説明

電磁波試験装置

【課題】EMS試験において複合的な電磁波を照射することが可能な電磁波試験装置を提供する。
【解決手段】高周波信号が入力されると電磁波を放射する複数のアンテナエレメント14と、各アンテナエレメント14の入力端子にそれぞれ接続され、高周波信号を発生する複数の信号発生部31〜37と、測定器26とを備え、測定器26が、複数の信号発生部31〜37を各々制御することにより、アンテナエレメント14毎に予め設定された周波数の電磁波を放射させる。そして、供試品における電子機器からの出力信号に基づき、外部からの電磁波による電子機器の耐性検査(EMS試験)を行うように構成した。この構成によれば、EMS試験を行う際に、様々なノイズ環境を再現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からの電磁波による電子機器の耐性試験を少なくとも行う電磁波試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からの妨害波等による電子機器の耐性を試験するイミュニティ試験(以下「EMS試験」という)、および電子機器から放射される妨害波(電子機器の発するノイズ等)の大きさを測定するエミッション測定(以下「EMI測定」という)が知られている。これらのEMS試験およびEMI測定を可能とする電磁波試験装置としては、オープンフィールドテストサイト、あるいは電磁波無響セルが使用されている。
【0003】
オープンフィールドテストサイトは、野外において電子機器を支持台上に載置し、この電子機器より離れた位置にアンテナポールを立設し、これにアンテナを上下方向にスライド自在に設け、アンテナに対してアンテナケーブルで測定器を接続した構成をとる。そして、EMI測定を行う場合には、電子機器より放射される電磁波をアンテナで受けて、電磁波が規定値以下であるかどうかを測定し、また、EMS試験を行う場合には、アンテナより電磁波を電子機器に照射し、電子機器における異常状態、たとえば電子機器が誤動作することなどを測定する。
【0004】
ところで、オープンフィールドテストサイトでは、降雨、降雪、強風などの気象条件によって試験ができないことがある。また、外気温度の変化などにより電子機器の放射電磁波ノイズのレベルが変化し、測定結果の再現性が得にくいという事情がある。
【0005】
このような事情を考慮し、電磁波無響セルでは、外来波をシールドするために鉄板で囲まれたセルを構成し、その内周壁および天井には発泡ウレタンゴムにカーボンを混入してなる数多くのくさび状の電磁波吸収体を設け、セル内には前述と同様に支持台、アンテナポール、アンテナを設備し、対象となる電子機器について同様の試験をするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−236595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の電磁波無響セル(及びオープンフィールドテストサイト)は、アンテナを構成する複数のアンテナエレメントが分配器を介して1つの信号発生器に接続されているため、EMS試験において、周波数や振幅(強度)、位相、変調等の異なる複数種類の電磁波が混在する環境下による電子機器の耐性を検査することが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するために、EMS試験において複合的な電磁波を照射することが可能な電磁波試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた発明である電磁波試験装置は、請求項1に記載のように、高周波信号が入力されると電磁波を放射する複数のアンテナエレメントを有するアンテナと、各アンテナエレメントの入力端子にそれぞれ接続され、高周波信号を発生する複数の信号発生部と、測定器とを備える。
【0010】
そして、測定器が、複数の信号発生部を各々制御することにより、アンテナエレメント毎に予め種類が設定された電磁波を放射させるとともに、アンテナから離間した支持台に載置された電子機器からの出力(信号や画像等)に基づき、外部からの電磁波による電子機器の耐性検査を行うEMS制御手段を有する。
【0011】
このような構成によれば、アンテナエレメント毎に周波数や強度、位相、変調等の種類の異なる電磁波を放射することにより、各種周波数の電磁波が混在する複合的な電磁波を電子機器に照射することができ、ひいては想定しうる外部環境に近いノイズ環境下で電子機器の耐性試験(EMC試験)を行うことができる。
【0012】
なお、このような構成を有する電磁波試験装置を用いてEMS試験(及びEMI測定)を行う場合、従来の電磁波無響セルのように電波無響室内にアンテナを設置してもよいし、オープンフィールドテストサイトのように野外にアンテナを設置してもよい。
【0013】
ところで、アンテナを構成する複数のアンテナエレメントが水平かつ等間隔に配設されている構成では、図15(a)に示すように、隣り合うアンテナエレメント間の間隔(以下「素子間隔」という)をd、n番目に位置するアンテナエレメントに注入される高周波信号Snの振幅をan、隣り合うアンテナエレメントに対応する高周波信号Snと高周波信号Sn−1との位相差をψとすると、複数のアンテナエレメントの合成指向性fと位相差ψとの関係性は、下式(1)〜(3)によって表される。
【0014】
【数1】

【0015】
【数2】

【0016】
【数3】

【0017】
なお、上式(2),(3)において、kは伝播定数であり、θは、ある基準方向を表す基準角であり、θ0は、基準方向に対する角度であって、隣り合う2本のアンテナエレメントの合成指向性を表す角度である。上式(2),(3)によれば、角度θ0は位相差ψと素子間隔dによって決まる値であり、θ=θ0のときu=0となる。
【0018】
例えば、素子間隔dが高周波信号の波長λに対する半波長λ/2である2本のアンテナエレメントからなるフェーズドアレイアンテナ(以下「アレイアンテナ」ともいう)に、振幅anが等しい高周波信号を各アンテナエレメントの注入した場合を想定すると、位相差ψ=0のときは、θ=θ0=0となり、アレイアンテナの指向性を表す主ローブは基準方向(アンテナ正面方向)を向く。そして、位相差ψ=π/2のときはθ0=30°,位相差ψ=−π/2のときはθ0=−30°(但し、θ=0)となる。このようにアレイアンテナの主ローブの方向を−30°から30°まで変更できる(図15(b)及び(c)参照)。
【0019】
つまり、隣り合う2本のアンテナエレメントに対応する各高周波信号の位相差ψの値によって、これら2本のアンテナエレメントの合成指向性を変化させることができ、ひいては、アンテナエレメントの数を増やした場合、上式(1)によって、複数のアンテナエレメントの合成指向性fを変化させることができる(詳しくは、『後藤直久著,「図説・アンテナ」,電子情報通信学会,コロナ社』を参照)。
【0020】
したがって、請求項2に記載のように、アンテナを構成する複数のアンテナエレメントが水平かつ等間隔に配設されている構成において、複数の信号発生部は、高周波信号の位相変調を行う移相器をそれぞれ有し、EMS制御手段は、各移相器を介して複数のアンテナエレメントから放射される電磁波の各位相を調整することにより、アンテナから特定の位置に電磁波を照射させることもできる。その結果、複数の電子機器が各部に搭載されてなる供試品において、誤動作を起こした特定の電子機器を集中的に試験することができる。なお、特定の位置に電磁波を照射させるために、後述するターンテーブルを併用してもよい。
【0021】
なお、請求項2に記載の電磁波試験装置においては、複数の信号発生部に振幅および周波数がそれぞれ等しい高周波信号を発生させ、これらの高周波信号の位相を変えないように各移相器を制御することで、アンテナから一様な電磁波を外部に放射することもできる。
【0022】
一方、請求項3に記載のように、複数の信号発生部は、高周波信号を複数のアンテナエレメントに分配する分配器をそれぞれ有し、EMS制御手段は、複数の信号発生部のうちの1つを選択的に動作させることにより、アンテナから外部に一様な電磁波を照射させることもできる。
【0023】
この構成によれば、複数の信号発生部を全て動作させる場合と比較して、制御対象を減らすことによって、制御に係る装置の負荷を軽減させることができる。なお、複数の信号発生部は、アンテナエレメント毎に予め設定された周波数の電磁波を放射させるために、互いに異なる固有周波数の高周波信号を発生させる構成であってもよいし、個々の制御指令に応じた可変周波数の高周波信号を発生させる構成であってもよい。
【0024】
ところで、従来の電磁波無響セル(及びオープンフィールドテストサイト)では、EMI測定において、電子機器を1つずつ支持台に載置する必要があるため、複数の電子機器が各部に搭載されてなる1つの供試品を測定しようとすると、その供試品におけるどの位置の電子機器から規定値を超える電磁波が検出されたか知得することが困難であるという問題があった。したがって、この種の供試品については、搭載前の各電子機器を個別に測定しなければならず、時間と手間を掛けざるを得なかった。
【0025】
これに対して、請求項4に記載のように、支持台は、複数の電子機器が各部に搭載されてなる供試品が載置される支持面を有し、その支持面の中心を軸として周方向に回転するターンテーブルであり、複数のアンテナエレメントは、ターンテーブルの上方において上記支持面に対し平行に配設されており、上記供試品から放射される電磁波をそれぞれ受信する。なお、測定器は、各アンテナエレメントからの入力信号に基づき、上記供試品から放射される電磁波を測定するEMI制御手段を有する。
【0026】
そして、測定器では、EMI制御手段が、電磁波の測定値が規定値を超えると判定した場合、ターンテーブルを駆動制御することにより、アンテナに対する供試品の位置を変更し、その変更前と変更後の各アンテナエレメントからの入力信号に基づき、規定値を超える電磁波を放射している電子機器の位置を特定するという構成を採用することもできる。
【0027】
この構成によれば、EMI測定において、供試品の異常箇所としての電子機器を容易に特定することができ、ひいて測定時間を短縮することができる。なお、上記規定値は、例えば電波法などによって定められた電磁波の強度を表し、例えば電子機器あるいは供試品毎に予め規定された値である。
【0028】
また、請求項4に記載の電磁波試験装置においては、請求項5に記載のように、EMI制御手段が、規定値を超える電磁波を放射している電子機器であるノイズ発生源の位置を特定した場合、そのノイズ発生源の位置と、その各アンテナエレメントからの入力信号に基づく電磁波の測定値とが対応づけられたノイズ情報を記憶する。そして次回以降に電磁波の測定値が規定値を超えると判定した場合、その電磁波の測定値に基づいてノイズ情報を参照することにより、ノイズ発生源の位置を特定することもできる。
【0029】
このような構成によれば、ノイズ情報を用いることでノイズ発生源の位置を特定することができた場合に、前述のターンテーブルの駆動制御を省略することが可能となり、測定時間をさらに短縮することができる。なお、EMI制御手段において、上記のEMS制御手段との対応は、ノイズ発生源の位置が電磁波の照射位置、電子機器がアンテナエレメント、アンテナエレメントが電子機器、アンテナエレメントからの入力信号が電子機器からの出力にそれぞれ対応するため、EMI制御手段の機能を上記のEMS制御手段に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態の電磁波試験装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】アンテナエレメントに接続された送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】アンテナエレメントからの電磁波の照射例を示す説明図である。
【図4】測定器が実行するEMS試験処理を示すフローチャートである。
【図5】EMS試験処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第1の説明図である。
【図6】EMS試験処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第2の説明図である。
【図7】EMS試験処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第3の説明図である。
【図8】EMS試験処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第4の説明図である。
【図9】測定器が実行するEMI測定処理を示すフローチャートである。
【図10】EMI測定処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第1の説明図である。
【図11】EMI測定処理におけるシミュレーションデータの一例を示す第2の説明図である。
【図12】EMI測定処理におけるノイズ情報を示す説明図である。
【図13】ノイズ発生源の位置を特定する方法の一例を示す説明図である。
【図14】アンテナエレメントの配置に係る変形例を示すマトリックス図である。
【図15】位相差とアンテナの指向性との関係性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明が適用された実施形態の電磁波試験装置としての車両ストリップラインについて説明する。なお、本実施形態の車両ストリップラインは、電磁波無響室内に自動車を設置し、自動車を供試品とみなして電子機器を含む複数の車両部品についてEMS試験およびEMI測定を行うためのものである。即ち、電磁波無響室内には、全面に電波吸収体が貼り付けてあり、放射または反射された電磁波が電波吸収体に到達すると、電波吸収体に吸収されるようになっている。
【0032】
図1に示す本実施形態の車両ストリップライン1は、電磁波無響室3内に設置された室内部10と、電磁波無響室3の外部の計測室5に設置された計測部20とからなる。なお、本実施形態の電磁波無響室3には、自動車の製造ライン上において、EMS試験およびEMI測定の対象となる全ての車両部品が搭載された状態で自動車が搬送されてくる。但し、この自動車は、製造上の完成されたもの(完成車)に限らず、開発中のもの(開発車両)でもよい。また、自動車に限らず、開発中の車両部品(開発車両部品)を含むものも供試品とみなせることは言うまでもない。
【0033】
室内部10は、自動車の搬送経路上に設置されたターンテーブル12と、ターンテーブル12の上方に配設された複数のアンテナエレメント14とを備える。一方、計測部20は、各アンテナエレメント14の入力端子に接続される送信機22と、各アンテナエレメント14の出力端子に接続される受信機24と、送信機22および受信機24に接続される通信制御回路26a(図2参照)を有する測定器26と、ターンテーブル12および測定器26に接続される駆動制御装置28とを備える。なお、測定器26および駆動制御装置28は、各種のユーザインターフェース及びディスプレイ等を備える1つのコンピュータによって構成されてもよい。また、本実施形態の送信機22および受信機24は、送受信機40として一体に構成されている。
【0034】
ターンテーブル12は、駆動制御装置28によって制御され、製造ライン上にて搬送されてくる自動車が載置される支持面12aの中心部から、支持面12aに対する垂直方向を軸として周方向に支持面12aを含む支持台12bを回転させる駆動モータ部12cを備えている。また、本実施形態のターンテーブル12は、支持面12aにおいて、自動車を作動させたときに車輪の回転と反対方向に回転するツインローラ12dを備え、EMS試験およびEMI測定と同時に自動車の動力(馬力・トルク)を測定できるように構成されている。なお、支持面12a上の各位置には、複数のアンテナエレメント14から放射される電磁波の電界強度を検出する検出センサ(図示せず)が設けられている。
【0035】
複数のアンテナエレメント14は、放射エレメントとして送信機22とともに放射アンテナ装置を構成し、輻射エレメントとして受信機24とともに輻射アンテナ装置を構成するものであり、図示しない支柱によって、支持面12aに対して平行に設置されるとともに、隣り合う各アンテナエレメント14の距離が一定となるように等間隔に配設されている。
【0036】
また、複数のアンテナエレメント14は、放射アンテナエレメントとして、各アンテナエレメント14から放射される電磁波の各位相が通信制御回路26aによって制御されることにより、特定の方向に強い指向性をもたせることが可能なフェーズドアレイアンテナを構成するものである。なお、実際上、複数のアンテナエレメント14は、放射エレメントと輻射エレメントとが別体に構成されているが、説明の便宜上、これらの分類の区別を省略している。
【0037】
次に、送受信機40の構成について図2と共に説明する。
送受信機40を構成する送信機22は、RF帯の高周波信号を生成する複数の信号発生部を中心に構成され、図2に示すように、通信制御回路26aからの変調信号Mに従って発振周波数が変化するように構成された複数の電圧制御発振器(以下「SG」という)31と、各SG31にそれぞれ接続されて、SG31からの出力レベル(振幅)を、通信制御回路26aからの振幅制御信号CAに従って調整する複数のレベル調整器33と、各レベル調整器33にそれぞれ接続されてレベル調整器33からの出力を増幅する複数の増幅器35と、各増幅器35にそれぞれ接続されて、増幅器35を介して供給される伝送信号の位相を、通信制御回路26aからの位相制御信号CFに従って調整する複数の移相器37とを備える。なお、複数の移相器37は、各アンテナエレメント14の入力端子にそれぞれ接続され、前述の式(1)〜(3)で説明した通り、放射アンテナ装置全体の合成指向性を変化させることができる。
【0038】
また、送信機22は、通信制御回路26aからの選択信号Sに従って各SG31のそれぞれの動作状態をオン/オフにする選択回路30と、選択回路30によっていずれか1つのSG31がオン状態に選択された場合に、そのSG31からの出力を全てのレベル調整器33に分配できるように設けられた複数の第1分配器32と、増幅器35を介して供給される伝送信号を、移相器37と通信制御回路26aとに分配する第2分配器36とを備える。
【0039】
一方、送受信機40を構成する受信機24は、各アンテナエレメント14のそれぞれに接続され、各アンテナエレメント14からの受信信号を個別に増幅する増幅部41を備え、増幅部41を介して各受信信号が通信制御回路26aに伝送されるように構成されている。
【0040】
そして、通信制御回路26aは、送受信機40に接続され、増幅部41を介して伝送されてくる各受信信号のそれぞれについて、振幅,周波数,位相を検出し、これらの検出情報を測定器26に伝達する。また、通信制御回路26aは、後述するマイコン26bからの指令に従って、送信機22に対し、変調信号M,振幅制御信号CA,位相制御信号CF,選択信号Sを出力するように構成されている。
【0041】
例えば、このように構成された通信制御回路26aおよび送信機22によれば、1つのSG31の動作状態をオンし、他のSG31の動作状態をオフするように選択信号Sが選択回路30に入力されるとともに、特定の周波数の高周波信号を生成するように変調信号Mがオン状態のSG31に入力され、さらに各伝送信号の位相を揃えるように位相制御信号CFが移相器37に入力されると、一様な電磁波を自動車に照射できる。
【0042】
また、いくつかのSG31の動作状態をオンするように選択信号Sが選択回路に入力されると、オン状態のSG31に対応するアンテナエレメント14だけから電磁波が照射されることから、電力を注入するアンテナエレメント14を選択することができ、これにより、電磁波の照射位置を変更することができる(図3(a)参照)。
【0043】
また、ある任意の方向に同相で加わり合うように各アンテナエレメントに供給される電流の位相を調整するように位相制御信号CFが移相器37に入力されると、その方向に強い指向性をもった電磁波を照射することができ、これによっても、電磁波の照射位置を変更することができる(図3(b)参照)。
【0044】
また、SG31毎に高周波信号の周波数を変更したり、ランダムまたは周期的なパルス性の高周波信号や連続性のある高周波信号を発生させたりするように変調信号Mが、各SG31にそれぞれ入力されると、各種異なる電磁波が各アンテナエレメント14から放射されることから、複合的なノイズ環境を再現することができる(図3(c)参照)。
【0045】
なお、測定器26は、これらの各種信号を通信制御回路26aに出力させたり、通信制御回路26aから各アンテナエレメント14の受信信号に関する検出情報を入力したりし、EMS試験およびEMI測定を行うための各種処理(EMS試験処理およびEMI測定処理)を実行するマイクロコンピュータ(マイコン)26bを備えている。
【0046】
次に、測定器26のマイコン26bが実行するEMS試験処理およびEMI測定処理について説明する。なお、マイコン26bは、CPU,ROM,RAM,I/O及びバスラインからなる周知のものであり、ハードディスクやフラッシュメモリ等の外部記憶装置に接続されて構成されている。そして、具体的には、CPUが、ROMまたは外部記憶装置に記憶されたプログラムに基づいて、EMS試験処理およびEMI測定処理を実行する。なお、両処理ともに試験者による入力操作に従って手動または自動的に開始される。
【0047】
また、外部記憶装置には、EMS試験処理において通信制御回路26aを介して送信機22を制御する際の制御パラメータと、電波無響室3内で供試品(本実施形態では自動車)が含まれ得る空間の各位置(以下「対象位置」という)での電界強度とが対応づけられたEMSシミュレーションデータ(後述する)が予め記憶されている。
【0048】
さらに、外部記憶装置には、EMI測定処理において受信機24から通信制御回路26aを介して入力される検出情報に対応する検出パラメータと、対象空間における複数の電子機器(本実施形態では車両部品)の各位置(対象位置)とが対応づけられたEMIシミュレーションデータ(後述する)が予め記憶されている。
【0049】
<EMS試験処理>
このうち、EMS試験処理が開始されると、図4に示すように、まず、S110では、通信制御回路26aを介して送信機22を制御することにより、一様な電磁波あるいは複合的な電磁波を照射したり、特定位置に電磁波を照射したりするとともに、支持面12a上の各位置に設けられた検出センサによる検出値を入力し、その入力した検出値を基に、送信機22を校正する。
【0050】
ところで、EMSシミュレーションデータは、上記のように各種の電磁波を照射する動作モード毎に外部記憶装置に予め記憶されており、コンピュータを用いたシミュレーションによって、対象位置を含む空間(以下「対象空間」という)での電界強度が算出されたデータである。
【0051】
例えば図5(a)に示す条件は、アンテナエレメント14の間隔(ポール間隔)が600mm、アンテナエレメント14の長さが12000mm、アンテナエレメント14の設置高さが2000mm、支持面12aの領域が縦14000mm、横6000mmであるとしている。
【0052】
また、この条件のもと、図5(b)に示すように、全てのアンテナエレメント14(ポール)に20MHzの電力を注入する場合を想定する。このとき、図5(c)に示すように、支持面12aの領域を上方から見た電界強度は、アンテナエレメント14を伝送する高周波信号の周波数に依存した分布を示す。そして、図5(d)に示すように、支持面12aの領域の横方向断面における電界強度は、中央のアンテナエレメント14を中心にほぼ一様な分布を示す。
【0053】
また、別の例として前述の条件のもと(図6(a)参照)、図6(b)に示すように、一方端のアンテナエレメント14(ポール)だけに20MHzの電力を注入する場合を想定する。このとき、図6(c)に示すように、支持面12aの領域を上方から見た電界強度は、電力が注入された一方端のアンテナエレメント14側にシフトした分布を示す。そして、図6(d)に示すように、支持面12aの領域の横方向断面における電界強度は、上記一方端のアンテナエレメント14の下方位置に強い分布を示す。
【0054】
また、別の例として前述の条件のもと、図7(a)及び図8(a)に示すように、全てのアンテナエレメント14(ポール)に20MHzの電力を、位相を変えて注入する場合を想定する。なお、隣り合うアンテナエレメント14を伝送する高周波信号の位相差は同一であり、その位相差が15°,30°,45°,60°,75°,90°の場合を想定する。このとき、支持面12aからの高さ方向断面(例えば高さは1000mm;図7(b)参照)における電界強度は、図7(c)に示すように、位相差が大きくなるに従い、一方端のアンテナエレメントの方向(図中では下方)にシフトしながら弱まる分布を示す。
【0055】
また、このとき、支持面12aの領域の横方向断面(例えば中心から断面までの距離は3000mm;図8(b)参照)における電界強度は、図8(c)に示すように、位相差が大きくなるに従い、アンテナエレメント14の下方位置に表れる強い分布が一方端側にシフトしながら弱まっていく。
【0056】
このような電界強度の分布を基に、各アンテナエレメント14に入力される高周波信号のそれぞれの振幅,周波数,位相を制御パラメータとし、複数のアンテナエレメントによる電磁波の照射位置、及びその照射位置における電界強度を示すデータを予め算出したものが、EMSシミュレーションデータである。
【0057】
これに対し、S110では、実際に通信制御回路26aを介して送信機22を制御したときの制御パラメータと、支持面12a上の各位置に設けられた検出センサから得られる実際の電界強度とを基に、EMSシミュレーションデータを参照し、規定の電界強度の電磁波が発生するように送信機22の各部(SG31,増幅器35,移相器37等)の動作を調整する。そして、このときの送信機22の各調整値を含む制御パラメータをEMS校正データとして外部記憶装置に上書き保存する。具体的には、試験規格にある電磁波の強度や、想定している電磁波が支持面12a上の各位置に照射されているか等を確認し、確認できたときの電磁環境を再現するために必要な制御パラメータを順次記憶していく。なお、次回以降、本ステップを省略することも可能である。
【0058】
続くS120では、製造ライン上で搬送されてくる自動車がターンテーブル12上に載置されると、駆動制御装置28を介してツインローラ12dを駆動させるとともに、その自動車に搭載された各種車両部品(エンジン等)を作動させることで車輪を回転させ、自動車の動力を測定する。
【0059】
そして、続くS130では、S110にて記憶されたEMS校正データに基づき、通信制御回路26aを介して送信機22に、変調信号M,振幅制御信号CA,位相制御信号CF,選択信号Sを出力することにより、各種の動作モードにてアンテナエレメント14からの電磁波を自動車の各部に照射させる。なお、各種の動作モードでは、例えば、変調信号Mによって電磁波の周波数が変更され、振幅制御信号CAによって電磁波の強度が変更され、位相制御信号CFまたは選択信号Sによって電磁波の照射位置が変更される。
【0060】
続くS140では、自動車の各部に搭載された車両部品(電子機器)からの出力に基づいて、出力異常などの誤動作がないかどうかを判定するとともに、S130にて照射された電磁波に対応する車両部品の誤動作状況を記録する。なお、各電子機器の出力端子には、測定器26が接続されており、車両部品毎に予め決められた方法に則って各部の誤動作状況を確認する。
【0061】
そして、続くS150では、試験開始から所定回数分、S130およびS140の照射試験が行われたか否かを判断し、所定回数分、照射試験が行われたと判断した場合にはS180に移行し、行われていないと判断した場合にはS160に移行し、S160では、自動車において誤動作があった車両部品の位置を表す誤作動位置が特定されたか否かを判断する。ここで誤作動位置が特定された場合にはS180に移行し、特定されていない場合にはS170に移行する。
【0062】
S170では、駆動制御装置28を介してターンテーブル12を回転させることにより、自動車の向きを変更し、S130およびS140の照射試験を再実行する。
一方、S180では、S140にて記録された誤動作状況(照射試験の結果)を測定器26のディスプレイに表示し、本処理を終了する。なお、S140にて誤動作があると判定した場合には、S160にて特定された誤動作位置とともに、その誤動作時におけるアンテナエレメント14への注入電力、高周波信号の周波数、動作モード(放射ノイズの種類)等の測定条件を表示する。
【0063】
<EMI測定処理>
次に、EMI測定処理が開始されると、図9に示すように、まず、S210では、後述するS230およびS240の測定試験で得られた検出情報を基に、EMIシミュレーションデータを校正する。
【0064】
ところで、EMIシミュレーションデータは、前述のように車両部品毎に外部記憶装置に予め記憶されており、コンピュータを用いたシミュレーションによって、対象位置から放射される電磁波に関する検出パラメータが算出されたデータである。
【0065】
例えば前述の条件のもと(図5(a)参照)、図10(a)および図11(a)に示すように、支持面12aの領域の横方向端から所定距離(1000mm)だけ中央側に離れた位置を対象位置として、対象位置に既知の車両部品を載置した場合を想定する。このとき、図10(b)および図11(b)に示すように、既知の車両部品からノイズが放射される場合、この車両部品を含む横方向断面における電界強度は、対象位置を中心に放射状に広がる分布を示す。
【0066】
そして、図10(c)に示すように、このときの各アンテナエレメント14の受信信号(検出情報)のうち、振幅(電圧)は、対象位置に近いアンテナエレメント14ほど高い値を示す。一方、電圧と周波数とは、対象位置およびノイズの種類によって固有の関係性を有する。また、このとき、図11(c)に示すように、位相は、アンテナエレメント14毎に異なる値を示し、位相と周波数とは、対象位置およびノイズの種類によって固有の関係性を有する。
【0067】
このような値および関係性を基に、各アンテナエレメント14の受信信号のそれぞれの振幅(電圧),周波数,位相を検出パラメータとし、対象位置およびノイズの種類を示すデータを予め算出したものが、EMIシミュレーションデータである。
【0068】
これに対し、S210では、実際に通信制御回路26aを介して入力された各アンテナエレメント14の受信信号(検出情報)を検出パラメータとし、後述するS260で特定した対象位置に従って、EMIシミュレーションデータを校正し、校正したデータ(以下「EMI校正データ」という)を外部記憶装置に上書き保存する。
【0069】
なお、EMI校正データは、複数の対象位置(図12(a)参照)の各々について、後述するノイズ発生源を設定した場合に、各アンテナエレメント14(ポール)に対応する検出情報(図12(b)参照)、及び各検出情報(電圧,周波数,位相等)間の関係性(図12(c))を表すデータとして外部記憶装置に記憶される。そして、次回以降は、このEMI校正データがS210における校正の対象となる。
【0070】
そして、続くS220では、前述のS120と同様にして、自動車の動力の測定(動作測定)を継続させて行い、S230に移行する。
S230では、通信制御回路26aから入力される検出情報に基づき、自動車から放射される電磁波を測定し、続くS240では、この電磁波の測定値と、予め設定された規定値とを比較し、規定値を超える電磁波が存在するか否かを判定する測定試験を行う。なお、電磁波の測定値は、例えば、検出情報の中からアンテナエレメント14毎に対応する振幅(電圧)の合計値を算出し、各周波数において最大となる合計値を抽出するといった検出情報解析により得られる。
【0071】
そして、続くS250では、試験開始から所定回数分、S230およびS240の測定試験が行われたか否かを判断し、所定回数分、測定試験が行われたと判断した場合にはSS280に移行し、行われていないと判断した場合にはS260に移行する。
【0072】
S260では、S240で規定値を超える電磁波が存在すると判定した場合、S230で入力された検出情報(ひいては電磁波の測定値)に基づいて、外部記憶装置に記憶されているEMI校正データ(ノイズ情報に相当する)を参照することにより、規定値を超える電磁波を放射している車両部品(ひいては電子機器)であるノイズ発生源の位置を特定できたか否かを判断する。
【0073】
即ち、各アンテナエレメント14の受信信号(検出情報)のそれぞれの振幅(電圧),周波数,位相を検出パラメータとし、これに一致または類似するデータをEMI校正データから抽出することにより、対象位置およびノイズの種類の特定を試みる。そして、ノイズ発生源の位置(ノイズ発生位置)が特定された場合にはS280に移行し、特定されていない場合にはS270に移行する。
【0074】
S270では、駆動制御装置28を介してターンテーブル12を例えば90°回転させることにより、自動車の向きを変更し、再びノイズ発生位置の特定を試みる。ここでは、図13(a)に示すように、ターンテーブル12の回転前と回転後において、検出情報の中から振幅(ノイズ検出量)が最大値を示したアンテナエレメント14をそれぞれ特定することにより、図13(b)に示すアンテナエレメント14のマトリックスが存在するものと仮定でき、そのマトリックスにおいてノイズ検出量が最大値を表す交点を抽出することで、ノイズ発生位置を特定する。
【0075】
そして、S280では、S240にて判定された規定値を超える電磁波の有無(ノイズ発生源の有無)を、測定試験の結果として測定器26のディスプレイに表示し、本処理を終了する。なお、S240にてノイズ発生源が存在すると判定した場合には、S260にて特定されたノイズ発生位置とともに、そのノイズ発生時における検出情報および測定値などを表示する。また、対象位置(ノイズ発生位置)およびノイズの種類からノイズ発生源に該当する車両部品(電子機器)が特定された場合には、その電子機器をノイズ発生位置とともに表示する。
【0076】
[効果]
以上説明したように、本実施形態の車両ストリップライン1では、EMS試験において、アンテナエレメント14毎に種類(周波数,位相,振幅)が異なる電磁波を放射することが可能となり、これにより各種の電磁波が混在する複合的な電磁波を供試品(自動車)に照射することができ、様々なノイズ環境を再現することができる。
【0077】
また、車両ストリップライン1では、EMS試験において、アンテナエレメント14毎に動作状態をオン/オフに切り替えたり、各アンテナエレメント14を伝送する高周波信号の位相を調整したりすることが可能となり、これにより電磁波を自動車に一様に照射したり、自動車における特定部位に照射したりすることができる。
【0078】
また、車両ストリップライン1では、EMI測定において、ターンテーブル12を回転させて、回転前と回転後とのアンテナエレメント14の配置によって形成されるマトリックスによって、自動車において強い電磁波を放出している部位を特定することが可能となり、これにより複雑な制御を行うことなくノイズ発生源を特定することができる。
【0079】
さらに、車両ストリップライン1では、EMS試験あるいはEMI測定を行いつつ、自動車の動力を測定することが可能となり、これにより製造ライン上での作業時間を短縮することができる。
【0080】
[発明との対応]
なお、本実施形態において、送信機22が複数の信号発生部、EMS試験処理を行うマイコン26bがEMS制御手段、EMI測定処理を行うマイコン26bがEMI制御手段のそれぞれ一例に相当する。なお、送信機22のうち、1つのアンテナエレメント14に対応する一列の構成要素31〜37が1つの信号発生部に相当する。
【0081】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態の送信機22では、複数のSG31のうち動作状態がオン状態に1つだけ選択された場合に、そのSG31に対応する第1分配器32によってSG31からの出力が分配されるように構成されているが、これに限らず、第1分配器32によってSG31からの出力を分配させるかどうかを、通信制御回路26a(ひいてはマイコン26b)が制御するように構成されてもよい。
【0083】
また、上記実施形態の各アンテナエレメント14は、水平かつ等間隔に配設されているが、これに限定されずに、例えば図14(a)に示すように、格子状(メッシュ状)に配置されてもよいし、半球状に配置されてもよい。例えばメッシュ状に配置される場合は、各アンテナエレメント14の交点の導通状態をオン/オフに切り替え自在に構成することにより、電磁波の照射範囲を精度よく調整することが可能となる(図14(b)及び(c)参照)。
【0084】
なお、上記実施形態では、供試品として自動車を採り上げて説明したが、これに限定されるものではなく、供試品としては、電子機器を含むものであればよく、さらに言えば、電子機器自体であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…車両ストリップライン、3…電磁波無響室、5…計測室、10…室内部、12…ターンテーブル、12a…支持面、12b…支持台、12c…駆動モータ部、12d…ツインローラ、14…アンテナエレメント、20…計測部、22…送信機、24…受信機、26…測定器、26a…通信制御回路、26b…マイコン、28…駆動制御装置、30…選択回路、32…第1分配器、33…レベル調整器、35…増幅器、36…第2分配器、37…移相器、40…送受信機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号が入力されると電磁波を放射する複数のアンテナエレメントを有するアンテナと、
前記各アンテナエレメントの入力端子にそれぞれ接続され、前記高周波信号を発生する複数の信号発生部と、
前記複数の信号発生部を各々制御することにより、前記アンテナエレメント毎に予め種類が設定された電磁波を放射させるとともに、前記アンテナから離間した支持台に載置された電子機器からの出力に基づき、外部からの電磁波による該電子機器の耐性検査を行うEMS制御手段を有する測定器と、
を備えることを特徴とする電磁波試験装置。
【請求項2】
前記複数のアンテナエレメントは、水平かつ等間隔に配設されており、
前記複数の信号発生部は、前記高周波信号の位相変調を行う移相器をそれぞれ有し、
前記EMS制御手段は、前記各移相器を介して前記複数のアンテナエレメントから放射される電磁波の各位相を調整することにより、前記アンテナから特定の位置に該電磁波を照射させることを特徴とする請求項1に記載の電磁波試験装置。
【請求項3】
前記複数の信号発生部は、前記高周波信号を前記複数のアンテナエレメントに分配する分配器をそれぞれ有し、
前記EMS制御手段は、前記複数の信号発生部のうちの1つを選択的に動作させることにより、前記アンテナから外部に一様な電磁波を照射させることを特徴とする請求項2に記載の電磁波試験装置。
【請求項4】
前記支持台は、複数の前記電子機器が各部に搭載されてなる供試品が載置される支持面を有し、該支持面の中心を軸として周方向に回転するターンテーブルであり、
前記複数のアンテナエレメントは、前記ターンテーブルの上方において前記支持面に対し平行に配設されており、前記供試品から放射される電磁波をそれぞれ受信し、
前記測定器は、前記各アンテナエレメントからの入力信号に基づき、前記供試品から放射される電磁波を測定するEMI制御手段を有し、
前記EMI制御手段は、前記電磁波の測定値が規定値を超えると判定した場合、前記ターンテーブルを駆動制御することにより、前記アンテナに対する前記供試品の位置を変更し、その変更前と変更後の前記各アンテナエレメントからの入力信号に基づき、前記規定値を超える電磁波を放射している電子機器の位置を特定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁波試験装置。
【請求項5】
前記EMI制御手段は、前記規定値を超える電磁波を放射している電子機器であるノイズ発生源の位置を特定した場合、該ノイズ発生源の位置と、前記各アンテナエレメントからの入力信号に基づく該電磁波の測定値とが対応づけられたノイズ情報を記憶し、次回以降、前記電磁波の測定値が規定値を超えると判定した場合、前記電磁波の測定値に基づいて前記ノイズ情報を参照することにより、前記ノイズ発生源の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の電磁波試験装置。

【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−72786(P2013−72786A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213002(P2011−213002)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】