図1〜図5に示すファン4は、吸込口41と吐出口42とを有し、吸込口41から吸込んだ空気を吐出口42から吐出する。ファン4としては、たとえば、軸流式のファン、シロッコファンが挙げられる。本実施形態においては、ファン4は軸流式のものである。このような軸流式のファン4は、プロペラ43と、プロペラ43を所定の軸を中心に回転させる図示しない電動機とを含む。この軸方向の両端側に、吸込口41と吐出口42とが位置する。図3〜図5によく表れているように、本実施形態においてファン4は、空間B1に収容されている。ファン4は、支持板51に搭載および固定されている。ファン4は、支持板51に形成された開口510と、仕切板13に形成された開口130とに重なるように配置されている。そのため、ファン4は、吐出口42がヒートシンク3に対向する。なお、吸込口41には図示しないファンガードが設けられていてもよい。
【0033】
ファン4が作動すると、電源装置A1の外部の空気が吸気孔120を通り空間B1に導かれ、吸込口41に吸い込まれる。吸込口41に吸い込まれた空気は、吐出口42から吐出され、開口510と開口130とを通り、風路6に送り込まれる。本実施形態においては、風路6のうち吐出口42とつながる領域が、空気の風路6への送り込み口である。
【0034】
風路6は、ファン4が吐出した空気を流通させ、流通する空気にヒートシンク3の熱を効率良く放出させるためのものである。図3に示すように、風路6にはヒートシンク3が臨む。ファン4から吐出されヒートシンク3に当たった空気は、フィン32の隙間をフィン32に沿って風路6の長手方向両端へと流れる。フィン32に沿って流れる空気は、表面積が比較的大きいフィン32から多くの熱を奪う。風路6内の長手方向両端に流れた空気は、排気孔122を通って電源装置A1の外部に出る。
【0035】
図4に示すように、ガイドレール7は、たとえばステンレスなどの金属よりなり、スライド部材5をガイドするためのものである。図3に示すように、ガイドレール7は、仕切板13およびカバー12に沿う形状である。ガイドレール7に沿ってスライド部材5がスライドすることにより、ファン4が風路6の長手方向に移動可能となっている。
【0036】
図3、図6に示す各温度センサ81は、風路6の長手方向に沿って、ヒートシンク3に配置されている。本実施形態においては、温度センサ81はそれぞれ、各電子部品2の温度を計測するためのものである。図6に示すように、温度センサ81は計測した温度に関する温度情報Tsを、図示しない配線を介して、送込口移動部82に送る。
【0037】
送込口移動部82は、電子部品2の温度が上昇しすぎないように、各温度センサ81に計測された各電子部品2の温度に基づき、風路6への空気の送り込み口の位置(以下、送り込み位置という)を変化させるものである。送込口移動部82は、制御部821および移動機構822を含む。
【0038】
図3、図6に示す制御部821は、たとえばICチップであり、ヒートシンク3もしくは仕切板14に搭載されている。制御部821は、温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み口の位置を計算する。制御部821は、このような最適な空気の送り込み位置に関する信号を、移動機構822に送る。本実施形態において、空気の送り込み位置に関する信号は、後述のモータ831の回転方向と回転数とに関する回転信号Rsである。
【0039】
図4〜図6に示す移動機構822は、制御部821から空気の送り込み位置に関する信号を受け、ファン4およびスライド部材5を移動させる機構である。図4、図5に示すように、移動機構822は、モータ831と、ボールネジ832と、ナット833とを含む。
【0040】
モータ831は、仕切板13に固定されている。モータ831としては、ステッピングモータが好適に使用される。モータ831は、制御部821から回転信号Rsを受けることにより駆動する。ボールネジ832は、モータ831の軸に直結されている。ナット833は、支持板51に固定されており、かつ、ボールネジ832と螺合している。モータ831の軸が回転すると、ボールネジ832が回転する。ボールネジ832が回転すると、ナット833が固定された支持板51とともにファン4がボールネジ832の回転軸方向に移動する。このように、ファン4は風路6の長手方向に沿って移動する。
【0041】
次に、電源装置A1の動作について説明する。
【0042】
電源装置A1の駆動を開始する時点においては、たとえば、ファン4を風路6の長手方向の略中間(図3参照)に位置させる。電源装置A1の駆動が開始されると、溶接用の電流や電圧を出力するため、複数の電子部品2には電流が流れる。これにより、複数の電子部品2が発熱する。電子部品2にて発生した熱は、主として、ヒートシンク3に直接伝わる。一方、電源装置A1が駆動すると、ファン4への電力の供給が開始され、空気が吐出口42から風路6に送り出される。ファン4が空気を吐出する方向は、風路6の長手方向に交差する方向(図では風路6の長手方向に直交する方向)であり、かつ、各フィン32の面内方向に沿う方向である。
【0043】
風路6に送られた空気はフィン32どうしに挟まれた隙間に入り込む。フィン32の隙間に入り込んだ空気は、フィン32の熱を奪いながら、風路6の長手方向両端へと流れる。風路6にて空気は、フィン32の熱を奪いながら流れるので、上流側から下流側にいくに従い、温度が高くなる。そのためファン4により吐出された時に比べ温度が高くなった空気が、排気孔122から吹き出る。このように、電子部品2にて発生した熱は、ヒートシンク3に直接伝わり、さらに風路6を流れる空気によって、電源装置A1の外部へと効率よく放出される。
【0044】
電源装置A1の駆動時において、図3、図6に示す制御部821には、各温度センサ81から各電子部品2の温度情報Tsが逐次送られる。制御部821は、各温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み位置を計算する。たとえば、複数の電子部品2のうち図3の最上部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えている場合を想定する。この場合、制御部821は、複数の電子部品2のうち図6の最上部に示したものを効率よく冷却するためには、高温の電子部品2に向かって空気を送り込むような図7に示す送り込み位置が最適であると判断する。このとき、制御部821は既に、公知の工程を経ることにより、図3に示す風路6の長手方向におけるファン4の位置に関する情報を得ている。制御部821は、ファン4の位置に関する当該情報を用いて、図3に示すファン4の位置から図7に示す送り込み位置へとファン4を移動させるために要するモータ831の回転方向と回転数とを、計算する。そして、制御部821は、この回転方向および回転数に関する回転信号Rsをモータ831に送る。
【0045】
モータ831は、回転信号Rsを受けると、回転を開始する。モータ831が回転を開始すると、ファン4が図3に示す位置から風路6の長手方向に沿う移動を開始する。モータ831は、回転信号Rsに対応する回転方向に、回転信号Rsに対応する回転数だけ回転すると、回転を停止する。モータ831の回転が停止した時、ファン4は図7に示す位置に至っている。このように、高温となった電子部品2を効率的に冷却する。
【0046】
その後、たとえば、複数の電子部品2のうち図7の最下部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えることになった場合には、同様に、ファン4を風路6に沿って図7の下方に移動させる。
【0047】
次に、電源装置A1の作用効果について説明する。
【0048】
上述のように、風路6を流れる空気は、風路6(図3、図7参照)における上流側から下流側に行くにつれて、温度が高くなる傾向にある。すなわち、ファン4により送り出された空気は、風路6を流れるにつれて徐々に温度が上昇する。温度が上昇する前(すなわち上流側)の比較的温度が低い空気は、温度が上昇した後(すなわち下流側)の比較的温度が高い空気に比べて、吸熱能力が高い。電源装置A1においては、風路6への空気の送り込み口の位置(送り込み位置)を変化させることができる。そのため、風路6における吸熱能力の高い位置を移動させることができる。これにより、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制することができる。これは、複数の電子部品2を効率的に冷却するのに適する。
【0049】
複数の電子部品2を効率的に冷却できると、温度が比較的高くなる電子部品2の配置できる位置の制限が少なくなる。これにより、複数の電子部品2の配置位置の自由度を高めることができる。
【0050】
電源装置A1においては、風路6への空気の送り込み口の移動は、各温度センサ81に計測された各電子部品2の温度に基づき、行われる。これは、各電子部品2のうち温度が高いものを検出するのに好適である。したがって、電源装置A1は、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに好適である。これにより、複数の電子部品2をさらに効率的に冷却することができる。
【0051】
また、図3、図7に示すように、電源装置A1においては、風路6において空気は、風路6の長手方向両端に流れる。そのため、ファン4の送風力が比較的弱いものであっても、ファン4から吐出された空気を速やかに電源装置A1の外部に排出することができる。ファン4の送風力が比較的弱い場合には、ファン4は一般に小型であり、また、軽量である。したがって、風路6の長手方向両端に空気が流れる構成を有する電源装置A1は、小型化および軽量化を図るのに適する。また、送風力が比較的弱いファン4を有する電源装置A1は、低騒音化、および低消費電力化を図るのに適する。
【0052】
電源装置A1は、一般に、粉塵を多く含む環境において使用される。そのため、粉塵を多く含む空気が、ファン4により風路6に送り込まれることとなる。粉塵を多く含む空気が風路6に送り込まれることにより、フィン32どうしの隙間に粉塵が入り込み、粉塵がフィン32の隙間に集積した状況になる。フィン32の隙間に粉塵が集積すると、風路6を流れる空気と接するヒートシンク3の表面積が小さくなる。そうすると、ヒートシンク3の放熱効果が弱まり、ひいては電子部品2が十分に冷却されずに、電子部品2が故障するおそれがある。このような事態を避けるため、電源装置A1の運用に際しては、集積した粉塵を吹き飛ばす除塵作業を定期的に(たとえば2カ月に1回程度)行う必要がある。除塵作業は、たとえば、エアーブローガンをヒートシンク3の長手方向に向け、空気を噴射することによりなされる。
【0053】
除塵作業を行う際には、まず、カバー12をベース部材11から取り外す。次に、エアーブローガンによって、図3上方に空気を噴射する。噴射された空気は、フィン32の長手方向に沿う噴流となり、フィン32の隙間に集積した粉塵を電源装置A1の外部に吹き飛ばす。エアーブローガンによる噴流の風圧は、ファン4による風の風圧よりも著しく大きい。そのため、エアーブローガンによる噴流は、ファン4による風によっても電源装置A1の外部に排出されずにフィン32の隙間に集積した粉塵を、容易に吹き飛ばすことができる。
【0054】
電源装置A1においては、ファン4は軸流式のファンである。軸流式のファンたるファン4の吐出口42からファン4の内部に空気が吹き込むと、プロペラ43が高速で逆回転し、ファン4の回転軸受が損傷するおそれがある。しかしながら、エアーブローガンによる空気の噴射方向は、ファン4の送風方向と交差した方向となっている。そのため、除塵作業時にエアーブローガンによる強い噴流が吐出口42に吹き込みにくい。したがって、除塵作業においてプロペラ43が高速で逆回転せず、ファン4の回転軸受が損傷することを防止できる。
【0055】
図8〜図19は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0056】
図8〜図15を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本実施形態にかかる電源装置の正面図である。図9は、図8に示した電源装置の右側面図である。図10は、図8のX−X線に沿う要部断面図である。図11は、図9、図10のXI−XI線に沿う要部断面図である。図12は、図9、図10のXII−XII線に沿う要部断面図である。図13は、図9、図10のXIII−XIII線に沿う要部断面図である。図14は、図9、図10のXIV−XIV線に沿う要部断面図である。図15は、本実施形態にかかる電源装置の機能ブロック図である。図8、図9、図11においては、一部の構成を透視化して示している。これらの図に示した電源装置A2は、上述の実施形態にかかる電源装置A1の風路を上下に分けた構造をもつものである。
【0057】
電源装置A2は、ケース1と、複数の電子部品2と、複数の電子部品2’と、ヒートシンク3と、第1のファン4と、第2のファン4’と、スライド部材5,5’と、ガイドレール7,7’と、複数の温度センサ81,81’と、送込口移動部82とを備える。
【0058】
図10〜図12に示すように、ケース1は、ベース部材11と、カバー12と、仕切板16,17,18,19とを含む。ベース部材11およびカバー12の具体的構成は、第1実施形態と略同様であるから説明を省略する。仕切板16は、矩形状であり、ベース部材11に立設されている。仕切板16の縁は、ベース部材11およびカバー12に当接する。仕切板16には、矩形状の開口160が形成されている。仕切板17は、断面L字状であり、図10の奥方に向かって延びる。仕切板17の縁は、ベース部材11と仕切板16とカバー12とに当接する。仕切板17には、開口170が形成されている。
【0059】
仕切板18は、矩形状であり、仕切板17に対し立設されている。仕切板18の縁は、仕切板17とカバー12とに当接する。仕切板18には、開口180が形成されている。仕切板19は、矩形状であり、ベース部材11と平行に配置されている。仕切板19の縁は、仕切板16,18と、カバー12とに当接する。
【0060】
図10によく表れているように、電源装置A2には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板17,18,19とに囲まれた空間B3が形成されている。空間B3には、吸気孔120が臨む。そのため、吸気孔120を通り、空間B3と電源装置A2の外部との間を空気が流通可能となっている。また、電源装置A2には、仕切板16,17,18,19と、カバー12とに囲まれた第1の風路6が形成されている。また、電源装置A2には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板16,17とに囲まれた第2の風路6’が形成されている。さらに、電源装置A2には、ベース部材11と、カバー12と、仕切板16,19とに囲まれた空間B4が形成されている。
【0061】
空間B3と第1の風路6とは、仕切板18により仕切られている。空間B3と第2の風路6’とは、仕切板17により仕切られている。第1の風路6と、第2の風路6’とは仕切板17により仕切られている。空間B4と第1の風路6とは、仕切板16に仕切られている。空間B4と第2の風路6’とは仕切板16に仕切られている。
【0062】
図10、図12に示すように、複数の電子部品2は、空間B4に収容されている。複数の電子部品2は、たとえばネジ(図示略)を用いて、後述のヒートシンク3に直接配置されている。複数の電子部品2は、第1の風路6の長手方向に沿って配置されている。本実施形態においては、複数の電子部品2はそれぞれ、後述の電子部品2’に比べ比較的発熱しにくい、スイッチング素子やダイオード、コンデンサなどの素子である。
【0063】
複数の電子部品2’は、第2の風路6’に臨むように、仕切板16に配置されている。本実施形態においては、複数の電子部品2’はそれぞれ、電子部品2に比べ発熱しやすい、トランスやリアクトルといった素子である。また、電子部品2’は、電子部品2に比べ表面積および体積が大きい。各電子部品2’は、コイル部2Aと、端子部2Bとを含む。コイル部2Aは、比較的発熱しやすい部分であり、その表面の大部分が第2の風路6’に臨む。一方、端子部2Bは、空間B4内に配置されている。すなわち、各電子部品2’は、仕切板16を貫通して第2の風路6’と空間B4とにまたがるように配置されている。電子部品2’は、第2の風路6’の長手方向に沿って配置されている。なお、コイル部2Aは、巻線が露出していてもよく、あるいは巻線がモールド樹脂により封止されていてもよい。
【0064】
図10、図13に示すように、ヒートシンク3は、開口160を塞ぐように、仕切板16に配置されている。ヒートシンク3は、たとえばアルミニウムなどの熱伝導率が比較的大きい材料よりなる。ヒートシンク3は、電子部品2にて発生した熱を効率良く空気中に放つ機能を担う。上述のようにヒートシンク3には、複数の電子部品2が直接配置されている。そのため、ヒートシンク3には、電子部品2にて発生した熱が直接伝わる。ヒートシンク3のその他の構成は、上述の電源装置A1における構成と同様であるから説明を省略する。
【0065】
本実施形態のスライド部材5,5’の具体的構成は、第1実施形態にかかるスライド部材5と同様である。そのため、スライド部材5,5’についての詳細な説明は省略する。本実施形態においてもスライド部材5は、支持板51と複数のスラット板52とを含み、一方、スライド部材5’は、支持板51’と複数のスラット板52’とを含む。
【0066】
図10、図11、図13に示すように、第1のファン4は、吸込口41と吐出口42とを有し、吸込口41から吸込んだ空気を吐出口42から吐出する。第1のファン4としては、たとえば、軸流式のファン、シロッコファンが挙げられる。本実施形態においては、第1のファン4は軸流式のものである。このような軸流式の第1のファン4は、プロペラ43と、プロペラ43を所定の軸を中心に回転させる図示しない電動機とを含む。この軸方向の両端側に、吸込口41と吐出口42とが位置する。図10、図13によく表れているように、本実施形態において第1のファン4は、空間B3に収容されている。図13に示すように、第1のファン4は、支持板51に搭載および固定されている。第1のファン4は、吐出口42が支持板51に形成された開口510と、仕切板18に形成された開口180とに重なるように配置されている。そのため、第1のファン4は、吐出口42がヒートシンク3に対向する。
【0067】
第1のファン4が作動すると、電源装置A2の外部の空気が吸気孔120を通り空間B3に導かれ、吸込口41に吸い込まれる。吸込口41に吸い込まれた空気は、吐出口42から吐出され、開口180を通り、第1の風路6に送り込まれる。本実施形態においては、第1の風路6のうち吐出口42につながる領域が、空気の第1の風路6への送り込み口である。
【0068】
第1の風路6は、第1のファン4が吐出した空気を流通させ、流通する空気にヒートシンク3の熱を効率良く放出させるためのものである。図13に示すように、第1の風路6にはヒートシンク3が臨む。第1のファン4から吐出されヒートシンク3に当たった空気は、フィン32の隙間をフィン32に沿って第1の風路6の長手方向両端へと流れる。フィン32に沿って流れる空気は、表面積が比較的大きいフィン32から多くの熱を奪う。第1の風路6内の長手方向両端に流れた空気は、排気孔122を通って電源装置A2の外部に出る。
【0069】
図11に示すように、ガイドレール7は、たとえばステンレスなどの金属よりなり、スライド部材5をガイドするためのものである。ガイドレール7は、仕切板18およびカバー12に沿う形状である。ガイドレール7に沿ってスライド部材5がスライドすることにより、第1のファン4が第1の風路6の長手方向に移動可能となっている。
【0070】
図10、図11、図14に示すように、第2のファン4’は、吸込口41’と吐出口42’とを有し、吸込口41’から吸込んだ空気を吐出口42’から吐出する。第2のファン4’としては、たとえば、軸流式のファン、シロッコファンが挙げられる。本実施形態においては、第2のファン4’は軸流式のものである。このような軸流式の第2のファン4’は、プロペラ43’と、プロペラ43’を所定の軸を中心に回転させる図示しない電動機とを含む。この軸方向の両端側に、吸込口41’と吐出口42’とが位置する。図10、図14によく表れているように、本実施形態において第2のファン4’は、空間B3に収容されている。第2のファン4’は、支持板51’に搭載および固定されている。第2のファン4’は、吐出口42’が支持板51’に形成された開口510’と、仕切板17に形成された開口170とに重なるように配置されている。
【0071】
第2のファン4’が作動すると、電源装置A2の外部の空気が吸気孔120を通り空間B3に導かれ、吸込口41’に吸い込まれる。吸込口41’に吸い込まれた空気は、吐出口42’から吐出され、開口170を通り、第2の風路6’に送り込まれる。すなわち、本実施形態においては、第2の風路6’のうち吐出口42’につながる領域が、空気の第2の風路6’への送り込み口である。
【0072】
第2の風路6’は、第2のファン4’が吐出した空気を流通させ、流通する空気に電子部品2’の熱を効率良く放出させるためのものである。図14に示すように、第2の風路6’には電子部品2’の表面の大部分が臨む。第2のファン4’から吐出され電子部品2’に当たった空気は、電子部品2’から熱を奪いつつ、第2の風路6’の長手方向両端へと流れる。第2の風路6’内の長手方向両端に流れた空気は、排気孔122を通って電源装置A2の外部に出る。
【0073】
図11に示すように、ガイドレール7’は、たとえばステンレスなどの金属よりなり、スライド部材5’をガイドするためのものである。ガイドレール7’は、仕切板17およびカバー12に沿う形状である。ガイドレール7’に沿ってスライド部材5’がスライドすることにより、第2のファン4’が第2の風路6’の長手方向に移動可能となっている。
【0074】
図12、図13、図15に示す各温度センサ81は、第1の風路6の長手方向に沿って、ヒートシンク3に配置されている。温度センサ81はそれぞれ、各電子部品2の温度を計測するためのものである。図15に示すように、温度センサ81は計測した温度に関する温度情報Tsを、図示しない配線を介して、送込口移動部82に送る。
【0075】
図12、図14、図15に示す各温度センサ81’は、第2の風路6’の長手方向に沿って、仕切板16に配置されている。温度センサ81’はそれぞれ、各電子部品2’の温度を計測するためのものである。図15に示すように、温度センサ81’は計測した温度に関する温度情報Ts’を、図示しない配線を介して、送込口移動部82に送る。
【0076】
図15に示す送込口移動部82は、上述の実施形態と同様に、電子部品2の温度が上昇しすぎないように、各温度センサ81に計測された各電子部品2の温度に基づき、第1のファン4から吐出された空気の送り込み口の位置(以下、送り込み位置という)を変化させるものである。本実施形態ではさらに、送込口移動部82は、電子部品2’の温度が上昇しすぎないように、各温度センサ81’に計測された各電子部品2’の温度に基づき、第2のファン4’から吐出された空気の送り込み位置を変化させるものである。送込口移動部82は、制御部821および移動機構822,822’を含む。
【0077】
制御部821は、たとえばICチップであり、図12、図13に示すように、ヒートシンク3もしくは仕切板16に搭載されている。制御部821は、温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み位置を計算する。制御部821は、このような最適な空気の送り込み位置に関する信号を移動機構822に送る。本実施形態ではさらに、制御部821は、温度センサ81’から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2’のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み位置を計算する。制御部821は、このような最適な空気の送り込み位置に関する信号を移動機構822’に送る。
【0078】
図11、図15に示す移動機構822は、制御部821から空気の送り込み位置に関する信号を受け、第1のファン4およびスライド部材5を、移動させる機構である。移動機構822’は、制御部821から空気の送り込み位置に関する信号を受け、第2のファン4’およびスライド部材5’を、移動させる機構である。移動機構822は、モータ831と、ボールネジ832と、ナット833とを含む。同様に、移動機構822’は、モータ831’と、ボールネジ832’と、ナット833’とを含む。移動機構822,822’の具体的構成は上述の実施形態の移動機構822の構成と同様であるから説明を省略する。
【0079】
次に、電源装置A2の動作について説明する。
【0080】
電源装置A2の駆動を開始する時点においては、たとえば、第1のファン4を第1の風路6の長手方向の略中間に(図13参照)、かつ、第2のファン4’を第2の風路6’の略中間に(図14参照)位置させる。電源装置A2の駆動が開始されると、溶接用の電流や電圧を出力するため、複数の電子部品2には電流が流れる。これにより、複数の電子部品2が発熱する。電子部品2にて発生した熱は、主として、ヒートシンク3に直接伝わる。一方、電源装置A2が駆動すると、第1のファン4への電力の供給が開始され、空気が吐出口42から第1の風路6に送り出される。第1のファン4が空気を吐出する方向は、第1の風路6の長手方向に交差する方向(図では第1の風路6の長手方向に直交する方向)であり、かつ、各フィン32の面内方向に沿う方向である。
【0081】
第1の風路6に送られた空気はフィン32どうしに挟まれた隙間に入り込む。フィン32の隙間に入り込んだ空気は、フィン32の熱を奪いながら、第1の風路6の長手方向両端へと流れる。第1の風路6にて空気は、フィン32の熱を奪いながら流れるので、上流側から下流側にいくに従い、温度が高くなる。そのためファン4により吐出された時に比べ温度が高くなった空気が、排気孔122から吹き出る。このように、電子部品2にて発生した熱は、ヒートシンク3に直接伝わり、さらに第1の風路6を流れる空気によって、電源装置A2の外部へと効率よく放出される。
【0082】
電源装置A2の駆動時において、図15に示す制御部821には、各温度センサ81から各電子部品2の温度情報Tsが送られている。制御部821は、各温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み位置を計算する。たとえば、複数の電子部品2のうち図13の最上部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えている場合を想定する。この場合、制御部821は、複数の電子部品2のうち図13の最上部に示したものを効率よく冷却するためには、図13の上側の空気の送り込み位置が最適であると判断する。このとき、制御部821は、最適な空気の送り込み位置へ第1のファン4を移動させる信号を移動機構822に送る。具体的には、制御部821が、このような信号として、モータ831の回転方向と回転数とに関する回転信号Rsをモータ831に送る。かかる点は上述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
図11、図15に示す移動機構822は、回転信号Rsを受けると、最適な空気の送り込み位置から第1のファン4が空気を送り出せるように、第1のファン4を第1の風路6の長手方向に沿って移動させる。その後、たとえば、複数の電子部品2のうち図13の最下部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えることになった場合には、同様に、第1のファン4を第1の風路6に沿って図13の下方に移動させる。
【0084】
一方、電源装置A2の駆動が開始されると、溶接用の電流や電圧を出力するため、電子部品2’には電流が流れる。これにより複数の電子部品2’が発熱する。一方、電源装置A2が駆動すると、第2のファン4’への電力の供給が開始され、空気が吐出口42’から第2の風路6’に送り出される。本実施形態において、第2のファン4’が空気を吐出する方向は、第2の風路6’の長手方向に交差する方向である。
【0085】
第2の風路6’に送られた空気は電子部品2’の熱を奪いながら、第2の風路6’の長手方向両端へと流れる。第2の風路6’にて空気は、電子部品2’の熱を奪いながら流れるので、上流側から下流側にいくに従い、空気の温度が高くなる。そのため第2のファン4’により吐出された時に比べ温度が高くなった空気が、排気孔122から吹き出る。このように、電子部品2’にて発生した熱は、第2の風路6’を流れる空気に直接伝わり、電源装置A2の外部へと効率よく放出される。
【0086】
電源装置A2の駆動時において、図15に示す制御部821には、各温度センサ81’から各電子部品2’の温度情報Tsが送られている。制御部821は、各温度センサ81’から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2’のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み位置を計算する。たとえば、複数の電子部品2’のうち図14の最上部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えている場合を想定する。この場合、制御部821は、複数の電子部品2’のうち図14の最上部に示したものを効率よく冷却するためには、図14の上側の空気の送り込み位置が最適であると判断する。このとき、制御部821は、最適な空気の送り込み位置へ第2のファン4’を移動させる信号を移動機構822’に送る。具体的には、制御部821が、このような信号として、移動機構822’におけるモータの回転方向と回転数とに関する回転信号Rs’を当該モータに送る。かかる点は上述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
図11、図15に示す移動機構822’は、回転信号Rs’を受けると、最適な空気の送り込み位置から第2のファン4’が空気を送り出せるように、第2のファン4’を第2の風路6’の長手方向に沿って移動させる。その後、たとえば、複数の電子部品2’のうち図14の最下部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えることになった場合には、同様に、第2のファン4’を第2の風路6’に沿って図14の下方に移動させる。
【0088】
次に、電源装置A2の作用効果について説明する。
【0089】
上述のように、第1の風路6を流れる空気は、第1の風路6における上流側から下流側に行くにつれて、温度が高くなる傾向にある。すなわち、第1のファン4により送り出された空気は、第1の風路6を流れるにつれて徐々に温度が上昇する。温度が上昇する前(すなわち上流側)の比較的温度が低い空気は、温度が上昇した後(すなわち下流側)の比較的温度が高い空気に比べて、吸熱能力が高い。電源装置A2においては、第1の風路6への空気の送り込み口の位置(送り込み位置)を変化させることができる。そのため、第1の風路6における吸熱能力の高い位置を移動させることができる。これにより、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制することができる。これは、複数の電子部品2を効率的に冷却するのに適する。同様の理由により、電源装置A2は、複数の電子部品2’を効率的に冷却するのに適する。
【0090】
電源装置A2においては、第1の風路6への空気の送り込み口の移動は、各温度センサ81に計測された各電子部品2の温度に基づき、行われる。これは、各電子部品2のうち温度が高いものを検出するのに好適である。したがって、電源装置A1は、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに好適である。これにより、複数の電子部品2をさらに効率的に冷却することができる。同様に、複数の電子部品2’をさらに効率的に冷却することができる。
【0091】
また、電源装置A2においては、複数の電子部品2を第1のファン4により冷却し、さらに、複数の電子部品2’を第2のファン4’により冷却している。そのため電源装置A2によると、電子部品2および電子部品2’をそれぞれ、互いの発熱状態の影響を受けることなく冷却することができる。このような構成は、複数の電子部品2および複数の電子部品2’を効率的に冷却するのに適する。
【0092】
電源装置A2において、第1の風路6と第2の風路6’とは、仕切板17により仕切られている。そのため、第1の風路6を流れる空気が第2の風路6’に流れ込むことがない。同様に、第2の風路6’を流れる空気が第1の風路6に流れ込むことがない。したがって、電子部品2と電子部品2’とは、互いの発熱による影響を受けずに効率よく空気冷却される。
【0093】
また電源装置A2においても、第1のファン4は、第1の風路6の長手方向に交差する方向に空気を吐出している。したがって、第1実施形態と同様に、第1の風路6の長手方向における複数の電子部品2の配置位置の自由度を高めることができる。また電源装置A2においては、第2のファン4’は、第2の風路6’の長手方向に交差する方向に空気を吐出している。したがって、第2の風路6’の長手方向における複数の電子部品2’の配置位置の自由度を高めることができる。
【0094】
電源装置A2においても、第1のファン4,および第2のファン4’はそれぞれ、軸流式のファンである。したがって、第1実施形態と同様に、除塵作業においてプロペラ43が高速で逆回転せず、第1のファン4の回転軸受が損傷しにくくなる。また、除塵作業においてプロペラ43’が高速で逆回転せず、第2のファン4’の回転軸受が損傷しにくくなる。
【0095】
また、図13に示すように、電源装置A2においては、第1の風路6において空気は、第1の風路6の長手方向両端に流れる。そのため、第1のファン4の送風力が比較的弱いものであっても、第1のファン4から吐出された空気を速やかに電源装置A2の外部に排出することができる。第1のファン4の送風力が比較的弱いものは一般に小型であり、また、軽量である。したがって、第1の風路6の長手方向両端に空気が流れる構成を有する電源装置A2は、小型化および軽量化を図るのに適する。また、送風力が比較的弱い第1のファン4を有する電源装置A2は、低騒音化、および低消費電力化を図るのに適する。
【0096】
また、電源装置A2においては、図14に示すように、第2の風路6’において空気は、第2の風路6’の長手方向両端に流れる。そのため、電源装置A2は、小型化、軽量化、低騒音化、および低消費電力化を図るのに適する。
【0097】
また、たとえばヒートシンク3よりも電子部品2’の方が発熱により温度が高くなりやすい場合、第2のファン4’の送風力を第1のファン4の送風力より大きくしてもよい。このようにすると、第1の風路6を流れる空気による冷却能力と、第2の風路6’を流れる空気による冷却能力とを異ならせることができる。さらには、電子部品2と、電子部品2’の動作が時間的に大きく異なる場合、それに応じて第1のファン4および第2のファン4’を作動させるタイミングをそれぞれ異ならせてもよい。
【0098】
図16、図17を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。図16は、本実施形態にかかる電源装置の要部断面図である。図17は、本実施形態にかかる電源装置の機能ブロック図である。
【0099】
電源装置A3は、基本的な構成要素として、ケース1と、複数の電子部品2と、ヒートシンク3と、ファン4と、複数の温度センサ81と、送込方向変化部85と、2つの通風防止板88と、通風防止膜89とを備える。ケース1、複数の電子部品2、ヒートシンク3、ファン4、および複数の温度センサ81の構成は、第1実施形態と略同様であるから、説明を省略する。本実施形態にかかる電源装置A3は、電子部品2の温度が上昇しすぎないように、風路6への空気の送り込み位置を変化させるのではなく、風路6への空気の送り込み方向を変化させる点において、第1実施形態にかかる電源装置A1と相違する。本実施形態においてファン4は、吐出口42が風路6に臨むように配置されており、かつ、風路6の長手方向に交差する軸を中心に回動可能となっている。
【0100】
図16に示すように、各通風防止板88は、仕切板13における開口130の縁の近傍に立設されている。通風防止板88は、仕切板13からカバー12に延びる形状である。通風防止板88は、たとえば、仕切板13を構成する材料と同一の材料よりなる。通風防止膜89は、通風防止板88とファン4との間を空気が通ることを防止するためのものである。通風防止膜89は、通風防止板88とファン4とにつながる。図示していないが、通風防止膜89は、ベース部材11と仕切板15にもつながる。通風防止膜89は、伸縮可能な蛇腹状であり、たとえば、可撓性の材料よりなる。そのため、ファン4が回動しても、通風防止膜89によってファン4と通風防止板88、ベース部材11、仕切板15との間が塞がれた状態が維持される。これにより、ファン4が回動しても、ファン4の周囲を空気が通ることにより空気が空間B1から風路6に流れることが防止される。
【0101】
送込方向変化部85は、電子部品2の温度が上昇しすぎないように、各温度センサ81に計測された各電子部品2の温度に基づき、ファン4から吐出された空気の風路6への送り込み方向を変化させるものである。送込方向変化部85は、制御部851および移動機構852を含む。
【0102】
制御部851は、第1実施形態における制御部821と略同様の計算を行う。すなわち、制御部851は、温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み方向を計算する。制御部851は、このような最適な空気の送り込み方向に関する信号を移動機構852に送る。具体的には、制御部851が、このような信号として、移動機構852におけるモータの回転方向と回転数とに関する回転信号Rs’’を、当該モータに送る。
【0103】
電源装置A3の駆動時において、図16、図17に示す制御部851には、各温度センサ81から各電子部品2の温度情報Tsが逐次送られる。制御部851は、各温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み方向を計算する。たとえば、複数の電子部品2のうち図16の最下部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えている場合を想定する。この場合、制御部851は、複数の電子部品2のうち図16の最下部に示したものを効率よく冷却するためには、高温の電子部品2に向かって空気を送り込むような、図16の2点鎖線で示すファン4の送り込み方向が最適である、と判断する。このとき、制御部851は既に、公知の工程を経ることにより、図16に示すファン4の送り込み方向に関する情報を得ている。制御部851は、ファン4の送り込み方向に関する当該情報を用いて、図16の実線で示すファン4の送り込み方向から図16の2点鎖線で示すファン4の送り込み方向へとファン4を回動させるために要する移動機構852におけるモータの回転方向と回転数とを、計算する。そして、制御部821は、この回転方向および回転数に関する回転信号Rs’’を移動機構852に送る。
【0104】
移動機構852は、回転信号Rs’’を受けると、移動機構852におけるモータの回転を開始する。移動機構852におけるモータが回転を開始すると、ファン4が回動を開始し、ファン4による空気の送り込み方向が変化する。そして、ファン4の送り込み方向が、複数の電子部品2のうち高温のものを効率的に冷却できる方向へと変化する。このように、高温となった電子部品2を効率的に冷却する。
【0105】
このような構成によると、電源装置A3の駆動時に、各電子部品2の温度に基づき、風路6における吸熱能力の高い位置を移動させることができる。これにより、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制することができる。これは、複数の電子部品2を効率的に冷却するのに適する。
【0106】
図18、図19を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。図18は、本実施形態にかかる電源装置の要部断面図である。図19は、図18に示した電源装置の部分拡大図である。
【0107】
電源装置A4は、送込方向変化部85が複数の風向板853を含む点において、上述の電源装置A3と相違する。なお、電源装置A4は、電源装置A3と異なり、通風防止板88、通風防止膜89は備えていない。各風向板853は、風路6に臨む。各風向板853は、風路6の長手方向に交差する軸を中心に回動可能となっている。複数の風向板853は、移動機構853のモータの回動により移動する枠体(図示略)に、支持されている。当該枠体の移動に連動して、複数の風向板853は一体として回動する。複数の風向板853の向く方向によって、ファン4から風路6への空気の送り込み方向が規定される。
【0108】
電源装置A4の駆動時において、制御部851には、各温度センサ81から各電子部品2の温度情報Ts(本実施形態では図示略、図17参照)が逐次送られる。制御部851は、各温度センサ81から受けた温度情報Tsに基づき、複数の電子部品2のうちの特定のものの温度が過度に上昇することを抑制するのに最適な空気の送り込み方向を計算する。たとえば、複数の電子部品2のうち図18の最下部に示したものの温度が最も高く、かつ、当該温度がしきい値Tthを一定時間Δtの間超えている場合を想定する。この場合、制御部851は、複数の電子部品2のうち図18の最下部に示したものを効率よく冷却するためには、高温の電子部品2に向かって空気を送り込むような、図19の2点鎖線の直線の矢印で示す空気の送り込み方向が最適である、と判断する。このとき、制御部851は既に、公知の工程を経ることにより、図19の実線で示す風向板853の向く方向に関する情報を得ている。制御部851は、風向板853の向く方向に関する当該情報を用いて、図19の実線で示す風向板853の向く方向から図19の2点鎖線で示す風向板853の向く方向へとファン4を回動させるために要する、移動機構852におけるモータの回転方向と回転数とを、計算する。そして、制御部821は、この回転方向および回転数に関する回転信号Rs’’(本実施形態では図示略、図17参照)を移動機構852(本実施形態では図示略、図17参照)に送る。
【0109】
移動機構852は、回転信号Rs’’を受けると、移動機構852におけるモータの回転を開始する。移動機構852におけるモータが回転を開始すると、風向板853が回動を開始し、ファン4による空気の送り込み方向が変化する。そして、ファン4の送り込み方向が、複数の電子部品2のうち高温のものを効率的に冷却できる方向へと変化する。このように、高温となった電子部品2を効率的に冷却する。
【0110】
このような構成によっても、電源装置A4の駆動時に、各電子部品2の温度に基づき、風路6における吸熱能力の高い位置を移動させることができる。これにより、複数の電子部品2のうち特定のものの温度が過度に上昇することを抑制することができる。これは、複数の電子部品2を効率的に冷却するのに適する。
【0111】
なお、第3、第4実施形態で述べた風向を変化させる構成を、第2実施形態で述べた2つの風路を備える構成に適用してもよい。すなわち、入力装置A2が、送込口移動部82を備えず、第3、第4実施形態にかかる送込方向変化部85を備える構成を採用してもよい。
【0112】
本発明の範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。第1実施形態および第2実施形態においては、温度センサに計測された温度に基づきファンを移動させる例を示したが本発明はこれに限られない。たとえば、電源装置が温度センサおよび送込口移動部を備えずに、手動でファンを移動させることができる構成を採用してもよい。同様に、第3および第4実施形態においては、温度センサに計測された温度に基づき風路への空気の送り込み方向を変化させる例を示したが本発明はこれには限られない。たとえば、電源装置が温度センサおよび送込方向変化部を備えずに、手動でファンを操作し、風路への空気の送り込み方向を変化させることができる構成を採用してもよい。
【0113】
各温度センサが各電子部品の温度を計測する必要は必ずしもない。たとえば、電子部品の配置位置と関係なく、複数の温度センサが風路の長手方向に沿って配置されていてもよい。また、ファンは、吐出口が風路に臨むように配置されていなくてもよい。このときには、吐出口から吐出された空気を風路へと導く追加の導風路を形成する必要がある。
【符号の説明】
【0114】
A1,A2,A3,A4 電源装置
1 ケース
11 ベース部材
12 カバー
120 吸気孔
122 排気孔
13〜19 仕切板
130,140,160,170,180 開口
10 車輪
2 電子部品
2’ 電子部品
3 ヒートシンク
31 基部
32 フィン
4 ファン、第1のファン
41 吸込口
42 吐出口
43 プロペラ
4’ 第2のファン
41’ 吸込口
42’ 吐出口
5,5’ スライド部材
51,51’ 支持板
52,52’ スラット板
6 風路、第1の風路
6’ 第2の風路
7,7’ ガイドレール
81 温度センサ
82 送込口移動部
821 制御部
822,822’ 移動機構
831,831’ モータ
832,832’ ボールネジ
833,833’ ナット
85 送込方向変化部
851 制御部
852 移動機構
853 風向板
88 通風防止板
89 通風防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品と、
ファンとを備え、
上記ファンから吐出された空気が送り込まれる送り込み口を有する長手状の風路が形成され、
上記風路を流れる空気によって上記複数の電子部品が冷却されるように構成された電源装置であって、
上記送り込み口は、上記風路の長手方向に移動可能であることを特徴とする、電源装置。
【請求項2】
上記長手方向に沿って配置された複数の温度センサと、
各温度センサに計測された温度に基づき、上記送り込み口を移動させる送込口移動部とをさらに備える、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
上記複数の温度センサはそれぞれ、各電子部品の温度を計測する、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
上記ファンは、空気を吐出する吐出口を有し、かつ、上記吐出口が上記風路に臨むように配置されており、
上記送込口移動部は、上記ファンを上記長手方向に沿って移動させる、請求項1ないし3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
上記複数の電子部品にて発生した熱が伝導され、かつ、上記風路に臨むヒートシンクをさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
上記ヒートシンクは、上記長手方向に延び、かつ、互いに隙間を介して並列された複数のフィンを含む、請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
上記複数の電子部品は、上記ヒートシンクに直接配置されている、請求項5または6に記載の電源装置。
【請求項8】
上記風路に臨む開口が形成された仕切板をさらに備え、
上記ファンは、上記仕切板に対し相対移動可能に上記仕切板に設けられているとともに、上記開口を通して空気を上記風路に向かって吐出する、請求項5ないし7のいずれかに記載の電源装置。
【請求項9】
複数の電子部品と、
ファンとを備え、
上記ファンから吐出された空気が送り込まれる長手状の風路が形成され、
上記風路を流れる空気によって上記複数の電子部品が冷却されるように構成された電源装置であって、
上記ファンから吐出された空気の上記風路への送り込み方向が変化可能であることを特徴とする、電源装置。
【請求項10】
上記長手方向に沿って配置された複数の温度センサと、
各温度センサに計測された温度に基づき、上記送り込み方向を変化させる送込方向変化部とをさらに備える、請求項9に記載の電源装置。
【請求項11】
上記複数の温度センサはそれぞれ、各電子部品の温度を計測する、請求項10に記載の電源装置。
【請求項12】
上記ファンは、空気を吐出する吐出口を有し、かつ、上記吐出口が上記風路に臨むように配置されており、
上記送込方向変化部は、上記ファンを上記長手方向に交差する軸を中心に回動させる、請求項10または11に記載の電源装置。
【請求項13】
上記送込方向変化部は、上記風路に臨み、かつ、上記吐出口から吐出された空気が流れる方向を変化させる複数の風向板を含み、
各風向板は、上記長手方向に交差する軸を中心に回動する、請求項10または11に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−249495(P2011−249495A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120109(P2010−120109)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】