説明

電話システム

【課題】交換機に接続された多機能IP電話機の消費電力を抑える。
【解決手段】IP電話機の表示制御部は、表示装置を省電力モードにしている最中に、交換機から表示指示メッセージを受け付けると(S2)、省電力モードを維持しつつ表示指示を表示指示テーブルに記憶し(S3)、操作装置による操作があるか又は交換機からの着信メッセージを受け付けると(S2)、表示装置を活性モードに移行させる(S5)。この活性モードでは、表示指示テーブルに記憶されている表示指示に基づく表示を表示装置にさせる(S5)。表示制御部は、所定時間以内に操作装置による操作があるか又は交換機からの着信メッセージを受け付けなければ(S7)、表示装置を活性モードから省電力モードに移行する(S1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換機と、この交換機からの表示指示メッセージに基づいて、表示手段を駆動させる電話機とを備えている電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話機1台当たりの消費電力は、一般的に、待ち受け時に少なく、通話時、特に、スピーカー通話時に多くなるが、それでも、たかだか数W程度である。このように、1台当たりの消費電力は少ないものの、内線電話機が数百台以上になると、システム全体の消費電力は無視できないものになる。
【0003】
そこで、電話機の消費電力を抑える技術として、以下の特許文献1に開示されている技術がある。
【0004】
この技術は、利用者による使用頻度が少なくなる夜間等の特定時間帯では、内線電話機のLCDの点灯やLEDのバックライトの点灯を停止するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005-109646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、確かに、特定の時間帯での消費電力を抑えることができる。しかしながら、内線電話機の利用者は、常々、消費電力をより小さくしてもらいたい、という要望を持っている。
【0007】
そこで、本発明は、このような利用者の要望に応えるべく、電話機の消費電力をより抑えることができる電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための電話システムに係る発明は、
操作手段及び表示手段を有する1以上の電話機と、交換機とを備えている電話システムにおいて、
前記交換機は、
表示指示メッセージを生成して、該表示指示メッセージを前記1以上の電話機に送る表示指示メッセージ生成手段を有し、
前記電話機は、
前記交換機からの前記表示指示メッセージに含まれる表示指示を記憶する表示指示記憶手段と、
前記表示手段に関する省電力モードと活性モードと間でのモード切替を行って、該表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段が前記省電力モードである場合に、前記交換機からの着信メッセージの受け付け及び前記操作手段による操作の受け付けで、前記表示手段を前記活性モードに切替え、該表示手段に表示すべき表示指示が前記表示指示記憶手段に記憶されていれば、該表示手段に該表示指に基づいた表示を実行させる、
ことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記表示制御手段は、前記表示手段が前記活性モードである場合に、前記交換機から着信メッセージ又は前記操作手段による操作を所定時間受け付けなければ、該表示手段を前記省電力モードに切替え、該表示手段を非表示状態にする、ことが好ましい。
【0010】
また、前記電話機は、
前記表示手段に関して、表示を優先させる表示優先状態か否かを記憶する表示優先状態記憶手段を備え、前記表示制御手段は、前記表示優先状態記憶手段に前記表示手段が表示優先状態である旨が記憶されている場合には、前記表示手段が前記省電力モードのときに、前記交換機からの着信メッセージの受信及び前記操作手段による操作の受け付けがなくても、前記表示指示メッセージの受け付けで前記活性モードに切替える、ものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、交換機からの着信メッセージの受け付け及び操作手段による操作の受け付けで、表示手段の省電力モードと活性モードとの切替が行われるので、電話機の消費電力を抑えることができる。しかも、省電力モード中に交換機から表示指示メッセージを受け付けた場合には、このメッセージ中の表示指示を記憶しておき、活性モードになった時点で、表示手段に表示指示に基づく表示を行わせているので、利用者に対する不都合を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る内線電話システムの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本実施形態の内線電話システムは、図1に示すように、複数のIP電話機100と、交換機200と、を備えている。
【0014】
各IP電話機100は、いずれも、多機能電話機で、各種演算を行うCPU110と、CPU110が実行するプログラム121等が記憶されているROM120と、各種データ等が記憶されるRAM130と、他のIP電話機100や交換機200と通信するための通信インタフェース140と、スピーカーやホーンが内蔵されているハンドセット150と、このハンドセット150の駆動回路151と、液晶ディスプレイ(以下、LCDとする)160と、このLCD160の駆動回路161と、各種状態を示すための複数の発光ダイオード(以下、LEDとする)165と、各LED165の駆動回路166と、テンキー等の各種操作ボタン170と、各種操作ボタン170の駆動回路171と、を備えている。
【0015】
CPU110は、機能的に、通信制御処理を実行する通信制御部111と、ハンドセット150から入力された音声信号等を処理する音声制御部112と、LCD160やLED165の表示装置による表示を制御する表示制御部113と、を有している。これらの各機能部111〜113は、いずれも、ROM120に記憶されているプログラム121をCPU110が実行することで機能する。なお、ここでは、一つのプロセッサで、以上の各機能部111〜113の全てを実現しているが、以上の各機能部111〜113を複数のプロセッサで実現するようにしてもよい。例えば、通信制御部111と表示制御部113とを一つのプロセッサで実現し、音声制御部112を他の一つのプロセッサで実現してもよい。
【0016】
表示制御部113は、各表示装置160,165の省電力モードと活性モードとの間でのモード切替と、各表示装置160,165に対する表示内容の制御とを行う。
【0017】
ここで、本実施形態における省電力モードとは、各表示装置160,165を非表示状態することである。具体的には、LCD160の場合には、バックライトを消灯させて、交換機200からLCD160に対する表示指示メッセージがきても、利用者に液晶パネルによる表示内容が見えない状態にしておくことである。また、LED165の場合には、交換機200からLED165に対する「点灯」の表示指示メッセージがきても、このLED165を点灯させないで消灯状態にしておくことである。
【0018】
RAM130には、交換機200及びIP電話機100自身の通信アドレス等が記憶されている構成情報テーブル131と、交換機200から送られてきた表示指示メッセージの表示指示内容が記憶される表示指示テーブル132と、表示を優先させる表示優先状態か否かを記憶する表示優先状態テーブル133と、が設けられている。
【0019】
構成情報テーブル131には、交換機200のIPアドレスやMACアドレスと、IP電話機200自身のIPアドレス、MACアドレス及び電話番号と、自身が属しているグループの識別子と、が記憶されている。ここで、グループとは、あるIP電話機に着信があった場合に、このIP電話機を含めて、予め定められた代理応答可能なIP電話機の集合のことである。ここで、以下では、電話番号「101」及び「102」のIP電話機100がグループ1に属し、電話番号「201」及び「202」のIP電話機100がグループ2に属し、電話番号「305」のIP電話機100はいずれのグループにも属していないとする。
【0020】
表示指示テーブル132は、図2に示すように、LED用表示指示テーブル132aとLCD用表示指示テーブル132bとがある。LED用表示指示テーブル132aは、各LED165のID毎に、指示内容である点灯と示す「点灯」と指示内容である消灯「−」とのうちのいずれか一方が記憶される指示内容領域を有する。また、LCD用表示指示テーブル132bも、LCD160に表示すべき指示内容が記憶される指示内容領域を有している。すなわち、表示指示テーブル132は、各表示装置160,165毎の指示内容領域を有している。
【0021】
表示優先状態テーブル133は、各LED165のID毎に、表示優先状態を示す「○」と表示非優先状態を示す「−」とのいずれか一方が記憶される状態領域を有する。
【0022】
交換機200は、図1に示すように、各種演算を行うCPU210と、CPU210が実行するプログラム221等が記憶されているROM220と、各種データ等が記憶されるRAM230と、公衆網等と接続されている網側インタフェース回路240と、各IP電話機100と接続されている電話機側インタフェース回路250と、を備えている。
【0023】
CPU210は、機能的に、網側インタフェース回路240及び電話機側インタフェース回路250等を制御する通信制御部211と、各IP電話機100に対する表示指示メッセージを生成するメッセージ生成部212と、を有している。こららの各機能部211,212は、いずれも、ROM220に記憶されているプログラム221をCPU210が実行することで機能する。
【0024】
RAM230には、交換機200の管理下にある全IP電話機100の通信アドレス等が記憶されている構成情報テーブル231が設けられている。この構成情報テーブル231には、交換機200自身のIPアドレスやMACアドレスと、各IP電話機100のIPアドレス、MACアドレス、電話番号、属しているグループの識別子と、が記憶されている。
【0025】
次に、本実施形態におけるIP電話機100の表示制御部113の動作について、図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0026】
ここで、表示制御部113は、各表示装置160,165を省電力モードに設定しているとする(S1)。この省電力モードにおいて、前述したように、LCD160に関して、表示制御部113は、バックライトを消灯させており、交換機200からLCD160に対する表示指示メッセージがきても、利用者に液晶パネルによる表示内容が見えない状態にしている。また、LED165に関して、表示制御部113は、交換機200からこのLED165に対する「点灯」の表示指示メッセージがきても、このLED165を点灯させないで消灯状態にしている。
【0027】
この省電力モードで、表示制御部113は、ハンドセット150及び各種操作ボタン170を含む操作装置の操作があるか、又は交換機200からの着信メッセージを受け付けると(S2)、活性モードに移行する(S5)。また、この省電力モードで、表示制御部113は、交換機200から表示指示メッセージを受け付けると(S2)、この表示指示メッセージが示す表示指示を表示指示テーブル132に格納する(S3)。この際、表示制御部113は、表示指示メッセージに含まれている表示装置識別子に従って、表示指示テーブル132(図2)中の対応する表示装置の表示指示領域に、表示指示メッセージに含まれている表示指示を格納する。
【0028】
表示制御部113は、表示指示を表示指示テーブル132に格納すると(S3)、表示優先状態テーブル133(図3)を参照して、表示指示メッセージに含まれている識別子が示す表示装置が表示優先状態であるか否かを判断する(S4)。なお、この優先状態テーブル133の状態領域には、予め、利用者により各種操作ボタン170を操作されることにより、表示優先状態が格納される。表示制御部113は、表示指示メッセージに含まれている識別子が示す表示装置が表示優先状態ではない、つまり表示非優先状態であると判断すると、ステップ2に戻る。また、表示制御部113は、表示指示メッセージに含まれている識別子が示す表示装置が表示優先状態であると判断すると、前述のように、操作装置150,170の操作がなくても、又は交換機200からの着信メッセージを受け付けなくても、表示装置160,165を活性モード(S6)に移行する。
【0029】
表示制御部113は、この活性モードでは、表示指示テーブル(図2)を参照して、いずれかの表示装置識別子に対応する表示指示領域に表示内容が格納されていれば、この識別子が示す表示装置に、表示内容に基づく表示を行わせる(S6)。具体的には、表示装置識別子がLED165を示し、その表示指示が「点灯」を示している場合には、このLED165を点灯させる。また、表示装置識別子がLCD160を示し、その表示指示が所定の文字列を示している場合には、このLCD160のバックライトを点灯させると共に、このLCD160の液晶パネルを駆動させて、このLCD160に文字列を表示させる。なお、ここでは、活性モードになった時点で、LCD160の液晶パネルを駆動させているが、活性モードであろうが、省電力モードであろうが、LCD160に対する表示指示メッセージを受け取った時点で、このLCD160の液晶パネルを駆動させてもよい。但し、省電力モードのときに、LCD160に対する表示指示メッセージを受け取った場合には、前述したように、このLCD160のバックライトが消灯状態であるため、液晶パネルを駆動させても、利用者は、LCD160による表示内容を見ることはできない。
【0030】
次に、表示制御部113は、活性モードに移行してから、所定時間以内に、操作装置150,170の操作があったか、又は交換機200からの着信メッセージを受け付けたかを判断する(S7)。所定時間以内に操作装置150,170の操作がなく、且つ交換機200からの着信メッセージを受け付けていない場合には、優先表示状態の表示装置が表示中であるか否かを判断する(S8a)。優先表示状態の表示装置が表示中でなければ、表示制御部113は、さらに、活性モードに移行してから、所定時間以内に、優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージを受け付けたかを判断する(S8b)。表示制御部113は、所定時間以内に、優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージを受け付けていない場合には、省電力モード(S1)に移行する。
【0031】
所定時間以内に、優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージを受け付けた場合には、この表示指示メッセージに含まれている表示装置識別子に従って、表示指示テーブル132(図2)中の対応する表示装置の表示指示領域に、表示指示メッセージに含まれている表示指示を格納する(S9)。そして、前述のステップ6に進む。
【0032】
また、表示制御部113は、ステップ7で、所定時間以内に、操作装置150,170の操作があった、又は交換機200からの着信メッセージを受け付けたと判断した場合、さらに、ステップ8aで、優先表示状態の表示装置が表示中であると判断した場合には、交換機200から表示指示メッセージを受け付たか否かを判断する(S8)。
【0033】
表示制御装置113は、表示指示メッセージを受け付けていなければ、ステップ7に戻り、表示指示メッセージを受け付けていれば、表示指示メッセージに含まれている表示装置識別子に従って、表示指示テーブル132(図2)中の対応する表示装置の表示指示領域に、表示指示メッセージに含まれている表示指示を格納する(S9)。そして、前述のステップ6に進む。なお、ステップ7において、所定時間以内に、操作装置150,170の操作があったか、又は交換機200からの着信メッセージを受け付けたと判断し、再び、ステップ8を経て、又は、ステップ8,9,6を経て、ステップ7に戻った場合、表示制御部113は、所定時間の計測開示タイミングを、活性モード中に最後に、操作又は着信メッセージを受け付けた時点とする。また、ステップ8bにおいて、所定時間以内に、優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージを受け付けたと判断し、再び、ステップ9,6,7,8aを経て、ステップ8bに戻った場合、所定時間の計測開示タイミングを、活性モード中に最後に、操作、着信メッセージ又は優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージを受け付けた時点とする。
【0034】
以上のように、本実施形態では、基本的には、操作装置150,170の操作、又は着信メッセージの受付により、省電力モードと活性モードとの切替が行われる。したがって、本実施形態では、表示が確実に必要なときにのみ活性モードになって表示を行うので、内線電話システムの消費電力を抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態では、利用者が、複数の表示装置165のうちのいずれかの表示装置に関して、表示を優先させたい場合には、この表示装置に関して表示優先状態に設定することで、優先表示状態の表示装置に対する表示指示メッセージの受付でも、省電力モードと活性モードとのモード切替が行われるので、この優先表示状態の表示装置に関しては、モードに関わらず、表示指示メッセージを受けた時点で、表示指示に応じた表示を実行させることができる。
【0036】
次に、本実施形態における内線電話システムの動作について、図5〜図7に示すシーケンス図に従って説明する。なお、図5〜図7のシーケンス図では、各IP電話機100の時間軸に関して、活性モードになっている時間帯を実線で示し、省電力モードになっている時間帯を破線で示している。
【0037】
まず、図5に示すシーケンス図に従って、内線番号「305」のIP電話機100から内線番号「101」のIP電話機100へ発信した場合の動作について説明する。
【0038】
内線番号「305」のIP電話機100がオフフックされると(S30、図4中のS2)、この内線番号「305」のIP電話機100の表示制御部113は、各表示装置を省電力モードから活性モードに移行する(図4中のS5)。この際、LCD用表示指示テーブル132b(図2)に、日付等が格納されていれば、表示制御部113は、LCD160に日付等を表示させる。さらに、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S31)。
【0039】
さらに、内線番号「305」のIP電話機100のテンキーを含む操作ボタン170が操作され、着信先の内線番号「101」が入力されると(S32)、通信制御部111が電話番号メッセージを交換機200へ送信する(S33)。なお、内線番号「305」のIP電話機100の表示装置は活性モードであるため、LCD160には、前述した日付等と共に、入力した内線番号「101」が表示される。
【0040】
交換機200の通信制御部211は、内線番号「305」のIP電話機100からオフフックメッセージ及び電話番号メッセージを受信すると、発信元で内線番号「305」のIP電話機100へリングバックトーン(RBT)の鳴動指示メッセージを送信する(S20)。さらに、交換機200の通信制御部211は、着信先で内線番号「101」のIP電話機100へ着信メッセージを送信する(S22)。なお、この着信メッセージには、発信元の電話番号情報も含まれている。
【0041】
着信先で内線番号「101」のIP電話機100の通信制御部111がこの着信メッセージを受信すると、スピーカを駆動し着信音を発生させる。また、表示制御部113が通信制御部111からこの着信メッセージを受け取ると(図4中のS2)、各表示装置を省電力モードから活性モードに移行する(図4中のS5)。この際、LCD用表示指示テーブル132b(図2)に、日付等が格納されていれば、表示制御部113は、LCD160に、発信元の内線番号「305」と共に日付等を表示させる。
【0042】
内線番号「101」のIP電話機100がオフフックされると(S10a)、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S11a)。
【0043】
交換機200の通信制御部211は、着信先で内線番号「101」のIP電話機100からオフフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続指示メッセージを送信する(S23)。これにより、発信元及び着信先のIP電話機100は、相互間での通話が可能になる(S12a)。
【0044】
発信元で内線番号「305」のIP電話機100がオンフックされると(S34)、この内線番号「305」のIP電話機100の通信制御部111から交換機200へオンフックメッセージが送信される(S35)。交換機200の通信制御部211は、このオンフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続段指示メッセージを送信する(S24)。
【0045】
着信先で内線番号「101」のIP電話機100の利用者は、発信元がオンフックされたことで、内線番号「101」のIP電話機100をオンフックする(S13a)。内線番号「101」のIP電話機100がオンフックされると、通信制御部111は、交換機200へオンフックメッセージを送信する(S14a)。
【0046】
発信元及び着信先のIP電話機100は、オンフックされ、つまりハンドセット150が操作されなくなってから、所定時間経過すると(図4中のS4)、表示制御部111は、表示装置を活性モードから省電力モードに移行する(S36,S15a、図4中のS1)。
【0047】
次に、図6に示すシーケンス図に従って、内線番号「305」のIP電話機100からグループ1のIP電話機100へグループ発信した場合の動作について説明する。なお、図6及び後述の図7に示す動作は、内線番号「101」のIP電話機100の表示優先状態テーブル133(図3)は、LED2が表示優先状態であり、他のLED1,3,4は表示非優先状態であり、他のIP電話機100の表示優先状態テーブル133は、全LEDが表示非優先状態である場合を示している。
【0048】
内線番号「305」のIP電話機100がオフフックされると(S30、図4中のS2)、前述の場合と同様に、各表示装置が省電力モードから活性モードに移行する(図4中のS5)。そして、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S31)。
【0049】
さらに、内線番号「305」のIP電話機100のテンキーを含む操作ボタン170が操作され、着信先としてグループ1が指定されると(S32x)、通信制御部111が電話番号メッセージを交換機200へ送信する(S33x)。
【0050】
交換機200の通信制御部211は、内線番号「305」のIP電話機100からオフフックメッセージ及び電話番号メッセージを受信すると、発信元で内線番号「305」のIP電話機100へリングバックトーン(RBT)の鳴動指示メッセージを送信する(S20)。さらに、交換機200のメッセージ生成部211がグループ1の着信を知らせるために、LED1の点灯指示メッセージを作成し、これを通信制御部211が各IP電話機100に送信する(S21)。
【0051】
このLED1の点灯指示メッセージを受けた、各IP電話機100の表示制御部113は、このLED1が表示非優先状態であることから、表示装置を省電力モードから活性モードに移行せずに、つまり、LED1を点灯させずに、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納する(図4中のS2,S3,S4)。
【0052】
交換機200の通信制御部211は、さらに、グループ1の内線番号「101」「102」のIP電話機100へ着信メッセージを送信する(S22x)。
【0053】
着信先で内線番号「101」「102」のIP電話機100の通信制御部111がこの着信メッセージを受信すると、スピーカを駆動し着信音を発生させる。また、表示制御部113が通信制御部111からこの着信メッセージを受け取ると、各表示装置を省電力モードから活性モードに移行する。この際、LCD用表示指示テーブル132b(図2)に、日付等が格納されていれば、表示制御部113は、LCD160に、発信元の内線番号「305」と共に日付等を表示させる。
【0054】
グループ1のIP電話機100のうち、仮に、内線番号「101」のIP電話機100がオフフックされると(S10a)、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S11a)。
【0055】
交換機200の通信制御部211は、着信先で内線番号「101」のIP電話機100からオフフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続指示メッセージを送信する(S23)。これにより、発信元及び着信先のIP電話機100は、相互間での通話が可能になる(S12a)。
【0056】
発信元で内線番号「305」のIP電話機100がオンフックされると(S34)、この内線番号「305」のIP電話機100の通信制御部111から交換機200へオンフックメッセージが送信される(S35)。交換機200の通信制御部211は、このオンフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続段指示メッセージを送信する(S24)。
【0057】
着信先で内線番号「101」のIP電話機100の利用者は、発信元がオンフックされたことで、内線番号「101」のIP電話機100をオンフックする(S13a)。内線番号「101」のIP電話機100がオンフックされると、通信制御部111は、交換機200へオンフックメッセージを送信する(S14a)。
【0058】
交換機200の通信制御部211がこのオンフックメッセージを受信すると、メッセージ生成部212が、LED1の消灯指示メッセージを生成し、これを通信制御部211が各IP電話機100へ送信する(S25)。活性モードになっている内線番号「101」のIP電話機100の表示制御部111は、この消灯指示メッセージを受けて、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納した後(図4のS9)、LED1を消灯させる(図4のS6)。また、残りのIP電話機100は、この消灯指示メッセージを受けて、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納する(図4のS3)だけに留まる。
【0059】
発信元及び着信先のIP電話機100は、オンフックされ、つまりハンドセット150が操作されなくなってから、所定時間経過すると(図4中のS7)、表示制御部111は、表示装置を活性モードから省電力モードに移行する(S36,S15a、図4中のS1)。
【0060】
また、着信メッセージを受けたものの、実際に通話が行われていない内線番号「102」のIP電話機100の表示制御部113は、着信メッセージを受けて、活性モードに移行してから、所定時間経過すると(図4中のS7)、表示装置を省電力モードに移行する(S15b、図4中のS1)。
【0061】
次に、図7に示すシーケンス図に従って、内線番号「305」のIP電話機100からグループ2のIP電話機100へグループ発信した場合の動作について説明する。
【0062】
内線番号「305」のIP電話機100がオフフックされると(S30、図4中のS2)、前述の場合と同様に、各表示装置が省電力モードから活性モードに移行する(図4中のS5)。そして、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S31)。
【0063】
さらに、内線番号「305」のIP電話機100のテンキーを含む操作ボタン170が操作され、着信先としてグループ2が指定されると(S32y)、通信制御部111が電話番号メッセージを交換機200へ送信する(S33y)。
【0064】
交換機200の通信制御部211は、内線番号「305」のIP電話機100からオフフックメッセージ及び電話番号メッセージを受信すると、発信元で内線番号「305」のIP電話機100へリングバックトーン(RBT)の鳴動指示メッセージを送信する(S20)。さらに、交換機200のメッセージ生成部211がグループ2の着信を知らせるために、LED2の点灯指示メッセージを作成し、これを通信制御部211が各IP電話機100に送信する(S21y)。
【0065】
このLED2の点灯指示メッセージを受けた各IP電話機100のうち、内線番号「101」のIP電話機の表示制御部113は、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納した後(図4のS3)、このLED2が表示優先状態であることから(図4のS4)、表示装置を省電力モードから活性モードに移行して(図4のS5)、LED2を点灯させる。さらに、表示制御部113は、LCD用表示指示テーブル132b(図2)に、日付等が格納されていれば、表示制御部113は、LCD160に日付等を表示させる。
【0066】
一方、このLED2の点灯指示メッセージを受けた各IP電話機100のうち、残りのIP電話機100の表示制御部113は、このLED2が表示非優先状態であることから、表示装置を省電力モードから活性モードに移行せずに、つまり、LED2を点灯させずに、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納する(図4中のS2,S3,S4)。
【0067】
交換機200の通信制御部211は、さらに、グループ2の内線番号「201」のIP電話機100へ着信メッセージを送信する(S22y)。
【0068】
着信先で内線番号「201」のIP電話機100の通信制御部111がこの着信メッセージを受信すると、スピーカを駆動し着信音を発生させる。また、表示制御部113が通信制御部111からこの着信メッセージを受け取ると、各表示装置を省電力モードから活性モードに移行する。この際、LED用表示指示テーブル132a(図2)のLED2の表示指示領域には、「点灯」が記憶されているので、表示制御部113は、LED2を点灯させる。また、LCD用表示指示テーブル132bに、日付等が格納されていれば、表示制御部113は、LCD160に、発信元の内線番号「305」と共に日付等を表示させる。
【0069】
グループ2の内線番号「201」のIP電話機100がオフフックされると(S10c)、通信制御部111は、オフフックメッセージを交換機200へ送信する(S11c)。
【0070】
交換機200の通信制御部211は、着信先で内線番号「201」のIP電話機100からオフフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続指示メッセージを送信する(S23y)。これにより、発信元及び着信先のIP電話機100は、相互間での通話が可能になる(S12c)。
【0071】
発信元で内線番号「305」のIP電話機100がオンフックされると(S34)、この内線番号「305」のIP電話機100の通信制御部111から交換機200へオンフックメッセージが送信される(S35)。交換機200の通信制御部211は、このオンフックメッセージを受信すると、発信元及び着信先のIP電話機100に対して、通話接続断指示メッセージを送信する(S24y)。
【0072】
着信先で内線番号「201」のIP電話機100の利用者は、発信元がオンフックされたことで、内線番号「201」のIP電話機100をオンフックする(S13c)。内線番号「201」のIP電話機100がオンフックされると、通信制御部111は、交換機200へオンフックメッセージを送信する(S14c)。
【0073】
交換機200の通信制御部211がこのオンフックメッセージを受信すると、メッセージ生成部212が、LED2の消灯指示メッセージを生成し、これを通信制御部211が各IP電話機100へ送信する(S25y)。活性モードになっている内線番号「101」「201」のIP電話機100の表示制御部111は、この消灯指示メッセージを受けて、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納した後(図4のS9)、LED2を消灯させる(図4のS6)。また、残りの内線番号「102」のIP電話機100は、この消灯指示メッセージを受けて、この点灯指示メッセージに含まれる指示をLED用表示指示テーブル132aに格納する(図4のS3)だけに留まる。
【0074】
発信元及び着信先のIP電話機100は、オンフックされ、つまりハンドセット150が操作されなくなってから、所定時間経過すると(図4中のS7)、表示制御部111は、表示装置を活性モードから省電力モードに移行する(S36,S15c、図4中のS1)。
【0075】
また、LED2の点灯指示メッセージを受けて、活性モードになった内線番号「101」のIP電話機100の表示制御部113は、LED2の点灯中は活性モードを維持し(図4中のS8a)、このLED2の消灯指示メッセージを受けてから所定時間経過すると(S15ay、図4中のS8b)、表示装置を省電力モードに移行する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る一実施形態としての内線電話システムの構成図であある。
【図2】本発明に係る一実施形態としての表示指示テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係る一実施形態としての表示優先状態テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る一実施形態としての表示制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る一実施形態としての内線電話システムの動作を示すシーケンス図(その1)である。
【図6】本発明に係る一実施形態としての内線電話システムの動作を示すシーケンス図(その1)である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての内線電話システムの動作を示すシーケンス図(その1)である。
【符号の説明】
【0077】
100:IP電話機、110,210:CPU、111,211:通信制御部、112:音声制御部、113:表示制御部、120,220:ROM、121,221:プログラム、130,230:RAM、131,231:構成情報テーブル、132:表示指示テーブル、133:表示優先状態テーブル、140:通信インタフェース、150:ハンドセット、160:LCD、165:LED、170:操作ボタン、200:交換機、211:メッセージ生成部、240:網側インタフェース回路、250:電話機側インタフェース回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段及び表示手段を有する1以上の電話機と、交換機とを備えている電話システムにおいて、
前記交換機は、
表示指示メッセージを生成して、該表示指示メッセージを前記1以上の電話機に送る表示指示メッセージ生成手段を有し、
前記電話機は、
前記交換機からの前記表示指示メッセージに含まれる表示指示を記憶する表示指示記憶手段と、
前記表示手段の省電力モードと活性モードと間でのモード切替を行って、該表示手段を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段が前記省電力モードである場合に、前記交換機からの着信メッセージの受け付け及び前記操作手段による操作の受け付けで、前記表示手段を前記活性モードに切替え、該表示手段に表示すべき表示指示が前記表示指示記憶手段に記憶されていれば、該表示手段に該表示指に基づいた表示を実行させる、
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記表示手段が前記活性モードである場合に、前記交換機から着信メッセージ又は前記操作手段による操作を所定時間受け付けなければ、該表示手段を前記省電力モードに切替え、該表示手段を非表示状態にする、
ことを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか一項に記載の電話システムにおいて、
複数の前記表示手段を備え、
前記交換機からの前記表示指示メッセージには、前記複数の表示手段のうちのいずれの表示手段に対する表示指示であるかを示す該表示手段の識別情報を含み、
前記表示指示記憶手段は、前記複数の表示手段の識別情報毎に、前記交換機からの前記表示指示メッセージに含まれる表示指示を記憶する、
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
請求項1及び2のいずれか一項に記載の電話システムにおいて、
前記表示手段に関して、表示を優先させる表示優先状態か否かを記憶する表示優先状態記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記表示優先状態記憶手段に前記表示手段が表示優先状態である旨が記憶されている場合には、前記表示手段が前記省電力モードのときに、前記交換機からの着信メッセージの受信及び前記操作手段による操作の受け付けがなくても、前記表示指示メッセージの受け付けで前記活性モードに切替える、
ことを特徴とする電話システム。
【請求項5】
請求項3に記載の電話システムにおいて、
前記複数の表示手段の識別情報毎に、表示を優先させる表示優先状態か否かを記憶する表示優先状態記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記表示優先記憶手段に前記複数の表示手段の識別情報のうちののいずれかの識別情報に対して表示優先状態である旨が記憶されている場合、前記複数の表示手段が前記省電力モードのときに、前記交換機からの着信メッセージの受信及び前記操作手段による操作の受け付けがなくても、前記表示優先記憶手段で前記表示優先状態になっている識別情報を特定した表示指示メッセージの受け付けで、該複数の前記表示手段を前記活性モードに切替える、
ことを特徴とする電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−166277(P2010−166277A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6228(P2009−6228)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】