説明

電話制御装置および電話会議制御方法

【課題】電話会議開始時の作業負担を軽減でき、電話会議のための時間を有効活用する。
【解決手段】電話制御装置10において、電話端末19やPC端末10Pなどの通信端末から、電話端末19のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報17Bを取得して記憶部17へ保存し、会議予約情報17Bで指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報17Bで指定された会議場所の電話端末19Xを内線呼出するとともに、当該会議予約情報17Bで指定された会議相手の電話端末30へ発信し、両者の通話路を会議トランク12Aへ接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話技術に関し、特に電話回線を介して結ばれた複数の電話装置間で電話会議を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電話回線を介して結ばれた複数の電話装置間で電話会議を行う際、まず、電話会議を開催日時や参加者を電子メールで予め通知しておき、電話会議の開催時には、参加者が電話会議用の電話装置が設置されている会議室に集まって、他の拠点の会議相手の電話装置と電話回線を接続して、電話会議を開始するものとなっている。
【0003】
このような電話会議では、ボタン電話装置の主装置やPBXなどの電話制御装置において、電話会議の予約を受け付け、電話会議の開示時刻から一定時間前に、予約内容で設定された参加者の電話端末を呼び出して、音声ガイダンスを送出することにより、電話会議の開催を告知する技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平4−332243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術では、電話会議の開催時から一定時間前に参加者を会議室へ招集できるものの、実際に電話会議を開始する場合には、参加者が会議相手の電話番号を電話装置で操作入力して、会議相手の電話装置との間で電話回線を接続する必要がある。このため、電話会議開始時の作業が煩わしく、また電話会議のための時間がこれら作業に費やされてしまうという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電話会議開始時の作業負担を軽減でき、電話会議のための時間を有効活用できる電話制御装置および電話会議制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話制御装置は、収容している電話端末による内線通話および電話網を介した外線通話を制御する電話制御装置であって、電話端末または当該電話制御装置に外部接続された通信端末から、電話端末のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報を取得して記憶部へ保存する電話会議予約受付部と、会議予約情報で指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報で指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続する電話会議形成部とを備えている。
【0007】
この際、電話会議形成部で、会議場所の電話端末を内線呼出して、当該電話端末の通話路を会議トランクへ接続完了した後、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信するようにしてもよい。
【0008】
また、電話会議形成部で、会議場所の電話端末を内線呼出した際に、当該電話端末が通話中であった場合、当該通話を切断した後、当該電話端末の通話路を会議トランクへ接続するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明にかかる電話会議制御方法は、収容している電話端末による内線通話および電話網を介した外線通話を制御する電話制御装置で用いられる電話会議制御方法であって、電話端末または当該電話制御装置に外部接続された通信端末から、電話端末のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報を取得して記憶部へ保存する電話会議予約受付ステップと、会議予約情報で指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報で指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続する電話会議形成ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、会議開催日時の到来に応じて、電話会議通話を自動形成することができる。これにより、電話会議開始時の作業負担を軽減でき、電話会議のための時間を有効活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[一実施の形態の構成]
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置について説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置を含む電話会議システムを示すブロック図である。
【0012】
この電話制御装置10は、ボタン電話装置の主装置、PBX、あるいはIP電話サーバなどの制御装置からなり、公衆電話網(PSTN)、ISDN、IP電話網などからなる電話網50に接続して、内線収容する電話端末19(19A,19B,…,19X,19Y)による電話網50を介した通話を制御する機能を有している。
電話端末19A,19B,…,19Xは、内線伝送路を介して電話制御装置10に内線収容されている電話端末である。電話端末19Yは、無線回線を介して接続される基地局装置10Wを経由して電話制御装置10に内線収容されている無線電話端末である。
【0013】
PC端末10Pは、電話端末19の利用者が利用するパーソナルコンピュータなどの情報処理端末からなり、有線または無線のデータ通信網からなるLAN10Lを介して電話制御装置10へアクセスして、電話端末19のいずれかを用いた電話会議の予約を行う機能を有している。
【0014】
電話制御装置20は、ボタン電話装置の主装置、PBX、あるいはIP電話サーバなどの制御装置からなり、電話網50に接続して、内線収容する電話端末29(29A,29B,…,29X)による電話網50を介した通話を制御する機能を有している。
電話端末29A,29B,…,29Xは、内線伝送路を介して電話制御装置20に内線収容されている電話端末である。
電話端末30は、単独電話機、留守番電話機、コードレス電話機などの一般的な電話装置からなり、電話網50に接続して通話を行う機能を有している。
【0015】
本実施の形態は、電話制御装置10において、電話端末19やPC端末10Pなどの通信端末から、電話端末19のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報を取得して記憶部へ保存し、会議予約情報で指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報で指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続するようにしたものである。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電話制御装置10には、主な機能部として、回線インターフェース部(以下、回線I/F部という)11、スイッチ部12、会議トランク12A、端末インターフェース部(以下、端末I/F部という)13、基地局インターフェース部(以下、基地局I/F部という)14、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)15、計時部16、記憶部17、および制御部18が設けられている。
【0017】
回線I/F部11は、専用の通信回路からなり、制御部18からの指示に基づいて電話網50との間で、通話路の接続制御や当該通話路を用いて通話音声の送受信を行う機能を有している。
スイッチ部12は、専用のスイッチング回路からなり、回線I/F部11で形成した電話網50側の通話路と端末I/F部13で形成した電話端末19側の通話路とを、制御部18の制御に基づいて交換接続する機能と、これら通話路を選択して会議トランク12Aに共通接続することにより電話会議通話を形成する機能と、これら通話路を選択して音声処理部12Bに接続することにより、音声処理部12Bに予め登録されている会議開催事前告知用の音声ガイダンスを対応する電話端末19へ送出する機能とを有している。
【0018】
端末I/F部13は、専用の通信回路からなり、制御部18からの指示に基づいて電話端末19との間で制御データをやり取りする機能と、電話端末19との間で音声データをやり取りすることにより通話路を形成する機能とを有している。
基地局I/F部14は、専用の通信回路からなり、制御部18からの指示に基づいて基地局装置10Wを介して電話端末19Yとの間で制御データをやり取りする機能と、電話端末19Yとの間で音声データをやり取りすることにより通話路を形成する機能とを有している。
【0019】
通信I/F部15は、専用の通信回路からなり、制御部18からの指示に基づいてPC端末10Pとデータ通信を行うことにより、PC端末10Pから電話会議のための会議予約情報を取得する機能を有している。
計時部16は、日時を計時する時計ICからなり、制御部18からの指示に応じて現在時刻を制御部18へ通知する機能を有している。
【0020】
記憶部17は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、制御部18での処理動作に用いる各種処理情報やプログラム17Pを記憶する機能を有している。
プログラム17Pは、制御部18に読み出されて実行されることにより、各種処理部を実現するプログラムであり、予め外部装置や記録媒体(図示せず)から読み込まれて記憶部17に保存される。
【0021】
記憶部17で記憶される主な処理情報としては、呼制御情報17Aおよび会議予約情報17Bがある。呼制御情報17Aは、電話端末19の発信、着信、通話などの電話機能に関する制御部18での呼制御に用いる情報からなり、各電話端末19の状態や電話網50の回線の状態などを示す情報からなる。
【0022】
図3は、会議予約情報の構成例である。会議予約情報17Bには、「ID」、「会議場所」、「会議時間」、「招集者」、「会議相手」などの各種情報が組として登録されている。「ID」は予約した電話会議を識別するための識別情報である。「会議場所」は電話制御装置10側の参加者が集まる会議室に設けられている電話端末19の内線電話番号が登録されている。「会議時間」は当該電話会議の開始および終了を示す日時情報である。「招集者」は電話制御装置10側の参加者に対して電話会議の事前告知を行う際に用いる内線電話番号のリストである。「会議相手」は当該電話会議の会議相手として会議開始時に自動呼出する外線電話番号や内線電話番号を示すリストである。
【0023】
制御部18は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部17のプログラム17Pを読み込んで実行することにより、電話制御装置10の処理動作に必要な各種処理部を実現する機能を有している。
制御部18で実現される主な処理部としては、呼制御部18A、電話会議予約受付部18B、電話会議事前告知部18C、および電話会議形成部18Dがある。
【0024】
呼制御部18Aは、回線I/F部11を介して電話網50と呼制御信号や呼制御メッセージをやり取りするとともに、端末I/F部13を介して電話端末19と制御メッセージをやり取りすることにより、電話端末19の発信、着信、通話などの電話機能に関する呼制御を行う機能を有している。
【0025】
電話会議予約受付部18Bは、PC端末10Pまたは電話端末19からのアクセスに応じて、記憶部17に予め保存されている電話会議予約画面を読み出して提供する機能と、当該電話会議予約画面に入力された会議予約情報を上記端末から取得して記憶部17へ保存する機能とを有している。
【0026】
図4は、電話会議予約画面の構成例である。この電子会議予約画面には、前述した図3の会議予約情報の各項目に応じた入力欄が設けられており、「予約確定」ボタンの操作に応じて、当該電話会議予約画面に入力された会議予約情報が上記端末から電話会議予約受付部18Bへ送信される。ここでは、一般的なWebサービス機能を利用して、HTTP形式で記述された電話会議予約画面や会議予約情報が、通信I/F部15、端末I/F部13、あるいは基地局I/F部14を介して、PC端末10Pあるいは電話端末19とやり取りされる。
【0027】
電話会議事前告知部18Cは、記憶部17の会議予約情報17Bに登録されている各会議の開始時間と計時部16から取得した現在時刻とを逐次比較して、当該会議の開始時刻を起点とする当該会議の事前告知時刻が到来したか否か判定する機能と、事前告知時刻の到来に応じて会議予約情報17Bのうち当該会議の「招集者」に登録されているそれぞれの内線電話番号に対して内線呼出を行う機能と、当該内線呼出への応答に応じて予め音声処理部12Bに登録されている会議開催事前告知用の音声ガイダンスを、端末I/F部13あるいは基地局I/F部14を介して電話端末19へ送出する機能とを有している。
【0028】
電話会議形成部18Dは、記憶部17の会議予約情報17Bに登録されている各会議の開始時間と計時部16から取得した現在時刻とを逐次比較して、当該会議の開始時刻が到来したか否か判定する機能と、開始時刻の到来に応じて会議予約情報17Bのうち当該会議の「会議相手」に登録されているそれぞれの外線/内線電話番号に対して外線/内線呼出を行う機能と、当該外線/内線呼出への応答に応じてそれぞれの応答端末を会議トランク12Aへ接続することにより、電話会議通話を自動形成する機能とを有している。
【0029】
[一実施の形態の動作]
次に、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の動作について説明する。ここでは、前述した図3の会議予約情報17Bが電話会議予約受付部18Bにより、すでに受け付けられて記憶部17に保存されているものとし、この会議予約情報17Bの内容に基づいて、電話端末19A,19B,19Yへ事前告知するとともに、電話端末19X,19Yと電話端末30および電話端末29Xとの間で電話会議を形成する場合について説明する。
【0030】
[事前告知動作]
まず、図5を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置の事前告知動作について説明する。図5は、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の事前告知動作を示すシーケンス図である。
【0031】
電話制御装置10において、制御部18の電話会議事前告知部18Cは、記憶部17の会議予約情報17Bに登録されている各会議の開始時間と計時部16から取得した現在時刻とを逐次比較して、当該会議の開始時刻の一定時間前である事前告知時刻が到来したか否か判定する。この際、会議の開始時刻と事前告知時刻との時間差について、すべての会議に共通した値を予め記憶部17へ設定しておいてもよく、各会議の会議予約情報17Bの一部として会議ごとに任意の時間差、あるいは事前告知時刻そのものを設定入力するようにしてもよい。
【0032】
電話会議事前告知部18Cは、任意の会議について事前告知時刻の到来が検出された場合(ステップ100)、当該会議の会議予約情報17Bに登録されている項目「招集者」から、事前告知先となる内線電話番号のリストを取得し、これら内線電話番号に対応する個々の電話端末19へ内線呼出を行う。この際、図3の会議予約情報の例では、「内線1101」の電話端末19Aと「内線1102」の電話端末19Bについて、端末I/F部13を介して、呼制御部18Aから内線呼出メッセージが送信される。また、「内線1301」の電話端末19Yについては、基地局I/F部14および基地局装置10Wを介して、呼制御部18Aから内線呼出メッセージが送信される(ステップ101)。
【0033】
電話端末19A,19B,19Yは、それぞれの内線呼出メッセージを受信して内線着信表示を行い、利用者の応答操作に応じて応答メッセージをそれぞれ個別に返送する(ステップ102)。
電話会議事前告知部18Cは、これら電話端末19A,19B,19Yについて、応答メッセージを呼制御部18Aでそれぞれ受信した場合、スイッチ部12を制御してこれら電話端末19A,19B,19Yの内線通話路を音声処理部12Bへ接続することにより、音声処理部12Bに予め登録されている会議開催事前告知用の音声ガイダンスを送出する(ステップ103)。
【0034】
これにより、内線応答した電話端末19A,19B,19Yに対して、電話制御装置10からそれぞれ個別に、音声ガイダンスにより電話会議の事前告知が行われる。音声ガイダンスでは、電話会議の開催日時や開催場所となる会議室などが通知される、音声ガイダンスを聞いた招集者は、電話会議の開催時刻までに開催場所となる第1会議室へ集合することになる。
その後、電話端末19A,19B,19Yでの終話操作に応じて、これら電話端末19A,19B,19Yから切断メッセージが送信される(ステップ104)。電話会議事前告知部18Cは、これら電話端末19A,19B,19Yからの切断メッセージを呼制御部18Aで受信し、スイッチ部12を制御してこれら電話端末19A,19B,19Yの内線通話路を音声処理部12Bから切断し、一連の事前告知動作を終了する。
【0035】
なお、ステップ101において、電話端末19A,19B,19Yを内線呼出する際、呼出先の電話端末が通話中の場合、当該電話端末において、内線呼出に対して着信拒否メッセージを返送して内線着信表示を行わないようにしてもよい。これにより、当該電話端末19で行われている通話を優先することが可能となる。
【0036】
また、呼制御部18Aにおいて、ステップ101の内線呼出メッセージに対して電話端末19から着信拒否メッセージを受信した場合、当該着信拒否メッセージから例えば1分後などの所定時間経過後に、再度、内線呼出メッセージを送信するようにしてもよい。これにより、通話中の電話端末19に対しても電話会議の事前告知を行うことが可能となる。また、内線呼出メッセージの再送を、例えば電話会議の開催時刻などの指定の時刻までリトライするようにしてもよい。
【0037】
[電話会議形成動作]
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置の電話会議形成動作について説明する。図6は、本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の電話会議形成動作を示すシーケンス図である。
【0038】
電話制御装置10において、制御部18の電話会議形成部18Dは、記憶部17の会議予約情報17Bに登録されている各会議の開始時間と計時部16から取得した現在時刻とを逐次比較して、当該会議の開始時刻が到来したか否か判定する。
【0039】
電話会議形成部18Dは、任意の会議について会議開始時刻の到来が検出された場合(ステップ110)、当該会議の会議予約情報17Bに登録されている項目「会議場所」から、会議を開催する会議室の内線電話番号を取得し、この内線電話番号に対応する電話端末19へ内線呼出を行う(ステップ111)。
図3の会議予約情報の例では、会議場所である「内線1201」の電話端末19Xについて、端末I/F部13を介して、呼制御部18Aから内線呼出メッセージが送信される。
【0040】
電話端末19Xは、内線呼出メッセージを受信して内線着信表示を行い、すでに会議場所に集合している招集者の応答操作に応じて、応答メッセージを返送する(ステップ112)。
電話会議形成部18Dは、電話端末19Xからの応答メッセージを呼制御部18Aで受信し、スイッチ部12を制御して、電話端末19Xの内線通話路を会議トランク12Aに接続する(ステップ113)。
【0041】
この際、電話端末19Xがスピーカ受話機能を有している場合、内線呼出メッセージで当該スピーカ受話機能を指定して、当該内線呼出に自動応答させるようにしてもよい。これにより、招集者の応答操作を待つことなく、電話端末19Xを内線通話状態へ強制的に移行させることが可能となる。
【0042】
また、電話端末19Xが通話中で、ステップ110の内線呼出メッセージに対して電話端末19から着信拒否メッセージを受信した場合、当該着信拒否メッセージから例えば1分後などの所定時間経過後に、再度、内線呼出メッセージを送信するようにしてもよい。これにより、通話中の電話端末19に対しても電話会議へ招致することが可能となる。
また、内線呼出メッセージの再送については、招致できるまでリトライするようにしてもよく、指定回数までに招致できなかった場合は、電話会議形成動作を中止するようにしてもよい。
【0043】
また、電話端末19Xが通話中の場合、内線呼出メッセージに応じて電話端末19Xが、警告音を電話端末19Xのレシーバやスピーカから送出して通話者に通話切断を警告した後、当該通話を強制切断して、内線通話状態へ強制的に移行させるようにしてもよい。これにより、電話端末19Xが通話中であっても、電話会議の開始時刻の到来に応じて、予定通りに電話会議を開始することが可能となる。
【0044】
このようにして、電話会議に対する電話端末19Xの招致が完了した後、電話会議形成部18Dは、当該会議の会議予約情報17Bに登録されている項目「会議相手」から、会議を行う会議相手の外線/内線電話番号のリストを取得し、これら外線/内線電話番号に対応する電話端末へ外線/内線呼出を行う。
【0045】
図3の会議予約情報の例では、会議相手である「内線1301」の電話端末30については、基地局I/F部14を介して、呼制御部18Aから内線呼出メッセージが送信される(ステップ120)。
電話端末19Yは、基地局装置10Wを介して内線呼出メッセージを受信して内線着信表示を行い、利用者の応答操作に応じて応答メッセージを返送する(ステップ121)。
電話会議形成部18Dは、電話端末19Yからの応答メッセージを呼制御部18Aで受信し、スイッチ部12を制御して、基地局I/F部14を経由した電話端末19Yの内線通話路を会議トランク12Aに接続する(ステップ122)。
【0046】
また、会議相手である「内線2201」の電話端末29Xについては、回線I/F部11を介して、呼制御部18Aから装置間内線呼出メッセージが送信される(ステップ130)。この場合、電話制御装置10,20間は、電話網50を介してシステム間接続機能で接続されており、電話制御装置10,20は互いの内線呼出機能を利用することが可能となっている。
電話端末29Xは、電話網50を介した装置間内線呼出メッセージを受信して内線着信表示を行い、利用者の応答操作に応じて応答メッセージを返送する(ステップ131)。
電話会議形成部18Dは、電話端末29Xからの応答メッセージを呼制御部18Aで受信し、スイッチ部12を制御して、回線I/F部11を経由した電話端末20Xの内線通話路を会議トランク12Aに接続する(ステップ132)。
【0047】
また、会議相手である「外線0178201111」の電話端末30について、回線I/F部11を介して、呼制御部18Aから外線呼出メッセージが送信されて外線発信が行われる(ステップ140)。
電話端末30は、電話網50から外線呼出メッセージを受信して外線着信表示を行い、利用者の応答操作に応じて応答メッセージを返送する(ステップ141)。
電話会議形成部18Dは、電話端末30からの応答メッセージを呼制御部18Aで受信し、スイッチ部12を制御して、回線I/F部11を経由した電話端末30の外線通話路を会議トランク12Aに接続する(ステップ142)。
【0048】
これにより、電話制御装置10の電話端末19Xと、電話端末19Yと、電話制御装置20の電話端末29Xと、電話端末30との各通話路が、電話制御装置10の会議トランク12Aへ共通に接続されて、電話会議通話が自動形成されたことになり、これら三者による電話会議が開始される(ステップ150)。
【0049】
なお、会議相手として登録された電話端末19Y,29X,30のいずれかが通話中で、内線/外線呼出メッセージに対して当該電話端末から着信拒否メッセージを受信した場合、当該着信拒否メッセージから例えば1分後などの所定時間経過後に、再度、内線/外線呼出メッセージを送信するようにしてもよい。これにより、通話中の電話端末に対しても電話会議へ招致することが可能となる。
また、内線/外線呼出メッセージの再送については、招致できるまでリトライするようにしてもよく、指定回数までに招致できなかった場合は、電話会議形成動作を中止するようにしてもよい。
【0050】
また、会議相手のうち、内線収容している電話端末19Yやシステム間接続可能な電話端末29Xについては、当該電話端末が通話中で、内線呼出メッセージに対して当該電話端末から着信拒否メッセージを受信した場合、電話会議形成部18Dからの指示に応じて、当該電話端末から警告音を当該電話端末のレシーバやスピーカから送出して通話者に通話切断を警告した後、当該通話を強制切断して、内線通話状態へ強制的に移行させるようにしてもよい。これにより、当該電話端末が通話中であっても、電話会議の開始時刻の到来に応じて、予定通りに電話会議を開始することが可能となる。
【0051】
[一実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、電話制御装置10において、電話端末19やPC端末10Pなどの通信端末から、電話端末19のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報17Bを取得して記憶部17へ保存し、会議予約情報17Bで指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報17Bで指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報17Bで指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続するようにしたので、会議開催日時の到来に応じて、電話会議通話を自動形成することができる。
これにより、電話会議開始時の作業負担を軽減でき、電話会議のための時間を有効活用できる。
【0052】
また、本実施の形態では、当該会議予約情報17Bで指定された会議場所の電話端末を内線呼出して、当該電話端末の通話路を会議トランクへ接続完了した後、当該会議予約情報17Bで指定された会議相手へ発信するようにしてもよい。これにより、電話制御装置10に内線収容している会議場所の電話端末を電話会議に招致して、電話会議の開催可能な状態を確認した後、会議相手を呼び出すことになる。したがって、会議場所の電話端末を電話会議に招致できず、電話会議の開催可能な状態を確認できなかった場合には、会議相手に対する無駄な呼出を回避できる。
【0053】
また、本実施の形態では、当該会議予約情報17Bで指定された会議相手のうち、当該電話制御装置10に内線収容している電話端末に対して先に内線呼出して、当該電話端末の通話路を会議トランクへ接続完了した後、当該会議予約情報17Bで指定された会議相手のうち、当該電話制御装置10から外線発信が必要な電話端末を呼び出すようにしてもよい。これにより、電話制御装置10に内線収容している会議相手の電話端末を電話会議に招致して、電話会議の開催可能な状態を確認した後、外線の会議相手を呼び出すことになる。したがって、内線側の電話端末を電話会議に招致できず、電話会議の開催可能な状態を確認できなかった場合には、外線の会議相手に対する無駄な呼出を回避できる。
【0054】
なお、以上で説明した、内線収容している電話端末19やシステム間接続している他の電話制御装置20の電話端末29に対する内線呼出、警告音の送出、通話切断、内線通話状態への移行、内線自動応答、スピーカ受話機能の制御等の端末制御については、各種制御用メッセージを送信することにより、電話制御装置10から制御可能である。これら電話端末の制御については、公知技術を用いればよく、ここでの詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置を含む電話会議システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】会議予約情報の構成例である。
【図4】電話会議予約画面の構成例である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の事前告知動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる電話制御装置の電話会議形成動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0056】
10…電話制御装置、10L…LAN、10P…PC端末、10W…基地局装置、11…回線I/F部、12…スイッチ部、12A…会議トランク、12B…音声処理部、13…端末I/F部、14…基地局I/F部、15…通信I/F部、16…計時部、17…記憶部、17A…呼制御情報、17B…会議予約情報、17P…プログラム、18…制御部、18A…呼制御部、18B…電話会議予約受付部、18C…電話会議事前告知部、18D…電話会議形成部、19A,19B…電話端末(居室)、19X…電話端末(会議室)、19Y…電話端末(無線)、20…電話制御装置、29A,29B…電話端末(居室)、29X…電話端末(会議室)、30…電話端末(外線)、50…電話網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容している電話端末による内線通話および電話網を介した外線通話を制御する電話制御装置であって、
前記電話端末または当該電話制御装置に外部接続された通信端末から、前記電話端末のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報を取得して記憶部へ保存する電話会議予約受付部と、
前記会議予約情報で指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報で指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続する電話会議形成部と
を備えることを特徴とする電話制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記電話会議形成部は、前記会議場所の電話端末を内線呼出して、当該電話端末の通話路を前記会議トランクへ接続完了した後、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信することを特徴とする電話制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記電話会議形成部は、前記会議場所の電話端末を内線呼出した際に、当該電話端末が通話中であった場合、当該通話を切断した後、当該電話端末の通話路を前記会議トランクへ接続することを特徴とする電話制御装置。
【請求項4】
収容している電話端末による内線通話および電話網を介した外線通話を制御する電話制御装置で用いられる電話会議制御方法であって、
前記電話端末または当該電話制御装置に外部接続された通信端末から、前記電話端末のいずれかを用いた電話会議の予約のための会議予約情報を取得して記憶部へ保存する電話会議予約受付ステップと、
前記会議予約情報で指定された会議開催日時の到来に応じて、当該会議予約情報で指定された会議場所の電話端末を内線呼出するとともに、当該会議予約情報で指定された会議相手へ発信し、両者の通話路を会議トランクへ接続する電話会議形成ステップと
を備えることを特徴とする電話会議制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−87697(P2010−87697A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252646(P2008−252646)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】