電磁波遮蔽樹脂成形品
【課題】電子部品を搭載した実装基板等において、樹脂と金属メッシュとの協働による保護によって、電子部品のより効果的な保護を実現できるようにする。
【解決手段】電子部品41…を搭載するプリント回路板21のコア31a部分にコア用金属メッシュ32を備えるとともに、搭載した電子部品41…の上面と周面とを覆う部分に金属メッシュ39を備える。そして、これらの金属メッシュ32,39を内包する樹脂層31b及び樹脂部61を設ける。この樹脂部61で、搭載された電子部品41…を直に覆うように封止した電磁波遮蔽樹脂成形品11。
【解決手段】電子部品41…を搭載するプリント回路板21のコア31a部分にコア用金属メッシュ32を備えるとともに、搭載した電子部品41…の上面と周面とを覆う部分に金属メッシュ39を備える。そして、これらの金属メッシュ32,39を内包する樹脂層31b及び樹脂部61を設ける。この樹脂部61で、搭載された電子部品41…を直に覆うように封止した電磁波遮蔽樹脂成形品11。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば電子部品が搭載される機器の筐体や、プリント配線板、プリント回路板などとして用いられる樹脂成形品に関し、より詳しくは、電磁波を遮蔽して、搭載される電子部品を外部の電磁波から保護したり、電子部品から発せられる電磁波の漏洩を防いだりすることができるような電磁波遮蔽樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板に搭載される電子部品を埃や水分等から保護するため、封止成形が一般に行われている。封止成形は、たとえば下記特許文献1の図5に開示されているように、電子部品を実装したプリント回路板を金型にセットしてから熱可塑性樹脂を金型内に注入して成形し、電子部品を封止するというものである。
【0003】
成形時の成形圧力によって電子部品やボンディングワイヤなどが変形、剥離等の損傷を受けることを回避するため、また、衝撃吸収性を得るためには、封止に用いる樹脂は柔軟なものであるのが好ましい。
【0004】
さらに、パワー系実装基板である場合には、電子部品の発熱により部品が熱膨張するので、膨張を吸収できるようにするためにも柔軟な樹脂であるのが好ましい。
【0005】
この一方で、外力に強くすることによって電子部品の保護をするためには、硬い樹脂を用いるのが好ましい。
【0006】
この点、ポッティングによれば上記のような不都合を回避することも可能であるが、ポッティングでは一般に液状の熱硬化性樹脂を用いるため、硬化時間が長くかかるという問題がある。また、成形のためには容器が必要で、部品点数が増え、製造工程が複雑化し、製造コストがかかるという問題点もある。
【0007】
ところで、電子部品の保護では内外からの電磁波遮蔽も重要である。電磁波の遮蔽には、たとえば下記特許文献2に開示されているように金属メッシュを覆う方法が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−133703号公報
【特許文献2】特開2005−294313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、金属メッシュは電磁波遮蔽の効果を有するのみで、樹脂を用いた場合のような保護効果は得られない。
【0010】
そこで、この発明は、樹脂と金属メッシュとの協働によって電子部品のより効果的な保護を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのための手段は、電子部品が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュが備えられ、該金属メッシュを内包するように樹脂を成形してなる樹脂部が備えられた電磁波遮蔽樹脂成形品である。
【0012】
上記樹脂部は、電子部品を直に覆って封止するものであるとよい。
また、上記樹脂部が中空の箱状筐体であり、肉厚内に上記金属メッシュを備えたものであるもよい。
【0013】
電磁波遮蔽樹脂成形品がプリント配線板またはプリント回路板である場合には、電子部品を搭載するプリント配線板のコア部分に金属部材が備えるとよい。
【0014】
この場合にはさらに、プリント配線板の電子部品搭載部分を囲繞する上記金属メッシュが、プリント配線板に設けられたスルーホールに挿入される導通部を有し、該導通部がプリント配線板のコア部分の金属部材とスルーホールで電気的に接続されたものであるとよい。
上記金属部材には、たとえば金属メッシュが使用できる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、金属メッシュを内包する樹脂からなる樹脂部を有し、この樹脂部が電子部品を囲繞するので、電子部品は樹脂と金属メッシュに覆われることになり、電磁波遮蔽の効果を有するとともに、埃や水分、衝撃からの保護を図れる。しかも、樹脂部は金属メッシュを内包しているので、樹脂が軟質のものであっても、金属メッシュとの協働で耐衝撃性を得られる。
【0016】
また、樹脂部内において電子部品を囲繞する金属メッシュは、電子部品から発する熱を伝達して放出するので、この点でも電子部品の保護を図ることができる。そのうえ電子部品を覆う金属メッシュにアースとしての機能を持たせることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、電子部品41…が実装されているプリント回路板21(実装基板)をオーバモールディング(全周封止)した電磁波遮蔽樹脂成形品11(以下、「成形品」という。)の断面図である。図7は、実装基板自体が電子部品搭載機器の筐体としての機能を果たす成形品11の斜視図である。これらの図に示した如く、樹脂と金属メッシュとの協働によって電子部品41…のより効果的な保護を実現できるようにするという目的を、電子部品41…が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュ39が備えられ、該金属メッシュ39を内包するように樹脂を成形してなる樹脂部61を備えたという構成にて実現した。
【0018】
上記の囲繞とは、電子部品41…の四方全体を覆うことのほか、一部分を覆うことも含む意味である。また、樹脂部61は、電子部品41…を直に接触して覆うほか、非接触で覆うものであるもよい。すなわち、図1に示した成形品11のように電子部品41…を直に覆って封止することも、図7に示した成形品11のように電子部品41…の周囲の一部を取り囲むように覆うこともできる。
【0019】
以下、具体的に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1に示した成形品11は、上記のようにプリント回路板21の全体を封止したものである。すなわち図2に示したようにして製造されたプリント配線板31に、図3に示したように電子部品41が搭載されたプリント回路板21を封止成形(図4、図5参照)して製造される。
【0021】
まずプリント配線板31について説明する。
プリント配線板31は、メタルコア基板であり、コアは、金属部材としての導電性を有するコア用金属メッシュ32で構成されている。製造は、図2に模式的に示したように、シート状のコア用金属メッシュ32(図2(a)参照)に対する裁断及び穴あけ工程(図2(b)参照)と、積層一体化工程(図2(c)、(d)参照)と、スルーホール形成、スルーホールめっき、配線パターン形成、プリプレグ及び銅箔の積層一体化、配線パターン形成、ソルダレジストなどの適宜必要な工程(図示せず)を経て行われ、所望のプリント配線板31が得られる。
【0022】
コア用金属メッシュ32は銅線、ニッケル線、アルミニウム線、銀線などで織成される。エキスパンドメタルやパンチングメタルなどで構成することもできる。
【0023】
上記の裁断及び穴あけ工程は、材料であるコア用金属メッシュ32をあらかじめ定められた所定の大きさ・形状に裁断するとともに必要な位置に貫通孔33をあける工程である。貫通孔33はダイスとポンチを用いた金属加工、ドリル加工などの適宜手段によって行われ、これによってコアとしての穴あき基材34が得られる。
【0024】
積層一体化工程は、コアとなる穴あき基材34の両面にプリプレグ35と銅箔36とを順に重ね合わせて熱プレスする工程である。熱プレスは、真空雰囲気中で熱と圧力をかけて行い、溶けたプリプレグ35の樹脂を穴あき基材34の貫通孔33等に充填し、樹脂と穴あき基材34との密着化を図る。この積層一体化によって、穴あき基材34からなるコア31aの両面に絶縁のための樹脂層31bと、銅箔36からなる導電層31cが配設された銅張積層板37が得られる。上記の銅箔36の一部が、後に配線パターン36a(図1、図2(e)参照)となる。
【0025】
この一体化においては、熱で溶けたプリプレグ35の樹脂が、貫通孔33はもちろんのこと、コア用金属メッシュ32の網目内にも流入し、流入した樹脂は、金属線同士の隙間を埋めた状態で表裏両面からつながって、穴あき基材34を介在させた状態で一体となる。このため密着性がよく、アンカー効果が高いので、黒化処理などの粗化処理が不要となる。しかも、樹脂の横への広がりが抑制され、樹脂分の不足によるボイドなども起こらず、厚さも均一になる。
なお、上記のコア31aは、銅板やその他の材料で構成することも可能である。
【0026】
スルーホール38は、穴あき基材34の貫通孔33のうちの必要な貫通孔33に対応する位置に、その貫通孔33と同一またはそれよりも小さく形成され、後に行われるスルーホールめっき38aによってスルーホール38の内面に導電性を付与すると、表裏の導電層31cが電気的に接続可能となる(図2(e)参照)。
【0027】
このようにして製造されたプリント配線板31に対して、図3に示したように、必要な電子部品41…を搭載するとともに、電子部品41…が搭載される部位の上側と外周側とを囲繞する部分に導電性を有する金属メッシュ39を取り付ける。金属メッシュ39は銅線のほか、ニッケル線、アルミニウム線、銀線などで織成される。エキスパンドメタルやパンチグメタルで構成することもできる。
【0028】
このような金属メッシュ39と、上記のコア31a部分のコア用金属メッシュ32とにより、プリント配線板31上の電子部品41…は全体が囲繞されることになる。
【0029】
また、金属メッシュ39の取り付けに際しては、コア用金属メッシュ32をあらかじめ所定の形状に成形するとともに、金属メッシュ39の一部にはコア31aとなるコア用金属メッシュ32と導通するスルーホール38に挿入される導通部39aが備えられている。すなわち、金属メッシュ39は、コア31aとなるコア用金属メッシュ32とスルーホール38で接続され、アースとして使用可能となる。同時に、金属メッシュ39とコア31aとしてのコア用金属メッシュ32は、電子部品41…から発生する熱を伝達し放出する機能も果たすようになる。
【0030】
このように電子部品41…が実装され、金属メッシュ39が取り付けられたプリント回路板21は、図4に示したような上型51と下型52とからなる金型53内に保持され(図5参照)、樹脂が注入されて成形される。成形は、ホットメルトモールディングで行う。樹脂には、たとえば熱可塑性のポリアミド系ホットメルトやポリオレフィン系のホットメルト、ポリエステル系ホットメルトなどが使用できる。このほか、熱硬化性樹脂ではあるが、エポキシ系やウレタン系の樹脂も使用可能である。
【0031】
樹脂は、金属メッシュ39を通して、プリント回路板21の上面や電子部品41…に直に接触するとともに、金属メッシュ39を内包するように、金型51に対応した形に成形されて樹脂部61となる。
【0032】
成形後は、離型すれば図1に示したように樹脂部61内にプリント回路板21の全体が封止された成形品11が得られる。
【0033】
このようにして得られた成形品11について、(1)止水性試験、(2)衝撃落下試験、(3)耐熱試験、(4)電磁波遮蔽試験を行ったところ、次のような評価が得られた。
(1) 止水性試験について
成形品11に対して−30〜120℃の3000サイクル温度衝撃試験を実施した。その後、インクで着色した水を張った水槽に漬け、24時間のあいだ1mの深さに保った後、成形品を取り出して断面を観察したところ、水の浸入がないことが確認できた。なお、樹脂部61の成形には、ヘンケル製ホットメルト、硬度「shore D48」を使用した。
(2) 衝撃落下試験
成形品11を1mの高さから落下させた。落下後の電子部品動作に問題はないことが確認できた。
(3) 耐熱試験
成形品11を85℃、湿度85%の環境下で、3ヶ月動作させ続けた。その結果、機能損失等が見られなかった。
電磁波遮蔽試験
コア31a部分のコア用金属メッシュ32及び電子部品搭載部分を覆う部分の金属メッシュ39に銅線からなる金属メッシュを用いた成形品11において、コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39の開目の違いによる遮蔽効果を試す第1試験(図6(a)参照)と、コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39を構成する材料を異にした場合の遮蔽効果の違いを試す第2試験(図6(b)参照)とを行った。
【0034】
試験では、KEC(関西電子工業振興センター)法を用いて、10MHz〜10GHzの周波数帯域の電磁波に対する遮蔽効果を調べた。なお、線径は金属線の太さであり、開目は、金属線間の間隔である。コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39の網目は正方形に形成されている。
【0035】
第1試験の結果によれば、開目が小さいほど、電磁波遮蔽効果が高いことがわかる(図6(a)参照)。
【0036】
第2試験の結果によれば、線径および開目を同じくしても、材料によって電磁波遮蔽効果が異なることがわかる(図6(b)参照)。また、導電性の金属としては、銅や銀を用いるのが好ましいことがわかる。
【0037】
上述のように、電子部品41…はコア31aとなるコア用金属メッシュ32と、金属メッシュ39とで全体が囲繞されているので、電磁波遮蔽効果が得られる。この結果、外部の電磁波から電子部品を保護できるとともに、電子部品が発する電磁波の漏洩を防げる。そのうえ、樹脂部61が金属メッシュ39を内包しているので、樹脂が軟質のものであっても金属メッシュ39が補強機能を果たし、剛性が高まり耐衝撃性を得られる。また、電子部品41…を埃や水分からも保護できる。
【0038】
しかも、金属メッシュ39を取り込むように成形された樹脂部61は、電子部品41…を直に覆って封止するものであるので、ごみの侵入や水分、衝撃などから電子部品41…を保護する効果はきわめて高く、上述のように柔軟な樹脂が好適に使用できるので、成形時の成形圧力による電子部品41…やボンディングワイヤなどが損傷を防ぎ、衝撃吸収性や、電子部品41…の熱膨張を吸収できる点などで有利である。
【0039】
さらに、樹脂層31bや樹脂部61内において電子部品41…を囲繞するコア用金属メッシュ32や金属メッシュ39は、電子部品41…から発する熱を伝達して放出する。このため、放熱の点からも電子部品41…の保護を図ることができる。
【0040】
そのうえ、電子部品41…を覆う金属メッシュ39はアースとしての機能も果たすので、ノイズを抑えられるなどの効果を有する。
【実施例2】
【0041】
次に図7に示した成形品11について説明する。この説明において、上述の構造と同一または同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0042】
図7に示した成形品11は、たとえば携帯電話機などの電子機器の筐体となるものである。この成形品11には、プリント配線板に電子部品を搭載したプリント回路板が装着されるのではなく、必要な電子部品41…が直接実装されている。
【0043】
なお、電子部品41…を実装する前の成形品11は、プリント配線板としての機能を有する。また、図7中、成形品11の内側底面11aの配線パターン36aや電子部品41…は便宜上適宜省略している。図7、図10中、破線で示した部分は、電子部品41…が搭載される部位を囲繞する金属メッシュ39を示す。
【0044】
筐体となる成形品11は、図8に示したような銅張積層板37を成形して、たとえば有底箱状に製造される。銅張積層板37は、成形後に筐体の内側底面11aに相当する面に銅箔36が存在するように製造される。すなわち、図9に示したように、厚さ方向の中間部分となる部分に位置する上記の金属メッシュ39の一方側の面にプリプレグ35,35と銅箔36を配設し、他方側の面にプリプレグ35,35を位置させて、これらを熱プレスにより積層一体化する。積層一体化された銅張積層板37では、金属メッシュ39が両側の樹脂部61に内包され、樹脂層31bの一方側に銅箔36からなる導電層31cが備えられた構造となる。
【0045】
プリプレグ35は樹脂を含浸したものであるが、樹脂には熱可塑性樹脂やエラストマーを利用するもよい。また、プリプレグを用いるのではなく、金属メッシュ39に樹脂を含浸させたものを用いることもできる。
【0046】
成形は、所望の形状に応じて、図10に示したような雄型71と雌型72とからなる一組の金型73間において軟化温度まで温度を上げてから、金型73によるプレスをして行う。成形後は、金属メッシュ39によって囲繞された銅箔36に対してエッチングをして配線パターン36a(図7参照)を形成するとともに、外周などの不要な部分を切除すればよい。
【0047】
このように構成された成形品11でも、実施例1の場合と同様に、別体の電磁波遮蔽シート材等を用いずとも、電磁波遮蔽効果を得ることができる。しかも電子部品を囲繞する部材が金属板ではなく、金属メッシュ39からなるので、上記のような熱圧縮成形が容易で様々な形状の筐体を得ることができるとともに、金属板を用いた場合に比して軽量である。
【0048】
そして、電子部品41…は金属メッシュ39によって囲繞されているので、電磁波遮蔽効果が得られる。しかも、その金属メッシュ39を樹脂部61が内包した構造であるので、電子部品41…を埃や水分、衝撃から保護することもできるとともに、樹脂部61を構成する樹脂が軟質のものであっても金属メッシュ39が補強機能を果たし、剛性が高まり耐衝撃性を得られる。
【0049】
さらに、樹脂部61内において電子部品41…を囲繞する金属メッシュ39は、電子部品41…から発する熱を伝達して放出する。このため、放熱の点からも電子部品41…の保護を図ることができる。
【0050】
この発明の構成と、上記一形態の構成との対応において、
この発明の金属部材は、コア用金属メッシュ32に対応するも、
この発明は、上述の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することもできる。
【0051】
たとえば、封止成形による樹脂部の形成は、プリント回路板の全体ではなく部分的に行うもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】電磁波遮蔽樹脂成形品の断面図。
【図2】プリント配線板の概略の製造工程を示す断面図。
【図3】プリント配線板への実装状態を示す断面図。
【図4】成形用金型と実装基板を示す断面図。
【図5】成形用金型のキャビティ内に実装基板を収納した状態の断面図。
【図6】電磁波遮蔽効果を示す試験結果。
【図7】電磁波遮蔽樹脂成形品の斜視図。
【図8】成形前の銅張積層板を示す断面図。
【図9】銅張積層板の分解状態の断面図。
【図10】成形工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0053】
11…電磁波遮蔽樹脂成形品
21…プリント回路板
31…プリント配線板
31a…コア
31b…樹脂層
32…コア用金属メッシュ
38…スルーホール
39…金属メッシュ
39a…導通部
41…電子部品
61…樹脂部
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば電子部品が搭載される機器の筐体や、プリント配線板、プリント回路板などとして用いられる樹脂成形品に関し、より詳しくは、電磁波を遮蔽して、搭載される電子部品を外部の電磁波から保護したり、電子部品から発せられる電磁波の漏洩を防いだりすることができるような電磁波遮蔽樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板に搭載される電子部品を埃や水分等から保護するため、封止成形が一般に行われている。封止成形は、たとえば下記特許文献1の図5に開示されているように、電子部品を実装したプリント回路板を金型にセットしてから熱可塑性樹脂を金型内に注入して成形し、電子部品を封止するというものである。
【0003】
成形時の成形圧力によって電子部品やボンディングワイヤなどが変形、剥離等の損傷を受けることを回避するため、また、衝撃吸収性を得るためには、封止に用いる樹脂は柔軟なものであるのが好ましい。
【0004】
さらに、パワー系実装基板である場合には、電子部品の発熱により部品が熱膨張するので、膨張を吸収できるようにするためにも柔軟な樹脂であるのが好ましい。
【0005】
この一方で、外力に強くすることによって電子部品の保護をするためには、硬い樹脂を用いるのが好ましい。
【0006】
この点、ポッティングによれば上記のような不都合を回避することも可能であるが、ポッティングでは一般に液状の熱硬化性樹脂を用いるため、硬化時間が長くかかるという問題がある。また、成形のためには容器が必要で、部品点数が増え、製造工程が複雑化し、製造コストがかかるという問題点もある。
【0007】
ところで、電子部品の保護では内外からの電磁波遮蔽も重要である。電磁波の遮蔽には、たとえば下記特許文献2に開示されているように金属メッシュを覆う方法が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−133703号公報
【特許文献2】特開2005−294313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、金属メッシュは電磁波遮蔽の効果を有するのみで、樹脂を用いた場合のような保護効果は得られない。
【0010】
そこで、この発明は、樹脂と金属メッシュとの協働によって電子部品のより効果的な保護を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのための手段は、電子部品が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュが備えられ、該金属メッシュを内包するように樹脂を成形してなる樹脂部が備えられた電磁波遮蔽樹脂成形品である。
【0012】
上記樹脂部は、電子部品を直に覆って封止するものであるとよい。
また、上記樹脂部が中空の箱状筐体であり、肉厚内に上記金属メッシュを備えたものであるもよい。
【0013】
電磁波遮蔽樹脂成形品がプリント配線板またはプリント回路板である場合には、電子部品を搭載するプリント配線板のコア部分に金属部材が備えるとよい。
【0014】
この場合にはさらに、プリント配線板の電子部品搭載部分を囲繞する上記金属メッシュが、プリント配線板に設けられたスルーホールに挿入される導通部を有し、該導通部がプリント配線板のコア部分の金属部材とスルーホールで電気的に接続されたものであるとよい。
上記金属部材には、たとえば金属メッシュが使用できる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、金属メッシュを内包する樹脂からなる樹脂部を有し、この樹脂部が電子部品を囲繞するので、電子部品は樹脂と金属メッシュに覆われることになり、電磁波遮蔽の効果を有するとともに、埃や水分、衝撃からの保護を図れる。しかも、樹脂部は金属メッシュを内包しているので、樹脂が軟質のものであっても、金属メッシュとの協働で耐衝撃性を得られる。
【0016】
また、樹脂部内において電子部品を囲繞する金属メッシュは、電子部品から発する熱を伝達して放出するので、この点でも電子部品の保護を図ることができる。そのうえ電子部品を覆う金属メッシュにアースとしての機能を持たせることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、電子部品41…が実装されているプリント回路板21(実装基板)をオーバモールディング(全周封止)した電磁波遮蔽樹脂成形品11(以下、「成形品」という。)の断面図である。図7は、実装基板自体が電子部品搭載機器の筐体としての機能を果たす成形品11の斜視図である。これらの図に示した如く、樹脂と金属メッシュとの協働によって電子部品41…のより効果的な保護を実現できるようにするという目的を、電子部品41…が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュ39が備えられ、該金属メッシュ39を内包するように樹脂を成形してなる樹脂部61を備えたという構成にて実現した。
【0018】
上記の囲繞とは、電子部品41…の四方全体を覆うことのほか、一部分を覆うことも含む意味である。また、樹脂部61は、電子部品41…を直に接触して覆うほか、非接触で覆うものであるもよい。すなわち、図1に示した成形品11のように電子部品41…を直に覆って封止することも、図7に示した成形品11のように電子部品41…の周囲の一部を取り囲むように覆うこともできる。
【0019】
以下、具体的に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1に示した成形品11は、上記のようにプリント回路板21の全体を封止したものである。すなわち図2に示したようにして製造されたプリント配線板31に、図3に示したように電子部品41が搭載されたプリント回路板21を封止成形(図4、図5参照)して製造される。
【0021】
まずプリント配線板31について説明する。
プリント配線板31は、メタルコア基板であり、コアは、金属部材としての導電性を有するコア用金属メッシュ32で構成されている。製造は、図2に模式的に示したように、シート状のコア用金属メッシュ32(図2(a)参照)に対する裁断及び穴あけ工程(図2(b)参照)と、積層一体化工程(図2(c)、(d)参照)と、スルーホール形成、スルーホールめっき、配線パターン形成、プリプレグ及び銅箔の積層一体化、配線パターン形成、ソルダレジストなどの適宜必要な工程(図示せず)を経て行われ、所望のプリント配線板31が得られる。
【0022】
コア用金属メッシュ32は銅線、ニッケル線、アルミニウム線、銀線などで織成される。エキスパンドメタルやパンチングメタルなどで構成することもできる。
【0023】
上記の裁断及び穴あけ工程は、材料であるコア用金属メッシュ32をあらかじめ定められた所定の大きさ・形状に裁断するとともに必要な位置に貫通孔33をあける工程である。貫通孔33はダイスとポンチを用いた金属加工、ドリル加工などの適宜手段によって行われ、これによってコアとしての穴あき基材34が得られる。
【0024】
積層一体化工程は、コアとなる穴あき基材34の両面にプリプレグ35と銅箔36とを順に重ね合わせて熱プレスする工程である。熱プレスは、真空雰囲気中で熱と圧力をかけて行い、溶けたプリプレグ35の樹脂を穴あき基材34の貫通孔33等に充填し、樹脂と穴あき基材34との密着化を図る。この積層一体化によって、穴あき基材34からなるコア31aの両面に絶縁のための樹脂層31bと、銅箔36からなる導電層31cが配設された銅張積層板37が得られる。上記の銅箔36の一部が、後に配線パターン36a(図1、図2(e)参照)となる。
【0025】
この一体化においては、熱で溶けたプリプレグ35の樹脂が、貫通孔33はもちろんのこと、コア用金属メッシュ32の網目内にも流入し、流入した樹脂は、金属線同士の隙間を埋めた状態で表裏両面からつながって、穴あき基材34を介在させた状態で一体となる。このため密着性がよく、アンカー効果が高いので、黒化処理などの粗化処理が不要となる。しかも、樹脂の横への広がりが抑制され、樹脂分の不足によるボイドなども起こらず、厚さも均一になる。
なお、上記のコア31aは、銅板やその他の材料で構成することも可能である。
【0026】
スルーホール38は、穴あき基材34の貫通孔33のうちの必要な貫通孔33に対応する位置に、その貫通孔33と同一またはそれよりも小さく形成され、後に行われるスルーホールめっき38aによってスルーホール38の内面に導電性を付与すると、表裏の導電層31cが電気的に接続可能となる(図2(e)参照)。
【0027】
このようにして製造されたプリント配線板31に対して、図3に示したように、必要な電子部品41…を搭載するとともに、電子部品41…が搭載される部位の上側と外周側とを囲繞する部分に導電性を有する金属メッシュ39を取り付ける。金属メッシュ39は銅線のほか、ニッケル線、アルミニウム線、銀線などで織成される。エキスパンドメタルやパンチグメタルで構成することもできる。
【0028】
このような金属メッシュ39と、上記のコア31a部分のコア用金属メッシュ32とにより、プリント配線板31上の電子部品41…は全体が囲繞されることになる。
【0029】
また、金属メッシュ39の取り付けに際しては、コア用金属メッシュ32をあらかじめ所定の形状に成形するとともに、金属メッシュ39の一部にはコア31aとなるコア用金属メッシュ32と導通するスルーホール38に挿入される導通部39aが備えられている。すなわち、金属メッシュ39は、コア31aとなるコア用金属メッシュ32とスルーホール38で接続され、アースとして使用可能となる。同時に、金属メッシュ39とコア31aとしてのコア用金属メッシュ32は、電子部品41…から発生する熱を伝達し放出する機能も果たすようになる。
【0030】
このように電子部品41…が実装され、金属メッシュ39が取り付けられたプリント回路板21は、図4に示したような上型51と下型52とからなる金型53内に保持され(図5参照)、樹脂が注入されて成形される。成形は、ホットメルトモールディングで行う。樹脂には、たとえば熱可塑性のポリアミド系ホットメルトやポリオレフィン系のホットメルト、ポリエステル系ホットメルトなどが使用できる。このほか、熱硬化性樹脂ではあるが、エポキシ系やウレタン系の樹脂も使用可能である。
【0031】
樹脂は、金属メッシュ39を通して、プリント回路板21の上面や電子部品41…に直に接触するとともに、金属メッシュ39を内包するように、金型51に対応した形に成形されて樹脂部61となる。
【0032】
成形後は、離型すれば図1に示したように樹脂部61内にプリント回路板21の全体が封止された成形品11が得られる。
【0033】
このようにして得られた成形品11について、(1)止水性試験、(2)衝撃落下試験、(3)耐熱試験、(4)電磁波遮蔽試験を行ったところ、次のような評価が得られた。
(1) 止水性試験について
成形品11に対して−30〜120℃の3000サイクル温度衝撃試験を実施した。その後、インクで着色した水を張った水槽に漬け、24時間のあいだ1mの深さに保った後、成形品を取り出して断面を観察したところ、水の浸入がないことが確認できた。なお、樹脂部61の成形には、ヘンケル製ホットメルト、硬度「shore D48」を使用した。
(2) 衝撃落下試験
成形品11を1mの高さから落下させた。落下後の電子部品動作に問題はないことが確認できた。
(3) 耐熱試験
成形品11を85℃、湿度85%の環境下で、3ヶ月動作させ続けた。その結果、機能損失等が見られなかった。
電磁波遮蔽試験
コア31a部分のコア用金属メッシュ32及び電子部品搭載部分を覆う部分の金属メッシュ39に銅線からなる金属メッシュを用いた成形品11において、コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39の開目の違いによる遮蔽効果を試す第1試験(図6(a)参照)と、コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39を構成する材料を異にした場合の遮蔽効果の違いを試す第2試験(図6(b)参照)とを行った。
【0034】
試験では、KEC(関西電子工業振興センター)法を用いて、10MHz〜10GHzの周波数帯域の電磁波に対する遮蔽効果を調べた。なお、線径は金属線の太さであり、開目は、金属線間の間隔である。コア用金属メッシュ32と金属メッシュ39の網目は正方形に形成されている。
【0035】
第1試験の結果によれば、開目が小さいほど、電磁波遮蔽効果が高いことがわかる(図6(a)参照)。
【0036】
第2試験の結果によれば、線径および開目を同じくしても、材料によって電磁波遮蔽効果が異なることがわかる(図6(b)参照)。また、導電性の金属としては、銅や銀を用いるのが好ましいことがわかる。
【0037】
上述のように、電子部品41…はコア31aとなるコア用金属メッシュ32と、金属メッシュ39とで全体が囲繞されているので、電磁波遮蔽効果が得られる。この結果、外部の電磁波から電子部品を保護できるとともに、電子部品が発する電磁波の漏洩を防げる。そのうえ、樹脂部61が金属メッシュ39を内包しているので、樹脂が軟質のものであっても金属メッシュ39が補強機能を果たし、剛性が高まり耐衝撃性を得られる。また、電子部品41…を埃や水分からも保護できる。
【0038】
しかも、金属メッシュ39を取り込むように成形された樹脂部61は、電子部品41…を直に覆って封止するものであるので、ごみの侵入や水分、衝撃などから電子部品41…を保護する効果はきわめて高く、上述のように柔軟な樹脂が好適に使用できるので、成形時の成形圧力による電子部品41…やボンディングワイヤなどが損傷を防ぎ、衝撃吸収性や、電子部品41…の熱膨張を吸収できる点などで有利である。
【0039】
さらに、樹脂層31bや樹脂部61内において電子部品41…を囲繞するコア用金属メッシュ32や金属メッシュ39は、電子部品41…から発する熱を伝達して放出する。このため、放熱の点からも電子部品41…の保護を図ることができる。
【0040】
そのうえ、電子部品41…を覆う金属メッシュ39はアースとしての機能も果たすので、ノイズを抑えられるなどの効果を有する。
【実施例2】
【0041】
次に図7に示した成形品11について説明する。この説明において、上述の構造と同一または同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0042】
図7に示した成形品11は、たとえば携帯電話機などの電子機器の筐体となるものである。この成形品11には、プリント配線板に電子部品を搭載したプリント回路板が装着されるのではなく、必要な電子部品41…が直接実装されている。
【0043】
なお、電子部品41…を実装する前の成形品11は、プリント配線板としての機能を有する。また、図7中、成形品11の内側底面11aの配線パターン36aや電子部品41…は便宜上適宜省略している。図7、図10中、破線で示した部分は、電子部品41…が搭載される部位を囲繞する金属メッシュ39を示す。
【0044】
筐体となる成形品11は、図8に示したような銅張積層板37を成形して、たとえば有底箱状に製造される。銅張積層板37は、成形後に筐体の内側底面11aに相当する面に銅箔36が存在するように製造される。すなわち、図9に示したように、厚さ方向の中間部分となる部分に位置する上記の金属メッシュ39の一方側の面にプリプレグ35,35と銅箔36を配設し、他方側の面にプリプレグ35,35を位置させて、これらを熱プレスにより積層一体化する。積層一体化された銅張積層板37では、金属メッシュ39が両側の樹脂部61に内包され、樹脂層31bの一方側に銅箔36からなる導電層31cが備えられた構造となる。
【0045】
プリプレグ35は樹脂を含浸したものであるが、樹脂には熱可塑性樹脂やエラストマーを利用するもよい。また、プリプレグを用いるのではなく、金属メッシュ39に樹脂を含浸させたものを用いることもできる。
【0046】
成形は、所望の形状に応じて、図10に示したような雄型71と雌型72とからなる一組の金型73間において軟化温度まで温度を上げてから、金型73によるプレスをして行う。成形後は、金属メッシュ39によって囲繞された銅箔36に対してエッチングをして配線パターン36a(図7参照)を形成するとともに、外周などの不要な部分を切除すればよい。
【0047】
このように構成された成形品11でも、実施例1の場合と同様に、別体の電磁波遮蔽シート材等を用いずとも、電磁波遮蔽効果を得ることができる。しかも電子部品を囲繞する部材が金属板ではなく、金属メッシュ39からなるので、上記のような熱圧縮成形が容易で様々な形状の筐体を得ることができるとともに、金属板を用いた場合に比して軽量である。
【0048】
そして、電子部品41…は金属メッシュ39によって囲繞されているので、電磁波遮蔽効果が得られる。しかも、その金属メッシュ39を樹脂部61が内包した構造であるので、電子部品41…を埃や水分、衝撃から保護することもできるとともに、樹脂部61を構成する樹脂が軟質のものであっても金属メッシュ39が補強機能を果たし、剛性が高まり耐衝撃性を得られる。
【0049】
さらに、樹脂部61内において電子部品41…を囲繞する金属メッシュ39は、電子部品41…から発する熱を伝達して放出する。このため、放熱の点からも電子部品41…の保護を図ることができる。
【0050】
この発明の構成と、上記一形態の構成との対応において、
この発明の金属部材は、コア用金属メッシュ32に対応するも、
この発明は、上述の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することもできる。
【0051】
たとえば、封止成形による樹脂部の形成は、プリント回路板の全体ではなく部分的に行うもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】電磁波遮蔽樹脂成形品の断面図。
【図2】プリント配線板の概略の製造工程を示す断面図。
【図3】プリント配線板への実装状態を示す断面図。
【図4】成形用金型と実装基板を示す断面図。
【図5】成形用金型のキャビティ内に実装基板を収納した状態の断面図。
【図6】電磁波遮蔽効果を示す試験結果。
【図7】電磁波遮蔽樹脂成形品の斜視図。
【図8】成形前の銅張積層板を示す断面図。
【図9】銅張積層板の分解状態の断面図。
【図10】成形工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0053】
11…電磁波遮蔽樹脂成形品
21…プリント回路板
31…プリント配線板
31a…コア
31b…樹脂層
32…コア用金属メッシュ
38…スルーホール
39…金属メッシュ
39a…導通部
41…電子部品
61…樹脂部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュが備えられ、
該金属メッシュを内包するように樹脂を成形してなる樹脂部が備えられた
電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項2】
前記樹脂部が、電子部品を直に覆って封止するものである
請求項1に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項3】
前記樹脂部が中空の箱状筐体であり、肉厚内に前記金属メッシュを備えた
請求項1に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項4】
電子部品を搭載するプリント配線板のコア部分に金属部材が備えられた
請求項1または請求項2に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項5】
プリント配線板の電子部品搭載部分を囲繞する前記金属メッシュが、プリント配線板に設けられたスルーホールに挿入される導通部を有し、
該導通部がプリント配線板のコア部分の金属部材とスルーホールで電気的に接続された
請求項4に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項6】
前記金属部材が金属メッシュからなる
請求項4または請求項5に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項1】
電子部品が搭載される部位を囲繞する部分に金属メッシュが備えられ、
該金属メッシュを内包するように樹脂を成形してなる樹脂部が備えられた
電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項2】
前記樹脂部が、電子部品を直に覆って封止するものである
請求項1に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項3】
前記樹脂部が中空の箱状筐体であり、肉厚内に前記金属メッシュを備えた
請求項1に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項4】
電子部品を搭載するプリント配線板のコア部分に金属部材が備えられた
請求項1または請求項2に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項5】
プリント配線板の電子部品搭載部分を囲繞する前記金属メッシュが、プリント配線板に設けられたスルーホールに挿入される導通部を有し、
該導通部がプリント配線板のコア部分の金属部材とスルーホールで電気的に接続された
請求項4に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【請求項6】
前記金属部材が金属メッシュからなる
請求項4または請求項5に記載の電磁波遮蔽樹脂成形品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−164243(P2009−164243A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340282(P2007−340282)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]