説明

露光装置およびそれを備える画像形成装置

【課題】発光素子の発光特性に経時劣化が生じても、安定した均一な印刷画像wp得ることができる露光装置及びそれを用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】有機EL発光層7を有する発光部がアレイ状に配置された、発光素子基板1に対向して、内面に光反射金属膜からなる反射ミラー15が形成された光導波路空間14が各発光部に対して設けられた導波路形成部16が配置され、発光素子基板1の下面側に光センサ20が設けられる。有機EL発光層7から出射された光が光導波路空間14内の反射ミラーにより反射集光されて発光素子基板1の下面側方向に導光されるとともに、出射光の一部がセンサ開口部19から出射されて光センサ20によって受光され、光センサ20による、初期状態での受光光量と所定時間経過後の時点での受光光量との比較に基づいて、画像データを補正して、各発光素子の発光輝度を初期状態での発光輝度に近づけるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式等の画像形成装置における露光装置、及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式等の画像形成装置(プリンタ装置)においては、画像形成のための露光装置を有している。近年、この露光装置の光源として、有機EL素子等の発光素子を利用する試みが各種なされている。
【0003】
一方、このような発光素子を用いて露光を行う場合に、発光素子に起因した発光のばらつきがあるため、これを補正する技術が種々提案されている。例えば、特開平11−138890号公報は、予め発光素子補正用のデータをメモリに記憶させておき、その補正データをもとに計測された発光強度を補正している。
【特許文献1】特開平11−138890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発光素子の発光特性は時間の経過とともに変化することが知られており、発光素子を発光させたときの明るさは時間の経過とともに変化するが、従来技術はこのような問題に対して何ら具体的な解決策を提案していなかった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、発光素子の発光特性に経時劣化が生じても、安定した均一な印刷画像wp得ることができる露光装置及びそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、感光ドラムに対し画像データに応じた光を照射して露光を行う露光装置において、前記画像データに対応して供給される駆動信号に応じた光を出射する複数の発光素子が、一面上に、直線状に配列されて形成された、透明基板からなる発光素子基板と、前記発光素子基板の他面上に、2個以上の所定数の発光素子毎に対応して設けられた、前記複数の発光素子の各々から出射された光の一部を受光する、少なくとも1つの光センサと、第1のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量と前記第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量との比較に基づいて、前記画像データを補正して、前記各発光素子の発光輝度を、前記第1のタイミングでの前記各発光素子の発光輝度に維持させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記第2のタイミングにおいて、前記画像データの補正により前記駆動信号が前記発光素子に供給可能な最大値に達したとき、前記各発光素子の発光時間を制御して、前記各発光素子の発光輝度と発光時間に基づく露光エネルギーを、前記第1のタイミングでの前記露光エネルギーに維持させるように制御する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記光センサは、前記発光素子基板の他面上に接着層を介して設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記各発光素子は、前記発光素子基板の前記一面方向に光を出射するトップエミッション構造を有し、前記発光素子基板の一面上に対向して設けられ、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側に導光する導光手段を備え、前記導光手段は、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側から出射させて前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段と、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の露光装置において、前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する発光層を有し、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段は、前記発光層に対向して設けられ、該発光層から出射された光を前記発光素子基板の他面方向に反射する反射膜を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の露光装置において、前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する所定の面積を有する発光層を有し、前記導光手段における前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段は、前記発光層に対応して設けられ、該発光層から出射された光を、該発光層の面積より小さい面積に集光して前記発光素子基板の他面方向に反射する、反射膜を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、感光ドラムと帯電器と露光器と現像器とを有し、画像データに応じた印刷を行う画像形成装置において、前記露光器は、前記画像データに対応して供給される駆動信号に応じた光を出射する複数の発光素子が、一面上に、直線状に配列されて形成された、透明基板からなる発光素子基板と、前記発光素子基板の他面上に、2個以上の所定数の発光素子毎に対応して設けられた、前記複数の発光素子の各々から出射された光の一部を受光する、少なくとも1つの光センサと、第1のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量と前記第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量との比較に基づいて、前記画像データを補正して、前記各発光素子の発光輝度を、前記第1のタイミングでの前記各発光素子の発光輝度に維持させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記第2のタイミングにおいて、前記画像データの補正により前記駆動信号が前記発光素子に供給可能な最大値に達したとき、前記各発光素子の発光時間を制御して、前記各発光素子の発光輝度と発光時間に基づく露光エネルギーを、前記第1のタイミングでの前記露光エネルギーに維持させるように制御する手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記光センサは、前記発光素子基板の他面上に接着層を介して設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記各発光素子は、前記発光素子基板の前記一面方向に光を出射するトップエミッション構造を有し、前記発光素子基板の一面上に対向して設けられ、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側に導光する導光手段を備え、前記導光手段は、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側から出射させて前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段と、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する発光層を有し、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段は、前記発光層に対向して設けられ、該発光層から出射された光を前記発光素子基板の他面方向に反射する反射膜を有することを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する所定の面積を有する発光層を有し、前記導光手段における前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段は、前記発光層に対応して設けられ、該発光層から出射された光を、該発光層の面積より小さい面積に集光して前記発光素子基板の他面方向に反射する、反射膜を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、露光装置において、一面上に複数の発光素子が配列された発光素子基板の他面側に、2個以上の所定数の発光素子毎に対応して、各発光素子から出射された光の一部を受光する光センサ設けられて、該光センサによる、第1のタイミングでの各発光素子の発光輝度に対する受光光量と第2のタイミングでの各発光素子の発光輝度に対する受光光量との比較に基づいて、画像データを補正して、各発光素子の発光輝度を、第1のタイミングでの各発光素子の発光輝度に維持させるようにしたことにより、各発光素子の発光特性に経時劣化が生じても、安定した均一な印刷画像を得ることができる。また、各発光素子から出射された光を受光するための光センサを、2個以上の発光素子毎に設けるようにしたため、必要な光センサの数量を減らすことができて、露光装置のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用される電子写真方式による画像形成装置(プリンタ装置)の概略構成を示す図である。画像形成装置200は、感光ドラム201と、帯電器202と、露光器(露光装置)203と、現像器204と、転写器206と、定着器207と、除電器208と、クリーナ209と、を具備している。感光体ドラム201は、帯電器202により一様に帯電された後、露光器203に備えられた発光素子アレイの発光素子からの画像データの階調値に応じた光照射により静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を具現化するために現像器204にてトナーを付着させる。トナー像は転写器206と感光体ドラム201との間で用紙205に転写される。トナーの付着した用紙205は定着器207で熱定着された後、排出される。
【0021】
また、感光体ドラム201上の微量の転写漏れトナーはクリーナ209にて除去され、更に感光体ドラム201の表面は除電器208によって一様に除電される。
【0022】
ここで、上記した発光素子は、記録走査の主走査方向(感光体ドラム201の幅方向、つまり用紙の幅方向)に一列に配設された多数の発光素子からなる発光素子アレイを備えており、各発光素子は例えば有機ELからなる。この発光素子アレイは、例えば、A4サイズの用紙を横方向に用いて、その幅一杯に印字密度1200dpi(ドット/インチ)で印字可能なプリンタ装置の場合であれば、およそ15400個の発光素子を備えている。これらの個々の発光素子には、ホスト機器から出力される印字情報(画像データ)に従ったパルス電圧(駆動信号)が印加され、パルス電圧に応じて供給される駆動電流に応じて、個々の発光素子が選択的に発光制御される。有機ELを用いた発光デバイスは、近年盛んに研究されている。電子写真プロセスの光源に、LEDに代わり有機ELを採用することで、各LEDに接続していたワイヤーボンディングの本数を削減することができてコストを低減することができる。
【0023】
次に、露光器203に備えられる発光素子の構造について説明する。図2は、図1で説明した露光器3に備えられる発光素子アレイにおける発光素子の光導波方向の断面構造を示す図である。図3は、図2に示す断面構造をD−D’に沿って切断したときの断面図である。図4は、図2に示す断面構造の下面を示す図である。本構造は、透明な発光素子基板1の上面側にトップエミッション型の有機EL発光層7等の面状の複数の発光部をアレイ状に配置するととともに、前記発光部のそれぞれに対向して個別に配置される、傾斜面を有し、内面に光反射金属膜からなる反射ミラー15が設けられた光導波路空間14を有する導波路形成部16を備えた構造である。本構造により有機EL発光層7からの発光を光導波路空間14内に設けられた光反射金属膜15からなる反射ミラーにより図1の左側から右側方向へ反射集光したのち、光反射金属膜15により発光素子基板1の下面側方向に導光され、集光開口部18を介して出射する。
【0024】
ところで、有機ELを用いた発光素子においては、発光素子の発光時間や印加電圧の値等の履歴に応じて発光特性が劣化する経時劣化が生じ、それにより画像データの階調値に対する発光輝度が低下したり、発光素子アレイにおける各発光素子の発光特性にバラツキが生じたりして、これを画像形成装置に適用した場合に、安定した均一な印刷画像を得ることができない。これに対し、本発明においては、有機EL発光層7により発光された光の輝度を後述する方法によって検出して、画像データの階調値に対する発光輝度や露光エネルギーを一定値に近づけて維持するように補正制御する構成を備えることを特徴とする。このために、前記集光開口部18とは別に微小なるセンサ開口部19を設ける。このセンサ開口部19は有機EL発光層7の端部近傍の下側に設けられ、このセンサ開口部19の上部には前記光反射金属膜15の一端部側が設けられている。このとき、反射集光増幅の方向性より、反射ミラー15の左側は集光に大きく係わらないので、センサ開口部19のような微小な開口部を設ける事が可能である。有機EL発光層7からの光をセンサ開口部19より発光素子基板1の下面側へと導いて光センサ(PD:例えばフォトダイオード)20によりその輝度を検出する。
【0025】
なお、光センサ20は各センサ開口部19上にそれぞれ設ける必要はなく、任意の位置に任意の個数だけ設けることができる。例えば図4に示すように2つのセンサ開口部19にまたがって設けたり、あるいは後述する図6に示す、グループ毎の960個の画素毎に1個ずつ設けたり、することができる。この場合、仮に各有機EL発光層7の発光による輝度が同じであっても、光センサ20が受光する光量は、有機EL発光層7からの距離に応じて変化する。しかしながら、後述するように、本実施形態における輝度の補正制御は、初期値との相対的な変化を検出することに基づいて行われるため、有機EL発光層7からの距離に係わらずに、補正制御を行うことができる。
【0026】
光センサ20は例えば汎用的なフォトダイオード等で構成される。この光センサ20は、発光素子基板1の下面側に、例えば光透過性を有する接着層21を介して接着される。この接着層21として、屈折率を調整できる接着剤、例えばUV硬化エポキシ系の光路結合用接着剤を用いて、発光素子基板1との屈折率を合わせるようにすることが好ましい。また、発光素子基板1には必要に応じて駆動回路を構成するためのTFTやTFD等のスイッチング素子が形成される。すなわち、本実施形態における光センサ20は、発光素子基板1に一体的に形成されたものではなく、別途形成された汎用的なフォトダイオード等を用い、これを発光素子基板1の下面側に貼り付けるように構成されているものであるため、例えば発光素子基板に光センサを一体的に形成することによって構造が複雑化して、歩留まりが低下したり、信頼性が低下したりするようなことがない。
【0027】
発光素子の上方部は導波路形成樹脂で形成された導波路形成部16となっている。この導波路形成部16に溝を設け、この溝の内部表面に光反射金属膜15を蒸着等で形成する。前記溝と光反射金属膜15とにより構成される光導波路空間14はアレイ状の有機EL発光層7に対向する位置に1対1で形成されている。本導波路構造は例えばナノインプリント、射出成形、フォトリソ等、各種の成形方法により形成される。尚、本実施形態では封止基板17と導波路形成部16とが異なる材料からなる2層構造を示しているが単一材料により構成するようにしてもよい。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態に係わる画素駆動回路30と光センサ20の概略構成を示している。ここでの画素駆動回路30は2トランジスタ方式の構成を示しており、例えば有機EL素子からなる発光素子38と、ソース電極が発光素子38に接続され、ドレイン電極が電源電圧Vsourceに接続されて、発光素子38に供給する駆動電流を制御して、その発光を制御するための電流制御用薄膜トランジスタ36と、当該電流制御用薄膜トランジスタ36のゲート電極に接続された信号保持用のキャパシタ37と、ドレイン電極に画像データの階調値に応じた駆動信号Vdataが供給され、ソース電極が電流制御用薄膜トランジスタ36のゲート電極に接続され、ゲート電極に選択信号Vselectが印加されて、当該画素が選択されてキャパシタ37へのデータ書き込み時にオン状態とされるスイッチ用の薄膜トランジスタ35とから構成される。また、光センサ20はフォトダイオード(PD)31と、リセット信号Vrstがゲート電極に印加されるリセットトランジスタ32と、増幅トランジスタ33と、センサ選択信号Pselがゲート電極に印加される読出選択トランジスタ34とから構成される。
【0029】
また、光センサ20は、フォトダイオード(PD)31と、リセットトランジスタ32と、増幅トランジスタ33と、読出選択トランジスタ34とから構成される。
【0030】
次に、上述の発光素子アレイを駆動制御するための、発光部ユニットの構成について説明する。図6は、発光部ユニット100の構成を示す図であり、図7は、通常の印刷動作を行う場合の駆動制御のタイミングチャートである。発光部ユニット100は、全体の動作を制御するシステムコントローラ41と、Vdataドライバ45と、Vselectドライバ42と、Vsourceドライバ43と、発光素子アレイ44とから構成される。Vselectドライバ42及びVsourceドライバ43は例えば1ライン時間内で各信号をシフトするシフトレジスタを有して構成されている。
【0031】
発光素子アレイ44は、用紙の主走査方向に複数の発光素子38を並べて形成したものである。一例として1200dpi×1200dpi、40ppm、用紙間50mmでA4横サイズ(A4横=297mm以上、ここでは例えば325mm)の光源ユニットを用いることとすると、およそ15400個の発光素子38を備え、各々が画素駆動回路30を備えた画素を構成している。ここでは、960個の画素を1つの単位ブロックとして、1〜16の16個のブロック分の画素、すなわち、960×16=15360ドットの画素が主走査方向に並べられて発光素子アレイ44を構成しているものとする。この場合、主走査方向の1ラインの形成に許容される時間、1ライン時間は((25.4mm/1200dpi)/(210mm×40枚+50mm×40枚))/60≒122μsecとなる。
【0032】
Vdataドライバ45はVdata1〜Vdata960の960個の駆動信号を出力し、発光素子アレイ44の各ブロックに対応してこの960個の駆動信号を16個のブロックに並列に分配して、発光素子アレイ44の15360ドットの各画素に接続されている。また、Vselectドライバ42はVselect1〜Vselect16の16個の選択信号を出力し、各選択信号は発光素子アレイ44の16個のブロックの各々に接続され、各ブロックを構成する960個の画素に接続されている。Vsourceドライバ43はVsource1〜Vsource16の16個の電源信号を出力し、各電源信号は発光素子アレイ44の16個のブロックの各々に接続され、各ブロックを構成する960個の画素に接続されている。
【0033】
上記した構成において、通常の印刷動作を行う際には、図7に示すように、まず、Vselectドライバから1番目の画素ブロックに選択信号(Vselect1)を印加し、Vsourceドライバ43から1番目の画素ブロックに電源信号(Vsource1)を印加すると同時に、Vdataドライバ45より、1番目の画素ブロックの960個の画素に対して、画像データの階調値に応じたVdata1〜Vdata960の駆動信号を供給する。これにより、当該画素ブロックにおいて各画素内のスイッチ用トランジスタ35がオン状態にされ、信号保持用キャパシタ37に駆動信号Vdata1〜Vdata960に応じた電荷が保持される。これにより電流制御用トランジスタ36がオン状態にされると、Vsource1より発光素子38に画像データの階調値に応じた電流が流れ、1番目の画素ブロック内の各発光素子38が発光する。発光素子38の発光強度は、信号保持用のキャパシタ37に蓄積された、駆動信号Vdata1〜Vdata960に応じた電圧によって制御される電流制御用トランジスタ36に流れる電流で決定される。図7において、各各選択信号Vselect1〜Vselect16が印加される期間Tseは、各画素が選択される選択期間である。図7に示すように、選択期間が終了して各選択信号(Vselect1〜Vselect16)がローレベルとされて非選択期間へと移行した後も、電源信号(Vsource1〜Vsource16)は所定期間だけハイレベルに維持されている。これにより、電源信号がハイレベルの期間は発光が維持される。この動作が16個のブロックに対して順次行われて、発光素子アレイ44の全画素が発光制御される。
【0034】
次に、本実施形態における補正制御を行う際に行われる、各発光素子38の発光輝度を検出するための制御動作について説明する。図8は、補正制御を行う際の制御動作のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。補正制御を行う際には、図8に示すように、まず、上記した選択信号(Vselect1)が印加される前のタイミングで、対応する光センサ20におけるリセット信号Vrstをハイレベルにしてリセットトランジスタ32をオン状態として、電源VDDから電流を流して初期電荷を光センサPD31に充電する。次いで、選択信号(Vselect1)と電源信号(Vsource1)を印加すると同時に、駆動信号Vdata1〜Vdata960を供給する。このとき、Vdata1のみを例えば最高階調電圧とし、他のVdata2〜Vdata960を0Vとすることで、1番目の画素ブロックの1番目の画素の発光素子38のみを発光させる。この発光素子38から出射された光の一部が、センサ開口部19を介して、対応する光センサ(PD)31に照射されることで暗電流が増加し、初期電荷の一部が放電される。このときA点の電位は発光強度に応じて変化し、発光素子38の発光輝度に応じた電圧となる。増幅トランジスタ33はこの電位を増幅する。次いで、センサ選択信号Pselをハイレベルにすることで、読出選択トランジスタ34がオン状態となって、増幅トランジスタ33により増幅された、発光素子38の発光輝度に対応した出力電圧を出力端子Poutから読み出すことによって発光素子38の発光輝度を検知(測定)する。取得されたデータはシステムコントローラ41へと渡され、図示しないメモリ等に保存される。次いで、選択信号(Vselect1)と電源信号(Vsource1)を印加すると同時に、Vdata2のみを例えば最高階調電圧とし、他を0Vとした駆動信号Vdata1〜Vdata960を供給する。これにより、1番目の画素ブロックの2番目の画素の発光素子38のみを発光させる。この発光素子38から出射された光の一部が対応する光センサ31に照射され、センサ選択信号Pselをハイレベルにすることで、発光輝度を検出して、システムコントローラ41内に保存する。以上の動作を1番目の画素ブロック内の全画素について行って、各画素の発光素子38の発光強度を検出して、システムコントロー
ラ41内に保存する。なお、光センサ20は、前述のように複数の発光素子38毎に設けられているため、発光させる発光素子38に応じて、使用する光センサ20を適宜切り換えるように制御する。
【0035】
次いで、図8に示すように、2番目の画素ブロックに対して選択信号(Vselect2)と電源信号(Vsource2)を印加すると同時に、所定の駆動信号Vdata1〜Vdata960を供給して、上記と同様にして2番目の画素ブロック内の各画素の発光素子38を順次発光させて、全画素の発光素子38の発光輝度を検出して、システムコントローラ41内に保存する。以下、全ての画素ブロックに対して同様の動作を行って、発光素子アレイ44の全画素の発光素子38の発光輝度を検出して、システムコントローラ41内に保存する。
【0036】
次いで、本実施形態に係る補正制御を行う際の動作手順について説明する。本実施形態では、補正制御として、各発光素子38の発光輝度を補正する場合においては、初期状態(第1のタイミング)において、光センサ20により検出された発光素子アレイ44の各発光素子38の、所定の階調(例えば最高階調)における発光輝度の値と、所定時間経過後の時点(第2のタイミング)において、光センサ20により検出された発光輝度の値とを比較して、両者の差が0に近づくように各発光素子38の発光輝度を制御するように構成される。この場合、発光素子38の発光輝度と発光素子38に供給する駆動電流の値とを対応付けた補正テーブルを用いて、所定の階調における発光輝度を、初期状態における発光輝度に近づけるように、駆動電流の値を制御する。また、補正制御として、感光体ドラム201に照射される露光エネルギーを制御する場合においては、各発光素子38の発光時間を制御して、露光エネルギーを初期状態における値に近づけるよう制御するように構成される。
【0037】
図9は上記した補正制御の手順を示すフローチャートである。また、図10は、輝度補正を実現するためのシステムコントローラ41の構成を示すブロック図である。システムコントローラ41は、図10に示すように、各部の制御を行う制御部411と、光センサ20の出力を所定の値と比較するセンサ出力比較器412と、補正用画像データを発生する補正用画像データ発生部413と、駆動信号Vdataの値を補正するときに用いられるVdata補正テーブル414と、電源電圧Vsourceを印加する時間を演算するVsource駆動時間演算部415と、各画素の発光素子38の発光輝度の初期値を記憶する初期値メモリ416と、駆動時間が所定時間経過した後の、各画素の発光素子38の発光輝度の値を記憶する経時変化値メモリ417と、輝度補正を行った後の発光輝度の値を記憶する補正値メモリ418と、を備えている。ここで、Vdata補正値テーブル414及び初期値メモリ416は、電源を遮断しても設定値が保持され、システム内での書き換えが可能なフラッシュROM等で構成されるものとする。
【0038】
図9に示すように、補正制御を行う際には、まず、最初のシステム起動時で印刷を行う前のタイミング(第1のタイミング)で以下の初期値aを取得する動作が行われる。すなわち、装置の電源をONした後(ステップS1)、当該システム起動が1回目か否かを判断し(ステップS2)、1回目であるとき、発光素子アレイ44の全画素の発光素子38の各々に対して、前述の図8に示した駆動タイミングによって、駆動信号Vdataとして例えば最高階調電圧の初期値を順次供給して順次発光させ、全画素の発光素子38の発光輝度を光センサ20で順次測定する(ステップS3)。そしてこのときの測定値を初期値aとして取得し、システムコントローラ41の不揮発性の初期値メモリ416に記憶する(ステップS4)。そして、駆動信号Vdata=画像データとして(ステップS5)、補正制御を行わずに処理を終了する。これ以降、次に補正制御を行う際は、補正制御を行わずに、駆動信号Vdata=画像データとして印刷動作を行う。なお、この初期値aは1画素での値でなく、全画素分の値を有するものであり、各画素でそれぞれ異なる値を持つ。また、有機ELからなる発光素子38は、経時劣化により発光輝度が次第に低下する傾向を有しているため、発光素子38に供給する駆動信号Vdataを、この後の輝度補正によって、通常、初期状態より次第に高くする方向に補正することになる。このため、Vdataドライバ45の最大出力電圧(Vmax)の値を、このステップS3を行うときの最高階調電圧より高い値に設定しておくとよい。
【0039】
次いで、2回目以降の電源投入時、あるいは通電状態が続く場合は任意時間経過後で印刷状態に無い時(第2のタイミング)に、ステップS2の判断がNOとなる。このとき、全画素に対して、前述のステップS3の場合と同様に、最高階調電圧の初期値で全画素の発光素子38を順次発光させ、このときの発光輝度を光センサ20で測定し(ステップS6)、この測定値を経時変化値bとして経時変化値メモリ417に記憶する(ステップS7)。次に、初期値メモリ416と経時変化値メモリ417とから初期値aと経時変化値bとを読み出して、対応する画素毎に比較する(ステップS8)。このステップS8においては、各画素において、経時変化値bが初期値aに対する許容範囲α内に有るか否かを判定する。ステップS8において,経時変化値bが許容範囲内にあると判定された場合には(a−α≦b≦a+α、ステップS8:Yes)、発光特性の劣化が無いか微少であって、補正制御を行う必要がないため、駆動信号Vdata=画像データとして(ステップS8)、補正を行わずに処理を終了する。すなわち、これ以降、次に補正制御を行うまでは、補正制御を行わずに、駆動信号Vdata=画像データとして印刷動作を行う。
【0040】
一方、少なくとも1つの画素において、ステップS8で経時変化値bが許容範囲内にないと判定された場合には(b<a−α又はb>a+α、ステップS8:No)、この画素(以下、対象画素とする)において、発光素子38の発光効率の低下(経時劣化)が生じていると判断される。このとき、以下のようにして、駆動信号Vdataに補正を加えるためのVdata補正テーブル414の作成・書換の処理を行う。Vdata補正テーブル414の作成・書換処理においては、まず、駆動信号Vdataを補正する補正データを予め設定された補正量d1に設定する(ステップS10)。そして、駆動信号Vdataを画像データに補正データを合計した値(画像データ+補正データ)に補正する(ステップS11)。次いで、対象画素に対して、前述のステップS3の場合と同様に、最高階調電圧の初期値で対象画素の発光素子38を発光させ、このときの発光輝度を光センサ20で測定し(ステップS12)、この測定値を補正値cとして補正値メモリ418に記憶する(ステップS13)。次いで、初期値メモリ416から対象画素の初期値aを読み出し、補正値メモリ418から対象画素の補正値cを読み出して、対応する画素毎に比較する(ステップS14)。このステップS14においては、各画素において、補正値cが初期値aに対する許容範囲内に有るか否かを判定し、補正値cが許容範囲内にあると判定された場合には(a−α≦c≦a+α、ステップS14:Yes)、このときの駆動信号Vdataと補正データを用いて、Vdata補正テーブル414の作成、書換えを行い(ステップS15)、駆動信号Vdataを画像データと補正データを合計した値(画像データ+補正データ)に補正して(ステップS16)、処理を終了する。これ以降、次に補正制御を行うまでは、書換えられたVdata補正テーブル414に基づいて、駆動信号Vdataを画像データと補正データを合計した値に補正して、印刷動作を行う。
【0041】
一方、補正値cが許容範囲内にないと判定された場合には(c<a−α又はc>a+α、ステップS14:No)、補正データの値がまだ不十分と判断し、このときの補正データに所定の増分d2を付加する(ステップS18)。そして、再びステップS11に戻って、駆動信号Vdataを画像データに補正データを合計した値に補正して、以下、補正値cが許容範囲内に入るまで、同様の処理(ステップS12、S13、S14)を繰り返す。補正値cが許容範囲内にあると判定されたら、上記と同様に、このときの駆動信号Vdataと補正データを用いて、Vdata補正テーブル414の作成、書換えを行い(ステップS15)、駆動信号Vdataを画像データと補正データを合計した値に補正して(ステップS16)、処理を終了し、これ以降、次に補正制御を行うまでは、書換えられたVdata補正テーブル414に基づいて、駆動信号Vdataを画像データと補正データを合計した値に補正して、印刷動作を行う。
【0042】
また、ステップS14で補正値cが許容範囲内にないと判定された場合に、発光素子38の発光効率の経時劣化の程度が比較的大きく、このときの補正された駆動信号VdataがVdataドライバ45の最大出力値(Vmax)に達していたら、これ以上駆動信号Vdataを高く補正して、発光輝度を上げるようにすることができない。このために、ステップS18の補正データに増分d2を付加する処理を行う前に、駆動信号VdataがVdataドライバ45の最大出力値(Vmax)に達しているか否かの判定を行う(ステップS17)。ステップS17で駆動信号VdataがVdataドライバ45の最大出力値(Vmax)になったと判定された場合(Vdata=Vmax、ステップS17:No)には、発光時間を長くして露光エネルギー(感光体ドラム201への照射光量×時間)を増やすように制御する。このために、電源信号Vsourceの印加時間を長くする制御を行う。この制御を行うために、Vsource印加時間演算部415は光センサ20の出力値と現在のVsource印加時間とをもとに、初期状態での露光エネルギーに対する不足している露光エネルギーを演算し、演算結果に基づいてVsource印加時間の延長時間を演算して、Vsource印加時間を補正する(ステップS19)。この後、再びステップS11に戻って、駆動信号Vdataを画像データに補正データを合計した値に補正して、以下、補正値cが許容範囲内に入るまで、同様の処理(ステップS12、S13、S14)を繰り返す。補正値cが許容範囲内にあると判定されたら、上記と同様に、このときの駆動信号Vdataと補正データを用いて、Vdata補正テーブル414の作成、書換えを行い(ステップS15)、駆動信号Vdataを画像データと補正データを合計した値に補正(ステップS16)するとともに、Vsource印加時間を補正して処理を終了し、これ以降、次に補正制御を行うまでは、駆動信号Vdataを、書換えられたVdata補正テーブル414に基づいて、画像データと補正データを合計した値に補正するとともに、補正されたVsource印加時間を用いて印刷動作を行う。
【0043】
これらの補正制御動作により、発光素子アレイ44の各画素の発光素子38に発光特性が劣化する経時劣化が生じた場合であっても、画像データの階調値に対する発光輝度あるいは露光エネルギーを一定値に近づけて維持するように補正制御を行うことができる。
【0044】
以上説明したように、上記した実施形態によれば、画像形成装置200の露光器203に適用される発光素子アレイ44において、各発光素子38の発光輝度を検出する光センサ20を備え、起動時や任意時間経過後の印刷時以外のタイミングで、光センサ20によって各発光素子38の発光輝度を計測し、初期値と比較することで、各発光素子38の経時劣化に応じた適切な補正制御をかけて、各発光素子38の画像データの階調値に対する発光輝度を一定値に近づけて維持するように補正制御して、常に安定した均一な印刷画像を得るようにすることができる。更に、発光輝度の補正制御に加えて、発光時間を補正して露光エネルギーを一定値に近づけるように補正制御を行うことにより、発光素子の経時劣化が比較的大きい場合にも適切な補正制御を行って、安定した均一な印刷画像を得ることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、光センサ20によって検知される、初期状態と任意時間経過時の受光光量の相対的な変化に基づいて補正制御を行う構成としたことにより、光センサ20を発光素子アレイ44の各発光素子38毎に設ける必要がなく、複数の発光素子に対して1つの光センサ20を設ければよく、必要な光センサ20の数を減らして、コストを低減させることができる。更に、光センサ20として、別途形成された汎用的なフォトダイオード等を用い、これを発光素子基板1の下面側に貼り付けて用いることができるため、発光素子基板に光センサを一体的に形成して構造が複雑化することによる歩留まり低下や、信頼性の低下等の問題が生じないようにすることができる。
【0046】
また、光センサ20で受光するための光量センサ用の開口部19を有機EL発光層7の一端部側に設けたことにより、露光用の集光光の輝度に殆ど影響を与えることなく、発光輝度の検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明が適用される電子写真方式による画像形成装置(プリンタ装置)の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、図1で説明した露光器3に備えられる発光素子の光導波方向の断面構造を示す図である。
【図3】図3は、図1に示す断面構造をD−D’に沿って切断したときの断面図である。
【図4】図4は、図2に示す断面構造の下面を示す図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係わる有機EL発光部を備えた画素駆動回路と光センサの概略構成を示す図である。
【図6】図6は、発光部ユニットの構成を示す図である。
【図7】図7は、通常の印刷動作を行う場合の駆動制御のタイミングチャートである。
【図8】図8は、補正制御を行う際の制御動作のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図9】図9は、補正制御の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、補正制御を実現するためのシステムコントローラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
1 発光素子基板
7 有機EL発光層
15 光反射金属膜(反射ミラー)
18 集光開口部
19 センサ開口部
20 光センサ(PD)
30 画素駆動回路
38 発光素子
41 システムコントローラ
42 Vselectドライバ
43 Vsourceドライバ
411 制御部
412 センサ出力比較器
413 補正用画像データ発生部
414 Vdata補正テーブル
415 Vsource駆動時間演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムに対し画像データに応じた光を照射して露光を行う露光装置において、
前記画像データに対応して供給される駆動信号に応じた光を出射する複数の発光素子が、一面上に、直線状に配列されて形成された、透明基板からなる発光素子基板と、
前記発光素子基板の他面上に、2個以上の所定数の発光素子毎に対応して設けられた、前記複数の発光素子の各々から出射された光の一部を受光する、少なくとも1つの光センサと、
第1のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量と前記第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量との比較に基づいて、前記画像データを補正して、前記各発光素子の発光輝度を、前記第1のタイミングでの前記各発光素子の発光輝度に維持させる制御手段と、
を具備することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2のタイミングにおいて、前記画像データの補正により前記駆動信号が前記発光素子に供給可能な最大値に達したとき、前記各発光素子の発光時間を制御して、前記各発光素子の発光輝度と発光時間に基づく露光エネルギーを、前記第1のタイミングでの前記露光エネルギーに維持させるように制御する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記光センサは、前記発光素子基板の他面上に接着層を介して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
前記各発光素子は、前記発光素子基板の前記一面方向に光を出射するトップエミッション構造を有し、
前記発光素子基板の一面上に対向して設けられ、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側に導光する導光手段を備え、
前記導光手段は、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側から出射させて前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段と、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項5】
前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する発光層を有し、
前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段は、前記発光層に対向して設けられ、該発光層から出射された光を前記発光素子基板の他面方向に反射する反射膜を有することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
【請求項6】
前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する所定の面積を有する発光層を有し、
前記導光手段における前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段は、前記発光層に対応して設けられ、該発光層から出射された光を、該発光層の面積より小さい面積に集光して前記発光素子基板の他面方向に反射する、反射膜を有することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
【請求項7】
感光ドラムと帯電器と露光器と現像器とを有し、画像データに応じた印刷を行う画像形成装置において、
前記露光器は、
前記画像データに対応して供給される駆動信号に応じた光を出射する複数の発光素子が、一面上に、直線状に配列されて形成された、透明基板からなる発光素子基板と、
前記発光素子基板の他面上に、2個以上の所定数の発光素子毎に対応して設けられた、前記複数の発光素子の各々から出射された光の一部を受光する、少なくとも1つの光センサと、
第1のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量と前記第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングでの前記複数の発光素子の各々の発光輝度に対する前記光センサでの受光光量との比較に基づいて、前記画像データを補正して、前記各発光素子の発光輝度を、前記第1のタイミングでの前記各発光素子の発光輝度に維持させる制御手段と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2のタイミングにおいて、前記画像データの補正により前記駆動信号が前記発光素子に供給可能な最大値に達したとき、前記各発光素子の発光時間を制御して、前記各発光素子の発光輝度と発光時間に基づく露光エネルギーを、前記第1のタイミングでの前記露光エネルギーに維持させるように制御する手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光センサは、前記発光素子基板の他面上に接着層を介して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記各発光素子は、前記発光素子基板の前記一面方向に光を出射するトップエミッション構造を有し、
前記発光素子基板の一面上に対向して設けられ、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側に導光する導光手段を備え、
前記導光手段は、前記各発光素子から出射された光を前記発光素子基板の他面側から出射させて前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段と、前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段と、を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する発光層を有し、
前記各発光素子から出射された光の一部を前記光センサに導光する手段は、前記発光層に対向して設けられ、該発光層から出射された光を前記発光素子基板の他面方向に反射する反射膜を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記各発光素子は、前記画像データに応じた光を発光する所定の面積を有する発光層を有し、
前記導光手段における前記感光ドラムに照射するための光を生成する手段は、前記発光層に対応して設けられ、該発光層から出射された光を、該発光層の面積より小さい面積に集光して前記発光素子基板の他面方向に反射する、反射膜を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−194949(P2008−194949A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32385(P2007−32385)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】