説明

電線ホルダ

【課題】電線と圧接刃を接続する作業性を向上する。
【解決手段】内ホルダ51の外面に電線3を配置し、その上から外ホルダ53を装着して内ホルダ51と外ホルダ53とで電線3を挟んで保持し、圧接刃23が内部に設けられたハウジング21内に挿入してハウジング21に係合して電線3と圧接刃23とを接続する電線ホルダ1であって、外ホルダ53は、電線3に対応する位置に形成され圧接刃23が挿入される挿入穴57と、挿入穴57の対向する辺部に立設され先端側に向かって間隔が広がる一対のガイド片71とを備えてなり、外ホルダ53の先端面が対向するハウジング21の内面79に一対のガイド片71の先端を当接可能に形成されることにより、一対のガイド片71によって圧接刃23を挿入穴57にガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線ホルダに係り、特に、圧接刃に接続される電線を保持する電線ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、隙間を空けて対向する2枚の刃を備える圧接刃を用い、圧接刃の隙間に電線を圧入して電線の絶縁被覆を各刃で破って電線と圧接刃を電気的に接続した圧接コネクタが提案されている。同文献の圧接コネクタは、電線を保持する圧接カバ(電線ホルダ)を、圧接刃が立設されたコネクタ本体に係合させて電線と圧接刃を接続している。特に、同文献は、圧接刃に対向する圧接カバの面に複数の突起を形成し、この突起間に電線を挿入して圧接カバに電線を保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−76868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電線と圧接刃を接続する際は、電線と圧接刃の位置や姿勢を合わせて圧接刃の隙間に電線を圧入する必要があるが、特許文献1は、この作業の作業性を向上することについて配慮しておらず、作業性を向上する余地がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電線と圧接刃を接続する作業性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、内ホルダの外面に電線を配置し、その上から外ホルダを装着して内ホルダと外ホルダとで電線を挟んで保持し、圧接刃が内部に設けられたハウジング内に挿入して該ハウジングに係合して電線と圧接刃とを接続する電線ホルダであって、外ホルダは、電線に対応する位置に形成され圧接刃が挿入される挿入穴と、挿入穴の対向する辺部に立設され先端側に向かって間隔が広がる一対のガイド片とを備えてなり、外ホルダの先端面が対向するハウジングの面に前記一対のガイド片の先端が当接可能に形成される電線ホルダを用いることを特徴とする。
【0007】
これによれば、電線ホルダを圧接刃が内部に設けられたハウジング内に挿入すると、一対のガイド片の対向する先端面に圧接刃の先端が当接し、圧接刃がガイド片間に誘導される。さらに、押し込むと電線に対応する位置の挿入穴に圧接刃が自然に挿入される。すなわち、電線ホルダの挿入位置ないし姿勢が多少ずれていても、一対のガイド片の間に圧接刃があれば、圧接刃を挿入穴に案内することができる。その結果、電線ホルダの挿入位置や挿入姿勢を合わせることが簡単になるから、電線と圧接刃とを接続する作業性を向上できる。
【0008】
一方、電線ホルダの外ホルダの先端面とハウジングの内面との間に隙間があると、ハウジングに電線ホルダを係合した際にがたつきが生じるので、一対のガイド片の先端がハウジングの内面に当接して弾性変形するように形成する。これによれば、外ホルダの先端面とハウジングの内面との間に隙間があっても、その隙間を一対のガイド片の弾性変形によって吸収できるから、電線ホルダとハウジングとの係合のがたつきを抑制できる。
【0009】
なお、一対のガイド片は、例えば、板状の一対のガイド片の対向する先端面が先端に向かうにつれて間隔が広がるように曲面を形成したものを用いることができる。例えば、板状の一対のガイド片の先端を互いに離れる方向に又は互いに向き合う方向に曲折した形状にすることができる。これによれば、一対のガイド片の曲面に沿って圧接刃を挿入穴に導くことができる。
【0010】
また、電線が配置される内ホルダの外面に、電線を保持する保持部、例えば、電線を収容可能な溝を形成することができる。これによれば、圧接刃が挿入される挿入穴の位置に電線を位置決めできる。
【0011】
また、圧接刃が挿入される切込みを内ホルダに形成することができる。これによれば、圧接刃の先端を内ホルダの切込みに挿入できるから、その分圧接刃の2枚の刃によって形成された隙間の奥まで電線を圧入できるので、圧接刃と電線との接続を安定化できる。
【0012】
また、外ホルダに一対のガイド片を一体成型することで、部品点数及び作業工程を少なくできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電線と圧接刃を接続する作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の電線ホルダを照明装置に係合さえた斜視図である。
【図2】図1の照明装置の分解図である。
【図3】(a)はバスバの斜視図であり、(b)はバスバに設けられた圧接刃の拡大図である。
【図4】(a)はベース部材へのバスバと金属クリップの取り付け方向を示す斜視図であり、(b)はベース部材にバスバと金属クリップを取り付けた斜視図であり、(c)はベース部材のピンをバスバの穴に挿入した拡大図である。
【図5】(a)はベース部材へのスイッチの取り付け方向を示す斜視図であり、(b)はベース部材にスイッチを取り付けた斜視図である。
【図6】図1の照明装置の回路図である。
【図7】(a)はベース部材へのスイッチの取り付け方向を示す斜視図であり、(b)はベース部材にスイッチを取り付けた斜視図である。
【図8】(a)はベース部材へのバルブの取り付け方向を示す斜視図であり、(b)はベース部材にバルブを取り付けた斜視図である。
【図9】(a)はベース部材へのレンズの取り付け方向を示す斜視図であり、(b)はベース部材にレンズを取り付けた斜視図である。
【図10】(a)は図1の電線ホルダの内ホルダと外ホルダを示す斜視図であり、(b)は内ホルダに外ホルダを装着した斜視図である。
【図11】内ホルダと外ホルダを治具に固定した斜視図である。
【図12】(a)は治具に電線を保持させる前の斜視図であり、(b)は治具に電線を保持させて内ホルダの溝に電線を収容した斜視図である。
【図13】(a)は外ホルダの装着方向を示す斜視図であり、(b)は電線を保持した電線ホルダの斜視図である。
【図14】(a)はハウジングへの電線ホルダの挿入方向を示す斜視図であり、(b)はハウジングに電線ホルダを係合した斜視図である。
【図15】(a)は電線ホルダが係合された照明装置を裏面側から見た平面図であり、(b)は(a)の線D−Dの断面図である。
【図16】図1の電線ホルダの斜視図である。
【図17】図16の線A−Aをとおる平面で電線ホルダを切断した断面図であり、(a)は電線と圧接刃の接続前の断面図であり、(b)は電線と圧接刃の接続後の断面図である。
【図18】図16の線B−Bをとおる平面で電線ホルダを切断した断面図であり、(a)は電線と圧接刃の接続前の断面図であり、(b)は圧接刃と一対のガイド片の位置を示す断面図であり、(c)は電線と圧接刃の接続後の断面図である。
【図19】図1の電線ホルダの変形例を示す斜視図である。
【図20】図19の線C−Cをとおる平面で電線ホルダを切断した断面図であり、(a)は電線と圧接刃の接続前の断面図であり、(b)は電線と圧接刃の接続後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。まず、図1〜9を用いて、本実施形態の電線ホルダ1によって電線3が接続される照明装置5を説明する。照明装置5は、例えば、自動車の天井等に取り付けられて車内を照らす照明装置であり、絶縁性を有するベース部材7の裏面側にバスバ9、金属クリップ11、スイッチ13が取り付けられ、ベース部材7の表面側にスイッチノブ15、バルブ17、レンズ19が取り付けられるようになっている。
【0016】
ベース部材7の裏面側は、図3(a)の矢印方向からバスバ9と金属クリップ11が装着されるようになっている。バスバ9は、導電性を有する金属等を用いて形成された細長い平板であり、本実施形態では電線3の数に対応させて複数(本実施形態は3本)設けられている。各バスバ9の一端には、電線3に接続可能な圧接刃23が形成され、他端には、スイッチ13と接続可能なスイッチ接続部25が形成されている。各バスバ9は、バルブ17と接続可能に形成されスイッチ13の操作に応じて電線3からバルブ17に電力を供給するようになっている。各圧接刃23は、圧接刃23の配列方向に直行する方向に互いに位置をずらして形成されている。これにより、各圧接刃23同士が接触しないようになっている。各圧接刃23は、例えば、隙間を空けて対向させた一対の刃を備えている。各圧接刃23は、電線3が圧入された際に、電線3の絶縁被覆を破って電線3の芯線に一対の刃が圧接して電気的に接続するように形成されている。各バスバ9には、ベース部材7に設けられた複数のピン27がそれぞれ挿入される穴29が複数設けられている。各穴29は、各ピン27に対応する位置に形成され、各穴29に各ピン27を挿入して、例えば、熱溶着することで各バスバ9をベース部材7に固定するようになっている。各バスバ9は、ベース部材7の後述するハウジング21内に各圧接刃23が収容される位置に固定される。なお、本実施形態は、複数のバスバ9を連結部33によって連結したままベース部材7に固定し、その後連結部33を除去して各バスバ9の連結を解除して各バスバ9間を絶縁するようになっている。
【0017】
金属クリップ11は、板状の金属をV字に折り曲げたような形状であり、ハウジング21が設けられたベース部材7の辺部に対向する辺部に装着可能になっている。
【0018】
スイッチ13は、各バスバ9のスイッチ接続部25がそれぞれ接続される接続部35と、後述するスイッチノブ15を介して操作される操作部37とを備えている。スイッチ13は、図5(a)の矢印方向からベース部材7に装着されるようになっている。なお、スイッチ13は、図6の回路図に示すとおりスイッチ13の切り換え操作に応じてバルブ17を点滅する周知のスイッチを用いることができる。
【0019】
ベース部材7の表面側は、図7(a)の矢印方向からスイッチノブ15が装着可能になっている。スイッチノブ15は、例えば、車内の操作者による操作をスイッチ13の操作部37に伝達可能にベース部材7に装着されている。
【0020】
バルブ17は、図8(a)の矢印方向からベース部材7に挿入されてバスバ9に接続されるようになっている。バルブ17は、スイッチ13の操作に応じて点灯するようになっている。
【0021】
レンズ19は、図9(a)の矢印方向からベース部材7に装着されるようになっている。レンズ19には、スイッチノブ15が挿入される開口39と、ベース部材7の複数の突起41がそれぞれ嵌め込まれる複数の開口部43が設けられている。各開口部43に各突起41を嵌め込むことで、レンズ19をベース部材7の表面側(車内側)に固定するようになっている。
【0022】
ベース部材7には、電線ホルダ1が挿入されて係合されるハウジング21が形成されている。ハウジング21は、電線ホルダ1を挿入可能な形状、例えば、矩形の筒状に形成されている。ハウジング21には、電線ホルダ1と係合する係合部45が設けられている。係合部45は、後述する電線ホルダ1の突起が係合される開口46を備えている。
【0023】
次に、本実施形態の特徴である電線ホルダ1について図10を用いて説明する。電線ホルダ1は、複数(本実施形態は3本)の電線3(バラ電線)が外面に配置される内ホルダ51と、複数の電線3が配置された内ホルダ51の外面に装着される外ホルダ53を備えている。内ホルダ51と外ホルダ53は、可撓性を有するヒンジ54によって連結され、図10(a)の矢印方向に向けて外ホルダ53を内ホルダ51に装着可能になっている。内ホルダ51は、例えば、樹脂によって断面矩形の柱状に形成されている。内ホルダ51は、各電線3を収容可能な複数(本実施形態は3つ)の溝55と、各圧接刃23が挿入される切込部57と、ハウジング21の係合部45の開口46に挿入される突部59とを備えている。各溝55は、例えば、内ホルダ51の一対の対向面を除く外面に形成され、各電線3をそれぞれ収容して保持するようになっている。切込部57は、内ホルダ51の先端側に設けられ、各圧接刃23の先端部を挿入可能に形成されている。突部59は、例えば、断面三角形に形成され、ハウジング21の係合部45の開口46に挿入された際に後端面が開口46の内面に当接して電線ホルダ1の脱出方向の動きを規制するようになっている。内ホルダ51の後端側には、外ホルダ53の段部67が挿入される保持部60が形成されている。
【0024】
外ホルダ53は、例えば、樹脂によって形成され、間隔を開けて対向する一対の対向壁61と、各対向壁61の先端側を接続する先端壁63と、各対向壁61の側面に形成されたリブ65とを備えている。外ホルダ53は、各対向壁61と先端壁63とで囲まれた空間に、内ホルダ51を挿入して外ホルダ53の内面と内ホルダ51の外面とで各電線3を挟んで保持するようになっている。各対向壁61の後端側には、内ホルダ51の保持部60に挿入される段部67が形成されている。リブ65は、内ホルダ51に当接して外ホルダ53か内ホルダ51が脱出する動きを規制するようになっている。先端壁63の先端面(ハウジング21内に臨ませる面)には、各電線3に対応する位置に形成され各圧接刃23がそれぞれ挿入される複数(本実施形態は3つ)の挿入穴69が形成されている。各挿入穴69は、各圧接刃23の位置に対応させて形成されている。各挿入穴69の対向する辺部には、それぞれ先端側に向かって間隔が広がる一対のガイド片71が立設されている。各一対のガイド片71は、例えば、板状の一対のガイド片71の先端を互いに離れる方向に曲折した形状に形成されている。各一対のガイド片71は、例えば、外ホルダ53と同じ樹脂によって外ホルダ53に一体成形されている。各一対のガイド片71は、外ホルダ53の先端面が対向するハウジング21の内面に先端が当接可能に形成されている。
【0025】
ここで、図11〜13を用いて、電線ホルダ1の組み立て方を説明する。図10(a)のように形成された内ホルダ51と外ホルダ53を組み立て用の治具73に固定する。次に、他の機器に接続可能なコネクタ75が接続された複数の電線3を、内ホルダ51の各溝55にそれぞれ収容しながら、治具73に立設された複数のピン77に掛け渡して各電線3を固定する。この状態で、ヒンジ54を回転中心として、外ホルダ53を回転させて内ホルダ51に装着する。これにより、内ホルダ51に外ホルダ53が装着されて電線ホルダ1に各電線3が保持される。
【0026】
このように構成された電線ホルダ1の特徴作用を、電線ホルダ1を照明装置5のハウジング21に係合する作業に沿って説明する。電線ホルダ1の突部59の位置とハウジング21の係合部45の開口46とを位置合わせして、図14(a)の矢印方向に沿って電線ホルダ1をハウジング21内に挿入する。電線ホルダ1を挿入すると、電線ホルダ1の突部59の傾斜面がハウジング21の係合部45に当接し、係合部45をハウジング21の外方向に弾性変形させる。そして、係合部45の開口46に突部59が挿入されると、係合部45が元の位置に戻り、係合部45の開口46内面に突部59の後端面が当接し、電線ホルダ1の脱出方向の動きが規制される。これにより、図15に示すとおり、電線ホルダ1をハウジング21内に係合される。
【0027】
この際、図17に示すとおり、各圧接刃23の一対の刃間の隙間に電線3が圧入される。一対の刃間の隙間は、電線3の径よりも小さく形成されているから、一対の刃によって各電線3の絶縁被覆が破られて各電線3の芯線と各圧接刃23を接続できる。また、内ホルダ51には、圧接刃23を収容する切込部57が形成されているから、その分圧接刃23の隙間の奥まで電線3を圧入でき、電線3の絶縁被覆を確実に破ることができる。なお、図17は、図16に示す線A−Aをとおる平面(一対のガイド片71間の隙間を通る平面)で電線ホルダ1を切断した断面図である。
【0028】
ここで、一対のガイド片71の作用を図18を用いて説明する。図18は、図16に示す線B−Bをとおる平面(一対のガイド片71を通過する平面)で電線ホルダ1を切断した断面図である。図18(a)の矢印方向に沿って電線ホルダ1をハウジング21内に挿入する。この際、図18(b)に示すとおり、一対のガイド片71がある範囲に各圧接刃23が位置していれば、一対のガイド片71の対向する先端面に各圧接刃23の先端が当接する。この状態で電線ホルダ1をハウジング21内にさらに押し込むと、一対のガイド片71の曲面に沿って圧接刃23が自然に外ホルダ53の挿入穴69に挿入される。その結果、図18(c)に示すように、各圧接刃23の隙間に各電線3を圧入でき、各圧接刃23で各電線3の絶縁被覆を破って各電線3の芯線に各圧接刃23を圧接して接続できる。さらに、一対のガイド片71は、ハウジング21の内面79に当接して弾性変形するように形成されているから、この弾性変形によって外ホルダ53の先端面とハウジング21の内面79との間の隙間を吸収できる。
【0029】
これによれば、電線ホルダ1の挿入位置ないし姿勢が多少ずれていても、一対のガイド片71の間に圧接刃23が位置していれば、一対のガイド片71によって圧接刃23を挿入穴69に導いて電線3と圧接刃23とを接続できる。その結果、電線ホルダ1の挿入位置や挿入姿勢を合わせることが簡単になるから、各電線3と各圧接刃23とを接続する作業性を向上できる。
【0030】
また、電線ホルダ1の外ホルダ53の先端面とハウジング21の内面79との間に隙間があると、ハウジング21に電線ホルダ1を係合した際にがたつきが生じることがある。しかし、本実施形態の電線ホルダ1は、圧接刃23をガイドする一対のガイド片71を弾性変形させて、電線ホルダ1の外ホルダ53の先端面とハウジング21の内面79との間の隙間を吸収できるから、ハウジング21と電線ホルダ1のがたつきを抑制できる。すなわち、一対のガイド片71を利用してがたつきを抑制できるから、別途がたつきを抑制する手段を設ける必要がなく、電線ホルダ1やハウジング21の構造を簡単にできる。
【0031】
また、本実施形態によれば、電線3と圧接刃23を容易に接続できるから、従来使用されていた電線3と圧接刃23を接続する圧接機等の専用の装置を不要にできる。
【0032】
なお、一対のガイド片71の形状は、本実施形態に限定されず、圧接刃23を電線3に向けて案内でき、かつ、電線ホルダ1の外ホルダ53の先端面とハウジング21の内面79との間の隙間を吸収できる形状を適宜選択できる。例えば、図19に示すように、板状の一対のガイド片91の先端が互いに向き合う方向に曲折した形状にすることができる。これによっても、図20に示すように、一対のガイド片71によって圧接刃23を挿入穴69にガイドして電線3と圧接刃23とを接続でき、かつ、一対のガイド片91を弾性変形させて電線ホルダ1の外ホルダ53の先端面とハウジング21の内面79との間の隙間を吸収できるから、ハウジング21と電線ホルダ1のがたつきを抑制できる。
【0033】
また、電線3や圧接刃23の数は本実施形態に限定されず、例えば、1本の電線を1つの圧接刃に接続する場合など、電線ホルダを適宜設計できる。
【0034】
また、本実施形態は、内ホルダ51に電線3を収容する溝55を形成しているが、電線3の保持手段はこれに限定されず、例えば、電線3を挟持する一対の突起を形成するなど、適宜選択できる。また、内ホルダ51に電線3の保持手段を設けない構成も選択できる。
【0035】
また、本実施形態は、電線ホルダ1を用いて照明装置5の圧接刃23に電線3を接続する例を説明したが、これに限定されず、例えば、電線ホルダ1を用いてコネクタのハウジング内に設けられた圧接刃に電線を接続することができる。すなわち、圧接刃が内部に設けられたハウジング内に電線ホルダを挿入して電線と圧接刃を接続する構成ならば、本発明の電線ホルダが挿入されて係合されるハウジングが形成される対象は限定されない。
【符号の説明】
【0036】
1 電線ホルダ
3 電線
5 照明装置
21 ハウジング
23 圧接刃
51 内ホルダ
53 外ホルダ
55 溝
57 切込部
69 挿入穴
71 一対のガイド片
79 内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内ホルダの外面に電線を配置し、その上から外ホルダを装着して前記内ホルダと前記外ホルダとで前記電線を挟んで保持し、圧接刃が内部に設けられたハウジング内に挿入して該ハウジングに係合して前記電線と前記圧接刃とを接続する電線ホルダであって、
前記外ホルダは、前記電線に対応する位置に形成され前記圧接刃が挿入される挿入穴と、該挿入穴の対向する辺部に立設され先端側に向かって間隔が広がる一対のガイド片とを備えてなり、
前記外ホルダの先端面が対向する前記ハウジングの面に前記一対のガイド片の先端を当接可能に形成されてなる電線ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の電線ホルダにおいて、
前記内ホルダは、前記圧接刃が挿入される切込みが形成されてなることを特徴とする電線ホルダ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電線ホルダにおいて、
前記一対のガイド片は、前記外ホルダに一体に形成されてなることを特徴とする電線ホルダ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−199029(P2012−199029A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61618(P2011−61618)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】