説明

電話交換装置及びこの電話交換装置で使用される制御方法

【課題】ある内線に着信している呼を別の内線にてピックアップする場合に、着信先内線の現状況をピックアップ側の内線にて事前に確認でき、これによりスムーズな電話の取次ぎが可能な電話交換装置を提供する。
【解決手段】PBX1の中央制御部14において、例えば内線端末DKT2のユーザが離席による理由情報を入力した場合に、内線端末DKT2の内線番号(1001)と入力した離席理由情報とを対応付けて記憶部15の離席理由テーブル151に記憶しておき、内線端末DKT2への着信時に内線端末DKT8にて着信情報を表示するためのキーが押下された場合に、着信中にある内線端末DKT2の内線番号に基づいて離席理由テーブル151を参照して内線端末DKT2の内線番号に対応する離席理由情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び着信先内線番号及び離席理由情報が内線端末DKT8に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばPBX(Private exchange branch)等のピックアップ機能を備える電話交換装置、及びこの電話交換装置が提供するピックアップを制御する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PBXといった電話交換装置は各種のサービス機能を備えており、その一つにピックアップ機能がある。このピックアップ機能とは、予め電話交換装置に登録しているグループ内の内線端末に着信している呼を、同じグループ内の別の内線端末にてピックアップする機能である。
【0003】
ところで、オフィスのようにグループ単位での座席レイアウトを組んでいる場合、どの内線端末に着信しているのか不明のままピックアップしており、かつ着信している内線端末の状態(外出、離席、携帯での通話など)も分からず、結果として、着信側内線端末の席に確認に行くことが多々ある。また、発信者の情報もピックアップするまで不明である。
【0004】
なお、従来では、ある内線端末に対し着信する呼を別の内線端末にて着信情報を要求する操作がなされると、その着信先の端末を特定する識別情報と発信者情報とを要求元の内線端末の表示器に表示する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、従来では、ある内線端末に対し着信する呼を別の内線端末にてピックアップする操作がなされると、着信先の内線端末の状態情報を要求元の内線端末の表示器に表示する手法も提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−174003公報
【特許文献2】特開2002−14923公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1による手法では、着信先の端末の現状況までは把握することができない。また、上記特許文献2による手法では、着信応答までの時間が設定時間を越えた場合に、予め決められた理由メッセージをピックアップ元の内線端末の表示器に表示するものであり、着信先端末の詳細な現状況までは把握することができない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、ある内線に着信している呼を別の内線にてピックアップする場合に、着信先内線の現状況をピックアップ側の内線にて事前に確認でき、これによりスムーズな電話の取次ぎが可能な電話交換装置及びこの電話交換装置で使用される制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、この発明に係る電話交換装置は、複数の電話端末を収容する電話交換装置において、複数の電話端末のうち第1の電話端末にて離席時に理由情報が入力された場合に、理由情報を第1の電話端末を特定する端末識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、第1の電話端末への着信時に第1の電話端末とは異なる第2の電話端末にて着信情報を表示するための表示要求操作がなされた場合に、着信中にある第1の電話端末の端末識別情報に基づき記憶手段を参照し、第1の電話端末の端末識別情報に対応する理由情報が記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び記憶手段に記憶されている第1の電話端末の端末識別情報及び理由情報を第2の電話端末に通知する通知手段と、第2の電話端末に発信者情報、第1の電話端末の端末識別情報及び理由情報を通知している状態で第2の電話端末にて第1の電話端末に着信している呼をピックアップする操作がなされた場合に、第2の電話端末に対し着信制御を行うピックアップ制御手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
(1)の構成によれば、第1の電話端末のユーザが離席による理由情報を入力した場合に、第1の電話端末を特定する端末識別情報と入力した理由情報とを対応付けてメモリに記憶しておき、第1の電話端末への着信時に第2の電話端末にて着信情報を表示するための要求操作がなされた場合に、着信中にある第1の電話端末の端末識別情報に基づいてメモリを参照して第1の電話端末の端末識別情報に対応する理由情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及びメモリに記憶されている第1の電話端末の端末識別情報及び理由情報が第2の電話端末に通知される。この通知状態で、第2の電話端末にてピックアップ操作がなされた場合に、第2の電話端末に対し着信を転送して着信させることができる。
【0010】
従って、着信先の電話端末へ足を運んで確認に行くことなく、着信呼のピックアップに先立ち、ピックアップ側の電話端末にて発信者及び着信側の電話端末の状態を把握できるため、スムーズな電話の取次ぎが可能となる。
【0011】
(2)ピックアップ操作がなされた前記第2の電話端末を特定する端末識別情報と、発信者情報、第1の電話端末の端末識別情報及び理由情報の受信履歴に関するピックアップ履歴情報とを対応付けて記憶する履歴情報記憶手段と、第2の電話端末にてピックアップ履歴情報の表示要求操作がなされた場合に、履歴情報記憶手段を参照して、第2の電話端末に対し対応するピックアップ履歴情報を通知する履歴情報通知手段とをさらに備えるようにした。
【0012】
(2)の構成によれば、第2の電話端末を特定する端末識別情報と、発信者情報、第1の電話端末の端末識別情報及び理由情報の受信履歴に関するピックアップ履歴情報とを対応付けてメモリに記憶しておくことで、第1の電話端末のユーザが在席したときに、第2の電話端末のユーザは第1の電話端末のユーザに対しメモリに記憶されたピックアップ履歴情報に基づいて報告することができる。
【0013】
(3)複数の電話端末ごとに記憶手段への理由情報の登録方法を表すデータを記憶する登録方法記憶手段と、各電話端末に対する理由情報の登録を、登録方法記憶手段を参照して、該当する登録方法により行う登録制御手段とをさらに備えるようにした。
【0014】
(3)の構成によれば、例えば各電話端末ごとに、個々の電話端末の登録操作により当該電話端末の端末識別情報と理由情報とを対応付けてメモリへ登録したり、また特定の電話端末における登録操作により複数の電話端末の端末識別情報と理由情報とを一括してメモリへ登録する等、各電話端末ごとにその使用状況に適した登録を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、ある内線に着信している呼を別の内線にてピックアップする場合に、着信先内線の現状況をピックアップ側の内線にて事前に確認でき、これによりスムーズな電話の取次ぎが可能な電話交換装置及びこの電話交換装置で使用される制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる交換システムの構成を示すブロック図。
【図2】上記図1に示した離席理由テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図3】上記図1に示したピックアップ履歴テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】一般的なピックアップ動作を説明するために示す図。
【図5】同第1の実施形態によるピックアップ動作を示すシーケンス図。
【図6】同第1の実施形態の中央制御部による離席理由登録制御手順及びその内容を示すフローチャート。
【図7】同第1の実施形態の中央制御部によるピックアップ制御手順及びその内容を示すフローチャート。
【図8】この発明の第2の実施形態に係わる交換システムの構成を示すブロック図。
【図9】上記図8に示した登録方法テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる交換システムの構成を示すブロック図であり、1はPBXを示している。
【0018】
PBX1は、外線インタフェース部(外線I/F)11と、内線インタフェース部(内線I/F)12と、タイムスイッチ(TSW)13と、中央制御部14と、記憶部15とを備え、このうち外線インタフェース部11、内線インタフェース部12及び中央制御部14は制御バス(DHW)16を介して相互に接続されている。また、外線インタフェース部11、内線インタフェース部12及びタイムスイッチ13は、音声バス(PCMHW)17を介して相互に接続されている。
【0019】
外線インタフェース部11は、加入者線SLを介して公衆網PNWに接続され、公衆網PNWとの間の呼の確立処理等を行う。
【0020】
内線インタフェース部12には複数の内線EL1〜ELm(mは自然数)が収容されており、これらの内線EL1〜ELmにはそれぞれ内線端末DKT1〜DKTmが接続される。内線端末DKT1〜DKTmとして使用されるものには、例えばデジタルボタン電話機がある。内線インタフェース部13は、内線端末DKT1〜DKTmに対する発着信処理やデジタル信号の転送処理等を行なう。
【0021】
タイムスイッチ13は、中央制御部14の指示に従い、上記外線インタフェース部11と内線インタフェース部12との間で音声バス17を介して伝送されるデジタル信号のチャネル交換を行なう。
【0022】
中央制御部14は、各内線端末DKT1〜DKTmの発呼要求に伴う発信処理や、加入者線SLからの外線着信に伴う通常の着信処理、内線端末DKT1〜DKTm間の転送処理等を実行する。
【0023】
記憶部15は、上記中央制御部14の制御処理に必要な制御データが記憶されている。
【0024】
ところで、この第1の実施形態では、中央制御部14に、テーブル作成部141と、着信情報通知部142と、ピックアップ制御部143と、ピックアップ履歴通知部144とを備えている。テーブル作成部141は、例えば内線端末DKT1において離席理由を受け付けるためのキーが押下されてユーザの離席理由「会議」が入力された場合に、内線端末DKT1の内線番号(1000)と離席理由との対応関係を表すデータを作成し記憶部15の離席理由テーブル151に記憶する。なお、離席理由テーブル151には、図2に示すようなデータが記憶されることになる。
【0025】
着信情報通知部142は、内線端末DKT1への着信時に内線端末DKT8(2000)にて着信情報を表示のための要求キーが押下された場合に、着信中にある内線端末DKT1の内線番号(1000)に基づき離席理由テーブル151を参照し、内線番号(1000)に対応する離席理由「会議」が登録されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び離席理由テーブル151に登録されている内線番号(1000)及び離席理由「会議」を内線端末DKT8に通知して表示器に表示させる。なお、着信情報を表示のための要求キーは、予め割り当てられた機能キー1またはダイヤル[#13]となる。
【0026】
ピックアップ制御部143は、内線端末DKT8の表示器に発信者情報及び内線番号(1000)及び離席理由「会議」を表示している状態で、内線端末DKT8にて内線端末DKT1に着信している呼をピックアップするためのピックアップキーを押下した場合に、内線端末DKT8に対し着信を転送して着信させる。そして、ピックアップ後に、内線端末DKT8の内線番号(2000)と、ピックアップした日時の発信者情報及び内線番号(1000)及び離席理由「会議」との対応関係を表すデータを作成し記憶部15のピックアップ履歴テーブル152に記憶する。なお、ピックアップ履歴テーブル152には、図3に示すようなデータが記憶されることになる。また、ピックアップキーは、予め割り当てられた機能キー2またはダイヤル[#14]となる。
【0027】
ピックアップ履歴通知部144は、内線端末DKT8にてピックアップ履歴を表示するための要求キーが押下された場合に、ピックアップ履歴テーブル152を参照して、内線端末DKT8に対し対応するピックアップ履歴情報を通知し表示器に表示させる。なお、ピックアップ履歴を表示するための要求キーは、予め割り当てられた機能キー3またはダイヤル[#15]となる。
【0028】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
図4は、一般的なピックアップ動作を示している。
【0029】
今、例えば外部端末TT1の発信に応じて、公衆網PNWから発信電話番号を含む内線端末DKT2宛の着信信号がPBX1に到来したとする。この場合、PBX1は内線端末DKT2に対し着信データを送信して着信報知を行わせる。この着信報知中に、内線端末DKT8のユーザがピックアップキーを押下して、内線端末DKT2に着信している呼をピックアップしたとする。そうすると、内線端末DKT8の表示器には、発信電話番号が表示されるが、着信先の内線番号は表示されない。さらに、内線端末DKT8のユーザは、発信者から着信者を聞きだしたとしても、着信先となる内線端末DKT2のユーザがどのような状況(外出、離席、携帯での通話など)であるかもわからない。
【0030】
そこで、本実施形態では、ピックアップ側の内線端末DKT8にてピックアップ前に、着信先の内線端末DKT2の状況まで把握できるようにしている。
【0031】
図5は、本実施形態によるピックアップ動作を示すシーケンス図、図6はPBX1の中央制御部14による離席理由登録制御手順及びその内容を示すフローチャート、図7は中央制御部14によるピックアップ制御手順及びその内容を示すフローチャートである。
【0032】
例えば内線端末DKT2のユーザが離席する際に、ユーザは内線端末DKT2において離席理由を受け付けるためのキーが押下することで先ず理由登録モードを設定する(図5(1))。PBX1の中央制御部14は、ステップST6aでこの理由登録モードの設定を検出すると、ステップST6bでユーザによる離席理由情報の入力を受け付ける。
【0033】
このときユーザは、例えば「外出中」と入力する。そうすると、中央制御部14は、入力された離席理由情報を表示器に表示する。この状態でユーザが内線端末DKT2において確定操作を行なうと、中央制御部14はステップST6cからステップST6dに移行してここで内線番号(1001)と離席理由「外出中」とを対応付けて離席理由テーブル151に記憶する。
【0034】
そして例えば外部端末TT1の発信に応じて、公衆網PNWから発信電話番号を含む内線端末DKT2宛の着信信号がPBX1に到来したとする(図5(2))。この場合、PBX1の中央制御部14は内線端末DKT2に対し着信データを送信して着信報知を行わせる(図5(3)、ステップST7a)。この着信報知中に、内線端末DKT8のユーザが内線端末DKT8(2000)において着信情報を表示のための要求キーが押下したとする。そうすると中央制御部14は、ステップST7bからステップST7cに移行してここで着信先に対応する離席理由情報が離席理由テーブル151に登録されているか否かを判定する。
【0035】
ここで、登録されている場合には、中央制御部14は要求の内線端末DKT8に対し発信電話番号、着信内線番号及び離席理由情報を通知して表示器に表示させる(図5(4)、ステップST7d)。従って、この表示によりユーザは着信報知中の内線端末DKT2、発信電話番号、内線端末DKT2のユーザの状況をピックアップ前に知ることができる。
【0036】
一方、登録されていない場合には、中央制御部14は要求の内線端末DKT8に対し発信電話番号及び着信内線番号を通知して表示器に表示させる(ステップST7e)。
【0037】
この状態で内線端末DKT8のユーザが、内線端末DKT8においてピックアップキーを押下したとする。そうすると中央制御部14は、ステップST7fからステップST7gに移行してここで内線端末DKT8に対し内線端末DKT2に着信している呼を転送して着信させる(図5(5))。
【0038】
そして、内線端末DKT8にて着信応答がなされた後に、中央制御部14はピックアップ履歴テーブル152に登録中の内線端末DKT8に対応するピックアップ履歴情報の内容を更新する。ここでは、例えば内線端末DKT8の内線番号(2000)と、ピックアップした日時の発信者情報及び内線番号(1001)及び離席理由「外出中」とを対応付けて記憶する。
【0039】
一方、上記ステップST7fにおいて内線端末DKT8のユーザがピックアップキーを押下しない状態で例えば内線端末DKT5のユーザが内線端末DKT2に着信している呼に応答した場合(ステップST7h、Yes)、処理をそのまま終了するが、内線端末DKT2に着信している間、ステップST7fからステップST7hの処理を繰り返し実行する。
【0040】
以上のように上記第1の実施形態では、PBX1の中央制御部14において、例えば内線端末DKT2のユーザが離席による理由情報を入力した場合に、内線端末DKT2の内線番号(1001)と入力した離席理由情報とを対応付けて記憶部15の離席理由テーブル151に記憶しておき、内線端末DKT2への着信時に内線端末DKT8にて着信情報を表示するためのキーが押下された場合に、着信中にある内線端末DKT2の内線番号に基づいて離席理由テーブル151を参照して内線端末DKT2の内線番号に対応する離席理由情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び着信先内線番号及び離席理由情報が内線端末DKT8に通知するようにしている。そして、この通知状態で、内線端末DKT8にてピックアップキーが押下された場合に、内線端末DKT8に対し内線端末DKT2に着信している呼を転送して着信させるようにしている。
【0041】
従って、内線端末DKT8のユーザは着信先の内線端末DKT2へ足を運んで確認に行くことなく、着信呼のピックアップに先立ち、内線端末DKT8にて発信者及び着信側の内線端末DKT2の状態を把握できるため、スムーズな電話の取次ぎが可能となる。
【0042】
また、上記第1の実施形態では、内線端末DKT8によるピックアップ後に、内線端末DKT8の内線番号と、発信者情報、内線端末DKT2の内線番号及び離席理由情報の受信履歴に関するピックアップ履歴情報とを対応付けてピックアップ履歴テーブル152に記憶しておくことで、内線端末DKT2のユーザが在席したときに、内線端末DKT8のユーザは内線端末DKT2のユーザに対しピックアップ履歴テーブル152に記憶されたピックアップ履歴情報に基づいて報告することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
図8は、この発明の第2の実施形態に係わる交換システムの構成を示すブロック図である。なお、図8において、上記図1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
この第2の実施形態では、記憶部15に登録方法テーブル153を設けるようにしている。この登録方法テーブル153には、図9に示すように、内線端末DKT1〜DKTmの内線番号と、離席理由テーブル151への離席理由情報の登録方法を指定する情報との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0045】
離席理由テーブル151への離席理由情報の登録方法には、例えば内線端末DKT1〜DKTmごとにユーザの登録操作により個別に登録する方法と、特定の内線端末DKT6においてユーザの登録操作により一括して登録する方法とがある。
【0046】
いま例えばある会議グループに属する内線端末DKT6のユーザが会議を実施する際に、内線端末DKT6において離席による理由情報「会議中」を離席理由テーブル151に登録する操作を行なったとする。そうすると、中央制御部14のテーブル作成部141は、登録方法テーブル153を参照して、例えば会議メンバーの内線端末DKT4〜DKT9について離席による理由情報「会議中」を離席理由テーブル151に一括して登録する。
【0047】
以上のように上記第2の実施形態によれば、内線番号と離席理由テーブル151への離席による理由情報の登録方法とを対応付けた登録方法テーブル153を記憶部15に設けることで、例えば各内線端末DKT1〜DKTmごとに、個々の内線端末の登録操作により内線番号と離席による理由情報とを対応付けて離席理由テーブル151へ登録したり、また特定の内線端末DKT6における登録操作により会議メンバーとなる内線端末DKT4〜DKT9の内線番号と理由情報とを一括して離席理由テーブル151へ登録する等、各内線端末DKT1〜DKTmごとにその使用状況に適した登録を行うことができる。
【0048】
(その他の実施形態)
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記第1の実施形態では、ピックアップ実行後に、ピックアップ履歴テーブルへの登録を行う例について説明したが、これに限ることなく、例えば着信情報の要求操作後に、ピックアップ履歴テーブルへの登録を行うものであってもよい。
【0049】
その他、システムの構成及び種類、PBXの機能構成、テーブルの記憶内容、離席理由登録制御手順及びその内容、ピックアップ制御手順及びその内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0050】
1…PBX、11…外線インタフェース部(外線I/F)、12…内線インタフェース部(内線I/F)、13…タイムスイッチ(TSW)、14…中央制御部、15…記憶部、16…制御バス(DHW)、17…音声バス(PCMHW)、141…テーブル作成部、142…着信情報通知部、143…ピックアップ制御部、144…ピックアップ履歴通知部、151…離席理由テーブル、152…ピックアップ履歴テーブル、153…登録方法テーブル、DKT1〜DKTm…内線端末、PNW…公衆網、TT1…外部端末、SL…加入者線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話端末を収容する電話交換装置において、
前記複数の電話端末のうち第1の電話端末にて離席時に理由情報が入力された場合に、前記理由情報を前記第1の電話端末を特定する端末識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記第1の電話端末への着信時に前記第1の電話端末とは異なる第2の電話端末にて着信情報を表示するための要求操作がなされた場合に、着信中にある前記第1の電話端末の端末識別情報に基づき前記記憶手段を参照し、前記第1の電話端末の端末識別情報に対応する理由情報が記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び前記記憶手段に記憶されている前記第1の電話端末の端末識別情報及び前記理由情報を前記第2の電話端末に通知する通知手段と、
前記第2の電話端末に前記発信者情報、前記第1の電話端末の端末識別情報及び前記理由情報を通知している状態で前記第2の電話端末にて前記第1の電話端末に着信している呼をピックアップする操作がなされた場合に、前記第2の電話端末に対し着信制御を行うピックアップ制御手段とを具備したことを特徴とする電話交換装置。
【請求項2】
ピックアップ操作がなされた前記第2の電話端末を特定する端末識別情報と、前記発信者情報、前記第1の電話端末の端末識別情報及び前記理由情報の受信履歴に関するピックアップ履歴情報とを対応付けて記憶する履歴情報記憶手段と、
前記第2の電話端末にてピックアップ履歴情報の表示要求操作がなされた場合に、前記履歴情報記憶手段を参照して、前記第2の電話端末に対し対応するピックアップ履歴情報を通知する履歴情報通知手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電話交換装置。
【請求項3】
前記複数の電話端末ごとに前記記憶手段への前記理由情報の登録方法を表すデータを記憶する登録方法記憶手段と、
各電話端末に対する前記理由情報の登録を、前記登録方法記憶手段を参照して、該当する登録方法により行う登録制御手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電話交換装置。
【請求項4】
複数の電話端末を収容する電話交換装置で使用される制御方法において、
前記複数の電話端末のうち第1の電話端末にて離席時に理由情報が入力された場合に、前記理由情報を前記第1の電話端末を特定する端末識別情報に対応付けて記録媒体に記憶しておき、
前記第1の電話端末への着信時に前記第1の電話端末とは異なる第2の電話端末にて着信情報を表示するための要求操作がなされた場合に、着信中にある前記第1の電話端末の端末識別情報に基づき前記記録媒体を参照し、
前記第1の電話端末の端末識別情報に対応する理由情報が記憶されている場合に、発信元を特定する発信者情報及び前記記録媒体に記憶されている前記第1の電話端末の端末識別情報及び前記理由情報を前記第2の電話端末に通知し、
前記第2の電話端末に前記発信者情報、前記第1の電話端末の端末識別情報及び前記理由情報を通知している状態で前記第2の電話端末にて前記第1の電話端末に着信している呼をピックアップする操作がなされた場合に、前記第2の電話端末に対し着信制御を行うことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−177794(P2010−177794A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15699(P2009−15699)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】