説明

露光装置、露光装置のプログラム及びデバイス製造方法

【課題】ウエハの再度マーク探索を行う作業性が向上する露光装置、露光装置のプログラム、その露光装置を用いるデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】上記露光装置は、マスク、ウエハのアライメントマーク検出用のAスコープ105、Bスコープ106の各画像から、マスク、ウエハのアライメントマークを検出する表示画面制御部125と、各画像の少なくとも1つより得る画像、及び、マスクステージ102、ウエハステージ104の少なくとも1つを駆動するアライメントマーク探索操作手段である表示画面127を表示するコンピュータ端末121の表示部123とを有する。表示画面127に前記画像を、マスクステージ102、ウエハステージ104の少なくとも1つの撮像位置に対応して組み合わせた1枚の合成撮像画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ端末を介して操作を行なう露光装置、その露光装置のプログラム及びその露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ上に回路パターンを焼き付ける半導体露光装置、例えばステッパーでは、マスク(又はレチクル)と呼ばれる回路パターンの原図が描かれた透過板を用いる。
ウエハを決められた位置にセットし、照明光をマスクを通してウエハに照射することにより、マスクに描かれた回路パターンがウエハに焼き付けられる。
マスク、ウエハをセットする位置決め(アライメント)の際には、マスク、ウエハに記されたマーク(アライメントマーク)を顕微鏡で観察し、その画像をCCDカメラ等により取り込み、画像処理によって位置合わせを行なう。
位置合わせの際、取り込んだ画像中に注目すべきマークが検出されなかった場合は、オペレータがマスクステージ、ウエハステージを動かす必要がある。
【0003】
即ち、CCDカメラからの映像をモニタで見ながら、アライメントマークがCCDカメラの視野に入るように、マニュアル操作でマスクステージ、ウエハステージを動かす操作が必要となる。
上記操作は、半導体露光装置に備え付けられたコンピュータ端末を用いて可能となっている。
例えば、特開平11−214287号公報(特許文献1)では、初期のカメラ視野内においてマークの検出に失敗した場合でも、自動的なマークの再検出を可能とする技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−214287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、マニュアル操作でアライメントマークを探すときは、露光装置に備付けのコンピュータ端末の操作画面でマスクステージ、ウエハステージを操作していた。
このため、アライメントマークの探索作業を行なう場合には、オペレータは必ず露光装置の設置されている場所で作業する必要があった。
例えば、オペレータがオンラインホスト等を用いて露光装置から離れた場所から露光装置の遠隔操作を行なっていても、アライメントマークの探索作業を行なう際には、露光装置前まで移動する手間が生じ、作業効率を悪くする原因となっていた。
【0005】
また、半導体デバイスの製造過程では、同一パターンの半導体デバイスを複数の露光装置で製造するために、レチクルを複数の露光装置で共用することがある。 その際、一度、自動アライメント処理がエラーとなったレチクル又はウエハは、頻繁にマニュアルでのアライメントマーク探索作業が必要となる傾向がある。
しかし従来技術では、自動アライメント処理がエラーになる毎に、既に手動アライメント操作を行っているレチクル又はウエハに対しても、初めからマニュアルでのアライメント探索操作を行う必要がある。このことも、作業効率を悪くする原因となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、マーク探索の作業効率を向上させることを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の露光装置は、原版および基板の少なくとも一方に形成されたマークの位置を計測し、該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置であって、
該原版および該基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、
前記ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープと、
前記ステージの位置を指示するために操作される入力部と、
表示部と、
前記入力部により指示された複数の位置でそれぞれ前記撮像手段により撮像された画像を合成し、該合成された画像を前記表示部に表示させる制御部と、
を有することを特徴とする。
さらに、本発明の装置は、原版および基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、該ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープとを有し、該マークの位置を計測し、かつ該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置を操作する装置であって、
該ステージの位置を指示するために操作される入力部と、
表示部と、
前記入力部により指示された該ステージの複数の位置でそれぞれ該スコープにより撮像された画像を合成し、該合成された画像を前記表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明の方法は、原版および基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、該ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープとを有し、該マークの位置を計測し、かつ該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置を操作する方法であって、
入力部から該ステージの位置を指示する情報を受け取るステップと、
該指示された該ステージの複数の位置でそれぞれ該スコープにより撮像された画像を合成するステップと、
該合成された画像を表示部に表示させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、マーク探索の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1の露光装置の構成例、及び露光装置を管理するコンピュータ端末の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、露光装置100は、他の露光装置118、119と同様の構成であり、各々、LAN120を介してコンピュータ端末121に接続されている。以下、代表として露光装置100を説明する。
露光装置100は、例えばCPU及び内部メモリのRAM等を有するコンソール制御部115を備える。
コンソール制御部115は、CRT、液晶ディスプレイ等の表示部108の制御、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部107からの入力認識、及びハードディスク、MO等の記憶手段である記憶装置116の制御を行う。
【0011】
また、コンソール制御部115は、工場の情報ネットワークであるLAN120と接続するLAN送受信部117の制御、照明系制御部109の制御、Aスコープ制御部110の制御、マスクステージ制御部111の制御を行う。
さらに、コンソール制御部115は、Bスコープ制御部112の制御、及びウエハステージ制御部113の制御、画像入力部114の制御を行う。
特に、コンソール制御部115は、照明系制御部109、Aスコープ制御部110、マスクステージ制御部111に対しては、所定の制御コマンドを送信することによって制御し、これにより露光装置100の制御を行なう。
尚、マスクステージ制御部111は、マスクステージ制御手段を構成し、ウエハステージ制御部113は、ウエハステージ制御手段を構成する。
【0012】
一方、照明系制御部109は、コンソール制御部115より制御コマンドを受けて露光光を照射する照明部101の制御を行なう。
Aスコープ制御部110は、コンソール制御部115より制御コマンドを受けてAスコープ105の制御を行なう。
Aスコープ105は、マスク(回路パターンマスク)のアライメント時に使用されるもので、マスクに記されたアライメントマークを観察する顕微鏡であり、その映像をビデオ信号等に変換して画像入力部114に送信する。
マスクステージ制御部111は、コンソール制御部115より制御コマンドを受けてマスクステージ102のXYZ座標系の移動制御を行ない、露光処理時のマスクの投影位置を操作する。
尚、Aスコープ105は、マスクアライメント画像撮像手段を構成する。
【0013】
Bスコープ制御部112は、コンソール制御部115より制御コマンドを受けてBスコープ106の制御を行なう。
Bスコープ106は、ウエハ(半導体ウエハ)のアライメント時に使用されるもので、ウエハに記されたアライメントマークを観察する顕微鏡であり、その映像をビデオ信号等に変換して画像入力部114に送信する。
ウエハステージ制御部113は、コンソール制御部115より制御コマンドを受けてウエハステージ104のXYZ座標系の移動制御を行ない、露光処理時にウエハの露光位置を操作する。
一方、投影レンズ103は、マスクのパターンを縮小してウエハに焼き付ける場合に必要となるもので、縮小しない場合には必ずしも必要ではない。
尚、Bスコープ106は、ウエハアライメント画像撮像手段を構成する。
【0014】
画像入力部114は、Aスコープ105、Bスコープ106からの映像信号を、内部の画像メモリに取り込み、コンソール制御部115に出力する。
ここで、コンソール制御部115は、アライメントの対象がマスクステージ102の場合はAスコープ105の映像信号、ウエハステージ104の場合はBスコープ106の映像信号を受信する。
コンソール制御部115は、上記映像信号を受信する際、映像信号を単位時間毎の静止画像に変換し内部メモリに読み込む。
その後、コンソール制御部115は、内部メモリ上の静止画像に対して露光装置100の識別情報や撮像対象の位置情報等を付加した情報を送信データとして生成する。
さらに、コンソール制御部115は、送信データをLAN送受信部117から装置外のLAN120に送信する。
【0015】
コンピュータ端末121は、オペレータがアライメントマークの探索操作に用いる操作端末であり、露光装置100,118,119外部に存在し、その各々とLAN120で接続されている。
以下、コンピュータ端末121を外部コンピュータ端末121と記す。
外部コンピュータ端末121は、露光装置100,118,119等が置かれているクリーンルーム内に存在していても、居室のようなクリーンルーム外に存在しても構わない。
外部コンピュータ端末121の表示画面制御部125は、CRT、液晶ディスプレイ等の表示部123の制御を行う。
さらに、キーボード、マウス等の入力部122からの入力認識、ハードディスク、MO等の記憶手段である記憶装置126の制御を行う。
さらに、表示画面制御部125は、工場の情報ネットワークであるLAN120と接続するLAN送受信部124の制御、LAN送受信部124が受信する露光装置100等からのLAN送信データの解析を行う。
ここで、表示画面制御部125は、LAN送信データの解析情報からアライメントマークの探索結果である探索操作画像127を生成し、表示部123に表示する。
尚、表示画面制御部125及び探索操作画像127は、マスク(回路パターンマスク)及びウエハ(半導体ウエハ)のアライメントマークを検出する手段を構成する。
【0016】
図2は、外部コンピュータ端末121の表示部123に表示される探索操作画面の一例を示すイメージ図である。
表示部123に表示される探索操作画像127、即ち探索操作画面200の上部に位置する状態表示部201には、探索対象である露光装置100等を識別する装置情報を表示する装置情報表示部202を有する。
さらに、状態表示部201には、露光装置100等がマーク探索に失敗し再探索が必要となったアライメント種別や探索により駆動対象となるステージ情報等を表示するアライメント情報表示部203を有する。
さらに、状態表示部201には、探索対象のロットやウエハやマスク等の識別情報を表示するマテリアル情報表示部204を有し、そしてウエハやマスク等の撮像対象の位置情報を表示する撮像位置表示部205を有する。
【0017】
アライメント情報表示部203やマテリアル情報表示部204、撮像位置表示部205に表示される情報の内容は、露光装置100等からLAN120経由で受信したLAN送信データに含まれる情報の解析に基づく。
即ち表示画面制御部(図1参照)125がその解析を実行し、その解析結果を状態表示部201のアライメント情報表示部203やマテリアル情報表示部204、撮像位置表示部205に表示するものである。
一方、撮像画像表示部213に表示される撮像対象の位置情報は、撮像対象が移動する毎に表示内容が更新される。
撮像画像表示部213には、露光装置100等からLAN120経由で受信したLAN送信データに含まれる撮像画像データを表示画面制御部(図1参照)125が解析した撮像画像が表示される。
【0018】
撮像画像表示部213には、LAN送信データに含まれるAスコープ105、Bスコープ106で撮影した単位時間当たりの静止画像を連続して受信し画像表示する。
このため、撮像画像表示部213においては、あたかもリアルタイムでマスクステージ102、ウエハステージ104の撮像画像が動画像として表示されているように観察することができる。
撮像画像表示部213では、撮像画像の中心座標を提示する補助スケール214のように、LAN送信データに含まれる撮像画像の上に他の画像を重ねて表示することができる。
【0019】
探索操作画面200では、撮像画像表示部213に表示する撮像対象位置を移動する移動操作手段を有している。
撮像対象位置の移動操作手段としては、画像インタフェイスとしての方向ボタンによるものと、移動先の位置座標を直接入力するものがある。
例えばステージ方向駆動操作部217にある方向ボタンを押下(クリック等)した方向に、ステージ方向駆動距離入力部216に設定された距離分だけ、マスクステージ102、ウエハステージ104の撮像対象の位置が移動する。
移動先の位置座標を直接入力する移動操作手段では、駆動位置入力部219に設定したXY座標位置の撮像画像が撮像画像表示部213に表示される。
位置座標を直接入力する移動操作手段では、駆動位置入力モード切替ボタン218を有し、駆動位置入力モード切替ボタン218により絶対座標入力モード、相対座標入力モードを選択できる。
【0020】
絶対座標入力モード時は、ステージ駆動操作ボタン220を押下した場合、駆動位置入力部219に設定した値に対応するマスクステージ102位置、ウエハステージ104位置の撮像画像が撮像画像表示部213に表示される。
また、駆動位置入力モード切替ボタン218が相対座標入力モードに設定されている際に、ステージ駆動操作ボタン220を押下した場合には、次の撮像画像が撮像画像表示部213に表示される。
即ち、現在の撮像位置から駆動位置入力部219に設定された値を加算したマスクステージ102位置、ウエハステージ104位置の撮像画像が撮像画像表示部213に表示される。
【0021】
一方、撮像対象の移動操作であるステージ方向駆動操作部217又はステージ駆動操作ボタン220が押下された場合には、表示画面制御部125においてステージ駆動要求コマンドが生成される。
ステージ駆動要求コマンドは、ステージ方向駆動操作部217又はステージ駆動操作ボタン220に対応したステージ駆動量を含むコマンドであり、LAN送受信部124からLAN120経由で露光装置100等へ送信される。
その際、露光装置100等は、外部コンピュータ端末121から送信されたステージ駆動要求コマンドをLAN送受信部117で受信し、ステージ駆動要求コマンドをコンソール制御部115へ送信する。
【0022】
コンソール制御部115は、ステージ駆動要求コマンドに含まれる駆動対象ステージ情報から駆動対象のステージを判断し、ステージ駆動要求コマンドに含まれるステージ駆動量に対応したステージ実駆動コマンドを生成する。
コンソール制御部115は、ステージ対象に従ってマスクステージ制御部111又はウエハステージ制御部113へステージ実駆動コマンドを送信する。
マスクステージ制御部111又はウエハステージ制御部113は、ステージ実駆動コマンドを受信してマスクステージ102又はウエハステージ104を駆動する。
【0023】
このことで、Aスコープ105、Bスコープ106でのマスクステージ102、ウエハステージ104の撮像位置が相対的に移動し、Aスコープ105、Bスコープ106からは撮像内容の異なる映像信号が生成される。
このため、Aスコープ105、Bスコープ106からの移動後の映像信号を含むLAN送信データがコンソール制御部115で生成され、LAN送受信部117からLAN120経由で外部コンピュータ端末121へ送信される。
外部コンピュータ端末121では、ステージ方向駆動操作部217又はステージ駆動操作ボタン220の押下後のマスクステージ102、ウエハステージ104の再移動時の撮像画像を含むLAN送信データを受信する。
【0024】
外部コンピュータ端末121においては、上記所謂移動指示、及び再移動後のマスクステージ102、ウエハステージ104の撮像画像の表示までが連続して行われる。
このため外部コンピュータ端末121を操作するオペレータは、あたかも撮像画像表示部213からリアルタイムで露光装置100等のマスクステージ102、ウエハステージ104を観察しているかのように感じられる。
しかも、その結果、探索開始時点で現れていなかったアライメントマークは、探索操作の結果、探索対象アライメントマーク215のように撮像画像表示部213に現れる。
以上の動作は、上述の絶対座標入力モード時、及び相対座標入力モード時の場合も同様である。
尚、探索操作画面200の状態表示部201、ステージ方向操作部217、駆動位置入力部219、及びステージ駆動操作ボタン220は、アライメントマーク探索操作手段を構成する。
また、実施例1の場合、外部コンピュータ端末121の表示画面制御部125、及び探索操作画面200(主に撮像画面表示部213)は、合成撮像画像を生成する手段を構成する。
【0025】
図3は、アライメントマーク探索操作を行なっている間の露光装置から外部コンピュータ端末間を送信されるLAN送信データのデータ構造の一例を示すデータ概要図である。
LAN送信データは、各々単位時間毎の情報に分かれており、LAN送信データには、Time2の送信データ304に記されるように装置情報や撮像位置等の撮像対象情報306を含む。
また、LAN送信データには、Aスコープ105、Bスコープ106で撮影された映像信号がコンソール制御部(図1参照)115で変換された静止画像304が含まれる。
LAN送信データに含まれる画像は静止画像であるが、外部コンピュータ端末(121)301の操作画面において、単位時間毎のLAN送信データに含まれる静止画像情報を連続して表示する。
このことにより、オペレータはあたかも動画像が表示されているかのように感じることができる。
【0026】
尚、コンソール制御部115は連続してLAN送信データを生成しLAN送受信部117に送信する。
しかし、外部コンピュータ端末(121)301からのステージ駆動要求がなくAスコープ105、Bスコープ106で撮像するステージ位置が変わらない場合、コンソール制御部115は、次の制御を行う。
即ち、コンソール制御部115は、その場合は、LAN送受信部117へのLAN送信データの送信を停止する。
探索操作画面200の撮像画面表示部213には最後に露光装置(100等)300から送信されたLAN送信データに含まれる画像が表示される。
このようにコンソール制御部115が、Aスコープ105、Bスコープ106の撮像対象の位置が変わらない場合は、LAN(120)302へのデータ送信を中断することにより、LAN302上でのデータ量を低減する。
【0027】
図4は、探索操作画面200のボタン表示部206に位置する設定画面起動ボタン210を押下することで起動される設定画面400の一例を示すイメージ図である。
設定画面400の装置情報入力部404には、操作画面で操作対象とする露光装置100等を識別する情報(露光装置100等の装置名、タイプ名)の設定が可能である。
設定画面400の装置ネットワークアドレス入力部405には、LAN120に接続される複数の露光装置から操作対象となる露光装置100等を特定するネットワークアドレス情報の入力が可能である。
設定画面400のボタン表示部401には、設定反映ボタン402と、設定キャンセルボタン403が表示される。
【0028】
設定反映ボタン402を押下すると、装置ネットワークアドレス部405に入力した装置を探索対象へ切り替える処理が実行される。
即ち、装置ネットワークアドレス部405で入力した装置のLAN送受信部と外部コンピュータ端末121のLAN送受信部124,117が接続される。
図1に示すように、LAN120に複数の露光装置100、118、119が接続されている場合には、装置ネットワークアドレス部405の内容を変更することにより、探索画面の操作対象を容易に切り替えることができる。
上記に説明したように、露光装置100等の外部にある外部コンピュータ端末121に露光装置100等のアライメントカメラでリアルタイムに撮影している画像を表示できる。
【0029】
また、外部コンピュータ端末121からマスクステージ102、ウエハステージ104を操作する上述の各手段を構成することで、オンライン運用中等オペレータがクリーンルーム外から露光装置100等を遠隔操作できる。
遠隔操作の際にアライメントマーク検索作業が生じても、オペレータが露光装置100等まで移動する労力やクリーンスーツへの着替え等クリーンルームへ入室するための労力を省くことができ作業効率が大幅に向上する。
また、外部コンピュータ端末121からアライメントアシスト操作対象とする露光装置100等を切り替える各手段を構成したため、露光装置毎にアライメントアシスト操作端末を用意する必要がなく大幅なコスト削減ができる。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明の実施例2を説明する。
ここでは、実施例1で記した構成例に基づいて実施例2を説明する。
尚、実施例2で記す探索操作画面200は、実施例1で説明したように露光装置外に位置する外部コンピュータ端末121で表示されても良く、あるいは露光装置100等に備わる表示部108に表示されても構わない。
以下の処理は、例えば、露光装置の表示部108側で行う場合はコンソール制御部115が実行し、外部コンピュータ端末121の表示部123側で行う場合は表示画面制御部125が実行する。
まず、図2に示すように、探索操作画面200の合成撮像画像表示部221には、探索を開始してから撮像画像表示部213に表示された画像を、撮像位置に対応して組み合せた合成撮像画像224が表示される。
尚、外部コンピュータ端末121の表示画面制御部125、及び探索操作画面200(主に合成撮像画像表示部221)は、合成撮像画像を生成する手段を構成する。
【0031】
合成撮像画像表示部221には、現在、撮像画像表示部213で表示している範囲を示す撮像エリア枠225がともに表示される。
この撮像エリア枠225により合成撮像画像224と撮像画像表示部213の撮像位置との位置関係を容易に把握でき、既に探索済みの領域を繰り返し探索するような手間を防止することができる。
合成撮像画像表示部221は表示縮尺スクロールバー223を有しており、表示縮尺スクロールバー223を操作することにより、合成撮像画像表示部221の拡大、縮小を行うことができる。
【0032】
表示縮尺スクロールバー223の操作により合成撮像画像表示部221を拡大表示した際、合成撮像画像表示部221に仮に合成撮像画像224の一部しか表示されなくなった場合、次の制御が可能である。
即ち、一つには、その表示が外部コンピュータ端末121側の場合は、入力部122の上下左右キー等を押下することで、入力情報に対応して合成撮像画像表示部221に表示する合成撮像画像224の位置を移動できる。
また一つには、その表示が露光装置100等側の場合には、入力部107の上下左右キー等を押下することで、入力情報に対応して合成撮像画像表示部221に表示する合成撮像画像224の位置を移動できる。
【0033】
合成撮像画像224における目印アイコン226は、探索の結果、アライメントマークの発見時に、その位置を記憶しておくための情報である。
目印アイコン226は、後述の目印アイコン設定画面500を用いて合成撮像画像224に付加される。
合成撮像画像224における目印リスト227には、合成撮像画像224に付加した目印アイコン226のリストが表示される。
目印リスト227には、アライメントマークの形状種類や目印アイコン226を付加したマスクステージ102又はウエハステージ104の座標、コメント等の目印アイコン226を識別するための情報等が表示される。
尚、表示画面制御部125、目印アイコン226は、合成撮像画像に対してアライメントマーク形状、マスクステージ102、ウエハステージ104の座標情報を付加する付加手段を構成する。
また、目印リスト227、及び後述する目印アイコン設定画面500も、付加手段の構成に含まれる。
【0034】
探索操作画面200のボタン表示部206には、探索履歴保存ボタン207、目印設定画面起動ボタン208、目印位置反映ボタン209、設定画面起動ボタン210、探索履歴画面起動ボタン211が表示される。
また、探索操作画面200のボタン表示部206には、操作画面終了ボタン212が表示される。
探索履歴保存ボタン207の操作時は、探索操作画面200で行なった探索情報から探索履歴ファイル(図6参照)600を生成し、これが記憶装置116又は126に保存される。
探索履歴ファイル600には、第1に、ファイルの生成時刻やコメント等を含んだファイル識別情報601、探索対象の装置名や装置型番等の装置情報602を含む。
【0035】
さらに、探索履歴ファイル600には、第2に、探索が発生したアライメント種別や駆動対象ステージ等のアライメント情報603、探索対象のロット番号やウエハ番号等のマテリアル情報604を含む。
第3には、探索操作画面200の合成撮像画像表示部221の下方に付加した目印リスト227の情報を含む目印情報605、探索操作画面200の合成撮像画像表示部221の画像データである合成撮像画像情報606を含む。
一方、目印設定画面起動ボタン208の操作時は、合成撮像画像表示部221に図5に示す目印設定画面500を表示する。
目印位置反映ボタン209の操作時は、目印リスト227で選択された目印の位置情報を、駆動位置入力部219に反映する。
目印リスト227に選択状態目印228がある状態での目印位置反映ボタン209の押下時は、次の処理を行う。
即ち、目印リスト227に選択状態目印228がある状態での目印位置反映ボタン209の押下時は、選択状態目印228の座標情報を駆動位置入力部219に反映する。
【0036】
目印位置反映ボタン209を押下した後、ステージ駆動操作ボタン220を押下した場合、次の処理を行う。
即ち、目印位置反映ボタン209を押下した後、ステージ駆動操作ボタン220を押下した場合、撮像画像表示部213に目印の位置を撮像した画像を表示する。
探索履歴画面起動ボタン211の操作時は、過去に記憶装置116又は126に保存した探索履歴ファイル600を読出し、その一覧である探索履歴画面700を起動して表示部108又は123にリスト形式で表示する
尚、目印設定画面起動ボタン208、目印位置反映ボタン209、駆動位置入力部219、ステージ駆動操作ボタン220も、付加手段を構成する一要素として含まれる。
一方、探索画面終了ボタン212の操作時は、探索操作画面200を終了する。
【0037】
以下にボタン表示部206に含まれるボタンから起動される画面の詳細を記す。
図5は、目印設定画面起動ボタン208を押下することで起動される目印設定画面500の一例を示すイメージ図である。
以下の処理は、例えば、露光装置の表示部108側で行う場合はコンソール制御部115が実行し、外部コンピュータ端末121の表示部123側で行う場合は表示画面制御部125が実行する。
まず、図5に示すように、目印設定画面500のアライメントマーク入力部504は、目印アイコンとして合成撮像画像224に付加するアライメントマークの形状種類を指定できる。
即ちアライメントマーク入力部504は、幾つかのアライメントマークが選択肢として表示され、そのうち任意のアライメントマークを選択し得る手段である。
【0038】
目印設定画面500の目印アイコン表示部505は、アライメントマーク入力部504と連動してアライメント入力部504で選択されたアライメントマークに対応する画像が表示される。
目印設定画面500のコメント入力部506には、目印を識別するコメント情報を入力できる。
目印設定画面500のボタン表示部501には、目印付加ボタン502と、目印付加画面終了ボタン503が表示される。
目印付加ボタン502は、目印付加画面500で入力したアライメントマーク情報を合成撮像画像224へ付加する際のインタフェイスである。
【0039】
目印付加ボタン502を押下すると、一つには探索操作画面200の撮像画像表示部213の中心位置に対応する合成撮像画像224の位置に目印アイコンが付加される。
また、一つには目印付加画面500で設定したアライメントマークの形状種類等の情報や、目印アイコンを付加したマスクステージ102、ウエハステージ104の座標情報が、目印リスト227に追加される。
設定キャンセルボタン503を押下すると、目印設定画面500での変更が無視されて目印設定画面500が終了する。
尚、目印アイコン表示部505、目印付加ボタン502も、付加手段の構成の一要素として含まれる。
【0040】
図7は、探索履歴画面起動ボタン211を押下することで起動される探索履歴画面700の一例を示すイメージ図である。
以下の処理は、例えば、露光装置の表示部108側で行う場合はコンソール制御部115が実行し、外部コンピュータ端末121の表示部123側で行う場合は表示画面制御部125が実行する。
まず、図7に示すように、探索履歴リスト表示部704には、記憶装置116又は126に格納されていた探索履歴ファイル600が一覧で表示される。 探索履歴リスト表示部704の1行では、1つの探索履歴ファイル600の内容が表示されており、履歴識別情報表示部705には、探索履歴ファイル600のファイル識別情報601が表示される。
装置情報表示部706には、探索履歴ファイル600の装置情報602が表示され、アライメント表示部707には、探索履歴ファイル600のアライメント情報603が表示される。
【0041】
マテリアル情報表示部708には、探索履歴ファイル600のマテリアル情報604が表示され、目印情報表示部709には、探索履歴ファイル600の目印情報605が表示される。
そして合成撮像画像表示部710には、探索履歴ファイル600の合成撮像画像情報606が縮小された画像が表示される。
探索履歴リスト表示部704に過去の探索履歴ファイル600が一覧表示されていることにより、現在、探索操作画面200で探索対象としているマスク、ウエハが過去に他の露光装置で探索された履歴等を容易に探し出せる。
探索履歴画面700のボタン表示部701には、履歴読み込みボタン702と、履歴画面終了ボタン703が表示される。
履歴読み込みボタン702は、探索履歴リスト表示部704で選択された履歴項目711を探索操作画面200に読み込む際のインタフェイスである。
履歴画面終了ボタン703は、探索履歴画面700を終了する際のインタフェイスである。
【0042】
図8は、探索履歴画面700の履歴読み込みボタン702を押下した後の探索操作画面の一例を示すイメージ図である。
以下の処理は、例えば、露光装置の表示部108側で行う場合はコンソール制御部115が実行し、外部コンピュータ端末121の表示部123側で行う場合は表示画面制御部125が実行する。
まず、図8に示すように、探索履歴が読み込まれた後の探索操作画面800において合成撮像画像表示切替えタブ808で探索履歴を表示するタブへ切り替えると、合成撮像画像表示部809に次の情報が表示される。
即ち合成撮像画像表示部809には、探索履歴画面700で選択した選択状態履歴711に含まれる合成撮像画像810と目印アイコン811、目印リスト813が表示される。
【0043】
また、合成撮像画像表示部809には、リアルタイムの画像を表示する撮像画像表示部804の撮像範囲が撮像エリア枠812で示される。
探索操作画面800では、撮像画像表示部804に表示されるAスコープ105、Bスコープ106が撮影するリアルタイムな画像と、合成撮像画像表示部809に表示される過去の合成探索画像810とが同時に表示される。
このことにより、過去の探索履歴を参照しながら探索を行なうことができ、同じ位置を繰り返し探索するような手間を省くことができる。
また、探索履歴に含まれる目印アイコンの位置を撮像画像表示部804へ表示する場合には、次の手順で可能となる。
即ち合成撮像画像表示切替えタブ808で履歴タブを選択し、目印リスト813から選択状態目印814のように該当目印を選択した状態で、目印位置反映ボタン802を押下する。
【0044】
すると、選択状態目印814に含まれるマーク座標が、駆動位置入力部806に反映される。
また、駆動位置入力部806に選択状態目印814の位置情報が設定されている状態でステージ駆動操作ボタン807を押下すると、撮像画像表示部804に次の情報が表示される。
即ち過去に設定した目印アイコンのマスクステージ102、ウエハステージ104の位置を撮像したAスコープ105、Bスコープ106の撮像画像が撮像画像表示部804に表示される。
以上のように外部コンピュータ端末や露光装置の表示部108、123に、Aスコープ105、Bスコープ106の撮影画像と、マスクステージ位置又はウエハステージ位置を組み合わせた合成撮像画像とを同時に表示できる。
【0045】
これにより、探索経路と表示され撮像画像の位置関係を同時に把握することができ、繰り返し同じ場所を探索するような操作ミスを低減し、作業効率を大幅に向上できる。
また、合成撮像画像やそれに付加された目印情報等を履歴として保存することが可能であり、同一の露光装置あるいは他の露光装置でアライメントマーク探索操作が行われたマスク又はウエハに対する再探索も容易である。
即ち、再び手動でのアライメントマーク探索操作が生じた場合、一から探索を行うのではなくアライメントマークを発見した際の履歴情報を参照しながら探索操作を行うことができ、この観点からも作業効率を大幅に向上できる。
【0046】
(露光装置のプログラムの実施例)
次に、本発明の露光装置のプログラムの実施例を説明する。
まず、ステップ901では、外部コンピュータ端末121の表示部123に図2に示す探索操作画面200を表示する。
次いでステップ902では、各露光装置100、118、119からLAN120経由で受信したLAN送信データに含まれる情報を解析する。
次いでステップ903では、LAN送信データの各解析の結果を、探索操作画面200内の状態表示部201の各表示部に表示し、かつ撮像画像表示部213に表示する。
例えば、各解析の結果に基づいて、状態表示部201の各表示部に、各露光装置100、118、119の装置情報、アライメント情報、マテリアル情報、撮像位置情報を順次に表示していく。
また、撮像画像表示部213にも、同時に、各露光装置100、118、119のA、Bスコープ105,106が撮影した撮影画像を順次に表示していく。
【0047】
一方、次いでステップ904では、探索操作画面200の合成撮像画像表示部221には、探索を開始してから撮像画像表示部213に表示された画像を、撮像位置に対応して組み合せた合成撮像画像224を表示する。
即ち露光装置100等から得られる画像情報を、マスクステージ102、ウエハステージ104の少なくとも1つの撮像位置に対応して組み合わせた1枚の合成撮像画像を生成し同時に合成撮像画像表示部221に表示する。
合成撮像画像表示部221では、現在、撮像画像表示部213で表示している範囲を示す撮像エリア枠225により合成撮像画像224と撮像画像表示部213の撮影画像との関係を容易に把握できる。
さらに、表示縮尺スクロールバー223を操作することにより、合成撮像画像表示部221の拡大、縮小を行うことができる。
【0048】
表示縮尺スクロールバー223の操作により表示上の不都合があった場合は入力部122の上下左右キー等を押下することで、入力情報に対応して合成撮像画像表示部221に表示する合成撮像画像224の位置を移動できる。
一方、合成撮像画像224における目印アイコン226は、探索の結果、アライメントマークの発見時に、その位置を記憶しておくための情報である。
ステップ905では、目印アイコン226を、目印アイコン設定画面500を用いて合成撮像画像224に付加する。
さらに、合成撮像画像224における目印リスト227に、合成撮像画像224に付加した目印アイコン226のリストを表示する。
さらに、合成撮像画像224に対してマスク及びウエハのアライメントマークの少なくとも1つの形状情報と、マスクステージ102及びウエハステージ104の少なくとも1つの座標を含んだ座標情報とを付加する。
【0049】
次いでステップ906では、各解析の結果からアライメントマークの探索に失敗した露光装置があるか否かを判定する。
アライメントマークの探索に失敗した露光装置が存在しない場合は、本プログラムを終了する。
しかし、アライメントマークの探索に失敗した露光装置が存在する場合は、次のステップ907以降の処理に移る。
即ちステップ907では、状態表示部201の各表示部にアライメントマーク探索に失敗した露光装置の上記各情報を表示するか、もしくはアライメントマーク探索に失敗した露光装置の上記各情報を表示した状態を継続する。
アライメント情報表示部203には、マーク探索に失敗し再探索が必要となったアライメント種別や探索により駆動対象となるステージ情報を表示する。
また、撮像画像表示部213には、マーク探索に失敗した露光装置のA、Bスコープ105,106が撮影した撮影画像を同時に表示する。
【0050】
アライメントマークの探索に失敗した露光装置が存在する場合、次いでステップ908以降の処理を行う。
即ち、ステップ908では、探索操作画面200内のボタン表示部206、ステージ方向駆動操作部217、駆動位置入力モード切替えボタン218等の操作の有無を認識する。
ステップ908で、一つに、例えば、ステージ方向駆動距離入力部216に移動距離の設定がされた後、ステージ方向駆動操作部217の方向ボタンの操作を認識した場合は、次の処理を行う。
即ち、方向ボタンを押下した方向にその設定後の移動距離分だけ今回該当のマスクステージ102、ウエハステージ104の撮像対象の位置を移動させるステージ駆動要求コマンドを生成し該当する露光装置へ送信する。
【0051】
ステップ908で、一つに、例えば、駆動位置入力モード切替ボタン218での絶対座標入力モード選択後、駆動位置入力部219に駆動位置の入力、ステージ駆動操作ボタン220の操作を認識した場合は、次の処理を行う。
即ち、駆動位置(XYの駆動位置)の入力分の移動距離分だけ今回該当のマスクステージ102、ウエハステージ104の撮像対象の位置を移動させるステージ駆動要求コマンドを生成し該当する露光装置へ送信する。
このようにしてステージ駆動要求コマンドを今回マーク探索失敗の露光装置に送信した後の動作(ステップ)は、露光装置側の処理であり、詳しくは実施例1において既に説明しているため、ここではその説明は省略する。
次いでステップ909では、今回マーク探索失敗の露光装置からのLAN送信データから再移動後の撮影画像を撮像画像表示部213に表示する。
また、ステップ909に続いては、上記ステップ904の処理をも含む。詳しくは上述と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0052】
次いでステップ910では、今回マーク探索失敗の露光装置からのLAN送信データを解析し、アライメントマーク探索に成功したか否かを判定する。
今回マーク探索失敗の露光装置の上記処理の後、再度のアライメントマーク探索に成功した場合は、ボタン表示部206の探索履歴保存ボタン207等の操作の有無を判定する。
ここで探索履歴保存ボタン207の操作を認識した場合は、探索操作画面200で行なった探索情報から探索履歴ファイル(図6参照)600を生成し、これを記憶装置126に保存する。
探索履歴ファイル600は、検索履歴画面起動ボタン211の操作により画像表示することが可能である。
その場合、撮像画像表示部213のアライメントの撮像画像(ただしアライメントを含まない場合もある)と、前記探索履歴情報に含まれる合成撮像画像とを同時に表示する。
【0053】
しかし、今回のアライメントマーク探索が成功しなかった場合は、ステップ908以降の処理を再度繰り返す。
しかる後、ステップ911において、次のマーク探索失敗の露光装置が存在するか否かを判定する。次のマーク探索失敗の露光装置が存在する場合は、同じくステップ908以降の処理に移る。
ただし次のマーク探索失敗の露光装置が存在しない場合は、ステップ912においてボタン表示部206の探索画面終了ボタン212等の操作の有無を判定する。
【0054】
以上の後、探索画面終了ボタン212以外のボタンが操作された場合は、そのボタン操作に応じた処理に移る。その詳しくは実施例2において説明した通りである。
しかし、ステップ912において、探索画面終了ボタン212の操作を認識した場合は本プログラムを終了する。
以上本プログラムは、露光装置100等の外にLAN120で接続された外部コンピュータ端末121から露光装置100等のマスク、ウエハの撮像画像を見ながら双方のアライメントマークの探索操作を行うことを可能にする。
したがって、複数の露光装置を例えばオンラインホストから管理する等、オペレータが離れた場所から各露光装置を集中管理する際、アライメントマーク探索失敗でも、オペレータが出向かずに処理でき、作業効率が向上する。
【0055】
(デバイス製造方法の実施例)
次に、図9及び図10を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。
図9は、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。
ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスク(原版またはレチクルともいう)を製作する。
ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ただし、ここではレクチルを製造しても良い。
ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。
【0056】
ステップS5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程である。
この工程ではアッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。
ステップS6(検査)では、ステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。
こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップS7)される。
【0057】
図10は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
ステップS11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。
ステップS12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。
ステップS13(電極形成)では、ウエハに電極を形成する。
ステップS14(イオン打ち込み)ではウエハにイオンを打ち込む。
ステップS15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。
ステップS16(露光)では露光装置を用い、マスクの回路パターンを介してウエハを露光する。
ステップS17(現像)では露光したウエハを現像する。
ステップS18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。
ステップS19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
デバイス製造方法の実施例では、上記の露光装置を用いるため、デバイス製造に際して作業効率が向上し、デバイスの生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1の露光装置の構成例、及び露光装置を管理するコンピュータ端末の構成例を示す概略構成図である。
【図2】実施例1の外部コンピュータ端末の表示部に表示される探索操作画面の一例を示すイメージ図である。
【図3】実施例1のアライメントマーク探索操作時の露光装置から外部コンピュータ端末間を送信されるLAN送信データのデータ構造の一例を示すデータ概要図である。
【図4】実施例1の探索操作画面のボタン表示部に位置する設定画面起動ボタンを押下することで起動される設定画面の一例を示すイメージ図である。
【図5】本発明の実施例2の目印設定画面起動ボタンを押下することで起動される目印設定画面の一例を示すイメージ図である。
【図6】実施例2の探索操作画面で行なった探索情報から構成する探索履歴ファイルの一例を示すイメージ図である。
【図7】実施例2の探索履歴画面起動ボタンを押下することで起動される探索履歴画面の一例を示すイメージ図である。
【図8】実施例2の探索履歴画面の履歴読み込みボタンを押下した後の探索操作画面の一例を示すイメージ図である。
【図9】本発明の実施例1,2の露光装置を使用したデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9に示すフローチャートのステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
100、118、119、300 露光装置
101 照明部
102 マスクステージ
103 投影レンズ
104 ウエハステージ
105 Aスコープ
106 Bスコープ
107 入力部
108 表示部
109 照明系制御部
110 Aスコープ制御部
111 マスクステージ制御部
112 Bスコープ制御部
113 ウエハステージ制御部
114 画像入力部
115 コンソール制御部
116 記憶装置
117 LAN送受信部
120、302 LAN
121、301 外部コンピュータ端末(コンピュータ端末)
122 入力部
123 表示部
124 LAN送受信部
125 表示画面制御部
126 記憶装置
127 表示画面
200 探索操作画面
201 状態表示部
202 装置情報表示部
203 アライメント情報表示部
204 マテリアル情報表示部
205 撮像位置表示部
206 ボタン表示部
207 探索履歴保存ボタン
208 目印設定画面起動ボタン
209 目印位置反映ボタン
210 設定画面起動ボタン
211 探索履歴画面起動ボタン
212 探索画面終了ボタン
213 撮影画像表示部
214 補助スケール
215 探索対象アライメントマーク
216 ステージ方向駆動距離入力部
217 ステージ方向駆動操作部
218 駆動位置入力モード切り替えボタン
219 駆動位置入力部
220 ステージ駆動操作ボタン
221 合成撮像画像表示部
222 合成撮像画像表示切り替えタブ
223 表示尺度変更スクロールバー
224 合成撮像画像
225 撮像エリア枠
226 目印アイコン
227 目印リスト
228 選択状態目印
303、304、305 LAN転送情報
400 設定画面
401 ボタン表示部
402 設定反映ボタン
403 設定キャンセルボタン
404 装置情報入力部
405 装置ネットワークアドレス入力部
500 目印付加画面
501 ボタン表示部
502 目印付加ボタン
503 目印付加画面終了ボタン
504 アライメントマーク入力部
505 目印アイコン表示部
506 コメント入力部
600 探索履歴ファイル
601 ファイル識別情報
602 装置情報
603 アライメント情報
604 マテリアル情報
605 目印情報
606 合成撮像画像情報
700 探索履歴画面
701 ボタン表示部
702 履歴読み込みボタン
703 履歴画面終了ボタン
704 探索履歴リスト表示部
705 履歴識別情報表示部
706 装置情報表示部
707 アライメント情報表示部
708 マテリアル情報表示部
709 目印情報表示部
710 合成撮像画像表示部
711 選択状態履歴
800 探索操作画面
801 ボタン表示部
802 目印位置反映ボタン
804 撮像画像表示部
805 駆動位置入力モード切り替えボタン
806 駆動位置入力部
807 ステージ駆動操作ボタン
808 合成撮像画像表示切り替えタブ
809 合成撮像画像表示部
810 合成撮像画像
811 目印アイコン
812 撮像エリア枠
813 目印リアス
814 選択状態目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原版および基板の少なくとも一方に形成されたマークの位置を計測し、該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置であって、
該原版および該基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、
前記ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープと、
前記ステージの位置を指示するために操作される入力部と、
表示部と、
前記入力部により指示された複数の位置でそれぞれ前記撮像手段により撮像された画像を合成し、該合成された画像を前記表示部に表示させる制御部と、
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部に、該合成された画像および該撮像された画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記入力部は、該合成画像中における該マークの位置を指定するために操作されることを特徴とする請求項1または2記載の露光装置。
【請求項4】
該合成画像の情報と、該指定された該マークの位置の情報とを記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に、該記憶された情報を特定する情報を表示させることを特徴とする請求項4記載の露光装置。
【請求項6】
前記入力部は、該特定する情報を指定するために操作され、前記制御部は、前記表示部に、該指定された情報に対応した該合成画像の情報と該指定された該マークの位置の情報とを表示させることを特徴とする請求項5記載の露光装置。
【請求項7】
原版および基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、該ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープとを有し、該マークの位置を計測し、かつ該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置を操作する装置であって、
該ステージの位置を指示するために操作される入力部と、
表示部と、
前記入力部により指示された該ステージの複数の位置でそれぞれ該スコープにより撮像された画像を合成し、該合成された画像を前記表示部に表示させる制御部と、
を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
原版および基板のいずれかを保持し、かつ移動するステージと、該ステージに保持された該原版および該基板のいずれかに形成されたマークを撮像するスコープとを有し、該マークの位置を計測し、かつ該計測された位置に基づいて該基板を露光する露光装置を操作する方法であって、
入力部から該ステージの位置を指示する情報を受け取るステップと、
該指示された該ステージの複数の位置でそれぞれ該スコープにより撮像された画像を合成するステップと、
該合成された画像を表示部に表示させるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれかに記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
該露光された基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−141018(P2008−141018A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326378(P2006−326378)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】