電話制御装置、電話システム、および転送制御方法
【課題】電話制御装置から無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供する。
【解決手段】転送通知確認部15により、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での操作に応じて無線電話端末20から携帯網50を介して通知された転送通知から転送先情報を取得し、接続要求確認部16により、当該操作に応じて無線電話端末20で行われた携帯網50での電話発信による着信に基づき無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、呼制御部17により、転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、無線電話端末20への応答により形成される端末通話路と、転送先情報と対する内線電話端末19への内線呼出で形成される内線通話路とを中継接続する。
【解決手段】転送通知確認部15により、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での操作に応じて無線電話端末20から携帯網50を介して通知された転送通知から転送先情報を取得し、接続要求確認部16により、当該操作に応じて無線電話端末20で行われた携帯網50での電話発信による着信に基づき無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、呼制御部17により、転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、無線電話端末20への応答により形成される端末通話路と、転送先情報と対する内線電話端末19への内線呼出で形成される内線通話路とを中継接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関し、特に携帯網を介して電話システムと接続した無線電話端末に対して、内線電話端末と同様の電話サービスを提供するための電話制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の内線電話端末を電話網に対して交換接続するボタン電話装置やPBXなどの電話制御装置を備える電話システムは、電話制御装置と内線回線を介して接続された各内線電話端末に対して、電話網からの外線回線を共用した外線発信、外線着信、外線通話、および外線保留、内線回線を用いた内線電話端末間での内線通話、電話網を用いた任意の内線電話端末での外線通話を他の内線電話端末へ転送する内線転送、電話帳機能などの各種付加機能の利用など、各種の電話サービスを提供する機能を有している。
【0003】
従来、このような電話システムにおいて、無線通信を介して携帯電話端末などの無線電話端末と接続し、この無線電話端末に対して電話制御装置から内線電話端末と同様の電話サービスを提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
この技術は、電話制御装置と内線回線を介して接続されている内線電話端末に無線通信機能を設けて、この無線通信機能により無線電話端末と接続するようにしたものである。
【0004】
これにより、電話制御装置と無線電話端末との間で制御メッセージや音声データをやり取りでき、内線電話端末と同様に、各種の電話サービスを無線電話端末に提供することが可能となる。
したがって、電話システムからの内線回線が届いていない場所でも、さらには内線回線を介して電話制御装置と接続することなく、無線電話端末から電話システムの電話サービスを利用できる。また、無線電話端末による外線通話料金の個別負担を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−294969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術では、携帯網を介して電話制御装置に接続される無線電話端末に対する電話サービスとして、電話制御装置で保留されている相手電話端末との音声通話を、無線電話端末が内線電話端末との音声通話を経て、当該内線電話端末へ転送する通話転送サービスを提供する場合、転送先となる内線電話端末と無線電話端末との間で音声通話を行って転送に関する内容を音声で伝えることになるため、電話制御装置と無線電話端末との間の無線データ通信で音声通話のための音声データをやり取りすることになる。
【0007】
通常、音声通話を行う場合、大容量の音声データをリアルタイムでやり取りする必要がある。このため、例えば無線LANなどの比較的通信帯域の大きい無線回線を介して、電話制御装置と無線電話端末との間でVoIPなどのIP通信を行う方法が考えられる。また、無線電話端末からプロバイダの無線LANアクセスポイントに接続して、インターネット経由で電話制御装置とIP通信を行う方法も考えられる。
【0008】
しかしながら、このような無線データ通信は、通信帯域や遅延特性が保証されていないベストエフォート型通信であり、送信電力も小さいことから、利用可能な通信帯域が変動しやすい。このため、電話制御装置から無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することができないという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電話制御装置から無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供できる電話制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話制御装置は、内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した内線電話端末による通話を実現する電話制御装置であって、無線電話端末から携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網または携帯網を介して接続されて電話制御装置で保留されている相手電話端末を内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末へ配信する配信部と、無線電話端末で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認部と、転送操作に応じた無線電話端末での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する接続要求確認部と、転送通知確認部による転送先情報の取得、および接続要求確認部による通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末との相手通話路と内線通話路とを中継接続する呼制御部とを備えている。
【0011】
この際、無線電話端末ごとに、当該無線電話端末の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶する記憶部をさらに備え、呼制御部で、内線通話路と端末通話路とを中継接続する際、転送通知確認部による転送先情報の取得と、接続要求確認部による通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、無線端末情報に基づいて、転送通知に含まれる端末識別情報と端末着信時に携帯網から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末のものであることが確認された場合に、内線通話路と端末通話路とを中継接続するようにしてもよい。
【0012】
また、転送通知確認部で、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、無線電話端末での電話発信時に、無線電話端末から携帯網へ送信された発信要求メッセージに付加された転送先情報を、端末着信時に携帯網から通知された応答通知メッセージから取得するようにしてもよい。
【0013】
また、呼制御部で、端末着信に応答して無線電話端末との間の端末通話路を形成し、転送通知確認部で、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末から受信したDTMF信号から転送先情報を取得するようにしてもよい。
【0014】
また、接続要求確認部で、通話路接続要求を確認する際、端末着信に代えて、転送通知に含まれる無線電話端末の端末識別情報により通話路接続要求を確認し、呼制御部で、中継接続を行う際、端末着信への応答により形成される端末通話路に代えて、端末識別情報で特定される無線電話端末へ携帯網で電話発信して形成した端末通話路を相手通話路と中継接続するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明にかかる電話システムは、前述したいずれか1つの電話制御装置と、内線回線を介して電話制御装置に接続された複数の内線電話端末とを含む。
【0016】
また、本発明にかかる転送制御方法は、内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した内線電話端末による通話を実現する電話制御装置で用いられる発信制御方法であって、無線電話端末から携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網または携帯網を介して接続されて電話制御装置で保留されている相手電話端末を内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末へ配信する配信ステップと、無線電話端末で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認ステップと、転送操作に応じた無線電話端末での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する端末要求確認ステップと、転送通知確認ステップによる転送先情報の取得、および端末要求確認ステップによる通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末との相手通話路と内線通話路とを中継接続する呼制御ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電話制御装置で保留されている相手電話端末との音声通話を、無線電話端末が内線電話端末との音声通話を経て、当該内線電話端末へ転送する通話転送サービスを提供する場合、無線電話端末と内線電話端末との音声通話路のうち、無線電話端末と電話制御装置との間の端末通話路については、携帯網を用いた通話路で形成される。したがって、ベストエフォート型であるIP通信を用いて端末通話路を形成した場合と比較して、安定した通話品質を得ることができる。このため、電話システムから無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】通話中画面の構成例である。
【図3】保留中画面の構成例である。
【図4】転送画面の構成例である。
【図5】転送中画面の構成例である。
【図6】無線端末情報の構成例である。
【図7】第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作(続き)を示すシーケンス図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【図10】第3の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電話システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
この電話システム1は、ボタン電話システムやPBXシステムなどの電話システムからなり、内線回線L0を介して接続した複数の内線電話端末19と、これら内線電話端末19を、電話回線L1や無線回線L2などの外線回線を介して、電話網40や携帯網50に交換接続することにより、電話網40や携帯網50を介した内線電話端末19による通話を実現する電話制御装置10とから構成されている。電話システム1は、携帯網50を介して接続した無線電話端末20に対して、内線電話端末19と同様の電話サービスを提供する機能を有している。
【0021】
無線電話端末20は、スマートフォン、携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)など、携帯網50を介して音声通話やデータ通信が可能な無線通信端末である。
相手電話端末30は、電話網40または携帯網50、あるいはこれら両方に接続されて、電話制御装置10との間で音声通話を行う電話装置である。
電話網40は、公衆電話網(PSTN)、ISDN網、さらにはIP電話網など、有線通信により音声通話やデータ通信が可能な通信網である。携帯網50は、第3世代移動通信システム(3G:3rd Generation)に代表されるような、無線通信により音声通話やデータ通信が可能な通信網である。
【0022】
本実施の形態は、電話制御装置10で、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末20へ配信し、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得し、転送操作に応じた無線電話端末20での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線呼出し、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末19と当該無線電話端末20との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末30との相手通話路と内線通話路とを中継接続するようにしたものである。
【0023】
[電話制御装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
電話制御装置10は、ボタン電話システムの主装置、PBX、さらにはIP電話サーバなどの電話制御装置からなり、内線回線L0を介して接続した複数の内線電話端末19を電話網40や携帯網50に対して交換接続することにより、電話網40や携帯網50を介した内線電話端末19による通話を実現する機能と、内線電話端末19に対して各種の電話サービスを提供する機能と、携帯網50を介して接続した無線電話端末20に対して、内線電話端末19と同様の電話サービスを提供する機能とを有している。
【0024】
電話制御装置10には、主な機能部として、網インターフェース部(以下、網I/F部という)11、内線インターフェース部(以下、内線I/F部という)12、スイッチ部13、配信部14、転送通知確認部15、接続要求確認部16、呼制御部17、および記憶部18が設けられている。
【0025】
網I/F部11は、専用の通信回路を有し、電話網40からの電話回線L1を介して、電話網40や相手電話端末30との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声信号または音声データをやり取りする機能と、携帯網50からの無線回線L2を介して、携帯網50や無線電話端末20との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声データをやり取りする機能と、無線回線L2および携帯網50を介して無線電話端末20との間でデータ通信を行う機能とを有している。
【0026】
内線I/F部12は、専用の通信回路を有し、LANや内線伝送路などの内線回線L0を介して内線電話端末19との間で、各種制御コマンドや音声通話のための音声データをやり取りする機能を有している。
【0027】
スイッチ部13は、専用のスイッチ回路からなり、呼制御部17からの指示に応じて、網I/F部11と内線I/F部12との間でやり取りする音声データを交換接続する機能を有している。
【0028】
配信部14は、無線電話端末20から携帯網50を介したHTTPなどのデータ通信により通知された画面要求に応じて、当該画面要求と対応するHTML形式のWeb画面を記憶部18から読み出して配信する機能と、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送画面要求に応じて、携帯網50を介したデータ通信により、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面からなる転送画面を無線電話端末20へ配信する機能とを有している。
【0029】
図2は、通話中画面の構成例である。ここでは、音声通話中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、音声通話を切断して終了するための切断ボタンのシンボル、さらには当該音声通話を電話制御装置10で保留するための保留ボタンのシンボルや、音声通話の内容を録音するための通話録音ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0030】
図3は、保留中画面の構成例である。ここでは、音声通話が保留中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、音声通話を切断して終了するための切断ボタンのシンボル、さらには当該音声通話を内線電話端末19のいずれかに通話転送するための転送選択ボタンのシンボルや、電話制御装置10で保留中の相手電話端末30に再度応答して音声通話を再開するための再応答ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0031】
図4は、転送画面の構成例である。ここでは、転送先の電話番号を操作入力するためのダイヤルボタンのシンボルや、操作入力した転送先への転送を指示するための転送ボタンのシンボルなどが配置されている。
図5は、転送中画面の構成例である。ここでは、転送中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、転送処理を中止するための中止ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0032】
転送通知確認部15は、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送通知から、当該転送操作に応じて転送先を指示する転送先情報を取得する機能を有している。この際に用いるデータ通信としては、例えばHTTPのGETメソッドやPOSTメソッドなどを用いればよい。
【0033】
接続要求確認部16は、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に応じて当該無線電話端末20で行われた、携帯網50での電話発信に基づいて、携帯網50から電話制御装置10へ通知された端末着信により、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する機能を有している。
【0034】
呼制御部17は、網I/F部11を介して電話網40や携帯網50との間で各種呼制御メッセージをやり取りすることにより、電話回線L1や無線回線L2を用いた発信、着信、音声通話などの呼制御を行う機能と、内線I/F部12を介して内線電話端末19との間で各種制御コマンドをやり取りすることにより、内線電話端末19での発信、着信、音声通話などの動作を制御する機能と、スイッチ部13を制御することにより、網I/F部11で接続している音声通話路と内線I/F部12で接続している音声通話路とを交換接続する機能とを有している。
【0035】
また、呼制御部17は、転送通知確認部15による転送先情報の取得、および接続要求確認部16による通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線I/F部12から内線回線L0を介して内線呼出する機能と、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続する機能と、この中継接続を行う際、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認が一定時間内に行われた場合であって、かつ、記憶部18の無線端末情報に基づいて、転送通知に含まれる端末識別情報と端末着信時に携帯網50から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、当該中継接続を行う機能とを有している。
【0036】
また、呼制御部17は、上記中継接続により実現された内線電話端末19と無線電話端末20との音声通話の切断(終話)に応じて、転送通知確認部15により転送通知で確認した端末IDと対応して網I/F部11で保留されている相手電話端末30との相手通話路と、無線電話端末20と音声通話をしていた内線電話端末19の内線通話路とを中継接続することにより、相手電話端末30との音声通話を無線電話端末20から内線電話端末19へ転送する機能とを有している。
【0037】
記憶部18は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部での処理動作に用いる各種処理情報やCPUで実行するプログラムを記憶する機能を有している。主な処理情報として、無線端末情報がある。図6は、無線端末情報の構成例である。ここでは、予め電話システム1に接続許可されている無線電話端末20ごとに、当該無線電話端末20の端末ID(端末識別情報)および携帯電話番号が登録されている。端末IDとしては、予め当該無線電話端末20に付与された個別の識別番号や内線電話番号、さらには利用者が設定したニックネームや名前などを用いればよい。
これら機能部のうち、配信部14、転送通知確認部15、接続要求確認部16、および呼制御部17は、CPUとプログラムとが協働することにより実現される。
【0038】
[無線電話端末]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる無線電話端末20の構成について説明する。
無線電話端末20は、スマートフォン、携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)など、携帯網50を介して音声通話やデータ通信が可能な無線通信端末であり、特に、Web画面を画面表示し、Web画面上での操作に応じてデータ通信を行うブラウザ機能を有している。
【0039】
無線電話端末20には、主な機能部として、無線インターフェース部(以下、無線I/F部という)21、音声処理部22、画面表示部23、操作入力部24、制御部25、ブラウザ部26、および記憶部27が設けられている。
【0040】
無線I/F部21は、専用の無線通信回路を有し、携帯網50からの無線回線L3を介して、携帯網50や電話制御装置10との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声データをやり取りする機能と、無線回線L3および携帯網50を介して電話制御装置10との間でデータ通信を行う機能とを有している。
【0041】
音声処理部22は、無線I/F部21で受信した音声データを復号して得られた音声信号をスピーカ(図示せず)から出力する機能と、マイク(図示せず)から入力された音声信号を符号化して得られた音声データを無線I/F部21へ出力する機能と、制御部25からの指示に応じて、着信音やDTMF信号などの各種音声信号をスピーカや音声通話路へ出力する機能とを有している。
【0042】
画面表示部23は、LCDなどの画面表示装置からなり、制御部25からの指示に応じて、電話制御装置10から配信されたWeb画面などの各種のデータを画面表示する機能を有している。
操作入力部24は、画面表示部23の画面上に配置されたタッチパネルや各種操作キーからなり、利用者の操作を検出する機能を有している。
【0043】
制御部25は、無線I/F部21を介して携帯網50との間で各種呼制御メッセージをやり取りすることにより、各機能部を制御して、無線回線L3を用いた発信、着信、音声通話などを実現するための呼制御を行う機能を有している。
【0044】
ブラウザ部26は、無線I/F部21から携帯網50を介して電話制御装置10との間でHTTPなどのデータ通信を行う機能と、このデータ通信により電話制御装置10から配信されたWeb画面を画面表示部23で画面表示する機能と、操作入力部24で検出されたWeb画面上での操作に応じて各種情報をデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能とを有している。
【0045】
また、ブラウザ部26は、電話制御装置10からWeb画面として配信された転送画面上での転送操作が操作入力部24で検出された場合、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、転送画面上で入力された転送先電話番号と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送通知メッセージを送信する機能と、当該転送操作が操作入力部24で検出された場合、携帯網50を介した電話制御装置10との端末通話路を形成するため、制御部25に対して携帯網50を用いた電話制御装置10への電話発信を要求する機能とを有している。転送通知メッセージに付加する端末IDについては、電話制御装置10から配信する着信通知画面に、予め設定しておいてもよい。
【0046】
また、ブラウザ部26は、電話制御装置10からWeb画面として配信された通話中画面上での保留操作に応じて、当該通話中画面で通知された通話相手情報からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む保留通知メッセージを、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能と、電話制御装置10からWeb画面として配信された保留中画面上での転送選択操作に応じて、当該通話中画面で通知された通話相手情報からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送画面要求メッセージを、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能と、電話制御装置10からWeb画面として配信された転送中画面上での切断操作に応じて、携帯網50を介した電話制御装置10との端末通話路を切断するため、制御部25に対して端末通話路の切断を要求する機能とを有している。
【0047】
記憶部27は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。主な処理情報としては、自端末の携帯電話番号のほか、予め登録された端末ID(端末識別情報)がある。
これら機能部のうち、制御部25およびブラウザ部26は、CPUとプログラムとが協働することにより実現される。
【0048】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図7および図8を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図7は、第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。図8は、第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作(続き)を示すシーケンス図である。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。
【0049】
まず、電話網40を介して接続されている相手電話端末30との相手通話路と、携帯網50を介して接続されている無線電話端末20との端末通話路とが、電話制御装置10のスイッチ部13で中継接続されて、相手電話端末30と無線電話端末20とが電話制御装置10を介して音声通話しているものとする(ステップ100)。また、この音声通話の開始時に、通話状態を示す通話中画面が記憶部18から読み出され、電話制御装置10の配信部14から、携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信されており、無線電話端末20のブラウザ部26では、この通話中画面を画面表示部23で表示しているものとする(ステップ101)。
【0050】
この際、この中継接続については、例えば無線電話端末20からの発信要求に応じて、電話制御装置10の呼制御部17が電話網40から相手電話端末30へ音声発信し、これら相手通話路と端末通話路とを中継接続してもよい。あるいは、電話網40から通知された相手電話端末30からの着信に応じて、電話制御装置10の呼制御部17が携帯網50から無線電話端末20へ音声発信し、これら相手通話路と端末通話路とを中継接続してもよい。
【0051】
このような音声通話中において、この音声通話を電話制御装置10で保留して任意の内線電話端末19へ通話転送する場合、まず、利用者は、無線電話端末20で表示されている通話中画面上で保留操作を行う。
無線電話端末20の操作入力部24で、通話中画面上で保留操作が検出された場合(ステップ110)、ブラウザ部26は、無線I/F部21から携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、通話中画面で通知された通話相手情報の相手電話番号からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む保留通知メッセージを送信する(ステップ111)。
【0052】
電話制御装置10の呼制御部17は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの保留通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれている端末IDに基づき要求元となる無線電話端末20を確認するとともに(ステップ112)、このメッセージに含まれている保留対象情報に基づいて保留すべき相手電話番号を確認する(ステップ113)。この際、後述の処理のため、端末IDと保留対象情報との対応関係を記憶部18へ保存しておいてもよい。
続いて、呼制御部17は、端末通話路を切断するための切断メッセージを、網I/F部11から携帯網50へ送信する(ステップ114)。これにより、携帯網50から無線電話端末20へ切断メッセージが通知され、端末通話路が切断される。
【0053】
これと並行して、呼制御部17は、スイッチ部13を制御して、保留対象として確認した相手電話端末30との相手通話路を、無線電話端末20との端末通話路から切り離し、スイッチ部13に設けられている保留トランクへ切替接続することにより、相手電話端末30を保留状態とする。これにより、保留トランクからの保留音が電話網40を介して相手電話端末30へ送出される(ステップ115)。
この後、配信部14は、記憶部18から保留中画面を読み出し(ステップ116)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ117)。
【0054】
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの保留中画面を画面表示部23で表示する(ステップ118)。
ここで、利用者により保留中画面で転送機能を選択する転送選択操作が行われた場合(ステップ120)、操作入力部24による転送選択操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、保留中画面で通知された保留対象情報と、記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送画面要求メッセージを送信する(ステップ121)。
【0055】
電話制御装置10の配信部14は、無線電話端末20からの転送画面要求メッセージに応じて、記憶部18から転送画面を読み出し(ステップ122)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ123)。
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの転送画面を画面表示部23で表示する(ステップ124)。
【0056】
ここで、利用者により転送画面で転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号が入力されて転送操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、入力された転送先電話番号からなる転送先情報と、記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送通知メッセージを送信する(ステップ131)。
【0057】
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認するとともに(ステップ132)、当該メッセージに含まれる転送先情報、すなわち内線電話番号を取得することにより転送先を確認する(ステップ133)。
【0058】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ134)。この際、電話制御装置10の配信部14で転送画面を生成するときに、例えばHTMLのAnchorタグやInputタグなどの機能を用いて、図2に示した転送通知画面の転送ボタンに、予め電話制御装置10の電話番号を登録しておけば、転送ボタンの操作に応じて自動的に制御部25へ発信要求が通知される。
【0059】
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号と自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ135)。
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、着信通知メッセージを送信する(ステップ136)。
【0060】
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの着信通知メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ137)。
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ132で確認した端末IDと、ステップ137で確認した発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであるかどうか確認する。
【0061】
ここで、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合、呼制御部17は、転送元として確認した端末IDで特定される無線電話端末20からの端末着信に対する応答メッセージを、網I/F部11から携帯網50へ送信することにより、携帯網50を介した無線電話端末20との端末通話路を形成する(ステップ140)。
なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、端末通話路の形成、さらにはその後の転送処理動作は行わない。
【0062】
この後、電話制御装置10の呼制御部17は、スイッチ部13を制御して、転送先を呼出中である旨を示す呼出音を端末通話路へ送出する(ステップ141)。これにより、無線電話端末20の音声処理部22から、呼出音が出力される(ステップ142)。
【0063】
また、電話制御装置10の配信部14は、記憶部18から転送中画面を読み出し(ステップ143)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ144)。
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの転送中画面を画面表示部23で表示する(ステップ145)。
【0064】
続いて、電話制御装置10の呼制御部17は、ステップ113で確認した転送先である内線電話号と対応する内線電話端末19に対して、内線I/F部12から内線回線L0を介して内線呼出メッセージを送信する(ステップ150)。
内線電話端末19は、この内線呼出に応じて内線着信表示を行い、転送先利用者による応答操作に応じて(ステップ151)、内線応答メッセージを返送する(ステップ152)。これにより、内線電話端末19との間で内線通話路が形成される。
【0065】
この後、電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして内線回線L0を介して内線電話端末19との間で形成した内線通話路と、無線電話端末20との端末通話路とをスイッチ部13で中継接続する(ステップ153)。これにより、内線電話端末19と無線電話端末20との間で音声通話が開始され(ステップ154)、無線電話端末20の利用者から内線電話端末19の転送先利用者に対して、相手電話端末30との通話を転送する旨が音声通話により通知される。
【0066】
ここで、利用者により転送中画面で、内線電話端末19との音声通話を終話するための切断操作が行われた場合(ステップ160)、無線電話端末20の制御部25は、操作入力部24による切断操作の検出に応じた、ブラウザ部26からの切断要求に応じて、携帯網50を用いた無線電話端末20との端末通話路を切断するための切断メッセージを、携帯網50へ送信する(ステップ161)。
【0067】
また、電話制御装置10の呼制御部17は、無線電話端末20との端末通話路の切断を示す携帯網50からの切断メッセージに応じて、スイッチ部13を制御して、内線電話端末19の内線通話路を無線電話端末20の端末通話路から切り離すとともに、ステップ113で保留対象として確認した相手電話端末30との相手通話路を、保留トランクから切り離し、これら内線通話路と相手通話路とを中継接続する(ステップ162)。
これにより、電話制御装置10を介して、内線電話端末19と相手電話端末30との音声通話が開始される(ステップ163)。
【0068】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10において、配信部14により、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末20へ配信し、転送通知確認部15により、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得するようにしたものである。
【0069】
また、接続要求確認部16により、応答操作に応じた無線電話端末20での電話発信に基づいて携帯網50から通知された端末着信により、当該無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、呼制御部17により、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線呼出し、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末19と当該無線電話端末20との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末30との相手通話路と内線通話路とを中継接続するようにしたものである。
【0070】
これにより、電話網40や携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、内線電話端末19のいずれかへ転送するための通話転送サービスを提供する場合、無線電話端末20と内線電話端末19とを接続する音声通話路のうち、無線電話端末20と電話制御装置10との間の端末通話路については、携帯網50を用いた通話路で形成される。したがって、ベストエフォート型であるIP通信を用いて端末通話路を形成した場合と比較して、安定した通話品質を得ることができる。このため、電話システム1から無線電話端末20に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することが可能となる。
【0071】
この際、電話制御装置10では、無線電話端末20からの要求に応じて、任意の内線電話端末19を内線呼出する場合、内線電話端末19の内線電話番号などの転送先情報が必要となる。このため、電話制御装置10において内線電話端末19を内線呼出する前に、無線電話端末20から電話制御装置10へ、転送先となる内線電話端末19を識別するための転送先情報を通知しておく必要がある。
【0072】
しかしながら、携帯網50の音声通話サービスを利用して、無線電話端末20から電話制御装置10へ電話発信して端末通話路を形成する場合、無線電話端末20から送出する発信先電話番号はあくまでも電話制御装置10の電話番号である。このため、端末通話路形成のための電話発信で、本来の内線呼出先である内線電話端末19に関する転送先情報が、無線電話端末20から電話制御装置10へ通知されないという問題点がある。
【0073】
これに対して、本実施の形態では、携帯網50の音声通話サービスとデータ通信サービスとを併用できることに着目し、無線電話端末20での発信操作に応じて、携帯網50の音声通話サービスを利用して、電話制御装置10へ端末通話路形成のための電話発信を行う動作と並行して、携帯網50のデータ通信サービスを利用して、無線電話端末20から電話制御装置10へ、転送先となる内線電話端末19を識別するための転送先情報を通知するようにしたものである。
【0074】
これにより、無線電話端末20での発信操作に応じて、端末通話路の形成と転送先を示す転送先情報の通知とを一括して行うことができる。
したがって、無線電話端末20の利用者に対して操作負担を与えることなく、無線電話端末20と電話制御装置10との間の端末通話路を携帯網50で容易に形成することができる。このため、結果として、使い勝手が良くなり、電話サービスをスムーズに利用することが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態では、無線電話端末20からの転送画面要求に応じて、電話制御装置10の配信部14により転送画面を配信し、無線電話端末20で画面表示された、この転送画面での転送操作に基づいて、当該無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送通知から、転送通知確認部15より転送先情報を取得するようにしたものである。
【0076】
これにより、無線電話端末20は、電話制御装置10から配信されたWeb画面を画面表示し、利用者によるWeb画面上での操作に応じて任意のデータを電話制御装置10へ送信するという、一般的なブラウザ機能を動作させるだけで、携帯網50を介して転送通知を電話制御装置10へ通知することができる。
【0077】
一般的な電話システムでは、電話制御装置から無線電話端末に対して、内線電話端末と同様の電話サービスを提供する際、無線電話端末との間で制御メッセージをやり取りすることになる。
しかしながら、無線電話端末の動作を制御する際に用いる制御メッセージは、例えば内線電話端末との間でやり取りする制御データと同様に、当該電話システムで定義したものである。これは、当該電話システムが持つ独自の機能を制御するのに必要とされるからである。
【0078】
例えば、無線電話端末から電話制御装置の外線回線を利用して外線発信する場合、無線電話端末での利用者操作に応じて、所定の制御メッセージを電話制御装置へ送信するものとなる。この際、無線電話端末から電話制御装置へ送信する制御メッセージには、当該制御メッセージが外線発信を要求するメッセージであること、自端末の電話番号、発信先の電話番号など、各種のデータを格納する必要がある。このため、電話制御装置で用いる制御メッセージの内部構成にあわせて、無線電話端末で制御メッセージを生成して送信する必要がある。
【0079】
したがって、市販されている一般的な携帯電話端末などの無線電話端末が持つ標準的な機能では、電話システム独自の制御メッセージに基づいて、電話制御装置へアクセスすることができず、また電話制御装置からの制御メッセージに基づいて、無線電話端末の動作を制御することができない。
【0080】
このような場合には、電話システム独自の制御メッセージに基づいて無線電話端末を動作させるための機能を無線電話端末に追加する必要があり、具体的には電話システムと接続するための特別なプログラムを作成して、予め無線電話端末にインストールする必要があった。また、携帯電話サービス提供者ごとに、それぞれの携帯電話端末で実行可能なプログラム言語が異なることから、これら言語ごとにプログラムを作成する必要があった。このため、一般的な市販の無線電話端末から電話システムの電話サービスを容易に利用することができないという問題点があった。
【0081】
本願発明によれば、電話サービスを利用する際の操作に用いるWeb画面が電話制御装置10から無線電話端末20へ配信されるため、ブラウザ機能を搭載した、一般的な市販の無線電話端末20から電話システム1の電話サービスを容易に利用することができる。また、ブラウザ機能は、HTTPやHTMLなどの規格に準拠するものであり、各携帯電話サービス提供者の携帯電話端末に搭載されているいずれのブラウザ機能も、互いに共通した機能を備えている。
【0082】
これにより、無線電話端末20に特別なアプリケーションをインストールする必要がなくなり、無線電話端末20の利用者が負担するインストール作業を省くことができる。また、特別なアプリケーションの開発にかかるコストを省くことができ、携帯電話サービス提供者ごとに、異なる言語でプログラムを作成する必要もなくなる。したがって、電話サービスの運用コストを大幅に削減することが可能となる。
【0083】
また、無線電話端末20におけるWeb画面上での応答操作に応じて、電話制御装置10に対して、携帯網50を介したHTTPなどのデータ通信により転送通知を通知することができる。このため、電子メールなど蓄積型のデータ通信で転送通知を通知する場合と比較して、端末通話路形成のための電話発信に遅れることなく、迅速に転送通知を通知することができる。したがって、無線電話端末20の利用者が、Web画面上で転送ボタンを操作するという簡素な操作で、極めてスムーズに電話サービスを利用することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、電話制御装置10において、無線電話端末20ごとに、当該無線電話端末20の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶部18で記憶しておき、呼制御部17で、内線電話端末19の内線通話路と無線電話端末20との端末通話路を中継接続する際、転送通知確認部15による転送先情報の取得と、接続要求確認部16による通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、記憶部18の無線端末情報に基づいて、無線電話端末20からの転送通知に含まれる端末識別情報と、携帯網50からの着信時に通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、内線電話端末19に中継接続を行うものとなっている。
【0085】
これにより、電話制御装置10において、同一の無線電話端末20からの転送通知と着信とを正確に識別することができる。したがって、複数の無線電話端末20から同時期にそれぞれの転送通知が届いた場合や、携帯網50からの端末着信が同時期に複数発生した場合でも、転送通知で通知された転送先情報に基づき特定される内線電話端末19側の内線通話路と、端末着信に応答して形成した無線電話端末20側の端末通話路とを、正確に中継接続することができる。
【0086】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
第1の実施の形態では、無線電話端末20から電話制御装置10に対して、内線電話端末19の転送先情報を通知する際、携帯網50のデータ通信サービスを用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、携帯網50のデータ通信サービスに代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージに付加されるパラメータ(付加情報)を利用して転送先情報を通知する場合について説明する。
【0087】
本実施の形態において、電話制御装置10の転送通知確認部15は、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの転送通知に代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージに、サブアドレスなどのパラメータとして付加された転送先情報を、携帯網50から通知された応答通知メッセージから取得する機能を有している。
電話制御装置10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0088】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。なお、ステップ130までの動作およびステップ140以降の動作については図8と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0089】
利用者の操作により、転送画面上で転送操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、記憶部27から読み出した自端末の端末IDを含む応答通知メッセージを送信する(ステップ200)。
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認する(ステップ201)。
【0090】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ202)。この際、ブラウザ部26は、発信要求メッセージに付加するパラメータとして、転送画面で入力された転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号からなる転送先情報を指定する。
【0091】
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号、および自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号と、ブラウザ部26から指定された転送先情報とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ203)。
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、応答通知メッセージを送信する(ステップ204)。
【0092】
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの応答通知メッセージに応じて、当該メッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ205)。
また、転送通知確認部15は、当該メッセージに含まれる転送先情報を取得することにより転送先を確認する(ステップ206)。
【0093】
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、転送元として確認した端末IDで特定される相手着信に対する応答メッセージを、網I/F部11から電話網40へ送信することにより、携帯網50を介した無線電話端末20との端末通話路を形成する(ステップ140)。
【0094】
この際、呼制御部17は、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ201で確認した端末IDと、ステップ205で確認した発信元電話番号とを比較し、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、応答メッセージを送信して端末通話路を形成する。なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、端末通話路の形成、さらにはその後の転送処理動作は行わない。
【0095】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10の転送通知確認部15で、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの転送通知に代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージにパラメータとして付加された転送先情報を、携帯網50から通知された着信通知メッセージから取得するようにしたので、HTTPなどのデータ通信に代えて、無線電話端末20から電話制御装置10へ転送先情報を通知することができる。
【0096】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
第1の実施の形態では、無線電話端末20から電話制御装置10に対して、相手電話端末30の転送先情報を通知する際、携帯網50のデータ通信サービスを用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、電話制御装置10から無線電話端末20との間で形成した端末通話路を介して、無線電話端末20から送信されたDTMF信号から転送先情報を取得する場合について説明する。
【0097】
本実施の形態において、電話制御装置10の呼制御部17は、無線電話端末20からの端末着信に応答して当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成する機能を有している。
また、転送通知確認部15は、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末20から受信したDTMF信号から転送先情報を取得する機能を有している。
電話制御装置10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0098】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。なお、ステップ130までの動作およびステップ141以降の動作については図8と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0099】
利用者の操作により、転送画面上で応答操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、記憶部27から読み出した自端末の端末IDを含む転送通知メッセージを送信する(ステップ300)。
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認する(ステップ301)。
【0100】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ302)。
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号と自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ303)。
【0101】
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、応答通知メッセージを送信する(ステップ304)。
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの応答通知メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ305)。
【0102】
ここで、呼制御部17は、この応答通知メッセージに対して直ちに応答メッセージを送信することにより当該端末着信に応答して、当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成する(ステップ310)。
これに応じて、無線電話端末20の制御部25は、電話制御装置10との間で携帯網50を介した端末通話路を形成し、ブラウザ部26から指定された転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号からなる転送先情報を、音声処理部22からDTMF信号により送信する(ステップ311)。
【0103】
電話制御装置10の転送通知確認部15は、無線電話端末20との間で形成した端末通話路を介して、無線電話端末20から送信されたDTMF信号から転送先を示す転送先情報を取得することにより転送先を確認する(ステップ312)。
【0104】
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、スイッチ部13を制御して、転送先を呼出中である旨を示す呼出音を相手通話路へ送出し(ステップ141)、これ以降の音声転送処理を実行する。
【0105】
この際、呼制御部17は、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ301で確認した端末IDと、ステップ304で確認した発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、無線電話端末20との間の端末通話路を形成、さらにはそれ以降の音声転送処理を実行する。なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、無線電話端末20との間の端末通話路を形成、さらにはそれ以降の音声転送処理は実行しない。
【0106】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10の呼制御部17で、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの着信に応答して当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成し、転送通知確認部15で、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末20から受信したDTMF信号から転送先情報を取得するようにしたので、HTTPなどのデータ通信や、携帯網50の呼制御メッセージのパラメータに代えて、無線電話端末20から電話制御装置10へDTMF信号で転送先情報を通知することができる。
【0107】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、矛盾しない範囲で、各実施形態を組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0108】
1…電話システム、10…電話制御装置、11…網I/F部、12…内線I/F部、13…スイッチ部、14…配信部、15…転送通知確認部、16…接続要求確認部、17…呼制御部、18…記憶部、19…内線電話端末、20…無線電話端末、21…無線I/F部、22…音声処理部、23…画面表示部、24…操作入力部、25…制御部、26…ブラウザ部、27…記憶部、30…相手電話端末、40…電話網、50…携帯網、L0…内線回線、L1…電話回線、L2,L3…無線回線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムに関し、特に携帯網を介して電話システムと接続した無線電話端末に対して、内線電話端末と同様の電話サービスを提供するための電話制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の内線電話端末を電話網に対して交換接続するボタン電話装置やPBXなどの電話制御装置を備える電話システムは、電話制御装置と内線回線を介して接続された各内線電話端末に対して、電話網からの外線回線を共用した外線発信、外線着信、外線通話、および外線保留、内線回線を用いた内線電話端末間での内線通話、電話網を用いた任意の内線電話端末での外線通話を他の内線電話端末へ転送する内線転送、電話帳機能などの各種付加機能の利用など、各種の電話サービスを提供する機能を有している。
【0003】
従来、このような電話システムにおいて、無線通信を介して携帯電話端末などの無線電話端末と接続し、この無線電話端末に対して電話制御装置から内線電話端末と同様の電話サービスを提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
この技術は、電話制御装置と内線回線を介して接続されている内線電話端末に無線通信機能を設けて、この無線通信機能により無線電話端末と接続するようにしたものである。
【0004】
これにより、電話制御装置と無線電話端末との間で制御メッセージや音声データをやり取りでき、内線電話端末と同様に、各種の電話サービスを無線電話端末に提供することが可能となる。
したがって、電話システムからの内線回線が届いていない場所でも、さらには内線回線を介して電話制御装置と接続することなく、無線電話端末から電話システムの電話サービスを利用できる。また、無線電話端末による外線通話料金の個別負担を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−294969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術では、携帯網を介して電話制御装置に接続される無線電話端末に対する電話サービスとして、電話制御装置で保留されている相手電話端末との音声通話を、無線電話端末が内線電話端末との音声通話を経て、当該内線電話端末へ転送する通話転送サービスを提供する場合、転送先となる内線電話端末と無線電話端末との間で音声通話を行って転送に関する内容を音声で伝えることになるため、電話制御装置と無線電話端末との間の無線データ通信で音声通話のための音声データをやり取りすることになる。
【0007】
通常、音声通話を行う場合、大容量の音声データをリアルタイムでやり取りする必要がある。このため、例えば無線LANなどの比較的通信帯域の大きい無線回線を介して、電話制御装置と無線電話端末との間でVoIPなどのIP通信を行う方法が考えられる。また、無線電話端末からプロバイダの無線LANアクセスポイントに接続して、インターネット経由で電話制御装置とIP通信を行う方法も考えられる。
【0008】
しかしながら、このような無線データ通信は、通信帯域や遅延特性が保証されていないベストエフォート型通信であり、送信電力も小さいことから、利用可能な通信帯域が変動しやすい。このため、電話制御装置から無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することができないという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電話制御装置から無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供できる電話制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話制御装置は、内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した内線電話端末による通話を実現する電話制御装置であって、無線電話端末から携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網または携帯網を介して接続されて電話制御装置で保留されている相手電話端末を内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末へ配信する配信部と、無線電話端末で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認部と、転送操作に応じた無線電話端末での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する接続要求確認部と、転送通知確認部による転送先情報の取得、および接続要求確認部による通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末との相手通話路と内線通話路とを中継接続する呼制御部とを備えている。
【0011】
この際、無線電話端末ごとに、当該無線電話端末の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶する記憶部をさらに備え、呼制御部で、内線通話路と端末通話路とを中継接続する際、転送通知確認部による転送先情報の取得と、接続要求確認部による通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、無線端末情報に基づいて、転送通知に含まれる端末識別情報と端末着信時に携帯網から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末のものであることが確認された場合に、内線通話路と端末通話路とを中継接続するようにしてもよい。
【0012】
また、転送通知確認部で、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、無線電話端末での電話発信時に、無線電話端末から携帯網へ送信された発信要求メッセージに付加された転送先情報を、端末着信時に携帯網から通知された応答通知メッセージから取得するようにしてもよい。
【0013】
また、呼制御部で、端末着信に応答して無線電話端末との間の端末通話路を形成し、転送通知確認部で、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末から受信したDTMF信号から転送先情報を取得するようにしてもよい。
【0014】
また、接続要求確認部で、通話路接続要求を確認する際、端末着信に代えて、転送通知に含まれる無線電話端末の端末識別情報により通話路接続要求を確認し、呼制御部で、中継接続を行う際、端末着信への応答により形成される端末通話路に代えて、端末識別情報で特定される無線電話端末へ携帯網で電話発信して形成した端末通話路を相手通話路と中継接続するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明にかかる電話システムは、前述したいずれか1つの電話制御装置と、内線回線を介して電話制御装置に接続された複数の内線電話端末とを含む。
【0016】
また、本発明にかかる転送制御方法は、内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した内線電話端末による通話を実現する電話制御装置で用いられる発信制御方法であって、無線電話端末から携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網または携帯網を介して接続されて電話制御装置で保留されている相手電話端末を内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末へ配信する配信ステップと、無線電話端末で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認ステップと、転送操作に応じた無線電話端末での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する端末要求確認ステップと、転送通知確認ステップによる転送先情報の取得、および端末要求確認ステップによる通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末との相手通話路と内線通話路とを中継接続する呼制御ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電話制御装置で保留されている相手電話端末との音声通話を、無線電話端末が内線電話端末との音声通話を経て、当該内線電話端末へ転送する通話転送サービスを提供する場合、無線電話端末と内線電話端末との音声通話路のうち、無線電話端末と電話制御装置との間の端末通話路については、携帯網を用いた通話路で形成される。したがって、ベストエフォート型であるIP通信を用いて端末通話路を形成した場合と比較して、安定した通話品質を得ることができる。このため、電話システムから無線電話端末に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】通話中画面の構成例である。
【図3】保留中画面の構成例である。
【図4】転送画面の構成例である。
【図5】転送中画面の構成例である。
【図6】無線端末情報の構成例である。
【図7】第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作(続き)を示すシーケンス図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【図10】第3の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電話システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
この電話システム1は、ボタン電話システムやPBXシステムなどの電話システムからなり、内線回線L0を介して接続した複数の内線電話端末19と、これら内線電話端末19を、電話回線L1や無線回線L2などの外線回線を介して、電話網40や携帯網50に交換接続することにより、電話網40や携帯網50を介した内線電話端末19による通話を実現する電話制御装置10とから構成されている。電話システム1は、携帯網50を介して接続した無線電話端末20に対して、内線電話端末19と同様の電話サービスを提供する機能を有している。
【0021】
無線電話端末20は、スマートフォン、携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)など、携帯網50を介して音声通話やデータ通信が可能な無線通信端末である。
相手電話端末30は、電話網40または携帯網50、あるいはこれら両方に接続されて、電話制御装置10との間で音声通話を行う電話装置である。
電話網40は、公衆電話網(PSTN)、ISDN網、さらにはIP電話網など、有線通信により音声通話やデータ通信が可能な通信網である。携帯網50は、第3世代移動通信システム(3G:3rd Generation)に代表されるような、無線通信により音声通話やデータ通信が可能な通信網である。
【0022】
本実施の形態は、電話制御装置10で、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末20へ配信し、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得し、転送操作に応じた無線電話端末20での電話発信に基づいて携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線呼出し、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末19と当該無線電話端末20との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末30との相手通話路と内線通話路とを中継接続するようにしたものである。
【0023】
[電話制御装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
電話制御装置10は、ボタン電話システムの主装置、PBX、さらにはIP電話サーバなどの電話制御装置からなり、内線回線L0を介して接続した複数の内線電話端末19を電話網40や携帯網50に対して交換接続することにより、電話網40や携帯網50を介した内線電話端末19による通話を実現する機能と、内線電話端末19に対して各種の電話サービスを提供する機能と、携帯網50を介して接続した無線電話端末20に対して、内線電話端末19と同様の電話サービスを提供する機能とを有している。
【0024】
電話制御装置10には、主な機能部として、網インターフェース部(以下、網I/F部という)11、内線インターフェース部(以下、内線I/F部という)12、スイッチ部13、配信部14、転送通知確認部15、接続要求確認部16、呼制御部17、および記憶部18が設けられている。
【0025】
網I/F部11は、専用の通信回路を有し、電話網40からの電話回線L1を介して、電話網40や相手電話端末30との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声信号または音声データをやり取りする機能と、携帯網50からの無線回線L2を介して、携帯網50や無線電話端末20との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声データをやり取りする機能と、無線回線L2および携帯網50を介して無線電話端末20との間でデータ通信を行う機能とを有している。
【0026】
内線I/F部12は、専用の通信回路を有し、LANや内線伝送路などの内線回線L0を介して内線電話端末19との間で、各種制御コマンドや音声通話のための音声データをやり取りする機能を有している。
【0027】
スイッチ部13は、専用のスイッチ回路からなり、呼制御部17からの指示に応じて、網I/F部11と内線I/F部12との間でやり取りする音声データを交換接続する機能を有している。
【0028】
配信部14は、無線電話端末20から携帯網50を介したHTTPなどのデータ通信により通知された画面要求に応じて、当該画面要求と対応するHTML形式のWeb画面を記憶部18から読み出して配信する機能と、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送画面要求に応じて、携帯網50を介したデータ通信により、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面からなる転送画面を無線電話端末20へ配信する機能とを有している。
【0029】
図2は、通話中画面の構成例である。ここでは、音声通話中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、音声通話を切断して終了するための切断ボタンのシンボル、さらには当該音声通話を電話制御装置10で保留するための保留ボタンのシンボルや、音声通話の内容を録音するための通話録音ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0030】
図3は、保留中画面の構成例である。ここでは、音声通話が保留中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、音声通話を切断して終了するための切断ボタンのシンボル、さらには当該音声通話を内線電話端末19のいずれかに通話転送するための転送選択ボタンのシンボルや、電話制御装置10で保留中の相手電話端末30に再度応答して音声通話を再開するための再応答ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0031】
図4は、転送画面の構成例である。ここでは、転送先の電話番号を操作入力するためのダイヤルボタンのシンボルや、操作入力した転送先への転送を指示するための転送ボタンのシンボルなどが配置されている。
図5は、転送中画面の構成例である。ここでは、転送中の状態であることを表示するためのシンボル、当該音声通話に関する相手名や相手電話番号などの相手情報を表示するためのシンボル、転送処理を中止するための中止ボタンのシンボルなどが配置されている。
【0032】
転送通知確認部15は、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送通知から、当該転送操作に応じて転送先を指示する転送先情報を取得する機能を有している。この際に用いるデータ通信としては、例えばHTTPのGETメソッドやPOSTメソッドなどを用いればよい。
【0033】
接続要求確認部16は、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に応じて当該無線電話端末20で行われた、携帯網50での電話発信に基づいて、携帯網50から電話制御装置10へ通知された端末着信により、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する機能を有している。
【0034】
呼制御部17は、網I/F部11を介して電話網40や携帯網50との間で各種呼制御メッセージをやり取りすることにより、電話回線L1や無線回線L2を用いた発信、着信、音声通話などの呼制御を行う機能と、内線I/F部12を介して内線電話端末19との間で各種制御コマンドをやり取りすることにより、内線電話端末19での発信、着信、音声通話などの動作を制御する機能と、スイッチ部13を制御することにより、網I/F部11で接続している音声通話路と内線I/F部12で接続している音声通話路とを交換接続する機能とを有している。
【0035】
また、呼制御部17は、転送通知確認部15による転送先情報の取得、および接続要求確認部16による通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線I/F部12から内線回線L0を介して内線呼出する機能と、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続する機能と、この中継接続を行う際、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認が一定時間内に行われた場合であって、かつ、記憶部18の無線端末情報に基づいて、転送通知に含まれる端末識別情報と端末着信時に携帯網50から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、当該中継接続を行う機能とを有している。
【0036】
また、呼制御部17は、上記中継接続により実現された内線電話端末19と無線電話端末20との音声通話の切断(終話)に応じて、転送通知確認部15により転送通知で確認した端末IDと対応して網I/F部11で保留されている相手電話端末30との相手通話路と、無線電話端末20と音声通話をしていた内線電話端末19の内線通話路とを中継接続することにより、相手電話端末30との音声通話を無線電話端末20から内線電話端末19へ転送する機能とを有している。
【0037】
記憶部18は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部での処理動作に用いる各種処理情報やCPUで実行するプログラムを記憶する機能を有している。主な処理情報として、無線端末情報がある。図6は、無線端末情報の構成例である。ここでは、予め電話システム1に接続許可されている無線電話端末20ごとに、当該無線電話端末20の端末ID(端末識別情報)および携帯電話番号が登録されている。端末IDとしては、予め当該無線電話端末20に付与された個別の識別番号や内線電話番号、さらには利用者が設定したニックネームや名前などを用いればよい。
これら機能部のうち、配信部14、転送通知確認部15、接続要求確認部16、および呼制御部17は、CPUとプログラムとが協働することにより実現される。
【0038】
[無線電話端末]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる無線電話端末20の構成について説明する。
無線電話端末20は、スマートフォン、携帯電話端末、携帯情報端末(PDA)など、携帯網50を介して音声通話やデータ通信が可能な無線通信端末であり、特に、Web画面を画面表示し、Web画面上での操作に応じてデータ通信を行うブラウザ機能を有している。
【0039】
無線電話端末20には、主な機能部として、無線インターフェース部(以下、無線I/F部という)21、音声処理部22、画面表示部23、操作入力部24、制御部25、ブラウザ部26、および記憶部27が設けられている。
【0040】
無線I/F部21は、専用の無線通信回路を有し、携帯網50からの無線回線L3を介して、携帯網50や電話制御装置10との間で、各種呼制御メッセージや音声通話のための音声データをやり取りする機能と、無線回線L3および携帯網50を介して電話制御装置10との間でデータ通信を行う機能とを有している。
【0041】
音声処理部22は、無線I/F部21で受信した音声データを復号して得られた音声信号をスピーカ(図示せず)から出力する機能と、マイク(図示せず)から入力された音声信号を符号化して得られた音声データを無線I/F部21へ出力する機能と、制御部25からの指示に応じて、着信音やDTMF信号などの各種音声信号をスピーカや音声通話路へ出力する機能とを有している。
【0042】
画面表示部23は、LCDなどの画面表示装置からなり、制御部25からの指示に応じて、電話制御装置10から配信されたWeb画面などの各種のデータを画面表示する機能を有している。
操作入力部24は、画面表示部23の画面上に配置されたタッチパネルや各種操作キーからなり、利用者の操作を検出する機能を有している。
【0043】
制御部25は、無線I/F部21を介して携帯網50との間で各種呼制御メッセージをやり取りすることにより、各機能部を制御して、無線回線L3を用いた発信、着信、音声通話などを実現するための呼制御を行う機能を有している。
【0044】
ブラウザ部26は、無線I/F部21から携帯網50を介して電話制御装置10との間でHTTPなどのデータ通信を行う機能と、このデータ通信により電話制御装置10から配信されたWeb画面を画面表示部23で画面表示する機能と、操作入力部24で検出されたWeb画面上での操作に応じて各種情報をデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能とを有している。
【0045】
また、ブラウザ部26は、電話制御装置10からWeb画面として配信された転送画面上での転送操作が操作入力部24で検出された場合、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、転送画面上で入力された転送先電話番号と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送通知メッセージを送信する機能と、当該転送操作が操作入力部24で検出された場合、携帯網50を介した電話制御装置10との端末通話路を形成するため、制御部25に対して携帯網50を用いた電話制御装置10への電話発信を要求する機能とを有している。転送通知メッセージに付加する端末IDについては、電話制御装置10から配信する着信通知画面に、予め設定しておいてもよい。
【0046】
また、ブラウザ部26は、電話制御装置10からWeb画面として配信された通話中画面上での保留操作に応じて、当該通話中画面で通知された通話相手情報からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む保留通知メッセージを、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能と、電話制御装置10からWeb画面として配信された保留中画面上での転送選択操作に応じて、当該通話中画面で通知された通話相手情報からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送画面要求メッセージを、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ送信する機能と、電話制御装置10からWeb画面として配信された転送中画面上での切断操作に応じて、携帯網50を介した電話制御装置10との端末通話路を切断するため、制御部25に対して端末通話路の切断を要求する機能とを有している。
【0047】
記憶部27は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。主な処理情報としては、自端末の携帯電話番号のほか、予め登録された端末ID(端末識別情報)がある。
これら機能部のうち、制御部25およびブラウザ部26は、CPUとプログラムとが協働することにより実現される。
【0048】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図7および図8を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図7は、第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図である。図8は、第1の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作(続き)を示すシーケンス図である。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。
【0049】
まず、電話網40を介して接続されている相手電話端末30との相手通話路と、携帯網50を介して接続されている無線電話端末20との端末通話路とが、電話制御装置10のスイッチ部13で中継接続されて、相手電話端末30と無線電話端末20とが電話制御装置10を介して音声通話しているものとする(ステップ100)。また、この音声通話の開始時に、通話状態を示す通話中画面が記憶部18から読み出され、電話制御装置10の配信部14から、携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信されており、無線電話端末20のブラウザ部26では、この通話中画面を画面表示部23で表示しているものとする(ステップ101)。
【0050】
この際、この中継接続については、例えば無線電話端末20からの発信要求に応じて、電話制御装置10の呼制御部17が電話網40から相手電話端末30へ音声発信し、これら相手通話路と端末通話路とを中継接続してもよい。あるいは、電話網40から通知された相手電話端末30からの着信に応じて、電話制御装置10の呼制御部17が携帯網50から無線電話端末20へ音声発信し、これら相手通話路と端末通話路とを中継接続してもよい。
【0051】
このような音声通話中において、この音声通話を電話制御装置10で保留して任意の内線電話端末19へ通話転送する場合、まず、利用者は、無線電話端末20で表示されている通話中画面上で保留操作を行う。
無線電話端末20の操作入力部24で、通話中画面上で保留操作が検出された場合(ステップ110)、ブラウザ部26は、無線I/F部21から携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、通話中画面で通知された通話相手情報の相手電話番号からなる保留対象情報と記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む保留通知メッセージを送信する(ステップ111)。
【0052】
電話制御装置10の呼制御部17は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの保留通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれている端末IDに基づき要求元となる無線電話端末20を確認するとともに(ステップ112)、このメッセージに含まれている保留対象情報に基づいて保留すべき相手電話番号を確認する(ステップ113)。この際、後述の処理のため、端末IDと保留対象情報との対応関係を記憶部18へ保存しておいてもよい。
続いて、呼制御部17は、端末通話路を切断するための切断メッセージを、網I/F部11から携帯網50へ送信する(ステップ114)。これにより、携帯網50から無線電話端末20へ切断メッセージが通知され、端末通話路が切断される。
【0053】
これと並行して、呼制御部17は、スイッチ部13を制御して、保留対象として確認した相手電話端末30との相手通話路を、無線電話端末20との端末通話路から切り離し、スイッチ部13に設けられている保留トランクへ切替接続することにより、相手電話端末30を保留状態とする。これにより、保留トランクからの保留音が電話網40を介して相手電話端末30へ送出される(ステップ115)。
この後、配信部14は、記憶部18から保留中画面を読み出し(ステップ116)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ117)。
【0054】
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの保留中画面を画面表示部23で表示する(ステップ118)。
ここで、利用者により保留中画面で転送機能を選択する転送選択操作が行われた場合(ステップ120)、操作入力部24による転送選択操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、保留中画面で通知された保留対象情報と、記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送画面要求メッセージを送信する(ステップ121)。
【0055】
電話制御装置10の配信部14は、無線電話端末20からの転送画面要求メッセージに応じて、記憶部18から転送画面を読み出し(ステップ122)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ123)。
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの転送画面を画面表示部23で表示する(ステップ124)。
【0056】
ここで、利用者により転送画面で転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号が入力されて転送操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、入力された転送先電話番号からなる転送先情報と、記憶部27から読み出した自端末の端末IDとを含む転送通知メッセージを送信する(ステップ131)。
【0057】
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認するとともに(ステップ132)、当該メッセージに含まれる転送先情報、すなわち内線電話番号を取得することにより転送先を確認する(ステップ133)。
【0058】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ134)。この際、電話制御装置10の配信部14で転送画面を生成するときに、例えばHTMLのAnchorタグやInputタグなどの機能を用いて、図2に示した転送通知画面の転送ボタンに、予め電話制御装置10の電話番号を登録しておけば、転送ボタンの操作に応じて自動的に制御部25へ発信要求が通知される。
【0059】
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号と自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ135)。
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、着信通知メッセージを送信する(ステップ136)。
【0060】
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの着信通知メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ137)。
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ132で確認した端末IDと、ステップ137で確認した発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであるかどうか確認する。
【0061】
ここで、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合、呼制御部17は、転送元として確認した端末IDで特定される無線電話端末20からの端末着信に対する応答メッセージを、網I/F部11から携帯網50へ送信することにより、携帯網50を介した無線電話端末20との端末通話路を形成する(ステップ140)。
なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、端末通話路の形成、さらにはその後の転送処理動作は行わない。
【0062】
この後、電話制御装置10の呼制御部17は、スイッチ部13を制御して、転送先を呼出中である旨を示す呼出音を端末通話路へ送出する(ステップ141)。これにより、無線電話端末20の音声処理部22から、呼出音が出力される(ステップ142)。
【0063】
また、電話制御装置10の配信部14は、記憶部18から転送中画面を読み出し(ステップ143)、網I/F部11から携帯網50を介したHTTPデータ通信により、無線電話端末20へ配信する(ステップ144)。
無線電話端末20のブラウザ部26は、無線I/F部21を介して受信した電話制御装置10からの転送中画面を画面表示部23で表示する(ステップ145)。
【0064】
続いて、電話制御装置10の呼制御部17は、ステップ113で確認した転送先である内線電話号と対応する内線電話端末19に対して、内線I/F部12から内線回線L0を介して内線呼出メッセージを送信する(ステップ150)。
内線電話端末19は、この内線呼出に応じて内線着信表示を行い、転送先利用者による応答操作に応じて(ステップ151)、内線応答メッセージを返送する(ステップ152)。これにより、内線電話端末19との間で内線通話路が形成される。
【0065】
この後、電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして内線回線L0を介して内線電話端末19との間で形成した内線通話路と、無線電話端末20との端末通話路とをスイッチ部13で中継接続する(ステップ153)。これにより、内線電話端末19と無線電話端末20との間で音声通話が開始され(ステップ154)、無線電話端末20の利用者から内線電話端末19の転送先利用者に対して、相手電話端末30との通話を転送する旨が音声通話により通知される。
【0066】
ここで、利用者により転送中画面で、内線電話端末19との音声通話を終話するための切断操作が行われた場合(ステップ160)、無線電話端末20の制御部25は、操作入力部24による切断操作の検出に応じた、ブラウザ部26からの切断要求に応じて、携帯網50を用いた無線電話端末20との端末通話路を切断するための切断メッセージを、携帯網50へ送信する(ステップ161)。
【0067】
また、電話制御装置10の呼制御部17は、無線電話端末20との端末通話路の切断を示す携帯網50からの切断メッセージに応じて、スイッチ部13を制御して、内線電話端末19の内線通話路を無線電話端末20の端末通話路から切り離すとともに、ステップ113で保留対象として確認した相手電話端末30との相手通話路を、保留トランクから切り離し、これら内線通話路と相手通話路とを中継接続する(ステップ162)。
これにより、電話制御装置10を介して、内線電話端末19と相手電話端末30との音声通話が開始される(ステップ163)。
【0068】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10において、配信部14により、無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、電話網40または携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30を内線電話端末19のいずれかへ転送するためのWeb画面を無線電話端末20へ配信し、転送通知確認部15により、無線電話端末20で画面表示されたWeb画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末20からデータ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得するようにしたものである。
【0069】
また、接続要求確認部16により、応答操作に応じた無線電話端末20での電話発信に基づいて携帯網50から通知された端末着信により、当該無線電話端末20からの通話路接続要求を確認し、呼制御部17により、これら転送先情報の取得および通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する内線電話端末19を内線呼出し、当該内線電話端末19への内線呼出により形成される内線通話路と無線電話端末20からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末19と当該無線電話端末20との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて相手電話端末30との相手通話路と内線通話路とを中継接続するようにしたものである。
【0070】
これにより、電話網40や携帯網50を介して接続されて電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、内線電話端末19のいずれかへ転送するための通話転送サービスを提供する場合、無線電話端末20と内線電話端末19とを接続する音声通話路のうち、無線電話端末20と電話制御装置10との間の端末通話路については、携帯網50を用いた通話路で形成される。したがって、ベストエフォート型であるIP通信を用いて端末通話路を形成した場合と比較して、安定した通話品質を得ることができる。このため、電話システム1から無線電話端末20に対して、安定した通話品質で電話サービスを提供することが可能となる。
【0071】
この際、電話制御装置10では、無線電話端末20からの要求に応じて、任意の内線電話端末19を内線呼出する場合、内線電話端末19の内線電話番号などの転送先情報が必要となる。このため、電話制御装置10において内線電話端末19を内線呼出する前に、無線電話端末20から電話制御装置10へ、転送先となる内線電話端末19を識別するための転送先情報を通知しておく必要がある。
【0072】
しかしながら、携帯網50の音声通話サービスを利用して、無線電話端末20から電話制御装置10へ電話発信して端末通話路を形成する場合、無線電話端末20から送出する発信先電話番号はあくまでも電話制御装置10の電話番号である。このため、端末通話路形成のための電話発信で、本来の内線呼出先である内線電話端末19に関する転送先情報が、無線電話端末20から電話制御装置10へ通知されないという問題点がある。
【0073】
これに対して、本実施の形態では、携帯網50の音声通話サービスとデータ通信サービスとを併用できることに着目し、無線電話端末20での発信操作に応じて、携帯網50の音声通話サービスを利用して、電話制御装置10へ端末通話路形成のための電話発信を行う動作と並行して、携帯網50のデータ通信サービスを利用して、無線電話端末20から電話制御装置10へ、転送先となる内線電話端末19を識別するための転送先情報を通知するようにしたものである。
【0074】
これにより、無線電話端末20での発信操作に応じて、端末通話路の形成と転送先を示す転送先情報の通知とを一括して行うことができる。
したがって、無線電話端末20の利用者に対して操作負担を与えることなく、無線電話端末20と電話制御装置10との間の端末通話路を携帯網50で容易に形成することができる。このため、結果として、使い勝手が良くなり、電話サービスをスムーズに利用することが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態では、無線電話端末20からの転送画面要求に応じて、電話制御装置10の配信部14により転送画面を配信し、無線電話端末20で画面表示された、この転送画面での転送操作に基づいて、当該無線電話端末20から携帯網50を介したデータ通信により通知された転送通知から、転送通知確認部15より転送先情報を取得するようにしたものである。
【0076】
これにより、無線電話端末20は、電話制御装置10から配信されたWeb画面を画面表示し、利用者によるWeb画面上での操作に応じて任意のデータを電話制御装置10へ送信するという、一般的なブラウザ機能を動作させるだけで、携帯網50を介して転送通知を電話制御装置10へ通知することができる。
【0077】
一般的な電話システムでは、電話制御装置から無線電話端末に対して、内線電話端末と同様の電話サービスを提供する際、無線電話端末との間で制御メッセージをやり取りすることになる。
しかしながら、無線電話端末の動作を制御する際に用いる制御メッセージは、例えば内線電話端末との間でやり取りする制御データと同様に、当該電話システムで定義したものである。これは、当該電話システムが持つ独自の機能を制御するのに必要とされるからである。
【0078】
例えば、無線電話端末から電話制御装置の外線回線を利用して外線発信する場合、無線電話端末での利用者操作に応じて、所定の制御メッセージを電話制御装置へ送信するものとなる。この際、無線電話端末から電話制御装置へ送信する制御メッセージには、当該制御メッセージが外線発信を要求するメッセージであること、自端末の電話番号、発信先の電話番号など、各種のデータを格納する必要がある。このため、電話制御装置で用いる制御メッセージの内部構成にあわせて、無線電話端末で制御メッセージを生成して送信する必要がある。
【0079】
したがって、市販されている一般的な携帯電話端末などの無線電話端末が持つ標準的な機能では、電話システム独自の制御メッセージに基づいて、電話制御装置へアクセスすることができず、また電話制御装置からの制御メッセージに基づいて、無線電話端末の動作を制御することができない。
【0080】
このような場合には、電話システム独自の制御メッセージに基づいて無線電話端末を動作させるための機能を無線電話端末に追加する必要があり、具体的には電話システムと接続するための特別なプログラムを作成して、予め無線電話端末にインストールする必要があった。また、携帯電話サービス提供者ごとに、それぞれの携帯電話端末で実行可能なプログラム言語が異なることから、これら言語ごとにプログラムを作成する必要があった。このため、一般的な市販の無線電話端末から電話システムの電話サービスを容易に利用することができないという問題点があった。
【0081】
本願発明によれば、電話サービスを利用する際の操作に用いるWeb画面が電話制御装置10から無線電話端末20へ配信されるため、ブラウザ機能を搭載した、一般的な市販の無線電話端末20から電話システム1の電話サービスを容易に利用することができる。また、ブラウザ機能は、HTTPやHTMLなどの規格に準拠するものであり、各携帯電話サービス提供者の携帯電話端末に搭載されているいずれのブラウザ機能も、互いに共通した機能を備えている。
【0082】
これにより、無線電話端末20に特別なアプリケーションをインストールする必要がなくなり、無線電話端末20の利用者が負担するインストール作業を省くことができる。また、特別なアプリケーションの開発にかかるコストを省くことができ、携帯電話サービス提供者ごとに、異なる言語でプログラムを作成する必要もなくなる。したがって、電話サービスの運用コストを大幅に削減することが可能となる。
【0083】
また、無線電話端末20におけるWeb画面上での応答操作に応じて、電話制御装置10に対して、携帯網50を介したHTTPなどのデータ通信により転送通知を通知することができる。このため、電子メールなど蓄積型のデータ通信で転送通知を通知する場合と比較して、端末通話路形成のための電話発信に遅れることなく、迅速に転送通知を通知することができる。したがって、無線電話端末20の利用者が、Web画面上で転送ボタンを操作するという簡素な操作で、極めてスムーズに電話サービスを利用することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、電話制御装置10において、無線電話端末20ごとに、当該無線電話端末20の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶部18で記憶しておき、呼制御部17で、内線電話端末19の内線通話路と無線電話端末20との端末通話路を中継接続する際、転送通知確認部15による転送先情報の取得と、接続要求確認部16による通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、記憶部18の無線端末情報に基づいて、無線電話端末20からの転送通知に含まれる端末識別情報と、携帯網50からの着信時に通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、内線電話端末19に中継接続を行うものとなっている。
【0085】
これにより、電話制御装置10において、同一の無線電話端末20からの転送通知と着信とを正確に識別することができる。したがって、複数の無線電話端末20から同時期にそれぞれの転送通知が届いた場合や、携帯網50からの端末着信が同時期に複数発生した場合でも、転送通知で通知された転送先情報に基づき特定される内線電話端末19側の内線通話路と、端末着信に応答して形成した無線電話端末20側の端末通話路とを、正確に中継接続することができる。
【0086】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
第1の実施の形態では、無線電話端末20から電話制御装置10に対して、内線電話端末19の転送先情報を通知する際、携帯網50のデータ通信サービスを用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、携帯網50のデータ通信サービスに代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージに付加されるパラメータ(付加情報)を利用して転送先情報を通知する場合について説明する。
【0087】
本実施の形態において、電話制御装置10の転送通知確認部15は、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの転送通知に代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージに、サブアドレスなどのパラメータとして付加された転送先情報を、携帯網50から通知された応答通知メッセージから取得する機能を有している。
電話制御装置10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0088】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。なお、ステップ130までの動作およびステップ140以降の動作については図8と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0089】
利用者の操作により、転送画面上で転送操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、記憶部27から読み出した自端末の端末IDを含む応答通知メッセージを送信する(ステップ200)。
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認する(ステップ201)。
【0090】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ202)。この際、ブラウザ部26は、発信要求メッセージに付加するパラメータとして、転送画面で入力された転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号からなる転送先情報を指定する。
【0091】
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号、および自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号と、ブラウザ部26から指定された転送先情報とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ203)。
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、応答通知メッセージを送信する(ステップ204)。
【0092】
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの応答通知メッセージに応じて、当該メッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ205)。
また、転送通知確認部15は、当該メッセージに含まれる転送先情報を取得することにより転送先を確認する(ステップ206)。
【0093】
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、転送元として確認した端末IDで特定される相手着信に対する応答メッセージを、網I/F部11から電話網40へ送信することにより、携帯網50を介した無線電話端末20との端末通話路を形成する(ステップ140)。
【0094】
この際、呼制御部17は、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ201で確認した端末IDと、ステップ205で確認した発信元電話番号とを比較し、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、応答メッセージを送信して端末通話路を形成する。なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、端末通話路の形成、さらにはその後の転送処理動作は行わない。
【0095】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10の転送通知確認部15で、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの転送通知に代えて、無線電話端末20での電話発信時に、無線電話端末20から携帯網50へ送信された発信要求メッセージにパラメータとして付加された転送先情報を、携帯網50から通知された着信通知メッセージから取得するようにしたので、HTTPなどのデータ通信に代えて、無線電話端末20から電話制御装置10へ転送先情報を通知することができる。
【0096】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる電話システム1の電話制御装置10について説明する。
第1の実施の形態では、無線電話端末20から電話制御装置10に対して、相手電話端末30の転送先情報を通知する際、携帯網50のデータ通信サービスを用いる場合を例として説明した。本実施の形態では、電話制御装置10から無線電話端末20との間で形成した端末通話路を介して、無線電話端末20から送信されたDTMF信号から転送先情報を取得する場合について説明する。
【0097】
本実施の形態において、電話制御装置10の呼制御部17は、無線電話端末20からの端末着信に応答して当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成する機能を有している。
また、転送通知確認部15は、転送先情報を取得する際、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末20から受信したDTMF信号から転送先情報を取得する機能を有している。
電話制御装置10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0098】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の動作について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかる電話制御装置の通話転送処理動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
ここでは、電話システム1が提供する電話サービスのうちの通話転送機能を利用して、電話制御装置10で保留されている相手電話端末30との音声通話を、無線電話端末20が内線電話端末19との音声通話を経て、当該内線電話端末19へ転送する場合を例として説明する。なお、ステップ130までの動作およびステップ141以降の動作については図8と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0099】
利用者の操作により、転送画面上で応答操作が行われた場合(ステップ130)、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、ブラウザ部26は、携帯網50を介したHTTPデータ通信により電話制御装置10へ、記憶部27から読み出した自端末の端末IDを含む転送通知メッセージを送信する(ステップ300)。
電話制御装置10の転送通知確認部15は、網I/F部11を介して受信した無線電話端末20からの転送通知メッセージに応じて、このメッセージに含まれる端末IDに基づき転送元となる無線電話端末20を確認する(ステップ301)。
【0100】
一方、無線電話端末20のブラウザ部26は、操作入力部24による転送操作の検出に応じて、制御部25へ電話制御装置10への発信を要求する(ステップ302)。
これに応じて、制御部25は、無線I/F部21から携帯網50へ、電話制御装置10の電話番号からなる発信先電話番号と自端末の携帯電話番号からなる発信元電話番号とを含む発信要求メッセージを送信する(ステップ303)。
【0101】
携帯網50は、無線電話端末20からの発信要求メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信先電話番号と対応する電話制御装置10へ、応答通知メッセージを送信する(ステップ304)。
電話制御装置10の接続要求確認部16は、携帯網50からの応答通知メッセージに応じて、このメッセージで指定された発信元電話番号を取得することにより、無線電話端末20からの通話路接続要求があったことを確認する(ステップ305)。
【0102】
ここで、呼制御部17は、この応答通知メッセージに対して直ちに応答メッセージを送信することにより当該端末着信に応答して、当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成する(ステップ310)。
これに応じて、無線電話端末20の制御部25は、電話制御装置10との間で携帯網50を介した端末通話路を形成し、ブラウザ部26から指定された転送先の内線電話端末19を示す内線電話番号からなる転送先情報を、音声処理部22からDTMF信号により送信する(ステップ311)。
【0103】
電話制御装置10の転送通知確認部15は、無線電話端末20との間で形成した端末通話路を介して、無線電話端末20から送信されたDTMF信号から転送先を示す転送先情報を取得することにより転送先を確認する(ステップ312)。
【0104】
電話制御装置10の呼制御部17は、このようにして、一定時間内に、転送通知確認部15により転送先情報を取得するとともに、接続要求確認部16により無線電話端末20からの通話路接続要求を確認した場合、スイッチ部13を制御して、転送先を呼出中である旨を示す呼出音を相手通話路へ送出し(ステップ141)、これ以降の音声転送処理を実行する。
【0105】
この際、呼制御部17は、記憶部18の無線端末情報に基づいて、ステップ301で確認した端末IDと、ステップ304で確認した発信元電話番号とが同一の無線電話端末20のものであることが確認された場合に、無線電話端末20との間の端末通話路を形成、さらにはそれ以降の音声転送処理を実行する。なお、これら端末IDおよび発信元電話番号が同一の無線電話端末20のものであることが確認できなかった場合には、他の無線電話端末からのものと判定し、無線電話端末20との間の端末通話路を形成、さらにはそれ以降の音声転送処理は実行しない。
【0106】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、電話制御装置10の呼制御部17で、転送先情報を取得する際、無線電話端末20からの着信に応答して当該無線電話端末20との間の端末通話路を形成し、転送通知確認部15で、転送通知に代えて、端末通話路を介して無線電話端末20から受信したDTMF信号から転送先情報を取得するようにしたので、HTTPなどのデータ通信や、携帯網50の呼制御メッセージのパラメータに代えて、無線電話端末20から電話制御装置10へDTMF信号で転送先情報を通知することができる。
【0107】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、矛盾しない範囲で、各実施形態を組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0108】
1…電話システム、10…電話制御装置、11…網I/F部、12…内線I/F部、13…スイッチ部、14…配信部、15…転送通知確認部、16…接続要求確認部、17…呼制御部、18…記憶部、19…内線電話端末、20…無線電話端末、21…無線I/F部、22…音声処理部、23…画面表示部、24…操作入力部、25…制御部、26…ブラウザ部、27…記憶部、30…相手電話端末、40…電話網、50…携帯網、L0…内線回線、L1…電話回線、L2,L3…無線回線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した前記内線電話端末による通話を実現する電話制御装置であって、
無線電話端末から前記携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、前記電話網または前記携帯網を介して接続されて前記電話制御装置で保留されている相手電話端末を前記内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を前記無線電話端末へ配信する配信部と、
前記無線電話端末で画面表示された前記Web画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末から前記データ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認部と、
前記転送操作に応じた前記無線電話端末での電話発信に基づいて前記携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する接続要求確認部と、
前記転送通知確認部による前記転送先情報の取得、および前記接続要求確認部による前記通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する前記内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と前記無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて前記相手電話端末との相手通話路と前記内線通話路とを中継接続する呼制御部と
を備えることを特徴とする電話制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記無線電話端末ごとに、当該無線電話端末の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記呼制御部は、前記内線通話路と前記端末通話路とを中継接続する際、前記転送通知確認部による前記転送先情報の取得と、前記接続要求確認部による前記通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、前記無線端末情報に基づいて、前記転送通知に含まれる端末識別情報と前記端末着信時に前記携帯網から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末のものであることが確認された場合に、前記前記内線通話路と前記端末通話路とを中継接続する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記転送通知確認部は、前記転送先情報を取得する際、前記転送通知に代えて、前記無線電話端末での前記電話発信時に、前記無線電話端末から前記携帯網へ送信された発信要求メッセージに付加された前記転送先情報を、前記端末着信時に前記携帯網から通知された応答通知メッセージから取得することを特徴とする電話制御装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記呼制御部は、前記端末着信に応答して前記無線電話端末との間の端末通話路を形成し、
前記転送通知確認部は、前記転送先情報を取得する際、前記転送通知に代えて、前記端末通話路を介して前記無線電話端末から受信したDTMF信号から前記転送先情報を取得する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記接続要求確認部は、前記通話路接続要求を確認する際、前記端末着信に代えて、前記転送通知に含まれる前記無線電話端末の端末識別情報により前記通話路接続要求を確認し、
前記呼制御部は、前記中継接続を行う際、前記端末着信への応答により形成される端末通話路に代えて、前記端末識別情報で特定される前記無線電話端末へ前記携帯網で電話発信して形成した端末通話路を前記相手通話路と中継接続する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1つの電話制御装置と、内線回線を介して前記電話制御装置に接続された複数の内線電話端末とを含むことを特徴とする電話システム。
【請求項7】
内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した前記内線電話端末による通話を実現する電話制御装置で用いられる発信制御方法であって、
無線電話端末から前記携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、前記電話網または前記携帯網を介して接続されて前記電話制御装置で保留されている相手電話端末を前記内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を前記無線電話端末へ配信する配信ステップと、
前記無線電話端末で画面表示された前記Web画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末から前記データ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認ステップと、
前記転送操作に応じた前記無線電話端末での電話発信に基づいて前記携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する端末要求確認ステップと、
前記転送通知確認ステップによる前記転送先情報の取得、および前記端末要求確認ステップによる前記通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する前記内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と前記無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて前記相手電話端末との相手通話路と前記内線通話路とを中継接続する呼制御ステップと
を備えることを特徴とする転送制御方法。
【請求項1】
内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した前記内線電話端末による通話を実現する電話制御装置であって、
無線電話端末から前記携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、前記電話網または前記携帯網を介して接続されて前記電話制御装置で保留されている相手電話端末を前記内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を前記無線電話端末へ配信する配信部と、
前記無線電話端末で画面表示された前記Web画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末から前記データ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認部と、
前記転送操作に応じた前記無線電話端末での電話発信に基づいて前記携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する接続要求確認部と、
前記転送通知確認部による前記転送先情報の取得、および前記接続要求確認部による前記通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する前記内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と前記無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて前記相手電話端末との相手通話路と前記内線通話路とを中継接続する呼制御部と
を備えることを特徴とする電話制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記無線電話端末ごとに、当該無線電話端末の端末識別情報および携帯電話番号が登録された無線端末情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記呼制御部は、前記内線通話路と前記端末通話路とを中継接続する際、前記転送通知確認部による前記転送先情報の取得と、前記接続要求確認部による前記通話路接続要求の確認とが一定時間内に行われた場合であって、かつ、前記無線端末情報に基づいて、前記転送通知に含まれる端末識別情報と前記端末着信時に前記携帯網から通知された発信元電話番号とが同一の無線電話端末のものであることが確認された場合に、前記前記内線通話路と前記端末通話路とを中継接続する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記転送通知確認部は、前記転送先情報を取得する際、前記転送通知に代えて、前記無線電話端末での前記電話発信時に、前記無線電話端末から前記携帯網へ送信された発信要求メッセージに付加された前記転送先情報を、前記端末着信時に前記携帯網から通知された応答通知メッセージから取得することを特徴とする電話制御装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記呼制御部は、前記端末着信に応答して前記無線電話端末との間の端末通話路を形成し、
前記転送通知確認部は、前記転送先情報を取得する際、前記転送通知に代えて、前記端末通話路を介して前記無線電話端末から受信したDTMF信号から前記転送先情報を取得する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の電話制御装置において、
前記接続要求確認部は、前記通話路接続要求を確認する際、前記端末着信に代えて、前記転送通知に含まれる前記無線電話端末の端末識別情報により前記通話路接続要求を確認し、
前記呼制御部は、前記中継接続を行う際、前記端末着信への応答により形成される端末通話路に代えて、前記端末識別情報で特定される前記無線電話端末へ前記携帯網で電話発信して形成した端末通話路を前記相手通話路と中継接続する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1つの電話制御装置と、内線回線を介して前記電話制御装置に接続された複数の内線電話端末とを含むことを特徴とする電話システム。
【請求項7】
内線回線を介して接続した複数の内線電話端末を電話網または携帯網に対して交換接続することにより、当該電話網または携帯網を介した前記内線電話端末による通話を実現する電話制御装置で用いられる発信制御方法であって、
無線電話端末から前記携帯網を介したデータ通信により通知された画面要求に応じて、前記電話網または前記携帯網を介して接続されて前記電話制御装置で保留されている相手電話端末を前記内線電話端末のいずれかへ転送するためのWeb画面を前記無線電話端末へ配信する配信ステップと、
前記無線電話端末で画面表示された前記Web画面での転送操作に基づいて当該無線電話端末から前記データ通信により通知された転送通知から、転送先情報を取得する転送通知確認ステップと、
前記転送操作に応じた前記無線電話端末での電話発信に基づいて前記携帯網から通知された端末着信により、当該無線電話端末からの通話路接続要求を確認する端末要求確認ステップと、
前記転送通知確認ステップによる前記転送先情報の取得、および前記端末要求確認ステップによる前記通話路接続要求の確認の後、当該転送先情報と対応する前記内線電話端末を内線呼出し、当該内線電話端末への内線呼出により形成される内線通話路と前記無線電話端末からの着信への応答により形成される端末通話路とを中継接続して、当該内線電話端末と当該無線電話端末との音声通話を実現し、この音声通話の終了に応じて前記相手電話端末との相手通話路と前記内線通話路とを中継接続する呼制御ステップと
を備えることを特徴とする転送制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−213049(P2012−213049A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77793(P2011−77793)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】
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