説明

電着工具およびその製造方法

【課題】反転めっき法のような反転工程が不要であり、砥粒密度を平均化することができ、砥粒の粒度や個数の調整が容易な電着工具およびその製造方法を提供する。
【解決手段】台金2表面に、電着する砥粒平均粒径の400%以上の粒径を有し、めっき液に不溶性かつ非導電性の複数個のビーズ10を最密充填配列し、その状態で台金2表面に、ビーズ10の球面により成形される凹部11aとビーズ10に接しない平面状の凸部11bとよりなる第1めっき皮膜11を形成する。第1めっき皮膜11の凸部11bの表面全面が粗面になる程度に、ビーズ10を含んで第1めっき皮膜11を研削し、それにより露出した第1めっき皮膜11の凸部11b上に、砥粒13を連続して配列し、第1めっき皮膜11上に第2めっき皮膜14を電着することにより凸部11b上に砥粒13を電着固定し、電着工具を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台金表面に砥粒を電着固定した電着工具およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超硬合金、セラミック、ガラス、半導体材料、鋳鉄、鋼など各種材料の研削や研磨に、電着法によって台金表面に砥粒層を形成した電着工具が使用されている。この電着工具は、縦型形状、カップ形状、円盤形状などの台金を、ダイヤモンド砥粒、cBN(立方晶窒化硼素)砥粒などの超砥粒を分散させためっき液内に浸漬し、台金に超砥粒を電着させて砥粒層を形成したものである。
【0003】
このような電着工具は、砥粒を単層に固着させたものが一般的である。単層構造のものは、砥粒と砥粒の間にめっき金属が析出することでめっき金属により砥粒が強固に保持され、かつ砥粒の先端が十分に露出されていることから、切れ味に優れ、高能率研削が可能である。しかしその反面、砥粒の密度が高すぎると、研削加工により砥粒の先端部の一部が摩耗した場合、研削抵抗が著しく上昇して切れ味が大きく低下してしまう。また、切粉の排出性が低く、目詰まりや溶着を引き起こす傾向がある。
【0004】
このような問題に対処するために、研削面となる台金表面に溝や孔を設け、凹凸状に形成し、その表面に砥粒を電着固定することにより切粉の排出性の向上や研削抵抗の低下を図ることが提案されている。しかしながら、研削面の形状が三次元的な曲線や傾斜面で構成されている電着工具の場合、台金表面に多数の溝や孔を設けるのは非常に困難であり、コスト面でも高価なものとなってしまう。
【0005】
このような問題を解消するために、例えば特許文献1には、超砥粒工具の超砥粒層の表面に、球面状、円錐状、角柱状、円柱状等の形状を呈する複数の突起を、反転めっき法を用いて形成することが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、電着工具の台金に凹凸を有する下地めっきを施した後砥粒を電着する電着工具の製造方法において、台金の形状に関わりなくほぼ一定の形状の凹凸を有する下地めっきを施すために、砥粒を電着固定して研削面とする台金表面に、電着する砥粒の粒径の150%以上の粒径を有し、めっき液に対し不溶性でかつ非導電性の複数個の粒体を単層に電着固定し、電着固定した複数個の粒体を除去することにより台金表面に複数個の凹凸を有するめっき皮膜を形成し、凹凸を有するめっき皮膜の表面を切削または研削により整形加工し、整形された凹凸を有するめっき皮膜の上に砥粒を単層に連続配置して電着固定する電着工具の製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−11659号公報
【特許文献2】特開2004−268237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前掲の特許文献1に記載された超砥粒工具においては、突起を設けるために反転めっき法を用いており、そのために工程が複雑化し、生産性が悪いという問題がある。また、特許文献1および2に記載された工具のいずれも、チップポケット内に砥粒が存在するため、切粉が詰まったり研削液が排出されずに残ったりする。さらに、チップポケットの位置が不規則であるため、砥粒密度に偏りが生じる。また、切れ味や寿命を選択するには粒度を変更しなければならず、同品種製造の場合、多くのめっき槽及び砥粒が必要となる。
【0009】
そこで本発明は、反転めっき法のような反転工程が不要であり、チップポケット内に切粉や研削液が詰まったり残留したりすることが解消され、砥粒密度を平均化することができ、砥粒の粒度や個数の調整が容易な電着工具およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の電着工具は、台金表面に複数の凹凸を有する第1めっき皮膜と、前記第1めっき皮膜の凸部の表面に第2めっき皮膜により電着固定される砥粒とからなり、前記第1めっき皮膜の凹部は、前記台金表面に最密充填配列される、前記砥粒平均粒径の400%以上の粒径の凹凸形成用粒体の球面によって形成される径と分布を有するものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電着工具の製造方法は、
砥粒を電着固定して研削面とする台金表面に、電着する砥粒平均粒径の400%以上の粒径を有し、めっき液に不溶性かつ非導電性の複数個の凹凸形成用粒体を最密充填配列する工程と、
前記凹凸形成用粒体を最密充填配列した状態で前記台金表面に、前記凹凸形成用粒体の球面により成形される凹部と前記凹凸形成用粒体に接しない平面状の凸部とよりなる第1めっき皮膜を形成する工程と、
前記第1めっき皮膜の前記凸部の表面全面が粗面になる程度に、前記複数個の凹凸形成用粒体を含んで前記第1めっき皮膜を研削する工程と、
前記研削により露出した第1めっき皮膜の前記凸部上に、砥粒を連続して配列する工程と、
前記第1めっき皮膜上に第2めっき皮膜を電着することにより前記第1めっき皮膜の前記凸部上に前記砥粒を電着固定する工程と、
前記凹部を溶剤に溶解することで、前記台金表面に凹凸が形成されかつ前記凸部上に砥粒が固定された電着工具を得る工程と
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明においては、台金の研削面に複数個の凹凸を有するめっき皮膜を形成するのに、台金表面に合成樹脂製のビーズのような非導電性の粒体(凹凸形成用粒体)を複数個第1めっき皮膜により電着固定し、その後第1めっき皮膜が露出するまで凹凸形成用粒体の突出部分及び第1めっき皮膜の凸部を研削する。この研削工程は、第1めっき皮膜の表面を粗面にし、次の第2めっき皮膜を形成するときに、第2めっき皮膜との結合を高めるために設けるもので、研削の厚みは僅か、例えば第1めっき皮膜の厚みの1%程度でよい。研削工程後、砥粒を第2めっき皮膜により電着固定し、ビーズを溶かすことにより、電着工具を製造する。これにより、台金の研削面の形状が三次元的な曲線や傾斜面で構成されている電着工具の場合でも、所望の配置形態でほぼ規則的な凹凸を有する電着工具の製造が可能である。
【0013】
ここで、はじめに台金表面に電着固定する凹凸形成用粒体としては、電着する砥粒の平均粒径の400%以上の粒径を有し、めっき液に対し不溶性でかつ非導電性でなければならない。その理由は、図8に示すように、電着する砥粒の平均粒径を100%とすると、電着する砥粒の粒径が、電着する砥粒の平均粒径の400%未満であると、砥粒平均粒径の20%以上の凹部の深さで得られるチップポケットが、ビーズ径の5〜20%で得られないためである。電着する砥粒平均粒径を100としたときのビーズ径とチップポケットの割合は、砥粒平均粒径:ビーズ径:チップポケット深さ=100:400以上:20以上の条件である。なお、ビーズ径とチップポケット深さは比例関係にはなくてよい。
【0014】
また、めっき液に対し不溶性でかつ非導電性とする理由は、めっき液中において凹凸形成用粒体が溶解することなく当初の形状を保つことにより、電着固定後に凹凸形成用粒体を除去したときに当初の形状に対応した凹部がめっき皮膜に形成されるようにするためであり、また、めっき時に凹凸形成用粒体表面にめっき金属が析出しないようにするためである。このような凹凸形成用粒体としては、合成樹脂製のビーズまたはガラス製のビーズまたはセラミックス製のビーズが適している。各ビーズの比重は、使用するめっき液に対して1を超える値(使用するめっき液に浮かない)とする。
【0015】
この凹凸形成用粒体をいったん電着固定した後、凸部のめっき面が露出するまでビーズごと研削することにより、第1めっき皮膜凹部には不溶性かつ非導電性のビーズ研削残留物が埋まり、後に凸部となる面にはめっき皮膜が露出した平坦な面となる。研削の際、ビーズが抜け落ちない程度の研削抵抗を用いて研削を行う。
【0016】
凹部の深さは、後に電着固定される砥粒の平均粒径の20%以上が望ましく、深さが砥粒平均粒径の25%未満の場合は切粉排出用のチップポケットとしての効果が低くなる。この凹部の深さは、使用する凹凸形成用粒体の平均粒径およびめっき皮膜の厚さ(めっき析出量)、ならびにめっき皮膜表面の整形加工時の切削代または研削代によって調整することができる。
【0017】
前記凹凸形成用粒体は、めっき液に対し不溶性で非導電性であるとともに、外径精度±1μm以下の合成樹脂製ビーズまたはガラス製ビーズを用いることができる。このように、粒径の外径精度±1μm以下の合成樹脂製またはガラス製ビーズを最密充填固定することにより、砥粒及びチップポケットが規則性の高い配列となる電着工具の製造が可能である。
【0018】
前記ビーズの径を100%とした場合に、ビーズの径の5〜20%までめっきを析出させて、ビーズの径の25%以下の粒径の砥粒を電着固定させることができる。
【0019】
このように、粒体の粒径及びめっき皮膜の析出量、ならびに樹脂コーティング削り込み量により、砥粒固着量及び面積の調整が可能であり、ゆえに作用砥粒数を調整することで用途にあった切れ味や寿命を供給できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反転工程が不要であり、生産性が向上する。また、第1めっき皮膜に形成されている凹部(チップポケット)内は平滑なめっき面であるため、切粉及び研削液の排出性に優れる。
また、初期ガラズビーズ固定時のめっき析出量または樹脂及びめっき皮膜削り込み量を調整することで、同粒度において固着できる砥粒数を調整可能であり、用途にあった切れ味及び寿命を調整できる。
最密充填によりチップポケットが規則正しく配列しているため、砥粒固着面積が安定し、砥粒密度に偏りが生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、具体的に説明する。
本発明をモーターマグネットの整形加工用の電着工具に適用した実施形態について説明する。図1は本発明の実施の形態における工具の台金の形状を示す断面図であり、図2は本発明の実施の形態における砥粒層の形成過程を示す図、図3は本発明の実施の形態における砥粒層の平面図である。
【0022】
本実施形態の電着工具(以下、ホイールという)1はモーターマグネットの整形加工用のホイールであり、台金2の研削面である外周面の円弧状の凹部3に砥粒層4が形成されている。ホイール1の寸法は、台金2の外径200mm、厚みが30mm、穴径が40mmである。砥粒層4には、平均粒径200μmのダイヤモンド砥粒が電着されている。
本発明の方法により、研削面となる凹部3の台金表面に非導電性の複数個の凹凸形成用粒体(以下、「ビーズ」という)10を好ましくは単層に最密充填配列し、ビーズ10を最密充填配列した状態で台金2表面に第1めっき皮膜11を形成し、第1めっき皮膜11からビーズ10を除去することにより、台金2表面に複数の凹凸を有する第1めっき皮膜11を得る。次いで、第1めっき皮膜11の凸部11bの表面全面が粗面になる程度に、複数個のビーズ10を含んで第1めっき皮膜11を研削する。研削によって形成された凸部11bと残留ビーズ10aの表面に、ダイヤモンド砥粒13を連続して配列する。第2めっき皮膜14により凸部11b上のダイヤモンド砥粒を電着固定する。第1めっき皮膜11の凹部11aの残留ビーズ10aを、ビーズ10が溶ける温度まで温度を上昇させて除去する。
【0023】
具体的には、電着工具1の砥粒層4は以下の工程を経て形成される。
工程1 台金2の研削面以外を常法によりマスキングする。
工程2 平均粒径約1.5mmのガラス製のビーズと平均粒径約200μmのダイヤモンド砥粒を準備する。
工程3 台金2の研削面である凹部3に、ビーズ10を本例では単層に最密充填配列する(図2(a))。
【0024】
工程4 ビーズ10を最密充填配列した状態で台金2表面に、ビーズ10の球面により成形される凹部と前記凹凸形成用粒体に接しない平面状の凸部とよりなる第1めっき皮膜11を形成する。このときの第1めっき皮膜11の厚さは、ビーズ粒径の約1/2(約750μm)である(図2(b))。
【0025】
工程5 第1めっき皮膜11の凸部11bの表面全面が粗面になる程度に、複数個のビーズ10を含んで第1めっき皮膜11を研削する(図2(c))。同図中、10aは研削によって凹部11aに残った残留ビーズである。
工程6 研削によって形成された凸部11bと残留ビーズ10aの表面に、ダイヤモンド砥粒13を連続して配列する(図2(d))。
【0026】
工程7 第2めっき皮膜14により凸部11b上のダイヤモンド砥粒を電着固定する(図2(e))。
工程8 第1めっき皮膜11の凹部11aの残留ビーズ10aを、ビーズ10が溶ける温度まで温度を上昇させて除去する(図2(f))。
以上により、台金2の研削面に、多数の凹凸を有するめっき皮膜11上に連続的にダイヤモンド砥粒13が単層に電着されたホイール1ができあがる。
【0027】
なお、ビーズ10の径や間隔を調整することにより、第1めっき皮膜11の凸部11bの幅を調整することができ、例えば図4に示すように、凸部11b上に2個の砥粒13を第2めっき皮膜により電着固定することもできる。
【0028】
本発明の製造方法により製造したホイールの研削性能を確認するために、発明品と同じ形状の台金と砥粒及びめっき液を用いて研削面に凹凸を形成することなく砥粒を電着させる従来製造方法によって製造した従来品1と特許文献2記載の方法にて凹凸を形成し、凹部に砥粒の付着する従来品2とを使用して研削試験を行った。
【0029】
(試験条件)
研削機械:平面研削盤
被研削材:フェライト 寸法50mm×10mm×100mm
ホイール周速度:1600m/min
テーブル送り速度:0.5m/min
切り込み量:1.0mm/pass
研削方式:湿式クリープフィード研削
研削液:ノリタケクール NK−47(商品名)の50倍希釈液
【0030】
図5〜図7に試験結果を示す。このうち、図5は本発明と従来品における研削量と消費電力との関係を示す図であり、図6は本発明と従来品における研削量と研削後の被削材の面粗さとの関係を示す図であり、図7は本発明と従来品における研削量とホイール半径磨耗量との関係を示す図である。
【0031】
図5に示すように、発明品及び従来品2は従来品1に比べて研削に要する消費電力が小さい。これは、従来品1については、被削材への接触砥粒数が多く、切粉及び研削液の排出性が悪いのに対して、従来品2及び発明品においては、凸部上面の砥粒のみが被削材へ接触するため、接触砥粒数が少なく、かつ凹部がチップポケットとして機能するため、切粉及び研削液の排出性が向上し、研削抵抗が低減しているためである。
【0032】
また、発明品は従来品2に比べてさらに消費電力が小さい。これは、従来品2については、凹部に砥粒が存在するために、切粉及び研削液の排出性において抵抗となっているのに対して、発明品においては、抵抗とならないため、切粉及び研削液の排出性が向上し、研削抵抗が低減しているためである。
【0033】
研削後の被削材の面粗さに関しては、図6に示すように、従来品2及び発明品は従来品1より粗くなっている。これは、従来品2及び発明品は被削材への接触砥粒数が少なく、切れ刃間隔が大きくなる事から、砥粒の切込み深さが大きくなることによると考えられる。
【0034】
また、発明品は従来品2に比べて面粗さが若干粗い。これは、従来品2については、凹部に砥粒が存在するために、切込み時に凹部砥粒が作用するのに対して、発明品はまったく作用しないために粗くなる。しかし、いずれもその差はわずかであり、実用上問題となる面粗さではない。
【0035】
図7に示すように、ホイール半径磨耗量に関しては、従来品1と従来品2と従来品3とはほぼ同等の値を示している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、反転めっき法のような反転工程が不要であり、チップポケット内に切粉や研削液が詰まったり残留したりすることが解消され、砥粒密度を平均化することができ、砥粒の粒度や個数の調整が容易な電着工具およびその製造方法として、超硬合金、セラミック、ガラス、半導体材料、鋳鉄、鋼など各種材料の研削や研磨に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態における工具の台金の形状を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における砥粒層の形成過程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における砥粒層の平面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態における砥粒層の断面図である。
【図5】本発明と従来品における研削量と消費電力との関係を示す図である。
【図6】本発明と従来品における研削量と研削後の被削材の面粗さとの関係を示す図である。
【図7】本発明と従来品における研削量とホイール半径磨耗量との関係を示す図である。
【図8】砥粒粒径と凹凸形成用粒体の粒径との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ホイール
2 台金
3 台金研削面の凹部
4 砥粒層
10 ビーズ(凹凸形成用粒体)
10a 残留ビーズ
11 第1めっき皮膜
11a 凹部
11b 凸部
13 砥粒
14 第2めっき皮膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台金表面に複数の凹凸を有する第1めっき皮膜と、前記第1めっき皮膜の凸部の表面に第2めっき皮膜により電着固定される砥粒とからなり、前記第1めっき皮膜の凹部は、前記台金表面に最密充填配列される、前記砥粒平均粒径の400%以上の粒径の凹凸形成用粒体の球面によって形成される径と分布を有するものであることを特徴とする電着工具。
【請求項2】
砥粒を電着固定して研削面とする台金表面に、電着する砥粒粒径の400%以上の粒径を有し、めっき液に不溶性かつ非導電性の複数個の凹凸形成用粒体を最密充填配列する工程と、
前記凹凸形成用粒体を最密充填配列した状態で前記台金表面に、前記凹凸形成用粒体の球面により成形される凹部と前記凹凸形成用粒体に接しない平面状の凸部とよりなる第1めっき皮膜を形成する工程と、
前記第1めっき皮膜の前記凸部の表面全面が粗面になる程度に、前記複数個の凹凸形成用粒体を含んで前記第1めっき皮膜を研削する工程と、
前記研削により露出した第1めっき皮膜の前記凸部上に、砥粒を連続して配列する工程と、
前記第1めっき皮膜上に第2めっき皮膜を電着することにより前記第1めっき皮膜の前記凸部上に前記砥粒を電着固定する工程と、
前記凹部を溶剤に溶解することで、前記台金表面に凹凸が形成されかつ前記凸部上に砥粒が固定された電着工具を得る工程と
を含むことを特徴とする電着工具の製造方法。
【請求項3】
前記凹凸形成用粒体は、前記めっき液に対し不溶性で非導電性であり、かつ外径精度±1μm以下の合成樹脂製ビーズまたはガラス製ビーズであることを特徴とする請求項2記載の電着工具の製造方法。
【請求項4】
前記ビーズの径を100%とした場合に、ビーズの径の5〜20%までめっきを析出させて、ビーズの径の25%以下の粒径の砥粒を電着固定させることを特徴とする請求項3記載の電着工具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−120131(P2010−120131A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297178(P2008−297178)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000111410)株式会社ノリタケスーパーアブレーシブ (73)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】