説明

電源装置

【課題】従来よりもコストを抑えながらも、トランスからの漏れ磁束による影響を従来よりも低減して外部装置に電力を供給することができる電源装置を提供する。
【解決手段】少なくともスイッチング素子Q1〜Q3(半導体素子)を配置する第1基板12と、トランス13と、交流成分を低減するフィルタ機構(フィルタ部15および出力安定部16)と、第1基板12,トランス13,フィルタ機構を収容するケース11とを有する電源装置10において、近接して配置されるトランス13とフィルタ機構との間に備えられ、トランス13の漏れ磁束を含むノイズ遮蔽する第1遮蔽部11cを有する。この構成によれば、第1遮蔽部11cを介在させるので、フィルタ機構はトランス13からの漏れ磁束を含むノイズによる影響が低減される。従来技術のように高価なヒートシンクを用いなくて済むので、従来よりもコストを抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1基板,トランス,フィルタ機構をケース内に収容する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、小型化とコスト削減が図れるEMI低減構造のスイッチング電源に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このスイッチング電源は、力率改善回路(14)を構成するギャップ付きチョークコイル(15)を少なくともフィルタ回路(3)のチョークコイル(4,5)とトランス(20)に対してヒートシンク(27)により電磁シールドするとともに、ヒートシンク(27)をトランス(20)の一次側回路の安定電位となるラインに接続する構成である。すなわち、フィルタ回路(3)を収めたケース内のトランス(20)から漏れる電磁波ノイズ(磁束)を、ヒートシンク(27)によってフィルタ回路(3)に対して遮蔽する。よって、チョークコイル(15)はチョークコイル(4,5)やトランス(20)の漏れ磁束の影響を受けない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−125584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、フィルタ回路(3)のチョークコイル(4,5)や二次側回路のチョークコイル(24)については何らシールドされていない。そのため、トランス(20)や制御回路用トランス(44)等からの漏れ磁束による影響を受ける。同文献の図2に示すチョークコイル(4,5)は、ヒートシンク(27)などで遮蔽されてなく、しかも制御回路用トランス(44)との間には電解コンデンサ(18)しか配置されていない。そのためチョークコイル(4,5)は、トランス(20)や制御回路用トランス(44)からの漏れ磁束による影響を受け易い。また同文献の図3に示すチョークコイル(24)は、トランス(20)にほぼ隣接して配置されているため、トランス(20)からの漏れ磁束による影響を大きく受け易い。
【0005】
上述したフィルタ回路(3)のチョークコイル(4,5)や二次側回路のチョークコイル(24)について、トランス(20)や制御回路用トランス(44)等からの漏れ磁束による影響を受けなくするには、各チョークコイルをヒートシンク(27)で遮蔽する構成が考えられる。この構成では、各チョークコイルに対して個別にヒートシンクを必要とするので、コスト高になるという問題点がある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、従来よりもコストを抑えながらも、トランスからの漏れ磁束による影響を従来よりも低減して外部装置に電力を供給することができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、少なくとも半導体素子を配置する第1基板と、トランスと、交流成分を低減するフィルタ機構と、前記第1基板,前記トランス,前記フィルタ機構を収容するケースとを有する電源装置において、近接して配置される前記トランスと前記フィルタ機構との間に備えられ、前記トランスの漏れ磁束を遮蔽する第1遮蔽部を有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、トランスとフィルタ機構とを仕切るように第1遮蔽部を介在させるので、フィルタ機構はトランスからの漏れ磁束による影響が低減される。第1遮蔽部は磁束を遮蔽可能な任意の構造や材質等でよいので、従来技術のように高価なヒートシンクを用いなくても済む。よって、従来よりもコストを抑えながらも、トランスからの漏れ磁束による影響を従来よりも低減(遮断を含む)して外部装置に電力を供給することができる。
【0009】
なお「第1遮蔽部」は、トランスからの漏れ磁束による影響を低減できる電磁シールドであれば形状,厚み,材料(素材)等は任意である。例えば、金属板(板金を含む),金属メッシュ等が該当する。この第1遮蔽部は、ケースの一部として形成してもよく、ケースと一体化してもよく、ケースとは別体に形成した部材をケースに固定や設置等してもよい。「フィルタ機構」は、交流成分を低減するフィルタ部を含むように構成されていれば、回路の如何を問わない。「トランスからの漏れ磁束による影響」は、例えば出力電力(すなわち出力電圧や出力電流)にノイズが重畳する等のように、出力電力の供給を受ける外部装置にとって望ましくない状態を含む。ノイズは、上述したトランスの漏れ磁束には限定されない。例えば、半導体素子のスイッチングによる放射ノイズや、インパルスノイズ等のような外来ノイズなども該当する。「外部装置」は電力を必要とするものであれば任意である。例えば、制御装置(ECUやコンピュータ等)、回転電機(電動機,発電機,電動発電機等)、系統(電力系統を含む)などが該当する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第1遮蔽部は、前記トランスと前記フィルタ機構とを電気的に接続する接続部材を通すスリットまたは穴を有し、前記スリットまたは前記穴は、前記ケースの端部に近い位置に配置することを特徴とする。この構成によれば、接続部材を通すためのスリットや穴は、ケースの端部に近い位置に配置されるので、トランスからの漏れ磁束が漏洩するのを大幅に低減できる。なお「接続部材」には、例えばケーブルやコード等を用いるが、トランスからの漏れ磁束を含むノイズによる影響を低減するためにシールド線を用いるのが望ましい。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記フィルタ機構は、交流成分を低減するフィルタ部と、出力電力を安定させる出力安定部とを有し、前記フィルタ部と前記出力安定部との間に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第2遮蔽部を有することを特徴とする。この構成によれば、第2遮蔽部は、フィルタ部に含まれるコイルやインダクタからの漏れ磁束による影響が出力安定部に及ぶのを低減することができる。なお「フィルタ部」には、コイルまたはインダクタを含み、交流成分を低減する任意の回路を適用できる。例えば、パッシブフィルタ(例えばLC回路やRLC回路等)でもよく、オペアンプ等の能動素子を含むアクティブフィルタでもよい。「出力安定部」には、コンデンサまたはキャパシタを含み、出力電力を安定させる任意の回路を適用できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、外部装置に電力を出力する出力端子を有し、前記出力端子は、前記フィルタ部から前記出力安定部に流れる電流の経路と、前記出力安定部から前記出力端子に流れる電流の経路とが交差するように配置されることを特徴とする。この構成によれば、磁束の直進性や回折を考慮して出力端子の位置を設定するので、トランスからの漏れ磁束が直接的に出力安定部に及ぶのを低減することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記ケースは、一面を開口させた箱状のケース本体と、前記ケース本体の開口部を覆うケース蓋とを有し、前記フィルタ機構の前記ケース蓋側に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第3遮蔽部を有することを特徴とする。この構成によれば、第1遮蔽部を乗り越える漏れ磁束による影響を第3遮蔽部で低減して外部装置に電力を供給することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記第3遮蔽部には、少なくとも一層がグラウンドに接続される第2基板を用いることを特徴とする。この構成によれば、複数層からなる第2基板は、少なくとも一層がグラウンドに接続されるので、フィルタ部の機能と第3遮蔽部の機能を兼ねることができる。フィルタ部と第3遮蔽部とを第2基板で実現できるので、装置全体のコストを低減することができる。なお「グラウンド」は電源装置の共通電位であり、必ずしも0[V]とは限らない。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記出力端子はバスバーを含み、前記バスバーの前記ケース蓋側に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第4遮蔽部を有することを特徴とする。この構成によれば、第1遮蔽部を乗り越える漏れ磁束による影響を第4遮蔽部で低減して外部装置に電力を供給することができる。なお「出力端子はバスバーを含み」には、出力端子がバスバー自体で構成される場合と、端子とバスバーとで構成される場合とを含む。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記第4遮蔽部には、少なくとも一層がグラウンドに接続される第3基板を用いることを特徴とする。この構成によれば、複数層からなる第3基板は、少なくとも一層がグラウンドに接続されるので、フィルタ部の機能と第4遮蔽部の機能を兼ねることができる。フィルタ部と第4遮蔽部とを第3基板で実現できるので、装置全体のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電源装置の第1構成例を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】電源装置の第1構成例を模式的に示す平面図と側面図である。
【図3】ケース内に収容部品等を収容した例を模式的に示す平面図である。
【図4】スリットや穴の構成例を示す側面図である。
【図5】図3に示すV−V線矢視の断面図である。
【図6】電源装置の回路構成例を模式的に示す回路図である。
【図7】電源装置の第2構成例を模式的に示す側面図である。
【図8】トランスの第2構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示してはいない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。連続符号は記号「〜」を用いて表記する。例えば「接続線J1〜J8」は、「接続線J1,J2,J3,J4,J5,J6,J7,J8」を意味する。「ノイズ」には、トランス13(18)の漏れ磁束に由来するノイズに限らず、半導体素子やコイル等のノイズや外来ノイズを含む。
【0019】
まず、電源装置の構成例について図1と図2を参照しながら説明する。図1には電源装置の構成例を模式的に分解斜視図で示す。ただし、スペースの都合上、整流部の図示を省略している。図2には電源装置の構成例を示す。具体的には、平面図を図2(A)に示し、図2(A)に示す矢印D1方向から見た側面図を図2(B)に示す。
【0020】
図1と図2に示す電源装置10は、いわゆる「DC−DCコンバータ」であって、電力源(例えばバッテリや燃料電池等)から供給される直流電圧を目的の電圧に変換して出力する機能を担う。この電源装置10は、大別してケース11、第1基板12、トランス13、図示しない整流部14、フィルタ部15、出力安定部16、冷却部17などを有する。なお、フィルタ部15および出力安定部16は「フィルタ機構」に相当する。
【0021】
ケース11は、ケース蓋11aとケース本体11bとで構成される。ケース本体11bは、一面を開口させた箱状筐体である。図1の例では簡単のために直方体状の形成例を示すが、第1基板12やトランス13などを収容可能であれば、形成する形状は任意である。ケース蓋11aは、ケース本体11bの開口部を覆う蓋である。本形態のケース11は金属で形成するが、全体の一部または全部について使用環境条件(例えば温度,電磁シールド,剛性等)を満たす他の材料(例えば樹脂等)で形成してもよい。
【0022】
ケース本体11bは、複数の遮蔽部を有し、複数の収容部が形成されている。図1の構成例では第1遮蔽部11cと第2遮蔽部11dとを有し、これらの遮蔽部によって収容部SP1〜SP3が区画される。第1遮蔽部11cは、整流部14とフィルタ機構(すなわちフィルタ部15および出力安定部16)との間に介在して配置される。第2遮蔽部11dは、フィルタ部15と出力安定部16との間に介在して配置される。本形態の構成例では、第1遮蔽部11cおよび第2遮蔽部11dをケース本体11bの内側(底面や側面)から起立して形成され、鋳造や射出成形等によってケース本体11bと一体成型される。
【0023】
第1遮蔽部11cや第2遮蔽部11dを含む複数の遮蔽部は、ノイズ(主にトランス13の漏れ磁束に由来するノイズ)を遮蔽する機能を担う。具体的には、ノイズの影響を低減または遮断できる電磁シールドであれば形状,厚み,材料(素材)等は任意である。例えば、金属板(板金を含む),金属メッシュ,発泡金属等が該当する。また、所定形状(例えば板状や筐体状等)に成形された樹脂部材の表面や裏面に金属インクまたは同様の物質でメッキしたものでもよい。第1遮蔽部11cおよび第2遮蔽部11dについて、具体的な構成例については後述する(図5を参照)。
【0024】
収容部SP1には、第1基板12、トランス13、整流部14などが収容される。収容部SP2には、フィルタ部15などが収容される。収容部SP3には、出力安定部16などが収容される。各収容部の大きさは、収容する基板や回路素子等の大きさや、収容する数などに応じて変わる。図1に示す収容部SP1〜SP3の大きさは一例に過ぎない。
【0025】
第1基板12は、いわゆるプリント基板(層数を問わない)であり、実装品を所要の位置に配置して実装する。当該実装品は、素子(例えば半導体素子群Qgや回路素子等を含む)や部品(例えば接続線,台座,端子台等を含む)などのように基板に実装可能なものが該当し、表面実装品であるか否かを問わない。半導体素子群Qgの素子数は問わないが、本形態ではスイッチング素子Q1〜Q3で構成される。
【0026】
トランス13は、第1基板12と整流部14との間に介在して配置される。このトランス13は、第1コア部13a、コイル13b、第2コア部13cなどを有する。また、後述する1次側端子13t1a,13t1b,13t1c,13t1dや、2次側端子13t2a,13t2b,13t2c,13t2dを有する(図6を参照)。整流部14は交流電力を直流電力に変換する機能を担い、例えば整流回路や整流器などが該当する。
【0027】
フィルタ部15はフィルタ機構の一部を構成し、整流部14で整流された直流電力(特に直流電圧。以下同じである。)に含まれる交流成分を低減(除去を含む)する機能を担う。例えば、パッシブフィルタ(LC回路,RLC回路等)や、アクティブフィルタなどが該当する。本形態では、フィルタ部15をLC回路で構成するとともに(図6を参照)、当該LC回路を第2基板15aに実装する(図4を参照)。
【0028】
出力安定部16はフィルタ機構の一部を構成し、フィルタ部15で交流成分が低減された直流電力を安定化して出力する機能を担う。具体的には、電圧が脈動する場合があるので、当該脈動を抑えるためにコンデンサ(あるいはコンデンサ群が該当する。以下同様とする。)を用いる。当該コンデンサは第3基板16aに実装する(図4を参照)。なお、第2基板15aおよび第3基板16aについての詳細は後述する。
【0029】
冷却部17は、ケース11に収容される収容部品等を冷却する機能を担う。本形態では、冷却部17として冷却フィン17a(放熱フィン)を適用する、この冷却フィン17aは、ケース本体11bの下裏面側に一体成形される。
【0030】
上述した収容部品等をケース本体11bの内側に収容した状態を図3に示す。図3の構成例では、図面左側から順番に、第1基板12、トランス13、整流部14、フィルタ機構を直線状に配置している。ただし、フィルタ機構はフィルタ部15と出力安定部16とで図面上下方向に配置している。
【0031】
入力コネクタ11eと第1基板12との間の接続には、接続線J1が用いられる。入力コネクタ11eは「入力端子」に相当する。第1基板12とトランス13との間の接続には、接続線J2,J5が用いられる。トランス13と整流部14との間の接続には、接続線J3,J6が用いられる。整流部14とフィルタ部15との間の接続には、接続線J4が用いられる。フィルタ部15と出力安定部16との間の接続には、接続線J7が用いられる。出力安定部16と出力コネクタ11fとの間の接続には、接続線J8が用いられる。出力コネクタ11fは「出力端子」に相当する。接続線J1〜J8には、バスバーを用いてもよく、シールド線や他の導電線を用いてもよい。接続線J8は出力コネクタ11fの一部として形成してもよい。例えば、出力コネクタ11fの端子が接続線J8(例えばバスバー)となるような場合が該当する。出力コネクタ11fは、フィルタ部15から出力安定部16に流れる電流の経路(接続線J7)と、出力安定部16から出力コネクタ11fに流れる電流の経路(接続線J8)とが交差(特に直交)するように配置される。
【0032】
トランス13とフィルタ機構との間には、第1遮蔽部11cが配置される。この第1遮蔽部11cの配置によって、トランス13の漏れ磁束を含むノイズがフィルタ機構の作動に影響するのを防止する。具体的には、出力コネクタ11fから出力される出力電力にノイズが重畳されるのを防止する。
【0033】
また、フィルタ機構を構成するフィルタ部15と出力安定部16との間には、第2遮蔽部11dが配置される。この第2遮蔽部11dの配置によって、フィルタ部15に含まれるコイルの漏れ磁束を含むノイズが出力安定部16の作動に影響するのを防止する。具体的には、出力コネクタ11fから出力される出力電力にノイズが重畳されるのをより確実に防止する。
【0034】
電源装置10で電力処理を行うにあたり、第1遮蔽部11cには接続線J4を通し、第2遮蔽部11dには接続線J5を通す必要がある。これを具体化した例を図4に側面図で示す。図4(A),図4(B),図4(C)は接続線J4,J7にバスバーを用いる例であり、図4(D)は接続線J4,J7にシールド線を用いる例である。また、図4(A)と図4(B)はスリットを形成した例であり、図4(C)と図4(D)は貫通穴を形成した例である。これらのスリットや貫通穴は、各遮蔽部の一部に形成する。
【0035】
スリットSL1,SL2は、接続線J4,J7を通すために形成される。図4(A)と図4(B)に示すスリットSL1,SL2は、バスバーの配置に応じてスリット幅L1,L2(ただしL1>L2)や深さDP1,DP2(ただしDP1<DP2)が異なる。すなわちバスバーを用いて配線する場合には、図4(A)のような幅広の配置と、図4(B)のような縦長の配置とがある。これらのスリットSL1,SL2は、バスバーの配置に合わせて形成する。この場合、ケース11の端部(図1や図3に示すようにケース本体11bの内壁面)に近い位置に配置するのが望ましい。また、スリットSL1,SL2のうち上部の隙間は、例えば遮蔽部材SK(具体的にはクリップ状に形成されたシールド部材等)などで覆って遮蔽(シールド)するのが望ましい。
【0036】
貫通穴H1,H2は、接続線J4,J7を通すために形成される。図4(C)と図4(D)に示す貫通穴H1,H2は、バスバーの配置に応じて深さDP1,DP2が異なる。図4(C)は図4(A)と同じ深さDP1で形成した例を示し、図4(D)は図4(B)と同じ深さDP2で形成した例を示す。貫通穴H1,H2に接続線J4,J7を通す。貫通穴H1,H2は、接続線J4,J7を通すことが可能な最小の貫通穴にするのが望ましい。すなわち、貫通穴H1,H2の形状と、バスバーまたはシールド線の断面形状は、ほぼ同一であるのが望ましい。貫通穴H1,H2と、バスバーまたはシールド線とに隙間が生じる場合には、遮蔽部材(例えば金属板やスチールウール等)を用いて、当該隙間を遮蔽(シールド)するのが望ましい。
【0037】
図5には、図3に示すV−V線矢視の断面図を示す。第2基板15aおよび第3基板16aは、複数層(二層以上)のプリント基板であり、いずれもケース蓋11aに近い位置に配置される。第2基板15aは、回路素子や部品等を配置する配置層(表層または裏層)のほかに、当該配置層以外の少なくとも一層であって基板のほぼ全面でノイズを遮蔽するグラウンド層15bを有する。図3や図5の構成例では、配置層にコイルL15a,L15bやコンデンサC15a,C15b,C15cなどを配置する。コンデンサC15a,C15b,C15cは、いずれも静電容量を蓄積できれば種類を問わない。例えば、プラスチックフィルムコンデンサ、セラミックコンデンサ、マイカコンデンサ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサなどが該当する。
【0038】
第3基板16aについても第2基板15aと同様であり、回路素子や部品等を配置する配置層(表層または裏層)のほかに、当該配置層以外の少なくとも一層であって基板のほぼ全面でノイズを遮蔽するグラウンド層16bを少なくとも一層有する。図3や図5の構成例では、配置層に複数の個体を並列接続したコンデンサC16などを配置する。
【0039】
上述したグラウンド層15b,16bは、泊状や板状の金属部材で形成され、それぞれ文字通りにグラウンドNに接続される。この構造および接続によれば、グラウンド層15b,16bはグラウンドNと同電位になるので、第1遮蔽部11cを乗り越えるノイズによる影響を低減して外部装置20に電力を供給することができる。
【0040】
上述のように構成される電源装置10を回路図で示すと、図6のようになる。ただし、図6に示す回路図は一例にすぎず、主要部を示す。
【0041】
図6において、電力源Edcは直流電力を電源装置10に供給する。電力源Edcには、例えばバッテリや燃料電池が用いられる。電力源Edcのプラス端子に接続する入力コネクタ11e(+端子)は、チョークコイルL10およびコンデンサC10を経て、トランス13の1次側端子13t1aに接続される。一方、電力源Edcのマイナス端子に接続する入力コネクタ11e(−端子)は、チョークコイルL10やコンデンサC12bを経て、トランス13の1次側端子13t1bに接続される。チョークコイルL10は入力フィルタとして機能し、コンデンサC10は直流電力の充放電を繰り返し行う。
【0042】
第1基板12は、スイッチング素子Q1〜Q3、ダイオードD1〜D3、コンデンサC10,C12a,C12b、ドライブ回路12a、制御回路12b、検出回路12cなどを有する。スイッチング素子Q1〜Q3は、ドライブ回路12aからそれぞれ対応して伝達される駆動信号G1〜G3に従って個別にスイッチングが制御される。検出回路12cは出力コネクタ11f(+端子)の出力電圧(すなわち電圧Vd)を検出する。制御回路12bは、電圧Vdが目標電圧となるように、ドライブ回路12aを駆動する指令信号Vc*を出力する。目標電圧は、制御回路12b内の記録媒体に予め記録したり、外部装置(例えばECU等)から入力したりする。ドライブ回路12aは、指令信号Vc*に基づいて、上述した駆動信号G1〜G3を生成して対応するスイッチング素子にそれぞれ出力する。
【0043】
スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2,Q3とは直列接続される。スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q3とは並列接続される。スイッチング素子Q1のソース端子と、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン端子との接続点は、トランス13の1次側端子13t1c,13t1dに接続される。二点鎖線で示すダイオードD1〜D3はフリーホイールダイオードとしての機能を担い、対応するスイッチング素子Q1〜Q3に内蔵されたものでもよく、外付けしたものでもよい。コンデンサC10は、コンデンサC12aの一方側端子およびトランス13の1次側端子13t1aと、スイッチング素子Q2,Q3のソース端子およびコンデンサC12bの他方側端子との間に接続される。コンデンサC12bの一方側端子は、トランス13の1次側端子13t1bと接続される。コンデンサC12aは、コンデンサC10の一方側端子およびトランス13の1次側端子13t1aと、スイッチング素子Q1のドレイン端子との間に接続される。およびコンデンサC10およびコンデンサC12bの各他方側端子は、スイッチング素子Q2,Q3のソース端子に共通して接続される。
【0044】
トランス13は、2次側端子13t2aと2次側端子13t2dとが合流して接続(直結)される。この合流接続点と出力コネクタ11f(+端子)との間には、フィルタ機構(すなわちフィルタ部15や出力安定部16など)が接続される。フィルタ部15は、出力電力の高周波成分を除去する機能を担い、コイルL15a,L15bやコンデンサC15a,C15b,C15cなどを有する。具体的には、合流接続点と出力コネクタ11f(+端子)との間にコイルL15a,L15bを直列接続する。合流接続点とコイルL15aとの接続点と、グラウンドNおよび出力コネクタ11f(−端子)との間にはコンデンサC15aを接続する。コイルL15aとコイルL15bとの接続点と、グラウンドNおよび出力コネクタ11f(−端子)との間にはコンデンサC15bを接続する。コイルL15bと出力コネクタ11f(+端子)との接続点と、グラウンドNおよび出力コネクタ11f(−端子)との間には、コンデンサC15cを接続する。
【0045】
出力安定部16は、後述する整流部14による整流に伴う電力(特に電圧)の脈動を抑制する機能を担い、一のコンデンサC16または複数の個体を並列接続したコンデンサC16などを有する。コンデンサC16は、出力コネクタ11f(すなわち+端子と−端子との間)に接続される。出力コネクタ11fには、外部装置20が接続される。外部装置20には、電力を必要とする任意の機器を適用できる。例えば、制御装置(ECUやコンピュータ等)、回転電機(電動機,発電機,電動発電機等)、系統(電力系統を含む)などが該当する。
【0046】
またトランス13は、2次側端子13t2bと2次側端子13t2cとの間に整流部14が接続される。整流部14は、トランス13から出力される交流電力を整流する機能を担う。図6には二相全波整流を行う構成例を示す。すなわち、二つのダイオードを反対方向に直列接続し、これらのダイオードの各アノード側端子を共通してグラウンドNに接続する。二相全波整流に代えて、単相ブリッジ整流を行う構成としてもよい。
【0047】
上述した整流部14、フィルタ部15および出力安定部16によって安定化された出力電力は、外部装置20に出力される。この電力処理を行う際、フィルタ機構(フィルタ部15および出力安定部16)は、太破線で示す第1遮蔽部11cによってノイズが遮蔽される。また、フィルタ部15はグラウンド層15bによってノイズが遮蔽され、出力安定部16はグラウンド層16bによってノイズが遮蔽される。このように二重に遮蔽する構造としたので、トランス13からの漏れ磁束を含むノイズによる影響を従来よりも低減して外部装置20に電力を供給することができる。
【0048】
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、電源装置10において、近接して配置されるトランス13とフィルタ機構との間に備えられ、トランス13の漏れ磁束を遮蔽する第1遮蔽部11cを有する構成とした(図1,図3等を参照)。この構成によれば、トランス13とフィルタ機構とを仕切るように第1遮蔽部11cを介在させるので、フィルタ機構はトランス13からの漏れ磁束を含むノイズによる影響が低減される。第1遮蔽部11cは磁束を遮蔽可能な任意の構造や材質等でよいので、従来技術のように高価なヒートシンクを用いなくても済む。よって、従来よりもコストを抑えながらも、トランス13からの漏れ磁束を含むノイズによる影響を従来よりも低減して外部装置20に電力を供給することができる。
【0049】
請求項2に対応し、第1遮蔽部11cは、トランス13とフィルタ機構とを電気的に接続する接続部材を通すスリットSL1,SL2または貫通穴H1,H2(穴)を有し、スリットSL1,SL2または貫通穴H1,H2は、ケース11の端部(図1や図3に示すようにケース本体11bの内壁面)に近い位置に配置する構成とした(図1,図3,図4を参照)。この構成によれば、接続部材を通すためのスリットSL1,SL2や貫通穴H1,H2は、ケース11の端部に近い位置に配置されるので、トランス13からの漏れ磁束を含むノイズが漏洩するのを大幅に低減できる。
【0050】
請求項3に対応し、フィルタ機構は、交流成分を低減するフィルタ部15と、出力電力を安定させる出力安定部16とを有し、フィルタ部15と出力安定部16との間に備えられ、漏れ磁束を遮蔽する第2遮蔽部11dを有する構成とした(図1,図3,図6を参照)。この構成によれば、第2遮蔽部11dは、フィルタ部15に含まれるコイルL15a,L15bやインダクタからの漏れ磁束を含むノイズによる影響が出力安定部16に及ぶのを低減することができる。
【0051】
請求項4に対応し、外部装置20に電力を出力する出力コネクタ11f(出力端子)を有し、出力コネクタ11fはフィルタ部15から出力安定部16に流れる電流の経路(接続線J7)と、出力安定部16から出力コネクタ11fに流れる電流の経路(接続線J8)とが交差するように配置される構成とした(図3を参照)。この構成によれば、磁束の直進性や回折を考慮して出力コネクタ11fの位置を設定するので、トランス13からの漏れ磁束を含むノイズが直接的に出力安定部16に及ぶのを低減することができる。
【0052】
請求項5に対応し、ケース11は、一面を開口させた箱状のケース11本体と、ケース11本体の開口部を覆うケース11蓋とを有し、フィルタ機構のケース11蓋側に備えられ、漏れ磁束を遮蔽する第3遮蔽部(第2基板15aのグラウンド層15b)を有する構成とした(図3,図5を参照)。この構成によれば、第1遮蔽部11cを乗り越える漏れ磁束を含むノイズによる影響をグラウンド層15bで低減して外部装置20に電力を供給することができる。
【0053】
請求項6に対応し、第3遮蔽部には、グラウンド層15b(少なくとも一層)がグラウンドNに接続される第2基板15aを用いる構成とした(図3,図6を参照)。この構成によれば、複数層からなる第2基板15aは、フィルタ部15の機能と第3遮蔽部の機能を兼ねることができる。フィルタ部15と第3遮蔽部とを第2基板15aで実現できるので、装置全体のコストを低減することができる。
【0054】
請求項7に対応し、出力コネクタ11fはバスバーからなる接続線J8を含み、バスバーのケース11蓋側に備えられ、漏れ磁束を遮蔽する第4遮蔽部(第3基板16aのグラウンド層16b)を有する構成とした(図3,図5を参照)。この構成によれば、第1遮蔽部11cを乗り越える漏れ磁束を含むノイズによる影響をグラウンド層16bで低減して外部装置20に電力を供給することができる。
【0055】
請求項8に対応し、第4遮蔽部には、グラウンド層16b(少なくとも一層)がグラウンドNに接続される第3基板16aを用いる構成とした(図3,図5を参照)。この構成によれば、複数層からなる第3基板16aは、フィルタ部15の機能と第4遮蔽部の機能を兼ねることができる。フィルタ部15と第4遮蔽部とを第3基板16aで実現できるので、装置全体のコストを低減することができる。
【0056】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0057】
上述した実施の形態では、冷却部17は、空冷式の冷却フィン17aを備える構成とした(図1,図2,図5を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、他の冷却手段を構成してもよい。他の冷却手段は、例えば図7に示す水冷機構17bや、ヒートポンプなどのうちで一以上が該当する。水冷機構17bには、冷媒(例えば水,空気,油等)を流すための入出口となる流入管17cや流出管17dを備える。流入管17cや流出管17dの配置は任意であり、図7の配置例に限られない。これらの流入管17cおよび流出管17dは、管状部材(例えばホースやパイプ等)を用いて物理的に接続され、図示しない冷却装置(例えばラジエータ等)との間で冷媒が流れるように構成される。水冷機構17bは、特に発熱し易い回路素子(例えば半導体素子群Qgや整流部14等)が冷えるように冷媒通路を形成するのが望ましい。他の冷却手段で構成しても、半導体素子群Qgや実装品を冷却できるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
上述した実施の形態では、ケース11は、ケース本体11bと冷却部17(すなわち冷却フィン17aまたは水冷機構17b)とを一体形成する構成とした(図1,図2,図5,図7を参照)。この形態に代えて、冷却部17を別体に形成したうえで、ケース本体11bに固定する構成としてもよい。固定の手段は任意であり、例えばネジやボルト等の締結部材を用いて締結固定したり、例えば溶接や半田付け等によって接合したりするなどが挙げられる。この構成であっても、冷却部17によってケース本体11bを冷却することができるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
上述した実施の形態では、第1コア部13a、コイル13bおよび第2コア部13cを有するトランス13を適用した(図1,図3を参照)。この形態に代えて、図8に示すトランス18(いわゆるE型トランス)を適用することもできる。図8に示すトランス18は、コア部18aやコイル18bなどで構成される。コア部18aは、コア上部とコア下部とを対向させて固定することで形成される。コア部18aの開口部位(「窓面」とも呼ぶ。)を、図3の上下方向に向けるように配置すれば、フィルタ機構(すなわちフィルタ部15および出力安定部16)に与える影響が低減される。したがって、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
上述した実施の形態では、第1遮蔽部11cおよび第2遮蔽部11dをケース本体11bと一体成型した(図1,図3等を参照)。この形態に代えて、第1遮蔽部11cおよび第2遮蔽部11dのうちで一以上の遮蔽部について、別体に形成したうえで、ケース本体11bの内側所定位置に固定する構成としてもよい。固定の手段は上述した通りである。第1遮蔽部11cおよび第2遮蔽部11dをT字状に一体化して固定すれば、作業工数を低減することができる。いずれの構成にせよ、第1遮蔽部11cと第2遮蔽部11dとをケース11に備える点では相違ないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
上述した実施の形態では、フィルタ部15は、コイルL15a,L15bを含む構成とした(図3,図6を参照)。この構成に代えて、一以上のコイルをリアクトルに代えて構成してもよい。リアクトルを用いる場合でもコイルと同等に作用するので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
上述した実施の形態では、フィルタ部15はコンデンサC15a,C15b,C15cを含み、出力安定部16はコンデンサC16を含む構成とした(図3,図6を参照)。この構成に代えて、一以上のコンデンサをキャパシタに代えて構成してもよい。キャパシタを用いる場合でもコンデンサと同等に作用するので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
上述した実施の形態では、第3遮蔽部を第2基板15aのグラウンド層15bで実現し、第4遮蔽部を第3基板16aのグラウンド層16bで実現する構成とした(図5を参照)。この形態に代えて、グラウンド層15b,16bのうちで一以上に代えて、第1遮蔽部11cや第2遮蔽部11dと同様の遮蔽部を形成する構成としてもよい。図5を例にすると、ケース蓋11aと第2基板15aとの間に第3遮蔽部を形成したり、ケース蓋11aと第3基板16aとの間に第4遮蔽部を形成したりする。いずれの構成にせよ、第1遮蔽部11cを乗り越えるノイズを遮蔽することができるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 電源装置(DC−DCコンバータ)
11 ケース
11c 第1遮蔽部
11d 第2遮蔽部
12 第1基板
12a ドライブ回路
12b 制御回路
12c 検出回路
13,18 トランス
14 整流部
15 フィルタ部
15a 第2基板
15b グラウンド層(第3遮蔽部)
16 出力安定部
16a 第3基板
16b グラウンド層(第4遮蔽部)
17 冷却部
17a 冷却フィン
17b 水冷機構
20 外部装置
Qg(Q1,Q2,Q3) スイッチング素子(半導体素子群)
N グラウンド
SP1,SP2,SP3 収容部
SL1,SL2 スリット(接続線用通路)
H1,H2 貫通穴(接続線用通路)
SK 遮蔽部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも半導体素子を配置する第1基板と、トランスと、交流成分を低減するフィルタ機構と、前記第1基板,前記トランス,前記フィルタ機構を収容するケースと、を有する電源装置において、
近接して配置される前記トランスと前記フィルタ機構との間に備えられ、前記トランスの漏れ磁束を遮蔽する第1遮蔽部を有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第1遮蔽部は、前記トランスと前記フィルタ機構とを電気的に接続する接続部材を通すスリットまたは穴を有し、
前記スリットまたは前記穴は、前記ケースの端部に近い位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記フィルタ機構は、交流成分を低減するフィルタ部と、出力電力を安定させる出力安定部と、を有し、
前記フィルタ部と前記出力安定部との間に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第2遮蔽部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
外部装置に電力を出力する出力端子を有し、
前記出力端子は、前記フィルタ部から前記出力安定部に流れる電流の経路と、前記出力安定部から前記出力端子に流れる電流の経路とが交差するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記ケースは、一面を開口させた箱状のケース本体と、前記ケース本体の開口部を覆うケース蓋と、を有し、
前記フィルタ機構の前記ケース蓋側に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第3遮蔽部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第3遮蔽部には、少なくとも一層がグラウンドに接続される第2基板を用いることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記出力端子はバスバーを含み、
前記バスバーの前記ケース蓋側に備えられ、前記漏れ磁束を遮蔽する第4遮蔽部を有することを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項8】
前記第4遮蔽部には、少なくとも一層がグラウンドに接続される第3基板を用いることを特徴とする請求項7に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−90533(P2013−90533A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231656(P2011−231656)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】