説明

電解加工装置及び電解加工方法

【課題】 接触部材の各部位を通過するイオン電流の流れを制限し、例えば一つの加工電極及び/または給電電極にあたかも複数の加工電極及び/または給電電極が存在するように作用させることで、被加工物の被加工表面をより均一な加工速度で加工し、品質の高い加工表面を得ることができるようにする。
【解決手段】 被加工物Wに近接自在な加工電極70と、被加工物Wに給電する給電電極72と、被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方との間に配置され、電解質を有する電解質部74bと電解質を有しない非電解質部74aをそれぞれ1つ以上有する接触部材74と、加工電極と給電電極との間に電圧を印加する電源46と、被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方とを相対運動させる駆動部と、被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解加工装置及び電解加工方法に係り、特に半導体ウエハ等の基板の表面に形成された導電性材料を加工したり、基板の表面に付着した不純物を除去したりするのに使用される電解加工装置及び電解加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウエハ等の基板上に回路を形成するための配線材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋め込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、化学気相成長法(CVD)、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜して、化学機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図1(a)乃至図1(c)は、この種の銅配線基板Wの一製造例を工程順に示す。先ず、図1(a)に示すように、半導体素子が形成された半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜やLow−k材膜などの絶縁膜2が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線溝4が形成される。これらの上にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっきの給電層としてのシード層7がスパッタリングやCVD等により形成される。
【0004】
そして、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、図1(b)に示すように、半導体基材1のコンタクトホール3及び配線溝4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6、シード層7及びバリア膜5を除去して、コンタクトホール3及び配線溝4内に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように銅膜6からなる配線が形成される。
【0005】
最近ではあらゆる機器の構成要素において微細化かつ高精度化が進み、サブミクロン領域での物作りが一般的となるにつれて、加工法自体が材料の特性に与える影響は益々大きくなっている。このような状況下においては、従来の機械加工のように、工具が被加工物を物理的に破壊しながら除去していく加工方法では、加工によって被加工物に多くの欠陥を生み出してしまうため、被加工物の特性が劣化してしまう。したがって、いかに材料の特性を損なうことなく加工を行うことができるかが問題となってくる。
【0006】
この問題を解決する手段として開発された特殊加工法に、化学研磨や電解加工、電解研磨がある。これらの加工方法は、従来の物理的な加工とは対照的に、化学的溶解反応を起こすことによって、除去加工等を行うものである。したがって、塑性変形による加工変質層や転位等の欠陥は発生せず、上述の材料の特性を損なわずに加工を行うといった課題が達成される。
【0007】
例えば、CMP工程は、一般にかなり複雑な操作が必要で、制御も複雑となり、加工時間もかなり長い。更に、研磨後の基板の後洗浄を十分に行う必要があるばかりでなく、スラリーや洗浄液の排液処理のための負荷が大きい等の課題がある。このため、CMP自体を省略もしくはこの負荷を軽減することが強く求められていた。また、今後、層間絶縁膜も誘電率の小さいLow−k材に変わると予想され、そのLow−k材は、機械的強度が弱くCMPによるストレスに耐えられなくなる。従って、基板にストレスを与えることなく、平坦化できるようにしたプロセスが望まれている。
【0008】
このような課題を解決する手段として、電極と被加工物の間に接触部材(例えばイオン交換体)を配置し、電解液として純水もしくは超純水のような電気抵抗の大きな液体を用いて加工を行うことで、被加工物に与える機械的ストレスをなくし、後洗浄も簡便な電解加工が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
これは、図2に示すように、被加工物10の表面に、加工電極14に取付けたイオン交換体(接触部材)12aと、給電電極16に取付けたイオン交換体(接触部材)12bとを接触乃至近接させ、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14及び給電電極16と被加工物10との間に液体供給部19から超純水等の加工用液体18を供給して、被加工物10の表面層の除去加工を行うようにしたものである。この電解加工によれば、超純水等の加工用液体18中の水分子20をイオン交換体12a,12bで水酸化物イオン22と水素イオン24に解離し、例えば生成された水酸化物イオン22を、被加工物10と加工電極14との間の電界と超純水等の加工用液体18の流れによって、被加工物10の加工電極14と対面する表面に供給して、ここでの被加工物10近傍の水酸化物イオン22の密度を高め、被加工物10の原子10aと水酸化物イオン22を反応させる。反応によって生成された反応物質26は、超純水等の加工用液体18中に溶解し、被加工物10の表面に沿った超純水等の加工用液体18の流れによって被加工物10から除去される。
【0010】
【特許文献1】特開2003−145354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
例えばイオン交換体からなる接触部材を用いた電解加工では、加工電極または給電電極の少なくとも一方と被加工物との間に配置された接触部材と被加工物の被加工表面との近接部乃至接触部において選択的に加工が進む。ここで、被加工物の被加工表面を全面に亘ってより均一な加工速度で加工し、品質の高い加工表面を得るためには、複数の加工電極や給電電極を被加工物の被加工表面における任意の一点に対して、複数回に亘って略均一に通過させることが好ましい。しかし、加工電極や給電電極の数及び配置は、加工電極と給電電極との間の短絡を防止したり、所定の位置に接触部材を固定したり、更には流体を供給するための流体供給部を配置したりする等の影響により制限されてしまう。このため、多数の加工電極及び/または給電電極を被加工物との間に効率よく均等に配置して、被加工物の被加工表面を全面に亘ってより均一な加工速度で加工することが一般に困難となる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、接触部材の各部位を通過するイオン電流の流れを制限し、例えば一つの加工電極及び/または給電電極にあたかも複数の加工電極及び/または給電電極が存在するように作用させることで、被加工物の被加工表面を全面に亘ってより均一な加工速度で加工し、品質の高い加工表面を得ることができるようにした電解加工装置及び電解加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、前記被加工物に給電する給電電極と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置され、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材と、前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させる駆動部と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部を有することを特徴とする電解加工装置である。
【0014】
被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材を配置し、接触部材の電解質部が存在する部位のみをイオン電流が通過し、非電解質部が存在する部位のイオン電流の通過を制限することで、例えば一つの加工電極の表面を接触部材で覆った場合に、この一つの加工電極に、接触部材を介して、あたかも加工電極が複数存在するように作用させることができる。
【0015】
電解質は、イオンに電離する物質、つまりイオン導電体のことをいい、酸、塩基、塩溶液、溶融塩、固体電解質などを含む。液体の電解質を電解液といい、固体の電解質を固体電解質という。電解質は、狭義には電解液に溶解させた塩、さらに狭義には、電解液に導電性を持たせるために加えた支持塩のことをいう。溶媒に塩を溶解させるばかりでなく、溶融塩やイオン性液体も電解質として使われる。一方、イオンを通す固体を固体電解質という。電解質は、電池や電解コンデンサなどに応用されている。電池の電解質は、液体を使うことが多いが、一部の電池では固体電解質が使用されている。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項1記載の電解加工装置である。
固体電解質は、固体中をイオンが移動するタイプの電解質をいい、固体アイオニクスとも呼ばれる。電解液が二種類以上のイオンを運ぶのに対して、固体電解質は、一種類のイオンしか運ばないのが普通である。イオン交換膜は、固体高分子電解質であり、固体高分子型燃料電池や固体酸化物型燃料電池に応用されている。電池に固体電解質を使った場合、隔膜を使わなくても良い利点がある。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記電解質部は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と互いに対向した位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置である。
これにより、例えば多数の加工電極及び/または給電電極がピン状に多数配置されている場合に、接触部材の加工電極及び/または給電電極に対向する部位を電解質部となし、それ以外の部位を非電解質部となして、この非電解質部におけるイオン電流の流れを制限することで、イオン電流の流れをより容易に制御することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記接触部材は、加工電極及び給電電極に対して一体に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電解加工装置である。
このように、接触部材を加工電極及び給電電極に対して一体に配置することで、接触部材の製作の便を図るとともに、接触部材を所定の位置により容易に配置することができる。
請求項5に記載の発明は、前記非電解質部は、絶縁材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解加工装置である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、前記非電解質部は、導電性材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解加工装置である。
これにより、例えば導電性材料からなる非電解質部を給電電極と被加工物との間に介装することで、導電性材料を介して給電電極から被加工物に直接給電することができる。
請求項7に記載の発明は、前記非電解質部は、導電性パッドからなることを特徴とする請求項6記載の電解加工装置である。
【0020】
請求項8に記載の発明は、前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解加工装置である。
このように、接触部材の電解質部及び/または非電解質部が被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するようにすることで、被加工物の被加工面の各電解質部及び/または各非電解質部に近接乃至接触する部位の加工速度にばらつきが生じた場合においても、この加工速度のばらつきを平均化させ、これによって、被加工物の全面における加工速度の均一化を図ることができる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解加工装置である。
このように、接触部材の電解質部及び/または非電解質部が被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するようにすることによっても、被加工物の被加工面の各電解質部及び/または各非電解質部に近接乃至接触する部位の加工速度を平均化させ、被加工物の全面における加工速度の均一化を図ることができる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、前記電解質部は、イオン交換基を有するイオン交換基部からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電解加工装置である。
このように、接触部材の電解質部として、イオン交換基を有するイオン交換基部を使用することで、超純水等の液体中の水分子の水酸化物イオンと水素イオンへの解離を促進して、水分子の解離量を増加させることができる。このイオン交換基は、強酸性陽イオン交換基、弱酸性陽イオン交換基、強塩基性陰イオン交換基及び弱塩基性陰イオン交換基の少なくとも1つ、またはこれらの任意の組合せからなる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、前記被加工物に給電する給電電極と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置され、電解質を有する電解質部と電解質を有さない非電解質部がそれぞれ少なくとも1層以上存在する積層体からなる接触部材と、前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させる駆動部と、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部を有することを特徴とする電解加工装置である。
【0024】
被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ少なくとも1層以上有する積層体からなる接触部材を配置し、接触部材の電解質部のみをイオン電流が通過し、非電解質部のイオン電流の通過を制限することで、例えば一つの加工電極の表面を接触部材で覆った場合に、この一つの加工電極に、接触部材を介して、あたかも加工電極が複数に分割した状態で存在するように作用させることができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項11記載の電解加工装置である。
請求項13に記載の発明は、前記非電解質部は、絶縁材料からなることを特徴とする請求項11または12記載の電解加工装置である。
【0026】
請求項14に記載の発明は、前記電解質部及び/または非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電解加工装置である。
請求項15に記載の発明は、前記電解質部及び/または非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電解加工装置である。
【0027】
請求項16に記載の発明は、前記積層体は、前記電解質部及び非電解質部の端面が前記被加工物と対面するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の電解加工装置である。
請求項17に記載の発明は、前記電解質部は、イオン交換基を有するイオン交換基部からなることを特徴とする請求項16記載の電解加工装置である。
【0028】
請求項18に記載の発明は、被加工物を加工電極に近接させ、前記加工電極と前記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材を配置し、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させつつ、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給することを特徴とする電解加工方法である。
【0029】
請求項19に記載の発明は、被加工物に加工電極を近接させ、前記加工電極と前記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有さない非電解質部がそれぞれ少なくとも1層以上存在する積層体からなる接触部材を配置し、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させつつ、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給することを特徴とする電解加工方法である。
請求項20に記載の発明は、前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項18または19記載の電解加工方法である。
【0030】
請求項21に記載の発明は、前記電解質部及び/または前記非電解質部が前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の電解加工方法である。
請求項22に記載の発明は、前記電解質部及び/または前記非電解質部が前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の電解加工方法である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、被加工物と加工電極または給電電極との間の少なくとも一方に、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材を配置し、接触部材の電解質部が存在する部位のみをイオン電流が通過し、非電解質部が存在する部位のイオン電流の通過を制限することで、例えば一つの加工電極の表面を接触部材で覆った場合に、この一つの加工電極に、接触部材を介して、あたかも加工電極が複数存在するように作用させることができる。これによって、多数の加工部位を被加工物との間に効率よく均等に配置し、被加工物の被加工表面を全面に亘ってより均一な加工速度で加工して、より品質の高い加工表面を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る電解加工装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る電解加工装置を備えた基板処理装置の構成を示す平面図である。図3に示すように、この基板処理装置は、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工物)としての銅膜6を有する基板Wを収納したカセットを搬出入する搬出入部としての一対のロード・アンロード部30と、基板Wを反転させる反転機32と、電解加工装置34と、電解加工後の基板Wを洗浄・乾燥する洗浄部39を備えている。これらの機器は直列に配置されており、これらの機器の間で基板Wを搬送して授受する搬送装置としての搬送ロボット36がこれらの機器と平行に配置されている。また、電解加工装置34による電解加工の際に、後述する加工電極70と給電電極72との間に印加する電圧またはこれらの間を流れる電流をモニタするモニタ部38がロード・アンロード部30に隣接して配置されている。
【0033】
図4は、電解加工装置34を模式的に示す縦断面図、図5は図4の平面図である。図4に示すように、電解加工装置34は、上下動可能かつ水平方向に揺動自在なアーム40と、アーム40の自由端に垂設され、表面を下向き(フェースダウン)して基板Wを吸着保持する基板保持部42と、基板保持部42の下方に配置される円板状で絶縁体からなる電極部44と、電極部44に接続される電源46を備えている。
【0034】
アーム40は、揺動用モータ48に連結された揺動軸50の上端に取付けられており、揺動用モータ48の駆動に伴って水平方向に揺動するようになっている。また、この揺動軸50は、上下方向に延びるボールねじ52に連結されており、ボールねじ52に連結された上下動用モータ54の駆動に伴ってアーム40とともに上下動するようになっている。
【0035】
基板保持部42は、基板保持部42で保持した基板Wと電極部44とを相対移動させる第1駆動部としての自転用モータ56に接続されており、この自転用モータ56の駆動に伴って回転(自転)するようになっている。また、上述したように、アーム40は、上下動及び水平方向に揺動可能となっており、基板保持部42はアーム40と一体となって上下動及び水平方向に揺動可能となっている。電極部44は、基板Wと電極部44とを相対運動させる第2駆動部としての中空モータ60に直結されており、中空モータ60の駆動に伴って、並進回転運動(スクロール運動)するようになっている。
【0036】
すなわち、図6に示すように、電極部44と中空モータ60との間には、周方向に3つ以上(図示では4つ)の自転防止部400が設けられている。つまり、中空モータ60の上面と電極部44の下面の互いに対応する位置には、周方向に等間隔に複数の凹所402,404が形成され、これにはそれぞれベアリング406,408が装着されている。そして、このベアリング406,408には、図6(b)に示すように“e”だけずれた2つの軸体409,410を持つ連結部材412が、各軸体409,410の端部を挿入して装着されている。また、電極部44の中央下面側には、中空モータ60の主軸62の上端に偏心して設けられた駆動端64が軸受(図示せず)を介して回転自在に連結されている。この偏心量も同様に“e”である。これにより、中空モータ60の駆動に伴って、電極部44がそれ自身は自転を伴わずに、半径“e”の円に沿って並進運動する。したがって、電極部44上のすべての点は半径“e”の同一の円運動を行う。なお、電極部44を上記の並進運動に加えて自転させる機構を設けてもよい。
【0037】
電極部44には、扇状の加工電極70と給電電極72が表面(上面)を露出させて交互に埋設されている。加工電極70は電源46の陰極に接続され、給電電極72は電源46の陽極に接続される。例えば、銅を加工する場合においては、陰極側に電解加工作用が生じるので、陰極に接続した電極が加工電極となり、陽極に接続した電極が給電電極となる。一方、加工材料によっては、給電電極72を電源46の陰極に接続し、加工電極70を電源46の陽極に接続してもよい。例えば、被加工材料が例えばアルミニウムやシリコンである場合には、陽極側で電解加工作用が生じるため、電源の陽極に接続した電極が加工電極となり、陰極に接続した電極が給電電極となる。
【0038】
ここで、加工電極70及び給電電極72は、電解反応により、酸化または溶出が一般に問題となる。このため、電極の素材として、電極に広く使用されている金属や金属化合物よりも、炭素、比較的不活性な貴金属、導電性酸化物または導電性セラミックスを使用することが好ましい。この貴金属を素材とした電極としては、例えば、下地の電極素材にチタンを用い、その表面にめっきやコーティングで白金またはイリジウムを付着させ、高温で焼結して安定化と強度を保つ処理を行ったものが挙げられる。セラミックス製品は、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られ、各種の非金属・金属の酸化物・炭化物・窒化物などを原料として、様々な特性を持つ製品が作られている。この中に導電性を持つセラミックスもある。電極が酸化すると電極の電気抵抗値が増加し、印加電圧の上昇を招くが、このように、白金などの酸化しにくい材料やイリジウムなどの導電性酸化物で電極表面を保護することで、電極素材の酸化による導電性の低下を防止することができる。
【0039】
電極部44の上面には、加工電極70と給電電極72の上面を一体的に覆って、電解加工の際に基板Wの表面(下面)と接触するシート状の接触部材74が取付けられている。この接触部材74は、例えば絶縁材料からなる研磨パッドから構成され、電解質を有さない非電解質部74aの内部に、例えばイオン交換基を担持させて固体電解質とした多数のイオン交換基部からなる電解質部74bを、接触部材74のほぼ全域に亘って散点状に配置して構成されている。
【0040】
これにより、電解加工の際に、接触部材74の各電解質部74bが存在する部位のみをイオン電流が通過し、非電解質部74aのイオン電流の通過を制限することで、例えば一つの加工電極70に、接触部材74を介して、あたかも加工電極が複数存在するように、つまり一つの加工電極70に対応する領域内に位置する多数の電解質部74bの一つ一つが、あたかも加工電極の如き作用を行うようにすることができる。このように、例えば一つの加工電極70に、接触部材74を介して、あたかも加工電極が複数存在するようにすることで、加工電極70と給電電極72とを短絡を防止しつつ配置したり、接触部材74を固定したり、更には流体を供給するための流体供給部を配置したりするときの制限を緩和しつつ、加工電極と同じ作用を行う加工部位(電解質部74b)を基板Wとの間に、効率よく均等に配置することができる。このことは、給電電極72にあっても同様である。
【0041】
この例では、下記のように、基板保持部42で保持した基板Wと電極部44との間の相対運動時に、基板Wの被加工表面における任意の点に対して、接触部材74の電解質部74bが複数回に亘って略均一に通過ように配置されている。このように、イオン電流が通過することで、加工部位としての作用を行う電解質部74bが基板Wの被加工表面における任意の点に対して複数回に亘って略均一に通過するようにすることで、基板Wの被加工表面の、加工部位としての各電解質部74bに近接乃至接触する部位における加工速度にばらつきが生じた場合においても、この加工速度のばらつきを平均化させ、これによって、基板Wの全面における加工速度の均一化を図ることができる。
【0042】
この実施の形態にあっては、電解加工中に電極部44の上面側から該電極部44の上面に超純水の供給を行うことができないため、主軸62に設けた貫通孔62a及び電極部44に設けた貫通孔44aを通してのみ、電極部44の上面に、純水、好ましくは超純水を供給するようになっている。つまり、電極部44の中央部には、純水、より好ましくは超純水を供給する純水供給部としての貫通孔44aが設けられている。そして、この貫通孔44aは、主軸62に設けた貫通孔62aを通して、中空モータ60の中空部の内部を延びる純水供給管76に接続されている。純水(超純水)は、この貫通孔44aを通して電極部44の上面に供給された後、加工面全域に供給される。
【0043】
更に、図5に示すように、電極部44の側方に位置して、電解加工終了後に接触部材74に向けて超純水を噴射して電極部44を洗浄する超純水噴射ノズル78が待避自在に配置されている。
【0044】
次に、この実施の形態における電解加工装置34を備えた基板処理装置を用いた基板処理(電解加工)について説明する。まず、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工物)として銅膜6を形成した基板Wを収納したカセットをロード・アンロード部30にセットし、このカセットから1枚の基板Wを搬送ロボット36で取出す。搬送ロボット36は、取出した基板Wを必要に応じて反転機32に搬送し、基板Wの導電体膜(銅膜6)を形成した表面が下を向くように反転させる。
【0045】
搬送ロボット36は反転させた基板Wを受け取り、これを電解加工装置34に搬送し、基板保持部42に吸着保持させる。そして、アーム40を移動させて基板Wを保持した基板保持部42を電極部44の直上方の加工位置まで移動させる。次に、上下動用モータ54を駆動して基板保持部42を下降させて、この基板保持部42で保持した基板Wを電極部44の接触部材74の上面に接触させる。
【0046】
この状態で、自転用モータ56を駆動して基板Wを基板保持部42と一体に回転させ、同時に中空モータ60を駆動して電極部44をスクロール運動させる。これによって、基板Wと電極部44を相対運動させる。このとき、純水供給管76、主軸62に設けた貫通孔62a及び電極部44に設けた貫通孔44aを通して、基板Wと接触部材74との間に、純水、好ましくは超純水等の流体を供給する。
【0047】
そして、電源46により加工電極70と給電電極72との間に所定の電圧を印加して、イオン交換基を担持した固体電解質からなる接触部材74の電解質部74bにより生成された水素イオンまたは水酸化物イオンによって、加工電極70において基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)の電解加工を行う。このとき、前述のように、各加工電極70に対応する領域内に位置する多数の電解質部74bの一つ一つが、あたかも加工電極の如く作用して電解加工が進行し、しかも、電解質部74bは、基板保持部42で保持した基板Wと電極部44との間の相対運動時に、基板Wの被加工表面における任意の点に対して、複数回に亘って略均一に通過する。これによって、加工部位としての各電解質部74bに近接乃至接触する部位における加工速度にばらつきが生じた場合においても、この加工速度のばらつきを平均化させ、これによって、加工速度の均一化を図りつつ、基板Wの全面に亘る加工を行うことができる。特に、基板保持部42の回転速度がゼロか、極めて遅い場合には、基板Wと電極部44との相対速度を基板Wの被加工表面における任意の点に対して略一定とすることができる。
【0048】
電解加工中には、加工電極70と給電電極72との間に印加する電圧、またはこの間を流れる電流をモニタ部38でモニタして、エンドポイント(加工終点)を検知する。すなわち、同じ電圧(電流)を印加した状態で電解加工を行うと、材料によって流れる電流(印加される電圧)に違いが生じる。例えば、図7(a)に示すように、表面に材料Bと材料Aとを順次成膜した基板Wの該表面に電解加工を施したときに流れる電流をモニタすると、材料Aを電解加工している間は一定の電流が流れるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で流れる電流が変化する。同様に、加工電極70と給電電極72との間に印加される電圧にあっても、図7(b)に示すように、材料Aを電解加工している間は一定の電圧が印加されるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で印加される電圧が変化する。なお、図7(a)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電流が流れにくくなる場合を、図7(b)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電圧が高くなる場合の例を示している。これにより、この電流または電圧の変化をモニタすることでエンドポイントを確実に検知することができる。
【0049】
なお、モニタ部38で加工電極70と給電電極72との間に印加する電圧、またはこの間を流れる電流をモニタして加工終点を検知するようにした例を説明したが、このモニタ部38で、加工中における基板の状態の変化をモニタして、任意に設定した加工終点を検知するようにしてもよい。この場合、加工終点は、被加工面の指定した部位について、所望の加工量に達した時点、または加工量と相関関係を有するパラメータが所望の加工量に相当する量に達した時点を指す。このように、加工の途中においても、加工終点を任意に設定して検知できるようにすることで、多段プロセスでの電解加工が可能となる。
【0050】
例えば、基板が異材料に達したときに生じる摩擦係数の違いによる摩擦力の変化や、基板の表面の凹凸を平坦化する際、凹凸を除去したことにより生じる摩擦力の変化等を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。また、被加工面の電気抵抗による発熱や、加工面と被加工面との間に液体(純水)の中を移動するイオンと水分子の衝突による発熱が生じ、例えば基板の表面に堆積した銅膜を定電圧制御で電解研磨する際には、電解加工が進み、バリア層や絶縁膜が露出するのに伴って、電気抵抗が大きくなり電流値が小さくなって発熱量が順に減少する。したがって、この発熱量の変化を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。あるいは、異材料に達した時に生じる反射率の違いによる反射光の強度の変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。
【0051】
また、銅膜等の導電性膜の内部に渦電流を発生させ、基板の内部を流れる渦電流をモニタし、例えば周波数やインピーダンスの変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。更に、電解加工にあっては、加工電極と給電電極との間を流れる電流値で加工レートが決まり、加工量は、この電流値と加工時間の積で求められる電気量に比例する。したがって、電流値と加工時間の積で求められる電気量を積算し、この積算値が所定の値に達したことを検出することで加工量を判断し、加工終点を検出してもよい。
【0052】
電解加工完了後、電源46の加工電極70及び給電電極72との接続を切り、基板保持部42の回転と電極部44のスクロール運動を停止させ、しかる後、基板保持部42を上昇させ、アーム40を移動させて、基板Wを搬送ロボット36に受渡す。基板Wを受け取った搬送ロボット36は、必要に応じて、基板Wを反転機32に搬送して反転させ、洗浄部39に搬送して洗浄乾燥し、乾燥後の基板Wをロード・アンロード部30のカセットに戻す。
【0053】
ここで、電解加工中に基板Wと電極部44の接触部材74との間に供給する純水は、例えば電気伝導度(1atm,25℃換算、以下同じ)が10μS/cm以下の水であり、超純水は、例えば電気伝導度が0.1μS/cm以下の水である。このように電解質を含まない純水または超純水を使用して電解加工を行うことで、基板Wの表面に電解質等の余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくすことができる。更に、電解によって溶解した銅イオン等が、イオン交換基を担持した電解質部74bにイオン交換反応で即座に捕捉されるため、溶解した銅イオン等が基板Wの他の部分に再度析出したり、酸化されて微粒子となり基板Wの表面を汚染したりすることがない。
【0054】
純水または超純水の代わりに電気伝導度500μS/cm以下の液体、例えば純水または超純水に電解質を添加した電解液を使用してもよい。電解液を使用することで、電気抵抗を低減して消費電力を削減することができる。この電解液としては、例えば、NaClやNaSO等の中性塩、HClやHSO等の酸、更には、アンモニア等のアルカリなどの溶液を使用することができ、被加工物の特性によって適宜選択して使用することができる。
【0055】
更に、純水または超純水の代わりに、純水または超純水に界面活性剤等を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下(比抵抗で10MΩ・cm以上)にした液体を使用してもよい。このように、純水または超純水に界面活性剤を添加することで、基板Wと接触部材74の界面にイオンの移動を防ぐ一様な抑制作用を有する層を形成し、これによって、イオン交換(金属の溶解)の集中を緩和して被加工面の平坦性を向上させることができる。ここで、界面活性剤濃度は、100ppm以下が好ましい。
【0056】
ここで、接触部材74のイオン交換基を担持した電解質部(イオン交換基部)74bとしては、通水性に優れたものを使用することがより好ましい。純水または超純水が電解質部74bを通過するように流すことで、水の解離反応を促進させる官能基(強酸性陽イオン交換材料ではスルホン酸基)に十分な水を供給して水分子の解離量を増加させ、水酸化物イオン(もしくはOHラジカル)との反応により発生した加工生成物(ガスも含む)を水の流れにより除去して、加工効率を高めることができる。
【0057】
上述した電解質部(イオン交換基部)74bは、例えば、アニオン交換基またはカチオン交換基を付与した不織布等で構成することができる。カチオン交換基部は、好ましくは強酸性カチオン交換基(スルホン酸基)を担持したものであるが、弱酸性カチオン交換基(カルボキシル基)を担持したものでもよい。また、アニオン交換基部は、好ましくは強塩基性アニオン交換基(4級アンモニウム基)を担持したものであるが、弱塩基性アニオン交換基(3級以下のアミノ基)を担持したものでもよい。
【0058】
ここで、例えば強塩基アニオン交換基を付与した不織布は、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖をアミノ化して第4級アンモニウム基を導入して作製される。導入されるイオン交換基の容量は、導入するグラフト鎖の量により決定される。グラフト重合を行うためには、例えばアクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、更にはスチレンスルホン酸ナトリウム、クロロメチルスチレン等のモノマーを用い、これらのモノマー濃度、反応温度及び反応時間を制御することで、重合するグラフト量を制御することができる。したがって、グラフト重合前の素材の重量に対し、グラフト重合後の重量の比をグラフト率と呼ぶが、このグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0059】
強酸性カチオン交換基を付与した不織布は、上記強塩基性アニオン交換基を付与する方法と同様に、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖を、例えば加熱した硫酸で処理してスルホン酸基を導入して作製される。また、加熱したリン酸で処理すればリン酸基が導入できる。ここでグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0060】
なお、電解質部74bの素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、またはその他有機高分子が挙げられる。また素材形態としては、不織布の他に、織布、シート、多孔質材、短繊維等が挙げられる。ここで、ポリエチレンやポリプロピレンは、放射線(γ線と電子線)を先に素材に照射する(前照射)ことで、素材にラジカルを発生させ、次にモノマーと反応させてグラフト重合することができる。これにより、均一性が高く、不純物が少ないグラフト鎖ができる。一方、その他の有機高分子は、モノマーを含浸させ、そこに放射線(γ線、電子線、紫外線)を照射(同時照射)することで、ラジカル重合することができる。この場合、均一性に欠けるが、ほとんどの素材に適用できる。
【0061】
このように、電解質部74bをアニオン交換基またはカチオン交換基を付与した不織布で構成することで、純水または超純水や電解液等の液体が不織布の内部を自由に移動して、不織布内部の水分解触媒作用を有する活性点に容易に到達することが可能となって、多くの水分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離される。更に、解離によって生成した水酸化物イオンが純水または超純水や電解液等の液体の移動に伴って効率良く運ばれるため、低い印加電圧でも高電流が得られる。
【0062】
ここで、電解質部(イオン交換基部)74bをアニオン交換基またはカチオン交換基の一方を付与したもののみで構成すると、電解加工できる被加工材料が制限されるばかりでなく、極性により不純物が生成しやすくなる。そこで、アニオン交換基を有するアニオン交換体とカチオン交換基を有するカチオン交換体とを重ね合わせたり、イオン交換基部自体にアニオン交換基とカチオン交換基の双方の交換基を付与するようにしたりしてもよく、これにより、被加工材料の範囲を拡げるとともに、不純物を生成しにくくすることができる。
【0063】
本発明に係る電解加工装置34によれば、機械的研磨作用を伴わないので、CMPのように基板Wを強く押し付ける必要がない。基板Wの配線材料として、脆弱な材料を用いる場合には、接触部材74から基板Wが受ける押圧力が、19.6kPa(200gf/cm、2.9psi)以下、より好ましくは6.86kPa(70gf/cm、1.0psi)以下、更に好ましくは686Pa(7gf/cm、0.1psi)以下になるように調整して低荷重で基板Wの加工を行うことが好ましい。
【0064】
なお、本発明は、種々の電解加工装置に適用でき、加工液、接触部材の組合せは、種々に適用可能である。イオン交換基を担持した固体電解質の他に、例えば内部に電解液を保持した部分、例えばセラミック含浸材で電解質部を構成するようにしてもよい。
【0065】
上記の例では、接触部材74として、絶縁材料からなる研磨パッドから構成された非電解質部74aの内部に、イオン交換基を担持させて固体電解質とした多数の電解質部74bを散点状に配置して構成したものを使用している。図8(a)に示すように、接触部材74として、例えば、絶縁材料からなる研磨パッドから構成された非電解質部74aの内部に、加工電極70に対応する部分にあっては、前述と同様に、イオン交換基を担持させて固体電解質とした多数の電解質部74bを散点状に配置し、給電電極72に対応する部分にあっては、該給電電極72のほぼ全域を一体に覆う、例えば導電性パッドやカーボンファイバなどの導電性材料からなる電解質部74cを配置して、基板Wを接触部材74の上面に接触させた時、電解質部74cを介して、給電電極72から基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)に直接給電するようにしたものを使用してもよい。
【0066】
また、図8(b)に示すように、電極部44として、表面に円板状または直径方向に直線状乃至放射状に延びる加工電極70を埋設し、上方周縁部に給電電極72を配置したものを使用し、接触部材74として、例えば、絶縁材料からなる研磨パッドから構成された非電解質部74aの周縁部を除く内部に、前述と同様に、イオン交換基を担持させて固体電解質とした多数の電解質部74bを散点状に配置し、周縁部に、例えば導電性パッドやカーボンファイバなどの導電性材料からなる電解質部74cを加工電極70と絶縁し、給電電極72と接触させて配置したものを使用して、前述と同様に、基板Wを接触部材74の上面に接触させた時、電解質部74cを介して、給電電極72から基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)に直接給電するようにしてもよい。
【0067】
図9及び図10は、本発明の他の実施の形態の電解加工装置を示す。この電解加工装置34aは、直径が基板Wの直径の2倍以上で、中空モータ60の駆動に伴って回転(自転)する電極部44を有しており、この電極部44の上方には、電極部44に直径方向に沿って延び、電極部44の上面に純水、好ましくは超純水を供給する純水噴射ノズル(流体供給部)80が配置されている。そして、電極部44は、絶縁材料で構成されており、その上面には、スリップリング82を介して電源46の陰極に接続される多数の円柱状の加工電極70と、スリップリング82を介して電源46の陽極に接続される多数の円柱状の給電電極72が、略全面に亘って配置されている。各加工電極70及び給電電極72は同一形状であり、基板Wと電極部44とを相対移動させたときに、基板Wの被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように、電極部44の略全面に均一に配置されている。
【0068】
そして、これらの加工電極70及び給電電極72は、接触部材74で一体に覆われている。この接触部材74は、例えば、絶縁材料からなる研磨パッドから構成された非電解質部74aの内部の前記各加工電極70及び給電電極72に対応する位置に、イオン交換基を担持させて固体電解質とした多数の電解質部74bを散点状に配置して構成されている。その他の構成は、前述の例と同様である。
【0069】
この例によれば、基板保持部42で保持した基板Wを電極部44の接触部材74の表面に接触させ、この状態で、中空モータ60を駆動して電極部44を回転させるとともに、自転用モータ56を駆動して基板保持部42及び基板Wを回転させ、基板Wと電極部44とを相対運動(偏心回転運動)させる。このとき、純水噴射ノズル80の噴射口から基板Wと電極部44との間に純水、好ましくは超純水を噴射する。そして、電源46により加工電極70と給電電極72との間に所定の電圧を印加して、加工電極(陰極)70において、基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)の電解加工を行う。
【0070】
この例においては、電解加工において電極部44と基板Wとを相対運動させると、基板Wの被加工面上の一点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極70が通過することとなる。すなわち、基板Wの被加工面上の一点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極70ができるだけ多く通過するように加工電極70と被加工物Wとを相対運動させている。このため、各加工電極70間で加工速度のバラツキがあっても、この加工速度のバラツキを平均化させることができ、基板Wの全面においてnm/minオーダでの加工速度の均一化を図ることが可能となる。
【0071】
しかも、電解加工の際に、各加工電極70及び給電電極72の上面を個別に覆う各電解質部74bをイオン電流が通過し、各加工電極70及び給電電極72の上面の周囲を囲繞する非電解質部74aのイオン電流の通過を制限することで、各電解質部74bに沿ったイオン電流の流れをより容易に制御することができる。
なお、個々の加工電極70、若しくは複数の加工電極70をグループ化して、一定の領域毎に印加する電圧または流れる電流を独立に制御するようにしてもよい。
【0072】
図11及び図12は、本発明の更に他の実施の形態の電解加工装置を示す。この電解加工装置34bは、上下動可能かつ水平面に沿って往復運動可能なアーム140と、アーム140の自由端に垂設され、表面を下向き(フェースダウン)にして基板Wを吸着保持する基板保持部142と、アーム140が取付けられる可動フレーム144と、矩形状の電極部146と、電極部146の下記の加工電極160及び給電電極162にそれぞれ電気的に接続される電源148とを備えている。
【0073】
可動フレーム144の上部には、上下動用モータ150が設置されており、この上下動用モータ150には、上下方向に延びるボールねじ(図示せず)が連結されている。このボールねじは、アーム140の基部に螺合しており、上下動用モータ150の駆動に伴って、アーム140がボールねじを介して上下動するようになっている。また、可動フレーム144自体も、水平方向に延びるボールねじ154に取付けられており、往復運動用モータ156の駆動に伴って可動フレーム144及びアーム140が水平面に沿って往復運動するようになっている。
【0074】
基板保持部142は、アーム140の自由端に設置された自転用モータ158に接続されており、この自転用モータ158の駆動に伴って回転(自転)できるようになっている。また、上述したように、アーム140は、上下動及び水平方向に往復運動可能となっており、基板保持部142は、アーム140と一体となって上下動及び水平方向に往復運動可能となっている。
【0075】
この電極部146は、X方向(図11参照)に延びる複数の加工電極160と給電電極162を備えており、これらの加工電極160及び給電電極162は、矩形平板状の電極ベース164上に並列に交互に配置されている。この例では、前述と同様に、加工電極160は電源148の陰極に、給電電極162は電源148の陽極にそれぞれ接続される。電極ベース164の各加工電極160及び給電電極162とで挟まれた位置には、各加工電極160及び給電電極162の長さ方向に沿った所定のピッチで、各加工電極160及び給電電極162上面に純水、好ましくは超純水を供給する純水供給穴164aが設けられている。
【0076】
このように、加工電極160と給電電極162とを電極部146のY方向(加工電極160及び給電電極162の長手方向と垂直な方向)に交互に設けることで、基板Wの導電体膜(被加工物)に給電を行う給電部を設ける必要がなくなり、基板Wの全面の加工が可能となる。また、加工電極160と給電電極162との間に印加される電圧をパルス状(好ましくは、正電位と0電位の方形波)に変化させることで、電解生成物を溶解させ、加工の繰り返しの多重性によって平坦度を向上させることができる。
【0077】
各加工電極160及び給電電極162の上面には、積層体からなる接触部材170が、その端面を上方に向けてそれぞれ固着されている。この接触部材170は、絶縁材料で構成されており、この例では、例えばイオン交換基を担持(導入)させて固体電解質とした電解質部172と、イオン交換基を担持(導入)させることなく、電解質を有さない非電解質部174を交互に積層した形状に形成されている。なお、共に平板状で複数枚のイオン交換体と、例えばPVCやPPS等の樹脂からなる絶縁材とを交互に積層して、イオン交換体を電解質を有する電解質部、絶縁材を電解質を有さない非電解質部とした、積層体からなる接触部材を構成してもよいことは勿論である。
【0078】
このように、特に各加工電極160の上面に、例えばイオン交換基を担持した固体電解質を有する電解質部172と電解質を有しない非電解質部174をそれぞれ少なくとも1層以上有する積層体からなる接触部材170を配置し、接触部材170の電解質部172のみをイオン電流が通過し、非電解質部174のイオン電流の通過を制限することで、例えば一つの加工電極160に、接触部材170を介して、あたかも加工電極が複数に分割した状態で存在するように作用させることができる。つまり、一つの加工電極160を覆う接触部材170の各電解質部172が、あたかも加工電極の如き作用を行うようにすることができる。このように、例えば一つの加工電極160に、接触部材170を介して、あたかも加工電極が複数に分割した状態で存在するように作用させることで、加工電極と同じ作用を行う加工部位(電解質部172)を基板Wとの間に、効率よく均等に配置することができる。このことは、給電電極162にあっても同様である。
【0079】
この電解加工装置34bにあっては、基板保持部142で保持した基板Wを電極部146の接触部材170の上面に接触させ、この状態で、自転用モータ158を駆動して基板Wを基板保持部142と一体に回転させ、同時に往復運動用モータ156を駆動して、基板Wを基板保持部142と一体に、図11に示すY方向に往復運動させる。このとき、純水供給穴164aから、基板Wと加工電極160及び給電電極162との間に、純水、好ましくは超純水等の流体を供給する。
【0080】
そして、電源148により加工電極160と給電電極162との間に所定の電圧を印加して、イオン交換基を担持した固体電解質からなる接触部材170の電解質部172により生成された水素イオンまたは水酸化物イオンによって、加工電極160において基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)の電解加工を行う。このとき、前述のように、各加工電極160の上面を覆う接触部材170の各電解質部172が、あたかも加工電極の如く作用して電解加工が進行し、基板Wと加工電極160とを相対移動させることにより、基板Wの全面の加工を行うことができる。
【0081】
なお、上記の例では、各加工電極160と各給電電極162を各接触部材170で個別に覆った例を示しているが、加工電極160と給電電極162とを、積層体からなる接触部材で一体に覆うようにしてもよい。これにより、積層体の製作の便と図るとともに、接触部材を所定の位置に容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】銅配線基板の一製造例を工程順に示す図である。
【図2】加工電極及び給電電極を基板(被加工物)に近接させ、加工電極及び給電電極と基板(被加工物)との間に純水等の液体を供給して電解加工を行う電解加工の原理の説明に付する図である。
【図3】本発明の実施の形態における電解加工装置を備えた基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図4】図3に示す電解加工装置を模式的に示す縦断正面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】(a)は、図4に示す電解加工装置の電極部とその駆動部との関係を模式的に示す平面図で、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【図7】(a)は、異なる材料を成膜した基板の表面に電解加工を施したときに流れる電流と時間の関係を、(b)は、同じく印加される電圧と時間の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図8】(a)は、接触部材の他の例を示す図で、(b)は、異なる電極部に取付けた接触部材の更に他の例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の電解加工装置を模式的に示す縦断正面図である。
【図10】図9に示す電解加工装置の電極部を示す平面図である。
【図11】本発明の更に他の実施の形態の電解加工装置を模式的に示す平面図である。
【図12】図11の縦断正面図である。
【符号の説明】
【0083】
30 ロード・アンロード部
32 反転機
34,34a,34b 電解加工装置
38 モニタ部
39 洗浄部
40,140 アーム
42,142 基板保持部
44,146 電極部
46,148 電源
56,158 自転用モータ
60 中空モータ
62 主軸
70,160 加工電極
72,162 給電電極
74,170 接触部材
74a,172 非電解質部
74b,74c,174 電解質部
76 純水供給管
400 自転防止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に近接自在な加工電極と、
前記被加工物に給電する給電電極と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置され、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材と、
前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させる駆動部と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部を有することを特徴とする電解加工装置。
【請求項2】
前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項1記載の電解加工装置。
【請求項3】
前記電解質部は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と互いに対向した位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置。
【請求項4】
前記接触部材は、加工電極及び給電電極に対して一体に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項5】
前記非電解質部は、絶縁材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項6】
前記非電解質部は、導電性材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項7】
前記非電解質部は、導電性パッドからなることを特徴とする請求項6記載の電解加工装置。
【請求項8】
前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項9】
前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項10】
前記電解質部は、イオン交換基を有するイオン交換基部からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項11】
被加工物に近接自在な加工電極と、
前記被加工物に給電する給電電極と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置され、電解質を有する電解質部と電解質を有さない非電解質部がそれぞれ少なくとも1層以上存在する積層体からなる接触部材と、
前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させる駆動部と、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部を有することを特徴とする電解加工装置。
【請求項12】
前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項11記載の電解加工装置。
【請求項13】
前記非電解質部は、絶縁材料からなることを特徴とする請求項11または12記載の電解加工装置。
【請求項14】
前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項15】
前記電解質部及び/または前記非電解質部は、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間の相対運動時に、前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項16】
前記積層体は、前記電解質部及び非電解質部の端面が前記被加工物と対面するように配置されていることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の電解加工装置。
【請求項17】
前記電解質部は、イオン交換基を有するイオン交換基部からなることを特徴とする請求項16記載の電解加工装置。
【請求項18】
被加工物を加工電極に近接させ、
前記加工電極と前記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有しない非電解質部をそれぞれ1つ以上有する接触部材を配置し、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させつつ、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給することを特徴とする電解加工方法。
【請求項19】
被加工物に加工電極を近接させ、
前記加工電極と前記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に、電解質を有する電解質部と電解質を有さない非電解質部がそれぞれ少なくとも1層以上存在する積層体からなる接触部材を配置し、
前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させつつ、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給することを特徴とする電解加工方法。
【請求項20】
前記電解質は、固体電解質からなることを特徴とする請求項18または19記載の電解加工方法。
【請求項21】
前記電解質部及び/または前記非電解質部が前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して複数通過するように、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の電解加工方法。
【請求項22】
前記電解質部及び/または前記非電解質部が前記被加工物の被加工表面における任意の点に対して略均一に通過するように、前記被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方とを相対運動させることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の電解加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−2245(P2006−2245A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182771(P2004−182771)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】