説明

電解水生成装置

【課題】濾過部の寿命を長期化することのできる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】水を濾過部にて濾過後、電解槽40で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、濾過部への通水を避けるためのバイパス水路61と、使用モードに応じて濾過部側またはバイパス水路61側に水路を切り替える切替弁71とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水を電解槽で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の安全な水や健康に対する関心の高まりに伴って、水道水等の原水を電解槽内で電気分解することでアルカリイオン水と酸性イオン水を生成する電解水生成装置が一般家庭にも広く普及するに至っている。例えば、特許文献1に開示される電解水生成装置では、電解槽の流入側にプレフィルタと逆浸透膜を設け、これらを経由させることで水道水から純水を得る。その純水に食塩を添加して導電率をUPさせた後、電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水を得る。これにより、電解性能低下の要因となる有機物やコロイド粒子を除去したうえで電解水を生成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−284772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される電解水生成装置では、飲用に使用しないモード等においても水が全水路を通過するため、濾過部の寿命が短期化される問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、濾過部の寿命を長期化することのできる電解水生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、水を濾過部にて濾過後、電解槽で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記濾過部への通水を避けるためのバイパス水路と、使用モードに応じて前記濾過部側または前記バイパス水路側に水路を切り替える切替弁とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、第2の発明は、水を電解槽で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記電解槽への通水を避けるためのバイパス水路と、使用モードに応じて前記電解槽側または前記バイパス水路側に水路を切り替える切替弁とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、第3の発明は、前記バイパス水路と吐水口の連結部から前記電解槽側への逆流を防止する逆流防止弁を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、第4の発明は、前記使用モードを選択する選択部と、前記選択部により選択された使用モードに基づき前記切替弁を切り替える制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、第5の発明は、使用時における流量を検出する流量検出部と、前記流量検出部により検出された流量に基づき濾材の交換時期を判断する交換時期判断部と、前記交換時期判断部の判断結果に対応して交換時期を表示する交換時期表示部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第6の発明は、初期通水時において前記流量検出部により検出された流量を記憶する初期値記憶部を備え、前記交換時期判断部が、前記初期値記憶部に記憶された流量と前記流量検出部により検出された流量とを比較して交換時期を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用モードに応じて濾過部への通水を避けることができるので、濾過部の寿命を長期化することのできる電解水生成装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態における電解水生成装置の構成図であって、(a)は手洗いモードの場合を示す図、(b)は電解水モードの場合を示す図である。
【図2】第1実施形態における電解水生成装置の構成図であって、(a)は浄水モードの場合を示す図、(b)は電解水モードの場合を示す図である。
【図3】第1実施形態における電解水生成装置の構成図であって、(a)は軟水モードの場合を示す図、(b)は電解水モードの場合を示す図である。
【図4】第1実施形態における切替弁設置場所と切替モードとの対応を示す図である。
【図5】第2実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図6】第2実施形態における逆流防止弁を説明するための図であって、(a)は順方向通水時を示す図、(b)は逆方向通水時を示す図である。
【図7】第3実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図8】第3実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図9】第3実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図10】第3実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図11】第3実施形態における制御部の制御内容を説明するための図である。
【図12】第4実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図13】第4実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図14】第4実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図15】第4実施形態における交換時期判断手順を示すフローチャートである。
【図16】第4実施形態において交換時期判断できる濾材を示す図である。
【図17】第4実施形態における交換時期判断手順を示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態における交換時期判断手順を示すフローチャートである。
【図19】第5実施形態における電解水生成装置の構成図である。
【図20】第5実施形態における交換時期判断手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1、図2、図3は、第1実施形態における電解水生成装置の構成図である。この電解水生成装置は、水を電解槽で電気分解して電解水を生成する装置であって、プレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30(以下、一括して「濾過部」という。)を電解槽40の流入側に備えている。プレフィルタ20は、活性炭や中空糸膜等で構成されている。膜濾過カートリッジ30は、逆浸透膜またはナノ濾過膜を内部に備えている。電解槽40は、陰極41を備えた陰極室と陽極42を備えた陽極室とに隔膜43で2分されている。陰極室にはアルカリイオン水が、陽極室には酸性イオン水がそれぞれ電解水として生成される。ここで、本電解水生成装置は、電解槽40や濾過部への通水を避けるためのバイパス水路61を備え、使用モードに応じて切替弁で水路を切り替えるようになっている。切替弁の設置場所は、図4に示すように、(1)原水導入口10とプレフィルタ20の間、(2)プレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30の間、(3)膜濾過カートリッジ30と電解槽40の間のうちの少なくとも1つであればよい。吐水口50とバイパス水路61の連結部分にも切替弁74を設置しておく。
【0016】
まず、図1を用いて、(1)原水導入口10とプレフィルタ20の間に切替弁71を設置した場合について説明する。この場合、使用モードが手洗いモードのときは、図1(a)に示すように、切替弁71をバイパス水路61側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水を吐水口50から得ることができる。図中に縞模様で示す水路は通水がないことを意味している(以下、同様)。一方、使用モードが電解水モードのときは、図1(b)に示すように、切替弁71をプレフィルタ20側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水をプレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30で濾過し、電解槽40で電気分解して吐水口50から電解水を得ることができる。
【0017】
次に、図2を用いて、(2)プレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30の間に切替弁72を設置した場合について説明する。この場合、使用モードが浄水モードのときは、図2(a)に示すように、切替弁72をバイパス水路61側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水をプレフィルタ20で濾過し、吐水口50から浄水を得ることができる。一方、使用モードが電解水モードのときは、図2(b)に示すように、切替弁72を膜濾過カートリッジ30側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水をプレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30で濾過し、電解槽40で電気分解して吐水口50から電解水を得ることができる。
【0018】
次に、図3を用いて、(3)膜濾過カートリッジ30と電解槽40の間に切替弁73を設置した場合について説明する。この場合、使用モードが軟水モードのときは、図3(a)に示すように、切替弁73をバイパス水路61側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水をプレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30で濾過し、吐水口50から軟水を得ることができる。一方、使用モードが電解水モードのときは、図3(b)に示すように、切替弁73を電解槽40側に切り替える。これにより、原水導入口10から導入した原水をプレフィルタ20と膜濾過カートリッジ30で濾過し、電解槽40で電気分解して吐水口50から電解水を得ることができる。
【0019】
以上のように、第1実施形態における電解水生成装置によれば、使用モードに応じて濾過部への通水を避けることができるので、濾過部の寿命を長期化することができる。また、使用モードに応じて電解槽40への通水を避けることができるので、電解槽40の寿命も長期化することができる。
【0020】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態における電解水生成装置の構成図である。この電解水生成装置は、バイパス水路61と吐水口50の連結部から電解槽40側への逆流を防止する逆流防止弁75を備えている。その他の点は第1実施形態と同様である。
【0021】
逆流防止弁75としては、例えばバネ式のものを採用することができる。順方向通水時は、図6(a)に示すように、バネ76が縮むことで水路が開き通水する。一方、逆方向通水時は、図6(b)に示すように、水圧で水路が閉鎖され、水が流れない。これにより、手洗いモード等の場合においてバイパス水路61を経由している水が電解槽40側へ流出することを防止することができ、吐水口50とバイパス水路61の連結部分に切替弁74を設けなくて済む。
【0022】
以上のように、第2実施形態における電解水生成装置によれば、バイパス水路61と吐水口50の連結部から電解槽40側への逆流を防止する逆流防止弁75を備えているので、吐水口50とバイパス水路61の連結部分に切替弁74を設けなくて済み、切替操作も不要となる。
【0023】
(第3実施形態)
図7、図8、図9、図10は、第3実施形態における電解水生成装置の構成図である。この電解水生成装置は、使用モードを選択する選択部81と、選択部81により選択された使用モードに基づき切替弁を切り替える制御部82とを備えている。その他の点は第1実施形態と同様である。
【0024】
選択部81は、使用モードを選択するためのボタン群や表示部等である。図7では「手洗いモード」が、図8では「浄水モード」が、図9では「軟水モード」が、図10では「電解水モード」がそれぞれ選択されている。制御部82は、CPUとプログラムROMと作業用RAMと入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサ等である。制御部82の主要な制御は、CPUがプログラムROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0025】
図11は、制御部82の制御内容を説明するための図である。この図に示すように、制御部82は、「手洗いモード」が選択された場合、切替弁71をバイパス水路61側に、切替弁72を膜濾過カートリッジ30側に、切替弁73を電解槽40側に、切替弁74をバイパス水路61側に切り替える。また、「浄水モード」が選択された場合、切替弁71をプレフィルタ20側に、切替弁72をバイパス水路61側に、切替弁73を電解槽40側に、切替弁74をバイパス水路61側に切り替える。また、「軟水モード」が選択された場合、切替弁71をプレフィルタ20側に、切替弁72を膜濾過カートリッジ30側に、切替弁73をバイパス水路61側に、切替弁74をバイパス水路61側に切り替える。また、「電解水モード」が選択された場合、切替弁71をプレフィルタ20側に、切替弁72を膜濾過カートリッジ30側に、切替弁73を電解槽40側に、切替弁74を電解槽40側に切り替える。
【0026】
このように、水の流れない箇所に設置されている切替弁については、バイパス水路61ではない向きに切り替えるようにしているので水の逆流を防止することができる。例えば、「手洗いモード」では、切替弁72及び73が設置されている箇所は水が流れないが、切替弁72は膜濾過カートリッジ30側に、切替弁73は電解槽40側に切り替えるようになっている。
【0027】
以上のように、第3実施形態における電解水生成装置によれば、選択部81により選択された使用モードに基づき制御部82が切替弁を切り替えるので、切替弁を適切な向きへ自動的に切替えることができる。また、水の流れない箇所に設置されている切替弁については、バイパス水路61ではない向きに切り替えるようにしているので水の逆流を防止することができる。
【0028】
(第4実施形態)
図12、図13、図14は、第4実施形態における電解水生成装置の構成図である。この電解水生成装置は、使用時における流量を検出する流量検出部90と、流量検出部90により検出された流量に基づき濾材の交換時期を判断する交換時期判断部83と、交換時期判断部83の判断結果に対応して交換時期を表示する交換時期表示部84とを備えている。その他の点は第3実施形態と同様である。
【0029】
流量検出部90は、図12に示すように、プレフィルタ20の後段に1個設けてもよいし、図13に示すように、切替弁74の後段に1個設けてもよい。あるいは、図14に示すように、プレフィルタ20の後段と膜濾過カートリッジ30の後段の2箇所に設けてもよい。以下の説明では、プレフィルタ20の後段に設けた流量検出部90を「流量検出部91」、膜濾過カートリッジ30の後段に設けた流量検出部90を「流量検出部92」という。交換時期判断部83は、各濾材の交換時期を判断するための判断値をあらかじめ保持している。この交換時期判断値としては、瞬時流量(L/分)や積算水量(L)等を採用することができる。交換時期判断部83は、保持している交換時期判断値と、流量検出部90により検出された流量(以下、「検出値」という。)とを比較して交換時期を判断し、その判断結果を交換時期表示部84に表示させる。
【0030】
図15は、瞬時流量を検出する流量検出部90を1個設けた場合における交換時期判断手順を示すフローチャートである。流量検出部90が1個の場合は、使用モードに対して交換時期を判断する濾材を決め、検出値と交換時期判断値との比較により交換時期を判断する。具体的には、浄水モードのときはプレフィルタ20の交換時期を判断し、軟水モードと電解水モードのときは膜濾過カートリッジ30の交換時期を判断する(図16参照)。
【0031】
まず、通水が開始されると使用モードを確認し、手洗いモードの場合は交換時期を判断しない(ステップS1→S2→S21→S22)。一方、浄水モードの場合は流量検出部90の検出値Q2とプレフィルタ20の交換時期判断値Bとを比較する(ステップS3→S13→S14→S15)。そして、検出値Q2が交換時期判断値Bよりも大きいときは交換時期ではないと判断し(ステップS15→S19→S20)、逆に、検出値Q2が交換時期判断値Bよりも小さいときはプレフィルタ20の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS15→S16→S17→S18)。さらに、軟水モードと電解水モードの場合は流量検出部90の検出値Q1と膜濾過カートリッジ30の交換時期判断値Aとを比較する(ステップS4→S5→S6→S7)。そして、検出値Q1が交換時期判断値Aよりも大きいときは交換時期ではないと判断し(ステップS7→S11→S12)、逆に、検出値Q1が交換時期判断値Aよりも小さいときは膜濾過カートリッジ30の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS7→S8→S9→S10)。
【0032】
なお、交換時期判断値A、Bの決め方は特に限定されるものではない。例えば、浄水モードのときに比べて軟水モードや電解水モードにしたときに流量が低下すれば、膜濾過カートリッジ30の目詰まりが発生していると考えることができる。そこで、膜濾過カートリッジ30の交換時期判断値Aは、浄水モードにおける流量検出部90の検出値Q2と軟水モードや電解水モードにおける流量検出部90の検出値Q1との差分に基づいて決めてもよい。
【0033】
図17は、積算流量を検出する流量検出部90を1個設けた場合における交換時期判断手順を示すフローチャートである。この場合、浄水モードではプレフィルタ20の積算流量L2を検出することになる(ステップS44)。そして、積算流量L2がプレフィルタ20の交換時期判断値Bよりも小さいときは交換時期ではないと判断し(ステップS45→S49)、逆に、積算流量L2が交換時期判断値Bよりも大きいときはプレフィルタ20の交換時期であると判断する(ステップS45→S46)。一方、軟水モードと電解水モードではプレフィルタ20及び膜濾過カートリッジ30の積算流量L1を検出することになる(ステップS36)。そして、積算流量L1が膜濾過カートリッジ30の交換時期判断値Aよりも小さいときは交換時期ではないと判断し(ステップS37→S41)、逆に、積算流量L1が交換時期判断値Aよりも大きいときは膜濾過カートリッジ30の交換時期であると判断する(ステップS37→S38)。その他の点は瞬時流量を検出する場合と同様である。
【0034】
図18は、積算流量を検出する流量検出部90を2個設けた場合における交換時期判断手順を示すフローチャートである。流量検出部90が複数個の場合は、各々の流量検出部90に対して交換時期を判断する濾材を決め、それぞれの検出値と交換時期判断値との比較により交換時期を判断する。以下、プレフィルタ20の後段と膜濾過カートリッジ30の後段の2箇所に流量検出部90を設けた場合を想定して説明する(図14参照)。
【0035】
浄水モードの場合は、膜濾過カートリッジ30の交換時期は判断せず、流量検出部91の積算流量L1とプレフィルタ20の交換時期判断値Aとを比較する(ステップS63→S78→S79→S80)。そして、積算流量L1が交換時期判断値Aよりも小さいときは交換時期ではないと判断し(ステップS80→S84)、逆に、積算流量L1が交換時期判断値Aよりも大きいときはプレフィルタ20の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS80→S81→S82)。
【0036】
一方、軟水モードと電解水モードの場合は、浄水モードの場合と同様の手順でプレフィルタ20の交換時期を判断する(ステップS64→S65→S66→S67)。次いで、流量検出部92の積算流量L2と膜濾過カートリッジ30の交換時期判断値Bとを比較する(ステップS69→S70)。そして、積算流量L2が交換時期判断値Bよりも小さいときは交換時期ではないと判断し(ステップS70→S74)、逆に、積算流量L2が交換時期判断値Bよりも大きいときは膜濾過カートリッジ30の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS70→S71→S72)。
【0037】
以上のように、第4実施形態における電解水生成装置によれば、流量に基づき濾材の交換時期を判断してその判断結果を表示するようにしているので、適切なタイミングで濾材の交換時期を自動的に使用者へ知らせることができる。
【0038】
(第5実施形態)
図19は、第5実施形態における電解水生成装置の構成図である。この電解水生成装置は、初期通水時において流量検出部90により検出された流量を記憶する初期値記憶部85を備えている。交換時期判断部83は、初期値記憶部85に記憶された流量と流量検出部90により検出された流量とを比較して交換時期を判断する。その他の点は第4実施形態と同様である。
【0039】
初期値記憶部85は、各使用モードで初期通水時において流量検出部90により検出された流量(以下、「初期値」という。)を記憶する。初期通水は、一定の条件で行う必要があるため、使用者が任意に操作できるバルブではなく電磁弁の開閉等により行う。交換時期判断部83が交換時期判断値(例:流量が半分になったとき)をあらかじめ保持している点は第4実施形態と同様である。初期通水後は通常使用を行う。
【0040】
図20は、瞬時流量を検出する流量検出部90を2個設けた場合における交換時期判断手順を示すフローチャートである。以下、プレフィルタ20の後段と膜濾過カートリッジ30の後段の2箇所に流量検出部90を設けた場合を想定して説明する(図19参照)。
【0041】
浄水モードの場合において、初期値記憶部85に初期値S1が記憶されているときは、流量検出部91の検出値Q1とプレフィルタ20の交換時期判断値Aとを比較する(ステップS93→S106→S107→S108)。そして、検出値Q1が交換時期判断値Aよりも大きいときは交換時期ではないと判断し(ステップS108→S112)、逆に、検出値Q1が交換時期判断値Aよりも小さいときはプレフィルタ20の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS108→S109→S110)。なお、初期値記憶部85に初期値S1が記憶されていないときは、検出値Q1を初期値S1として初期値記憶部85に記憶しておく(ステップS107→S114)。また、交換時期判断値Aを例えばA=S1÷2により算出して保持しておく(ステップS115)。
【0042】
一方、軟水モードと電解水モードの場合において、初期値記憶部85に初期値S2が記憶されているときは、流量検出部92の検出値Q2と膜濾過カートリッジ30の交換時期判断値Bとを比較する(ステップS93→S94→S95→S96)。そして、検出値Q2が交換時期判断値Bよりも大きいときは交換時期ではないと判断し(ステップS96→S100)、逆に、検出値Q2が交換時期判断値Bよりも小さいときは膜濾過カートリッジ30の交換時期であると判断して、その旨を交換時期表示部84に表示させる(ステップS96→S97→S98)。なお、初期値記憶部85に初期値S2が記憶されていないときは、検出値Q2を初期値S2として初期値記憶部85に記憶しておく(ステップS102)。また、交換時期判断値Bを例えばB=S2÷2により算出して保持しておく(ステップS103)。
【0043】
以上のように、第5実施形態における電解水生成装置によれば、初期通水時において検出された流量に基づき濾材の交換時期を判断してその判断結果を表示するようにしているので、使用環境(水圧等)の影響も考慮して交換時期を判断することができる。
【0044】
なお、ここでは、初期値が自動的に算出されて初期値記憶部85に記憶されることとしているが、初期値の記憶方法はこれに限定されるものではない。例えば、初期値を設定するためのモードを設け、この初期値設定モードにおいて使用者が設定した値を初期値記憶部85に記憶するようにしてもよい。
【0045】
なお、以上では好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、一体型プレフィルタを例示したが、プレフィルタを複数設けた場合は、それに応じて切替弁やバイパス水路61を複数設けることもできる。
【符号の説明】
【0046】
40 電解槽
61 バイパス水路
71、72、73、74 切替弁
75 逆流防止弁
81 選択部
82 制御部
83 交換時期判断部
84 交換時期表示部
85 初期値記憶部
90、91、92 流量検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を濾過部にて濾過後、電解槽で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、
前記濾過部への通水を避けるためのバイパス水路と、
使用モードに応じて前記濾過部側または前記バイパス水路側に水路を切り替える切替弁と、
を備えたことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
水を電解槽で電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、
前記電解槽への通水を避けるためのバイパス水路と、
使用モードに応じて前記電解槽側または前記バイパス水路側に水路を切り替える切替弁と、
を備えたことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項3】
前記バイパス水路と吐水口の連結部から前記電解槽側への逆流を防止する逆流防止弁を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記使用モードを選択する選択部と、前記選択部により選択された使用モードに基づき前記切替弁を切り替える制御部とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
使用時における流量を検出する流量検出部と、前記流量検出部により検出された流量に基づき濾材の交換時期を判断する交換時期判断部と、前記交換時期判断部の判断結果に対応して交換時期を表示する交換時期表示部とを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
初期通水時において前記流量検出部により検出された流量を記憶する初期値記憶部を備え、
前記交換時期判断部は、前記初期値記憶部に記憶された流量と前記流量検出部により検出された流量とを比較して交換時期を判断することを特徴とする請求項5に記載の電解水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−101173(P2012−101173A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251580(P2010−251580)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】