説明

電話装置、及びコンピュータプログラム

【課題】電子メールの送信元に電話を掛けるという状況において有効に利用することができる技術を提供する。
【解決手段】電話装置100は、別の電話装置20から送信された電子メール208を受信する。電話装置100は、ユーザによって通話準備操作212がなされたことを条件として、別の電話装置20にINVITE214を送信する。電話装置100は、INVITEに対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザに音声を入力することを許容する。電話装置100は、ユーザによって入力された第1音声データと電子メール208の返信であることを示す返信情報とを含む電子メール218を作成する。電話装置100は、別の電話装置20に電子メール218を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールの通信が可能である電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、電子メールの通信が広く行われている。特許文献1には、受信された第1電子メールに対して返信される第2電子メールが、第1電子メールの返信であることを示す返信情報(例えばReという文字)を含むことが開示されている。第2電子メールの送信先(第1電子メールの送信元)のユーザは、返信情報を見ることによって、第2電子メールが自身によって送信された第1電子メールに対して返信された電子メールであることを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−163335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受信された電子メールの送信元に電子メールを返信することをユーザが望むのではなく、その送信元に電話を掛けることをユーザが望む場合がある。上記の特許文献1には、このような状況に着目している技術は開示されていない。本明細書では、電子メールの送信元に電話を掛けるという状況において有効に利用することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、電子メール通信と電話通信という異なる通信技術をうまくリンクさせることによって、電子メールの送信元に電話を掛けるという状況において、その送信元のユーザに有益な情報を提供することができることを見出した。本明細書によって開示される1つの技術は、別の電話装置と電子メールの通信が可能な電話装置である。電話装置は、メール受信手段と通話要求送信手段と音声入力許容手段とメール作成手段とメール送信手段を備える。メール受信手段は、上記の別の電話装置から送信された第1電子メールを受信する。通話要求送信手段は、ユーザによって所定の操作がなされたことを条件として、上記の別の電話装置に通話要求を送信する。所定の操作は、例えば、ユーザによる上記の別の電話装置の電話識別情報(例えば、一般公衆回線網(PSTN)の電話番号やSIP URI(Session Initiation Protocol Uniform Resource Identifer))の入力と、フックキーの操作であってもよい。あるいは、第1電子メールに上記の別の電話装置の電話識別情報が含まれている場合、所定の操作は、第1電子メールに含まれる上記の別の電話装置の電話識別情報を選択する操作を含んでいてもよい。音声入力許容手段は、通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザに音声を入力することを許容する。メール作成手段は、ユーザによって入力された第1音声データと第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを作成する。ここでの「返信情報」は、例えば、文字情報であってもよいし、音声情報であってもよい。また、「返信情報」は、例えば、「Re」という文字を含んでいてもよいし、第1電子メールに固有の識別情報(例えばメッセージID)を含んでいてもよいし、第1電子メールの送信日時及び/又は受信日時を含んでいてもよい。メール送信手段は、上記の別の電話装置に第2電子メールを送信する。なお、上記の「条件として」という用語は、他の条件(AND条件及び/又はOR条件)を含んでいてもよい。即ち、例えば、「Mを条件としてNを実行する」という記載は、少なくともMが成立した場合にNを実行することを意味している。以下でも、「条件として」という用語を利用する場合は同様である。
【0006】
第1電話装置(上記の別の電話装置)のユーザXは、第2電話装置(上記の電話装置)のユーザYに第1電子メールを送信する。ユーザYが上記の所定の操作を実行すると、通話要求送信手段は、第1電話装置に向けて通話要求を送信する。第2電話装置の音声入力許容手段は、通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザYに音声を入力することを許容する。ユーザYは、第2電話装置に音声を入力することができる。第2電話装置のメール作成手段は、ユーザYによって入力された第1音声データと第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを作成する。第2電話装置のメール送信手段は、第2電子メールを第1電話装置に送信する。ユーザXは、第2電子メールに含まれている返信情報を見ることによって、第2電子メールに含まれる第1音声データが第1電子メールの内容に対する応答であることを容易に知ることができる。この技術によると、受信された電子メールの送信元に電話を掛けるという状況において、その送信元のユーザに有益な情報を提供することができる。
【0007】
この電話装置では、メール作成手段は、第2電子メールに自身の電話識別情報をさらに含めてもよい。
この構成によれば、第2電子メールの受信者であるユーザXは、第1電話装置に電話を掛ける場合に、例えば、電話装置に記憶されている電話帳から電話識別情報を探さなくてもよい。
【0008】
第1電子メールは、上記の別の電話装置から上記の電話装置に送信された通話要求に対して否定的なレスポンスが受信された結果として、上記の別の電話装置のユーザによって入力された第2音声データを含んでいてもよい。即ち、第1電子メールは、上記の別の電話装置のユーザが入力した音声データを含んでいてもよい。一方において、第1電子メールは、テキストデータのみを含んでいてもよく、画像データ等を含んでいてもよい。
【0009】
上記した電話装置は、上記の別の電話装置から送信された第3音声データと第2電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第3電子メールがメール受信手段によって受信されたことを条件として、第1音声データを再生し、それに続いて第3音声データを再生する音声再生手段をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、電話装置のユーザは、自身によって入力された第1音声データに続いて、それに対する応答である第3音声データを確認することができる。なお、音声再生手段は、第1音声データ又は第3音声データの再生中に予め決められた操作がユーザによって実行された場合に、音声データの再生を中止する機能を有していてもよい。
【0010】
上記した電話装置は、送信した電子メール群(例えば上記の第2電子メール)を記憶するメール記憶手段をさらに備えていてもよい。この場合、音声再生手段は、メール記憶手段に記憶された電子メール群から、第3電子メールの返信情報に含まれるメール識別情報に基づいて第2電子メールを特定し、特定された前記第2電子メールに含まれる第1音声データを再生し、それに続いて第3音声データを再生してもよい。なお、上記した電話装置は、外部装置に、送信した第2電子メールのメール識別情報と第1音声データとを対応付けて記憶させていてもよい。この場合、音声再生手段は、上記の外部装置から第1音声データを取得し、その第1音声データを再生してもよい。
【0011】
上記した第1電子メールは、上記の別の電話装置から上記の電話装置に送信された通話要求に対して否定的なレスポンスが受信された結果として、上記の別の電話装置のユーザによって入力された第2音声データを含んでいてもよい。この場合、音声再生手段は、第2音声データと第1音声データを再生し、それに続いて第3音声データを再生してもよい。一方において、音声再生手段は、第2音声データを再生せず、第1音声データを再生し、それに続いて第3音声データを再生してもよい。
上記した両者の構成によっても、ユーザは、自身が送信した第1音声データを確認することができる。後者の場合、前者の場合と比較して、第3音声データを確認するまでの時間を短くすることができる。第3音声データよりも前に、複数の音声データのやり取りが実行されている場合であっても、ユーザは、第1音声データを確認するだけで、音声データのやり取りの内容を思い出すことができる場合が多い。この場合、第2音声データが再生されなくても、第1音声データが再生されるだけで、ユーザは、第3音声データの内容を理解することができる。
【0012】
上記の電話装置は、ユーザによって入力された第1音声データと第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを作成して上記の別の電話装置に送信する。この構成に代えて、上記の第2電子メールを送信することをサーバに指示する指示手段を設ける構成を採用してもよい。この場合、サーバが第2電子メールを作成して上記の別の電話装置に送信してもよいし、電話装置が第2電子メールを作成するとともにサーバが第2電子メールを上記の別の電話装置に送信してもよい。この構成によっても、受信された電子メールの送信元に電話をかけるという状況において、その送信元のユーザに有益な情報を提供することができる。
【0013】
なお、上記の電話装置を実現するためのコンピュータプログラムも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施例のIPネットワークの構成を示す。
【図2】電話装置の構成を示す。
【図3】第1実施例のIPネットワークの各装置のシーケンス図を示す。
【図4】電子メールの一例を示す。
【図5】電子メールの一例を示す。
【図6】電子メールの一例を示す。
【図7】第1実施例の電話装置の制御部が実行する通話処理のフローチャートを示す。
【図8】第1実施例の電話装置の制御部が実行する音声データ再生処理のフローチャートを示す。
【図9】第2実施例のIPネットワークの構成を示す。
【図10】留守番電話サーバの構成を示す。
【図11】第2実施例のIPネットワークの各装置のシーケンス図を示す。
【図12】電子メールの一例を示す。
【図13】電子メールの一例を示す。
【図14】第2実施例の電話装置の制御部が実行する通話処理のフローチャートを示す。
【図15】第2実施例の電話装置の制御部が実行する音声データ再生処理のフローチャートを示す。
【図16】第2実施例の留守番電話サーバの制御部が実行する電子メール送信処理のフローチャートを示す。
【図17】第2実施例の留守番電話サーバの制御部が実行する音声データ送信処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここでは、本明細書に記載の技術における実施形態の一部を列挙する。
(形態1)上記の電話装置は、IP網を利用して電話通信することができるものであってもよい。即ち、上記の電話装置は、IP電話であってもよい。この場合、電話識別情報は、URI形式のインターネットアドレスであってもよい。一方において、一般電話の場合、電話識別情報は、一般電話番号(PSTN電話番号)であってもよい。
(形態2)電話装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して電話通信を行なってもよい。
(形態3)形態2の場合、通話要求はINVITEコマンドであってもよい。
(形態4)形態2の場合、否定的なレスポンスは、400番台、500番台、600番台のコマンドであってもよい。
(形態5)電話装置は、通話要求に対する肯定的なレスポンスが受信されたことを条件として、当該肯定的なレスポンスに応じた処理を実行してもよい。
(形態6)形態2の場合、肯定的なレスポンスは、100番台、200番台、300番台のコマンドであってもよい。例えば、上記の別の電話装置において通話開始操作(例えばリング音が出力されている間のフックキーの操作)が実行された結果として上記の別の電話装置から送信される肯定的なレスポンス(例えば200 OKのコマンド)が受信されると、電話装置は、上記の別の電話装置と電話通信を実行してもよい。また、例えば、100番台のコマンドが受信されると、電話装置は、次にコマンドが受信されるまで、待機してもよく、300番台のコマンドが受信されると、コマンドで指定された送信先に所定のデータを転送してもよい。
【実施例1】
【0016】
(ネットワークの構成)
図面を参照して第1実施例を説明する。図1は、IPネットワーク10の構成を示す。IPネットワーク10は、電話装置20,100とアクセスポイント40,120と電子メールサーバ60とSIPサーバ80と多機能機140とPC160等を備える。IPネットワーク10は、電話装置20,100以外にも多数の電話装置を備えることができる。IPネットワーク10は、アクセスポイント40,120以外にも多数のアクセスポイントを備えることができる。また、IPネットワーク10は、多数の多機能機140や多数のPC160を備えていてもよい。IPネットワーク10の各装置40,60,80,120,140,160は、LAN(Local Area Network)回線2を介して通信することができる。電話装置20,100、多機能機140及びPC160は、それぞれ固有のSIP URI(即ち電話識別情報)とメールアドレスを有している。
【0017】
(電話装置の構成)
図2は、電話装置20の構成を示す。なお、電話装置100は、電話装置20と同様の構成を有する。電話装置20は、制御部22と無線通信インターフェイス24(図2及び以下では、無線通信I/F24という)と操作部26と表示部28とスピーカ30とマイク32と記憶部34等を備える。電話装置20の各部は、バス36によって接続されている。制御部22は、記憶部34に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。制御部22が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。無線通信I/F24は、アクセスポイント40,120と無線通信するためのインターフェイスである。無線通信I/F24は、電話装置20が図1に示すアクセスポイント40の無線通信可能領域42内に存在する場合、アクセスポイント40と無線通信可能となる。一方において、無線通信I/F24は、電話装置20が図1に示すアクセスポイント120の無線通信可能領域122内に存在する場合、アクセスポイント120と無線通信可能となる。
【0018】
操作部26は、複数のキーを有する。例えば、操作部26は、フックキーやテンキーを有する。表示部28は、様々な情報を表示することができる。ユーザは、操作部26を操作することによって、アクセスポイント40を介してLAN回線2に接続されている別の装置と通信することができる。ユーザは、スピーカ30とマイク32を利用して通話を行なうことができる。記憶部34は、制御部22によって実行されるべきプログラムを記憶している。記憶部34は、電話装置20が通信(送信及び受信)した電子メール群を記憶することができる。記憶部34は、各装置100,140,160のSIP URIとメールアドレスが対応付けられている電話帳を記憶している。電話装置100は電話装置20と同様の構成を有する。以下では、電話装置20が無線通信可能領域42内に存在し、電話装置100が無線通信可能領域122内に存在する場合について説明する。
【0019】
多機能機140は、電話装置20と同様の構成を備える。即ち、ユーザは、多機能機140のスピーカとマイクを利用して通話を行なうことができる。また、ユーザは、多機能機140を利用して電子メールを受信及び送信することができる。また、多機能機140は、ファクシミリ機能やスキャン機能等を備えている。
【0020】
(他の装置の構成)
PC160は、電話装置20と同様の構成を備える。即ち、ユーザは、PC160のスピーカとマイクを利用して通話を行なうことができる。また、ユーザは、PC160を利用して電子メールを受信及び送信することができる。PC160の操作部は、キーボードやマウス等を有する。
【0021】
アクセスポイント40は、無線通信可能領域42内に存在する無線通信装置と無線通信することができる。アクセスポイント40は、LAN回線2に接続されている。アクセスポイント40は、LAN回線2に接続されている各装置と通信する。アクセスポイント40は、電話装置20と電子メールサーバ60又はSIPサーバ80との通信を中継する。アクセスポイント120は、アクセスポイント40と同様の構成を備える。即ち、アクセスポイント120は、電話装置100と電子メールサーバ60又はSIPサーバ80との通信を中継する。
【0022】
電子メールサーバ60は、電話装置20,100、多機能機140、PC160等から送信された電子メールを受信する。電子メールサーバ60は、電子メールに含まれている送信先メールアドレスに対応する装置に、受信した電子メールを転送する。例えば、電話装置20が電話装置100に電子メールを送信する場合、電話装置20から送信された電子メールは、アクセスポイント40を介して電子メールサーバ60に送信される。電子メールサーバ60は、受信した電子メールに含まれる送信先メールアドレスに基づいて、アクセスポイント120を介して、電話装置100に電子メールを送信する。
【0023】
SIPサーバ80は、各装置20,40,100,120のSIP URIを記憶している。SIPサーバ80は、LAN回線2に接続されている。SIPサーバ80は、SIPを利用して各装置20,40,100,120の間の電話通信を制御する。即ち、各装置20,40,100,120は、SIPを利用して無線電話通信を実行することができる。例えば、電話装置20と電話装置100の間で電話通信のために通信される各種コマンドは、SIPサーバ80を経由して送信される。
【0024】
(各装置の処理)
次いで、電話装置20のユーザが電話装置100に電話を掛ける場合について、電話装置20,100、電子メールサーバ60、SIPサーバ80の処理を説明する。図3は、各装置20,60,80,100の処理を示すシーケンス図を示す。電話装置20のユーザは、操作部26を操作することによって、通話準備操作200を実行することができる。電話装置20のユーザは、電話装置100のSIP URIを入力して(即ち電話をかける相手のSIP URIを入力して)、操作部26のフックキーを操作することによって、通話準備操作200を実行することができる。
【0025】
ユーザよって通話準備操作200が為されると、電話装置20は、電話装置100のSIP URI(本実施例では、sip:user1@sip.com)を含むINVITE202をSIPサーバ80に送信する。SIP URIの後に付けられている「SIP/2.0」は、SIPの種類(バージョン)を示す。以下では、「SIP/2.0」は省略する。例えば、電話装置100の電源がOFFされている場合、SIPサーバ80は、電話装置100にINVITE202を転送することができない。この場合、SIPサーバ80は、INVITE202のレスポンスとして、404 Not Found204を電話装置20に送信する。この結果、電話装置20は、電子メール206を作成する。具体的には、電話装置20の制御部22は、記憶部34の中から、電話装置100のSIP URIに対応付けて記憶されているメールアドレスを取得する。あるいは、制御部22は、ユーザによって直接入力されたメールアドレスを取得してもよく、ユーザによって、記憶部34に記憶されているメールアドレスのうち、1つのメールアドレスが選択された場合に、選択されたメールアドレスを取得してもよい。電話装置20は、記憶部34に記憶されている音声ガイダンスの音声データを再生することによって、ユーザに音声を入力することを促す。ユーザは、マイク32に向かって話すことによって、電話装置20に音声を入力することができる。電話装置20は、入力された音声データが添付されている電子メール206を作成する。電話装置20は、電子メール206を電話サーバ60に送信する。
【0026】
図4は、電子メール206の一例を示す。電子メール206は、送信元メールアドレス240と送信先メールアドレス242とメッセージID244とメッセージ246とSIP URI248と音声データ250を含む。送信元メールアドレス240は、「From:」というタグによって特定される情報である。送信元メールアドレス240は、電話装置20のメールアドレスである。送信先メールアドレス242は、「To:」というタグによって特定される情報である。送信先メールアドレス242は、電話装置100のメールアドレスである。メッセージID244は、「Message−ID:」というタグによって特定される情報である。メッセージID244は、電子メール206に固有の識別情報である。メッセージID244は、制御部22によって決定される。メッセージ246は、着信があったことを示すメッセージである。また、メッセージ246は、音声データ250が添付されていることを示すメッセージである。メッセージ246は、記憶部34に予め記憶されていてもよい。SIP URI248は、電話装置20のSIP URIである。音声データ250は、電話装置20のユーザによって入力された音声をデータ化したものである。
【0027】
電子メールサーバ60は、送信先メールアドレス242に基づいて、電子メール208を電話装置100に送信する。電子メール208は、電子メール206と同一の内容である。電話装置100のユーザは、音声データ再生操作210を実行することによって、電子メール208に添付された音声データ250を再生させることができる。ユーザは、操作部26を操作することによって、電子メール208に添付されている音声データ250を選択することができる。電話装置100は、ユーザによって音声データ250が選択された場合、音声データ再生操作が為されたと判断する。これにより、電話装置100から音声データ250が出力される。電話装置100のユーザは、電子メール206に含まれるSIP URI248を選択し、その後にフックキーを操作することができる。即ち、電話装置100のユーザは、通話準備操作212を実行することができる。電話装置100は、SIPサーバ80に電話装置20のSIP URI(本実施例では、sip:user2@sip.com)を含むINVITE214を送信する。SIPサーバ80は、電話装置20を見つけることができない場合、INVITE214のレスポンスとして、404 Not Found216を電話装置100に送信する。この結果、電話装置100は、電子メール218を作成する。まず、電話装置100は、電子メール208の送信元メールアドレス240を取得する。電話装置100は、電話装置100の記憶部に記憶されている音声ガイダンスの音声データを再生することによって、ユーザに音声を入力することを促す。ユーザは、電話装置100のマイクに向かって話すことによって、電話装置100に音声を入力することができる。電話装置100は、入力された音声データが添付されている電子メール218を作成する。電話装置100は、電子メール218を電子メールサーバ60に送信する。
【0028】
図5は、電子メール218の一例を示す。電子メール218は、電子メール206の各部240,242,244,246,248,250と同様の各部252,254,256,262,264,266を含む。また、電子メール218は、メール履歴情報258と返信情報260を含む。送信元メールアドレス252は、電話装置100のメールアドレスである。送信先メールアドレス254は、電話装置20のメールアドレスである。メッセージID256は、電子メール218に固有の識別情報である。メール履歴情報258は、「Reference:」というタグによって特定される情報である。メール履歴情報258は、電子メールの返信の履歴である。正確には電子メール218は電子メール208(206)の返信ではないが(即ちユーザによって返信操作が実行されていないが)、メール履歴情報258は、電子メール208(206)のメッセージID244を含む。返信情報260は、「In−Reply−To:」というタグによって特定される情報である。返信情報260は、電子メール206のメッセージID244である。これは、電子メール218が電子メール206の返信であることを意味する。
【0029】
電子メールサーバ60は、送信先メールアドレス254に基づいて、電子メール220を電話装置20に送信する。電子メール220は、電子メール218と同一の内容である。電話装置20のユーザは、音声データ再生操作222を実行することができる。ユーザは、操作部26を操作することによって、電子メール220に添付されている音声データ266を選択することができる。電話装置20は、ユーザによって音声データ266が選択された場合、音声データ再生操作が為されたと判断する。電話装置20は、電子メール206に添付されている音声データ250を再生し、それに続いて電子メール220に添付されている音声データ266を再生する。電話装置20のユーザは、電子メール220に含まれるSIP URI264を選択し、その後にフックキーを操作することができる。即ち、電話装置20のユーザは、通話準備操作224を実行することができる。電話装置20は、SIPサーバ80に、電話装置100のSIP URI(即ちSIP URI264)を含むINVITE226を送信する。SIPサーバ80は、電話装置100を見つけることができない場合、INVITE226のレスポンスとして、404 Not Found228を電話装置20に送信する。電話装置20は、電子メール230を作成する。電話装置20が実行する電子メール230の作成処理は、電話装置100が実行する電子メール218の作成処理と同様である。電話装置20は、電子メール230を電子メールサーバ60に送信する。
【0030】
図6は、電子メール230の一例を示す。電子メール230は、電子メール218の各部252,254,256,258,260,262,264,266と同様の各部270,272,274,276,278,280,282,284を含む。送信元メールアドレス270は、電話装置20のメールアドレスである。送信先メールアドレス272は、電話装置100のメールアドレスである。メッセージID274は、電子メール230に固有の識別情報である。メール履歴情報276には、電子メール218のメール履歴情報258のメッセージID244と電子メール218のメッセージID256が時系列順に並んでいる。返信情報278は、メッセージID256を含む。
【0031】
電子メールサーバ60は、送信先メールアドレス272に基づいて、電子メール232を電話装置100に送信する。電子メール232は、電子メール230と同一の内容である。電話装置100のユーザは、音声データ再生操作234を実行することができる。電話装置100は、電子メール218に添付されている音声データ266を再生し、それに続いて電子メール232に添付されている音声データ284を再生する。
【0032】
(電話装置の処理)
次いで、電話装置20の制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、電話装置20の通話処理の内容について説明する。図7は、通話処理のフローチャートを示す。制御部22は、ユーザによって通話準備操作が実行されることを監視している(S12、図3の通話準備操作200,224)。制御部22は、通話準備操作の種類を記憶部34に記憶させる(S14)。通話準備操作の種類は、「通常」と「コールバック」の2種類である。制御部22は、ユーザよる操作部26の操作によって、電話装置20で受信された電子メールに含まれているSIP URI(例えば、図5の電子メール218の場合はSIP URI264であり、図6の電子メール230の場合はSIP URI282である)が選択され、その後にフックキーが操作された場合に、「コールバック」を記憶部34に記憶させる。「コールバック」の通話準備操作は、図3の通話準備操作212,224に相当する。一方において、制御部22は、ユーザによる操作部26の操作によって、上記したコールバック以外の通話準備操作が実行された場合(例えば、電話をかけたい相手のSIP URIが電話帳から選択され、その後にフックキーが操作された場合)に、「通常」を記憶部34に記憶させる。「通常」の通話準備操作は、図3の通話準備操作200に相当する。
【0033】
制御部22は、SIPサーバ80に送信先のSIP URIを含むINVITEを送信する(S16、図3のINVITE202,226)。本実施例では、電話装置20が電話装置100にINVITEを送信する場合について説明する。制御部22は、INVITEに対するレスポンスを受信することを監視している(S18)。S18でYESの場合、制御部22は、受信したレスポンスが通信不可を示すレスポンスであるか否かを確認する(S20)。通信不可を示すレスポンスとは、例えば、レスポンスが400番台、500番台、600番台のコマンドである。S20でNOの場合、制御部22は、レスポンスに応じた処理を実行して(S22)、処理を終了する。例えば、レスポンスが200 OKを含んでいる場合、制御部22は、電話装置100と電話通信を開始する。また、例えば、レスポンスが100番台のコマンドである場合、制御部22は、次にレスポンスが受信されるまで待機する。また、例えば、レスポンスが300番台のコマンドである場合、制御部22は、コマンドで指示された情報をコマンドで指示された装置に転送する。
【0034】
一方において、S20でYESの場合、制御部22は、電話装置100のメールアドレスを取得する(S24)。制御部22は、記憶部34に記憶されている音声ガイダンスの音声データを再生する(S26)。ユーザは、スピーカ30から発せられる音声ガイダンスを確認する。ユーザは、マイク32に向かって話すことによって、電話装置20に音声を入力することができる。制御部22は、入力された音声を録音する(S28)。実際には、制御部22は、入力された音声をデータ化し、記憶部34に記憶させる。
【0035】
制御部22は、S14で記憶された通話準備操作が「コールバック」であるか否かを確認する(S30)。S30でYESの場合、制御部22は、返信情報とメール履歴情報を含む電子メールを作成する(S32)。即ち、制御部22は、電子メール218,230と同一のフォーマットの電子メールを作成する。具体的には、制御部22は、電話装置20のメールアドレスを送信元メールアドレス270に記述する。制御部22は、S24で取得されたメールアドレスを、送信先メールアドレス272に記述する。制御部22は、固有のメッセージIDを決定して、メッセージID274に記述する。制御部22は、受信された電子メール(図3の電子メール220)に含まれるメール履歴情報258とメッセージID256とから、返信情報278とメール履歴情報276を作成する。制御部22は、記憶部34に記憶されているメッセージデータからメッセージ280を作成する。
【0036】
一方において、S30でNOの場合、制御部22は、返信情報とメール履歴情報を含まない電子メールを作成する(S34)。即ち、制御部22は、電子メール206と同一のフォーマットの電子メールを作成する。制御部22は、S32で実行した処理と同様の処理によって、電子メール206の各部250,242,244,246,248を作成することによって、電子メール206を作成する。制御部22は、S28で記憶された音声データを電子メールに添付する(S36)。制御部22は、電子メールを電子メールサーバ60に送信する(S38、図3の電子メール206,230)。電子メールサーバ60は、受信した電子メールの送信先メールアドレスに基づいて、電子メールを電話装置100に送信する(図3の電子メール208,232)。制御部22は、送信した電子メールのメッセージIDと音声データとを対応付けて記憶部34に記憶させて(S40)、処理を終了する。
【0037】
次に、電話装置20の音声データ再生処理の内容を説明する。図8は、音声データ再生処理のフローチャートを示す。制御部22は、他の装置から電子メールを受信することを監視している(S42、図3の電子メール220)。ユーザは、操作部26を操作することによって、電話装置20によって受信された電子メールを表示部28に表示させることができる。制御部22は、ユーザによって音声データ再生操作が為されることを監視している(S44、図3の音声データ再生操作222)。
【0038】
S44でNOの場合、処理を終了する。一方において、S44でYESの場合、S42で受信した電子メールに返信情報が含まれているか否かを確認する(S46)。S46でNOの場合、S52に進む。一方において、S46でYESの場合、制御部22は、記憶部34の中から、返信情報(例えば図6の返信情報278)に含まれるメッセージIDをキーとして、そのメッセージIDと対応付けて記憶されている音声データを検索する(S48)。制御部22は、検索でヒットした音声データを再生する(S50)。次いで、制御部22は、S42で受信した電子メールに添付されている音声データを再生して(S52)、処理を終了する。ユーザは、スピーカ30から発せられる音声を確認する。例えば、電話装置20が電子メール230を受信した場合、制御部22は、音声データ266に続いて、音声データ284を再生する。即ち、ユーザは、音声データ266に続いて、音声データ284を確認することができる。
電話装置100、多機能機140、及びPC160の制御部も、上記した通話処理及び音声データ再生処理を実行することができる。
【0039】
電話装置20,100は、アクセスポイント40,120を介して、IP網を利用した無線電話通信を実行する。従って、電話装置20,100は、アクセスポイント40,120の無線通信可能領域42,122外に存在する場合、電話通信を実行することができない。このことから、電話装置20,100が電話通信を実行することができない状況が多く存在する。例えば、電話装置20のユーザXが電話装置100のユーザYに電話を掛けるとする。電話装置100が電話通信を実行することができない場合に、ユーザXは、ユーザYに対して、音声メッセージ(音声データ250)を送信する。一方において、音声データ250を確認したユーザYは、ユーザXに電話を掛ける。電話装置20が電話通信を実行することができない場合に、ユーザYは、ユーザXに対して、音声メッセージ(音声データ266)を送信する。ユーザXは、音声データ266を確認する時点で、自身が入力した音声データ250の内容を忘れている場合がある。この場合、ユーザXは、音声データ266のみを確認しても、音声データ266の内容を理解することができない。
【0040】
上記した第1実施例の電話装置20は、音声データ250に続いて、音声データ266を再生する。この結果、ユーザXは、音声データ266を確認する前に、音声データ250を確認することができる。
【0041】
制御部22は、電話装置20のSIP URIを含む電子メールを電話装置100に送信する。電話装置100のユーザは、電子メールに含まれているSIP URIを選択することによって、電話装置20に電話を掛けることができる。電話装置100のユーザは、電話装置20のSIP URIを入力したり、検索する手間が省ける。
【0042】
制御部22は、電子メールの返信情報を利用して、検索にヒットした音声データを再生する。即ち、制御部22は、受信した電子メール220の1つ前に、電話装置20が送信した電子メール206に添付されている音声データ250に続けて、受信した電子メール220に添付されている音声データ266を再生する。制御部22は、受信した電子メールの2つ以上前にやり取りされた電子メールに添付されている音声データを再生しない。ユーザは、1つ前に自身が入力したメッセージを確認することによって、それ以前のやり取りを思い出す場合が多い。制御部22が2つ以上前にやり取りされた電子メールに添付されている音声データを再生しないことによって、ユーザは、音声データを確認する時間を短縮することができる。
【0043】
一方において、音声データ250を確認しても、受信した電子メールに添付されている音声データの内容が理解できない場合、ユーザは、メール履歴情報を利用することによって、音声データ250より前にやり取りされた音声データを記憶部34の中から検索することができる。
【実施例2】
【0044】
図面を参照して第2実施例を説明する。以下では、第1実施例と重複する構成は、第1実施例で付した符号と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。図9は、第2実施例のIPネットワーク10の構成を示す。IPネットワーク10は、図1のIPネットワーク10の各装置20,40,60,80,100,120,140,160の他に、留守番電話サーバ300を備える。
【0045】
図10は、留守番電話サーバ300の構成を示す。留守番電話サーバ300は、制御部360とネットワークインターフェイス362(図10及び以下では、ネットワークI/F362という)と記憶部364を備える。留守番電話サーバ300の各部は、バス366によって接続されている。制御部360は、記憶部364に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。制御部360は、後述する電子メール送信要求、又は、電子メール返信要求を受信すると、電子メールを作成して送信する。制御部360が作成する電子メールの内容については、後で詳しく説明する。また、制御部360が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。ネットワークI/F362は、LAN回線2に接続されている。留守番電話サーバ300は、ネットワークI/F362を介して、LAN回線2に接続されている各装置と通信することができる。記憶部364は、制御部360によって実行されるべきプログラムを記憶している。記憶部364は、各装置20,100,140,160のSIP URIとメールアドレスとを対応付けて記憶している。記憶部364は、制御部360で作成された電子メールと電子メール送信要求に含まれる音声データとを対応付けて記憶することができる。
【0046】
(各装置の処理)
次いで、最初に電話装置20のユーザが電話装置100に電話を掛ける場合について、電話装置20,100、電子メールサーバ60、SIPサーバ80、留守番電話サーバ300の処理を説明する。図11は、各装置20,60,80,100,300の処理を示すシーケンス図を示す。電話装置20は、INVITE202のレスポンスが404 Not Found204であると、留守番電話サーバ300に電子メール送信要求302を送信する。次いで、電話装置20は、記憶部34に記憶されている音声ガイダンスの音声データを再生することによって、ユーザに音声を入力することを促す。ユーザは、マイク32に向かって話すことによって、電話装置20に音声を入力することができる。電子メール送信要求302は、送信先である電話装置100のSIP URIと、ユーザによって入力された音声データを含む。留守番電話サーバ300は、電子メール送信要求に含まれるSIP URIに対応付けて記憶部364に記憶されているメールアドレスを取得する。留守番電話サーバ300は、電子メール304を作成する。留守番電話サーバ300は、受信した音声データを電子メール304と対応付けて記憶する。留守番電話サーバ300は、電子メールサーバ60に電子メール304を送信する。
【0047】
図12は、電子メール304の一例を示す。電子メール304は、電子メール206の各部240,242,244,246,248と同様の各部330,332,334,336,338を含む。メッセージID334は、電子メール304に固有の識別情報である。また、電子メール304は、音声メッセージ取得メッセージ340を含む。音声メッセージ取得メッセージ340は、留守番電話サーバ300に記憶されている音声データとリンクされている。
【0048】
電子メールサーバ60は、送信先メールアドレス332に基づいて、電子メール306を電話装置100に送信する。電子メール306は、電子メール304と同一の内容である。電話装置100のユーザによって、音声データ再生操作210が為されると、電話装置100は、留守番電話サーバ300に、音声データ要求308を送信する。音声データ再生操作210は、ユーザが操作部26を操作することによって、電子メール306(304)の音声メッセージ取得メッセージ340を選択する操作である。音声データ要求308は、メッセージID334を含む。
【0049】
留守番電話サーバ300は、音声データ要求308に含まれるメッセージID334の電子メール304に対応付けて記憶されている音声データ310を電話装置100に送信する。電話装置100は、音声データ310を受信すると、音声データ310を再生する。電話装置100のユーザは、電子メール306に含まれるSIP URI338を選択し、その後にフックキーを操作することができる。即ち、電話装置100のユーザは、通話準備操作212を実行することができる。電話装置100のユーザによって、通話準備操作212が為されると、電話装置100は、INVITE214を送信し、SIPサーバ80から404 Not Found216を受信する。電話装置100は、記憶部に記憶されている音声ガイダンスの音声データを再生することによって、ユーザに音声を入力することを促す。ユーザは、電話装置100のマイクに向かって話すことによって、電話装置100に音声を入力することができる。電話装置100は、留守番電話サーバ300にユーザによって入力された音声データと電子メール306のメッセージID334を含む電子メール返信要求312を送信する。留守番電話サーバ300は、メッセージID334に対応する電子メール304の送信元メールアドレス330を取得する。留守番電話サーバ300は、電子メール314を作成する。留守番電話サーバ300は、電子メールサーバ60に電子メール314を送信する。
【0050】
図13は、電子メール314の一例を示す。電子メール314は、電子メール304の各部330,332,334,336,338,340と同様の各部342,344,346,352,354を含む。メッセージID346は、電子メール314に固有の識別情報である。また、電子メール314は、電子メール218のメール履歴情報258と返信情報260と同様のメール履歴情報348と返信情報350を含む。
【0051】
電子メールサーバ60は、送信先メールアドレス344に基づいて、電子メール316を電話装置20に送信する。電子メール316は、電子メール314と同一の内容である。電話装置20のユーザによって、音声データ再生操作222が為されると、電話装置20は、留守番電話サーバ300に、音声データ要求320を送信する。音声データ要求320は、返信情報350のメッセージID334を含む。
【0052】
留守番電話サーバ300は、メッセージID334に対応する電子メール304の音声データ322を電話装置20に送信する。電話装置20は、音声データ322を受信すると、音声データ322を再生する。電話装置20は、留守番電話サーバ300に、音声データ要求324を送信する。音声データ要求324は、メッセージID346を含む。留守番電話サーバ300は、メッセージID346の電子メール314に対応付けて記憶されている音声データ326を電話装置20に送信する。電話装置20は、音声データ326を受信すると、音声データ326を再生する。この結果、電話装置20は、音声データ322を再生し、それに続いて音声データ326を再生することができる。
【0053】
(電話装置の処理)
次いで、電話装置20の制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、電話装置20の通話処理の内容について説明する。図14は、通話処理のフローチャートを示す。制御部22は、S24を除くS12からS30の処理を実行する。S30でYESの場合、制御部22は、留守番電話サーバ300に電子メール返信要求を送信して(S62)、処理を終了する。一方において、S30でNOの場合、制御部22は、留守番電話サーバ300に電子メール送信要求を送信して(S64、図11の電子メール送信要求302)、処理を終了する。
【0054】
次に、電話装置20の音声データ再生処理の内容を説明する。図15は、音声データ再生処理のフローチャートを示す。制御部22は、S42からS46までの処理を実行する。S44において、制御部22は、ユーザによる操作部26の操作によって、電子メールの音声メッセージ取得メッセージが選択されると、音声データ再生操作が為されたと判断する(図11の音声データ再生操作222)。S46でNOの場合、S78に進む。一方において、S46でYESの場合、制御部22は、留守番電話サーバ300に、受信した電子メールに含まれている返信情報のメッセージIDを含む音声データ要求を送信する(S72、図11の音声データ要求320)。制御部22は、音声データ要求に対するレスポンスとして、留守番電話サーバ300から音声データを受信する(S74、図11の音声データ322)。制御部22は、受信した音声データを再生して(S76)、S78に進む。ユーザは、スピーカ30から発せられる音声を確認する。
【0055】
S78では、制御部22は、留守番電話サーバ300に、S42で受信した電子メールのメッセージIDを含む音声データ要求を送信する(図11の音声データ要求324)。制御部22は、音声データ要求に対するレスポンスとして、留守番電話サーバ300から音声データを受信する(S80、図11の音声データ326)。制御部22は、受信した音声データを再生して(S82)、処理を終了する。ユーザは、スピーカ30から発せられる音声を確認する。
【0056】
次いで、留守番電話サーバ300の制御部360が実行する処理の内容について説明する。まず、留守番電話サーバ300の電子メール送信処理について説明する。図16は、電子メール送信処理のフローチャートを示す。制御部360は、電子メール送信要求を受信することを監視している(S92、図11の電子メール送信要求302)。S92でYESの場合、制御部360は、電子メール送信要求に含まれるSIP URIに対応付けて記憶部364に記憶されているメールアドレスを取得して(S94)、S100に進む。一方において、S92でNOの場合、制御部360は、電子メール返信要求を受信することを監視している(S96、図11の電子メール返信要求312)。S96でNOの場合、処理を終了する。一方において、S96でYESの場合、制御部360は、記憶部364の中から、電子メール返信要求に含まれるメッセージIDの電子メールの送信元メールアドレスを取得して(S98)、S100に進む。
【0057】
S100では、制御部360は、電子メールを作成する。制御部360は、電子メール送信要求を受信した場合、図12で示す電子メール304と同一のフォーマットの電子メールを作成する。一方において、制御部360は、電子メール返信要求を受信した場合、図13で示す電子メール314と同一のフォーマットの電子メールを作成する。制御部360は、S94又はS96で取得したメールアドレスを送信先に指定として、電子メールを送信する(S102)。制御部360は、記憶部364に、送信した電子メールと電子メール返信要求に含まれる音声データとを対応付けて記憶して(S104)、処理を終了する。
【0058】
次に、留守番電話サーバ300の音声データ送信処理について説明する。図17は、音声データ送信処理のフローチャートを示す。制御部360は、音声データ要求を受信することを監視している(S112、図11の音声データ要求308、320,324)。S112でNOの場合、処理を終了する。S112でYESの場合、制御部360は、記憶部364の中から、音声データ要求に含まれるメッセージIDの電子メールに対応付けて記憶されている音声データを検索する(S114)。制御部360は、検索にヒットした音声データを音声データ要求の送信元に送信して(S116)、処理を終了する。
上記した第2実施例によっても、第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0059】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)電話装置20の制御部22は、受信した電子メールの返信情報に含まれるメッセージIDに対応する音声データに続いて、電子メールに対応する音声データを再生する。しかしながら、例えば、制御部22は、受信した電子メールのメール履歴情報に含まれるメッセージIDに対応する音声データに続いて、電子メールに対応する音声データを再生してもよい。即ち、受信した電子メールの直前に送信した電子メールに含まれる音声データだけでなく、それ以前にやり取りした電子メールに含まれる音声データを再生してもよい。
(2)例えば、第2実施例の留守番電話サーバ300は、各装置20,100,140,160のSIP URIとメールアドレスを対応付けて記憶していなくてもよい。この場合、留守番電話サーバ300は、電子メールサーバ60やSIPサーバ80等、SIP URIとメールアドレスを対応付けて記憶している装置に、メールアドレスを問い合わせてもよい。あるいは、電話装置20等が、電子メール送信要求に、電子メールの送信先のメールアドレスを含めてもよい。
【0060】
(3)例えば、電子メール206(208)には、音声データが含まれていなくもよい。即ち、電子メール206(208),304(306)は、テキストデータのみであってもよく、音声データ以外の画像データ等を含んでいてもよい。電子メール220を受信した電話装置20のユーザは、返信情報260を利用して、電子メール206を表示部28に表示させてもよい。
(4)例えば、返信情報は、メッセージIDでなくてもよい。電子メールの送信日時及び/又は受信日時であってもよい。また、返信情報を示すタグは、「Re:」であってもよい。さらに、返信情報は、テキストデータでなくてもよい。例えば、音声データであってもよい。この場合、例えば、制御部22は、メッセージIDを含む音声データを作成してもよい。
(5)例えば、制御部22は、ユーザによる操作部26の操作によって、音声データの再生を中止してもよい。
【0061】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0062】
2:LAN回線、10:IPネットワーク、20,100:電話装置、40,120:アクセスポイント、300:留守番電話サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の電話装置と電子メールの通信が可能な電話装置であって、
前記別の電話装置から送信された第1電子メールを受信するメール受信手段と、
ユーザによって所定の操作がなされたことを条件として、前記別の電話装置に通話要求を送信する通話要求送信手段と、
前記通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザに音声を入力することを許容する音声入力許容手段と、
ユーザによって入力された第1音声データと前記第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを作成するメール作成手段と、
前記別の電話装置に前記第2電子メールを送信するメール送信手段
を備える電話装置。
【請求項2】
メール作成手段は、前記第2電子メールに自身の電話識別情報をさらに含める
ことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
前記所定の操作は、前記第1電子メールに含まれる前記別の電話装置の電話識別情報を選択する操作を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記第1電子メールは、前記別の電話装置から前記電話装置に送信された通話要求に対して否定的なレスポンスが受信された結果として、前記別の電話装置のユーザによって入力された第2音声データを含む
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電話装置。
【請求項5】
前記別の電話装置から送信された第3音声データと前記第2電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第3電子メールがメール受信手段によって受信されたことを条件として、前記第1音声データを再生し、それに続いて前記第3音声データを再生する音声再生手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電話装置。
【請求項6】
送信した電子メール群を記憶するメール記憶手段をさらに備え、
音声再生手段は、メール記憶手段に記憶された電子メール群から、前記第3電子メールの返信情報に含まれるメール識別情報に基づいて前記第2電子メールを特定し、特定された前記第2電子メールに含まれる前記第1音声データを再生し、それに続いて前記第3音声データを再生する
ことを特徴とする請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
前記第1電子メールは、前記別の電話装置から前記電話装置に送信された通話要求に対して否定的なレスポンスが受信された結果として、前記別の電話装置のユーザによって入力された第2音声データを含み、
音声再生手段は、前記第2音声データを再生せず、前記第1音声データを再生し、それに続いて前記第3音声データを再生する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電話装置。
【請求項8】
サーバと通信可能であるとともに別の電話装置と電子メールの通信が可能な電話装置であって、
前記別の電話装置から送信された第1電子メールを受信するメール受信手段と、
ユーザによって所定の操作がなされたことを条件として、前記別の電話装置に通話要求を送信する通話要求送信手段と、
前記通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザが音声を入力することを許容する音声入力許容手段と、
ユーザによって入力された音声データと前記第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを前記別の電話装置に送信することを前記サーバに指示する指示手段
を備える電話装置。
【請求項9】
別の電話装置と電子メールの通信が可能な電話装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記別の電話装置から送信された第1電子メールを受信するメール受信処理と、
ユーザによって所定の操作がなされたことを条件として、前記別の電話装置に通話要求を送信する通話要求送信処理と、
前記通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザに音声を入力することを許容する音声入力許容処理と、
ユーザによって入力された音声データと前記第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを作成するメール作成処理と、
前記別の電話装置に前記第2電子メールを送信するメール送信処理、
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
サーバと通信可能であるとともに別の電話装置と電子メールの通信が可能な電話装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記別の電話装置から送信された第1電子メールを受信するメール受信処理と、
ユーザによって所定の操作がなされたことを条件として、前記別の電話装置に通話要求を送信する通話要求送信処理と、
前記通話要求に対する否定的なレスポンスが受信されたことを条件として、ユーザが音声を入力することを許容する音声入力許容処理と、
ユーザによって入力された音声データと前記第1電子メールの返信であることを示す返信情報とを含む第2電子メールを前記別の電話装置に送信することを前記サーバに指示する指示処理
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−183344(P2010−183344A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24913(P2009−24913)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】