説明

電界放出装置

本発明は、電子(2)の放出領域(1)をもつカソードを備える電界放出装置に関するものである。本発明の電界放出装置は、できるだけ低い電圧で技術的に有用な電子電流を生成するように構成され、放出領域(1)には、個別に配置されるか、あるいは、個別に配置可能な複数の原子(4)または分子が配置されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子の放出領域をもつカソードを備えた電界放出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述したような電界放出装置は、例えば、米国再発行特許第RE38,561E号で知られている。
このような公知の電界放出装置においては、カーボンナノチューブを放出領域として使用している。
【0003】
電界放出では、高い電界の作用によりカソードから電子が放出される。
高い電界は、特に、曲率半径の小さいカソード領域で起こっている。
【0004】
電界放出装置を技術的に応用するには、できるだけ低い電圧、できるだけ高い電界強さ、そして、カソードの放出領域においてきるだけ高い放出電流の電流密度で実施することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、電界放出装置を使用して技術的に有用な電子電流をできるだけ低い電圧で実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する電界放出装置により達成される。
すなわち、本発明の電界放出装置は、放出領域を個別に配置されるか、または、個別に配置可能な複数の原子または分子からなる形態(configuration)を有している。
【0007】
本発明によれば、電界放出に適した放出領域は、個別の原子または分子が放出領域の形成に適した方法で配置されるように生成可能であることが確認されている。
通常、このような放出領域は、曲率半径が非常に小さくなっている。
これにより、技術的に有用な電子電流が、非常に小さい電気電圧を用いてカソードから放出されることができる。
個別の原子の配置は、走査型トンネル顕微鏡で知られている方法により実施しても構わない。
【0008】
そして、前述した原子または分子の特に安定した形態として、原子または分子は、結晶構造となるように配置することができる。
このようにして、安定した一定の電子放出を長期間にわたって維持することができる。
【0009】
特に、信頼性の高い電界放出装置については、原子、分子、または、結晶をキャリア上に載置しても構わない。
このようなキャリアにより、電界放出装置の全体を安定して扱うことが可能となっている。
【0010】
特に、機械的に安定したキャリアを提供するために、キャリアは、ガラス、ケイ素、炭素、ロジウム、タンタル、パラジウム、酸化パラジウム、アルミニウム、水晶物質、強誘電体物質、強磁性体物質、または、導電性セラミックを含んでいても構わない。
例えば、アルミニウムを使用してドープされた酸化亜鉛(Al添加ZnO)を導電性セラミックとして提案する。
さらに、このようなキャリアの一実施例として、電界放出装置の使用中、高い真空安定性が提供される。
強磁性体物質を有するキャリアを使用する場合、強磁性体物質には、例えば、チタン酸バリウムを含むことができる。
【0011】
他の実施例において、キャリアにプラスチックを含めたり、または、完全にプラスチックで構成したりすることができる。
特に、ポリアニリン、ポリピロール、または、ポリフェニレンアミンを、上述したプラスチックとして、キャリアの一成分として、または、キャリア物質として、全体として提案する。
一般的には、複数の金属に特徴的な性質を有する有機金属を、キャリア物質として、または、キャリアの一成分として使用することができる。
従来の金属と対照的に、この場合、ナノ効果が依然として見られる。
特に、様々な導電性プラスチックの全ての主要な粒子の直径を、20nmよりかなり小さい値としている。
このような粒子は、自発的に極めて微細な鎖およびネットワークを臨界濃度で分散から形成している。
【0012】
そして、電界放出装置における省スペース化された使用と省スペース化された形態のために、カソードを棒状、または円板状に形成しても構わない。
したがって、このような設計では、複数のカソードを極めて小さいスペースに配置することができる。
【0013】
必要条件によっては、少なくとも1つの原子または分子を選択して、それが少なくともあらかじめ定義可能な環境状況下で導電または半導体特性を有するようにできる。
このようにして、特に、個別の放出領域を形成することができる。
【0014】
本発明では、原子の少なくとも1つを金属原子とするか、あるいは、少なくとも原子の1つを鉄、マグネシウム、銅、カリウム、白金、銀、パラジウム、または金原子とする電界放出装置について、複数の実施例を開示する。
そして、これらの物質は、電界放出装置の特定の用途を考慮して選択しなければならない。
【0015】
さらなる代替例として、原子の少なくとも1つを炭素原子とすることができる。
さらに、近年においては、カーボンナノチューブの形状の放出領域の実施例が、電子の放出安定性に関して非常に有利であることが示されている。
したがって、放出領域の形態については、特に、有利にカーボンナノチューブに変更しても構わない。
【0016】
そして、ナノチューブと組み合わせた放出領域の様々な実施例は、例えば、用途に応じて有利となっている。
具体的には、1つ以上の炭素原子またはナノチューブを、複合物質に結合したり、または、結合されたナノ粒子またはナノ合成物として提供したりしても構わない。
【0017】
また、カーボンナノチューブは、様々な蒸着方法によって信頼性のある方法で生成しても構わない。
この場合、プラズマ誘導および電子ビーム誘導蒸着(PECVD:プラズマ化学気相成長法およびEBID:電子誘起蒸着)を提案することができる。
【0018】
具体的な実施例として、その基本的な形態は、n面からなるピラミッド(n-sided pyramid)の形状としても構わない。
これらのピラミッドは、規則正しくなっているか、あるいは不規則になっていてもよく、例えば、台形をベースに形成することができる。
【0019】
さらなる実施例では、その基本的な形態は、先を切ったピラミッド(truncated pyramid)の形状にすることができる。
このようにして、曲率半径を十分小さくすることにより、できるだけ低い電圧で安定して電子を放出することが可能になっている。
【0020】
さらなる実施例では、その基本的な形態は、好ましくは、正多面体の形状を有することができる。
また、立方体や、非常に一般的には、直方体も考えられる。
【0021】
また、電界放出に適した実施例では、その基本的な形態を円錐の形状や、好ましくは、直円錐または円柱の形状にしても構わない。
基本形状として実施例を円錐形にすることによって、その基本的な形態を円錐台の形状とすることができる。
【0022】
理想的な場合として、単一の原子や分子で放出領域の頂点を形成することができる。
用途によって、複数の個別の原子や分子で、細い頂点、端部または角部を形成可能にするのが好ましい。
【0023】
放出領域は、必ずしも1つだけ化学元素を備えなければならないわけではない。
むしろ、少なくとも2つの異なるタイプの原子または分子を放出領域に配置することが考えられる。
安定した電界放出の好ましい効果を得るには、特に様々な化学的な要素の相互作用によって得ても構わない。
【0024】
特定の応用分野では、本発明による電界放出装置は、電界放出顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡または原子力顕微鏡においてガス電離に使用することができる。
さらに、本発明の電界放出装置は、光源、照明、またはバックライトの分野に使用することができる。
さらに、本発明の電界放出装置は、マイクロ素子、マイクロデバイスの分野、または、データキャリアの分野における回路基板上で使用することもできる。
さらに、本発明の電界放出装置は、測定センサの分野、ハンドヘルドX線蛍光分析装置、X線装置、コンピュータトモグラフィーなどの分野への応用についても考えられる。
【0025】
本発明による電界放出装置の取り扱いは、簡便であり寸法が小さいため、個別の電界放出装置を極めて狭いスペースに複数配置することができる。
具体的には、複数のカソードを、1つの線上、あるいは、一つの平面内に配置することができる。
そうすることで、線状または平面状の電子源を、複数の個別のエミッタで形成することができる。
カソードを不規則およびランダムな形態にしたり、または、対称の形態にしたりすることもできる。
特定の用途を考慮しなければならない。
【0026】
具体的には、複数のカソードを一つの平面上に行列をなして配置しても構わない。
このためには、個別のカソードを対称の形態にしても良い。
【0027】
複数のカソードを提供する場合には、個別のカソードを個別に、あるいは、まとめて活性化可能としても構わない。
このためには、1つのカソードの電子電流が所望の用途に対して十分となるのか、または十分な電子電流とするために複数のカソードを組み合わせるのか、考慮しなければならない。
後者の場合、カソードをまとめて活性化させることができることに利点があり得る。
【0028】
特に、有利な実施例では、カソードをそれぞれ光学ディスプレイやディスプレイスクリーンの画素の電子源とすることができる。
この目的では、コンピュータやTVディスプレイスクリーンが特に考慮されている。
この場合、放出された電子を誘引するアノードは、放出領域に対向して配置することができる。
このようにして、特に、放出された電子を安定して所望の場所に導くことができる。
【0029】
具体的に、前述したアノードに電気的に導電性を有する物質を含めたり、このような物質でアノードを形成したりしても構わない。
このようにして、放出された電子の安定した中継が、アノードを介して可能になっている。
【0030】
電子を誘引する機能的要素としてアノードだけを用いる装置を実現するために、電子透過性の物質をアノードに含めることができる。
カソードの放出領域から放出された電子は、この場合、アノードに向かって加速し、次いでアノードを通過してさらに使用しても構わない。
このような実施例は、特に、ディスプレイやTVディスプレイスクリーンの実装に有利となり、電極がアノードを介して蛍光体(fluorescent material)に入射することができる。
【0031】
具体的な実施例において、前述したアノードには、金属、好ましくは、導電性プラスチックを含めることができる。
このようなアノードの物質選択は、高い真空耐性を考慮して行っても構わない。
【0032】
具体的に、アノードに含まれる金属は、アルミニウム、銅、またはタングステンとすることができる。
更なる代替案として、アノードにポリアニリン、ポリピロール、またはポリフェニレンアミンを含めたり、または、これらのプラスチックから構成したりすることができる。
根本的に、本明細書では、放出領域の物質と併せて先に説明してきたように有機金属を用いても構わない。
【0033】
電子を誘引するのに効果的で、かつ省スペース化が可能なアノードを実現するために、アノードは、薄層または薄膜で形成しても構わない。
そして、このような薄層または薄膜は、少なくとも部分的に蛍光体に貼り付けても構わない。
このような方法により、簡単な設計のTVディスプレイスクリーンを完成させることができる。
【0034】
つぎに、更なる他の実施例では、アノードは、蛍光体の混合物として実現することができる。
この場合、放出された電子は、蛍光体に入射されるものであるが、これらの放出された電子の間で効果的な相互作用は、物質の前面に位置する層状または膜状のアノードによる干渉効果がなくても保証されている。
換言すると、これらの電子は、蛍光体に直接入射して、蛍光効果を生成することができる。
この場合、それでも、電子の安定した誘引作用がアノードにより確実に得られるようにすることができる。
アノード物質の蛍光体への混合は、個別の場合において、特定の物質の液相で行っても構わない。
また、その代替案として、アノード物質の固体粒子を液相または粉状の蛍光体に混合しても構わない。
その後、焼結して、アノード物質と蛍光体とからなる準固相の構造を得ても構わない。
【0035】
特に、有利な実施例において、蛍光体は、電子を伝導および/または電子を誘引する物質からなる混合物を有することができる。
このような方法によって、蛍光体を経由した電子の誘引および/または入射した電子の安定した消散(dissipation)が確実なものとなる。
【0036】
具体的に、電子を伝導および/または電子を誘引する物質には、金属を含めることができる。
しかしながら、電子を伝導する物質として有機金属も検討する。
【0037】
また、上述の実装されるアノードは、他の周知の電界放出装置または他の電子放出装置とを使用することもできる。
この場合、請求項1記載の電界放出装置への上述したアノードの接続に要件はない。
前述したアノードの実施例の利点は、部分的に、または他の電子源を使用しても完全に達成することができる。
例えば、前述したアノードは、例えば、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)で使用されるようなSCE(表面伝導型電子放出素子)と使用することができる。
【0038】
本発明の電界放出装置では、球面状、円板状、または、棒状の粒子を放出領域に供給しても構わない。
さらに、金属粒子、半導体粒子、ポリマー粒子、またはセラミック粒子を供給しても構わない。
また、ナノ粒子、繊維状の粒子、および、上述したような全ての粒子の組み合わせを供給しても構わない。
【0039】
ここで、本発明は、有利に実施し、本発明の教示をさらに良いものにするために様々な可能性がある。
この目的のため、従属クレームを参照するとともに、本発明による電界放出装置の2つの実施例について以下の説明を参照する。
一般的に好ましい実施例および教示の改良点についても、図面に基づく好ましい実施例の説明に合わせて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の電界放出装置である第一実施例の概略側面図。
【図2】本発明の電界放出装置である第二実施例の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の電界放出装置である第一実施例を示す概略側面図である。
本発明の電界放出装置は、電子2の放出領域1を備えたカソード3を有している。
そして、この放出領域1は、個別に配置された、あるいは、個別に配置可能な複数の原子4からなる形態を有している。
これらの原子4からなる形態は、例えば、ガラス、ケイ素、またはプラスチックを含むキャリア5上に載置されている。
【0042】
これらの原子4からなる形態は、基本的に、四面からなるピラミッド6の形状を有している。
そして、1つの原子4が、放出領域1の頂点を形成している。
前述した電子2は、その頂点からアノード7の方向に放出されている。
【0043】
また、前記アノード7は、薄膜8として実装され、蛍光体9に貼り付けられている。
電圧により電界放出、つまりは電子2のアノード7の方向への加速が可能になるが、このような電圧が、カソード3とアノード7の間で作用している。
そして、蛍光体9に入射する電子が、蛍光体9での光の放出を引き起している。
図1に示す電界放出装置は、TVディスプレイスクリーンの製造に使用することができる。
【0044】
図2は、本発明の電界放出装置の第二実施例を示す概略側面図である。
図2に示す第二実施例において、アノード7のみが、図1に示す第一実施例におけるアノードと異なって実装されている。
その他の点では、キャリア5上に載置された原子4の構造が、図1に示す実施例に合致している。
【0045】
第二実施例においては、アノード7が蛍光体9への混合物として構成されている。
具体的には、例えば、金属粒子を蛍光体9に混合して、外見上、蛍光体9に統合されたアノード7を形成している。
【0046】
本発明の電界放出装置の更なる実施例に関しては、明細書と特許請求の範囲を参照することとし、説明の繰返しを避ける。
【0047】
最後に、上述した実施例は、特許請求の範囲に記載された教示を説明するものであり、これらの実施例に限定されるものではないことに特に注意されたい。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード(3)が電子(2)の放出領域(1)を備える電界放出装置であって、
前記放出領域(1)が、個別に配置されるか、あるいは、個別に配置可能な複数の原子(4)または分子からなる形態を備えていることを特徴とする電界放出装置。
【請求項2】
前記原子(4)または分子が、結晶構造に配置されていることを特徴とする請求項1に記載された電界放出装置。
【請求項3】
前記原子(4)分子または結晶が、キャリア(5)上に載置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電界放出装置。
【請求項4】
前記キャリア(5)が、ガラス、ケイ素、炭素、ロジウム、タンタル、パラジウム、酸化パラジウム、アルミニウム、水晶物質、強誘電体物質、強磁性体物質、または、導電性セラミック、好ましくは、Al添加ZnOを含んでいることを特徴とする請求項3に記載された電界放出装置。
【請求項5】
前記強誘電体物質が、チタン酸バリウムを含んでいることを特徴とする請求項4に記載された電界放出装置。
【請求項6】
前記キャリア(5)が、プラスチックを含んでいることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項7】
前記キャリア(5)が、ポリアニリン、ポリピロール、または、ポリフェニレンアミンを含んでいることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項8】
前記カソード(3)が、棒状または円板状に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項9】
前記原子(4)または分子の少なくとも1つが、少なくともあらかじめ定義可能な環境条件下で導電体または半導体特性を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項10】
前記原子(4)の少なくとも1つが、金属原子からなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項11】
前記原子(4)の少なくとも1つが、鉄、マグネシウム、銅、カリウム、白金、銀、パラジウム、または、金原子からなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項12】
前記原子(4)の少なくとも1つが、炭素原子からなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項13】
前記形態が、カーボンナノチューブに変更されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項14】
前記1つ以上の炭素原子またはナノチューブが、複合物質に結合されているか、あるいは、結合したナノ粒子、または、ナノ合成物として供給されていることを特徴とする請求項13に記載された電界放出装置。
【請求項15】
前記形態が、n面からなるピラミッド(6)の形状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項16】
前記ピラミッド(6)が、規則正しくなっているか、あるいは不規則になっていることを特徴とする請求項15に記載された電界放出装置。
【請求項17】
前記形態が、角錐台の形状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項18】
前記形態が、正多面体の形状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項19】
前記形態が、円錐、直円錐、または、円柱の形状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項20】
前記形態が、円錐台の形状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項21】
前記1つの原子(4)または分子が、前記放出領域(1)の頂点を形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項20のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項22】
前記複数の個別の原子(4)または分子が、細い頂点、端部、角部を形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項20のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項23】
前記少なくとも2つの異なるタイプの原子(4)または分子が、前記放出領域(1)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項24】
前記電界放出装置が、電界放出顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、または、原子力顕微鏡で使用可能になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項25】
前記複数のカソード(3)が、線上または平面上に配置されていることにより、線状または平面状の電子源が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項24のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項26】
前記複数のカソード(3)が、一つの平面上に行列をなして配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項25のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項27】
前記個別カソード(3)が、個別にまたはまとめて活性化可能になっていることを特徴とする請求項25または請求項26に記載された電界放出装置。
【請求項28】
前記カソード(3)が、光学ディスプレイまたはディスプレイスクリーンのピクセルの電子源としてそれぞれ実装されていることを特徴とする請求項25乃至請求項27のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項29】
前記放出された電子(2)を誘引するアノード(7)が、前記放出領域(1)に対向して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項28のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項30】
前記アノード(7)が、電気的に導電性の物質を含んでいることを特徴とする請求項29に記載された電界放出装置。
【請求項31】
前記アノード(7)が、電子透過性の物質を含んでいることを特徴とする請求項29または請求項30に記載された電界放出装置。
【請求項32】
前記アノード(7)が、金属または導電性プラスチックを含んでいることを特徴とする請求項29乃至請求項31のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項33】
前記金属が、アルミニウム、銅、または、タングステンであることを特徴とする請求項32に記載された電界放出装置。
【請求項34】
前記アノード(7)が、ポリアニリン、ポリピロール、または、ポリフェニレンアミンを含んでいることを特徴とする請求項29乃至請求項33のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項35】
前記アノード(7)が、薄層または薄膜(8)により形成されていることを特徴とする請求項29乃至請求項34のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項36】
前記薄層または薄膜(8)が、少なくとも部分的に蛍光体(9)に貼り付けられていることを特徴とする請求項35に記載された電界放出装置。
【請求項37】
前記アノード(7)が、混合物として蛍光体(9)に実装されていることを特徴とする請求項29乃至請求項35のいずれか1つに記載された電界放出装置。
【請求項38】
前記蛍光体(9)が、電子(2)を伝導および/または誘引する物質からなる混合物を有していることを特徴とする請求項36または請求項37に記載された電界放出装置。
【請求項39】
前記電子(2)を伝導および/または誘引する物質が、金属を含んでいることを特徴とする請求項38に記載された電界放出装置。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−509740(P2010−509740A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536600(P2009−536600)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002065
【国際公開番号】WO2008/058527
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(509134167)
【Fターム(参考)】