説明

露光ヘッド、画像形成装置

【課題】倍率が1未満の光学系を構成するレンズのうち、光学系の光学的性能により大きく影響するレンズが配設されたレンズアレイの熱変形を抑制して、光学系が適切な光学的性能を発揮することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】発光素子が第1の方向に配設された発光素子基板と、発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイと、第1のレンズから射出された光が入射し、第1のレンズと横倍率の絶対値が1未満の光学系を構成する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイと、発光素子基板に配設されて、第1のレンズアレイを支持する第1のスペーサーと、第1のレンズアレイに配設されるとともに、光学系の光軸方向から見て第1のスペーサーと異なる位置に配設され、第2のレンズアレイを支持する第2のスペーサーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のレンズアレイを用いた露光ヘッドおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レンズをアレイ配列したレンズアレイを用いた露光ヘッドが知られている。また、特許文献1では、2枚のレンズアレイを用いた露光ヘッドが提案されている。この露光ヘッドでは、2枚のレンズアレイが互いに対向するようにして支持されており、一方のレンズアレイにアレイ配列された複数のレンズと、他方のレンズアレイにアレイ配列された複数のレンズとが、一対一の対応関係で互いに向き合っている。そして、こうして互いに向き合う2枚のレンズが協働して1つの光学系として機能する。また、露光ヘッドでは、各光学系に対して発光素子が対向して設けられており、各光学系は対向する発光素子からの光を結像して、像担持体表面等の被露光面にスポットを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−098613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、2枚のレンズが協働して1つの光学系として機能する構成において、当該光学系の倍率の絶対値を1未満にしようとすると(すなわち、縮小像を結像するように光学系の倍率を設定しようとすると)、次のような問題が生じるおそれがあった。つまり、光学系の倍率の絶対値を1未満とした場合、当該光学系を構成する2枚のレンズのうち被露光面に近い方のレンズの位置や面精度が、光学系の光学的性能により大きく影響する傾向にある。一方で、発光素子は発光に伴なって発熱する。そのため、被露光面に近い方のレンズが配設されたレンズアレイにまで、発光素子からの熱が伝導すると、レンズアレイが熱変形を起こして、当該レンズアレイに配設されたレンズ(つまり、被露光面に近いほうのレンズ)の位置が変動したり、レンズの面精度を劣化する場合があった。その結果、光学系が適切な光学的性能を発揮できないおそれがあった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、倍率が1未満の光学系を構成するレンズのうち、光学系の光学的性能により大きく影響するレンズが配設されたレンズアレイの熱変形を抑制して、光学系が適切な光学的性能を発揮することを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、発光素子が第1の方向に配設された発光素子基板と、発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイと、第1のレンズから射出された光が入射し、第1のレンズと横倍率の絶対値が1未満の光学系を構成する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイと、発光素子基板に配設されて、第1のレンズアレイを支持する第1のスペーサーと、第1のレンズアレイに配設されるとともに、光学系の光軸方向から見て第1のスペーサーと異なる位置に配設され、第2のレンズアレイを支持する第2のスペーサーと、を備えることを特徴としている。
【0007】
このように構成された露光ヘッドでは、発光素子が配設された発光素子基板と、発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイと、第1のレンズから射出された光が入射する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイとが備えられている。そして、第1のレンズアレイは当該第1のレンズアレイと発光素子基板との間に配設された第1のスペーサーにより支持されるとともに、第2のレンズアレイは当該第2のレンズアレイと第1のレンズアレイとの間に配設された第2のスペーサーにより支持される。したがって、発光素子基板の発光素子が発光に伴って発熱すると、第1のスペーサーを介して第1のレンズアレイにまで熱が伝導する場合がある。そして、このような場合に、さらに第1のレンズアレイから第2のスペーサーを介して第2のレンズアレイにまで熱が伝導してしまうと、次のような問題が生じるおそれがあった。
【0008】
つまり、この露光ヘッドでは、発光素子からの光は、第1のレンズから射出された後に第2のレンズに入射することで、これら第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系から光学的作用を受ける。しかも、この光学系の横倍率の絶対値は1未満である。このような構成では、上述と同様に、第2のレンズの位置や面精度が光学系の光学的性能に大きく影響することとなる。そのため、発光素子基板から第1のスペーサーを介して第1のレンズアレイに伝導し、さらに第2のスペーサーを介して第2のレンズアレイにまで伝導して、第2のレンズアレイが熱変形を起こすと、第2のレンズの位置が変動したり第2のレンズの面精度が劣化したりしてしまい、その結果、光学系の光学的性能が悪化してしまうおそれがあった。
【0009】
これに対して、この露光ヘッドでは、第1のスペーサーは、光学系の光軸方向から見て第2のスペーサーと異なる位置に配設されている。このように、第1のスペーサーと第2のスペーサーとを異なる位置に配設した場合、第1のスペーサーから第1のレンズアレイを経由して第2のスペーサーへと向かう熱の伝導を抑えることができる。したがって、第2のスペーサーを介した第2のレンズアレイへの熱伝導を抑えて、第2のレンズアレイの熱変形に伴う第2のレンズの位置変動、第2のレンズの面精度の劣化を抑制できる。その結果、第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系が適切な光学的性能を発揮することが可能となっている。
【0010】
このとき、第1のスペーサーと第2のスペーサーとは、第1の方向と直交する第2の方向に異なる位置に配設されても良い。
【0011】
また、第1のスペーサーは第2の方向に第2のスペーサーよりも光学系の光軸から離れて配設されているように構成しても良い。このように、第1のスペーサーを第2のスペーサーよりも第2のレンズの光軸から離した構成は、光学系(第1のレンズ、第2のレンズ)の光学的性能に対して第1のスペーサーへの伝導熱が与える影響を抑制するのに有利となる。
【0012】
また、第2のスペーサーの第2の方向への幅は、第1のスペーサーの第2の方向への幅よりも狭いように構成しても良い。このように構成することで、第1のレンズアレイおよび第2のスペーサーを介した第1のスペーサーから第2のレンズアレイへの熱伝導をより抑制できる。その結果、第2のレンズアレイに配設された第2のレンズの位置変動をより抑制して、第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系の光学的性能をより適切なものとすることができる。
【0013】
また、第1のスペーサーが金属である露光ヘッドに対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、金属である第1のスペーサーは熱伝導率が高いため、上述したような伝導経路を介した第2のレンズアレイへの熱伝導が発生しやすい。したがって、このように構成された露光ヘッドに対しては、本発明を適用することで、第2のレンズアレイへの熱伝導を抑制して、第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系の適切な光学的性能を担保することが好適となる。
【0014】
また、発光素子基板には、発光素子を駆動させる駆動素子が配設されている露光ヘッドに対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、駆動素子は発光素子の駆動に伴なって発熱するため、この駆動素子からの熱が上述したような伝導経路を介して第2のレンズアレイへと伝導するおそれがある。したがって、駆動素子を発光素子基板に配設した露光ヘッドに対しては、本発明を適用することで、第2のレンズアレイへの熱伝導を抑制して、第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系の適切な光学的性能を担保することが好適となる。
【0015】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、発光素子が第1の方向に配設された発光素子基板、発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイ、第1のレンズから射出された光が入射し第1のレンズと横倍率の絶対値が1未満の光学系を構成する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイ、発光素子基板に配設されて第1のレンズアレイを支持する第1のスペーサー、および、第1のレンズアレイに配設されるとともに光学系の光軸方向から見て第1のスペーサーと異なる位置に配設され第2のレンズアレイを支持する第2のスペーサーを有する露光ヘッドと、発光素子から射出されて第1のレンズおよび第2のレンズで構成される光学系を透過した光が照射される像担持体と、を備えることを特徴としている。
【0016】
このように構成された画像形成装置は、上述の本発明にかかる露光ヘッドを備える。したがって、発光素子の発熱に伴なう第2のレンズアレイの熱変形に起因した上述と同様の問題が発生するおそれがあった。そこで、この画像形成装置では、第1のスペーサーは、光学系の光軸方向から見て第2のスペーサーと異なる位置に配設されている。このように、第1のスペーサーと第2のスペーサーとを互いに異なる位置に配設した場合、第1のスペーサーから第1のレンズアレイを経由して第2のスペーサーへと向かう熱の伝導を抑えることができる。したがって、第2のスペーサーを介した第2のレンズアレイへの熱伝導を抑えて、第2のレンズアレイの熱変形に伴う第2のレンズの位置変動、第2のレンズの面精度の劣化を抑制できる。その結果、第1のレンズおよび第2のレンズが構成する光学系が適切な光学的性能を発揮することが可能となっている。
【0017】
ところで、上記画像形成装置の露光ヘッドでは、第1のレンズおよび第2のレンズが1個の光学系を構成するとともに、当該光学系は第1のレンズへと入射してきた光を第2のレンズから射出する。そして、第2のレンズから射出された光が像担持体に照射される。このような構成においては、第2のレンズが配設された第2のレンズアレイが像担持体の近くに配設されることとなる。そこで、第1の方向に対して直交する第2の方向に、第1のスペーサーは第2のスペーサーよりも光学系の光軸から離れて配設されており、第2のレンズアレイの第2の方向への幅は、第1のレンズアレイの第2の方向への幅よりも狭いように構成しても良い。このように、像担持体の近くに配設される第2のレンズアレイの幅を狭くすることで、像担持体に対する露光ヘッドのレイアウトの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図。
【図2】図1の画像形成装置が備える電気的構成を示すブロック図。
【図3】ラインヘッドの概略を示す部分斜視図。
【図4】厚さ方向からヘッド基板を平面視した部分平面図。
【図5】ラインヘッドのA−A線における部分断面図。
【図6】ラインヘッドの部分側面図。
【図7】ラインヘッドのA−A線における部分詳細断面図。
【図8】スペーサーSP1とスペーサーSP2を異なる位置に配置した理由の説明図。
【図9】スペーサーSP1とスペーサーSP2との配置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置が備える電気的構成を示すブロック図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、このヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
【0020】
画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラーMC、エンジンコントローラーECおよびヘッドコントローラーHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0021】
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラム21は、軸方向が主走査方向MDに平行もしくは略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モーターに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナー27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
【0022】
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラーを備えている。この帯電ローラーは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラーは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
【0023】
ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して離間して配置されており、ラインヘッド29の長手方向は主走査方向MDに平行もしくは略平行であるとともに、ラインヘッド29の幅方向は副走査方向SDに平行もしくは略平行である。このラインヘッド29は複数の発光素子を備えており、各発光素子はヘッドコントローラーHCからのビデオデータVDに応じて発光する。そして、帯電した感光体ドラム21表面に発光素子からの光が照射されることで、感光体ドラム21表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像部25は、その表面にトナーを担持する現像ローラー251を有する。そして、現像ローラー251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラー251に印加される現像バイアスによって、現像ローラー251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラー251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
【0025】
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
【0026】
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナー27が設けられている。この感光体クリーナー27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
【0027】
転写ベルトユニット8は、駆動ローラー82と、図1において駆動ローラー82の左側に配設される従動ローラー83(ブレード対向ローラー)と、これらのローラーに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラー85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラー85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
【0028】
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラー85のうち、カラー1次転写ローラー85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラー85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラー85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラー85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
【0029】
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラー85Kの下流側で且つ駆動ローラー82の上流側に配設された下流ガイドローラー86を備える。また、この下流ガイドローラー86は、モノクロ1次転写ローラー85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラー85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
【0030】
駆動ローラー82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラー121のバックアップローラーを兼ねている。駆動ローラー82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラー121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラー82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラー82と2次転写ローラー121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0031】
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラー79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラー79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラー対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
【0032】
2次転写ローラー121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラー駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラー131と、この加熱ローラー131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラー131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラー1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラー1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラー131の周面に押し付けることで、加熱ローラー131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
【0033】
また、この装置では、ブレード対向ローラー83に対向してクリーナー部71が配設されている。クリーナー部71は、クリーナーブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナーブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラー83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。
【0034】
図3は、ラインヘッドの概略を示す部分斜視図である。同図では、ラインヘッド29の厚さ方向TKDの構成を理解しやすくするために、ラインヘッド29の長手方向LGDの端部(図3の左下端部)が断面で示されている。ここで、厚さ方向TKDは、長手方向LGDおよび幅方向LTDに垂直もしくは略垂直な方向であり、後述する発光素子Eが光を射出する側(つまり、ラインヘッド29から感光体ドラム21に向う側)を向いた方向とする。また、以後の実施形態の説明において、厚さ方向TKDの下流側(図3の上側)を「(厚さ方向TKDの)一方側」と称し、厚さ方向TKDの上流側(図3の下側)を「(厚さ方向TKDの)他方側」と称する。また、基板あるいは平板の一方側の面を表面と称し、基板あるいは平板の他方側の面を裏面と称することとする。
【0035】
なお、この厚さ方向TKDは、レンズアレイLA1のレンズLS1とレンズアレイLA2のレンズLS2とが構成する結像光学系の光軸(図7の光軸OAa、OAb、OAc)に平行である。ここで、光軸は次のように定義される。結像光学系は多くの場合、主走査方向MDに垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)であり、かつ、副走査方向SDに垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)である。このように、結像光学系は、主走査方向に垂直な第1対称面、および当該主走査方向MDと直交する副走査方向SDに垂直な第2対称面を有し、第1対称面と第2対称面の交線が定まる。結像光学系が回転対称である場合には、前述の第1対称面と第2対称面の交線は光軸と一致する。結像光学系が回転対称でない場合、厳密には結像光学系の光軸が定義されない場合があるが、そのような場合には、前述の交線を光軸として取り扱えばよい。
【0036】
ラインヘッド29は、ヘッド基板293、遮光部材297、レンズアレイLA1およびレンズアレイLA2をこの順番で厚さ方向TKDに配置した概略構成を備えている。ヘッド基板293の裏面には、複数の発光素子Eが所定個数毎に発光素子グループEGとしてグループ化されて二次元的かつ離散的に配置されている。また、ヘッド基板293の裏面には、これら複数の発光素子Eを封止するための封止部材294が取り付けられており、さらに、この封止部材294の裏面にはラインヘッド29を構成する上記各部材を支持するための剛性部材299が取り付けられている。
【0037】
ヘッド基板293とレンズアレイLA1との間にはスペーサーSP1が設けられており、このスペーサーSP1がヘッド基板293とレンズアレイLA1との間隔を規定する。なお、ヘッド基板293とレンズアレイLA1との間には遮光部材297が配置されており、スペーサーSP1は、遮光部材297に対して厚さ方向TKD一方側で若干の間隔を空けてレンズアレイLA1を支持する。レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間にはスペーサーSP2が設けられており、このスペーサーSP2がレンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔を規定しながらレンズアレイLA2を支持する。
【0038】
こうしてラインヘッド29では、ヘッド基板293、遮光部材297およびレンズアレイLA1、LA2がこの順番で並んでいる。そして、ヘッド基板293の発光素子Eからの光が、遮光部材297の導光孔2971を通過して、レンズアレイLA1、LA2のレンズLS1、LS2により結像される。次に、各部材の詳細な構成について、図3、図4および図5を用いつつ説明する。
【0039】
図4は、厚さ方向TKDからヘッド基板293を平面視した部分平面図であり、厚さ方向TKDの一方側(図3の上側)からヘッド基板293の裏面293−tを透視した場合に相当する。図5は、ラインヘッドのA−A線における部分断面図であり、該断面を長手方向LGD(主走査方向MD)から見た場合に相当する。このA−A線断面は、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、一列に並ぶ3個の発光素子グループEG(あるいは、3枚のレンズLS1等)の各幾何重心(あるいは、各レンズ中心)を通る。また、図4、図5に示す方向Dlscは、A−A線に平行な方向である。さらに、図4では、ヘッド基板293に形成された発光素子グループEG、レンズアレイLA1に形成されたレンズLS1およびレンズアレイLA2に形成されたレンズLS2の位置関係を示すために、レンズLS1およびレンズLS2がそれぞれ一点鎖線で併記されている。ちなみに、レンズLS1およびレンズLS2についての図中記載は、これらの位置関係を示すためのものであり、レンズLS1およびレンズLS2がヘッド基板裏面293−t(図5)に形成されていることを示すものではない。また、図5において、光透過性(つまり透明)である部材には、点の集合からなるハッチングが施されている。
【0040】
ヘッド基板293は光を透過するガラス基板(光透過性基板)で構成されており、ヘッド基板裏面293−tでは、ボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である発光素子Eが複数形成されて、封止部材294により封止されている(図3、図5)。これら複数の発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有しており、光ビームを感光体ドラム21表面へ向けて射出する。また、図4に示すように、ヘッド基板裏面293−tに形成された複数の発光素子Eの配置態様は、グループ構造を有している。つまり、15個の発光素子Eが長手方向LGDに2行千鳥で配置されて1個の発光素子グループEGが構成されており、さらに複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに3行千鳥で離散的に配置されている。
【0041】
より詳しくは、この配置態様は次のように説明することができる。つまり、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子Eが長手方向LGDの互いに異なる位置に配置されており、しかも長手方向LGDにおける位置が隣り合う2つの発光素子E、Eの長手方向LGDへの距離は素子間距離Pelとなっている(言い換えれば、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子EがピッチPelで長手方向LGDに配置されている)。そして、素子間距離Pelよりも長いグループ間距離Pegを空けて複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに沿って離散的に並んで、1行の発光素子グループ行GRa等が構成されている。さらに、3行の発光素子グループ行GRa、GRb、GRcが距離Dtだけ空けて幅方向LTDの異なる位置に離散的に配置されており、しかも、発光素子グループ行GRa、GRb、GRcのそれぞれは、長手方向LGDに距離Dgだけ相互にシフトされている。こうして、3個の発光素子グループEGが、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、方向Dlscに一列に並ぶ。
【0042】
ここで、素子間距離Pelは、対象となる2個の発光素子Eの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、グループ間距離Pegは、対象となる2個の発光素子グループEGのうち、長手方向LGDの一方側の発光素子グループEGの他方側端部にある発光素子Eの幾何重心と、長手方向LGDの他方側の発光素子グループEGの一方側端部にある発光素子Eの幾何重心との長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dgは、長手方向LGDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dtは、幅方向LTDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の幅方向LTDにおける距離として求めることができる。
【0043】
このようにヘッド基板293の裏面293−tには、複数の発光素子グループEGが二次元的かつ離散的に配置されている。一方、ヘッド基板293の表面293−hには、遮光部材297が配置されている。遮光部材297には厚さ方向TKDに貫通する導光孔2971が複数形成されている。各導光孔2971は厚さ方向TKDからの平面視において円形状を有しており、その内壁には黒色メッキが施されている。この導光孔2971は、発光素子グループEG毎に1個ずつ形成されており、すなわち、1個の発光素子グループEGに対して1個の導光孔2971が開口している。こうして、遮光部材297は、導光孔2971を発光素子グループEGに開口させた状態でヘッド基板表面293−hに当接して固定されている。
【0044】
このような遮光部材297を設ける目的は、いわゆる迷光がレンズLS1、LS2に入射するのを抑制するためである。つまり、各発光素子グループEGには、レンズ対LS1、LS2の対からなる結像光学系がそれぞれ専用に設けられている。このような構成では、光ビームは、それ自身の射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2にのみ入射して結像されることが望ましい。しかしながら、光ビームの一部には、その射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に向わずに迷光となってしまうものもある。そして、このような迷光が、それ自身の射出源でない発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に入射してしまうと、いわゆるゴーストが発生してしまうおそれがある。これに対して、この実施形態では、発光素子グループEGと結像光学系LS1、LS2との間に遮光部材297が設けられている。この遮光部材297には、内壁に黒色メッキが施された導光孔2971が発光素子グループEGに開口して設けられているため、迷光の多くは導光孔2971の内壁で吸収されることとなる。その結果、先ほどのゴーストを抑制して、良好な露光動作の実現が図られる。
【0045】
そして、上述のとおり、これらヘッド基板293および遮光部材297の厚さ方向TKDの一方側には、レンズアレイLA1、LA2が設けられており、これらレンズアレイLA1、LA2はスペーサーSP1、SP2により支持されている。以下に、これらレンズアレイLA1、LA2の支持構造の詳細について、図3〜図5に加えて図6を用いて説明する。
【0046】
図6は、ラインヘッドの部分側面図であり、幅方向LTDからラインヘッド29を平面視した場合に相当する。ヘッド基板293の表面では、互いに同一の形状・大きさを有する複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに間隔CL1を空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP1の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP1の列が、ヘッド基板裏面293−tの発光素子Eが形成された領域を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる(換言すれば、遮光部材297を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる)。なお、これらのスペーサーSP1は、ヘッド基板293の表面293−hに接着剤等により固定されている。
【0047】
このようにして、2列に配置されたスペーサーSP1に対して、レンズアレイLA1が幅方向LTDに架設されており、これにより、レンズアレイLA1がヘッド基板293の厚さ方向TKDの一方側で位置決めされる。このとき、レンズアレイLA1のレンズLS1が形成された領域が、幅方向LTDに並ぶ2列のスペーサーSP1の列の間に位置するように、レンズアレイLA1は配置される。このレンズアレイLA1は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと平行に)カットされた平行四辺形形状のガラス基板SBを有している。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS1がアレイ配置されている。これら複数のレンズLS1は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
【0048】
そして、図3、図6に示すように、複数のレンズアレイLA1が長手方向LGDに並んで配設されている。つまり、この実施形態では、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズアレイLA1をスペーサーSP1が支持して、1つの長尺レンズアレイL−LA1が構成されている。ちなみに、直方形状を有するスペーサーSP1の長さは、レンズアレイLA1の幅方向LTDの端辺の長手方向LGDの長さより短く、1枚のレンズアレイLA1は、長手方向LGDに並ぶ複数のスペーサーSP1で支持される。具体的には、これらスペーサーSP1のうち、中央スペーサーSP1−bはレンズアレイLA1の長手方向LGDの略中央を支持し、端部スペーサーSP1−aは長手方向LGDに隣り合う2枚のレンズアレイLA1、LA1の隙間BD1を跨いで、該レンズアレイLA1、LA1を支持する。なお、スペーサーSP1とレンズアレイLA1とは接着剤等により固定されている。
【0049】
このようにして構成された長尺レンズアレイL−LA1の厚さ方向TKDの一方面には、互いに同一の形状・大きさを有する複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに間隔CL2を空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP2の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP2の列が、レンズアレイLA1のレンズLS1が形成された領域を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる。なお、これらのスペーサーSP1は、レンズアレイLA1のガラス基板SBの表面に接着剤等により固定されている。
【0050】
このようにして、2列に配置されたスペーサーSP2に対して、レンズアレイLA2が幅方向LTDに架設されており、これにより、レンズアレイLA2がレンズアレイLA1の厚さ方向TKDの一方側で位置決めされる。このとき、レンズアレイLA2のレンズLS2が形成された領域が、幅方向LTDに並ぶ2列のスペーサーSP2の列の間に位置するように、レンズアレイLA2は配置される。このレンズアレイLA2は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと並行に)カットされた平行四辺形形状のガラス基板SBを有している。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS2がアレイ配置されている。これら複数のレンズLS2は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
【0051】
そして、図3、図6に示すように、複数のレンズアレイLA2が長手方向LGDに並んで配設されている。つまり、この実施形態では、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズアレイLA2をスペーサーSP2が支持して、1つの長尺レンズアレイL−LA2が構成されている。ちなみに、直方形状を有するスペーサーSP2の長さは、レンズアレイLA2の幅方向LTDの端辺の長手方向LGDの長さより短く、1枚のレンズアレイLA2は、長手方向LGDに並ぶ複数のスペーサーSP2で支持される。具体的には、これらスペーサーSP2のうち、中央スペーサーSP2−bはレンズアレイLA2の長手方向LGDの略中央を支持し、端部スペーサーSP2−aは長手方向LGDに隣り合う2枚のレンズアレイLA2、LA2の隙間BD2を跨いで、該レンズアレイLA2、LA2を支持する。なお、スペーサーSP2とレンズアレイLA2とは接着剤等により固定されている。
【0052】
こうして2枚のレンズアレイLA1およびレンズアレイLA2は厚さ方向TKDに対向して配置されている。その結果、レンズアレイLA1の複数のレンズLS1とレンズアレイLA2の複数のレンズLS2とは一対一の対応関係で対向しており、互いに対向するレンズLS1とレンズLS2とは厚さ方向TKDからの平面視において重なり合うように、レンズアレイLA1、LA2は位置調整がされている。
【0053】
さらに、この実施形態では、長手方向LGDに長尺な支持ガラスSSが設けられている。詳述すると、長手方向LGDにおいて、この支持ガラスSSはレンズアレイLA2よりも長く形成されて、長尺レンズアレイL−LA2と略同じ長さを備えている。そして、この支持ガラスSSが長尺レンズアレイL−LA2の一方面に取り付けられており、言わば、支持ガラスSSが複数のレンズアレイLA2をスペーサーSP2の逆側から支持している。そして、この支持ガラスSSの表面SS−h(一方平面)が、感光体ドラム21の表面にクリアランスを空けて対向する。
【0054】
そして、この実施形態では、厚さ方向TKDに互いに対向するレンズLS1とレンズLS2とが1個の結像光学系を構成する。この結像光学系は、反転した縮小像を形成するものであり、その横倍率は負であるとともに1未満の絶対値を有している。したがって、発光素子Eから射出された光ビームは、レンズLS1、LS2を透過した後に支持ガラスSSの表面SS−hから射出されてスポットSTとして感光体ドラム21表面に照射される(図5)。そして、特開2008−036937号公報の図11等に記載のように、感光体ドラム21表面の副走査方向SDへの移動に応じて各発光素子Eの発光を制御することで、主走査方向MDに伸びるライン潜像を形成することができる。
【0055】
図7は、ラインヘッドのA−A線における部分詳細断面図であり、該断面図を長手方向LGD(主走査方向MD)から見た場合に相当する。同図では、遮光部材297は図示されていない。同図面を用いて、ラインヘッド29のより詳細な構成について説明する。上述してきたとおり、厚さ方向TKDには2枚のレンズアレイLA1、LA2が対向して配置されており、しかも、各レンズアレイLA1、LA2にはレンズLS1、LS2がアレイ配置されている。そして、厚さ方向TKDに互いに対向する2枚のレンズLS1、LS2が1個の結像光学系を構成している。なお、同図では、幅方向LTDの他方側から一方側へ向って順番に、各結像光学系の光軸に対して符号OAa、OAb、OAcが付されており、また、厚さ方向TKDからの平面視においてレンズLS1、LS2が形成されたレンズ形成領域に符号Rlsが付されている。
【0056】
図7に示すように、ヘッド基板表面293−hでは、レンズ形成領域Rlsの幅方向LTDの両側にスペーサーSP1が配置されており、これらスペーサーSP1、SP1にレンズアレイLA1が架設されている。また、レンズアレイLA1表面では、レンズ形成領域Rlsの幅方向LTDの両側にスペーサーSP2が配置されており、これらスペーサーSP2、SP2にレンズアレイLA2が架設されている。スペーサーSP1は、幅方向LTDに幅Wsp1の直方体形状を有しており、鉄等の金属から形成されている。スペーサーSP2は、幅方向LTDに幅Wsp2の直方体形状を有しており、スペーサーSP1よりも熱伝導率の低い材料から構成されている。また、スペーサーSP1の幅Wsp1とスペーサーSP2の幅Wsp2とは等しい。
【0057】
このようにして、レンズ形成領域Rlsの一方側および他方側のそれぞれにおいて、スペーサーSP1とスペーサーSP2とが厚さ方向TKDにレンズアレイLA1を介して積層配置されている。そして、こうして積層配置されたスペーサーSP1とスペーサーSP2とは幅方向LTDに互いにずれており、厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置されている。なお、本明細書で用いる「スペーサーSP1がスペーサーSP2に対して幅方向LTDの一方側(他方側)にずれている」との表現は、幅方向LTDにおいて、スペーサーSP1の内壁IW1がスペーサーSP2の内壁IW2に対して一方側(他方側)にずれており且つスペーサーSP1の外壁OW1がスペーサーSP2の外壁OW2に対して一方側(他方側)にずれている状態を指すものとする。ここで、スペーサーSP1、SP2の内壁IW1、IW2はスペーサーSP1、SP2のレンズ形成領域Rls側の壁面であり、スペーサーSP1、SP2の外壁OW1、OW2はスペーサーSP1、SP2のレンズ形成領域Rlsに対して反対側の壁面である。また、後に図9を用いて説明するように、「スペーサーSP1とスペーサーSP2とが厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置されている」とは、厚さ方向TKD(光軸方向)からの平面透視において、スペーサーSP1とスペーサーSP2とが少なくとも一部で互いに重複していない部分がある場合を意味し、逆に「スペーサーSP1とスペーサーSP2とが厚さ方向TKD(光軸方向)から見て同じ位置にある」とは、厚さ方向TKD(光軸方向)からの平面透視において、スペーサーSP2の全部がスペーサーSP1の内部に完全に納まっている場合を示す。
【0058】
以下、スペーサーSP1、SP2との配置態様について、幅方向LTDの他方側に配置されたスペーサーSP1、SP2で代表して説明する。図7に示すように、スペーサーSP1は、スペーサーSP2に対して幅方向LTDの他方側にずらして配置されている。つまり、スペーサーSP1の内壁IW1はスペーサーSP2の内壁IW2に対して幅方向LTDの他方側にシフト量sfiだけずれており、スペーサーSP1の外壁OW1はスペーサーSP2の外壁OW2に対して幅方向LTDの他方側にシフト量sfoだけずれている。なお、スペーサーSP1の幅Wsp1とスペーサーSP2の幅Wsp2とは等しいため、内壁面シフト量sfiと外壁面シフト量sfoとは等しくなる。このようにして、スペーサーSP1はスペーサーSP2に対して幅方向LTDの外側にずらして配置されている。また、こうして配置された結果、スペーサーSP1と各結像光学系の光軸OAa、OAb、OAcとの距離da1、db1、dc1は、スペーサーSP2と各結像光学系の光軸OAa、OAb、OAcとの距離da2、db2、dc2との距離よりも遠い(つまり、da1>da2、db1>db2、dc1>dc2)。
【0059】
また、幅方向LTDの一方側のスペーサーSP1、SP2も同様の態様で配置されており、幅方向LTDの一方側においてもスペーサーSP1はスペーサーSP2に対して幅方向LTDの外側にずらして配置されている。その結果、幅方向LTDの両側に配置されたスペーサーSP1、SP1間の間隔よりも、幅方向LTDの両側に配置されたスペーサーSP2、SP2間の間隔の方が狭くなっている。そして、この実施形態では、レンズアレイLA1、LA2の幅方向LTDへの幅Wla1、Wla2が、それぞれを支持するスペーサーSP1、SP2の間隔の違いに応じて変えられており、レンズアレイLA2の幅Wla2はレンズアレイLA1の幅Wla1より狭くなっている(幅Wla2<幅Wla1)。
【0060】
以上のように、本実施形態では、スペーサーSP1がスペーサーSP2に対してずらして配置されており、スペーサーSP1とスペーサーSP2とは厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置されている。次に、このようなスペーサーSP1、SP2の配置態様を採用した理由について、図7のほかに図8を用いて説明する。ここで、図8は、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置した理由の説明図であり、この実施形態の構成(同図右半分)のほかに参考形態(同図左半分)が併記されている。そして、図8の符号Q1〜Q3が付された矢印は矢印方向に伝導する熱を示しており、各矢印の太さが熱Q1〜Q3の熱量を模式的に表している。
【0061】
図7、図8に示すようなラインヘッドでは、ヘッド基板293に形成された発光素子E(発光素子グループEG)が発光に伴って発熱すると、発光素子E(発光素子グループEG)からの熱Q1がスペーサーSP1を介してレンズアレイLA1にまで伝導する場合がある。そして、このような場合にさらにレンズアレイLA1からスペーサーSP2を介してレンズアレイLA2にまで熱が伝導してしまうと、次のような問題が生じるおそれがあった。
【0062】
つまり、このラインヘッド29では、発光素子Eからの光はレンズLS1から射出された後にレンズLS2に入射することで、これらレンズLS1およびレンズLS2が構成する結像光学系から光学的作用を受ける。しかも、この結像光学系の横倍率の絶対値は1未満である。このような構成では、レンズLS2(つまり、結像光学系を構成するレンズのうち像面側のレンズ)の位置や面精度が光学系の結像性能等の光学的性能に大きく影響することとなる。そのため、ヘッド基板293からスペーサーSP1を介してレンズアレイLA1に伝導し、さらにスペーサーSP2を介してレンズアレイLA2にまで伝導して、レンズアレイLA2が熱変形を起こすと、レンズLS2の位置が変動したり、レンズの面精度が劣化したりしてしまい、その結果、結像光学系の光学的性能が悪化してしまうおそれがあった。
【0063】
これに対して、このラインヘッド29では、スペーサーSP1とスペーサーSP2とは厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置されている。このように、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置した場合、スペーサーSP1からレンズアレイLA1を経由してスペーサーSP2へと向う熱の伝導を抑えることができる。したがって、スペーサーSP2を介したレンズアレイLA2への熱伝導を抑えることができる。図8を用いて参考形態と実施形態とを比較しながら説明すると、同図に示すように、スペーサーSP1がスペーサーSP2に対してずれていない参考形態では、レンズアレイLA2に伝導する熱Q2の熱量が比較的多いのに対して、スペーサーSP1がスペーサーSP2に対してずれている実施形態では、レンズアレイLA2に伝導する熱Q3の熱量は比較的少なく抑えられている。よって、レンズアレイLA2の熱変形を抑えてレンズLS2の位置変動を抑制でき、その結果、レンズLS1およびレンズLS2が構成する結像光学系が適切な光学的性能を発揮することが可能となっている。
【0064】
また、この実施形態では、幅方向LTDに、スペーサーSP1はスペーサーSP2よりも結像光学系(の光軸)から離れて配設されている。そして、このような構成は、結像光学系の光学的性能に対して第1のスペーサーへの伝導熱が与える影響を抑制するのに有利となる。
【0065】
この実施形態のように、スペーサーSP1が金属であるラインヘッド29に対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、金属であるスペーサーSP1は熱伝導率が高いため、上述したような伝導経路(発光素子E→ヘッド基板293→スペーサーSP1→レンズアレイLA1→スペーサーSP2)を介してレンズアレイLA2への熱伝導が発生しやすい。したがって、このようなラインヘッド29に対しては、本発明を適用することで、レンズアレイLA2への熱伝導を抑制して、レンズLS1およびレンズLS2が構成する光学系の適切な光学的性能を担保することが好適となる。
【0066】
ところで、画像形成装置内部においてラインヘッド29は、感光体ドラム21の表面にスポットSTを照射するために、感光体ドラム21に近接して配置される。したがって、レンズアレイLA2が感光体ドラム21に近接して対向配置される。そこで、この実施形態では、レンズアレイLA2の幅Wla2は、レンズアレイLA1の幅Wla1よりも狭い。このように構成した場合、感光体ドラム21に近接して対向するレンズアレイLA2の感光体ドラム21周方向(副走査方向SD)への幅を抑えることができるため、ラインヘッド29周りに他の機能部(帯電部23)等の配置スペースを十分に確保して、感光体ドラム21に対するラインヘッド29のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0067】
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当する。また、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当し、レンズアレイLA1が本発明の「第1のレンズアレイ」に相当し、レンズアレイLA2が本発明の「第2のレンズアレイ」に相当し、レンズLS1が本発明の「第1のレンズ」に相当し、レンズLS2が本発明の「第2のレンズ」に相当し、スペーサーSP1が本発明の「第1のスペーサー」に相当し、スペーサーSP2が本発明の「第2のスペーサー」に相当し、レンズLS1およびレンズLS2が構成する結像光学系が本発明の「光学系」に相当している。また、長手方向LGD、主走査方向MDが本発明の「第1の方向」に相当し、幅方向LTD、副走査方向SDが本発明の「第2の方向」に相当している。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、スペーサーSP2の幅Wsp2とスペーサーSP1の幅Wsp1とは等しかったが、スペーサーSP2、SP1の幅関係はこれに限られず、スペーサーSP2の幅Wsp2はスペーサーSP1の幅Wsp1よりも狭くても良い。このように構成した場合、レンズアレイLA1およびスペーサーSP2を介したスペーサーSP1からレンズアレイLA2への熱伝導をより抑制できる。その結果、レンズアレイLA2に配設されたレンズLS2の位置変動をより抑制して、レンズLS1およびレンズLS2が構成する光学系の光学的性能をより適切なものとすることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを幅方向LTDに互いにずらすことで、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配設している。しかしながら、スペーサーSP1とスペーサーSP2との配置関係に対しては種々の変更が可能であり、要するに、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配設することで、すなわち、次に図9を用いて説明するようにスペーサーSP1とスペーサーSP2とを配置することで、上述の効果を奏することができる。
【0070】
図9は、スペーサーSP1とスペーサーSP2との配置関係を厚さ方向TKD(光軸方向)から見た平面透視図であり、スペーサーSP1とスペーサーSP2とが厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに異なる位置に配置された場合(同図上段)と、スペーサーSP1とスペーサーSP2とが厚さ方向TKD(光軸方向)から見て互いに同じ位置に配置された場合(同図下段)とが併記されている。また、同図では、スペーサーSP1は、当該スペーサーSP1とレンズアレイLA1との接合部で代表して図示され、スペーサーSP2は、当該スペーサーSP2とレンズアレイLA2との接合部で代表して図示されている。また、スペーサーSP1とレンズアレイLA1との接合部(第1接合部)には、右上から左下に向かう複数の斜線から成るハッチングが施され、スペーサーSP2とレンズアレイLA2との接合部(第2接合部)には、左上から右下に向かう複数の斜線から成るハッチングが施され、第1接合部と第2接合部との重複部分(換言すれば、スペーサーSP1とスペーサーSP2との重複部分)には互いに交差する複数の斜線から成るハッチングが施されている。
【0071】
同図の上段で示す4つの配置関係例では、いずれも、厚さ方向TKD(光軸方向)からの平面透視において、スペーサーSP1とスペーサーSP2とは一部では互いに重複しているが他の部分では互いに重複しておらず、互いに異なる位置に配置されている。その結果、第1接合部の面積および第2接合部の面積のいずれか小さい方の面積よりも、第1の接合部と第2接合部との重複部分の面積が小さくなっている、一方で、同図の下段に示す4つの配置関係例では、いずれも、厚さ方向TKD(光軸方向)からの平面透視において、スペーサーSP2の全部がスペーサーSP1の内部に完全に納まっており、互いに同じ位置に配置されている。そして、同図上段に示すように、厚さ方向TKD(光軸方向)から見て、スペーサーSP1とスペーサーSP2とを互いに異なる位置に配置することで、上述の効果を奏することができる。
【0072】
また、ヘッド基板293の裏面293−tに、TFT(Thin Film Transistor)等の駆動素子を設けて、当該駆動素子により発光素子Eを駆動するように構成しても良い。なお、このような構成に対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、駆動素子は発光素子の駆動に伴って発熱するため、この駆動素子からの熱が上述したような伝導経路を介してレンズアレイLA2に伝導するおそれがある。したがって、駆動素子をヘッド基板293に配設したラインヘッド29に対しては、本発明を適用することで、レンズアレイLA2への熱伝導を抑制して、レンズLS1およびレンズLS2が構成する結像光学系の光学的性能を担保することが好適となる。
【0073】
また、上記実施形態では、支持ガラスSSが設けられていたが、支持ガラスSSを設けないように構成することもできる。
【0074】
また、レンズアレイLA1、LA2等の各部材の寸法関係についても、種々の変更が可能であり、上述した以外の寸法関係を備えるように構成することもできる。
【0075】
また、上記実施形態では、複数のレンズアレイLA1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のレンズアレイLA2についても同様の変更が可能である。
【0076】
また、上記実施形態では、複数のスペーサーSP1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のスペーサーSP2についても同様の変更が可能である。
【0077】
また、上記実施形態の結像光学系は、反転像を形成するものであったが、正転像(つまり、反転していない像)を形成するものであっても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1の裏面(厚さ方向TKDの他方面)にレンズLS1が形成されていたが、レンズLS1の形成位置はこれに限られない。レンズアレイLA2のレンズLS2についても同様である。
【0079】
また、上記実施形態では、各レンズアレイLA1、LA2において3行千鳥でレンズが並んでいたが、レンズの配置態様はこれに限られない。
【0080】
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1、LA2は、ガラス製の光透過性基板SBに樹脂製のレンズLS1、LS2を形成したものであった。しかしながら、レンズアレイLA1、LA2を1つの材料で一体的に構成することもできる。
【0081】
また、上記実施形態では、複数の発光素子グループEGは3行千鳥で配置されていたが、複数の発光素子グループEGの配置態様はこれに限られない。
【0082】
また、上記実施形態では、15個の発光素子Eから発光素子グループEGが構成されている。しかしながら、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数はこれに限られない。
【0083】
また、上記実施形態では、発光素子グループEG内において、複数の発光素子Eが2行千鳥で配置されていたが、発光素子グループEG内での複数の発光素子Eの配置態様はこれに限られない。
【0084】
また、上記実施形態では、発光素子Eとしてボトムエミッション型の有機EL素子が用いられている。しかしながら、トップエミッション型の有機EL素子を発光素子Eとして用いても良く、あるいは有機EL素子以外のLED(Light Emitting Diode)等を発光素子Eとして用いても良い。
【符号の説明】
【0085】
E…発光素子、 293…ヘッド基板(発光素子基板)、 LA1、LA2…レンズアレイ、 LS1、LS2…レンズ(結像光学系)、 SP1、SP2…スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が第1の方向に配設された発光素子基板と、
前記発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイと、
前記第1のレンズから射出された光が入射し、前記第1のレンズと横倍率の絶対値が1未満の光学系を構成する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイと、
前記発光素子基板に配設されて、前記第1のレンズアレイを支持する第1のスペーサーと、
前記第1のレンズアレイに配設されるとともに、前記光学系の光軸方向から見て前記第1のスペーサーと異なる位置に配設され、前記第2のレンズアレイを支持する第2のスペーサーと、
を備えることを特徴とする露光ヘッド。
【請求項2】
前記第1のスペーサーと前記第2のスペーサーは、前記第1の方向と直交する第2の方向に異なる位置に配設されている請求項1記載の露光ヘッド。
【請求項3】
前記第1のスペーサーは、前記第2の方向に前記第2のスペーサーよりも、前記光学系の光軸から離れて配設されている請求項2に記載の露光ヘッド。
【請求項4】
前記第2のスペーサーの前記第2の方向への幅は、前記第1のスペーサーの前記第2の方向への幅よりも狭い請求項2または3に記載の露光ヘッド。
【請求項5】
前記第2のレンズアレイの前記第2の方向の幅は、前記第1のレンズアレイの前記第2の方向の幅よりも狭い請求項2ないし4のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
【請求項6】
前記第1のスペーサーは金属である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
【請求項7】
前記発光素子基板には、前記発光素子を駆動させる駆動素子が配設されている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
【請求項8】
発光素子が第1の方向に配設された発光素子基板、前記発光素子からの光が入射する第1のレンズが配設された第1のレンズアレイ、前記第1のレンズから射出された光が入射し前記第1のレンズと横倍率の絶対値が1未満の光学系を構成する第2のレンズが配設された第2のレンズアレイ、前記発光素子基板に配設されて前記第1のレンズアレイを支持する第1のスペーサー、および、前記第1のレンズアレイに配設されるとともに前記光学系の光軸方向から見て前記第1のスペーサーと異なる位置に配設され前記第2のレンズアレイを支持する第2のスペーサーを有する露光ヘッドと、
前記発光素子から射出されて前記第1のレンズおよび前記第2のレンズで構成される光学系を透過した光が照射される像担持体と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記第1のスペーサーは前記第2の方向に前記第2のスペーサーよりも、前記光学系の光軸から離れて配設されており、
前記第2のレンズアレイの前記第1の方向に直交する第2の方向への幅は、前記第1のレンズアレイの前記第2の方向への幅よりも狭い請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−51245(P2011−51245A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202447(P2009−202447)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】